JPH0737173U - 入浴介護用三点セット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腰や背中、足等が曲がらない被介護者をも容
易に入浴させることのできるコンパクトに収納可能な入
浴介護用三点セットを提供する。 【構成】 ベッド２と、そのベッド２の両手摺５，５の
内側にそのベッド２の幅方向にスライド自在に設けた脚
付きのスライドフレーム７，７を具備した介護用スライ
ド移載装置１と、そのベッド２の傍に配置できる組立式
の浴槽３とにより構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は寝たきり老人や病人等をベッドの傍に配置した組立式の浴槽に移動さ せることのできる入浴介護用三点セットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

介護を要する寝たきり老人や病人等をベッドからその傍に配置した浴槽に移動 させるためのストレッチャーは、例えば実公平２−２６４９９号公報に記載され ている。これは、車輪付きで移動自在に構成されて、ベッド上で被介護者を腰掛 けた状態で受載した後、これをその受載状態で浴槽まで移動させられるようにな っている。

【０００３】 また、このようなストレッチャーとベッドおよび可搬式の浴槽とを入浴介護用 三点セットとした場合には、介護者にとって使い勝手がよく便利である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、上述した従来のストレッチャーのように、被介護者を腰掛ける姿勢 で受載体に載せる場合は、腰や背中、足等が曲がらない被介護者には不向きであ った。

【０００５】 また、その三点セットでは、ストレッチャーや可搬式の浴槽がかなり嵩高いも のであり、セット全体としても嵩高くなり、不使用時にもかなりのスペースを専 有する難点もあった。

【０００６】 本考案はこのような実情に鑑みてなされ、腰や背中、足等が曲がらない被介護 者をも容易に入浴させることのできるコンパクトに収納可能な入浴介護用三点セ ットを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。 すなわち、ベッドと、そのベッドの両端に立設された手摺の内側にそのベッド の幅方向にスライド自在に設けられる一対の脚付きのスライドフレーム間に、矩 形枠状の担荷フレームを、着脱自在に上載セットさせ、その担荷フレーム内に、 そのベッドに寝ている被介護者を担持するためのシートを、巻取り緊張・巻戻し 弛緩自在かつ着脱自在に取り付けてなる介護用スライド移載装置と、そのベッド の傍に配置でき、かつ折りたたんでベッドの下に収納できる組立式の浴槽とより なることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

ベッドに寝ている被介護者を入浴させる場合、スライドフレームを収納位置に 移動させて、そのスライドフレーム上に担荷フレームを上載セットする。次いで 、ベッド上の被介護者の下にシートを通して、そのシートを担荷フレームに取り 付けて巻き取り、緊張状態とする。

【０００９】 しかる後、スライドフレームを引き出し、寝たままの姿勢で被介護者を移動さ せ、ベッドの傍に配置された浴槽の直上位置に被介護者を対応させる。そして、 シートを巻き戻すことによって弛緩させ、そのシートとともに被介護者を浴槽内 に降ろして入浴させることができる。

【００１０】 入浴後は、上記と逆の操作で被介護者を寝たままの姿勢でベッドに戻すことが できる。

【００１１】 しかる後に、シートを取り外し、かつ担荷フレームを撤去するとともに、浴槽 を折りたたんでベッドの下に収納すればコンパクトに整理できる。

【００１２】

【実施例】

以下に、本考案の入浴介護用三点セットの実施例を図面に基づいて説明する。 図１および図２は、介護用スライド移載装置１と移動式のベッド２と組立式の 浴槽３とを三点セットとした場合の斜視図および側面図で、その介護用スライド 移載装置１は、ベッド２のメインフレーム４の両端に立設された手摺５の内側に おけるメインフレーム４の上に、ベッド２の幅方向に引出・収納自在となるよう にその幅方向に設けた一対の支持脚６付きのスライドフレーム７と、その両スラ イドフレーム７，７間に上載支持させる着脱自在な矩形状の担荷フレーム８とよ りなり、その担荷フレーム８には、メインフレーム４上のマット4aに仰臥してい る被介護者を担持するためのシート９を、巻取り緊張・巻戻し弛緩自在かつ着脱 自在に取り付けるための巻取装置10が設けられている。

【００１３】 上述のスライドフレーム７，７は、ベッド２から引き出した状態では、そのベ ッド２の側部に配置した組立式の浴槽３の直上位置に担荷フレーム８を対応させ ることができる程度にその長さが設定されており、その引出端には、ローラ19付 きの支持脚６が固定されている。

【００１４】 組立式の浴槽３は、図８および図９にも示すように、底フレーム32と、その底 フレーム32の前部と後部とに起倒自在に枢支され、かつ起立状態でロック可能な 前後一対の支持フレーム33，34と、その支持フレーム33，34の下部に取り付けら れ、その支持フレーム33，34が起立したときには床面37から離れ、その支持フレ ーム33，34が倒伏したときには床面37に対接するキャスター36と、その両支持フ レーム33，34に着脱自在に上載固定される枠フレーム39と、その枠フレーム39に 周囲を係脱自在に係着される折りたたみ自在な浴槽シート40とを備えている。

【００１５】 このような構成の三点セットにより、まず、折りたたんだ状態の浴槽３をベッ ド２の傍に運び、支持フレーム33を起立させてロックし、その上に前記枠フレー ム39を上載固定し、かつその枠フレーム39に浴槽シート40を係着させ、その浴槽 シート40内に温湯を入れて入浴可能な状態とする。

【００１６】 次いで、収納位置に移動させてあるスライドフレーム７，７間に担荷フレーム ８を上載セットしてベッド２上の被介護者の下に通したシート９を巻取装置10で 巻き取り緊張させ、スライドフレーム７，７を引き出して被介護者を寝たままの 姿勢で浴槽３の上の引出位置まで移動させてシート９を巻き戻し弛緩させて入浴 させることができる。

【００１７】 入浴後は、シート９を巻き取り緊張させて再び寝たままの姿勢でベッド２に戻 すことができ、シート９を巻取装置10から取り外して担荷フレーム８を撤去する 。そして、浴槽３の支持フレーム33を倒伏させて浴槽シート40を底フレーム32上 にコンパクトに折りたたむことができ、その際に、キャスター36が床面37に対接 し移動容易な状態となり、ベッド２の下等に容易に収納することができ、これに より、三点セットがベッド２内に全て収納され、きわめてコンパクトになる。

【００１８】 さらに詳しく説明すると、介護用スライド移載装置１のスライドフレーム７は チャンネル鋼材よりなり、図３および図４に示すように、その収納端内側に案内 ローラ12が枢支され、その案内ローラ12が、手摺５の内側のメインフレーム４上 に幅方向に載設されて、固定ピース14，…によって手摺５の両側に固定されるチ ャンネル鋼材よりなるガイドフレーム15内に遊嵌される一方、そのガイドフレー ム15内におけるスライドフレーム７の引出端側に枢支された案内ローラ13がその スライドフレーム７内に遊嵌され、そのスライドフレーム７が、前述した収納位 置と引出位置との間で移動自在となっている。

【００１９】 そして、その両スライドフレーム７，７の下部には、下向きのラック16，16が 固定され、そのラック16，16が、ガイドフレーム15，15における両スライドフレ ーム７，７の引出端側に設けられたピニオン17，17と噛み合い、その両ピニオン 17，17が支軸17ａを介して固定され、その支軸17ａの一端に取り付けられたハン ドル18を操作することによって、左右のスライドフレーム７，７が同期して、上 述の収納位置と引出位置との間をスライド移動されるようになっている。

【００２０】 そのスライドフレーム７に取り付けられた支持脚６は、そのスライドフレーム ７の引出端に下向きに固定された中空矩形断面状の鋼材よりなる上半部6a内に、 下部にローラ19を枢支した下半部6bの上部を嵌挿させて、止めボルト20によって 、ベッド２の高さに応じて、上下の高さを調整できるように構成されている。

【００２１】 一方、担荷フレーム８に設けられる巻取装置10は、その担荷フレーム８の長手 方向の両側に回転自在に枢支される２本の巻取棒21，21が、その担荷フレーム８ の引出側の端部に取り付けたハンドル22によって、巻取り方向と巻戻し方向に同 期して回動されるようになっている。より詳しくは、その巻取棒21，21には、シ ート９の両側縁に開設された引掛孔9a，…を被嵌掛止させるための掛止ピン21ａ ，…（図７参照）が突設形成され、かつその巻取棒21，21の一端側に固定された ホイールギヤ23（図６参照）が、担荷フレーム８の一端側に枢支された駆動棒24 の両端に固定されたウォームギヤ25と噛み合っており、その駆動棒24の一端に固 定された歯車27が、チェーン26を介してハンドル22と固定された歯車28と伝動連 結されている。

【００２２】 上述の担荷フレーム８の四隅には、搬入搬出用の取手30，…が設けられ、かつ その両端部にはスライドフレーム７，７に上載掛止させるための掛止プレート31 ，31が取り付けられている（図５参照）。

【００２３】 図８は組立式浴槽３の断面図、図９は浴槽３のフレーム構造の組立図をそれぞ れ示し、符号32は角パイプにより方形状に組み立てられた底フレーム、33，34は その底フレーム32の前部と後部とに起倒自在に枢支された支持フレームで、その 下部の各横パイプ131, 141の両端部が、底フレーム32の縦桟121, 121の各前端部 と各後端部とに取り付けられた軸受35，…に枢支されており、その各横パイプ13 1, 141にはキャスター36が取り付けられている。

【００２４】 そのキャスター36は支持フレーム33，34を起立させたときには、その車輪161 が床面37から離れて底フレーム32が床面37上に着座する一方、支持フレーム34を 底フレーム32に倒伏させたときにはその支持フレーム33，34の縦パイプ132, 142 を縦桟121 に設けたストッパー38で掛止でき、かつ各車輪161 が床面37と対接し てその組立式浴槽３を容易に移動させられるようになっており、その底フレーム 32の両縦桟121, 121間に架設された横桟122, 122（図９参照）には、浴槽シート 40の底部を支持するための起倒自在な一対の支持部材123, 123が前後方向に平行 に設けられている。

【００２５】 39は浴槽シート40（図８参照）を支持するための略方形状に形成された枠フレ ームで、起立状態の両支持フレーム33，34の４本の縦パイプ132, 142，…の上端 に着脱自在に被嵌するリングカップ191 がその枠フレーム39の下部４ヶ所に溶接 されており、かつ折りたたんだときのコンパクト化を図るために、その枠フレー ム39の頭部に対応する部分192 が、ヒンジ193, 193を介して折りたたみ自在とな っている。

【００２６】 上述のリングカップ191 は各縦パイプ132, 142の上端に被嵌された状態でロッ クされるようになっている。そのロック手段41（図10参照）は各縦パイプ132, 1 42に取り付けられた押しボタン211 と連動する係止爪212 がリングカップ191 に 形成された係止孔213 にバネ力によって係脱自在に係合してロックできるように なっており、これにより枠フレーム39の内側に折りたたみ自在な浴槽シート40を 安定に支持することができる。

【００２７】 上述の浴槽シート40は、頭髪洗浄のための頭部201 と身体洗浄のための本体部 202 とよりなり、その頭部201 と本体部202 とが仕切り部203 によって分別され 、その仕切り部203 が厚手のスポンジ材42を介して支持フレーム33の上部に横架 された横パイプ131 に支持されており、本体部202 の底部が起立された支持部材 123, 123によって支持され、上周縁部が枠フレーム39に折り返されてマジックテ ープ43（図10参照）で着脱自在に止着されるようになっている。その頭部201 と 本体部202 とには、それぞれ排水用栓204, 205が設けられ、ホースを介して排水 ができるようになっている。

【００２８】 このような浴槽シート40では、仕切り部203 があるために、頭髪を洗ったとき の温湯を本体部202 に流入させることなく、その頭部201 のみ排水することがで き、清潔感があり、気持ちよく入浴することができる。そして、入浴終了後には 、枠フレーム39を支持フレーム33，34から取り外してその支持フレーム33，34を 内側に折りたたんでストッパー38でロックし、浴槽シート40を底フレーム32の上 にコンパクトにたたむことができ、その状態では、４つのキャスター36，…が床 面37に対接し、容易に移動させることができ、図２に２点鎖線で示すように、ベ ッド２の下に収納しておくことができる。

【００２９】 なお、浴槽シート40は枠フレーム39から容易に取り外して、屋外で乾燥させる ことができ、充分乾燥させた後、再び枠フレーム39に取り付けて上述のようにた たんで収納するのが望ましい。

【００３０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の入浴介護用三点セットは、ベッドと、そのベッ ドの両手摺の内側にそのベッドの幅方向にスライド自在に設けた脚付きのスライ ドフレームを具備した介護用スライド移載装置と、そのベッドの傍に配置できる 組立式の浴槽とにより構成されるため、その介護用スライド移載装置で被介護者 を寝たままの姿勢で入浴させることができ、かつ入浴後には、スライドフレーム をベッドに収納して、浴槽を折りたたんでベッドの下に収納することにより、コ ンパクトに収納できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の入浴介護用三点セットの一実施例を示
す斜視図である。

【図２】同側面図である。

【図３】同介護用スライド移載装置の正面図である。

【図４】同分解斜視図である。

【図５】同担荷フレームの平面図である。

【図６】同巻取装置の要部拡大図である。

【図７】同平面図である。

【図８】同浴槽の縦断面図である。

【図９】同フレーム構造の組立図である。

【図10】同底フレームと支持フレームおよび枠フレーム
の接合部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…介護用スライド移載装置、２…ベッド、３…浴槽、
７…スライドフレーム、８…担荷フレーム、９…シー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッドと、そのベッドの両端に立設され
   た手摺の内側にそのベッドの幅方向にスライド自在に設
   けられる一対の脚付きのスライドフレーム間に、矩形枠
   状の担荷フレームを、着脱自在に上載セットさせ、その
   担荷フレーム内に、そのベッドに寝ている被介護者を担
   持するためのシートを、巻取り緊張・巻戻し弛緩自在か
   つ着脱自在に取り付けてなる介護用スライド移載装置
   と、そのベッドの傍に配置でき、かつ折りたたんでベッ
   ドの下に収納できる組立式の浴槽とよりなることを特徴
   とする入浴介護用三点セット。