JPH0736792U - 車両用アームレスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用位置の調整を一旦行えば、再調整するこ
となく収納位置から使用位置に回動することができる。 【構成】 支軸１にその中心から距離が長くなる階段状
のステップ４を設けたカム３を固定する。アーム２には
支軸１中心に向けて進退可能な調整シャフト５を設け
る。アーム２を収納位置から回動すると、シャフト５が
その進出量に応じて一のステップ４に当接係合し、アー
ム２の回動角度が規制されアーム２が使用位置に位置決
めされる。アーム２を上方へ回動すると、調整シャフト
５はいずれのステップ４にも当接することなく収納位置
に戻される。再度アーム２を下方へ回動すると、さきに
調整された調整シャフト５が同じステップ４に当接して
同じ使用位置に戻る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両用シートのアームレストに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から車両用シートのシートバックの側面に固定された支軸にアームの基端 が回動可能に取り付けられた車両用アームレストが知られている。この従来のア ームレストにおいては、シートバックの側面に沿う収納位置から、アームを回動 してその使用位置に保持できるようにされている。また、その際使用位置を回動 角度を調整することによって調整可能とされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のアームレストでは、その使用角度が調整されても、収納位置に 戻した上で再度使用位置へ戻すと、その使用位置の調整が解除されて、再び調整 し直なおさなければならない煩わしさがあった。 また、使用位置にあるアームが車両の振動などによって、収納位置側に回動す る力が加わると、この力によりアームが回動してしまい、使い勝手の悪いアーム レストとなっていた。

【０００４】 そこで、請求項１記載の考案では、使用位置の調整を一旦行なえば、再調整す ること無く収納位置から使用位置に回動することのできる車両用アームレストと することを目的としている。 請求項２記載の考案では、請求項１の考案の目的に加えて、アームを使用位置 に容易に固定できる車両用アームレストとすることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、請求項１記載の考案では、シートバックの側面に固定された支軸にア ームの後部が回動可能に取付けられた車両用アームレストにおいて、前記支軸に はこの中心からの距離が長くなる階段状のステップを設けたカムが固定され、ま た、前記アームにはその支軸中心に向けて調整シャフトが進退可能に設けられ、 この調整シャフトの先端側面が前記ステップの一段に係合してアームの回動を規 制する構成としている。 請求項２記載の考案では、調整シャフトに雄ネジ部を形成し、これに螺合する ナットをアームに固着して、調整シャフトの先端面をステップへ押圧保持可能と した構成としている。

【０００６】

【作用】

請求項１記載の車両用アームレストにおいては、調整シャフトの進出量を調整 する。ステップは支軸の中心からその距離が長くなるように階段状に設けられて いるために、アームを収容位置から回動すると、その進出量に応じた一段のステ ップに調整シャフトの先端側部が当接係合する。これによりアームの回動角度が 規制され、アームがその使用位置に位置決めされる。 アームを上方に回動すると、調整シャフトの先端側部はいずれのステップにも 当接すること無く収納位置に戻される。そして、再度アームを下方へ回動すると 、先に調整された調整シャフトの先端側部が同じステップに当接して、同じ使用 位置に戻る。

【０００７】 請求項２記載の車両用アームレストにおいては、アームが使用位置にある際に 調整シャフトを捻ると、アームに固定されたナット内を雄ネジ部が回転して進出 して、調整シャフトの先端面がステップを押圧して、固定する。

【０００８】

【考案の効果】

請求項１記載の考案においては、調整シャフトの先端側部がその進出量に応じ た一段のステップに当接係合するので、収容位置に戻した上で再びアームを回動 すれば、調整された元の使用位置に戻すことができるという効果を奏する。

【０００９】 請求項２記載の考案においては、調整シャフトの進退を、調整シャフトに設け た雄ネジ部に螺合するナットにより行なうので、アームが使用位置にある際に、 調整シャフトを捻るだけで、調整シャフトの先端面をステップへ押圧すればアー ムを固定することができるという効果を奏する。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案を車両のシートに設けたアームレストに適用した実施例につい て、図１、図２を参照して説明する。 図示しないシートのシートバックの側面には、図１に示すように、支軸１が側 方へ突設されており、この支軸１には肘掛け用のアーム２の後端部が回動可能に 取付けられている。このアーム２は、硬質プラスチックによる筺体とされている 。

【００１１】 支軸１には円盤状のカム３が固設されている。このカム３の外周面には図１に おいて上部面にその中心からの距離が短い小径部３ａと段差１０により距離の長 い大径部３ｂとが設けられ、また、左側面にかけて、小刻みの段差面４ｂにより 円周面４ａが階段状に距離の長くなる複数（この実施例にでは７つ）のステップ ４が連続して設けられて、大径部３ｂに連続している（図２参照）。

【００１２】 また、アーム２の前部には取付孔１１が形成されるとともに、カム３の近傍に ナットプレート７が取付ネジ７ａによってアーム２に固着され、ナットプレート ７にナット８が溶着されている。この取付孔１１に挿通される調整シャフト５は 、基部に摘み９が設けられるとともに、先端側にナット８に螺合する雄ネジ部６ が設けられており、その先端が当接部５ａとされている。この調整シャフト５の 先端は取付孔１１からアーム２内に挿入されて、ナット８に螺着されて、その当 接部５ａがカム３の外周へ接離するように進退可能に取付けられている。これに より、摘み９を回動すると、雄ネジ部６とナット８との螺合により、調整シャフ ト５は、カム３の中心に向かって進退して、ステップ４の円周面４ａに当接可能 とされている。

【００１３】 このように構成されたこの実施例において、図１に二点鎖線によって示されて いるアームレストを使用しない場合のシートバックの側面に沿う起立した収容位 置（Ｉ）にあるとする。この状態では、調整シャフト５の先端に形成された当接 部５ａの側面は、段差１０に当接してこの収容位置以上に後方に傾動しない。

【００１４】 次にアーム２を使用位置へ回動し、この位置を保持しておいて、摘み９を捻っ て調整シャフト５を前進させる。当接部５ａが複数のステップ４の内の使用位置 における一段のステップ４の円周面４ａに軽く当接するまで捻る。これにより、 その特定のステップ４の段差面４ｂに当接部５ａの側面が当接して、アーム２を これ以上回動することが規制されて、図１に実線により示される使用位置に保持 される。

【００１５】 その後、アーム２の先端を上方へ持ち上げると、調整シャフト５がステップ４ から離脱し、当接部５ａが段差１０に当接するまで回動されてアーム２は収納位 置Ｉに収納される。この回動の途中の各ステップ４は、円周面４ａが短いので、 調整シャフト５を調節しなくとも、回動することができる。

【００１６】 再び使用位置に戻す場合には、調整シャフト５を調整すること無くアーム２を 前方に回動すると、当接部５ａが収納前と同じステップ４の段差面４ｂに当接し て、アーム２は調整された使用位置に戻される。 また、使用位置において、摘み９を更に捻って進出すると、当接部５ａの先端 面がそのステップ４の円周面４ａに圧接して固定される。これにより、アーム２ が不容易に上方に傾動してしまうことが防止される。

【００１７】 この実施例においては、摘み９を調整して、一度使用位置を定めれば、アーム レストを使用したり使用しなかったりする際に、単にフレーム２を持ち上げたり 、倒したりするだけでその各位置とすることができるので、使用位置に傾動する 毎にその使用位置を調整しなければならない煩わしさが解消される。 また、摘み９を捻って、調整シャフト５を僅かに進出するだけでアーム２を固 定することができて便利である。なお、この実施例では調整シャフト５を位置決 め手段と固定手段として兼用しているので、簡素な構造とされている。

【００１８】 以上説明したように、この考案は、階段状のステップを設けたカムの円周面に 向けて設けられた調整シャフトをその進退を調整することによりこの調整シャフ トの先端側面をステップの一段に係合してアームの回動を規制することをその要 旨としており、この要旨に反しない範囲で実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 要部の概略断面図である。

【図２】 図１の部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１…支軸 ２…アーム ３…カム ４…ステップ ５…調整シャフト ６…雄ネジ部 ８…ナット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックの側面に固定された支軸に
   アームの後部が回動可能に取付けられた車両用アームレ
   ストにおいて、 前記支軸にはこの中心からの距離が長くなる階段状のス
   テップを設けたカムが固定され、また、前記アームには
   その支軸中心に向けて調整シャフトが進退可能に設けら
   れ、この調整シャフトの先端側面が前記ステップの一段
   に係合してアームの回動を規制することを特徴とする車
   両用アームレスト。
2. 【請求項２】 調整シャフトに雄ネジ部を形成し、これ
   に螺合するナットをアームに固着して、調整シャフトの
   先端面をステップへ押圧保持可能としたことを特徴とす
   る請求項１記載の車両用アームレスト。