JPH0739686B2 - 温水洗浄装置の洗浄ノズル駆動方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】

本発明は、肛門洗浄用やビデとして使用される温水洗浄
装置の洗浄水を吐出させる洗浄ノズルの駆動方法に関す
る。

【背景技術】

従来にあっては、洗浄ノズルから洗浄水を吐出させ、洗
浄水の吐出を停止させて直ぐに洗浄ノズルを移動させて
いた。即ち、駆動時の動作としては、スイッチがオンに
されると初めに便座の下の収納位置で洗浄ノズルから洗
浄水を吐出させて洗浄ノズル内に残っている冷水を洗浄
ノズルから排出させた後直ちに洗浄ノズルを突出させ、
便座に腰掛けた人体へ向けて洗浄水を吐出させ、洗浄後
ポンプを停止させて洗浄水を止めて直ちに洗浄ノズルを
便座の下へ収納し、便座の下で洗浄ノズルから再び洗浄
水を吐出させて洗浄ノズルをアフタークリーニングして
いた。 ところが、肛門洗浄あるいはビデとして使用するために
は、洗浄水の吐出圧は相当高くなければならず、この高
水圧のために洗浄水吐出時には洗浄ノズルやホースなど
は加圧されて弾性的に膨張している。このため、ポンプ
を止めて洗浄水の吐出を停止させてもそれまで弾性的に
膨張していた洗浄ノズルやホースなどの収縮のために水
路内に残留圧力が発生し、ポンプ停止後の洗浄ノズルか
ら洗浄水が噴出する。従って、従来の温水洗浄装置のよ
うに冷水除去後直ちに洗浄ノズルを突出させたり、洗浄
完了後直ちに洗浄ノズルを引っ込めたりすると、残留圧
力で吐出する洗浄水により人体の洗浄箇所以外の箇所も
濡らしてしまい、使用者に不快感を与えたり、衣類まで
濡らしたりする恐れがあり、また人体の広い範囲を濡ら
すことになるので洗浄後の温風による乾燥にも時間がか
かるという問題があった。

【発明の目的】

本発明は叙上のような技術的背景に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところは洗浄後に残留圧力によ
り吐出する洗浄水により余分な箇所まで濡らすことのな
いようにすることにある。

【発明の開示】

本発明温水洗浄装置の洗浄ノズル駆動方法は、ポンプ２
により洗浄水に圧力を加えて洗浄ノズル１から洗浄水を
吐出させる温水洗浄装置において、洗浄ノズル１から洗
浄水を吐出させた後、ポンプ２を停止させて一定時間放
置して洗浄ノズル１内の残留圧力を除去した後に洗浄ノ
ズル１を移動させることを特徴とするものである。しか
して、洗浄ノズル１の移動時には一定時間放置して洗浄
ノズル１内の残留圧力が消失した後に洗浄ノズル１を移
動させているので、洗浄水を止めた後も残留圧力により
吐出する洗浄水で洗浄箇所以外の箇所を濡らすことがな
いものである。 以下本発明の実施例を添付図に基いて詳述する。温水洗
浄装置の概略の構成は第１図に示されている。洗浄装置
本体３は便器の後部や側部に設置されるものであり、内
部には給水用のポンプ２や水を適当温度の温水に加熱し
て貯える温水タンク４が内蔵されており、洗浄装置本体
３からは便器中央に向けて洗浄ノズル１が突出可能とな
っている。洗浄ノズル１は、第３図に示すように制御用
のモータ６により駆動されるようになっており、洗浄ノ
ズル１の下面に設けられたラック７とモータ６のピニオ
ン８とを噛合させてあってモータ６を正逆回転させて洗
浄ノズル１を突出させ、あるいは後退させるようになっ
ている。更に、図示しないが洗浄装置本体３内には乾燥
用の温風発生器やスイッチ類、制御回路なども内蔵され
ている。洗浄水として用いられる洗浄水はポンプ２によ
りロータンク15内などに沈められた給水口５から汲み上
げられて温水タンク24へ送られるようになっており、更
にポンプ２を駆動すると温水タンク４を介して洗浄ノズ
ル１に水圧をかけて洗浄ノズル１から温水を吐出させる
ようになっている。 しかして、第２図に示すように、洗浄装置本体３の洗浄
スイッチをオンにすると、洗浄ノズル１が洗浄装置本体
３内に停止した状態で（洗浄ノズル１の先端は便器内の
縁部に位置している）ポンプ２が駆動されて洗浄ノズル
１の先端から洗浄水を吐出し、洗浄ノズル１内に溜まっ
ている冷水を排出するとともに洗浄ノズル１と対向して
配置されている反射板（図示せず）で跳ね返った洗浄水
で洗浄ノズル１をセルフクリーニングさせる。冷水除去
が完了するとポンプ２が一旦停止させられるが、直ちに
モータ６を駆動して洗浄ノズル１を突出させることはな
く、例えば制御回路内のタイマー回路などの働きで一定
時間遅らせてモータ６を駆動させて洗浄ノズル１を突出
させる。このようにポンプ２停止後、モータ６の駆動を
一定時間遅らせて放置することにより、ポンプ２停止後
洗浄ノズル１内に残っている残留圧力で洗浄ノズル１内
の余分の温水が放出されて残留圧力が除去され、一定時
間経過して洗浄ノズル１からの洗浄水の漏出が停止した
後に洗浄ノズル１が移動させられることになり、洗浄ノ
ズル１の移動時に洗浄水で洗浄箇所以外の箇所を濡らす
ことを防止できるのである。モータ６により洗浄ノズル
１が突出させられ、洗浄ノズル１が所定位置（肛門洗浄
位置もしくはビデ用位置）に達するとセンサーなどで位
置が検出されて洗浄ノズル１が停止させられる。洗浄ノ
ズル１が停止すると再びポンプ２が駆動されて洗浄ノズ
ル１から洗浄箇所へ向けて勢いよく洗浄水が突出されて
洗浄動作が行なわれ、一定時間の洗浄が完了するとポン
プ２が停止する。ポンプ２停止後、タイマー回路などの
働きで洗浄ノズル１を一定時間放置して残留圧力で洗浄
水を洗浄ノズル１から放出させて残留圧力を除去させ
る。この時には余分の洗浄水は洗浄箇所に当たるので使
用上問題はないものである。一定時間経過して洗浄水の
漏れが停止するとモータ６が逆転して洗浄ノズル１は元
の収納位置に引っ込められ、収納位置に停止後再びポン
プ２が駆動されて洗浄ノズル１から洗浄水が突出され反
射板で跳ね返った洗浄水で洗浄ノズル１をアフタークリ
ーニングして洗浄ノズル１に付着した汚物を洗浄除去
し、次回の使用に備えるのである。この後温風発生器か
ら噴き出された温風により洗浄箇所が乾燥させられる なお、肛門洗浄位置からビデ用位置へと洗浄ノズル１を
移動させ、あるいはビデ用位置から肛門洗浄位置へと洗
浄ノズル１を直接移動させることもあるが、この場合に
も残留圧力を除去した後に洗浄ノズル１を移動させるよ
うにする。また、洗浄ノズル１を放置する一定時間は予
め実験的に決定することができるものである。 また、第４図には洗浄ノズル１の先端部に内蔵されてい
る水流振動子９を示してある。この水流振動子９の上端
には複数個の吐出孔10が穿孔されており、内部には水流
により揺動する程度の重さで、吐出孔10を１つ１つ塞ぐ
ことができる程度の大きさの１個のボール11が納入され
ている。また、吐出孔10の下面はボール11と等しい曲率
の凹曲面としてある。したがって、洗浄ノズル１に設け
られた水流振動子９から洗浄水を突出させると、水流は
ボール11のために流れを妨げられて乱流を生じ、乱流の
ためにボール11は水流振動子９内で不規則に揺動しなが
ら吐出孔10に押し付けられる。そして、ボール11が不規
則に揺動して第４図（ｂ）のように不特定の吐出孔10を
完全に塞いだり、第４図（ａ）のように各吐出孔10の開
口率を変化させることにより各々の吐出孔10から突出さ
れる洗浄水の突出量を不規則に、あるいは断続的に変動
させ、洗浄水の振動により洗浄箇所の洗浄力を向上させ
ると共にマッサージ効果を奏することができるのであ
る。 第５図に示すものは本考案の洗浄ノズル１の他例であ
り、洗浄ノズル１内に屈曲した吐出孔10を穿孔し、吐出
孔10に側面からボール11が当たって吐出孔10を開閉する
ようにしたものである。 第６図に示すものは本考案の更に他例であり、第４図の
ものよりも吐出孔10の形状を単純にしたものである。 第７図に示すものは本考案の洗浄ノズル１の更に他例で
あり、洗浄ノズル１に複数個の吐出孔10を穿孔し、吐出
孔10から吐出された洗浄水同士で干渉を生じる程度に吐
出孔10間を接近させたものである。しかして、各吐出孔
10から洗浄水を吐出させると隣接する洗浄水同士が干渉
して互いに吸引力を及ぼして接近し合い、洗浄水全体の
広がりが小さくなるのである。即ち、吐出孔10から吐出
された洗浄水は円錐状に広がって洗浄箇所の周囲まで広
く濡らしてしまうが、このように吐出孔10を形成するこ
とにより干渉なく洗浄水を吐出させる場合に比べて洗浄
水全体の広がりを小さくでき、使用感が向上するもので
ある。 第８図（ａ）（ｂ）に示すものは洗浄ノズル１の他例で
あり、吐出孔10の開口端の横に吐出孔10と垂直に制御流
吐出孔12を形成したものであり、制御弁13の切換により
制御流吐出孔12から制御流の強弱を調整することができ
るようにしてある。しかして、第８図（ａ）のように制
御流吐出孔12から吐出される制御流の流れを弱くしてお
くと、吐出孔10から吐出される洗浄水の流れが妨げられ
ず、洗浄水は真っ直ぐに吐出されるが、制御弁13を切り
替えて制御流吐出孔12から吐出される制御流の流れを強
くすると、第８図（ｂ）のように制御流により吐出孔10
から吐出される洗浄水の方向を斜めに向けることができ
るものである。この機能を利用すると、洗浄水の方向を
切り替えたり、肛門洗浄用とビデ用とで洗浄水の吐出方
向を切り替えたりすることができるものである。 第９図及び第10図に示すものは洗浄ノズル１の更に他例
であり、吐出孔10の内部に流体発振素子14を形成して吐
出孔10から吐出される洗浄水の方向が吐出方向と垂直な
方向に振動するようにするようにすると共に、吐出孔10
の両側に細い制御流吐出孔12を開孔して制御流吐出孔12
からも勢いよく制御流が突出されるようにし、吐出孔10
から吐出される洗浄水が制御流吐出孔12から吐出される
制御流よりも外に広がらないようにしたものである。

【発明の効果】

本発明は、叙述のごとく洗浄ノズルから洗浄水を吐出さ
せた後、ポンプを停止させて一定時間放置して洗浄ノズ
ル内の残留圧力が消失した後に洗浄ノズルを移動させて
いるから、洗浄水を止めた後も残留圧力により吐出する
洗浄水で洗浄箇所以外の箇所を濡らすことがなく、洗浄
箇所以外の箇所や衣類などを濡らして使用者に不快感を
与えることがなく、また温風による乾燥も迅速に行える
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概略全体図、第２図は
同上の動作を説明するフローチャート、第３図は同上の
洗浄ノズルの駆動機構を示す斜視図、第４図（ａ）
（ｂ）は同上の洗浄ノズルの内部の水流振動子の構造と
その作用を示す断面図、第５図は洗浄ノズルの他例を示
す断面図、第６図は洗浄ノズルの更に他例を示す断面
図、第７図は洗浄ノズルの更に他例を示す断面図、第８
図（ａ）（ｂ）は洗浄ノズルの更に他例を示す断面図、
第９図は洗浄ノズルの更に他例を示す斜視図、第10図は
同上の断面図であり、１は洗浄ノズル、２はポンプであ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小屋本 政則 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 稲角 孝一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 前田 恭男 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ポンプにより洗浄水に圧力を加えて洗浄ノ
   ズルから洗浄水を吐出させる温水洗浄装置において、洗
   浄ノズルから洗浄水を吐出させた後、ポンプを停止させ
   て一定時間放置して洗浄ノズル内の残留圧力を除去した
   後に洗浄ノズルを移動させることを特徴とする温水洗浄
   装置の洗浄ノズル駆動方法。