JPH0738198Y2 - 詰替式繰出し容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、口紅、チック等の化粧料、薬用リップ、糊等
の繰出し容器に関し、とくに内容物の詰替を可能とする
詰替式繰出し容器（いわゆるレフィール容器）に関す
る。

【従来の技術】

従来のこの種詰替式繰出し容器は、化粧料が充填乃至挿
入された詰替用の中皿の脚部をホルダーの先端部に着脱
可能に強制嵌合するだけの構成であり、取付け取外しと
も手にて行なっていた。

【考案が解決しようとする問題点】

このため、次のような欠点があった。 中皿は手指で強制嵌合できる程度にしっかりと抓むだけ
の長さが必要であり、容器全体の長さが長くなるという
欠点があった。 また中皿には化粧料が付着しているため、詰替えの際に
中皿を取外すとき、指先が汚れてしまうという欠点があ
った。 本考案は、上記欠点を解決し、中皿長が従来に比し小と
なり、容器全体を小型にすることができるとともに、詰
替えの際に中皿を取外すとき、指先が汚れない詰替式繰
出し容器を供することを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案は、中皿を交換可能に装着
するホルダーが容器本体内を進退自在に移動する詰替式
繰出し容器において、容器本体を構成する身筒内にホル
ダー及び押出棒が相互に摺動自在に収納され、上記身筒
は外筒に回動自在に収納され、身筒又は外筒の一方に螺
旋溝が形成され他方に容器本体の両端部方向に沿って長
孔が形成され、上記ホルダー及び押出棒に設けられた各
突起がホルダーの突起が押出棒の突起より一定のピッチ
巾で中皿側に位置するよう上記螺旋溝及び長孔に係合さ
れ、上記螺旋溝の上死点にホルダーの突起が繰上げ移動
されてきたとき突起間の上記ピッチ巾を小とする横溝が
形成されたことを特徴とする詰替式繰出し容器を供す
る。 この詰替式繰出し容器は、上記押出棒がホルダー内に収
納された点、上記ホルダーの突起と押出棒の突起との間
に常時押出棒を反中皿側に押圧するよう付勢されたばね
が設けられた点及び上記横溝に螺旋溝の傾斜方向に沿っ
て係止リブが突設された点をも特徴とする。

【実施例】

次に、本考案にかかる詰替式繰出し容器を図面に示す実
施例に基ずいて説明する。 １は容器本体であり、袴筒２を回動させると、容器本体
１内に配設されたホルダー３が容器本体１内を進退自在
に摺動する。該ホルダー３は身筒４内に摺動自在に収納
されるとともに、内部に棒状の押出棒５を摺動自在に収
納する。上記身筒４は、容器本体１の両端部方向に沿っ
て長孔６が形成され、外筒７に回動自在に収納される。
該外筒７の内周面には螺旋溝８が設けられる。該外筒７
は上記袴筒２内に嵌着される。上記ホルダー３及び押出
棒５の基端部には、一定のピッチ巾ａをもって突起９、
10が設けられる。該突起９、10は上記長孔６を介して螺
旋溝８に摺動自在に係合される。上記螺旋溝８の上死点
Ｄにホルダー３の突起９が繰上げ移動されてきたとき、
突起９、10間の上記一定のピッチ巾ａを小（ピッチ巾
ｂ）とする横溝11が形成される。上記身筒４の上方部外
側には中蓋12が嵌着される。該中蓋12の外側には中具13
が嵌着される。14は中具13に設けられたキャップ受であ
る。中具13の該キャップ受14より基端部側の部分及び該
中具13に連続して配設される上記外筒７は、上記袴筒２
内に嵌着されている。上記袴筒２、ホルダー３、身筒
４、外筒７、中蓋12及び中具13はいずれも筒状に形成さ
れ、容器本体１を構成する。 15は中皿であり、筒状に形成される。該中皿15の先端部
側半分に化粧料の充填乃至挿入される皿部16が形成さ
れ、基端部側半分に上記ホルダー３に着脱可能に嵌合さ
れる脚部17が形成される。該脚部17には環状の嵌合溝18
が設けられ、ホルダー３の先端部に設けられた嵌合用突
条19に嵌合される。 上記突起９及び突起10の形状及び大きさは、長孔６と螺
旋溝８の交差した部分に形成される凹溝に合致する程度
であれば、任意である。 また上記ホルダー３及び押出棒５は、夫々の先端部が合
致する程度の長さにされるのが望ましい。しかし、押出
棒５の押出しにより中皿15とホルダー３との嵌合が解除
できる範囲であれば、夫々の先端部の高さが多少合致し
なくともよい。 上記ホルダー３と押出棒５とは、相互に摺動自在であれ
ば図示実施例とは反対に、押出棒５にホルダー３を収納
することとしてもよい。この場合、押出棒５にホルダー
の突起摺動用の長孔（図示省略）が設けられる。また図
示実施例とは反対に、身筒４に螺旋溝８が設けられ、外
筒７に長孔６が設けられてもよい（図示省略）。 第５図はホルダー３の突起９と押出棒５の突起10との間
に常時押出棒５を反中皿15側に押圧するよう付勢された
ばね20が設けられた他の実施例を示す。 第６図は上記横溝11に螺旋溝８の傾斜方向に沿って係止
リブ21が突設されたさらに他の実施例を示す。 22はレフィールケース、23はその段部、24は化粧料であ
る。

【作用】

本考案にかかる詰替式繰出し容器においては、袴筒２を
回動させると、袴筒２と一体の外筒７が回動させるた
め、身筒４の長孔６を介して外筒７の螺旋溝８に突起
９、突起10が係合されている。ホルダー３及び押出棒５
が身筒４内を進退し、繰出し、繰下げ移動されることに
なる。 第１図上半分に示す位置より袴筒２を回動させ図示左方
に繰上げていくと、突起９及び突起10は螺旋溝８及び長
孔６に沿って一定のピッチ巾ａで移動していく。第３図
及び第４図並びに第７図において、突起9A、突起10Aは
この状態を示す。上死点Ｄに至ると、突起９は螺旋溝８
に連続する横溝11に入る。横溝11は傾斜されていないた
め、袴筒２を繰出し回動させてもホルダー３の突起９は
左方には移動せず、突起9Bに位置をずらすだけである。
したがって、ホルダー３のこれ以上の繰出しはない。し
かし、依然として螺旋溝８内にある押出棒５の突起10
は、この間も左方に移動する。このため、突起９、突起
10間のピッチ巾ａはピッチ巾ｂに縮小される。この結
果、ピッチ巾の差、即ち、（ａ−ｂ）が押出棒５の突出
量ｃとなって中皿15を押圧する。第３図及び第４図並び
に第７図において、突起9B、突起10Bはこの状態を示
す。押出棒５の移動は、押出棒５の基端部がホルダー３
の基端部に衝突することにより止まる。しかして、押出
棒５により押圧されホルダー３との嵌合を解除された使
い古しの中皿15を取り外す。 次に、新しい中皿15を取り付けるには、まず袴筒２を図
示右方に繰下げ回動させて押出棒５をホルダー３の位置
ｄまで繰り下げる。このとき、ホルダー３は突起９が横
溝11内を横動するだけであるため、右方に移動せず、押
出棒５のみが右方に移動する。この場合、第５図実施例
のように突起９と突起10との間にばね20を設けておけ
ば、繰上げ終了後袴筒２より手を離すと、ばね20の付勢
力により押出棒５が自動的に位置ｄまで繰り下げられる
ので、一層望ましい。次いで、中皿15をレフィールケー
ス22に収納したままホルダー３に挿入し、中皿15の嵌合
用突条19をホルダー３の嵌合溝18に嵌合する。次いで袴
筒２を繰下げ回動させていくと、レフィールケース22の
段部23が中蓋12の先端部に突き当たるため、レフィール
ケース22が脱落するので、化粧料24が中蓋12内に収納さ
れるのである。したがって、詰替用の中皿15の取付け取
外しに当たって手でしっかりと抓む必要がない。 第７図実施例に示すように横溝11に螺旋溝８の傾斜方向
に沿って係止リブ21が突設されれば、不用意に突起９が
係止リブ21を乗り超えることがないから、ホルダー３か
ら中皿15が不測に外れることを防止することができて一
層望ましい。また、中皿15の取外し取付けに際しても、
突起９が係止リブ21を乗り超えたことを感覚的に知覚す
ることができるので、一層望ましい。

【考案の効果】 このように、本考案にかかる詰替式繰出し容器によれ
ば、中皿を交換可能に装着するホルダーが容器本体内を
進退自在に移動する詰替式繰出し容器において、容器本
体を構成する身筒内にホルダー及び押出棒が相互に摺動
自在に収納され、上記身筒は外筒に回動自在に収納さ
れ、身筒又は外筒の一方に螺旋溝が形成され他方に容器
本体の両端部方向に沿って長孔が形成され、上記ホルダ
ー及び押出棒に設けられた各突起がホルダーの突起が押
出棒の突起より一定のピッチ巾で中皿側に位置するよう
上記螺旋溝及び長孔に係合され、上記螺旋溝の上死点に
ホルダーの突起が繰上げ移動されてきたとき突起間の上
記ピッチ巾を小とする横溝が形成されているため、詰替
用の中皿の取付け取外しに当たって手でしっかりと抓む
必要がないから、中皿長を従来に比し小とすることが可
能であり、容器全体を小型にすることができる。また詰
替えの際に中皿を取り外すとき、中皿に殆んど触らなく
とも取り外すことができるから、指先を汚すことがない
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる詰替式繰出し容器の実施例を示
す正面断面図であり、上半分は繰下時、下半分は繰上時
を示す。第２図は第１図のレフィール体を示す正面図断
面図、第３図は第１図の螺旋溝を示す断面図、第４図は
第３図の展開図である。第５図は他の実施例を示す正面
断面図、第６図は第５図の螺旋溝を示す断面図、第７図
はさらに他の実施例にかかる螺旋溝を示す断面図であ
る。 １……容器本体、２……袴筒、３……ホルダー、４……
身筒、５……押出棒、６……長孔、７……外筒、８……
螺旋溝、９……突起、10……突起、11……横溝、12……
中蓋、13……中具、14……キャップ受、15……中皿、16
……皿部、17……脚部、18……嵌合溝、19……嵌合用突
起、20……ばね、21……係止リブ、22……レフィールケ
ース、23……段部、24……化粧料。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中皿を交換可能に装着するホルダーが容器
   本体内を進退自在に移動する詰替式繰出し容器におい
   て、容器本体を構成する身筒内にホルダー及び押出棒が
   相互に摺動自在に収納され、上記身筒は外筒に回動自在
   に収納され、身筒又は外筒の一方に螺旋溝が形成され他
   方に容器本体の両端部方向に沿って長孔が形成され、上
   記ホルダー及び押出棒に設けられた各突起がホルダーの
   突起が押出棒の突起より一定のピッチ巾で中皿側に位置
   するよう上記螺旋溝及び長孔に係合され、上記螺旋溝の
   上死点にホルダーの突起が繰上げ移動されてきたとき突
   起間の上記ピッチ巾を小とする横溝が形成されたことを
   特徴とする詰替式繰出し容器。
2. 【請求項２】上記押出棒がホルダー内に収納された請求
   項１記載の詰替式繰出し容器。
3. 【請求項３】上記ホルダーの突起と押出棒の突起との間
   に常時押出棒を反中皿側に押圧するよう付勢されたばね
   が設けられた請求項１又は２記載の詰替式繰出し容器。
4. 【請求項４】上記横溝に螺旋溝の傾斜方向に沿って係止
   リブが突設された請求項１乃至３のいずれか記載の詰替
   式繰出し容器。