JPH0739114Y2 - 記録再生用媒体装置の誤消去防止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 B.考案の概要 C.背景技術［第４図乃至第６図］ D.考案が解決しようとする問題点［第７図］ E.問題点を解決するための手段 F.作用 G.実施例［第１図乃至第３図］ H.考案の効果 （A.産業上の利用分野） 本考案は新規な記録再生用媒体装置の誤消去防止機構、
特に、摺動子を案内するガイド片を窓の内側の位置にて
ケース内面に一体に突出形成した記録再生用媒体装置の
誤消去防止機構に関するものである。

（B.考案の概要） 本考案記録再生用媒体装置の誤消去防止機構は、摺動子
を案内するガイド片が樹脂充填不足に基づく成形不良に
よって変形した形になるのを防止するため、ガイド片の
ケース内面からの高さをケース外壁よりも低くすること
とし、それによって樹脂充填不足に基づく成形不良を生
じにくくするものである。

（C.背景技術）［第４図乃至第６図］ テープカセットとして第４図に示すものａが知られてい
る。このテープカセットａは磁気テープが巻かれた供給
用及び巻取り用のリールｂ、ｂを収納したケースｃと、
ケースｃ前面の磁気テープ走行部を埃や機械的な損傷か
ら保護するテープカバーｄとから成り、テープカバーｄ
は枢着部ｅ、ｅ（一方の枢着部ｅは図面に現われな
い。）にてケースｃの両サイド前端部に枢着されてい
る。

ケースｃは平面形状が長方形の下ハーフｆと同じく長方
形の上ハーフｇとから成り、その両ハーフｆとｇとがそ
れらの間の上記リールｂ、ｂを収納した状態でねじ止め
等により結合一体化されることにより形成される。

上記ケースｃ内部の背面側で左側（ケースｃを正面から
見て左側）の隅角部に誤消去防止機構が設けられてい
る。該誤消去防止機構はケースｃの下ハーフｆと上ハー
フｇとの間に形成された摺動子収納空間ｈに摺動子ｉを
収納してなる。摺動子収納空間ｈはケースｃを構成する
下ハーフｆの外壁ｊ及び隔壁ｋと、同じく上ハーフｆの
外壁ｌ及び隔壁ｍとの間に形成される。

下ハーフｆ及び上ハーフｇの外壁ｊ及びｌは下ハーフｆ
及び上ハーフｇの周縁部に一体に突条を設けることによ
り形成されており、隔壁ｋ、ｍは外壁ｊ及びｌの隅角部
との間に摺動子収納空間ｈをつくるように下ハーフｆ及
び上ハーフｇの内面と、外壁ｊ及びｌとに一体に形成さ
れている。

ｎ、ｏは外壁ｊ及びｌの端面の互いに対応する部分に形
成された窓形成用切欠であり、該２つの切欠ｎ、ｏによ
り表示窓ｐが形成される。該表示窓ｐはテープカセット
ａの背面であって摺動子収納空間ｈに連通する位置に設
けられている。

ｑ、ｒはガイド片で、隔壁ｋ、ｍから背面に平行に延び
表示窓ｐの後側に位置するように形成されており、摺動
子ｉを案内する役割を果す。

上記摺動子収納空間ｈ内に収納される摺動子ｉは直方体
形状を有する主部ｓの一方の表面の側縁に薄肉の被案内
片ｔを一体に形成してなり、ケースｃの色（例えばグレ
ー）と異なる色（例えば赤）に着色されている。そし
て、被案内片ｔが表示窓ｐと上記ガイド片ｑ、ｒとの間
に位置するように摺動子ｉが摺動子収納空間ｈ内に収納
される。摺動子ｉは摺動子収納空間ｈ内においてテープ
カセットａの左右方向に往復移動可能に収納され、その
移動ストロークは上記表示窓ｐの幅と略同じにされてい
る。ｕは上記被案内片ｔの背面に一体に突出形成された
操作突条で、上下方向に延びる向きを有しており、表示
窓ｐ内に位置せしめられている。そして、摺動子ｉはそ
の操作突条ｕが表示窓ｐ内においての第４図における左
斜め上側の端部に位置する第１の位置から同じく右斜め
下側の端部に位置する第２の位置までの範囲で移動す
る。

ｖ、ｗは下ハーフｆ及び上ハーフｇの上記隅角部に穿設
された位置検出用孔で、摺動子収納空間ｈに連通し且つ
互いに対応する位置に設けられている。該位置検出用孔
ｖ、ｗは摺動子ｉが上記第１の位置に位置しているとき
は開の状態にあり、摺動子ｉが上記第１の位置から第２
の位置まで移動すると摺動子ｉの主部ｓによって塞がれ
た閉の状態にある。

ｘは下ハーフｆに形成された位置合せ基準孔で、テープ
カセットａを図示しないビデオテープレコーダに装着し
たときビデオテープレコーダの位置決めピンがその基準
孔ｘに挿入されることによってテープカセットａの正確
な位置合せが為される。ｙ、ｙは識別孔で、該孔を塞ぐ
位置に識別片ｚ、ｚが設けられている。該識別片ｚは識
別孔ｙ、ｙにピンを挿入し、適当な破壊力を加えること
により下ハーフｇから分離され得るようにされている。
そして、識別片ｚ、ｚが識別孔ｙ、ｙに存在するか否か
によって予め決められた情報をビデオテープレコーダへ
伝達する。

このようなテープカセットａは表示窓ｐを通して指の爪
により操作突条ｕを操作することにより第１の位置に動
かしたり第２の位置に動かしたりすることができる。そ
して、ビデオテープレコーダ内には上記位置検出用孔vw
が開いた状態になっているか閉じた状態になっているか
を検出する位置検出手段が設けられ、位置検出用孔v,w
が開いた状態のときはビデオテープレコーダが磁気テー
プへの記録をする記録動作を行うことができないように
されている。従って、磁気テープに記録されている映
像、音声を消去したくない場合には摺動子ｉを第４図に
おける左斜め上側に動かして第１の位置に位置させれば
良い。また、磁気テープに改めて映像、音声を記録する
ときには摺動子ｉを第４図における右斜め下側に動かし
て第２の位置に位置させれば、ビデオテープレコーダに
テープカセットａが装着された場合において記録動作が
妨げられる惧れがない。

（D.考案が解決しようとする問題点）［第７図］ ところで、第４図乃至第６図に示した従来のテープカセ
ットａには下ハーフｆ及び上ハーフｇに形成したガイド
片ｑ、ｒがショートモールドと称される樹脂充填不足に
より形状が設定したとおりにならない場合があるという
問題があった。

というのは、テープカセットａのケースｃを構成する下
ハーフｆ及び上ハーフｇは共にテープカバーｄと同じよ
うに射出成形により樹脂で形成され、そして、射出成形
においては薄くて（あるいは細くて）長い部分には樹脂
を充填しにくい。なぜならば、射出成形用金型の樹脂成
形用空間の薄くて長い部分は長くなる程樹脂充填時にお
ける空気の逃げが悪くなるからである。そして、ガイド
片ｑ、ｒは元来比較的小型なテープカセットａの一隅角
部の小さな限られた大きさの摺動子収納空間ｈ内に設け
られており、必然的に非常に薄く形成せざるを得ない。
しかも、従来においては、第６図（Ａ）、（Ｂ）に示す
ようにガイド片ｑ、ｒの下ハーフｆ、上ハーフｇの内面
からの高さが外壁ｊ、ｌの高さと同じように高く形成さ
れていたので、ガイド片ｑ、ｒには樹脂充填不足による
成形不良が生じ易いという条件が備わっていた。そのた
め、第７図に示したようにガイド片ｑ、ｒの形状が設定
したとおりにはならない場合が発生する。そして、ガイ
ド片ｑ、ｒの上端あるいは下端は表示窓ｐが見えるの
で、ガイド片ｑ、ｒの形状不良は外観を悪くし、成形不
良として下ハーフｆあるいは上ハーフｇ全体を不良品と
して排除せざるを得なくなる。それが成形歩留りを悪く
する大きな原因となっていた。

本考案は上記問題点を解決すべく為されたもので、摺動
子を案内するガイド片が樹脂充填不足に基づく成形不良
によって変形した形になることを防止し、延いては外観
不良の発生を防止し、もって歩留りの低下を防止するこ
とを目的とするものである。

（E.問題点を解決するための手段） 本考案記録再生用媒体装置の誤消去防止機構は、上記問
題点を解決するため、ガイド片のケース内面からの高さ
をケース外壁よりも低くしたことを特徴とするものであ
る。

（F.作用） 本考案記録再生用媒体装置の誤消去防止機構によれば、
ガイド片のケース内面からの高さをケース外壁の高さよ
りも低くしたので空気の逃げの悪さが軽減され、樹脂充
填不足が生じにくくなる。

（G.実施例）［第１図乃至第３図］ 以下に、本考案記録再生用媒体装置の誤消去防止機構を
添附図面に示した実施例に従って詳細に説明する。

第１図乃至第３図は本考案記録再生用媒体装置の誤消去
防止機構をビデオテープレコーダ用のテープカセットに
適用した実施例の要部を示すものである。

１は下ハーフ、２は上ハーフで、該下ハーフ１と上ハー
フ２とによってテープカセットのケース３が構成され
る。４、５は下ハーフ１、上ハーフ２の周縁部に一体に
突条を設けることにより形成された外壁、６、７は下ハ
ーフ１、上ハーフ２の内面に一体に突出形成された隔壁
で、外壁４、５の隅角部との間に摺動子８を収納するた
めの摺動孔収納空間９を形成するためのものである。

10、11は外壁４及び５の端面の互いに対応する部分に形
成された窓形成用の切欠であり、２つの切欠10、11によ
り表示窓12が形成される。該表示窓12はテープカセット
の背面に当り摺動子収納空間９に連通する位置に設けら
れている。

13、14はガイド片で、下ハーフ１又は上ハーフ２の底壁
と隔壁６、７の双方から背面に平行に延びるように一体
に突出形成されており、摺動子８を案内する役割を果
す。尚、該ガイド片13、14の一側端と上端は自由端にな
っている。そして、該ガイド片13、14の下ハーフ１、上
ハーフ２内面からの高さは外壁４、５の高さよりも低く
されている。本実施例においては、ガイド片13、14の高
さは表示窓12の上下両内面（切欠10、11の上あるいは下
側の面）の下ハーフ１、上ハーフ２内面からの高さと同
じか、あるいはそれよりも稍低くされている。

上記摺動子収納空間９内に収納される摺動子８は直方体
形状の主部15に被案内片16を一体に設けてなり、下ハー
フ１、上ハーフ２の色（例えばグレー）とは別の色（例
えば赤）に着色されている。そして、被案内片16が表示
窓12と上記ガイド13、14との間に位置するように摺動子
収納空間内に収納される。

17は下ハーフ１の位置検出用孔、18は位置合せ用基準
孔、19、19は識別孔、20、20は該識別孔19、19を塞ぐ識
別片である。

図示したテープカセットにおいてはガイド片13、14の下
ハーフ１、上ハーフ２内面からの高さが表示窓12の下側
内面、上側内面の高さと同じか、あるいはそれより低く
されており、ガイド片13、14の高さが従来よりもきわめ
て低い。従って、射出成形の際におけるそのガイド片1
3、14での樹脂充填不足（ショートモールド）が生じに
くくなり、ガイド片13、14の樹脂充填不足に基づく形成
不良の発生率が低くなる。従って、完璧な樹脂成形を容
易に行うことができ、成形歩留りが向上する。

また、仮にガイド片13、14に形状不良が生じたとしても
ガイド片13、14のハーフ１、２内面からの高さは表示窓
12の上下両内面のハーフ１、２内面からの高さと同じか
それより低くされているので、第３図（Ａ）に示すよう
な誤消去防止状態のときは勿論のこと同図（Ｂ）に示す
ような記録可能状態のときでも表示窓12からはガイド片
13、14が見えないか、あるいは見えにくくなるので外観
がガイド片13、14の形状不良に起因して悪くなることを
回避することができる。

尚、本実施例のテープカセットは第４図乃至第６図に示
したテープカセットとはガイド片の高さが異なるという
点で相違するが、その他の点では共通するので、共通す
る部分の詳細な説明は省略した。

（H.考案の効果） 以上に述べたところから明らかなように、本考案記録再
生用媒体装置の誤消去防止機構は、周縁部に外壁を有し
記録媒体を収納するケースの内部の一部領域に該ケース
を構成する上、下ハーフ内面に一体に突出形成された隔
壁で摺動子収納空間が形成され、上記上、下ハーフ当接
部で形成されたケ−スの外壁に上記摺動子収納空間と連
通する表示窓が形成され、上記摺動子収納空間に上記窓
から適宜内側に離間した位置にて上記ケースを構成する
上、下ハーフ各々の底壁と内部隔壁の双方から一体に夫
々突出形成された一側端が自由端とされた薄いガイド片
が設けられ、上記摺動子収納空間にケースの底壁に形成
された位置検出用孔を覆うための略直方体形状の主部と
外側面側に突出形成された操作突条を有する被案内片と
から成り、該被案内片が上記窓を上記ガイド片との間に
位置するように上記摺動子収納空間内に収納され、上記
操作突条を操作することにより上記窓を塞ぐ第１の位置
と上記窓を開く第２の位置との間を上記被案内片が上記
ガイド片に案内されて摺動され、上記主部が上記検出用
孔から外れる上記第１の位置と上記検出用孔を塞ぐ上記
第２の位置との間で移動する摺動子が設けられてなる記
録再生用媒体装置の誤消去防止機構であって、上記上、
下ハーフ夫々のガイド片の上、下ハーフ内面からの高さ
が上、下ハーフの外壁の高さよりも低く、且つ上記表示
窓の上側及び下側の面の上ハーフ、下ハーフ内面からの
高さと同じかそれよりも低くされてなることを特徴とす
るものである。

従って、本考案記録再生用媒体装置の誤消去防止機構に
よれば、ガイド片のケース内面からの高さをケース外壁
の高さよりも低くしたので空気の逃げの悪さが軽減さ
れ、樹脂充填不足が生じにくくなる。従って、ガイド片
の形状不良が少なくなり、外観不良も少なくなるので歩
留りが向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案記録再生用媒体装置の誤消去
防止機構の実施の一例を説明するためのもので、第１図
（Ａ）、（Ｂ）は要部を示す斜視図で、同図（Ａ）は上
ハーフを裏返しにして示し、同図（Ｂ）は下ハーフと摺
動子とを分解して示し、第２図は下ハーフの要部平面
図、第３図（Ａ）、（Ｂ）は要部を示すもので、同図
（Ａ）は誤消去防止状態における背面図、同図（Ｂ）は
記録可能状態における背面図、第４図乃至第６図は背景
技術を説明するためのもので、第４図はテープカセット
の斜視図、第５図はテープカセットの要部を斜め裏側か
ら見た斜視図、第６図（Ａ）、（Ｂ）は従来例の要部を
示す斜視図で、同図（Ａ）は上ハーフを裏返しにして示
し、同図（Ｂ）は下ハーフと摺動子とを分解して示し、
第７図は従来例の問題点を示す背面図である。 符号の説明 １……下ハーフ、２……上ハーフ、３（１、２）……ケ
ース、４、５……外壁、６、７……隔壁、８……摺動
子、９……摺動子収納空間、12（10、11）……表示窓、
13、14……ガイド片、15……（８の）主部、16……（８
の）被案内片、17……位置検出用孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−135679（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−13487（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−185074（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−170088（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−183650（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−127485（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−47186（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周縁部に外壁を有し記録媒体を収納するケ
   ースの内部の一部領域に該ケースを構成する上、下ハー
   フ内面に一体に突出形成された隔壁で摺動子収納空間が
   形成され、 上記上、下ハーフ当接部で形成されたケースの外壁に上
   記摺動子収納空間と連通する表示窓が形成され、 上記摺動子収納空間に上記窓から適宜内側に離間した位
   置にて上記ケースを構成する上、下ハーフ各々の底壁と
   内部隔壁の双方から一体に夫々突出形成された一側端が
   自由端とされた薄いガイド片が設けられ、 上記摺動子収納空間にケースの底壁に形成された位置検
   出用孔を覆うための略直方体形状の主部と外側面側に突
   出形成された操作突条を有する被案内片とから成り、 該被案内片が上記窓と上記ガイド片との間に位置するよ
   うに上記摺動子収納空間内に収納され、上記操作突条を
   操作することにより上記窓を塞ぐ第１の位置と上記窓を
   開く第２の位置との間を上記被案内片が上記ガイド片に
   案内されて摺動され、上記主部が上記検出用孔から外れ
   る上記第１の位置と上記検出用孔を塞ぐ上記第２の位置
   との間で移動する摺動子が設けられてなる記録再生用媒
   体装置の誤消去防止機構であって、 上記上、下ハーフ夫々のガイド片の上、下ハーフ内面か
   らの高さが上、下ハーフの外壁の高さよりも低い、且つ
   上記表示窓の上側及び下側の面の上ハーフ、下ハーフ内
   面からの高さと同じかそれよりも低くされてなる ことを特徴とする記録再生用媒体装置の誤消去防止機
   構。