JPH0739268B2 - 電動式パワ−ステアリング装置 - Google Patents

電動式パワ−ステアリング装置

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JPH0739268B2
JPH0739268B2 JP608086A JP608086A JPH0739268B2 JP H0739268 B2 JPH0739268 B2 JP H0739268B2 JP 608086 A JP608086 A JP 608086A JP 608086 A JP608086 A JP 608086A JP H0739268 B2 JPH0739268 B2 JP H0739268B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電動機を用いた操舵力倍力装置により補助トル
クを発生する電動式パワーステアリング装置に関する。
(従来の技術) 従来の電動式パワーステアリング装置は、電動機を動力
源とする操舵力倍力装置やマイクロコンピュータ・ユニ
ットで構成された制御装置を備え、また電動機が一般に
低出力トルクで高回転であるので、電動式パワーステア
リング装置に用いる場合に高出力トルクで低回転となる
よう減速する減速装置を備えており、操舵時にはステア
リング系に付与される操舵トルクおよび操舵回転数を検
出し、これらの検出信号に基づいて電動機を駆動制御
し、電動機動力をステアリング系に作用させて操舵力の
軽減を図り、その結果ドライバビリティを向上させ、操
舵フィーリングの向上を図ったものとして「特願昭60−
9545号」および「特願昭60−9546号」が本出願人により
出願されている。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、上記従来の電動式パワーステアリング装置
は、車両走行中にステアリングホイールを操舵すると、
ステアリング系の戻り操作時には、キャスタ・トレール
を含むタイヤ反力により、電動機を回転させステアリン
グ系が中立位置に復帰しようとするが、減速装置がその
出力側から回転させられるために電動機が増速回転させ
られる。この場合、ステアリング系での電動機の慣性モ
ーメントが減速比の2乗倍と大きいため、ステアリング
系の戻り操作時には装置自らの慣性により、ステアリン
グ系が、中位位置を越えて反対方向へ行き過ぎたり再び
戻ったりするハンチング現象を長い時間繰り返し、短時
間に中位位置に収束しづらいおそれがあった。つまり、
マニュアル・ステアリング系における収束特性では、第
5図(A)に操舵角の特性曲線を示すように、走行時に
ステアリング系を中位位置からα度操舵して手放した場
合にはステアリング系の振動はT1時間で収束するが、電
動式パワーステアリング装置においては第5図(B)に
示すように自らの慣性力によりハンチング時間が長く、
その振幅も大きいため、収束時間T2がマニュアル・ステ
アリング系の場合に比べて大きくなり、ステアリング系
の戻り安定性を低下させていた。
(発明の目的) そこで、本発明では、ステアリングホイールが手放しで
戻り状態で且つステアリング系が中位位置を横切るとき
に、これを検出して電動機を電気的に制動することによ
り、ステアリング系の中位位置での収束時間を短縮し、
ステアリング系の安定した戻り特性が得られる電動式パ
ワーステアリング装置を提供することを目的としてい
る。
(問題点の解決手段およびその作用) 第1図は本発明の全体構成図である。
第1図において、イズニッションキーのキースイッチが
投入されると、操舵トルク検出手段(21)および操舵回
転検出手段(22)からの各検出信号が出力される。ステ
アリングホイールが操舵されると、電動機制御信号発生
手段において前記両検出信号に基づいて電動機制御信号
を決定し出力し、この制御信号に基づいて電動機駆動手
段(34)により電動機(11)を駆動し、これにより電動
機(11)の動力がステアリング系に作用するので、操舵
力が軽減される。ステアリングホイールの戻り操作時に
は、零トルク回転検出手段において前記操舵トルク検出
手段(21)および操舵回転検出手段(22)からの両検出
信号に基づいて、タイヤの反力によりステアリング系が
戻されている状態を検出する。即ち、操舵トルクが所定
値以下で且つ操舵回転速度が所定値以上であるときに手
放し戻り状態の検出信号が出力される。これとともに、
中位位置検出手段(27)においては、ステアリング系が
中位位置を横切る時点が検出される。そして、零トルク
回転検出手段および中位位置検出手段(27)からの両検
出信号が同時にあったときに電動機制動手段において電
動機の制動制御が行われる。したがって、ステアリング
系の戻し操作時には、中位位置で電動機(11)を確実に
制動することができ、ステアリング系の中位位置での収
束時間を大幅に短縮でき、安定した戻り特性を得ること
が可能となる。
(実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第2図(A)は本実施例の電動式パワーステアリング装
置(1)の概略平面図である。同図において、(2)は
ステアリングホイール、(3),(4)は入力軸および
出力軸であり、これら入力軸(3)と出力軸(4)とは
互いに同軸上に配設され、これらの内端がトウションバ
ーにより連結されており、さらに出力軸(4)の他端側
が図示しない等速継手、ラックアンド・ピニオンに連結
され、ステアリングホイール(2)の回転がラックの直
線的変化として変換して伝達される。また、入力軸
(3)の周囲には中位位置センサ(5)および操舵回転
センサ(7)が設けられ、入出力軸(3)と(4)の係
合部には操舵トルクセンサ(10)が設けられ、さらに出
力軸(4)の周囲には電動機(11)および減速装置が設
けられており、各センサ(5),(7),(10)からの
検出信号に基づいて電動機(11)を制御する制御装置
(12)およびその電源回路(13)とを備えている。
上記中位位置センサ(5)は、第2図(B)に示すよう
に、入力軸(3)に一体回転可能に固着されステアリン
グ系の中位位置にスリット(5a)を備えた円板(5b)
と、中位位置でスリット(5a)を通過する光を検出する
フォトカプラ(5c)とにより構成されており、ステアリ
ング系が中位位置となるときにパルス状の検出信号が出
力される。
上記操舵回転センサ(7)は、直流発電機(8)と、こ
れに軸着された歯付きプーリおよび、入力軸(3)に一
体に軸着された歯付きプーリと、これらの間に懸け渡さ
れ入力軸(3)の回転に伴って直流発電機(8)を回転
させるタイミングベルト(9)により構成され、タイミ
ングベルト(9)により回転が増速伝達される。尚、上
記操舵回転センサ(7)は、出力軸側(電動機)に設け
てもよい。
上記操舵トルクセンサ(10)は、入出力軸(3)と
(4)の相対回転に伴って軸方向に変位する可動鉄心
と、この可動鉄心の外周に空隙をもって配設され一次巻
線および二次巻線よりなる差動変圧器とから構成され、
入出力軸(3)と(4)の角度差が差動変圧器の二次コ
イルから電気信号に変換して出力される。
上記電動機(11)は出力軸(4)に沿って配設され、そ
の回転軸には歯付きプーリが軸着され、この歯付きプー
リと出力軸(4)に軸着された歯付きプーリとの間には
タイミングベルト(14)が懸け渡されている。また、出
力軸(4)に軸着された歯付きプーリが大径に形成さ
れ、電動機(11)の回転を減速して出力軸(4)に伝達
するよう、双方の歯付きプーリおよびタイミングベルト
(14)により減速装置が構成されている。
尚、上記入力軸(3)、出力軸(4)、中位位置センサ
(5)のフォトカプラ(5c)、操舵回転センサの直流発
電機(8)、操舵トルクセンサ(10)の差動変圧器およ
び電動機(11)は、入出力軸(3),(4)の周囲を覆
う図示しないステアリングコラムに支持されている。
上記制御装置(12)およびその電源回路(13)を第3図
に基づいて説明する。同図において、(20)はマイクロ
コンピュータ・ユニットであり、マイクロコンピュータ
・ユニット(20)には、操舵トルク検出手段(21)、操
舵回転検出手段(22)および電流検出回路(23)からの
各検出信号S1〜S3がA/Dコンバータ(24)を通じて、ま
た、中位位置検出手段(27)からの検出信号S4がマイク
ロコンピュータの命令に従って入力されている。
上記操舵トルク検出手段(21)は、操舵トルクセンサ
(10)と、マイクロコンピュータ・ユニットの基準クロ
ックパルスT1を分周し交流信号に変換して差動変圧器の
一次巻線に供給するとともに差動変圧器の二次巻線から
の出力を整流平滑化する操舵トルク・インターフェース
回路(25)とからなり、操舵トルクの作用方向とその大
きさを示す操舵トルク検出信号S1を出力する。
上記操舵回転検出手段(22)は、操舵回転センサ(7)
と、この操舵回転センサ(7)の直流発電機(8)から
の出力を極性に応じて夫々絶対値変換して増幅する操舵
回転・インターフェース(26)とからなり、ステアリン
グ系の操舵回転方向と操舵速度を示す操舵回転検出信号
S2を出力する。
上記中位位置検出手段(27)は、中位位置センサ(5)
と、このセンサ(5)からの検出信号を波形整形する中
位位置インターフェース回路(28)とからなり、ステア
リング系が中位位置にあるときに中位位置検出信号S4
出力する。
マイクロコンピュータ・ユニット(20)はI/Oポート、
メモリ、演算部、制御部、各レジスタ及びクロックジェ
ネレータ等により構成され、クロックパルスに基づき作
動する。マイクロコンピュータ・ユニット(20)等を駆
動する電源回路(13)は、車載のバッテサ(29)の+端
子にヒューズ回路(30)、イングニションキーのキース
イッチ(31)を介して接続されるリレー回路(32)と、
このリレー回路(32)の入力側に接続される定電圧回路
(33)とから構成され、リレー回路(32)の出力側のB
端子から後述する電動機駆動回路(電動機駆動手段)
(34)に電源を供給し、定電圧回路(33)の出力端子で
あるA端子からはマイクロコンピュータ・ユニット(2
0)、各検出手段(21),(22),(27)およびその他
のインターフェース回路(25,26,28)等に電源を供給す
る。従って、キースイッチ(31)が投入されると、マイ
クロコンピュータユニット(20)は命令に基づき各検出
信号S1〜S3をA/Dコンバータ(24)でディジタル変換し
て、また検出信号S4をそのまま、メモリに書き込まれた
プログラムに従って処理し、電動機(11)を駆動する制
御信号T3,T4を電動機駆動回路(34)に出力し、電動機
(11)を駆動制御する。
電動機駆動回路(34)は、FET(電界効果トランジス
タ)(35,36,37,38)から成るブリッジ回路と、マイク
ロコンピュータ・ユニット(20)からの制御信号T3,T4
によりブリッジ回路を駆動するインターフェース回路
(39)とにより構成されている。ブリッジ回路はFET(3
5)と(38)の夫々のドレイン端子が電源回路(13)の
B端子に接続される一方、これらのソース端子が他方の
FET(36)と(37)のドレイン端子に夫々接続されてい
る。FET(36)と(37)のソース端子は夫々抵抗(R)
を通じてコモン側に接続されバッテリ(29)の−端子へ
接続されている。FET(35,36,37,38)の夫々のゲート端
子はインターフェース回路(39)の出力側に接続され、
ブリッジ回路の出力側となるFET(35)のソース端子とF
ET(38)のソース端子が前記電動機(11)の電機子巻線
に接続されている。前記インターフェース回路(39)
は、マイクロコンピュータ・ユニット(20)からの電動
機回転方向制御信号T3に基づいてFET(35)をオン駆動
すると同時にFET(37)を駆動可能状態にし、PWM信号か
ら成る電動機駆動信号T4に基づいてFET(37)をドライ
ブするか、又は、制御信号T3によりFET(38)をオン駆
動すると同時にFET(36)を駆動可能状態にし、PWM信号
から成る電動機駆動信号T4に基づいてFET(36)をドラ
イブする。従って、電動機駆動回路(34)においては、
一方のFET(35)のオン駆動とFET(37)のPWM駆動、又
は他方のFET(38)のオン駆動とFET(36)のPWM駆動に
より、電動機(11)が制御信号T3,T4に応じて回転方向
とその動力(回転数とトルク)が制御される。
また、本実施例においては、制御装置(12)の異常を検
出する異常検出手段を備えている。この異常検出手段
は、抵抗(R)に流れる電流を検出する電流検出回路
(23)により構成され、その出力S3がA/Dコンバータ(2
4)を通じて入力されており、異常の場合には前記電源
回路(13)のリレー回路(32)にリレー制御信号T2をマ
イクロコンピュータ・ユニット(20)から出力し、電源
回路(13)からの電源の供給を停止させる。
次に作用を説明する。
第4図はマイクロコンピュータ・ユニット(20)におけ
る電動機制御処理の概略を示すフローチャートであり、
図中P1〜P25はフローチャートの各ステップを示す。
イグニションキーのキースイッチ(31)がオンに投入さ
れると、マイクロコンピュータ・ユニット(20)や他の
回路に電源が供給され制御が開始される(ステップ
P0)。まず、マイクロコンピュータ・ユニット(20)内
部においては、I/Oポートのセット、各レジスタおよびR
AM内のデータをクリアして初期設定する(P1)。次にス
テップP2では初期故障診断を行ない、A/Dコンバータ(2
4)からの入力信号の読込みを停止して内部回路のチェ
ックを行ない、異常であれば制御装置(12)の作動を直
ちに停止し、異常がなければリレー回路(32)を駆動し
て電動機駆動回路(34)に電源を供給し、さらに電流検
出回路(23)からの検出信号S3が零であるかどうかを診
断し、零でない場合には異常としてリレー回路(32)を
駆動停止して制御を停止し、零の場合には次のステップ
P3で操舵トルク検出信号S1を読込む。そして、この検出
信号S1から操舵トルクの作用方向と大きさを計算し、ト
ルクの作用方向を示すトルク方向フラグのセットとその
大きさを絶対値Tに変換して記憶する(P4)。次にステ
ップP5では、故障診断を行ない、異常であれば上記同様
にリレー回路(32)により駆動を停止し、正常であれ
ば、ステップP6においてトルクの絶対値Tが予め設定さ
れた所定値aより小さいかどうかを判断し、T≦aの場
合にはステアリングホイール(2)には操舵トルクが付
与されていないとして、これを示す零フラグF1をセット
(P7)し、T>aの場合にはフラグのセットを行なわ
ず、ステップP8へ進む。
ステップP8においては、操舵回転検出信号S2を読込み、
ステップP9で操舵回転方向とその回転数の大きさを計算
し、回転方向を示す回転方向フラグのセットとその大き
さを絶対値Nに変換して記憶する。そして、ステップP
10において、上記同様に故障診断を行ない、正常であれ
ばステップP11において操舵回転数Nが予め設定された
所定値bより大きいかどうかの判別が行なわれ、N>b
の場合にはステアリング系が過回転されている状態とし
て、これを示す回転フラグF2をセット(P12)し、N≦
bの場合には、回転フラグをセットしないでステップP
13へ進む。ステップP13では、零フラグF1と回転フラグF
2の双方がセットされているかどうかを判別する。
ステップP13では、双方のフラグF1,F2の双方がセットさ
れている場合以外には、ステップP14に進み、ステップP
14では、上記ステップP4での操舵トルクのトルク方向フ
ラグから電動機(11)の回転制御方向T3を決定し、ステ
ップP15では、上記操舵トルクの絶対値Tと上記ステッ
プP8の操舵回転の絶対値Nとにより、電動機制御デュー
ティT4を決定し、ステップP16,P17においてマイクロコ
ンピュータ・ユニット(20)からインターフェース回路
(39)に電動機制御信号T3,T4(T3:回転方向信号、T4:
駆動信号)が出力され、この制御信号T3,T4に基づいて
インターフェース回路(39)によりブリッジ回路のFET
(35,36,37,38)を駆動して電動機(11)の制御が行な
われる。即ち、上記操舵トルクのトルク方向フラグと操
舵回転の回転方向フラグとにより、ステアリング系の往
き操作時には、電動機駆動回路(34)のFET(35)をオ
ンにし且つFET(37)に電動機制御デューティを付与す
るか、又はFET(38)をオンにし且つFET(36)に電動機
制御デューティを付与して、電動機(11)をPWM駆動制
御する。他方、ステアリング系の戻り操作時には、FET
(35)に電動機制御デューティのうち操舵回転数に対応
する成分を付与し、且つFET(37)に電動機制御デュー
ティのうち操舵トルクの絶対値に対応した成分を与える
か、又はFET(38)と(36)に同様の信号を付与するこ
とにより、電動機(11)が駆動制御される。この場合、
駆動されるFETは、上記ステップP14で決定された回転制
御方向により、例えば、FET(35)と(37)、FET(38)
と(36)に決定される。そして、電動機(11)により発
生するトルクがタイミングベルト(14)を介して出力軸
(4)に伝達され、操舵力の軽減が図られる。
次にステップP18ではブリッジのFETに出力される信号が
電流検出回路(23)により直流電圧に変換して読込ま
れ、ステップP19において電機子電流が計算され、ステ
ップP20で電機子電流が上述した操舵トルクの絶対値に
対応して設定された範囲内にあるかどうかを判別し、範
囲内でない場合には異常であるとしてリレー回路(32)
をオフにして制御を停止し、範囲内であれば、ステップ
P3に戻る故障診断が行なわれる。
また、上記ステップP13において、双方のフラグF1,F2が
ともセットされている場合には、ステアリングホイール
(2)に操舵トルクが付与されていない状態でステアリ
ングが回転しているので、これを手放し状態でタイヤの
反力によりステアリング系が高回転で戻されている状態
と判断し、ステップP21に進む。つまり、ステップP13
おいては。第6図(B)に示すような特性に至るステア
リング系の手放し戻り状態時であることが判別される。
ステップP21では中位位置検出手段(27)からの検出信
号S4が読込まれ、中位位置SがS=0の場合にはステッ
プP24に進み、S≠0の場合にはステップP23でT3,T4
零にしてステップP16に戻る。つまり、ステップP22では
ステアリング系が手放しで戻されている状態であって中
位位置(第5図(B)中のt1,t2,t3)に達したことが判
別され、この中位位置に達した時点でステップP24にお
いて電動機制動制御信号T5が出力される。この場合、本
実施例では、第5図(C)で示すように中位位置t1,t2
達した時点で、電動機制動制御信号T5を出力し、ステッ
プP25で双方のフラグF1,F2をリセットしてステップP3
戻る。
そして、ステップP24でマイクロコンピュータ・ユニッ
ト(20)から電動機制動制御信号T5が出力されると、イ
ンターフェース回路(39)によりブリッジ回路のFET(3
6)と(37)とをオン駆動し、電動機(11)の電機子巻
線を短絡する。したがって、電動機(11)は、自らの回
転により発生する逆起電力により電機子巻線には第5図
(D)に示すように回転方向に応じた向きに制動電流が
流れることになり、自己制動される。その結果、ステア
リング系の戻り操作時には、第5図(E)のT3で示すよ
うに、ステアリング系の振動の最初の中位位置で電動機
(11)が自己制動されることになり、ステアリング系の
収束時間T3をマニュアルステアリングに比べて大幅に短
縮でき、電動機の慣性の影響を確実に防止でき、ステア
リング系の安定した戻り特性が得られる。
(発明の効果) 以上、説明したように本発明によれば、ステアリングホ
イールの手放し戻り状態で、且つステアリング系の中位
位置に達した際に電動機を確実に制動できるので、ステ
アリング系の収束時間を大幅に短縮でき、安定したステ
アリング系の戻り特性を得ることができる。また、中位
位置の検出を演算処理により行わないので、制御装置を
簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成図、第2図ないし第4図、第
5図(C),(D),(E)は本発明の一実施例に係
り、第2図(A)は電動式パワーステアリング装置の概
略を示す平面図、第2図(B)は中位位置センサの概略
斜視図、第3図は制御装置のブロック構成図、第4図は
制御処理の概略を示すフローチャート、第5図(C),
(D)および(E)は電動機制動制御信号、電動機制動
電流、および収束特性をそれぞれ示す説明図、第5図
(A),(B)は従来例に係り、第5図(A)はマニュ
アルステアリングの収束特性を示す図、第5図(B)は
電動式パワーステアリング装置の収束特性を示す図であ
る。 図面中(3),(4)は入力および出力軸、(11)は電
動機、(20)はマイクロコンピュータ・ユニット、(2
1)は操舵トルク検出手段、(22)は操舵回転検出手
段、(27)は中位位置検出手段、(34)は電動機駆動手
段である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機の動力をステアリング系に作用させ
    て操舵力の軽減を図る電動式パワーステアリング装置に
    おいて、 ステアリング系の操舵トルクが所定値以下で且つ操舵回
    転速度が所定値以上であることを検出する零トルク回転
    検出手段と、ステアリング系の中位位置を検出する中位
    位置検出手段と、これら両検出手段からの検出信号が同
    時にあったときに前記電動機を制動する電動機制動手段
    とを備えたことを特徴とする電動式パワーステアリング
    装置。
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