JPH0737581B2 - アシロキシスズフタロシアニンおよびそれを用いた情報記録材料 - Google Patents

アシロキシスズフタロシアニンおよびそれを用いた情報記録材料

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JPH0737581B2
JPH0737581B2 JP1235732A JP23573289A JPH0737581B2 JP H0737581 B2 JPH0737581 B2 JP H0737581B2 JP 1235732 A JP1235732 A JP 1235732A JP 23573289 A JP23573289 A JP 23573289A JP H0737581 B2 JPH0737581 B2 JP H0737581B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は情報記録、表示、センサー、保護眼鏡などオプ
トエレクトロニクス関連に重要な役割を果すフタロシア
ニン及びそれを用いて作製される光記録媒体、光カー
ド、近赤外光の捕集、遮断に関するフィルター(眼鏡を
含む)、近赤外光を用いた液晶表示素子に関する。
〔従来の技術〕
従来、レーザー光線により情報を記録、再生する光学的
情報記録媒体の材料として、Te合金、Te酸化物等の無機
物および種々の有機色素類が多数提案されている。有機
色素類は無機物に比べ、無公害で高感度の媒体をより安
価に作製できる可能性を有している。例えば、フタロシ
アニン係、シアニン係、メロシアニン係、スクワリリウ
ム塩係、ピリリウム塩係、アントラキノン係、トリフェ
ニルメタン系等が挙げられるが、光学的情報記録媒体と
して用いるための必要特性、すなわち、吸収波長・感度
・安定性・薄膜加工性等を全て満足するものはまだ見出
されていないのが現状である。
上記の有機色素類の中で、フタロシアニン系色素は、古
くから青色〜緑色の顔料として知られ、安定性の優れた
色素として広く用いられている。光学的情報記録媒体の
分野においても、たとえば銅フタロシアニン、鉛フタロ
シアニン、チタニウムフタロシアニン、バナジルフタロ
シアニン、錫フタロシアニン等を該媒体の材料として用
いる提案が数多くなされている(特開昭55-97033号公
報、特開昭56-130742号公報、特開昭58-36490号公報、
特開昭59-11292号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
これら金属フタロシアニン系色素は吸光特性的には該記
録媒体の材料として使用可能なものであるが、欠点とし
て、有機溶媒等への溶解性に乏しく、溶液塗工による薄
膜形成が行なえないために、真空蒸着法等の物理的手段
に頼らざるを得ず、大型設備が必要になり、そのため、
加工コストも高くなるという問題があった。
本発明は前記の欠点を解決するべくなされたもので、溶
媒、液晶への溶解性、樹脂への相溶性が良好なフタロシ
アニンを見出すとともに、それを用いて、高反射率、高
感度な光記録媒体、光カード、フィルター、液晶表示素
子を提供することを目的とする。
〔課題を解決する手段〕 本発明者らは、前項の課題を解決すべく鋭意検討の結
果、下記一般式(I)で示される化合物を見出した。
即ち本発明は、 〔式(I)中、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9
Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16は各々独立に、水
素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル
基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換
のアラルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置
換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換
のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基
を表わし、R、R′は各々独立に置換または未置換のア
ルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または
未置換のアラルキル基を表わす。〕で示されるアシロキ
シスズフタロシアニンであり、それを用いて作製される
光記録媒体、光カード、近赤外線フィルターおよび液晶
表示素子である。
本発明の上記フタロシアニンは、溶剤および樹脂溶解性
が大きく、情報記録材料としたとき、その吸光特性、反
射特性により良好な情報記録材料を得ることができる。
式(I)中、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y
10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16は表わされる置換ま
たは未置換のアルキル基の例としては、炭素数1〜20の
直鎖、環状または分岐の炭化水素基;メトキシメチル、
エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プ
ロポキシエチル、メトキシブチル、フェノキシエチル等
の直鎖または分岐の総炭素数1〜30のアルコキシまたは
アリールオキシアルキル基;メチルチオメチル、フェニ
ルチオメチル、エチルチオエチル、メチルチオブチル等
の直鎖または分岐の総炭素数1〜30のアルキルチオまた
はアリールチオアルキル基;N-メチルアミノメチル、N,N
−ジメチルアミノメチル、N,N-ジエチルアミノメチル、
N−ブチルアミノメチル、N,N−ジブチルアミノエチ
ル、N,N−ジメチルアミノエチル等の直鎖または分岐の
総炭素数1〜30のアルキルアミノアルキル基;クロルメ
チル、クロルエチル、クロルブチル、フロロメチル、フ
ロロエチル、ブロムメチル、ブロムエチル、ヨウ化メチ
ル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチルなどの炭素数1〜20の
ハロゲノアルキル基;トリフロロメチル、トリクロロメ
チル、ジブロムメチル、ペンタフロロエチル、ヘプタフ
ロロプロピル等のパーハロゲノアルキル着などが挙げら
れる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
置換または未置換のアリール基の例としては、フェニ
ル、ナフチル、トリル基などのフェニル誘導体、ナフチ
ル誘導体が挙げられ、置換または未置換のアラルキル基
の例としては、ベンジル、フェニルエチル基などが挙げ
られる。
置換または未置換のアルコキシ基の例としては、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基のよ
うな炭素数1〜20の直鎖または分岐の炭化水素オキシ
基;メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、プロポキシ
エトキシ、ブトキシエトキシ、フェノキシエトキシ、メ
トキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシエトキシ、
メトキシエトキシエトキシエトキシ、ヒドロキシエチル
オキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ基など一般式A-
(OCHK1CHK2)u-0-〔式中Aは、水素原子、炭素数1〜
6のアルキル基、またはアリール基、K1およびK2は各々
独立に水素原子、メチル基、クロルメチル基、アルコキ
シメチル基、uは1〜5の整数を表わす。〕で示される
オリゴエチルオキシ誘導体;N,N-ジメチルアミノエトキ
シ、N,N-ジエチルアミノエトキシ、N,N-ジメチルアミノ
プロポキシ着などのアルキルアミノアルコキシ基;エチ
ルチオエトキシ、メチルチオエトキシ、フェニルチオエ
トキシ、メチルチオプロポキシ、エチルチオプロポキシ
基などのアルキルチオまたはアリールチオアルコキシ基
などが挙げられる。
置換または未置換のアリールオキシ基の例としては、フ
ェニルオキシ、ナフチルオキシ、アルキルフェニルオキ
シ、アルキルアミノフェニルオキシ、ハロゲン置換フェ
ニルオキシ、ニトロフェニルオキシ、アルコキシフェニ
ルオキシ、アルキルチオフェニルオキシ基などが挙げら
れる。
置換または未置換アルキルチオ基の例としては、メチル
チオ、エチルチオ基などの炭素数1〜30の直鎖または分
岐の炭化水素チオ基;メトキシメチルチオ、メトキシエ
チルチオ、エトキシエチルチオ、ブトキシエチルチオ、
メトキシエトキシエチルチオなどのオリゴアルコキシア
ルキルチオ基;メチルチオメチルチオ、エチルチオエチ
ルチオ基などのオリゴアルキルチオアルキルチオ基;N,N
-ジメチルアミノエチルチオ、N,N-ジエチルアミノエチ
ルチオ、N-メチルアミノプロピルチオ基などのアルキル
アミノアルキルチオ基;クロルエチルチオ、ブロムエチ
ルチオ、ヨウ化エチルチオ、フロロエチルチオ、ジクロ
ロエチルチオ基などのハロゲン化アルキルチオ基などが
挙げられ、置換または未置換のアリールチオ基の例とし
ては、フェニルチオ、ナフチルチオ、アルキルフェニル
チオ、アミノフェニルチオ、アルキルアミノフェニルチ
オ、アルコキシフェニルチオ基などが挙げられる。
また、RおよびR′で示される置換または未置換のアル
キル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、2-エチルヘキシル、3,5,5−
トリメチルヘキシル、シクロヘキシルなどの直鎖、分岐
または環状の炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられ、置
換または未置換のアリール基の例しては、フェニル、ナ
フチル、4-t-ブチルフェニル基などの芳香族炭化水素基
が挙げられ、置換または未置換のアラルキル基の例とし
ては、ベンジル、フェネチレ、4-t-ブチルベンジル基等
が挙げられる。
本発明の前記一般式(I)で表わされるフタロシアニン
は、スキーム1に示すように、既知の方法[例えば、J.
Am.Chem.soc,.105,1539(1983)]を利用して合成でき
る。
すなわち、スキーム1に示すように、化合物(4)を得
るために、ジオール体(3)にアシル化剤を作用させて
いる。
本発明のフタロシアニンを用いてライトワンス(WORM)
用光記録媒体を製造する方法には、透明基板上にフタロ
シアニンを塗布あるいは蒸着する方法があり、塗布法と
しては、バインダー樹脂20重量%以下、好ましくは0%
と、フタロシアニン0.05重量%〜20重量%、好ましくは
0.5重量%〜20重量%となるように溶媒に溶解し、スピ
ンコーターで塗布する方法などがある。また蒸着方法と
しては10-5〜10-7torr、100〜300℃にて基板上にフタロ
シアニンを堆積させる方法などがある。
基板としては、光学的に透明な樹脂であればよい。例え
ばアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチ
レン樹脂、ポリオレフィン共重合樹脂、、塩化ビニール
共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹脂、スチレン共重
合樹脂などが挙げられる。
また基板は熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂により表
面処理がなされていてもよい。
塗布溶媒としては、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロ
エチレン、ジクロロジフロロエタンなど)、エーテル類
(例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルな
ど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ンなど)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノ
ール、プロパノールなど)、セロソルブ類(メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブなど)、炭化水素類(ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、
キシレンなど)が好適に用いられる。
CD−WO用光記録媒体の製造方法としては、色素層の上に
金、アルミニウム等の金属を蒸着あるいはスパッタリン
グ等により反射層として設け、さらに紫外線硬化性樹脂
または熱硬化性樹脂等で保護層を積層する方法がある。
また、本発明のフタロシアニンを用いて近赤外線吸収フ
ィルターを作製する場合、その化合物の重要な性質とし
ては、樹脂と混練が出来る耐熱性を有すること、ないし
は樹脂基板を溶媒中より染色出来ることが挙げられ、か
つ、作製した成型物の光吸収特性がシャープで、しかも
高い吸収率を有する必要がある。
一般式(I)のフタロシアニンを用いて近赤外線吸収フ
ィルターを製造する方法は、樹脂と一般式(I)のフタ
ロシアニンを混合し成型する、樹脂モノマーに一般式
(I)のフタロシアニンを混ぜ注型重合する、樹脂成型
物に一般式(I)のフタロシアニンを染色する、基板材
料の表面に一般式(I)のフタロシアニンを塗布、蒸着
する方法がある。
フィルター基材として用いる樹脂としては、透明であれ
ばよく、例えばポリスチレン、ポリメチルメタアクリレ
ート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの熱可塑性樹脂、CR−39(PPG(株)、商品
名)、MR−3(三井東圧化学、商品名)、MR−6(三井
東圧化学、商品名)などの熱硬化性樹脂が好ましい。
また、表示材料として液晶と共に用いる場合、液晶への
溶解性が高い必要があり、かつ電界をかけたり、熱をか
けて液晶の状態を変化させるに際してフタロシアニンが
その変化を防げないことが必要である。
表示材料として混合して用いる液晶としてはネマチック
液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶が挙げ
られ、表示方法の例としては、ゲストホスト型表示、液
晶パネル(液晶中にフタロシアニンを入れてレーザー光
にて画面を書込む)などが挙げられる。
さらに、光カードは、前記光記録媒体と同様の材質の透
明基板上に塗布または蒸着により、本発明の一般式
(I)のフタロシアニンよりなる記録層を形成すること
によって得られる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
但し、実施例中の部は全て重量部を示す。
実施例1 下記構造式(A) で示されるジヒドロキシフタロシアニン3.0g、2-エチル
ヘキサン酸クロライド15gとβ−ピコリン40mlを混合
し、150℃で10時間反応させた。室温まで冷却した後、
3%塩酸水200mlに排出し、析出した結晶を濾過し、シ
リカゲルクロマトグラフィ(展開溶媒 トルエン:クロ
ロホルム=1:1)により下記構造式(I−1)で示され
るフタロシアニン誘導体900mgを得た。
元素分析 C48H46N8O4Sn C H N 計算値(%) 62.15 5.00 12.08 実測値(%) 62.25 4.91 11.90 前記化合物(I−1)1部をクロロホルム20部に溶解
し、ポリカーボネート光ディスク基板に塗布した。この
上に金を蒸着し、続いて光硬化型ポリアクリル樹脂によ
りオーバーコートした。この様にして製作した光記録媒
体は線速2.8m/secでレーザーパワー(780nm)10mWでC/N
比60dBであり、良好な感度であった。また、フェードメ
ーター63℃/100hrs照射後、記録層には劣化がなかっ
た。
実施例2 実施例1で得られたフタロシアニン誘導体(I−1)4
部をポリスチレン樹脂1000部と加熱混合し、板状に成型
した。このようにして作製したフィルターは680〜780nm
の光をよく吸収した。
実施例3 実施例1で得られたフタロシアニン誘導体(I−1)1
部をジブチルエーテル100部に溶解し、ポリカーボネー
ト光カード基板上に塗布し、記録層面を樹脂でオーバー
コートして光カードを作製した。このカードは、反射率
35%、感度は780nm、10mW、線速2.8m/secでC/N比50dBで
あり、また、耐久性も良好であった。
実施例4 前記式(A)のジヒドロキシフタロシアニン2g、3,5,5
−トリメチルヘキサン酸20gとβ−ピコリン50mlを混合
し、150℃で10時間加熱反応し、反応液を実施例1と同
様にして処理することにより下記構造式(I−2)で示
されるフタロシアニン誘導体600mgを得た。
元素分析 C50H50N8O4Sn C H N 計算値(%) 62.84 5.27 11.73 実測値(%) 62.72 5.25 11.61 得られたフタロシアニン誘導体(I−2)4部をポリス
チレン樹脂1000部と加熱混合し、板状に成形した。この
ようにして作製されたフィルターは680〜780nmの光をよ
く吸収した。
実施例5 実施例4で得られたフタロシアニン誘導体(I−2)1
部をクロロホルム20部に溶解し、ポリカーボネート光デ
ィスク基板に塗布した。この上に金を蒸着し、続いて光
硬化型ポリアクリル樹脂によりオーバーコートした。こ
の様にして製作した光記録媒体は線速2.8m/secでレーザ
ーパワー(780nm)10mWでC/N比50dBであり、良好な感度
を示した。また、フェードメーター63℃/100hrs照射
後、記録層には劣化がなかった。
実施例6 下記構造式(B) で示されるジヒドロキシフタロシアニン1g、3,5,5-トリ
メチルヘキサン酸クロライド10gとβ−ピコリン50gを混
合し、150℃で12時間加熱反応させ、反応液を実施例1
と同様にして処理することにより下記構造式(I−3)
で示されるフタロシアニン誘導体を300mg得た。
元素分析 C90H130N8O12Sn C H N 計算値(%) 65.72 7.97 6.81 実測値(%) 65.55 7.93 6.80 得られたフタロシアニン誘導体(I−3)1部をオクタ
ン100部に溶解し、ポリカーボネート光ディスク基板に
塗布した。この光記録媒体の反射率は780nmで33%、感
度は8mW、780nmのレーザーでC/N比60dBであり、耐久性
は再生光0.5mWで100万回読み出しても変化がなかった。
また耐湿熱性は温度60℃、湿度80%の条件で100時間変
化がなかった。
実施例7 実施例6で得られたフタロシアニン誘導体(I−3)5
部をポリスチレン樹脂1000部と加熱混合し、板状に成型
した。このようにして作製したフィルターは700〜820nm
の光をよく吸収した。
実施例8 実施例6で得られたフタロシアニン誘導体(I−3)1
部をジブチルエーテル100部に溶解し、ポリカーボネー
ト光カート基板上に塗布し、記録層面を樹脂でオーバー
コートして光カードを作製した。このカードは、反射率
36%、感度は780nm、8mW、線速2.8m/secでC/N比60dBで
あり、また、耐久性も良好であった。
実施例9 下記式(C) で示されるジヒドロキシフタロシアニン2g、2-エチルヘ
キサン酸クロライド15gとβ−ピコリン50gを混合し、15
0℃で9時間加熱反応し、反応液を実施例1と同様にし
て処理することにより下記構造式(I−4)で示される
フタロシアニン誘導体500mgを得た。
元素分析 C96H78N8O4Sn C H N S 計算値(%) 64.31 4.39 6.25 14.31 実測値(%) 64.50 4.22 6.23 14.19 得られたフタロシアニン誘導体(I−4)1部をオクタ
ン100部に溶解し、ポリカーボネート光ディスク基板に
塗布した。この光記録媒体の反射率は830nmで36%、感
度は8mW、830nmのレーザーでC/N比60dBであり、耐久性
は再生光0.5mWで100万回読み出しても変化がなかった。
また耐湿熱性は温度60℃、湿度80%の条件で100時間変
化がなかった。
実施例10 実施例9で得られたフタロシアニン誘導体(I−4)5
部をポリスチレン樹脂1000部と加熱混合し、板状に成型
した。このようにして作製したフィルターは750〜880nm
の光をよく吸収した。
実施例11 実施例9で得られたフタロシアニン誘導体(I−4)7
部をシアノビフェニル液晶混合物1000部に溶解し、液晶
パネルを作製し、レーザー光による書込みを行なったと
ころ、鮮明な画像が得られた。
実施例12〜31 第1表に示す置換基を有する下記一般式で示される化合
物を実施例1に準じて合成し、光記録媒体として評価し
たところ、いずれも反射率、耐久性、耐樹脂相溶性など
に良好な結果を得た。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明のフタロシアニンは、溶
媒、液晶への溶解性、樹脂との相溶性が良好なものであ
る。更に本発明のフタロシアニンを用いた情報記録材料
は、光記録媒体、光カードとした場合、成膜時の反射率
が高く、耐久性、耐樹脂相溶性などが良好であり、フィ
ルターとした場合、光吸収特性がシャープでかつ高い吸
収率を示し、液晶表示素子とした場合、コントラストが
良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 〔式(I)中、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9
    Y10、Y11、Y12、Y13、Y14、Y15、Y16は各々独立に、水
    素原子、ハロゲン原子、置換または未置換のアルキル
    基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換
    のアラルキル基、置換または未置換のアルコキシ基、置
    換または未置換のアリールオキシ基、置換または未置換
    のアルキルチオ基、置換または未置換のアリールチオ基
    を表わし、R、R′は各々独立に置換または未置換のア
    ルキル基、置換または未置換のアリール基、置換または
    未置換のアラルキル基を表わす。〕で示されるアシロキ
    シスズフタロシアニン。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフタロシアニンを記録層に
    含有してなる光記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1記載のフタロシアニンを記録層に
    含有してなる光カード。
  4. 【請求項4】請求項1記載のフタロシアニンを含有して
    なる近赤外線吸収フィルター。
  5. 【請求項5】請求項1記載のフタロシアニンを含有して
    なる液晶表示素子。
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