JPH0739094Y2 - ヘッド送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光ディスクや磁気ディスク等のディスクに記
録された情報信号を再生し、あるいは上記ディスクに所
定の情報信号を記録走査するヘッド装置を上記ディスク
の径方向に亘って直線的に送り操作するヘッド送り装置
に関する。

〔従来の技術〕

従来、ディスクプレーヤ、例えば光学ディスクプレーヤ
は、プレーヤ本体内に配設されたディスク回転駆動装置
に装着されて回転駆動される光ディスクの径方向に光学
ヘッド装置を送り操作して、上記光ディスクに記録され
た情報信号を読み取り再生するように構成されてなる。

そこで、上記光学ディスクプレーヤの如きディスクプレ
ーヤには、光学ヘッド装置等のヘッド送り装置を、ディ
スクの径方向に直線的に送り操作するヘッド送り装置が
配設されている。

このヘッド装置を直線的に送り操作するヘッド送り装置
は、プレーヤ本体を構成するシャーシ等の支持基台に１
本又は一対の金属で形成されたガイド軸を取付け、この
ガイド軸にヘッドを支持させるとともに、ラックギヤ及
びピニオンギヤ等からなる駆動力伝達機構を介して上記
ヘッド装置にモータ等の駆動手段からの駆動力を伝達す
るようになし、上記駆動手段を駆動させることによっ
て、上記ヘッド装置をガイド軸に移動方向をガイドさせ
てディスクの径方向に直線的に送り操作するように構成
されている。

そして、上述したような従来のヘッド送り装置を構成す
るガイド軸は、両端部をシャーシ等の支持基台にネジ止
めされる軸受け部を構成する取付け部材によって押圧支
持されるようにして上記支持基台に固定されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のように、支持基台とは別体に形成され、ネジ止め
されて上記支持基台に取付けられる取付け部材によって
ガイド軸を固定するようにした従来のヘッド送り装置に
あっては、上記取付け部材を安定して取付けることが極
めて困難である。すなわち、取付け部材をネジ止めする
ものにあっては、固定用ネジの締付け力が十分でない
と、ガイド軸を一定の位置決めされた位置に確実に固定
しておくことができなくなる。

また、取付け部材が確実にネジ止めされていても、この
ヘッド装置を組み込んだディスクプレーヤ内の他の機構
部の機械的振動によりネジが緩んでしまい、上記取付け
部材によるガイド軸の保持力を十分に維持できなくな
り、ガイド軸の取付けの安定性が阻害される。

そして、ガイド軸の取付けの安定性が損なわれると、上
記ガイド軸にガイドされるヘッド装置の送りの安定性が
損なわれてしまう。すなわち、ヘッド装置の直線移動を
達成できなくなり、ディスクの記録トラックに対するア
クセスが不能となり、ディスクに対する情報信号の記録
及び／又は再生動作時のエラーの発生を招き、ひいては
情報信号の記録及び／又は再生動作を不能とする虞れも
ある。

また、上述したようにネジ止めによるガイド軸の支持構
造を有するヘッド送り装置にあっては、上記ネジが外れ
てしまうと、ガイド軸の支持ができなくなり、ヘッド装
置として全く機能し得なくなってしまう。

さらに、上記ネジ止め構造のヘッド送り装置にあって
は、ガイド軸を支持する取付け部材及びこの取付け材を
固定するネジが必要であり、部品点数の増加を免れ得な
い。そして、極めて高精度の取付け精度が要求されるガ
イド軸の取付けを保証するため、上記各部品の精度管理
を十分に行う必要があり、各部品の加工及び組立てが極
めて困難となる。

そこで、本考案は、上述したような従来のものが有して
いる問題点の解消を図り、ヘッド装置の移動をガイドす
るガイド軸を支持するための部品点数の削減を図り、組
み立てが容易で、且つヘッド装置を精度良く安定して送
り操作することを可能となすヘッド送り装置を提供する
ことを目的に提案されたものである。

〔課題を達成するための手段〕

本考案に係るヘッド送り装置は、上述したような目的を
達成するため、ヘッド装置に設けられた挿通孔に挿通さ
れて上記ヘッド装置をディスクの径方向に直線的にガイ
ドするガイド軸と、上記ヘッド装置を上記ガイド軸に沿
って上記ディスクの径方向に送り操作する送り機構と、
上記ヘッド装置の送り範囲に亘って開口部が設けられる
とともに上記送り機構が取付けられる基板と、上記開口
部を挟んで相対向する位置に、上記基板と一体に樹脂成
形によって形成された上記ガイド軸の両端部が係合する
一対の軸受部とを備え、上記ヘッド装置を、上記開口部
内に位置させ、上記一対の軸受部に両端を支持された上
記ガイド軸に上記挿通孔を挿通させて支持することによ
って上記開口部の範囲に亘って送り操作するようにした
ものである。

〔作用〕

本考案に係るヘッド送り装置は、ヘッド装置が基板に設
けられた開口部内に位置し、この開口部の範囲で送り操
作される。そして、ヘッド装置は、基板と一体に樹脂成
形によって形成された一対の軸受部に両端を支持された
ガイド軸に挿通孔を挿通させることにより支持され、ガ
イド軸にガイドされて送り機構によって送り操作され
る。

〔実施例〕

以下、本考案を音響信号等の情報信号を記録した光ディ
スクに光ビームを照射して上記情報信号の読み取り再生
を行う光ディスクプレーヤに適用されるヘッド送り装置
に適用した例を挙げて説明する。

本考案に係るヘッド送り装置は、光ディスクプレーヤの
プレーヤ本体内に配設されるシャーシ基板に支持される
取付け基板１に、光ディスクＤを回転操作するディスク
回転駆動装置２と共に配設されてなる。

そして、上記取付け基板１は、後述するようにアウトサ
ート成形法によて合成樹脂の成形を可能となす材料、例
えば金属板により形成されてなる。

上記取付け基板１に配設されるディスク回転駆動装置２
は、第１図及び第２図に示すように、取付け基板１の下
面側にディスク駆動モータ３を固定ネジ４によって取付
け、上記取付け基板１に穿設した透孔５を介して上記取
付け基板１の上面側に突出した駆動軸６の先端側にディ
スクテーブル７を取付けて構成されている。このディス
クテーブル７の中心部には、上記ディスクテーブル７上
に載置される光ディスクＤの芯出しを図るためのセンタ
リング部材８が軸方向に進退自在となされて取付けられ
ている。

そして、本考案に係るヘッド送り装置によって移動操作
されるヘッド装置は、上記ディスク回転駆動装置２によ
って回転操作される光ディスクＤに光ビームを照射して
上記光ディスクＤに記録されている情報信号を読み取り
再生するように構成されたものであって、光学ピックア
ップ装置９として構成されてなる。この光学ピックアッ
プ装置９は、光ビームを出射する半導体レーザを内蔵
し、この半導体レーザから出射された光ビームを光ディ
スクＤの信号記録面に合焦させる対物レンズ10等の光学
部品や上記光ディスクＤからの戻り光を検出して情報信
号の読出しを行うフォトディテクタ等の信号検出素子を
内蔵して構成されてなる。

上記光学ピックアップ装置９は、第１図及び第２図に示
すように、取付け基板１の中央部に開設した開口部11内
に位置するように配設され、ディスク回転駆動装置２の
ディスクテーブル７上に載置される光ディスクＤの信号
記録面に対物レンズ10を対向させ、上記光ディスクＤの
内外周方向に亘って直線的に移動可能に上記取付け基板
１に支持される。すなわち、上記光学ピックアップ装置
９は、上記開口部11に差し渡すようにして上記取付け基
板１上に互いに平行に取付けられる一対のガイド軸12,1
3に支持され、これらガイド軸12,13に送り方向をガイド
されて直線的に送り操作されるように支持されてなる。
すなわち、上記光学ピックアップ装置９は、ピックアッ
プ装置本体を構成するハウジング9aに穿設した挿通孔1
4,15に上記ガイド軸12,13をそれぞれ挿通することによ
って支持されてなる。

ところで、上記一対のガイド軸12,13のうち挿通孔14に
挿通されるガイド軸12は、光学ピックアップ装置９の移
動方向の基準となる基準ガイド部となるものであって、
他方のガイド軸13は上記一方のガイド軸12に対し位置出
しが図られて取付けられるようになる。

ところで、一対のガイド軸12,13は、取付け基板１上の
所定位置に形成された一対ずつの軸受け部16,17及び18,
19に穿設した係合孔16aに各端部を密嵌させることによ
って支持されて上記取付け基板１に取付けられる。

そして、上記一対のガイド軸12,13の各端部を支持する
軸受け部16,17及び18,19は、取付け基板１に対し合成樹
脂をアウトサート成形することによって上記取付基板１
と一体的に形成されてなる。すなわち、取付け基板１を
成形用金型の一部をなすようにして、第３図に示すよう
に取付け基板１に穿設した透孔1aを介して上記取付け基
板１の上下面に亘って合成樹脂を成形することによって
形成されてなる。

また、上記各軸受け部16,17及び18,19は、取付け基板１
上に互いに平行に配設される一対のガイド軸12,13の各
端部が位置される部分に形成されてなる。そして、これ
ら各軸受け部16,17及び18,19にそれぞれ穿設される係合
孔16aは、ここに係合されるガイド軸12,13の端部の径と
同一若しくは稍々小径に形成され、上記各軸受け部16,1
7及び18,19を構成する合成樹脂が有する弾性変形力を利
用して上記ガイド軸12,13の端部を弾性的に挾持し得る
ように構成されている。

また、取付け基板１上には、それぞれ対をなす軸受け部
16,17及び18,19の内の一方の軸受け部16及び18に密嵌さ
れる各ガイド軸12,13の抜け止めを図る抜け止めブロッ
ク20が設けられている。この抜け止めブロック20も、各
軸受け部16,17及び18,19と同様に、取付け基板１に対し
合成樹脂をアウトサート成形することによって形成され
てなる。

ところで、上記抜け止めブロック20は、第１図及び第２
図に示すように、コ字状に連続して形成され、その両端
部20a,20bが各軸受けブロック16及び18の各係合孔16aに
対向するように位置されてなる。このように抜け止めブ
ロック20を設けることにより、上記各軸受けブロック16
及び18に密嵌された各ガイド軸12,13の一端が上記抜け
止めブロック20の各端部20a,20bにより支持され得るよ
うになり、上記各ガイド軸12,13の軸受けブロック16及
び18からの抜け止めが図られる。また、上記抜け止めブ
ロック20は、取付け基板１の下面側でランナー部21を介
して第１図及び第２図に示すように各軸受けブロック16
及び18に接続されている。

上述のように一対のガイド軸12,13により支持された光
学ピックアップ装置９は、上記一対のガイド軸12,13に
ガイドされ、第１図及び第２図に示すように、取付け基
板１の下面側に取付け部材22を介して取付けられるピッ
クアップ送りモータ23によって光ディスクＤの内外周に
亘って送り操作される。そして、光学ピックアップ装置
９とピックアップ送りモータ23は、光学ピックアップ装
置９のハウジング9aの一側面に設けたラックギヤ24と上
記ピックアップ送りモータ23の駆動軸23aに取付けたウ
ォームギヤ25間に減速ギヤ機構を構成する上記取付け基
板１に回転自在に支持される第１及び第２の平歯ギヤ2
6,27を介して連結されている。すなわち、上記ピックア
ップ移送用モータ23と、このモータ23に取付けたウォー
ムギヤ24と、これら間を連結する第１及び第２の平歯ギ
ヤ26,27とで光学ピックアップ装置９の送り機構を構成
している。

上述の実施例では、一対のガイド軸12,13により光学ピ
ックアップ装置９を支持してなるが、光学ピックアップ
装置９の移動方向の基準となる基準ガイド軸となるガイ
ド軸を１本のみ設けて構成してもよい。この場合には、
光学ピックアップ装置９の他側側は、取付け基板１に設
けられたガイド板にハウジング9aに形成したガイド溝を
嵌合させて支持される。

また、本考案は、上述した光学ピックアップ装置を送る
装置のみならず、磁気ディスクの内外周に亘って直線的
に送り操作される磁気ヘッド装置の如きヘッド装置を送
り操作する送り装置にもそのまま適用することができ
る。

〔考案の効果〕

上述したように、本願考案は、ヘッド装置を基板に設け
た開口部内に位置させ、開口部を挟んで相対向する位置
に基板と一体に樹脂成形によって形成された一対の軸受
部に両端を支持されたガイド軸に挿通孔を挿通させて支
持し、送り機構によりガイド軸にガイドさせて送り操作
するようにしてなるので、ヘッド装置を基板の上下面に
亘って配置し、このヘッド装置の上下方向の略中心付近
をガイド軸によって支持させるようになすことができ
る。このとき、ガイド軸は、基板面に近接した位置に配
することができるので、ガイド軸を支持する樹脂成形に
よって基板に一体に形成される軸受部は、基板面から大
きく突出させることなく形成することができる。従っ
て、軸受部を成形精度を良好にして形成することがで
き、さらにガイド軸を支持したときの変形を抑えること
ができるので、取付け位置のずれ等を発生させることな
く、精度良く安定したヘッド装置の送りを実現すること
ができる。そして、ガイド軸を固定するために、従来の
装置の如くネジ止め構造を用いる必要がないので、ネジ
止めを採用することから生ずる問題点の全てを解消でき
るばかりか、ディスクに対する情報信号の記録及び／又
は再生を良好に行うことが可能となる。

また、軸受け部は、基板上に樹脂成形によって一体的に
形成されてなるので、ガイド軸の取付け位置精度は、上
記軸受け部の精度によって決定され、取付け部材をネジ
止めによって固定して取付けるようにした従来の装置の
如く各装置毎に発生する取付け誤差を解消し、高精度に
ガイド軸の支持を行うことができる。

さらに、ガイド軸を支持する軸受け部は、基板上の所定
位置に樹脂成形によって一体に形成されてなるので、上
記ガイド軸を支持するために別体の部品を用いる必要が
ないので、部品点数の削減を図り、組立ての容易化を達
成できる。特に、上記ガイド軸は、軸受け部に嵌合支持
させるだけ取付けを行うことができるので、取付け作業
の著しい向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るヘッド送り装置を示す分解斜視図
であり、第２図は上記ヘッド送り装置の全体を示す斜視
図であり、第３図は軸受け部分を示す断面図である。 １……取付け基板 ９……光学ピックアップ装置 9a……光学ピックアップ装置のハウジング 12,13……ガイド軸 14,15……挿通孔 16,17,18,19……軸受け部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−179660（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−56370（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−22514（ＪＰ，Ｕ) 実公 平３−51800（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヘッド装置に設けられた挿通孔に挿通され
   て上記ヘッド装置をディスクの径方向に直線的にガイド
   するガイド軸と、 上記ヘッド装置を上記ガイド軸に沿って上記ディスクの
   径方向に送り操作する送り機構と、 上記ヘッド装置の送り範囲に亘って開口部が設けられる
   とともに上記送り機構が取付けられる基板と、 上記開口部を挟んで相対向する位置に、上記基板と一体
   に樹脂成形によって形成された上記ガイド軸の両端部が
   係合する一対の軸受部とを備え、 上記ヘッド装置は、上記開口部内に位置され、上記一対
   の軸受部に両端を支持された上記ガイド軸に上記挿通孔
   を挿通させて支持されて上記開口部の範囲に亘って送り
   操作されることを特徴とするヘッド送り装置。