JPH0737664B2 - 窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムの製造方法

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JPH0737664B2
JPH0737664B2 JP60157537A JP15753785A JPH0737664B2 JP H0737664 B2 JPH0737664 B2 JP H0737664B2 JP 60157537 A JP60157537 A JP 60157537A JP 15753785 A JP15753785 A JP 15753785A JP H0737664 B2 JPH0737664 B2 JP H0737664B2
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nitriding
gas
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滋 伊藤
登 米田
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TOYO ALMINIUM KABUSHIKI KAISHA
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、窒化アルミニウム(以下AlNという)の製造
方法に関する。
従来の技術及びその問題点 AlNは、耐熱性、熱伝導性等に優れているので、近時、
高温用容器、IC基板等の材料として注目されている。Al
Nの製造方法としては、アーク法、アルミナ還元法、ア
ルミニウムハライドを窒化する方法、直接窒化法等が知
られている。このうちでも、比較的高い生産性の故に、
窒素ガス(以下N2ガスという)及び/又はアンモニアガ
ス(以下NH3ガスという)中でAl粉末と窒素成分とを高
温下に反応させるいわゆる直接窒化法が、広く採用され
ている。
しかしながら、直接窒化法においては、Alの融点以上の
温度で反応を行なう必要がある為、融解したAl粉末が凝
集して塊状となり、窒化が充分に進行し難いという問題
点を生ずる。この為、反応促進剤をAl粉末に添加した
り、部分的に窒化した塊状Alを砕いて再度窒化処理に供
したり、或いはAl粉末中にAlN粉末を混在させてAlの凝
集塊状化を防止するなどの試みもなされているが、いず
れの場合にも、反応率が十分でなく、又生産性も満足す
べきものとはいえないので、根本的な問題解決策である
とは言い難い。
問題点を解決するための手段 本発明者は、AlNの製造方法持に直接窒化法の問題点に
鑑みて種々研究を重ねた結果、Al粉末をN2ガス及び/又
はNH3ガス中でAlの融点未満の温度で予備加熱した後、
同様の雰囲気中でAlの融点以上の温度で加熱する場合に
は、公知の直接窒化法の問題点が実質上解消されること
を見出した。
即ち、本発明は、下記の窒化アルミニウムの製造方法を
提供するものである; 粒径5〜200μmのアルミニウム粉末を窒素ガスおよび
/またはアンモニアガス雰囲気中で400〜650℃で加熱し
た後、窒素ガスおよび/またはアンモニアガス雰囲気中
で700〜1100℃で加熱することを特徴とする窒化アルミ
ニウムの製造方法。
Al粉末の窒化反応は、通常Alの融点以上の温度で行なわ
れているが、一旦窒化反応がはじまるとその反応熱によ
り1500℃以上の高温が生ずるので、前述の如くAl粉末が
溶融し、粉末同志が凝集し、窒化が十分に進行しない。
本発明においては、全面的な窒化反応に先立つて、Al粉
末をN2ガス及び/又はNH3ガス中でAlの融点に達しない
温度で予備加熱することにより、 Al粉末の表面にAlNの薄い皮膜を形成させる。次いで、
この様なAl粉末をN2ガス及び/又はNH3ガス中でAlの融
点を上回る温度で加熱すると、溶融したAlは、当初AlN
の皮膜内に閉じ込められた状態にあるので、Al粉末相互
の凝集及び塊状化は防止される。時間の経過とともに窒
化反応が本格的に進行しはじめると、AlN皮膜内の溶融A
lは、皮膜のクラツクからN2ガス及び/又はNH3ガス中に
流出して直ちに窒化され、窒化反応が更に進行し、やが
て窒化反応が完了して、所望のAlNが得られる。
本発明で使用するAl粉末については、特に制限はない
が、粒径5〜200μm程度で、アトマイズ法により得ら
れる球状乃至涙滴状のものが、好ましい。
N2ガス及び/又はNH3ガス中におけるAl粉末の予備加熱
は、Alの融点よりも低い400〜650℃の温度で行なう。40
0℃以下では、Al粉末の表面にAlNの皮膜が十分に形成さ
れ難く、一方温度があまり高過ぎる場合には、発熱反応
によつてAl粉末が部分的に融点を越えて溶融し、凝集を
生ずる危険性がある。予備加熱の時間は、Al粉末の粒
径、予備加熱温度等によつても異なるが、少なくとも30
分とすることが望ましく、1〜3時間程度がより好まし
い。時間が短か過ぎ場合には、AlN皮膜が薄過ぎてAl粉
末の凝集防止効果が十分に発揮されない。一方、ある一
定厚さのAlN皮膜が形成されると、それ以降は皮膜厚さ
あまり増大せず、従って凝集防止効果も改善されないの
で、特に予備加熱を長時間行なう必要はない。予備加熱
は、Al粉末の粒径(或いは表面積)により影響される反
応性に応じて、できるだけ低温度且つ短時間で行なうこ
とが好ましい。
予備加熱を終えたAl粉末は、N2ガス及び/又はNH3ガス
中でAlの融点以上の温度で加熱される。反応開始時の温
度は、従来の直接窒化法よりは低い700〜1100℃の範囲
とする。一旦Al粉末内部で窒化反応が開始されると、反
応熱により急激に温度が上昇するので、反応は著しく促
進され、窒化は急速に完了する。粒径の小さい(即ち表
面積の大きい)Al粉末ほど反応性が大きいので、反応開
始温度をより低くし得ることは、言うまでもない。
発明の効果 本発明によれば、窒化処理に際してAl粉末の凝集を防止
しつつ、ほぼ完全に窒化反応を行なわせることができ
る。又、従来法に比して窒化反応開始温度をより低くす
ることが可能であり、しかも得られたAlN粉末はより高
品質のものである。
実施例 以下実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするとこ
ろをより一層明らかにする。
実施例1〜4 Al粉末(商標“AC350"、東洋アルミニウム(株)製、35
0メツシユ通過)10gを電気炉に入れ、炉内をN2ガスで1
時間置換した。次いで、N2ガス1/分の割合いで供給
しつつ、該Al粉末を10℃/分の速度で昇温し、Alの融点
以下の温度に保持して予備加熱した後、更にAlの融点以
上の反応開始温度まで昇温した。
第1表に予備加熱条件、窒化処理条件及び得られたAlN
粉末の窒化率(X線回折による)を示す。
比較例1 予備加熱を行なわない以外は実施例1と同様にしてAl粉
末の窒化処理を行なつたところ、Al粉末が凝集して塊状
化し、所望のAlN粉末は得られなかつた。
実施例5〜6 予備加熱及び窒化処理用雰囲気ガスとしてN2:NH3=95:
5(容積比)とした混合ガスを使用して、実施例1と同
様のAl粉末の窒化を行なつた。
第2表に予備加熱条件、窒化処理条件及び得られたAlN
粉末の窒化率を示す。
比較例2 予備加熱を300℃で30分間行なつた以外は実施例5と同
様にしてAl粉末の窒化処理を行なつたところ、粉末の一
部が凝集して塊状化しており、予備加熱によるAlN皮膜
の形成が不充分であることが判明した。
実施例7 200メツシユ通過のAl粉末(商標“AC100"、東洋アルミ
ニウム(株)製)を使用し、予備加熱条件を630℃×2
時間、窒化処理条件を1000℃×2時間とする以外は、実
施例1と同様にして処理を行なつた。
得られた粉末のX線回折パターンは、窒化アルミニウム
のみのピークを示し、窒化が完全に進行したことを示し
ていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径5〜200μmのアルミニウム粉末を窒
    素ガスおよび/またはアンモニアガス雰囲気中で400〜6
    50℃で加熱した後、窒素ガスおよび/またはアンモニア
    ガス雰囲気中で700〜1100℃で加熱することを特徴とす
    る窒化アルミニウムの製造方法。
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