JPH05340132A - 構造物の振動制御装置 - Google Patents

構造物の振動制御装置

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JPH05340132A
JPH05340132A JP14761092A JP14761092A JPH05340132A JP H05340132 A JPH05340132 A JP H05340132A JP 14761092 A JP14761092 A JP 14761092A JP 14761092 A JP14761092 A JP 14761092A JP H05340132 A JPH05340132 A JP H05340132A
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JP
Japan
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water tank
horizontal
natural period
vibration
water
Prior art date
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Pending
Application number
JP14761092A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Murakado
保行 村角
Masahiko Watanabe
雅彦 渡邊
Masaaki Yamada
山田  正明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物に設置する水槽を利用して、比較的固
有周期の短い構造物の地震発生時における応答を低減さ
せる。 【構成】 固有周期の短い構造物1の屋上階に、水槽1
0を鉛直支持部(剛球)12を介して水平方向には移動
自在に支持し、この水槽10の側面と構造物1の壁面と
を、それぞれ水平ばね部14と水平減衰部16とを介し
て結合する。構造物1と水槽10との固有周期は、予め
一定の関係に調整する。構造物1が地震発生時に振動し
たとき、水槽10が水平方向に大きく振動することによ
って生じる振動エネルギーを水平減衰部16により吸収
し、構造物1の振動を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、固有周期の比較的短
い構造物の地震発生時における応答を、水槽を利用して
低減する振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の屋上等に設置した水槽を利用す
る従来の振動制御装置は、大きく分類すると次の2種類
に分けられる。 (1)水槽に蓄えられた水のスロッシングを利用するも
の (2)水槽の重量を振り子の重りとして利用するもの 上記の(1)の装置は、水のスロッシングの固有周期が
構造物の固有周期と同調するように、水槽の断面積と水
深とを設定することによって、(2)の装置は、振り子
の固有周期が、構造物の固有周期と同調するように、振
り子の長さを設定することによって、それぞれ地震発生
時における構造物の振動を制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記2種の振動制御装
置は、比較的固有周期の長い構造物を適用対象として開
発されたものであり、固有周期の短い構造物に適用する
には、実用上の見地から次のような不都合が生じる。水
のスロッシングを利用する振動制御装置においては、水
槽の固有振動数fは、水槽の横断面を円形とすると、次
の式で表わされる。
【0004】f=〔(3.674 g/d)・tanh(3.67
4 h/d)〕1/2 /2π ただし、gは重力加速度、dは水槽の直径、hは水深で
ある。上式によれば、固有振動数の高い(固有周期の短
い)構造物に水槽のfを同調させる(fを大きくする)
ためには、dを小さくしなければならない。そこで、構
造物の固有振動数が2Hz(固有周期0.5秒)の場合に
ついて試算すると、h/dを1/5と仮定すれば直径
(d)14.3cmの水槽に水深(h)2.9cmの水
を入れ、h/dを1/10と仮定すれば直径(d)の水
槽に水深(h)0.8cmの水を入れるという結果が得
られる。
【0005】したがって、比較的固有周期の短い構造物
の屋上等に大量の水を貯蔵し、この水のスロッシングを
利用して構造物の振動を制御するためには、小型の水槽
を多数準備するか、あるいは大型の水槽を細かく仕切っ
たものを使用しなければならず、水槽の製作,保守管理
に多大の手間を要するだけでなく、この水を他の目的に
使用することもほとんど不可能であるから、実用には到
底耐え得ないものとなる。
【0006】また、振り子の重りとして利用する振動制
御装置においては、振り子の固有振動数fは、重りの重
量には関係がなく、次の式で表わされる。 f=(g/l)1/2 /2π ただし、gは重力加速度、lは振り子の長さである。上
式によれば、固有振動数の高い(固有周期の短い)構造
物に振り子のfを同調させる(fを大きくする)ために
は、lを小さくしなければならない。
【0007】そこで、構造物の固有振動数が2Hz(固有
周期0.5秒)の場合について試算すると、振り子の長
さlは6.2cmという結果が得られる。したがって、
この場合においても、水槽の振り子(吊り材)の長さと
しては余りにも短かすぎて実用には供し得ないものとな
る。上記のように、水のスロッシングを利用するか、あ
るいは水槽を振り子の重りとして利用する従来の振動制
御装置は、固有周期の短い構造物に適用しようとして
も、現実的に実用可能なシステムを構築することが困難
であるだけでなく、従来のこの種の装置は、いずれも揺
れの振幅を小さくするという居住性の改善を目的とした
ものであるため、構造物の応答(層せん断力および応答
加速度)を低減するという構造自体の耐震設計について
は、必ずしも十分な配慮がなされているとはいえない。
【0008】この発明は、上記のような問題を解決し
て、水槽を利用して固有周期の短い構造物の地震発生時
における応答を低減することが実用的に可能な振動制御
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、比較的固有周期の短い構造物
の上部に、水を蓄えた水槽を配置し、この水槽と構造物
との間に、水槽を鉛直方向にのみ剛性支持し水平方向の
剛性を有しない鉛直支持部と、水槽を水平方向に弾性支
持する水平ばね部と、水槽の水平方向の振動を減衰させ
る水平減衰部とを設けた構成としてある。
【0010】
【作用】この発明の振動制御装置が設置された比較的固
有周期の短い構造物が、地震発生時に振動すると、水槽
が水平方向に大きく振動し、この振動エネルギーを水平
減衰部により吸収することによって、構造物の振動を低
減する。
【0011】
【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の装置の配置例を模式的に示
した概要図である。比較的固有周期の短い構造物、たと
えば鉄筋コンクリート造り構造物1の屋上階に、貯蔵す
る水を蓄えた水槽10を配置してある。この水槽10
は、屋上階の床面に鉛直支持部12を介して鉛直方向に
剛性的に支持され、水平方向には自由に動くことができ
るようになっている。このように鉛直荷重を支持する剛
性体であって、水平方向の剛性を有しない鉛直支持部1
2としては、たとえば剛球を使用する。水槽10の形状
寸法,重量は、構造物1と水槽10との固有周期とが一
定の関係となるように調整し、構造物1の地震発生時の
振動によって、水槽10に大きな水平移動が生じるよう
に設定してある。
【0012】上記の水槽10の側面は、互いに水槽10
の中心に対して対称位置に設けた一対の水平ばね部14
と水平減衰部16とを介して、それぞれ各別に構造物1
の壁面に結合してある。水平ばね部14としては、たと
えば引張りコイルばね,水平減衰部16としては、たと
えば液圧ダンパーを用い、水槽10を水平ばね部14に
より水平方向に弾性的に支持するとともに、水槽10の
水平方向の振動を水平減衰部16により減衰させるよう
に構成している。
【0013】上記構成の振動制御装置が設置された構造
物1が地震発生によって固有周期の短い振動を生じた場
合、固有周期が予め一定の関係に調整されている水槽1
0は、水平ばね部14によって弾性支持されながら水平
方向に大きく振動することになるが、この振動は水平減
衰部16によって減衰され、その結果として構造物1の
振動エネルギーが吸収されることになる。
【0014】ここで、この発明の振動制御装置の制振効
果を確認するために行った試算結果を図2および図3に
示す。解析条件として、図1に示した構造物(5質点,
1軸モデル)の屋上階に、水槽(重量2500t)を剛
球を介して鉛直方向に支持し、水平方向にはコイルばね
(ばね値2.878×105 t/m)と液圧ダンパー
(粘性定数8.567×102 )とを介して壁面に結合
した構成のこの発明の装置と、上記と同一仕様の構造物
の屋上階に、同一仕様の水槽を固定して設置した比較装
置とを用いて各構造物に地震動(加速度290gal)
を入力したときの応答計算を各階層について行った。
【0015】図2は、構造物の各階層における応答せん
断力を示し、この発明の装置によれば、比較装置に比べ
て各階層のせん断力が低減しており、とくに低階層ほど
低減率が著しいことが分かる。図3は、構造物の各階層
における応答加速度であり、この発明の装置は、最下層
を除く各階層において比較装置よりも応答加速度が低減
していることを示している。
【0016】図4は、この発明の他の配置例を模式的に
示した要部の概略図である。図4aは、水槽10の鉛直
支持部12を滑り面としたものであり、構造物1の屋上
階の床面にふっ素樹脂板等の摩擦係数の小さい敷板12
aを貼り付け、水槽10の下面にもフッ素樹脂等の外層
12bを被着したものを接触させて載置してある。図4
bは、鉛直支持部12と水平ばね部14とを一体に組み
合わせた機構を水槽10の下面と構造物1の床面との間
に設けてある。図4cは、鉛直支持部12、水平ばね部
14、水平減衰部16の全部を一体に組み合わせた機構
を水槽10の下面と構造物1の床面との間に設けてあ
る。上記のb図とc図との機構は、水槽10の側面と構
造物1の壁面との間に設けてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、比較的固有周期の短い構造物においても、水槽を利
用した振動制御装置を実用に耐え得る規模で適用して所
望の制振効果を得ることができるだけでなく、構造物の
各階層における応答せん断力および応答加速度を低減す
ることができるため、構造物の地震による被害を防止す
るのに役立ち、ひいては、構造物の耐震力を配慮した強
度計算を行うに際して、安全性,信頼性の高い強度をも
つ構造物の設計が可能になるという効果が併せて得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の振動制御装置の配置例を示す概要図
と構造物の質量分布図である。
【図2】地震動に対する構造物の各階層おける応答せん
断力の比較図である。
【図3】地震動に対する構造物の各階層における応答加
速度の比較図である。
【図4】この発明の振動制御装置の他の配置例を示す概
要図である。
【符号の説明】
1 構造物 10 水槽 12 鉛直支持部 14 水平ばね部 16 水平減衰部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的固有周期の短い構造物の上部に、
    水を蓄えた水槽を配置し、この水槽と構造物との間に、
    水槽を鉛直方向にのみ剛性支持し水平方向の剛性を有し
    ない鉛直支持部と、水槽を水平方向に弾性支持する水平
    ばね部と、水槽の水平方向の振動を減衰させる水平減衰
    部とを設けたことを特徴とする構造物の振動制御装置。
JP14761092A 1992-06-08 1992-06-08 構造物の振動制御装置 Pending JPH05340132A (ja)

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JP14761092A JPH05340132A (ja) 1992-06-08 1992-06-08 構造物の振動制御装置

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002098188A (ja) * 2000-09-20 2002-04-05 Oiles Ind Co Ltd 制振機能付き免震構造物
KR100823625B1 (ko) * 2006-09-29 2008-04-21 주식회사 포스코건설 동조 질량-유체 복합감쇠기
KR100898630B1 (ko) * 2007-08-24 2009-05-21 건국대학교 산학협력단 구조물의 진동을 감소시키기 위한 복합 감쇠기
CN103486182A (zh) * 2013-10-16 2014-01-01 太原刚玉物流工程有限公司 全方位弹簧缓冲装置

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KR100823625B1 (ko) * 2006-09-29 2008-04-21 주식회사 포스코건설 동조 질량-유체 복합감쇠기
KR100898630B1 (ko) * 2007-08-24 2009-05-21 건국대학교 산학협력단 구조물의 진동을 감소시키기 위한 복합 감쇠기
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