JPH0736912Y2 - 搬送体の搬送位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は被搬送物を搭載する搬送体を搬送路に沿って常
時搬送方向に移動するチェーンを介して搬送する搬送系
において、前記搬送体を装置や機械などの所定位置に停
止位置決めさせる搬送体の停止位置決め装置に関する。

〔従来の技術〕

多数台の機械や装置が配列されるラインにおいて、被加
工物等を搭載するパレットを機械等に搬出入するには、
前記機械および装置と対峙する定位置に前記パレットを
搬送し位置決めすることが必要である。このためトレー
等の搬送体上にパレットを摺動可能に搭載し、これをチ
ェーン等の駆動手段によって定位置まで搬送し、そこで
停止させる各種の手段が従来より採用されている。

以上の従来技術はすべて搬送する手段と、位置決め手段
が別々に構成され、搬送手段と位置決め手段とが連動す
るようなものはなかった。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記のように、搬送手段と位置決め手段が別々に構成さ
れている場合、特に定位置にきたら前記搬送手段を停止
させ、停止信号を発し電気的制御機構により前記位置決
め手段を動作するような場合には、装置がより複雑，高
価なものとなる問題点があり、故障の原因も生じ易いと
言う問題点もあった。

本考案は以上の問題点を解決するもので、その目的は、
搬送手段と位置決め手段が連動するとともに電気的な制
御機構を必要とせず、円滑にかつ確実に搬送体の位置決
めができ、搬送体の位置決め時間の短縮も図れる被搬送
物の搬送位置決め装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はこのために、搬送路に沿って走行するチェーン
により被搬送物を搭載して搬送路上を移動される搬送体
を、機械または装置などの所定の位置に停止位置決めさ
せる搬送位置決め装置において、前記搬送体に回動自在
に設けられ、前記チェーンに掛脱自在な掛止部を有し、
この掛止部をチェーンに掛止させることにより搬送体の
移動を可能にするアーム部材と、前記搬送路の下方であ
って、前記機械または装置に前記搬送体を搬出入する位
置に対応する位置に設けられた装置本体と、この装置本
体に回動自在に設けられ前記搬送路側に回動した状態に
あるときに、前記アーム部材と係合して前記アーム部材
を回動させて前記掛止部を前記チェーンから離脱させる
とともに、前記搬送体と当接して搬送体の移動を位置決
め停止させる位置決め部を有するレバー部材と、このレ
バー部材を回動させる駆動体と、前記装置本体の近傍に
設けられ、前記搬送体が前記レバー部材に当接して停止
する際、前記搬送体の移動方向に移動して停止の際の衝
撃力を吸収緩和する緩衝手段とからなり、前記アーム部
材と前記レバー部材との係合により、搬送体の搬送の停
止動作と位置決め動作とが連動して行われるようにした
ことを特徴とする。

〔作用〕

搬送体は掛止部がチェーンに連結されることにより、チ
ェーンの移動とともに搬送路に沿って搬送される。

搬送体が機械または装置の前方までくると、駆動体によ
り搬送路側に回動した状態にあるレバー部材にアーム部
材が係合する。アーム部材は、搬送体の移動とともにレ
バー部材によって押し上げられ回動する。これにより、
掛止部がチェーンより解除される。掛止部がチェーンよ
り解除されると、搬送体はレバー部材の位置決め部に当
接して停止する。そして、搬送体がレバー部材に当接し
て停止する際に発生する衝撃力は、緩衝装置により吸収
緩和される。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。第４図
は本考案一第実施例の搬送位置決め装置１の配置状態を
示すための全体図である。

被搬送物であるパレット18は搬送体であるトレー15上に
ベース部材17を介して搭載され、機械および装置（符号
27,28,29,30,31,32で示す）側に搬出入できるようにな
っており、該トレー15は、下面をガイドローラ22で、両
側面をガイドプレート22a,22bで案内され、該トレー15
下部にはチェーン20が回転自在に垂設されている。２列
のコンベア40の端側には回転コンベア33とそれを支持す
る回転機構34が設けられている。

搬送位置決め装置１は後に説明するように、搬送手段２
と位置決め手段３と緩衝手段12とから構成される。そし
て、位置決め手段３は機械および装置27ないし32のそれ
ぞれの位置に対応した定位置に固定され、搬送手段２は
トレー15上に支持され、緩衝手段12は位置決め手段３の
近傍に設けられしかも位置決め手段３と対に設けられ
る。

第１図および第５図に示すように、トレー15は平板状の
ものからなり、このトレー15には、パレット18を摺動可
能に支持するベース部材17と貫通長孔16とが設けられ
る。そして、トレー15はコンベア40上にフリーフローの
状態で支持される。

第１図は搬送手段2,位置決め手段3,緩衝手段12と、トレ
ー15との位置関係を示すものである。この搬送手段２は
前記したように、トレー15の上方側に回動可能に固定さ
れており、一方、位置決め手段３はトレー15の下方の搬
送装置のフレームに設けられ、緩衝手段12は位置決め手
段３の近傍に配設される。

まず、搬送手段２を説明する。搬送手段２は第２図に示
すように、軸受35にピン26を介し支持されるアーム部材
である本体アーム25と、本体アーム25の先端部に形成さ
れる係止部23および本体アーム25下方に突出形成される
掛止部24等から構成れる。掛止部24はチェーン20のピン
21に着脱可能に掛止するもので、トレー15の貫通長孔16
を通り抜けてチェーン20のピン21に掛止され、チェーン
20の移動によりトレー15が搬送される。

次に、位置決め手段３と緩衝手段12を説明する。

位置決め手段３は、レバー部材4,傾斜ブロック5,装置本
体6,シリンダ7,ベース台8,スライドブロック９やスライ
ドベース10等を主要素として構成されている。

レバー部材４はトレー15の当接端面19に当接し位置決め
するストッパ部を有し、ピン11により本体６に回動可能
に支持される１対の部材からなり、その下方には傾斜面
5aと平坦部5bとを有する傾斜ブロック５がこれを支持す
るように当接している。

傾斜ブロック５は駆動体であるシリンダ７により前後動
し、平坦部5bがレバー部材４の下面に当接する場合には
レバーＬ部材４は第１図に示すように、上方に回動し、
そのストッパ部を当接端面19と当接可能の位置に配置す
るように構成さている。また、傾斜面5aがレバー部材４
の下面に当接する場合にはピン11を中心にレバー部材４
は下方に回動しそのストッパ部は当接端面19から離れる
ように構成されている。前記傾斜ブロック５はベース台
８上に支持され、ベース台８はスライドベース10上にス
ライドブロック９を介して摺動可能に支持される。なお
ベース台９を介して摺動可能に支持される。なおベース
台８は本体６に固定する。ベース台８の当接面14には緩
衝手段であるショックアブソーバ12のロッド13が当接し
ている。

次に、本実施例の作用を更に詳しく説明する。

第２図に示すように、トレー15上の搬送手段２は、水平
位置に回動し係止部23をトレー15の当接端面19に係止
し、掛止部24をチェーン20のピン21に掛止した状態に位
置づけされる。従ってチェーン20の移動に伴ってピン21
および掛止部24を介しトレー15は移動する。トレー15が
機械および装置27ないし32の定位置近傍にまで搬送され
ると、シリンダ７が動作する（シリンダ７は、例えばト
レー15が適宜の機械および装置27〜32の位置に搬送され
てきたことをリミットスイッチで確認し、一個前のトレ
ー15が通過後、次のトレー15が通過するまでの間にシリ
ンダ７を動作させればよい）。これにより傾斜ブロック
５の傾斜面5aに当接していたレバー部材４がその平坦面
5b上にのり上り、レバー部材４は上方に回動する。第３
図に示すようにレバー部材４の回動に伴いレバー部材４
の先端部が搬送手段２の係止部23を下方から押し上げ、
本体アーム25を上方に回動させる。これにより掛止部24
とチェーン20のピン21との掛止が解放される。従ってチ
ェーン20が移動してもトレー15は移動しない。前記した
ように、この状態ではレバー部材４の先端部が当接端面
19に当接するためにトレー15は定位置で停止する。この
際レバー部材４にショックが負荷されるが、ベース台８
の当接面14に当接するショックアブソーバによりこのシ
ョックは緩和されることになる。以上によりチェーン20
の移動に関係なく、トレー15は円滑に、かつショックな
く定位置に位置決めされることになる。

第６図は、本考案の第２実施例を示し、レバー部材44の
端部をシリンダ42で駆動し、レバー部材44をピン11を中
心に回動させ、本体アーム25の掛止部24とチェーン20の
ピン21との掛止を開放する構成をとる。第２実施例にお
いてもトレーを円滑にかつ、ショックなく定位置に位置
決めできることは、第１実施例で説明したのと同様のこ
とである。

〔考案の効果〕

以上の説明によって明らかなように、本考案によれば、
掛止部とチェーンとの連結の解除および搬送体の停止位
置決めとを機械的な係脱動作によって連動して行うこと
ができるので、簡素な構成で故障しにくくかつ安価な装
置を得ることができる。また、緩衝手段を有することに
より搬送速度を上昇させても衝撃なく停止させることが
できるので、搬送体の位置決め時間を短縮し得る効果を
上げることができる。更に、搬送体を停止位置決めする
際に発生する衝撃力は、緩衝手段により吸収，緩和され
るので、円滑な停止位置決めができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構成を示す側面図、第２図
および第３図は本実施例の作用を説明する側面図、第４
図は本実施例の全体を示す平面図、第５図は本実施例の
トレーの取付け状態を示す一部平面図、第６図は第２実
施例の作用を説明する側面図である。 １……搬送位置決め装置、２……搬送手段、３……位置
決め手段、４……レバー部材、５……傾斜ブロック、６
……装置本体、８……ベース台、９……スライドブロッ
ク、10……スライドベース、12……ショックアブソーバ
（緩衝手段）、15……トレー（搬送体）、18……パレッ
ト（被搬送物）、23……係止部、24……掛止部、25……
本体アーム（アーム部材）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｇ 47/88 Ｃ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送路に沿って走行するチェーンにより被
   搬送物を搭載して搬送路上を移動される搬送体を、機械
   または装置などの所定の位置に停止位置決めさせる搬送
   位置決め装置において、 前記搬送体に回動自在に設けられ、前記チェーンに掛脱
   自在な掛止部を有し、この掛止部をチェーンに掛止させ
   ることにより搬送体の移動を可能にするアーム部材と、 前記搬送路の下方であって、前記機械または装置に前記
   搬送体を搬出入する位置と対応する位置に設けられた装
   置本体と、 この装置本体に回動自在に設けられ、前記搬送路側に回
   動した状態にあるときに、前記アーム部材と係合して前
   記アーム部材を回動させて前記掛止部を前記チェーンか
   ら離脱させるとともに、前記搬送体と当接して搬送体の
   移動を位置決め停止させる位置決め部を有するレバー部
   材と、 このレバー部材を回動させる駆動体と、 前記装置本体の近傍に設けられ、前記搬送体が前記レバ
   ー部材に当接して停止する際、前記搬送体の移動方向に
   移動して停止の際の衝撃力を吸収緩和する緩衝手段とか
   らなり、 前記アーム部材と前記レバー部材との係合により、搬送
   体の搬送の停止動作と位置決め動作とが連動して行われ
   るようにしたことを特徴とする搬送体の搬送位置決め装
   置。