JPH0739209U - 絶縁スペーサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絶縁スペーサを大形化することなく、導体側
の電界集中を緩和して、その絶縁耐力を向上させる。 【構成】 丸棒状の導体１１の外周部に、この導体１１
と同軸に、接地電極３が埋設された円盤状の絶縁物２を
配設する。導体１１の外周部に、円筒状の突起部１１
ａ，１１ｂを、絶縁物２の内部で、かつその軸方向の両
端部近傍にそれぞれ設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガス絶縁電気機器に使用される絶縁スペーサに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、従来の絶縁スペーサの一例を示す断面図である。 図において、丸棒状の導体１の外周部には、エポキシ樹脂等の絶縁材料で注形 した円盤状の絶縁物２が配設される。また、絶縁物２の内部には、接地電極３が 埋め込まれ、その外周に形成したフランジ４がボルト６で取付板５に取り付けら れる。フランジ４と取付板５との間は、Ｏリング等のシール材７により、気密に 保持される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の絶縁スペーサでは、等電位線は絶縁物２の沿面位置の内、導体１側 で密、接地電極３側で疎となるので、導体１側に電界の集中を招きやすく、耐電 圧特性が低下するという欠点がある。

【０００４】 電界の集中を緩和するためには、導体１と接地電極３の間隔を大きくするとと もに、導体１の長手方向に絶縁物２を伸ばせばよいが、この場合には絶縁スペー サが大きくなるという欠点がある。 そこで本考案は、絶縁スペーサを大形化することなく、導体側の電界集中を緩 和して、その絶縁耐力を向上させることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の絶縁スペーサにおいては、丸棒状の導体の外周部に、この導体と同軸 に、接地電極が埋設された円盤状の絶縁物を配設する。前記導体の外周部に、円 筒状の突起部を、前記絶縁物の内部で、かつその軸方向の両端部近傍にそれぞれ 設ける。

【０００６】

【作用】

上記本考案の絶縁スペーサにおいては、円筒状の突起部によって、絶縁物の沿 面位置の内、導体側の電界が緩和されるので、絶縁スペーサを大形化することな く、その絶縁耐力を向上させることができる。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案の実施例を示す断面図である。 丸棒状の導体１１には、この導体１１と同軸上にあって、電気的に接続する二 つの円筒状の突起部１１ａ，１１ｂが、絶縁物２の内部で、かつその軸方向の両 端部からそれぞれ間隔Ｌを隔てた位置に、それぞれ設けられる。 なお、他の部分については、上記従来例と全く同様に構成される。

【０００８】 上記本考案の絶縁スペーサにおいては、絶縁物２の軸方向の両端部近傍の導体 １１の突起部１１ａ，１１ｂによって、等電位線は絶縁物２の沿面位置の導体１ １側が密になることがなく、電界も均一に分布する。 図３は、従来例および本考案の実施例における絶縁スペーサの絶縁物２の沿面 位置と電界強度分布を示すもので、従来例の場合を破線、本考案の実施例の場合 を実線で示す。図から明らかなように、従来例においては、電界強度は導体１の 近傍では急激に増大するのに対し、本考案の実施例においては、導体１１の近傍 でもそれほど増大せず、ほぼ均一に分布する。しかも、本考案の実施例の導体１ １側においては、電界強度が従来例の導体１側の半分近くまで減少する。 なお、二つの突起１１ａ，１１ｂを設ける位置は、その間隔Ｌが数mm〜十数mm の間で特に効果があり、耐電圧特性も向上する。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、円筒状の突起部によって、絶縁物の沿面位置の内、導体側の 電界が緩和されるので、絶縁スペーサを大形化することなく、その絶縁耐力を向 上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の絶縁スペーサの一実施例を示す断面図
である。

【図２】従来の絶縁スペーサの一例を示す断面図であ
る。

【図３】絶縁スペーサの絶縁部の沿面位置と電界強度を
示す特性図である。

【符号の説明】

２ 絶縁物 ３ 接地電極 １１ 導体 １１ａ，１１ｂ 突起部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 丸棒状の導体の外周部に、この導体と同
   軸に、接地電極が埋設された円盤状の絶縁物を配設した
   絶縁スペーサにおいて、前記導体の外周部に、円筒状の
   突起部を、前記絶縁物の内部で、かつその軸方向の両端
   部近傍にそれぞれ設けたことを特徴とする絶縁スペー
   サ。