JPH1111547A - 棒状媒体用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填される媒体の用途や種類の違いによって
機構設計が左右されることなく、基筒内、全てのポジシ
ョン位置で、有底ホルダの不要な逆動を防止する機能を
備え、設計上の制約が少なく、操作性に優れた容器を提
供する。 【構成】 内周面に螺旋溝（５）を有する外筒（１）
に、基筒（２）内に昇降可能に挿入されスロット（１
０）を挿通して外筒（１）の螺旋溝（５）に摺動可能に
係合する係合突起（１６）を有する棒状媒体の基部を支
持する有底ホルダ（６）を配し、周壁（５３）に軸線方
向へ延びるスロット（１０）を有する基筒（２）を外筒
（１）に対して軸線方向に移動不能で、且つ、周方向に
回動可能に挿入し、外筒（１）と基筒（２）とを相対回
転することによって有底ホルダ（６）が基筒（２）内を
昇降する棒状媒体用容器において、スロット（１０）の
少なくとも一側壁が階段部（２０）で構成され、基筒
（２）内、全てのポジション位置で、有底ホルダ（６）
の不要な逆動を防止する構成にしたことを特徴とする棒
状媒体用容器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用時に強く押しつけ
て塗布、又は、使用するスティックのりや消しゴム等、
さらに、口紅など軟粘性の棒状媒体用容器に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】現在市販されている繰り出し容器は、軟
粘性の口紅容器として使用されているが、使用終了時ま
たは最大繰り出し時にのみ逆動防止をする機能が施され
ているが、口紅の繰り出し過ぎによる折れや、使用後の
途中繰り込みから起こる基筒（２）内での有底ホルダ
（６）の不要な逆動により媒体を傷つける事故が多く問
題であった。また、スティックのりや消しゴム等の様に
使用時に強く押しつけて塗布及び使用する棒状媒体用容
器には使用時の戻りが問題であり容器としては不適当で
あった。

【０００３】そこで、ネジ式の棒状媒体用容器が考案さ
れ現在市販されているが、構造が複雑でコスト高であ
り、媒体の出し入れがネジ山のピッチ幅ごとの昇降なの
で出し入れに手間がかかり不便で、媒体充填時の事故も
多く設計上の制約が大きかった。また、ネジ部が媒体部
分を突き抜けている容器では消しゴムの様な固形棒状媒
体用容器としては使用出来ない。

【０００４】尚、実開平２ー７１４２０号公報等には、
段階的にホルダの昇降を制限する方法が開示されてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の棒状媒体用
容器は、スロットに突起などの障害を設け、ホルダ部の
進行方向への制限を加えようとする機構であり、必要と
される戻りを確実に制限することが出来なかった。

【０００６】即ち、戻りを確実に制限するためにはホル
ダ部の進行制限をすることになり、昇降操作を容易に行
うためにはホルダ部の戻りの制限は不可能な機構であ
る。

【０００７】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、設計上の制
約が少なく、操作性に優れ、繰り出し終了時、または、
繰り込み終了時での不要な戻りを無くした棒状媒体用容
器を提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の棒状媒体用容器
は、内周面に螺旋溝（５）を有する外筒（１）と、外筒
（１）に挿入され、外筒（１）に対して軸線方向に移動
不能で、且つ、周方向に回動可能に取り付けられ、周壁
（５３）には軸線方向へ延びるスロット（１０）を有す
る基筒（２）と、基筒（２）内に昇降可能に挿入されス
ロット（１０）を挿通して外筒（１）の螺旋溝（５）に
摺動可能に係合する係合突起（１６）を有する棒状媒体
の基部を支持する有底ホルダ（６）、とを備え、外筒
（１）と基筒（２）とを相対回転することによって有底
ホルダ（６）が基筒（２）内を昇降する棒状媒体用容器
において、スロット（１０）の少なくとも一側壁が階段
部（２０）で構成され、基筒（２）内、全てのポジショ
ン位置で、有底ホルダ（６）の不要な逆動を防止する構
成にしたことを特徴とする棒状媒体用容器を要旨として
いる（請求項１に対応）。

【０００９】有底ホルダ（６）に設けられた係合突起
（１６）に、スロット（１０）に設けられた階段部（２
０）と噛み合う段部（２１）を設け、基筒（２）内での
有底ホルダ（６）の不要な逆動の制動範囲を最小限に限
定する構成にしたことを特徴とする請求項１に記載の棒
状媒体用容器を要旨としている（請求項２に対応）。

【００１０】周壁に軸線方向へ延びるスロット（１０）
と係止ガイドスロット（３０）を有する基筒（２）と、
基筒（２）内に昇降可能に挿入されていて、上下を開口
させた筒状で内部が棒状媒体の基部を支持する支持凹部
になっていて必要に応じて押し出し部（７）が支持凹部
内への進入を段階的に可能し、第２戻り防止制動機能部
（２７）と係合し、戻りを防止する第１戻り防止制動機
能部（２５）を有し、基部（２）に設定された係止ガイ
ドスロット（３０）に摺動可能に係合する係止突起（３
１）を有する上下を開口させた筒状のホルダ（３６）
と、ホルダ（３６）の内側に配されてホルダ（３６）に
連結され共動し、且つ、必要に応じて支持凹部内への進
入を段階的に可能し、第１戻り防止制動機能部（２５）
と係合し、戻りを防止する第２戻り防止制動機能部（２
７）を備え、基部（２）のスロット（１０）を挿通して
外筒（１）の螺旋溝（５）に摺動可能に係合する係合突
起（１６）を有する押し出し部材（７）、とを備え、ホ
ルダ（３６）に支持された媒体を最後まで押し出す機構
作動時の不要な戻りを防止する構成にした特徴とするた
請求項１・２に記載の棒状媒体用容器（請求項３に対
応）。

【００１１】（本発明の利用可能性）本発明は、スティ
ックのりや消しゴム等の文具、また、口紅等の化粧品の
分野に広く利用可能である。

【実施例】以下、図面を参照して発明の実施例を説明す
る。

【００１２】図１は、本発明の第１実施例の一実施例を
示す断面図である。

【００１３】この実施例の棒状媒体用容器は、外筒
（１）と、基筒（２）と、有底ホルダ（６）を備えてい
る。外筒（１）は上下を開口させた円筒状で、内周面に
は螺旋溝（５）が形成されている。

【００１４】基筒（２）は有底筒状で、下端に大径の操
作部（５２）を備え、操作部（５２）から小径筒状の周
壁部（５３）が上方に延びており、周壁部（５３）の先
端縁に掛止環（５１）が設けられている。

【００１５】基筒（２）を外筒（１）に組み込んだ際、
外筒（１）の下端を操作部（５２）が掛止し、上端を掛
止環（５１）が掛止することによって、外筒（１）と基
筒（２）は互いに、軸方向に相対移動不能で、且つ、周
方向に回転可能な構成で組み付けられている。

【００１６】図２は、基筒（２）の正面図である。

【００１７】基筒（２）の周壁部（５３）にはスロット
（１０）が設けられている。この実施例では、スロット
（１０）は左斜め上方向に延び、スロット（１０）の両
側壁は階段部（２０）で構成されている。

【００１８】図３は、有底ホルダ（６）を示す図で、図
３（Ａ）は有底ホルダ（６）の斜視図で、（Ｂ）は正面
図である。

【００１９】この実施例では、有底ホルダ（６）は有底
の円筒状で、有底ホルダ（６）の外周面には係合突起
（１６）が設けられ、係合突起（１６）にはスロット
（１０）に設定された階段部（２０）と係合する段部
（２１）が設けられている。

【００２０】有底ホルダ（６）は、基筒（２）内に昇降
可能に挿入され、係合突起（１６）は基筒（２）に設け
られたスロット（１０）を挿通して外筒（１）の螺旋溝
（５）に摺動可能に係合する。

【００２１】有底ホルダ（６）に基部を支持された棒状
媒体は、基筒（２）と外筒（１）を相対回転させること
によって出し入れできる。

【００２２】次に、動作図、図４・図５を参照して説明
する。

【００２３】図４、矢印Ｘ・図５、矢印Ｙは、基筒
（２）の回転方向を示す。以下、図４、矢印Ｘの回転方
向を便宜上、正回転方向とし、ホルダ（６）が上昇し媒
体が繰り出される方向とする。また、図５、矢印Ｙの回
転方向を逆回転方向とし、ホルダ（６）が下降し媒体が
収納される方向とする。基筒（２）を正回転方向に回転
させると、係合突起（１６）は螺旋溝（５）の螺旋底辺
（５ａ）によってスロット（１０）の上り階段部（２０
ａ）に押し付けられながら上昇する。この時、係合突起
（１６）はスロット（１０）の下り階段部（２０ｂ）に
接する事はない。こうして繰り出された棒状媒体は、ス
ロット（１０）の上り階段部（２０ａ）と係合突起（１
６）に設けられた段部（２１ａ）とが必要に応じて係合
し、使用時の不要な逆戻りを防止する。

【００２４】収納時には、基筒（２）を逆回転方向に回
転させると、螺旋溝（５）の螺旋上辺（５ｂ）によって
スロット（１０）の上り階段部（２０ａ）と係合突起
（１６）に設けられた段部（２１ａ）との係合状態が解
除され、スロット（１０）の下り階段部（２０ｂ）に押
し付けられながら下降する。この時、係合突起（１６）
はスロット（１０）の上り階段部（２０ａ）に接する事
はない。こうして収納された棒状媒体は、スロット（１
０）の下り階段部（２０ｂ）と係合突起（１６）に設け
られた段部（２１ｂ）とが必要に応じて係合し、収納時
の不要な逆動を防止する。

【００２５】図６は、本発明の第２実施例の一実施例を
示す断面図である。

【００２６】この実施例では、第１実施例の有底ホルダ
（６）が、上下を開口させた筒状のホルダ（３６）と有
頂の円筒状の押し出し部材（７）との両部材で構成され
ている。また、両部材間には押し出し部材（７）がホル
ダ（３６）への進入を段階的に制限し、戻りを防止する
第１・第２戻り防止制動機構部（２５・２７）を備える
ている。図７で示すようにスロット（１０）は、階段部
（２０）と他側壁が直辺で構成されれている。係止ガイ
ドスロット（３０）がスロット（１０）から周方向に少
しずれて配置され、さらに、図８（Ａ）に示すようにホ
ルダ（３６）の外周壁には係止突起（３１）が設けられ
ている。

【００２７】棒状媒体の基部を支持するホルダは、上下
を開口させた筒状のホルダ（３６）に有頂の円筒状の押
し出し部材（７）を挿入し、係止突起（３１）が係止カ
イドスロット（３０）の上辺に係合する範囲内で両部材
は連動する、両部材間には押し出し部材（７）がホルダ
（３６）への進入を段階的に制限し、戻りを防止する第
１・第２戻り防止制動機構部（２５・２７）を備えるて
いる。また、基筒（２）内に昇降可能に挿入され、押し
出し部材（７）に設けられた係合突起（１６）は、基筒
（２）に設けられたスロット（１０）を挿通して外筒
（１）の螺旋溝（５）に摺動可能に係合する。さらに、
ホルダ（３６）に設けられた係止突起（３１）は係止カ
イドスロット（３０）に挿入される。この実施例では押
し出し部材（７）に設けた係合突起（３１）がホルダ
（３６）と干渉しない溝（７１）をホルダ（３６）に設
け、係合突起（１６）をこの溝（７１）に挿通してい
る。

【００２８】棒状媒体の残料が少なくなり、容器からの
突出量が短くなり使いづらくなった場合には、ホルダ
（３６）に設けられた係止突起（３１）が係止カイドス
ロット（３０）の上辺に係合する位置まで正回転方向に
回転させ、さらに通常操作時よりも強く正回転方向に回
転させる。この操作によりホルダ（３６）と押し出し部
材（７）の両部材間での相対移動が段階的に始まり媒体
支持部が押し出される。この時、ホルダ（３６）と押し
出し部材（７）、両部材間の相対移動は、戻り防止制動
機構により媒体が押し出される方向に限定される。

【００２９】この実施例での第１戻り防止制動機構部
（２５）は、ホルダ（３６）の内周壁から斜め上方向に
突き出した小突起で、第２戻り防止制動機構部（２７）
は、押し出し部材（７）の外壁面に設けられた複数の溝
で構成されている。

【００３０】尚、凹・凸部で構成される戻り防止制動機
構の各々の形状は、この実施例によって示された形状に
限定されない。また、本特許の趣旨を逸脱しない形状の
組み合わせであればよい。

【００３１】

【発明の効果】本発明の棒状媒体用容器によれば、充填
される媒体の用途や種類の違いによって機構設計が左右
されることなく、基筒内、全てのポジション位置で、有
底ホルダの不要な逆動を防止する機能を備え、設計上の
制約が少なく、操作性に優れた容器が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す断面図である。

【図２】本発明、第１実施例の基筒を示す正面図であ
る。

【図３】本発明、第１実施例の有底ホルダを示す図で、
（Ａ）は有底ホルダ（６）の斜視図で、（Ｂ）は正面図
である。

【図４】本発明、第１実施例の動作を示す図である。

【図５】本発明、第１実施例の動作を示す図である。

【図６】本発明の第２実施例を示す断面図である。

【図７】本発明、第１実施例の基筒を示す正面図であ
る。

【図８】本発明、第２実施例のホルタと押し出し部材を
示す図で、（Ａ）はホルダの斜視図で、（Ｂ）は押し出
し部材の斜視図である。

【符号の説明】

１ 外筒 ２ 基筒 ５ 螺旋溝 ６ 有底ホルダ ７ 押し出し部材 １０ スロット １６ 係合突起 ２０ 階段部 ２１ 段部 ２５ 第１戻り防止機能部 ２７ 第２戻り防止機能部 ３０ 係止ガイドスロット ３１ 係止突起 ３６ ホルダ ５１ 掛止環 ５２ 操作部 ５３ 周壁部 ６０ キャップ ７１ 溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内周面に螺旋溝（５）を有する外筒
   （１）と、 外筒（１）に挿入され、外筒（１）に対して軸線方向に
   移動不能で、且つ、周方向に回動可能に取り付けられ、
   周壁（５３）には軸線方向へ延びるスロット（１０）を
   有する基筒（２）と、 基筒（２）内に昇降可能に挿入されスロット（１０）を
   挿通して外筒（１）の螺旋溝（５）に摺動可能に係合す
   る係合突起（１６）を有する棒状媒体の基部を支持する
   有底ホルダ（６）、とを備え、 外筒（１）と基筒（２）とを相対回転することによって
   有底ホルダ（６）が基筒（２）内を昇降する棒状媒体用
   容器において、 スロット（１０）の少なくとも一側壁が階段部（２０）
   で構成され、 基筒（２）内、全てのポジション位置で、有底ホルダ
   （６）の不要な逆動を防止する構成にしたことを特徴と
   する棒状媒体用容器。
2. 【請求項２】 有底ホルダ（６）に設けられた係合突起
   （１６）に、スロット（１０）に設けられた階段部（２
   ０）と噛み合う段部（２１）を設け、 基筒（２）内での有底ホルダ（６）の不要な逆動の制動
   範囲を最小限に限定する構成にしたことを特徴とする請
   求項１に記載の棒状媒体用容器。
3. 【請求項３】 周壁に軸線方向へ延びるスロット（１
   ０）と係止ガイドスロット（３０）を有する基筒（２）
   と、 基筒（２）内に昇降可能に挿入されていて、上下を開口
   させた筒状で内部が棒状媒体の基部を支持する支持凹部
   になっていて必要に応じて押し出し部（７）が支持凹部
   内への進入を段階的に可能し、第２戻り防止制動機能部
   （２７）と係合し、戻りを防止する第１戻り防止制動機
   能部（２５）を有し、基部（２）に設定された係止ガイ
   ドスロット（３０）に摺動可能に係合する係止突起（３
   １）を有する上下を開口させた筒状のホルダ（３６）
   と、 ホルダ（３６）の内側に配されてホルダ（３６）に連結
   され共動し、且つ、必要に応じて支持凹部内への進入を
   段階的に可能し、第１戻り防止制動機能部（２５）と係
   合し、戻りを防止する第２戻り防止制動機能部（２７）
   を備え、基部（２）のスロット（１０）を挿通して外筒
   （１）の螺旋溝（５）に摺動可能に係合する係合突起
   （１６）を有する押し出し部材（７）、とを備え、 ホルダ（３６）に支持された媒体を最後まで押し出す機
   構作動時の不要な戻りを防止する構成にした特徴とする
   た請求項１・２に記載の棒状媒体用容器。