JP3831811B2 - 繰り出し容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外筒体と内筒体との相対回転操作により、内筒体内の受皿体を昇降変位させて口紅等の棒状化粧料を内筒体から出し入れする構成の繰り出し容器において、受皿体の保持筒内に位置している化粧料を押し出し消費できるようにした繰り出し容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
外筒体と内筒体との相対回転により、内筒体内の受皿体を昇降変位させて口紅等の棒状化粧料を内筒体から出し入れする構成の繰り出し容器は、構造および取扱いが簡単で、携帯に便利であり、安価に製造できると云う優れた利点を有する反面、受皿体の保持筒内に位置した化粧料部分の利用が困難で、このためこの決して少量ではない保持筒内の化粧料を無駄に廃棄しなければならないこと、または利用するのがきわめて困難となることに、強い不満があった。
【0003】
この不満を解消する従来技術として、実公昭60ー41847号公報に開示された、外筒体と内筒体との相対回転により、内筒体内の受皿体を昇降変位させて化粧料を内筒体から出し入れする構成の繰り出し容器において、上昇限に停止した受皿体内に下方から嵌入して、受皿体内の化粧料を上方に押し出す押し出し部材を、受皿体の下方に縦列配置した構成のものが知られている。
【0004】
この従来技術は、受皿体と全く同じ構成で外筒体と内筒体との組合せ物に押し出し部材を組付け、受皿体および押し出し部材を昇降ガイドする内筒体のガイド孔の上端に、受皿体が上昇限に達した状態で、外筒体と内筒体の相対回転を可能とする横ガイド孔を連続形成し、受皿体の上昇限に達した状態での外筒体と内筒体の相対回転により、押し出し部材だけを上昇変位させて、受皿体内の化粧料を押し出し部材で上方に押し出し、これにより化粧料を無駄なく簡単に利用できるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、受皿体を昇降させての通常の化粧料の繰り出し操作と、押し出し部材による受皿体内の化粧料の押し出し操作とが全く同じでかつ連続しているため、押し出し部材により化粧料を受皿体から不要に押し出すことが起り易く、このため化粧料の保持状態が早期に劣化すると云う問題があった。
【0006】
また、受皿体内の化粧料を所望量押し出した状態から、化粧料を内筒体内に繰り入れると、押し出し部材が受皿体内から下方に離脱するので、押し出された分だけ受皿体に対する化粧料の組付きが弱化し、携帯時等の外部からの衝撃で、化粧料が受皿体から簡単に離脱すると云う問題があった。
【0007】
さらに、化粧料を受皿体内から押し出した状態での使用に際しては、化粧料の受皿体に対する組付きを安定させるために、押し出し部材で化粧料を下方から支持する必要があるが、化粧料を受皿体内から押し出すことなく、この化粧料の下面に押し出し部材を接触させるには、微妙な力加減と操作とを必要とし、このため取扱いが面倒で安定性が欠けると云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、受皿体内からの化粧料の押し出しを安全に達成すると共に、受皿体から押し出した化粧料の安定した保持を確保することを技術的課題とし、もって化粧料の安全な繰り出し操作と、受皿体内から押し出された化粧料の安定した保持とを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
内周面に螺溝を設けた円筒状の外筒体を有すること、
上半分の収納筒部を延出させた姿勢で、縦長のガイド孔を設けた下半分のガイド筒部を挿入して、外筒体に回転自在かつ抜け出し不能に組付いた円筒状の内筒体を有すること、
化粧料を保持する保持筒の下端から、外周面下端部に内筒体のガイド孔を貫いて外筒体の螺溝に螺合する螺合ピンを、また内周面上端部に螺合突片をそれぞれ設けた外脚筒を垂下設し、内筒体内に昇降変位可能に組付いた円筒状の受皿本体の保持筒内に、この保持筒の底面を形成する底板を昇降変位可能に組付けた受皿体を有すること、
この受皿体に同軸心状に挿入組付けされて螺合し、上端の頭部を、受皿体の底板に回転自在かつ抜け出し不能に結合組付けした円筒状の内脚筒内に、直線棒状の回転棒を、空転不能かつ昇降変位可能に挿入組付けし、回転棒の下面に回転操作用の操作部を形成した押し上げ体を有すること、
にある。
【0010】
繰り出し容器からの化粧料の出し入れは、従来周知のこの種の繰り出し容器と同じく、外筒体と内筒体を相対回転させることにより達成される。
【0011】
繰り出し容器からの化粧料の出し入れとは別に、受皿体の保持筒内の化粧料を押し出すには、受皿体と押し上げ体とを相対回転させて、押し上げ体を受皿体に対して上昇変位させ、この押し上げ体の上昇変位により、受皿体の底板を保持筒内で押し上げて、保持筒内の化粧料を押し出す。
【0012】
このように、化粧料の繰り出し容器からの出し入れ操作と、受皿体の保持筒内からの化粧料の押し出し操作とが全く別の操作となっているので、通常の出し入れ操作を行っている限り、化粧料を保持筒内から押し出すと云う、通常状態では発生してはならない状態となることがない。
【0013】
上昇変位して受皿体の保持筒内の化粧料を押し上げた底板は、上昇変位した状態のまま保持筒内に止まるので、押し出されることにより保持筒に対する組付き力が弱化した化粧料を下方から支えることになり、化粧料の保持筒に対する組付き力の弱化を効果的に抑制する。
【0014】
操作部で回転棒を回転させると、回転棒に空転不能に結合した内脚筒が回転しながら、螺合した受皿体に対して上昇変位して、底板を押し上げるが、内脚筒と回転棒とが昇降変位可能に組付いているので、内脚筒が上昇変位しても、回転棒は一定位置、すなわち操作部で回転操作できる位置に止まることになり、底板の押し上げ変位に関わりなく、押し上げ体の適正な操作構成を維持することになる。
【0015】
繰り出し容器を、化粧料を収納する上半部分と、出し入れ機能部分を位置させた下半部分とに区画し、押し上げ体を出し入れ機能部分と一緒に下半部分に設けたので、押し上げ体を設けたことが、化粧料の収納に悪影響を与える恐れは全くない。
【0016】
操作部により押し上げ体の回転棒を回転させると、この回転は伝達棒部を介して受皿体の外脚筒に螺合している内脚筒に伝達されるので、内脚筒は受皿体の外脚筒に対して回転して、受皿体の底板と一緒に上昇変位し、受皿体の保持筒内の化粧料を押し出す。
【0017】
受皿体の底板に、押し上げ体からの回転力が強く伝達されず、押し上げ力だけが加えられることになるので、受皿体の保持筒内での底板の上昇変位動作が無理のない円滑なものとなり、また底板と内脚筒とが結合しているので、内脚筒により底板を常に支持していることになり、保持筒内から押し出した化粧料の底板による保持効果を確実なものとしている。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、受皿体の保持筒の内周面に、複数の歯部を、間隔を開けて縦列形成したラック片を縦突条状に設け、底板の周端に、ラック片の歯部に乗り越え可能に引っ掛かる突周片を周設した、ことを加えたものである。
【0019】
この請求項2記載の発明にあっては、受皿体の保持筒内での底板の上昇変位動作を、保持筒のラック片の歯部に対する底板の突周片の引っ掛かりで抑制することになるので、底板の妄りな上昇変位の発生を防止し、またラック片の各歯部への引っ掛かりにより、底板の上昇変位に対して抑制力が作用するので、触感によりラック片の歯部に対する底板の引っ掛かりを感知することができ、この引っ掛かりの感触により、ラック片の歯部間隔を単位として、底板の上昇変位量、すなわち保持筒内からの化粧料の押し出し量を正確に設定できる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に、押し上げ体を、外周面に、受皿体の螺合突片が螺合する螺条を設け、内周面の全高さ範囲にわたってキー溝を設けて受皿体の外脚筒内に昇降変位可能に組付き、頭部を受皿体の底板に結合させた円筒状の内脚筒に、外筒体の下端部内に回転自在かつ抜け出し不能に組付き、下面に回転操作用の操作部を形成した座部の上面中央から直線棒状の伝達棒部を立設した回転棒を、外周面に設けたキー条をキー溝に係合させて伝達棒部を昇降変位自在に挿入することにより組付けて構成した、ことを加えたものである。
【0021】
この請求項3記載の発明にあっては、押し上げ体の内脚筒は、受皿体の外脚筒に内装して螺合した構成となっているので、その高さを外脚筒と略等しくすることができるので、外脚筒の高さ幅に従って設定される化粧料の出し入れストロークの全範囲内で回転棒との空転不能な結合が確保され、これにより受皿体の昇降変位に関わりなく、受皿体の底板と一緒の上昇変位、すなわち保持筒内の化粧料の押し出しが確実に行われる。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の構成に、押し上げ体の操作部を、硬貨の周端部が嵌入する横溝で構成した、ことを加えたものである。
【0023】
この請求項4記載の発明にあっては、日常携帯している硬貨を利用して押し上げ体の回転棒を回転操作することができるので、押し上げ体の回転棒の回転操作を、必要時に簡単に行うことが容易となる。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の構成に、外筒体の下端部内に、内筒体のガイド筒部の下端部に強固に嵌入組付きした円筒片状の結合筒片を回転自在かつ昇降変位不能に組付け、この結合筒片に押し上げ体の回転棒を、回転自在かつ下方に抜け出し不能に組付け、回転棒に対する結合筒片の回転自在な組付きを、外筒体と内筒体との間の摺動抵抗よりも大きい摺動抵抗が生じる構成とした、ことを加えたものである。
【0025】
この請求項5記載の発明にあっては、下端部における外筒体と内筒体と受皿体との組付きを結合筒片で達成するので、この部分の外筒体、内筒体そして受皿体の構造が簡略化されることになり、また押し上げ体の回転棒の組付けを、下方からの単純な押し込みで達成するようにしている。
【0026】
結合筒片と押し上げ体の回転棒との間の摺動抵抗が、外筒体と内筒体との間の摺動抵抗よりも大きいので、受皿体が上昇限に達していない状態、すなわち外筒体と内筒体とが相対回転できる状態では、押し上げ体の回転棒を回転操作したとしても、押し上げ体は、外筒体に対して、内筒体すなわち受皿体と一緒に回転することになり、受皿体の保持筒内から化粧料を押し出すことはない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。本発明による繰り出し容器は、外筒体1と、内筒体8と、受皿体13と、押し上げ体23と、キャップ体39と、から構成されている。
【0028】
外筒体1は、内周面に螺溝4を刻設した合成樹脂製の直線円筒形状をした螺筒3と、この螺筒3を不動に嵌入固定した直線円筒形状の外装筒2と、この外装筒2の螺筒3よりも上方に突出した上端開口部に、外周面中央部に周設した突周部を外装筒2の上端内周面に当接させて嵌入固定され、突周部よりも上の筒片部分をキャップ体39のための装着機能部分とした円筒片状の装着筒7と、から構成されている。
【0029】
内筒体9は、略その全高さ範囲にわたって一対の縦長なガイド孔10を開設して螺筒3に内装される、螺筒3と略等しい高さの下半部であるガイド筒部9と、このガイド筒部9の上端に段部12を介して拡径連設された上半部である収納筒部11とから構成され、その全体が金属製の円筒形状となっている。
【0030】
外筒体1の螺筒3の外周面上端部と外装筒2との間に、上方に開放された構成で周設形成された凹部5には、軟質合成樹脂、ゴム等の軟質弾性体から成る弾性リング35が嵌入組付けされていて、この弾性リング35は、比較的肉厚な基部37の上部に肉薄な作用部36を形成し、この作用部36の内周面略中央には、一本の周突条または周方向に適宜分割された複数の突部が、また外周面上端には鍔部が周設してあり、突部の内筒体8に対する弾接に伴う摺動抵抗により、好適な使用感とガタ付きの発生を防止し、鍔部の突き当たりにより、作用部36の弾性変形能力を高めている。
【0031】
この弾性リング35は、その基部37の外周面には多数の縦溝から構成されるローレット38が刻設されていて、このローレット38に螺筒3の外周面に突設した複数の縦リブ6が係合して周方向から係止することにより、外筒体1に対して弾性リング35を回動変位不能に組付けている。
【0032】
受皿体13は、ガイド孔10を貫いて螺溝4に螺合する螺合ピン19を外周面下端部に突設して、内筒体8のガイド筒部9に摺動可能に嵌入する円筒形状の外脚筒18の上端に、底段部17を介して拡径して保持筒15を連設した受皿本体14と、化粧料Kの保持部分である保持筒15の底面を形成して、保持筒15内に上昇変位可能に組付けられた有頂短円筒形状に構成された底板21と、から構成されている。
【0033】
保持筒15の内周面には、複数の歯部を等間隔に縦列配置した一対のラック片16が縦突条状に対向形成されており、底板21の外周面下端部には、ラック片16の歯部に乗り越え可能に引っ掛かる突周片22が周設されている。
【0034】
押し上げ体23は、受皿体13の外脚筒18内に緩く嵌入し、外周面の上半部分(保持筒15の高さと略同じ高さ範囲部分)に、外脚筒18の内周面上端部に設けた螺合突片20が螺合する螺条25を刻設し、上端に受皿体13の底板21に下方から嵌入する頭部27を設けた円筒状の内脚筒24と、この内脚筒24の内周面に縦溝状に刻設されたキー溝26に係合するキー条34を外周面に突条設して内脚筒24内に昇降変位自在に嵌入する直線棒状の伝達棒部33の下端に、拡径した座部30を連設した回転棒29とから構成されている。
【0035】
内脚筒24の頭部27は、その外周面部分を膨出させて、袋穴状となった底板21の内部に抜け出し不能かつ回転自在に嵌入(図3参照)しており、この頭部27の直下の内脚筒24外周面上端部には、底板21に安定した押し上げ力を作用させるため、底板21の下端面に当接する鍔片28が周設されている。
【0036】
回転棒29の座部30は、その外周面下端部に外鍔片32を周設し、この外鍔片32を周設することにより大きくなった下端面に、硬貨の周端部が嵌入できる横溝状の操作部32を形成している。
【0037】
外筒体1の螺筒3の下端開口部内には、内筒体8のガイド筒部9の下端部に強固に嵌入組付きすると共に、螺筒3に対して回転自在かつ昇降変位不能に組付く結合筒片40(図4参照)が組付けられており、この結合筒片40は、内部に貫通状に位置している座部30にアンダーカット結合を利用して回転自在であるが抜け出し不能に組付くことにより、回転棒29の抜け出し不能な組付けを達成している。
【0038】
この結合筒片40の回転棒29に対するアンダーカット結合は、所望する摺動抵抗を発生する構成となっており、この摺動抵抗により、受皿体13が上昇変位可能な状態では、押し上げ体23による保持筒15内の化粧料Kの押し上げが実施できないようにしている。
【0042】なお、底板21がラック片16の歯部を乗り越えるのに要する力を、外筒体1と内筒体8とを相対回転させる力よりの適当に大きく設定することにより、同様な作用を得ることができる。
【0039】
受皿体13が上昇限に達した状態で、操作部32を操作して押し上げ体23により底板21を押し上げると、当初は、ラック片16の歯部を突周片22が乗り越えるのにやや強い操作力を要するが、突周片22がラック片16の歯部を乗り越えてからは、次のラック片16の歯部に突周片22が突き当たるまで軽い操作力で保持筒15内の化粧料Kの押し出しが達成される。
【0040】
それゆえ、ラック片16の歯部に対する底板21の突周片22の乗り越えと突き当たりとを触感で感じ取りながら押し上げ体23を操作することにより、保持筒15内の化粧料Kの押し出し量を、ラック片16の歯部の間隔を単位として、正確に設定する(図2参照)ことができ、保持筒15内の化粧料Kの押し出しを安全にかつ適正に行うことができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、受皿体の保持筒内の化粧料の押し出しを、通常の化粧料の繰り出しとは全く別の操作で達成するようにしたので、保持筒内の化粧料を不要に押し出すことがなく、これにより化粧料の保持状態を早期に劣化させると云う不都合の発生を確実に防止することができ、繰り出し容器を安全に使用することができる。
【0042】
受皿体の保持筒内の化粧料を押し上げた底板を、その位置に止めたままとするので、この底板が押し上げた化粧料を下方から支持することになり、もって押し出されることにより受皿体の保持筒に対する組付きが弱化する化粧料の組付き弱化程度を大幅に抑制することができ、化粧料の安定した繰り出し使用を保持することができる。
【0043】
押し上げ体を、受皿体に連結する部分と回転操作される部分との組合せで構成し、両部分を空転不能かつ昇降変位自在に組合せたので、受皿体の昇降変位に関わりなく、受皿体の底板との結合を維持することができ、これにより底板を常時下方から支持して、受皿体の保持筒内の化粧料に対する底板の支持を、確実で安定したものとしている。
【0044】
押し上げ体による受皿体の保持筒内の化粧料の押し上げを、化粧料に回転力を加えることなく良好に達成できると共に、底板による押し上げた化粧料の保持状態を安定した維持することができる。
【0045】
押し上げ体を受皿体内に同軸心状に組入れたので、新たな構造部分である押し上げ体の追加により、収納できる化粧料の量が少なくなると云う不都合を生じることなく、かつ径寸法を増大させることなく繰り出し容器を構成することができる。
【0046】
請求項2記載の発明にあっては、受皿体の保持筒内の化粧料の押し出し量を、ラック片の歯部間隔を単位として正確に設定することができ、これにより受皿体の保持筒内からの化粧料の適正な押し出し程度を簡単に得ることができる。
【0047】
請求項3記載の発明にあっては、化粧料の出し入れストロークの全範囲内で内脚筒と回転棒との空転不能な結合が確保されるので、保持筒内の化粧料の押し出しを安定して確実に達成できる。
【0048】
請求項4記載の発明にあっては、硬貨を利用して押し上げ体の回転操作を行うことができるので、例え携帯先であっても、受皿体の保持筒内の化粧料の押し出しを、簡単にかつ良好に達成することができる。
【0049】
請求項5記載の発明にあっては、外筒体と内筒体と押し上げ体との間の組付きの一部を専用の結合筒片で達成しているので、主要構成部分である外筒体と内筒体の構造を簡単化できると共に、押し上げ体の組立て処理が容易となる。
【0050】
受皿体が上昇変位できる状態で、間違って押し上げ体を回転操作しても、底板による化粧料の押し上げ動作は起こらず、通常の繰り出し動作が起こるだけであるので、容器を安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、左半面は使用し始めの、右半面は受皿体内の化粧料押し出しの状態を示す全体縦断面図。
【図2】図1に示した実施例の、上部拡大図。
【図3】図1に示した実施例の、中央部拡大図。
【図4】図1に示した実施例の、下部拡大図。
【図5】図1に示した実施例の、底面拡大図。
【符号の説明】
1 ; 外筒体
2 ; 外装筒
3 ; 螺筒
4 ; 螺溝
5 ; 凹部
6 ; 縦リブ
7 ; 装着筒
8 ; 内筒体
9 ; ガイド筒部
10; ガイド孔
11; 収納筒部
12; 段部
13; 受皿体
14; 受皿本体
15; 保持筒
16; ラック片
17; 底段部
18; 外脚筒
19; 螺合ピン
20; 螺合突片
21; 底板
22; 突周片
23; 押し上げ体
24; 内脚筒
25; 螺条
26; キー溝
27; 頭部
28; 鍔片
29; 回転棒
30; 座部
31; 外鍔片
32; 操作部
33; 伝達棒部
34; キー条
35; 弾性リング
36; 作用部
37; 基部
38; ローレット
39; キャップ体
40; 結合筒片
K ; 化粧料
Claims (5)
- 内周面に螺溝(4)を設けた円筒状の外筒体(1)と、上半分の収納筒部(11)を延出させた姿勢で、縦長のガイド孔(10)を設けた下半分のガイド筒部(9)を挿入して、前記外筒体(1)に回転自在かつ抜け出し不能に組付いた円筒状の内筒体(8)と、化粧料(K)を保持する保持筒(15)の下端から、外周面下端部に前記ガイド孔(10)を貫いて螺溝(4)に螺合する螺合ピン(19)を、また内周面上端部に螺合突片(20)をそれぞれ設けた外脚筒(18)を垂下設し、前記内筒体(8)内に昇降変位可能に組付いた円筒状の受皿本体(14)の前記保持筒(15)内に、該保持筒(15)の底面を形成する底板(21)を昇降変位可能に組付けた受皿体(13)と、該受皿体(13)に同軸心状に挿入組付けされて螺合し、上端の頭部(27)を、前記底板(21)に回転自在かつ抜け出し不能に結合組付けした円筒状の内脚筒(24)内に、直線棒状の回転棒(29)を、空転不能かつ昇降変位可能に挿入組付けし、前記回転棒(29)の下面に回転操作用の操作部(32)を形成した押し上げ体(23)と、から構成した繰り出し容器。
- 受皿体(13)の保持筒(15)の内周面に、複数の歯部を、間隔を開けて縦列形成したラック片(16)を縦突条状に設け、底板(21)の周端に、前記ラック片(16)の歯部に乗り越え可能に引っ掛かる突周片(22)を周設した請求項1記載の繰り出し容器。
- 押し上げ体(23)を、外周面に、受皿体(13)の螺合突片(20)が螺合する螺条(25)を設け、内周面の全高さ範囲にわたってキー溝(26)を設けて受皿体(13)の外脚筒(18)内に昇降変位可能に組付き、頭部(27)を受皿体(13)の底板(21)に結合させた円筒状の内脚筒(24)に、外筒体(1)の下端部内に回転自在かつ抜け出し不能に組付き、下面に回転操作用の操作部(32)を形成した座部(30)の上面中央から直線棒状の伝達棒部(33)を立設した回転棒(29)を、外周面に設けたキー条(34)を前記キー溝(26)に係合させて前記伝達棒部(33)を昇降変位自在に挿入することにより組付けて構成した請求項1または2記載の繰り出し容器。
- 操作部(32)を、硬貨の周端部が嵌入する横溝で構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の繰り出し容器。
- 外筒体(1)の下端部内に、内筒体(8)のガイド筒部(9)の下端部に強固に嵌入組付きした円筒片状の結合筒片(40)を回転自在かつ昇降変位不能に組付け、該結合筒片(40)に押し上げ体(23)の回転棒(29)を、回転自在かつ下方に抜け出し不能に組付け、前記回転棒(29)に対する結合筒片(40)の回転自在な組付きを、前記外筒体(1)と内筒体(8)との間の摺動抵抗よりも大きい摺動抵抗が生じる構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の繰り出し容器。
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