JPH0739550B2 - 磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤 - Google Patents
磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤Info
- Publication number
- JPH0739550B2 JPH0739550B2 JP61113142A JP11314286A JPH0739550B2 JP H0739550 B2 JPH0739550 B2 JP H0739550B2 JP 61113142 A JP61113142 A JP 61113142A JP 11314286 A JP11314286 A JP 11314286A JP H0739550 B2 JPH0739550 B2 JP H0739550B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface modifier
- carbon atoms
- film
- weight
- plastic film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、磁気記録媒体用プラスチックフィルムの表面
改質剤に関する。
改質剤に関する。
従来の技術 磁気記録の分野においては、磁気記録媒体用フィルムと
して種々のプラスチックフィルムが使用されているが、
その表面特性は重要な要素の一つである。
して種々のプラスチックフィルムが使用されているが、
その表面特性は重要な要素の一つである。
例えば、オーディオやビデオの磁気テープ用プラスチッ
クフィルムには優れた易滑性、平滑性、基材との接着性
および製造工程における塗布性等が要請されているが、
このような特性を兼有するプラスチックフィルムを調整
することは一般に困難である(例えば、ポリエステルフ
ィルムの表面を平滑化すると易滑性が損われ、逆に該表
面を易滑化する平滑性が損われる)。
クフィルムには優れた易滑性、平滑性、基材との接着性
および製造工程における塗布性等が要請されているが、
このような特性を兼有するプラスチックフィルムを調整
することは一般に困難である(例えば、ポリエステルフ
ィルムの表面を平滑化すると易滑性が損われ、逆に該表
面を易滑化する平滑性が損われる)。
この問題に対する一般的な解決策としては、優れた平滑
性を有するポリマーフィルム中にシリカやカオリン等の
不活性微粒子を配合する等の方法が従来から採られてい
るが、強磁性薄膜型磁気記録媒体の場合には、フィルム
表面の凸部の影響が磁性膜表面に現れて電磁変換特性を
悪化させるおそれがあり、これが磁気記録の高密度化と
高品質化の実現の障壁となっている。
性を有するポリマーフィルム中にシリカやカオリン等の
不活性微粒子を配合する等の方法が従来から採られてい
るが、強磁性薄膜型磁気記録媒体の場合には、フィルム
表面の凸部の影響が磁性膜表面に現れて電磁変換特性を
悪化させるおそれがあり、これが磁気記録の高密度化と
高品質化の実現の障壁となっている。
また、プラスチック表面にフッ素系樹脂を塗布すること
によって撥水撥油性や易滑性等の表面特性を改良する提
案もなされている。しかしながら、これらの表面特性は
通常その小さな表面エネルギーに起因するために、例え
ば強磁性薄膜型磁気記録媒体の場合、プラスチックフィ
ルムと磁性層との接着強度が低くなり、両者間に剥離が
生じ、これがドロップアウト等の問題をもたらす。
によって撥水撥油性や易滑性等の表面特性を改良する提
案もなされている。しかしながら、これらの表面特性は
通常その小さな表面エネルギーに起因するために、例え
ば強磁性薄膜型磁気記録媒体の場合、プラスチックフィ
ルムと磁性層との接着強度が低くなり、両者間に剥離が
生じ、これがドロップアウト等の問題をもたらす。
発明が解決しょうとする問題点 本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであって、
プラスチックフィルム表面の易滑性、平滑性および塗布
性等の特性を改良するだけでなく、磁性層とプラスチッ
ク基材との優れた接着性をもたらす磁気記録媒体用プラ
スチックフィルムの表面改質剤を提供することを目的と
する。
プラスチックフィルム表面の易滑性、平滑性および塗布
性等の特性を改良するだけでなく、磁性層とプラスチッ
ク基材との優れた接着性をもたらす磁気記録媒体用プラ
スチックフィルムの表面改質剤を提供することを目的と
する。
問題点を解決するための手段 即ち本発明は、(a)炭素原子数2〜10のテトラフルオ
ロエチレンオリゴマー残基および/または炭素原子数3
〜9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー残基を有す
るビニル重合性モノマー、(b)カルボキシル基または
そのエステル残基を有するビニル重合性モノマーを構成
成分とするコポリマーを含有する磁気記録媒体用プラス
チックフィルムの表面改質剤に関する。
ロエチレンオリゴマー残基および/または炭素原子数3
〜9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー残基を有す
るビニル重合性モノマー、(b)カルボキシル基または
そのエステル残基を有するビニル重合性モノマーを構成
成分とするコポリマーを含有する磁気記録媒体用プラス
チックフィルムの表面改質剤に関する。
成分(a)は1分子中にビニル基並びに炭素原子数2〜
10のテトラフルオロエチレンオリゴマー残基および/ま
たは炭素原子数3〜9のヘキサフルオロプロピレンオリ
ゴマー残基を有するモノマーであり、例えば、特開昭53
−143689号公報に記載のようなビニルフェニルエーテル
類、同51−23489号公報に記載のようなビニル基または
アクリル酸残基もしくはメタクリル酸残基を有する基並
びにペルフルオロアルケニルオキシフェニル基を有する
第4級アンモニウム塩型ビニルモノマー、および次式: (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、nは1〜6の数およびRfは炭素原子数2〜10のテ
トラフルオロエチレンオリゴマー残基および/または炭
素原子数3〜9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー
残基を示す)で表わされるモノマー等が挙げられる。
10のテトラフルオロエチレンオリゴマー残基および/ま
たは炭素原子数3〜9のヘキサフルオロプロピレンオリ
ゴマー残基を有するモノマーであり、例えば、特開昭53
−143689号公報に記載のようなビニルフェニルエーテル
類、同51−23489号公報に記載のようなビニル基または
アクリル酸残基もしくはメタクリル酸残基を有する基並
びにペルフルオロアルケニルオキシフェニル基を有する
第4級アンモニウム塩型ビニルモノマー、および次式: (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、nは1〜6の数およびRfは炭素原子数2〜10のテ
トラフルオロエチレンオリゴマー残基および/または炭
素原子数3〜9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー
残基を示す)で表わされるモノマー等が挙げられる。
さらにまた、成分(a)は以下の式で表わされるモノマ
ーであってもよい(式中、R、nおよびRfは前記と同意
義であり、Xは=COまたは=SO2を示す): 特に好適な成分(a)は次式: で表わされるモノマーである。
ーであってもよい(式中、R、nおよびRfは前記と同意
義であり、Xは=COまたは=SO2を示す): 特に好適な成分(a)は次式: で表わされるモノマーである。
上記モノマーは所望により2種以上併用してもよい。
成分(b)としては脂肪酸ビニルエステル、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、クロトン酸エステル等が例示されるが、脂肪酸ビニ
ルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルが好ましい。
エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステ
ル、クロトン酸エステル等が例示されるが、脂肪酸ビニ
ルエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ルが好ましい。
エステルとしては炭素原子数1〜32のアルキル基を有す
るものから適宜選択すればよいが、アルキル鎖長が長く
なると、プラスチックフィルムの表面改質剤の調整時に
おける均一分散性並びに蒸着薄膜型磁性層等の被覆層お
よびプラスチック基材に対する接着性が低下する傾向が
あるので、炭素原子数1〜14のアルキル基を有するエス
テルが好ましい。
るものから適宜選択すればよいが、アルキル鎖長が長く
なると、プラスチックフィルムの表面改質剤の調整時に
おける均一分散性並びに蒸着薄膜型磁性層等の被覆層お
よびプラスチック基材に対する接着性が低下する傾向が
あるので、炭素原子数1〜14のアルキル基を有するエス
テルが好ましい。
成分(b)も所望により2種以上併用してもよい。
本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤に配合
するコポリマーの構成成分として、上記のビニル重合性
モノマー成分(a)および(b)の他にさらに所望によ
り(c)スチレン系モノマー、例えばスチレン、メチル
スチレン等を適宜併用してもよい。
するコポリマーの構成成分として、上記のビニル重合性
モノマー成分(a)および(b)の他にさらに所望によ
り(c)スチレン系モノマー、例えばスチレン、メチル
スチレン等を適宜併用してもよい。
スチレン系モノマーは表面改質剤の均一塗布性および平
滑性の改良に有効である。
滑性の改良に有効である。
本発明に係るコポリマーの調整に使用する上記のモノマ
ー成分(a)、(b)および(c)の配合量は特に限定
的ではないが、通常はそれぞれ5〜95重量%(特に20〜
50重量%)、5〜70重量%(特に10〜50重量%)および
0〜70重量%(特に10〜50重量%)とするのが好まし
い。
ー成分(a)、(b)および(c)の配合量は特に限定
的ではないが、通常はそれぞれ5〜95重量%(特に20〜
50重量%)、5〜70重量%(特に10〜50重量%)および
0〜70重量%(特に10〜50重量%)とするのが好まし
い。
本発明に係わるコポリマーの特に好ましい製造法は前記
のモノマー成分を水中でエマルジョン重合させる方法で
あり、これによって分子量約20000以上の高分子量ポリ
マーを得ることができる。
のモノマー成分を水中でエマルジョン重合させる方法で
あり、これによって分子量約20000以上の高分子量ポリ
マーを得ることができる。
エマルジョン重合に使用する重合開始剤としてはフリー
ラジカル開始剤、例えば過流酸塩、過酸化水素、過塩素
酸塩、過炭酸塩等が適当であるが、還元剤、例えば亜硫
酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫酸塩等を併用してもよく、さ
らに硫酸第1鉄のような金属塩を添加してフリーラジカ
ルの生成速度を促進してもよい。最も好ましい重合開始
剤はK2S2O8−NaHSO3系である。重合開始剤の使用量は前
記のモノマーの全重量に基づき0.01〜5重量%、好まし
くは0.5〜2重量%である。レドックス系の場合、還元
剤の使用量は酸化剤の添加量の半量にするが一般的であ
る。
ラジカル開始剤、例えば過流酸塩、過酸化水素、過塩素
酸塩、過炭酸塩等が適当であるが、還元剤、例えば亜硫
酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫酸塩等を併用してもよく、さ
らに硫酸第1鉄のような金属塩を添加してフリーラジカ
ルの生成速度を促進してもよい。最も好ましい重合開始
剤はK2S2O8−NaHSO3系である。重合開始剤の使用量は前
記のモノマーの全重量に基づき0.01〜5重量%、好まし
くは0.5〜2重量%である。レドックス系の場合、還元
剤の使用量は酸化剤の添加量の半量にするが一般的であ
る。
エマルジョン重合系にはさらに界面活性剤を添加する。
このような界面活性剤として好適なものは含フッ素界面
活性剤であるが、炭化水素系のものを使用してもよい。
このような界面活性剤として好適なものは含フッ素界面
活性剤であるが、炭化水素系のものを使用してもよい。
含フッ素界面活性剤は重合反応を促進して重合度の高い
コポリマーを生成する。好ましい含フッ素界面活性剤は
直鎖状または分枝鎖状のフルオロカーボン差を有するも
の、例えば特開昭51−11084号公報、同52−52984号公報
等に記載の含フッ素化合物、就中、パーフルオロアルケ
ニルオキシフェニルカルボン酸塩、パーフルオロアルケ
ニルオキシフェニルスルホン酸塩、該カルボン酸の酸化
エチレンおよび/または酸化プロピレン付加物並びにこ
れらのリン酸エステル塩もしくは硫酸エステル塩等であ
り、特に好適なものはヘキサフルオロプロピレンダイマ
ー残基を疎水基として有するペルフルオロアルケニルオ
キシフェニルスルホン酸ナトリウムである。該ナトリウ
ム塩は水への溶解性が大きく多量に使用できるため生成
するエマルジョン粒子を微細化して機械的安定性や化学
的安定性を高め、表面改質剤として使用した場合にプラ
スチック表面の平滑性を向上させる。
コポリマーを生成する。好ましい含フッ素界面活性剤は
直鎖状または分枝鎖状のフルオロカーボン差を有するも
の、例えば特開昭51−11084号公報、同52−52984号公報
等に記載の含フッ素化合物、就中、パーフルオロアルケ
ニルオキシフェニルカルボン酸塩、パーフルオロアルケ
ニルオキシフェニルスルホン酸塩、該カルボン酸の酸化
エチレンおよび/または酸化プロピレン付加物並びにこ
れらのリン酸エステル塩もしくは硫酸エステル塩等であ
り、特に好適なものはヘキサフルオロプロピレンダイマ
ー残基を疎水基として有するペルフルオロアルケニルオ
キシフェニルスルホン酸ナトリウムである。該ナトリウ
ム塩は水への溶解性が大きく多量に使用できるため生成
するエマルジョン粒子を微細化して機械的安定性や化学
的安定性を高め、表面改質剤として使用した場合にプラ
スチック表面の平滑性を向上させる。
界面活性剤の使用量も特に限定的ではないが、通常は前
記のモノマー成分の全重量に基づいて0.01〜50重量%、
好ましくは10〜40重量%である。
記のモノマー成分の全重量に基づいて0.01〜50重量%、
好ましくは10〜40重量%である。
比較的多量の界面活性剤の使用は表面改質剤の平滑性等
の特性を向上させるので好ましいものであるが、同時に
被膜の吸湿性を減少させる場合にはスルホン酸系界面活
性剤のアンモニア塩を添加して吸湿性を抑制してもよい
(該アンモニウム塩は被膜乾燥時の熱によってアンモニ
アを放出して遊離のスルホン酸型化合物に変化して被膜
の吸湿性を押える。) 上記のモノマー成分を含む重合反応系にはさらに所望に
より増粘剤を添加し、最終的な表面改質剤の塗布性およ
びプラスチック表面や磁性層への接着性を適宜調整して
もよい。このような増粘剤としてはポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩、ポリメタアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分ケン化物、ポリメタアクリル酸エ
ステル部分ケン化物、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、水溶性
ポリエステル等が例示されるが、特に好ましいものはポ
リビニルアルコールおよび水溶性ポリエステルであり、
これらは重合時の保護コロイドとしても有用である。な
お、水溶性ポリエステルは、耐スクラッチ性の改良にも
有効である。水溶性ポリエステルは1種もしくはそれ以
上のジカルボン酸と1種もしくはそれ以上の水溶性付与
グルコールとの縮重合反応によって得られるポリマーで
ある。この場合、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸等が例示され、グリコールとしてはH(OCH2CH2)nOH
(式中、nは1〜10の数を示す)で表わされるポリエチ
レングリコール等が例示される。
の特性を向上させるので好ましいものであるが、同時に
被膜の吸湿性を減少させる場合にはスルホン酸系界面活
性剤のアンモニア塩を添加して吸湿性を抑制してもよい
(該アンモニウム塩は被膜乾燥時の熱によってアンモニ
アを放出して遊離のスルホン酸型化合物に変化して被膜
の吸湿性を押える。) 上記のモノマー成分を含む重合反応系にはさらに所望に
より増粘剤を添加し、最終的な表面改質剤の塗布性およ
びプラスチック表面や磁性層への接着性を適宜調整して
もよい。このような増粘剤としてはポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸塩、ポリメタアクリル酸塩、ポリア
クリル酸エステル部分ケン化物、ポリメタアクリル酸エ
ステル部分ケン化物、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、水溶性
ポリエステル等が例示されるが、特に好ましいものはポ
リビニルアルコールおよび水溶性ポリエステルであり、
これらは重合時の保護コロイドとしても有用である。な
お、水溶性ポリエステルは、耐スクラッチ性の改良にも
有効である。水溶性ポリエステルは1種もしくはそれ以
上のジカルボン酸と1種もしくはそれ以上の水溶性付与
グルコールとの縮重合反応によって得られるポリマーで
ある。この場合、ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビ
フェニルジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸等が例示され、グリコールとしてはH(OCH2CH2)nOH
(式中、nは1〜10の数を示す)で表わされるポリエチ
レングリコール等が例示される。
増粘剤の使用量も特に限定的ではないが、通常は上記の
モノマー成分の全重量に基づいて5〜50重量%、好まし
くは10〜30重量%である。
モノマー成分の全重量に基づいて5〜50重量%、好まし
くは10〜30重量%である。
使用する水、好ましくは蒸留水またはイオン交換水の量
は反応系のエマルジョンを維持するの十分な量であれば
よく、通常は50〜95重量%、好ましくは、70〜90重量%
である。
は反応系のエマルジョンを維持するの十分な量であれば
よく、通常は50〜95重量%、好ましくは、70〜90重量%
である。
反応系のpHは緩衝剤を使用して3〜12、好ましくは4〜
7に維持する。緩衝剤としては酢酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属
塩が例示されるが、通常は酢酸ナトリウムを使用する。
緩衝剤の使用量は前記のモノマー成分、界面活性剤およ
び増粘剤の種類等によって左右され、特に限定的ではな
いが、一般的には固形分10重量%のエマルジョンにおい
て0.1〜2重量%である。
7に維持する。緩衝剤としては酢酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、クエン酸ナトリウム等の弱酸のアルカリ金属
塩が例示されるが、通常は酢酸ナトリウムを使用する。
緩衝剤の使用量は前記のモノマー成分、界面活性剤およ
び増粘剤の種類等によって左右され、特に限定的ではな
いが、一般的には固形分10重量%のエマルジョンにおい
て0.1〜2重量%である。
重合反応温度は重合開始剤の適正使用温度やモノマーの
反応速度等に左右されるが、通常は約40〜80℃である。
反応速度等に左右されるが、通常は約40〜80℃である。
重合反応条件は上述の条件に限定させるものではなく、
モノマー成分の組合せに応じて適正な水の量、pH、重合
温度および重合時間並びに適正な増粘剤、界面活性剤、
緩衝剤および重合開始剤の種類および使用量を選択して
安定なエマルジョンを調製するようにする。
モノマー成分の組合せに応じて適正な水の量、pH、重合
温度および重合時間並びに適正な増粘剤、界面活性剤、
緩衝剤および重合開始剤の種類および使用量を選択して
安定なエマルジョンを調製するようにする。
本発明に係わるコポリマーは上述のエマルジョン重合法
の他に溶液重合法によって調製してもよい。しかしなが
ら、溶液重合法によって分子量が約20000以上のコポリ
マーを製造するのは困難である。このため溶液重合法に
基づいて調製される表面改質剤は約20000以下のコポリ
マーを含有する溶液型のものとなる。従って、溶液重合
法は、プラスチック表面上の改質剤の塗布工程で有機溶
剤が飛散する等の作業環境衛生上の問題だけでなく、塗
膜の耐溶剤性や機械的強度等が低下するという問題が生
じやすいので好ましい方法ではない。
の他に溶液重合法によって調製してもよい。しかしなが
ら、溶液重合法によって分子量が約20000以上のコポリ
マーを製造するのは困難である。このため溶液重合法に
基づいて調製される表面改質剤は約20000以下のコポリ
マーを含有する溶液型のものとなる。従って、溶液重合
法は、プラスチック表面上の改質剤の塗布工程で有機溶
剤が飛散する等の作業環境衛生上の問題だけでなく、塗
膜の耐溶剤性や機械的強度等が低下するという問題が生
じやすいので好ましい方法ではない。
上記のようにして調製されれるコポリマーのエマルジョ
ンは界面活性剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、p−パーフルオロノネニルオキシベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等の水溶液を用いて適宜希釈して使
用に供される。この場合の不揮発固形分は0.01〜10重量
%、特に0.5〜5重量%にするのが適当であり、このう
ちコポリマーは該固形分に基づいて20〜90重量%、特に
50〜70重量%にするのが適当である(不揮発固形分と
は、プラスチックフィルムの表面改質剤100gを100℃/5m
mHgで50時間乾燥させた後の残留固形分を意味する。) なお、本発明による表面改質剤のこのような水溶液に
は、本発明の効果を損なわない範囲内で帯電防止剤、熱
安定剤および紫外線吸収剤等の常套の添加剤を適宜添加
してもよい。
ンは界面活性剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、p−パーフルオロノネニルオキシベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等の水溶液を用いて適宜希釈して使
用に供される。この場合の不揮発固形分は0.01〜10重量
%、特に0.5〜5重量%にするのが適当であり、このう
ちコポリマーは該固形分に基づいて20〜90重量%、特に
50〜70重量%にするのが適当である(不揮発固形分と
は、プラスチックフィルムの表面改質剤100gを100℃/5m
mHgで50時間乾燥させた後の残留固形分を意味する。) なお、本発明による表面改質剤のこのような水溶液に
は、本発明の効果を損なわない範囲内で帯電防止剤、熱
安定剤および紫外線吸収剤等の常套の添加剤を適宜添加
してもよい。
本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤を適用
し得る材質は特に限定的ではなく、広範囲の熱可塑性樹
脂および熱硬化性樹脂等に適用できる。このような樹脂
としてはポリエステル、ポリオレフィン、セルロースア
セテート、ホリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボ
ン、ポリイミドアミド、ポリフェニレンスルフィド等が
例示されるが、溶融押出成型可能な熱可塑性樹脂が好ま
しい。特に、フィルム成型した場合の機械的強度、剛
性、寸法安定性、および耐熱性等に優れたポリエステル
が好ましい。
し得る材質は特に限定的ではなく、広範囲の熱可塑性樹
脂および熱硬化性樹脂等に適用できる。このような樹脂
としてはポリエステル、ポリオレフィン、セルロースア
セテート、ホリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリカーボ
ン、ポリイミドアミド、ポリフェニレンスルフィド等が
例示されるが、溶融押出成型可能な熱可塑性樹脂が好ま
しい。特に、フィルム成型した場合の機械的強度、剛
性、寸法安定性、および耐熱性等に優れたポリエステル
が好ましい。
このようなポリエステルとしては飽和線状ポリエステル
を主体とするもの。例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、
ポリエチレンビス−α,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート等が挙げられ
るが、特にバランスのとれた物性を備えたポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレートが好まし
い。ポリエステルはホモポリマーまたはコポリマーのい
ずれかであってもよい。
を主体とするもの。例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリヘキシレンテレフタレート、
ポリエチレンビス−α,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート等が挙げられ
るが、特にバランスのとれた物性を備えたポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレートが好まし
い。ポリエステルはホモポリマーまたはコポリマーのい
ずれかであってもよい。
なお、必要に応じて2種以上の混合樹脂、例えばポリエ
チレンテレフタレートにポリブチレンテレフタレートま
たはポリエチレンナフタレートを10〜90重量%混合した
樹脂等であってもよい。
チレンテレフタレートにポリブチレンテレフタレートま
たはポリエチレンナフタレートを10〜90重量%混合した
樹脂等であってもよい。
プラスチックフィルムには平均粒径が3μ以上、好まし
くは0.5μ以上の粒子が含まれないことが望ましい。
くは0.5μ以上の粒子が含まれないことが望ましい。
プラスチックフィルムの配向状態は特に限定的ではな
く、無配向、1軸配向、2軸配向のいずれであってもよ
いが、機械的強度、寸法安定性および剛性の点で2軸配
向が好ましい。従って、例えば前述の熱可塑性樹脂の溶
融押出物をシート状にキャストし、必要に応じて周知の
方法によって延伸する場合、延伸方法は特に限定的では
ないが、2軸延伸(同時2軸縦−横、縦−横−縦、横−
縦、2段縦−横、2段縦−横−縦、2段縦−横−同時2
軸等)が好ましい。
く、無配向、1軸配向、2軸配向のいずれであってもよ
いが、機械的強度、寸法安定性および剛性の点で2軸配
向が好ましい。従って、例えば前述の熱可塑性樹脂の溶
融押出物をシート状にキャストし、必要に応じて周知の
方法によって延伸する場合、延伸方法は特に限定的では
ないが、2軸延伸(同時2軸縦−横、縦−横−縦、横−
縦、2段縦−横、2段縦−横−縦、2段縦−横−同時2
軸等)が好ましい。
プラスチックフィルムのJIS−B−0601による最大高さ
(Rmax)は0.001〜0.3μ、好ましくは0.001〜0.01μが
望ましく、また、プラスチックフィルムのダイヤルケー
ジ測定法による厚みは0.5〜100μ、好ましくは3〜80μ
が望ましい。
(Rmax)は0.001〜0.3μ、好ましくは0.001〜0.01μが
望ましく、また、プラスチックフィルムのダイヤルケー
ジ測定法による厚みは0.5〜100μ、好ましくは3〜80μ
が望ましい。
本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤はプラ
スチック表面の少なくとも片面に塗布される。塗布方法
としては(1)無延伸プラスチックフィルムに表面改質
剤を塗布し、次いで該フィルムを逐次もしくは同時に2
軸延伸した後、乾燥させる方法、(2)無延伸プラスチ
ックフィルムを一方向に延伸した後、表面改質剤を塗布
し、次いで、最初の延伸方向と直交方向に、該フィルム
を延伸し、乾燥させる方法および(3)無延伸プラスチ
ックフィルムを2軸延伸し、次いで表面改質剤を塗布し
た後、乾燥させる方法等が挙げられるが、被覆フィルム
の安定性と生産性の点で方法(2)が好ましい。塗布方
法はこれらの方法に限定されるものではない。
スチック表面の少なくとも片面に塗布される。塗布方法
としては(1)無延伸プラスチックフィルムに表面改質
剤を塗布し、次いで該フィルムを逐次もしくは同時に2
軸延伸した後、乾燥させる方法、(2)無延伸プラスチ
ックフィルムを一方向に延伸した後、表面改質剤を塗布
し、次いで、最初の延伸方向と直交方向に、該フィルム
を延伸し、乾燥させる方法および(3)無延伸プラスチ
ックフィルムを2軸延伸し、次いで表面改質剤を塗布し
た後、乾燥させる方法等が挙げられるが、被覆フィルム
の安定性と生産性の点で方法(2)が好ましい。塗布方
法はこれらの方法に限定されるものではない。
これらの塗布方法は一般にプラスチックフィルムの製膜
工程の終了までに、即ち巻き取り工程までに行なわれる
が、一旦、プラスチックフィルムを単膜として巻き取っ
た後で、塗布−乾燥工程に付してもよい。また、
(1),(2)および(3)の操作は基本的な操作であ
って、(1),(2)または(3)の操作の後で、さら
に例えば再延伸等の操作を行なってもよい。
工程の終了までに、即ち巻き取り工程までに行なわれる
が、一旦、プラスチックフィルムを単膜として巻き取っ
た後で、塗布−乾燥工程に付してもよい。また、
(1),(2)および(3)の操作は基本的な操作であ
って、(1),(2)または(3)の操作の後で、さら
に例えば再延伸等の操作を行なってもよい。
本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤の塗布
は公知の方法、例えばメータリングバー方式、リバース
方式またはエアナイフ方式等のいずれの方法で行なって
もよい。この場合、塗布前にプラスチックフィルムの被
塗面をコロナ放電処理等の公知の表面処理法に付してプ
ラスチックフィルムと表面改質剤層との界面での接着強
度を高めてもよい。さらにまた、表面改質剤層を有する
プラスチックフィルムの少なくとも片面を必要に応じて
コロナ放電処理等の公知の表面処理法に付し、該フィル
ムに後加工時の易接着性を付与してもよい。
は公知の方法、例えばメータリングバー方式、リバース
方式またはエアナイフ方式等のいずれの方法で行なって
もよい。この場合、塗布前にプラスチックフィルムの被
塗面をコロナ放電処理等の公知の表面処理法に付してプ
ラスチックフィルムと表面改質剤層との界面での接着強
度を高めてもよい。さらにまた、表面改質剤層を有する
プラスチックフィルムの少なくとも片面を必要に応じて
コロナ放電処理等の公知の表面処理法に付し、該フィル
ムに後加工時の易接着性を付与してもよい。
上記のようにして形成されるプラスチックフィルム表面
改質剤層の厚さは塗布液中の固形分濃度、塗布方法およ
び製膜工程中における塗布時点等によって調整すること
ができるが、一般的には、乾燥膜厚が0.001〜0.5μ、好
ましくは0.005〜0.2μのときに優れた平滑性と易滑性が
得られることが多い。
改質剤層の厚さは塗布液中の固形分濃度、塗布方法およ
び製膜工程中における塗布時点等によって調整すること
ができるが、一般的には、乾燥膜厚が0.001〜0.5μ、好
ましくは0.005〜0.2μのときに優れた平滑性と易滑性が
得られることが多い。
以上のようにして調製される表面改質剤層を有するプラ
スチックフィルムを例えば強磁性薄膜型磁気記録媒体と
して使用する場合には、該表面改質剤層上の磁性層を形
成させる。この場合、γ−Fe2O3、Coをドープしたγ−F
e2O3、CrO2または強磁性合金等の粉末を有機バインダ
ー、例えばセルロースアセテートブチレートとポリイソ
シアネート化合物の混合物等に分散させた組成物を該表
面改質剤層上に塗布することによって厚さ0.3〜5μの
磁性層を形成させてもよく、あるいはFe、CoおよびNi等
の強磁性金属または強磁性合金を真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法または電気メッキ法
等の方法によって該表面改質剤層上に厚さ10〜1000nmの
磁性層を形成させてもよいが、磁気記録の高密度の点か
らは後者が好ましい。
スチックフィルムを例えば強磁性薄膜型磁気記録媒体と
して使用する場合には、該表面改質剤層上の磁性層を形
成させる。この場合、γ−Fe2O3、Coをドープしたγ−F
e2O3、CrO2または強磁性合金等の粉末を有機バインダ
ー、例えばセルロースアセテートブチレートとポリイソ
シアネート化合物の混合物等に分散させた組成物を該表
面改質剤層上に塗布することによって厚さ0.3〜5μの
磁性層を形成させてもよく、あるいはFe、CoおよびNi等
の強磁性金属または強磁性合金を真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法または電気メッキ法
等の方法によって該表面改質剤層上に厚さ10〜1000nmの
磁性層を形成させてもよいが、磁気記録の高密度の点か
らは後者が好ましい。
以下、本発明を実施例によって説明する。
実施例1〜5 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計およびコンデンサーを
備えたフラスコ(1000ml)内に表−1に記載の配合処方
によるビニル重合性モノマー成分を入れ、窒素ガスを導
入しながら撹拌し、次いで所定量の界面活性剤および緩
衝剤並びに水200gを加えて乳化させ、さらに所定量の水
溶性高分子を水200gに溶解させた水溶液を加えて十分に
撹拌した。充分な窒素ガス置換を行ないながら系の温度
を65〜70℃に保ち、重合開始剤(K2S2O8 0.4gおよびNaH
SO3 0.2g)を添加した後、約70℃で5時間重合反応を行
なった。
備えたフラスコ(1000ml)内に表−1に記載の配合処方
によるビニル重合性モノマー成分を入れ、窒素ガスを導
入しながら撹拌し、次いで所定量の界面活性剤および緩
衝剤並びに水200gを加えて乳化させ、さらに所定量の水
溶性高分子を水200gに溶解させた水溶液を加えて十分に
撹拌した。充分な窒素ガス置換を行ないながら系の温度
を65〜70℃に保ち、重合開始剤(K2S2O8 0.4gおよびNaH
SO3 0.2g)を添加した後、約70℃で5時間重合反応を行
なった。
反応終了後、反応混合物を冷却させ、約24時間静置して
粗粒子を沈降させた後、フィルター(孔径:2μ)を通し
て得られた均一なエマルジョンを、界面活性剤溶液(p
−パーフルオロノネニルオキシベンゼンスルホン酸ナト
リウムの0.3%水溶液)を用いて希釈して固形分1重量
%含有プラスチック表面改質剤塗布液を調製した。
粗粒子を沈降させた後、フィルター(孔径:2μ)を通し
て得られた均一なエマルジョンを、界面活性剤溶液(p
−パーフルオロノネニルオキシベンゼンスルホン酸ナト
リウムの0.3%水溶液)を用いて希釈して固形分1重量
%含有プラスチック表面改質剤塗布液を調製した。
一方、無粒子ポリエチレンテレフタレート(固有粘度:
0.65)を290℃で溶融押出処理に付し、静電気を印加し
ながら20℃のキャストドラム上にキャストして得られた
無延伸シートを、周速差をもたせた一対のロール間にお
いて90℃で長手方向に延伸して1軸延伸フィルムを調整
した(延伸比:3.3)。
0.65)を290℃で溶融押出処理に付し、静電気を印加し
ながら20℃のキャストドラム上にキャストして得られた
無延伸シートを、周速差をもたせた一対のロール間にお
いて90℃で長手方向に延伸して1軸延伸フィルムを調整
した(延伸比:3.3)。
以上のようにして調製された延伸フィルムの片面をコロ
ナ放電処理に付し(170W・min/m2)、該面に前記のプラ
スチックフィルムの表面改質剤塗布液をメータリングバ
ーを用いて塗布した後、該フィルムをその両端部をクイ
ップで把持してテンタ内において95℃で幅方向に3.5倍
延伸し、次いで幅方向に5%弛緩させながら、210℃で
5秒間の熱処理に付して水分を完全に除去することによ
って表面改質剤を塗布した2軸配向ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを得た(フィルム厚:10μm、塗布厚:
0.01μm)。
ナ放電処理に付し(170W・min/m2)、該面に前記のプラ
スチックフィルムの表面改質剤塗布液をメータリングバ
ーを用いて塗布した後、該フィルムをその両端部をクイ
ップで把持してテンタ内において95℃で幅方向に3.5倍
延伸し、次いで幅方向に5%弛緩させながら、210℃で
5秒間の熱処理に付して水分を完全に除去することによ
って表面改質剤を塗布した2軸配向ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを得た(フィルム厚:10μm、塗布厚:
0.01μm)。
得られた試料フィルムを以下の試験に付すことによっ
て、本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤の
易滑性、平滑性、接着性および耐スクラッチ性を評価
し、結果を表−1に示す。
て、本発明によるプラスチックフィルムの表面改質剤の
易滑性、平滑性、接着性および耐スクラッチ性を評価
し、結果を表−1に示す。
(1)易滑性:ASTM−D−1894−63に従って測定した静
摩擦係数(μs)が1.4以下を「○」、1.4〜2「△」、
2以上を「×」で表示する。μsの値が小さいほど易滑
性は優れている。
摩擦係数(μs)が1.4以下を「○」、1.4〜2「△」、
2以上を「×」で表示する。μsの値が小さいほど易滑
性は優れている。
(2)平滑性:JIS−B−0601に従って触針式表面粗さ計
ET−10(株式会社小坂研究所製)を用いてカットオフ0.
025mm、測定長1mmで測定した最大表面粗さ(Rmax)が15
0Å以下を「○」、150〜30Åを「△」、300Å以上を
「×」で表示する。Rmaxの値が小さいほど平滑性は優れ
ている。
ET−10(株式会社小坂研究所製)を用いてカットオフ0.
025mm、測定長1mmで測定した最大表面粗さ(Rmax)が15
0Å以下を「○」、150〜30Åを「△」、300Å以上を
「×」で表示する。Rmaxの値が小さいほど平滑性は優れ
ている。
(3)接着性:ベルジア型高真空蒸着装置(日本真空技
術株式会社製EBH−6型)を用いて約1×10-5mmHgの真
空度でCo−Ni合金を表面改質剤被覆面上に厚さ100nmで
蒸着し、該蒸着面にセロファン粘着テープ(ニチバン株
式会社市販品)を貼合わせ、90゜剥離後のCo−Ni蒸着膜
残存付着面積が90%以上を「○」、75〜90%を「△」、
75未満を「×」で表示する。該残存付着面積が大きいほ
ど接着性は優れている。
術株式会社製EBH−6型)を用いて約1×10-5mmHgの真
空度でCo−Ni合金を表面改質剤被覆面上に厚さ100nmで
蒸着し、該蒸着面にセロファン粘着テープ(ニチバン株
式会社市販品)を貼合わせ、90゜剥離後のCo−Ni蒸着膜
残存付着面積が90%以上を「○」、75〜90%を「△」、
75未満を「×」で表示する。該残存付着面積が大きいほ
ど接着性は優れている。
また、1軸延伸フィルム(延伸比:3.5倍)に前記のプラ
スチックフィルムの表面改質剤を塗布し、乾燥塗膜の状
態を肉視観察して塗布性を評価した。均一塗布の場合を
「○」、やや塗布斑が見られる場合を「△」、均一塗布
されていない場合を「×」で表示する。結果を表−1に
示す。
スチックフィルムの表面改質剤を塗布し、乾燥塗膜の状
態を肉視観察して塗布性を評価した。均一塗布の場合を
「○」、やや塗布斑が見られる場合を「△」、均一塗布
されていない場合を「×」で表示する。結果を表−1に
示す。
(4)耐スクラッチ性:JIS−K5400に従って、連続加重
式引掻強度試験機HEIDON−18(新東科学株式会社製)に
ダイヤモンド製先端R球針(0.05mmR、先端角度90゜)
を取り付け、引掻速度10mm/秒で引掻いたときフィルム
に傷が付き始めるときの荷重が1.5g越えるものを
「○」、0.5〜1.5gを「△」0.5g未満「×」で表示す
る。
式引掻強度試験機HEIDON−18(新東科学株式会社製)に
ダイヤモンド製先端R球針(0.05mmR、先端角度90゜)
を取り付け、引掻速度10mm/秒で引掻いたときフィルム
に傷が付き始めるときの荷重が1.5g越えるものを
「○」、0.5〜1.5gを「△」0.5g未満「×」で表示す
る。
前記荷重が大きいほど耐スクラッチ性に優れている。
実施例6 ポリマーフィルム原料としてポリエチレン2,6−ナフタ
レート(固有粘度:0.68)を使用する以外は前記実施例
1〜5と同様にして表面改質剤の易滑性、平滑性、接着
性、塗布性および耐スクラッチ性を評価し、結果を表−
1に示す(フィルム厚:7μm、塗布厚:0.008μm)。
レート(固有粘度:0.68)を使用する以外は前記実施例
1〜5と同様にして表面改質剤の易滑性、平滑性、接着
性、塗布性および耐スクラッチ性を評価し、結果を表−
1に示す(フィルム厚:7μm、塗布厚:0.008μm)。
実施例7 実施例1〜5に準拠し、表−1の配合処方によって得た
表面改質剤の易滑性等を評価し、結果を表−1に示す。
表面改質剤の易滑性等を評価し、結果を表−1に示す。
比較例1〜3 実施例1〜5の手順に準拠して、表−1の配合処方によ
って調整したプラスチック表面改質剤の易滑性等を評価
し、結果を表−1に示す。
って調整したプラスチック表面改質剤の易滑性等を評価
し、結果を表−1に示す。
発明の効果 表−1の結果から明らかなように、本発明による磁気記
録媒体用プラスチックフィルムの表面改質剤は易滑性、
平滑性、接着性および塗布性のいずれの点においても優
れている。
録媒体用プラスチックフィルムの表面改質剤は易滑性、
平滑性、接着性および塗布性のいずれの点においても優
れている。
一般に、フッ素系以外の樹脂のみを用いた場合には、プ
ラスチックフィルムの平滑性や塗布性が悪くなり(比較
例1および2参照)、またフッ素系樹脂のみを使用する
とプラスチックフィルムの接着性が損われるが(比較例
3参照)、本発明による表面改質剤を使用することによ
って、過酷な条件にさらされる磁気記録媒体用プラスチ
ックフィルムに良好な易滑性、平滑性、接着性、塗布性
および耐スクラッチ性等の特性を付与することができる
(実施例1〜7参照)。
ラスチックフィルムの平滑性や塗布性が悪くなり(比較
例1および2参照)、またフッ素系樹脂のみを使用する
とプラスチックフィルムの接着性が損われるが(比較例
3参照)、本発明による表面改質剤を使用することによ
って、過酷な条件にさらされる磁気記録媒体用プラスチ
ックフィルムに良好な易滑性、平滑性、接着性、塗布性
および耐スクラッチ性等の特性を付与することができる
(実施例1〜7参照)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 伊津美 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 伊藤 喜代彦 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (56)参考文献 特開 昭58−185607(JP,A) 特開 昭59−120661(JP,A) 特開 昭60−188410(JP,A) 特開 昭57−193580(JP,A)
Claims (7)
- 【請求項1】(a)炭素原子数2〜10のテトラフルオロ
エチレンオリゴマー残基および/または炭素原子数3〜
9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー残基を有する
ビニル重合性モノマー、(b)カルボキシル基またはそ
のエステル残基を有するビニル重合性モノマーを構成成
分とするコポリマーを含有する磁気記録媒体用プラスチ
ックフィルムの表面改質剤。 - 【請求項2】成分(a)が次式: (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキ
ル基、nは1〜6の数およびRfは炭素原子数2〜10のテ
トラフルオロエチレンオリゴマー残基および/または炭
素原子数3〜9のヘキサフルオロプロピレンオリゴマー
残基を示す) で表わされるビニル重合モノマーである第1項記載の表
面改質剤。 - 【請求項3】成分(b)が次式: CH2=CHOCOR1またはCH2=C(R)COOR1 (式中、R1は炭素原子数1〜14のアルキル基を示し、R
は前記と同意義である) で表わされるビニル重合性モノマーである第1項記載の
表面改質剤。 - 【請求項4】コポリマーがエマルジョン型コポリマーで
ある第1項から第3項いずれかに記載の表面改質剤。 - 【請求項5】水溶性高分子を不揮発固形分あたり5〜70
重量%含有する第4項記載の表面改質剤。 - 【請求項6】水溶性高分子がポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシエチルセルロースおよび水溶性ポリエステルか
ら成る群から選択される高分子物質である第5項記載の
表面改質剤。 - 【請求項7】不揮発固形分を0.01〜10重量%含有する第
5項記載の表面改質剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61113142A JPH0739550B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61113142A JPH0739550B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62270638A JPS62270638A (ja) | 1987-11-25 |
JPH0739550B2 true JPH0739550B2 (ja) | 1995-05-01 |
Family
ID=14604631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61113142A Expired - Lifetime JPH0739550B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0739550B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105219189A (zh) * | 2015-09-25 | 2016-01-06 | 天津市欣跃涂料有限公司 | 一种塑料基材用水性油漆及其制备方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH082977B2 (ja) * | 1991-01-29 | 1996-01-17 | ヘキスト合成株式会社 | インキ定着性コーティング組成物および該組成物で処理されたプラスチック層を表面に有する印刷用シート |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57193580A (en) * | 1981-04-28 | 1982-11-27 | Teijin Ltd | Processing of knitted fabric comprising synthetic fiber |
JPS58185607A (ja) * | 1982-04-26 | 1983-10-29 | Showa Denko Kk | アクリル樹脂の製法 |
JPS59120661A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-12 | Dainippon Ink & Chem Inc | 塗料用硬化性樹脂組成物 |
JPS60188410A (ja) * | 1984-03-09 | 1985-09-25 | Daikin Ind Ltd | 被覆材料 |
-
1986
- 1986-05-16 JP JP61113142A patent/JPH0739550B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105219189A (zh) * | 2015-09-25 | 2016-01-06 | 天津市欣跃涂料有限公司 | 一种塑料基材用水性油漆及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62270638A (ja) | 1987-11-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH044142A (ja) | 帯電防止性ポリエステルフイルム | |
JPH054314A (ja) | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム及びその製造方法 | |
JPH0739550B2 (ja) | 磁気記録媒体用プラスチックフィルの表面改質剤 | |
JPS60228545A (ja) | 高分子樹脂フイルムの製造方法 | |
JPH0520664A (ja) | 高密度磁気記録媒体 | |
JP2954792B2 (ja) | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム | |
JP2000044701A (ja) | 乳酸系ポリマー二軸延伸フィルム | |
US3397072A (en) | Magnetic recording tape with an asymmetrically oriented terephthalate polymer support | |
JP4216698B2 (ja) | 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 | |
JP3313828B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPH0326543A (ja) | 帯電防止性ポリエステルフイルム | |
JP3295125B2 (ja) | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム | |
JPS63309533A (ja) | 平坦・易滑性ポリエステルフイルム | |
JPH04307238A (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP3296897B2 (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPS5984927A (ja) | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム | |
JPH05271437A (ja) | ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム | |
JP2003132524A (ja) | 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム | |
JPH07119099B2 (ja) | 磁気記録媒体用ベースフイルム | |
JPS6328097B2 (ja) | ||
JP3272867B2 (ja) | ポリエステル組成物 | |
JPS59111848A (ja) | 易滑性ポリエステルフイルム | |
JPH069809A (ja) | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム | |
JPS63265636A (ja) | 積層ポリエステルフイルム | |
JP3222370B2 (ja) | 金属薄膜磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |