JPH0738176Y2

JPH0738176Y2 - 吸排気弁付食品容器

Info

Publication number: JPH0738176Y2
Application number: JP1990010420U
Authority: JP
Inventors: 晋太郎黒崎
Original assignee: 株式会社大阪樹脂工業所
Priority date: 1990-02-05
Filing date: 1990-02-05
Publication date: 1995-08-30
Anticipated expiration: 2005-02-05
Also published as: JPH03102462U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は、内圧が高くなれば排気し、内圧が低くなれば
吸気する吸排気弁付食品容器（以下単に吸排気弁付容器
または容器という）に関する。

〈従来の技術〉近年の電子レンジ、冷凍冷蔵庫の普及によって調理済み
の食品を冷凍しておき、必要に応じて電子レンジで加熱
・解凍することが多くなった。

かかる食品は、通常、ガラス、プラスチック製の密閉容
器に収納された状態で冷凍庫に保管されている。

そして、解凍は食品を容器から取り出して別の皿等に入
れるか、容器の蓋を取り去った状態で行われる。密閉さ
れた容器でそのまま解凍を行うと、加熱によって容器の
内圧が高くなり、場合によっては容器が破裂することが
あるからである。

〈考案が解決しようとする課題〉しかしながら、従来の容器には以下のような問題点があ
る。

すなわち、加熱・解凍時に食品を容器から取り出すか、
蓋体を取り外さなければならず、手間がかかる。

また、冷凍庫から取り出した直後には、冷却によって内
圧が低くなっているので、蓋体が開きにくい。

本考案は上記事情に鑑みて創案されたもので、容器の蓋
を取り去ることなく、そのままの状態で加熱・解凍を行
うことができるとともに、冷却された状態でも蓋体を簡
単に開けることがきる吸排気弁付容器を提供することを
目的としている。

〈課題を解決するための手段〉本考案に係る吸排気弁付食品容器は容器本体と、この容
器本体を閉止する蓋体と、この蓋体に開設された開口に
係合される柔軟性を有する弁体とを具備しており、前記
蓋体の周囲には排気用小孔が開設されているとともに蓋
体の表面には開口に連通する吸気用凹溝が刻設されてお
り、前記弁体は外フランジ部と内フランジ部と両フラン
ジ部を連結する連結部が軸対称に形成されており、かつ
開口の半径をＡ、開口の中心から排気用小孔の中心を
Ｂ、開口の中心から吸気用凹溝の先端までの距離をＣ、
外フランジ部の半径をｃ、内フランジ部の半径をｂとし
たとき、Ｃ＞ｃ＞Ｂ＞ｂ＞Ａであるとともに、連結部の
半径を前記開口の半径Ａに略等しくし、容器の内圧が低
くなった場合には内フランジ部の変形により吸気用凹溝
が開く一方、容器の内圧が高くなった場合には内フラン
ジ部の変形により排気用小孔が開くように構成されてい
る。

〈作用〉まず、冷却する場合について説明する。

容器本体を蓋体で閉止した吸排気弁付容器を冷却する
と、吸排気弁付容器の内圧は低くなる。内圧が所定値以
下になると、内フランジ部が変形して、吸気用凹溝を開
いて外気を吸排気弁付容器の内部に導入する。内部の圧
力が所定値以上になったならば、内フランジ部は元の形
状に復帰して吸気用凹溝を閉じる。

また、蓋体を付けたまま加熱すると、吸排気弁付容器の
内圧が上昇する。内圧が所定値以上になると、外フラン
ジ部が変形して排気用小孔を開く。この排気用小孔から
蒸気が漏れる。そして、内圧が所定値以下になれば、外
フランジ部は元の形状に復帰して排気用小孔を閉じる。

〈実施例〉以下、図面を参照して本考案に係る一実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例に係る吸排気弁付容器の外観
斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は蓋
体の開口の周辺の平面図、第４図は弁体の断面図、第５
図〜第８図は開口に弁体が係合された状態における断面
図であって、第５図は排気用小孔を説明するための断面
図、第６図は吸気用凹溝を説明するための断面図、第７
図は内フランジ部の変形を示す断面図、第８図は外フラ
ンジ部の変形を示す断面図である。

本実施例に係る吸排気弁付容器は、容器本体10と、この
容器本体10を閉止する蓋体20と、この蓋体20に開設され
た開口21に係合される柔軟性を有する弁体30とを有して
いる。

容器本体10は、ガラス、プラスチック等から形成されて
おり、その縁部には外側に向かってフランジ部11が形成
されている。

一方、この容器本体10を密閉する蓋体20には、蓋体20を
容器本体10に密着させるための一対のクランプ部24が設
けられており、縁部には密閉性を確保するためのパッキ
ン25が設けられている。パッキン25をフランジ部11に当
接させ、クランプ部24で容器本体10の縁部を係止するこ
とで、蓋体20は容器本体10に取り付けられる。また、当
該蓋体20の略中央部には後述する弁体30が係合される開
口21が開設されており、当該開口21の周囲には一対の排
気用小孔22が開設されている。さらに、当該開口21には
一対の吸気用凹溝23が連設されている。開口21の半径Ａ
と、開口21の中心から排気用小孔22の中心までの距離Ｂ
と、開口21の中心から吸気用凹溝23の先端までの距離Ｃ
との関係はＣ＞Ｂ＞Ａに設定されている。

前記開口21に係合される弁体30は、外フランジ部31と、
内フランジ部32と、両フランジ部31、32をつなぐと連結
部33と耐熱性及び柔軟性を有するシリコンゴム等で一体
に成形されたものである。連結部33の半径は、前記開口
21の半径と略同一に設定されており、この連結部33と外
フランジ部31と内フランジ部32とは軸対称に形成されて
いる。そのため弁体30の向きに関係なく当該連結部33で
もって当該弁体30を開口21に係合させることができる。
また、外フランジ部31は蓋体20の外面に密着する部分で
あり、内フランジ部32は蓋体20の内面に密着する部分で
ある。外フランジ部31の半径ｃと、内フランジ32の半径
ｂと、前記Ａ、Ｂ、Ｃとは、Ｃ＞ｃ＞Ｂ＞ｂ＞Ａに設定
されている。

従って、排気用小孔22は外フランジ部31によって閉塞さ
れ、吸気用凹溝23は内フランジ部32によって閉塞され
る。

次に、上述した吸排気弁付容器の作用について説明す
る。

まず、当該吸排気弁付容器を用いて食品を冷凍する場合
について説明する。容器本体10を蓋体20で閉止した吸排
気弁付容器を冷凍庫に収容すると、冷却されて吸排気弁
付容器の内圧は低くなる。内圧が所定値以下になると、
第７図に示すように内フランジ部32が変形して、吸気用
凹溝23が開いて吸排気弁付容器の内部に外気Ｄを導入す
る。内部の圧力が所定値以上になったならば、内フラン
ジ部32は元の形状に復帰して吸気用凹溝23を閉じる。

また、蓋体20を付けたまま加熱すると、吸排気弁付容器
の内圧が上昇する。内圧が所定値以上になると、第８図
に示すように外フランジ部31が変形して排気用小孔22を
開く。この排気用小孔22から蒸気Ｅが漏れて内圧が所定
値以下になれば、外フランジ部31は元の形状に復帰して
排気用小孔22を閉じる。

なお、上述した実施例では、蓋体20にクランプ部24を設
けて、このクランプ部24によって蓋体20を容器本体10に
取付固定したが、本考案がこれに限定されるわけではな
い。蓋体20の縁部に凹溝を形成し、容器本体10の縁部に
この凹溝に対応する壁部を設け、凹溝と壁部とで容器本
体10を蓋体20で閉止するようにしてもよい。

〈考案の効果〉本考案に係る吸排気弁付食品容器は、容器本体と、この
容器本体を閉止する蓋体と、この蓋体に開設された開口
に係合される柔軟性を有する弁体とを具備しており、前
記蓋体の周囲には排気用小孔が開設されているとともに
蓋体の表面には開口に連通する吸気用凹溝が刻設されて
おり、前記弁体は外フランジ部と内フランジ部と両フラ
ンジ部を連結する連結部が軸対称に形成されており、か
つ開口の半径をＡ、開口の中心から排気用小孔の中心を
Ｂ、開口の中心から吸気用凹溝の先端までの距離をＣ、
外フランジ部の半径をｃ、内フランジ部の半径をｂとし
たとき、Ｃ＞ｃ＞Ｂ＞ｂ＞Ａであるとともに、連結部の
半径を前記開口の半径Ａに略等しくし、容器の内圧が低
くなった場合には内フランジ部の変形により吸気用凹溝
が開く一方、容器の内圧が高くなった場合には内フラン
ジ部の変形により排気用小孔が開くように構成した。

従って、この蓋体を容器本体に取り付けたまま、加熱・
冷却しても内圧の変化によって蓋体及び容器本体が破裂
したり、蓋体が開きにくくなったりすることはない。し
かも、蓋体を開けなくとも加熱できるので、従来のもの
より取り扱いが容易になった。さらに弁体は軸対称に形
成されているので、弁体の取付方向を考慮しないでこれ
を蓋体に取り付けることができ、取り付けも簡単であ
る。弁体の向きに無関係に弁機能としての機能を失わな
いので、使用中に弁体の向きにズレが生じても問題ない
上、容器全体としての見栄えもよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る吸排気弁付容器の外観
斜視図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は蓋
体の開口の周辺の平面図、第４図は弁体の断面図、第５
図〜第８図は開口に弁体が係合された状態における断面
図であって、第５図は排気用小孔を説明するための断面
図、第６図は吸気用凹溝を説明するための断面図、第７
図は内フランジ部の変形を示す断面図、第８図は外フラ
ンジ部の変形を示す断面図である。 10……容器本体、20……蓋体、21……開口、22……排気
用小孔、23……吸気用凹溝、30……弁体、31……外フラ
ンジ部、32……内フランジ部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】容器本体と、この容器本体を閉止する蓋体
と、この蓋体に開設された開口に係合される柔軟性を有
する弁体とを具備しており、前記蓋体の周囲には排気用
小孔が開設されているとともに蓋体の表面には開口に連
通する吸気用凹溝が刻設されており、前記弁体は外フラ
ンジ部と内フランジ部と両フランジ部を連結する連結部
が軸対称に形成されており、かつ開口の半径をＡ、開口
の中心から排気用小孔の中心をＢ、開口の中心から吸気
用凹溝の先端までの距離をＣ、外フランジ部の半径を
ｃ、内フランジ部の半径をｂとしたとき、Ｃ＞ｃ＞Ｂ＞
ｂ＞Ａであるとともに、連結部の半径を前記開口の半径
Ａに略等しくし、容器の内圧が低くなった場合には内フ
ランジ部の変形により吸気用凹溝が開く一方、容器の内
圧が高くなった場合には内フランジ部の変形により排気
用小孔が開くようにしたことを特徴とする吸排気弁付食
品容器。