JP3541406B2 - パレット搬送装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、パレットを利用する組立てラインなどにおけるパレット搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置では、作業ステーションにストッパーを設けて、コンベアで搬送されてくるパレットを一時停止させ、作業ステーションとのタイミングを見計らって、ストッパーを解除して一個のパレットを作業位置に送り込むようにすることがある。これにより、作業位置へのパレットの送り込みを作業ステーションにおける作業機器のタイミングに合わせて自由に設定できるというフリーフローコンベアを利用したパレット搬送装置の利点が活用されている。
【0003】
しかし、フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置は、ストッパーを解除して作業位置に送りこむパレットの移動速度が遅く、作業ステーションにおける作業サイクルを短くすることができない難点がある。これは、フリーフローコンベアが、パレットを送る送りベルトと駆動ユニットとの間に滑り伝動手段を有し、駆動ユニットを停止することなく、パレットを任意の位置で停止できるようにしており、ストッパーが解除されても滑り伝動手段を介する動力がパレットが持つ静止慣性に打ち勝つまでに時間を要すると共に、コンベアの搬送速度を大きくするとパレットの初動時と停止時にショックが大きくなってパレット上のワークの位置にズレや跳びだしが生じる等のことがあり、搬送速度をあまり高くできないからである。
【0004】
この点を解決するために、フリーフローコンベアで形成された搬送経路の作業ステーションに、送り込み用コムとピックアンドプレースのような作業機を一体化した装置を配置し、コムと作業機の作動を所定のタイミングで連動させたものが有るが、この技術的思想は作業機側に取り込み装置を設けたものであり、作業機の作業内容によって使用が限定され、汎用性に乏しい。また、送りこみ用コムと作業機の作動が連動されているので、作業機は不良品が送り込まれても一連の作動をしてしまう無駄がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、作業ステーションにおける作業内容とは分離して、パレットを搬送する方面から作業サイクルを短くできる、フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置、および作業位置に隣接して検査位置も設定できる前記のパレット搬送装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
フリーフローコンベアによりパレット搬送経路が形成される。
搬送経路に設定された作業ステーション位置にパレット拘束送り装置が配置される。
パレット拘束送り装置は、パレットの移動を阻止するストッパーを備える。
パレット拘束送り装置は、ストッパーに阻止されたパレットを所定のタイミングで前方の作業位置へ送り込む急速送り機構を有する。
【0007】
急速送り機構は、作業位置にあるパレットとその後方のパレットを同時にそれぞれ前方の検査位置と作業位置に送る機構を備えることがある。
【0008】
【作用】
パレット拘束送り装置は、フリーフローコンベア上で停止しているパレットを、ストッパーの解除とともに急速に作業位置へ送り込む。
また、パレット拘束送り装置は、2つのパレットを同時に拘束して送ることによって、フリーフローコンベアにおいて、パレットに対する作業位置と検査位置を同時に設定することを可能にする。
【0009】
【実施例】
図1、図2は、パレット1を搬送するためのフリーフローコンベア2を示し、搬送経路の途中に作業ステーションSが設定されている。
コンベア2はフレーム3、複数の送りベルトユニット4および駆動ユニット5で構成されている。
フレーム3はガイド部分6と機構部分7からなり、ガイド部分6の内側には複数の送りベルトユニット4が、パレット1の搬送方向へ2列に整列して配置されている。パレットの搬送方向を前後方向、これに直交する水平方向を左右方向、直交する垂直方向を上下方向とする。
【0010】
一つの送りベルトユニット4は、3本の支軸7(a〜c)にそれぞれ従動プーリー8が軸支され、これら従動プーリー8に一本のエンドレスな送りベルト9が掛け回されている。前記支軸の一本である支軸7cには従動プーリー8に重合して摩擦円盤10と伝動プーリー11も軸支されており、支軸7cに装着されたばね12でこれらが相互に所定の接触圧で接触されている。これにより、従動プーリー8は摩擦円盤10を介して伝動プーリー11から、設定された所定の摩擦力の範囲で回転力が伝達されるようになっている。すなわち、これらは滑り伝動手段を構成している。
【0011】
2列に整列された送りベルトユニット4の下部には駆動ユニット5が配置されており、これにより各送りベルトユニット4の伝動プーリー8が駆動される。 駆動ユニット5は、フレーム3の機構部分7に構成され、モーター13により駆動される駆動プーリー14とガイド部分6に固定された支軸15に軸支された複数のアイドルローラー16、およびこれらに掛け回わされた伝動ベルト17で構成される。アイドルローラー16は各送りベルトユニット4における伝動プーリー8の下部両側に配置されて伝動ベルト17を伝動プーリー11に押し付けている。
【0012】
したがって、モーター13が駆動されると、駆動プーリー14、アイドルローラー16を介して伝動ベルト17が駆動され、送りベルトユニット4の支軸7cにおける伝動プーリー11が駆動回転される。すると、摩擦円盤10を介して従動プーリー8が回転されて送りベルト9が回動され、パレット1は滑り伝動手段に設定された摩擦力の範囲内で搬送経路を移動する。
【0013】
そして、パレット1がストッパーなどで移動が阻止されると、設定された摩擦力では従動プーリー8を回転させることができず、従動プーリー8は停止する。しかし、滑り伝動手段が機能して伝動プーリー11は回転を続け、駆動ユニット5側に大きな負荷は掛からない。すなわち、このコンベアは、駆動ユニット5の稼働を停止することなく、パレット1を任意の位置で停止させることができるフリーフローとなっている。
【0014】
作業ステーションSの箇所にはパレット1の搬送方向に停止位置A、作業位置B、検査位置Cが設定され、パレット拘束送り装置18が配置されている。
【0015】
この装置18(図1、図3〜6)は、ストッパー機構19と急速送り機構20、およびこの実施例において位置決め機構21とクランプ機構22を備えている。これらの機構はベースとなる筐体23中に組み付けられ、一連の板カム24〜28によって所定のタイミングをとり、モーター29によって駆動される。一連の板カム24〜28は一本の主軸30に固定され、この主軸30はタイミングベルト31を介してモーター29により一定速度で回転される。符号32は板カムの原点検出装置である。
【0016】
パレット1を搬送するフリーフローコンベア2は筐体23の天板33上に配置され(図3)、フレーム3のガイド部分6で固定されている。
【0017】
ストッパー機構19は、停止位置Aに配置されたストッパー34、クランクリンク35、連結リンク36、カムフォロアを備えたレバー37およびストッパー用板カム24で構成される。クランクリンク35は、前記のガイド部分6に沿って固定されたブロック38に回転自在に軸支され、一端が同ブロック38の頂面にガイドされたストッパー34に係合され、他端が連結リンク36と結合されている。したがって、ストッパー用板カム24が回転されると、ストッパー34は左右方向でパレット1の搬送経路に出入するように移動されて、パレット1の停止、および停止解除を行う(図6)。
【0018】
急速送り機構20は、上下送り機構39と前後送り機構40からなる。
上下送り機構39(図4)は、門形枠41、スライド体42、平行リンク43および垂直移動用の板カム26を有する。
【0019】
門形枠41は、前後の垂直ガイド棒44がスライド体42に軸支されているガイドローラー45に案内され、スライド体42に対して上下に移動可能とされている。門形枠41は、上枠に相当する部分がパレット1の載置係合体46とされ、下枠に相当する部分が走行体47とされている。走行体47は垂直ガイド棒44に緩衝用のスプリング48を介して取り付けられ、中央部にローラー49が軸支されている。垂直ガイド棒44は、天板33の長孔50を介して上方に突出し、載置係合体46はフリーフローコンベア2の搬送経路の直下でパレット1の中央部に前後方向に位置する(図6)。
なお、この実施例において載置係合体46は隣接した2枚のパレット1を一度に載置係合することができる。
【0020】
スライド体42は、筐体23の内部で前後方向に橋架されたガイドレール51に嵌挿されて前後に移動が可能とされている。したがって、門形枠41は全体が前後に移動可能である。
平行リンク43は門形枠41の下部に位置して上辺リンク52の前後が揺動リンク53,54の上端に結合されている。揺動リンク53,54は平行に配置され、下辺リンクとしてのスライド体42に回動可能に支持されている。また、後方の揺動リンク54はカムフォロアを有して作動レバーをかねており、垂直移動用板カム26に接している。上辺リンク52の上面には前記の走行体47におけるローラー49が支持されている。
【0021】
前後送り機構40は(図5)、スライド体42とガイドレール51、カムフォロアを有するれはー55および水平移動用板カム25で構成され、カムフォロア55の上端はスライド体42に係合されている。
したがって、モーター29が駆動されると板カム25、26によってスライド体42が前後に移動されると同時に門形枠41が上下に移動される。板カム25、26のタイミングによって、載置係合体46に上方移動(パレットの突き上げ)・前方移動(パレットを作業位置、検査位置に送り込む)・その位置での停止・下降移動(パレットの解放)・後方移動のボックス運動をさせることができる。
【0022】
このボックス運動は、さらに、ストッパー機構19の運動ともタイミングを取って、載置係合体46が上方移動して停止位置Aのパレット1を係合する寸前に、ストッパー34がパレット1を解放し、パレット1が載置係合体46によって前方の作業位置Bへ送り込まれるようにされている。なお、このとき作業位置Bにあったパレット1は検査位置Cに送られ、検査位置Cにあったパレット1はコンベアベルト2の送りベルトニット4で作業ステーションSから運び出され、次の作業ステーションに向かう。
【0023】
位置決め機構21はストッパー機構19と類似しており、作業位置Bに配置された位置決め板56(図6)、クランクリンク57、連結リンク58、カムフォロアを有するレバー59および位置決め用板カム27で構成されており、位置決め用板カム27が回転されると、位置決め板56は左右方向でパレット1の搬送経路に出入するように移動されて、作業位置Bに送り込まれたパレット1を設定された箇所に正しく位置決めする。
【0024】
クランプ機構22は、必要に応じて配置されるもので、クランプ用カム板28のみを示して具体的構成を省略しているが、載置係合体46が前方に移動してパレット1を作業位置B、検査位置Cに送り込んだ直後のタイミングで作動し、作業位置B、検査位置Cにあるパレット1をガイド部分6に押し付けて、作業および検査の間、パレット1を固定する。
【0025】
以上の構成であって、フリーフローコンベア2に載って搬送されてきたパレット1は作業ステーションSの停止位置Aでストッパー34により停止され、作業位置Bに送り込まれるのを待機する。そして、ストッパー34が解除されるとほぼ同時に先頭のパレット1が急速送り機構20で作業位置Bに送り込まれる。この送り込み作業は、急速に行われるので、きわめて高速に、かつ、正確に行うことができる。この点、実施例の急速送り機構20のように純粋に機械的なカム機構は、信号処理をして指令を出す電子制御のように応答時間を必要としないので最適の構造である。これにより、送り込みに要する時間を短くして作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0026】
作業位置Bに送り込まれたパレット1は、位置決め板56で位置決めされ、パレット1上のワークに対して作業が行われる。
位置決め板56の作動とほぼ同時にストッパー34が再び作動して後続のパレット1を停止位置Aに阻止し待機させる。また、前回に作業位置Bにあったパレット1は検査位置Cに移動して今回の作業後の状態について検査を受ける。
【0027】
ついで、急速送り機構20の門形枠41が下降して作業位置B、検査位置Cのパレット1を送りベルトコンベア4上に載置する。検査位置Cのパレット1は次の作業ステーションに搬送され、作業位置Bのパレット1は再び急速送り機構20で検査位置Cに移動される。これらは同時に行われるので、検査のためにパレット1を停止させ、位置決めする時間を別途に必要としない。なお、検査位置Cでの検査結果が不良の場合には、次の作業ステーションではワークに対する作業を回避させることができる。
【0028】
このように、このフリーフローコンベア2は、パレット拘束送り装置18を備えることによって、搬送経路上でストッパー34によって停止されているパレット1を、ストッパー34の解除後、送りベルトユニット4による実質的な送り込みが機能する前に、素早く作業位置に送り込むことができる。そして、フリーフローコンベア2は、作業位置Bでの作業中に後続パレット1をストッパー34まで送れば良く、コンベア2の送り速度は遅くて良い。
【0029】
以上は実施例であって、本発明は図示された具体的構成に限定されない。フリーフローコンベア2の滑り伝動手段は、プーリーと伝動軸間で滑りを生じるような他の構造であってもよく、パレット拘束送り装置18の駆動機構は板カム以外のタイミング機構を用いるものであっても良い。
検査位置Cは作業位置Bでの作業に引き続き行われる第2の作業位置とすることもできる。
【0030】
【発明の効果】
フリーフローコンベアにおいてパレットの停止位置から作業位置への送り時間を短縮できるので、作業のサイクルタイムを短縮することができる。
パレットを停止位置から作業位置へ確実に、かつ、正確に移動させることができる。
パレット拘束送り装置に作業位置に隣接した検査位置を配置することにより、フリーフローコンベアにおいて、検査のために要していた別途のパレットの停止、位置決め機構を省略して構成を簡素にし、また、コストの低減を図ることができる。さらに、検査の結果を利用して不合格のワークに対して次の作業を回避させる手段を取ることができ、不合格ワークに対する作業機器の無駄な作動を避けられる。
【0031】
パレット拘束送り装置は、フリーフローコンベアにおいて、作業ステーションにおけるピックアンドプレースなどの作業機器と分離されているので、作業機の作業内容によってフリーフローコンベアの使用が制限されることがなく、パレット搬送装置としての汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】フリーフローコンベアを機構的に示した正面図。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図。
【図3】パレット拘束送り装置の概略を示す側面図。
【図4】急速送り機構の垂直移動部分を概略で示す正面図。
【図5】急速送り機構の水平移動部分を概略で示す正面図。
【図6】パレット拘束送り装置の主要部を示す平面図。
【符号の説明】
1 パレット
2 フリーフローコンベア
4 送りベルトユニット
5 駆動ユニット
18 パレット拘束送り装置
19 ストッパー機構
20 急速送り機構
21 位置決め機構
34 ストッパー
39 上下送り機構
40 前後送り機構
41 門形枠
46 載置係合体
56 位置決め板
【産業上の利用分野】
この発明は、パレットを利用する組立てラインなどにおけるパレット搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置では、作業ステーションにストッパーを設けて、コンベアで搬送されてくるパレットを一時停止させ、作業ステーションとのタイミングを見計らって、ストッパーを解除して一個のパレットを作業位置に送り込むようにすることがある。これにより、作業位置へのパレットの送り込みを作業ステーションにおける作業機器のタイミングに合わせて自由に設定できるというフリーフローコンベアを利用したパレット搬送装置の利点が活用されている。
【0003】
しかし、フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置は、ストッパーを解除して作業位置に送りこむパレットの移動速度が遅く、作業ステーションにおける作業サイクルを短くすることができない難点がある。これは、フリーフローコンベアが、パレットを送る送りベルトと駆動ユニットとの間に滑り伝動手段を有し、駆動ユニットを停止することなく、パレットを任意の位置で停止できるようにしており、ストッパーが解除されても滑り伝動手段を介する動力がパレットが持つ静止慣性に打ち勝つまでに時間を要すると共に、コンベアの搬送速度を大きくするとパレットの初動時と停止時にショックが大きくなってパレット上のワークの位置にズレや跳びだしが生じる等のことがあり、搬送速度をあまり高くできないからである。
【0004】
この点を解決するために、フリーフローコンベアで形成された搬送経路の作業ステーションに、送り込み用コムとピックアンドプレースのような作業機を一体化した装置を配置し、コムと作業機の作動を所定のタイミングで連動させたものが有るが、この技術的思想は作業機側に取り込み装置を設けたものであり、作業機の作業内容によって使用が限定され、汎用性に乏しい。また、送りこみ用コムと作業機の作動が連動されているので、作業機は不良品が送り込まれても一連の作動をしてしまう無駄がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、作業ステーションにおける作業内容とは分離して、パレットを搬送する方面から作業サイクルを短くできる、フリーフローコンベアを使用したパレット搬送装置、および作業位置に隣接して検査位置も設定できる前記のパレット搬送装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
フリーフローコンベアによりパレット搬送経路が形成される。
搬送経路に設定された作業ステーション位置にパレット拘束送り装置が配置される。
パレット拘束送り装置は、パレットの移動を阻止するストッパーを備える。
パレット拘束送り装置は、ストッパーに阻止されたパレットを所定のタイミングで前方の作業位置へ送り込む急速送り機構を有する。
【0007】
急速送り機構は、作業位置にあるパレットとその後方のパレットを同時にそれぞれ前方の検査位置と作業位置に送る機構を備えることがある。
【0008】
【作用】
パレット拘束送り装置は、フリーフローコンベア上で停止しているパレットを、ストッパーの解除とともに急速に作業位置へ送り込む。
また、パレット拘束送り装置は、2つのパレットを同時に拘束して送ることによって、フリーフローコンベアにおいて、パレットに対する作業位置と検査位置を同時に設定することを可能にする。
【0009】
【実施例】
図1、図2は、パレット1を搬送するためのフリーフローコンベア2を示し、搬送経路の途中に作業ステーションSが設定されている。
コンベア2はフレーム3、複数の送りベルトユニット4および駆動ユニット5で構成されている。
フレーム3はガイド部分6と機構部分7からなり、ガイド部分6の内側には複数の送りベルトユニット4が、パレット1の搬送方向へ2列に整列して配置されている。パレットの搬送方向を前後方向、これに直交する水平方向を左右方向、直交する垂直方向を上下方向とする。
【0010】
一つの送りベルトユニット4は、3本の支軸7(a〜c)にそれぞれ従動プーリー8が軸支され、これら従動プーリー8に一本のエンドレスな送りベルト9が掛け回されている。前記支軸の一本である支軸7cには従動プーリー8に重合して摩擦円盤10と伝動プーリー11も軸支されており、支軸7cに装着されたばね12でこれらが相互に所定の接触圧で接触されている。これにより、従動プーリー8は摩擦円盤10を介して伝動プーリー11から、設定された所定の摩擦力の範囲で回転力が伝達されるようになっている。すなわち、これらは滑り伝動手段を構成している。
【0011】
2列に整列された送りベルトユニット4の下部には駆動ユニット5が配置されており、これにより各送りベルトユニット4の伝動プーリー8が駆動される。 駆動ユニット5は、フレーム3の機構部分7に構成され、モーター13により駆動される駆動プーリー14とガイド部分6に固定された支軸15に軸支された複数のアイドルローラー16、およびこれらに掛け回わされた伝動ベルト17で構成される。アイドルローラー16は各送りベルトユニット4における伝動プーリー8の下部両側に配置されて伝動ベルト17を伝動プーリー11に押し付けている。
【0012】
したがって、モーター13が駆動されると、駆動プーリー14、アイドルローラー16を介して伝動ベルト17が駆動され、送りベルトユニット4の支軸7cにおける伝動プーリー11が駆動回転される。すると、摩擦円盤10を介して従動プーリー8が回転されて送りベルト9が回動され、パレット1は滑り伝動手段に設定された摩擦力の範囲内で搬送経路を移動する。
【0013】
そして、パレット1がストッパーなどで移動が阻止されると、設定された摩擦力では従動プーリー8を回転させることができず、従動プーリー8は停止する。しかし、滑り伝動手段が機能して伝動プーリー11は回転を続け、駆動ユニット5側に大きな負荷は掛からない。すなわち、このコンベアは、駆動ユニット5の稼働を停止することなく、パレット1を任意の位置で停止させることができるフリーフローとなっている。
【0014】
作業ステーションSの箇所にはパレット1の搬送方向に停止位置A、作業位置B、検査位置Cが設定され、パレット拘束送り装置18が配置されている。
【0015】
この装置18(図1、図3〜6)は、ストッパー機構19と急速送り機構20、およびこの実施例において位置決め機構21とクランプ機構22を備えている。これらの機構はベースとなる筐体23中に組み付けられ、一連の板カム24〜28によって所定のタイミングをとり、モーター29によって駆動される。一連の板カム24〜28は一本の主軸30に固定され、この主軸30はタイミングベルト31を介してモーター29により一定速度で回転される。符号32は板カムの原点検出装置である。
【0016】
パレット1を搬送するフリーフローコンベア2は筐体23の天板33上に配置され(図3)、フレーム3のガイド部分6で固定されている。
【0017】
ストッパー機構19は、停止位置Aに配置されたストッパー34、クランクリンク35、連結リンク36、カムフォロアを備えたレバー37およびストッパー用板カム24で構成される。クランクリンク35は、前記のガイド部分6に沿って固定されたブロック38に回転自在に軸支され、一端が同ブロック38の頂面にガイドされたストッパー34に係合され、他端が連結リンク36と結合されている。したがって、ストッパー用板カム24が回転されると、ストッパー34は左右方向でパレット1の搬送経路に出入するように移動されて、パレット1の停止、および停止解除を行う(図6)。
【0018】
急速送り機構20は、上下送り機構39と前後送り機構40からなる。
上下送り機構39(図4)は、門形枠41、スライド体42、平行リンク43および垂直移動用の板カム26を有する。
【0019】
門形枠41は、前後の垂直ガイド棒44がスライド体42に軸支されているガイドローラー45に案内され、スライド体42に対して上下に移動可能とされている。門形枠41は、上枠に相当する部分がパレット1の載置係合体46とされ、下枠に相当する部分が走行体47とされている。走行体47は垂直ガイド棒44に緩衝用のスプリング48を介して取り付けられ、中央部にローラー49が軸支されている。垂直ガイド棒44は、天板33の長孔50を介して上方に突出し、載置係合体46はフリーフローコンベア2の搬送経路の直下でパレット1の中央部に前後方向に位置する(図6)。
なお、この実施例において載置係合体46は隣接した2枚のパレット1を一度に載置係合することができる。
【0020】
スライド体42は、筐体23の内部で前後方向に橋架されたガイドレール51に嵌挿されて前後に移動が可能とされている。したがって、門形枠41は全体が前後に移動可能である。
平行リンク43は門形枠41の下部に位置して上辺リンク52の前後が揺動リンク53,54の上端に結合されている。揺動リンク53,54は平行に配置され、下辺リンクとしてのスライド体42に回動可能に支持されている。また、後方の揺動リンク54はカムフォロアを有して作動レバーをかねており、垂直移動用板カム26に接している。上辺リンク52の上面には前記の走行体47におけるローラー49が支持されている。
【0021】
前後送り機構40は(図5)、スライド体42とガイドレール51、カムフォロアを有するれはー55および水平移動用板カム25で構成され、カムフォロア55の上端はスライド体42に係合されている。
したがって、モーター29が駆動されると板カム25、26によってスライド体42が前後に移動されると同時に門形枠41が上下に移動される。板カム25、26のタイミングによって、載置係合体46に上方移動(パレットの突き上げ)・前方移動(パレットを作業位置、検査位置に送り込む)・その位置での停止・下降移動(パレットの解放)・後方移動のボックス運動をさせることができる。
【0022】
このボックス運動は、さらに、ストッパー機構19の運動ともタイミングを取って、載置係合体46が上方移動して停止位置Aのパレット1を係合する寸前に、ストッパー34がパレット1を解放し、パレット1が載置係合体46によって前方の作業位置Bへ送り込まれるようにされている。なお、このとき作業位置Bにあったパレット1は検査位置Cに送られ、検査位置Cにあったパレット1はコンベアベルト2の送りベルトニット4で作業ステーションSから運び出され、次の作業ステーションに向かう。
【0023】
位置決め機構21はストッパー機構19と類似しており、作業位置Bに配置された位置決め板56(図6)、クランクリンク57、連結リンク58、カムフォロアを有するレバー59および位置決め用板カム27で構成されており、位置決め用板カム27が回転されると、位置決め板56は左右方向でパレット1の搬送経路に出入するように移動されて、作業位置Bに送り込まれたパレット1を設定された箇所に正しく位置決めする。
【0024】
クランプ機構22は、必要に応じて配置されるもので、クランプ用カム板28のみを示して具体的構成を省略しているが、載置係合体46が前方に移動してパレット1を作業位置B、検査位置Cに送り込んだ直後のタイミングで作動し、作業位置B、検査位置Cにあるパレット1をガイド部分6に押し付けて、作業および検査の間、パレット1を固定する。
【0025】
以上の構成であって、フリーフローコンベア2に載って搬送されてきたパレット1は作業ステーションSの停止位置Aでストッパー34により停止され、作業位置Bに送り込まれるのを待機する。そして、ストッパー34が解除されるとほぼ同時に先頭のパレット1が急速送り機構20で作業位置Bに送り込まれる。この送り込み作業は、急速に行われるので、きわめて高速に、かつ、正確に行うことができる。この点、実施例の急速送り機構20のように純粋に機械的なカム機構は、信号処理をして指令を出す電子制御のように応答時間を必要としないので最適の構造である。これにより、送り込みに要する時間を短くして作業のサイクルタイムを短縮することができる。
【0026】
作業位置Bに送り込まれたパレット1は、位置決め板56で位置決めされ、パレット1上のワークに対して作業が行われる。
位置決め板56の作動とほぼ同時にストッパー34が再び作動して後続のパレット1を停止位置Aに阻止し待機させる。また、前回に作業位置Bにあったパレット1は検査位置Cに移動して今回の作業後の状態について検査を受ける。
【0027】
ついで、急速送り機構20の門形枠41が下降して作業位置B、検査位置Cのパレット1を送りベルトコンベア4上に載置する。検査位置Cのパレット1は次の作業ステーションに搬送され、作業位置Bのパレット1は再び急速送り機構20で検査位置Cに移動される。これらは同時に行われるので、検査のためにパレット1を停止させ、位置決めする時間を別途に必要としない。なお、検査位置Cでの検査結果が不良の場合には、次の作業ステーションではワークに対する作業を回避させることができる。
【0028】
このように、このフリーフローコンベア2は、パレット拘束送り装置18を備えることによって、搬送経路上でストッパー34によって停止されているパレット1を、ストッパー34の解除後、送りベルトユニット4による実質的な送り込みが機能する前に、素早く作業位置に送り込むことができる。そして、フリーフローコンベア2は、作業位置Bでの作業中に後続パレット1をストッパー34まで送れば良く、コンベア2の送り速度は遅くて良い。
【0029】
以上は実施例であって、本発明は図示された具体的構成に限定されない。フリーフローコンベア2の滑り伝動手段は、プーリーと伝動軸間で滑りを生じるような他の構造であってもよく、パレット拘束送り装置18の駆動機構は板カム以外のタイミング機構を用いるものであっても良い。
検査位置Cは作業位置Bでの作業に引き続き行われる第2の作業位置とすることもできる。
【0030】
【発明の効果】
フリーフローコンベアにおいてパレットの停止位置から作業位置への送り時間を短縮できるので、作業のサイクルタイムを短縮することができる。
パレットを停止位置から作業位置へ確実に、かつ、正確に移動させることができる。
パレット拘束送り装置に作業位置に隣接した検査位置を配置することにより、フリーフローコンベアにおいて、検査のために要していた別途のパレットの停止、位置決め機構を省略して構成を簡素にし、また、コストの低減を図ることができる。さらに、検査の結果を利用して不合格のワークに対して次の作業を回避させる手段を取ることができ、不合格ワークに対する作業機器の無駄な作動を避けられる。
【0031】
パレット拘束送り装置は、フリーフローコンベアにおいて、作業ステーションにおけるピックアンドプレースなどの作業機器と分離されているので、作業機の作業内容によってフリーフローコンベアの使用が制限されることがなく、パレット搬送装置としての汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】フリーフローコンベアを機構的に示した正面図。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図。
【図3】パレット拘束送り装置の概略を示す側面図。
【図4】急速送り機構の垂直移動部分を概略で示す正面図。
【図5】急速送り機構の水平移動部分を概略で示す正面図。
【図6】パレット拘束送り装置の主要部を示す平面図。
【符号の説明】
1 パレット
2 フリーフローコンベア
4 送りベルトユニット
5 駆動ユニット
18 パレット拘束送り装置
19 ストッパー機構
20 急速送り機構
21 位置決め機構
34 ストッパー
39 上下送り機構
40 前後送り機構
41 門形枠
46 載置係合体
56 位置決め板
Claims (2)
- フリーフローコンベアによりパレット搬送経路が形成され、搬送経路に設定された作業ステーション位置に、パレットの移動を阻止するストッパーとストッパーに阻止されたパレットを所定のタイミングで前方の作業位置へ送り込む急速送り機構を有するパレット拘束送り装置が配置されており、ストッパーの作動とタイミング及び急速送り機構の作動とタイミングを1本の主軸に取り付けたそれぞれの板カムとレバーからなる機構によるものとし、急速送り機構は、前記の板カムによって駆動される上下送り機構と前後送り機構の組み合わせとしてあることを特徴としたパレット搬送装置。
- 作業ステーションに作業位置とこれに隣接した前方に検査位置が設定されており、急速送り機構は、作業位置にあるパレットとその後方のパレットを同時にそれぞれ前方の検査位置と作業位置に送る機構を備えたものであることを特徴とした請求項1に記載のパレット搬送装置。
Priority Applications (1)
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JP29385693A JP3541406B2 (ja) | 1993-11-01 | 1993-11-01 | パレット搬送装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JPH07125839A JPH07125839A (ja) | 1995-05-16 |
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JP29385693A Expired - Fee Related JP3541406B2 (ja) | 1993-11-01 | 1993-11-01 | パレット搬送装置 |
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- 1993-11-01 JP JP29385693A patent/JP3541406B2/ja not_active Expired - Fee Related
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