JPH0736217A - トナー - Google Patents

トナー

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JPH0736217A
JPH0736217A JP5196744A JP19674493A JPH0736217A JP H0736217 A JPH0736217 A JP H0736217A JP 5196744 A JP5196744 A JP 5196744A JP 19674493 A JP19674493 A JP 19674493A JP H0736217 A JPH0736217 A JP H0736217A
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JP
Japan
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toner
acid
charging
resin
monomer
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Application number
JP5196744A
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English (en)
Inventor
Kenji Okado
岡戸  謙次
剛 ▼瀧▲口
Takeshi Takiguchi
Toshiyuki Ukai
俊幸 鵜飼
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 オゾンレス接触帯電システムにおいても、高
解像度、高精細でかつ高画質なコピー画像が得られるト
ナーの提供。 【構成】 (a)イソフタル酸などの2価の芳香族系酸
成分を25〜35mol%,(b)トリメリット酸など
の3価の芳香族系酸成分を2〜4mol%,(c)ドデ
セニルコハク酸などの2価の酸成分を12〜18mol
%,(d)プロポキシ化などしたエーテル化ジフェノー
ル成分を45〜60mol%含有する単量体組成物から
生成されたポリエステル樹脂を含有し、ポリエステル樹
脂の水酸基価が10〜20であり、Mwが13000〜
20000であり、Mnが5000〜8000、Mw/
Mnが2〜3.5である結着樹脂を含有する着色剤含有
樹脂粒子と、重量平均粒径が0.01〜0.2μm、疎
水化度20〜80%,400nmにおける光透過率が4
0%以上である酸化チタンを外添剤とすることからな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法におけるト
ナーに関するものである。更に詳しくは、外部より電圧
を印加した帯電部材を被帯電部材に接触させて帯電を行
う帯電工程を有する画像形成方法に供するトナーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置等における帯電手段
としてコロナ放電器が知られているが、コロナ放電器は
高電圧を印加しなければならない、オゾンの発生量が多
い等の問題点を有している。
【0003】そこで、最近ではコロナ放電器を利用しな
いで接触帯電手段を利用することが検討されている。具
体的には帯電部材である導電性ローラーに電圧を印加し
てローラーを被帯電体である感光体に接触させて感光体
表面を所定の電位に帯電させるものである。このような
接触帯電手段を用いればコロナ放電器と比較して低電圧
化がはかれ、オゾン発生量も減少する。
【0004】例えば、特公昭50−13661号公報に
おいては、芯金にナイロン又はポリウレタンゴムからな
る誘電体を被覆したローラーを使うことによって感光紙
を荷電する時に低電圧印加を可能にしている。
【0005】しかしながら、上記従来例において、芯金
にナイロンを被覆した時、ゴム等の弾性がないので被帯
電体と十分な接触を保つことができず、帯電不良を起こ
してしまう。一方、芯金にポリウレタンゴムを被覆する
と、ゴム系材料に含浸している軟化剤がしみ出てきて被
帯電体に感光体を使用すると帯電部材が当接部において
感光体停止時に感光体に固着する、あるいはその領域が
画像ボケを生じるという問題点があった。また、帯電部
材のゴム系材料中の軟化剤がしみ出てきて感光体表面に
付着すると、感光体が低抵抗化して画像流れが起きてひ
どい時には使用不能となったり感光体表面に残留したト
ナーが帯電部材の表面に付着し、フィルミング現象が発
生することがあった。そして、帯電部材表面に多量のト
ナーが固着すると帯電部材表面が絶縁化し帯電部材の帯
電能力が失われ感光体表面の帯電が不均一となり、画像
に影響が出てしまうという欠点があった。
【0006】一方、フルカラー電子写真法によるカラー
画像形成は一般に3原色であるイエロー,マゼンタ,シ
アンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色
を用いて色の再現を行うものである。
【0007】その一般的方法は、まず原稿からの光をト
ナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを
通して光導電層上に静電潜像を形成する。次いで現像、
転写工程を経てトナーは支持体に保持される。次いで前
述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わ
せつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、ただ一
回のみの定着によって最終のフルカラー画像が得られ
る。
【0008】この様な、複数回の現像を行い、定着工程
として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね
合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナ
ーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0009】すなわち、定着したカラートナーは、トナ
ー粒子による乱反射を出来る限り抑え、適度の光沢性や
つやが必要である。
【0010】また、トナー層の下層にある異なる色調の
トナー層を妨げない透明性を有し、色再現性の広いカラ
ートナーでなければならない。
【0011】これらを満足しうるカラートナーとして、
本出願人等は特開昭50−82442号公報,特開昭5
1−144625号公報,特開昭59−57256号公
報で新規なカラー用結着樹脂と着色剤の組み合わせを開
示してきた。
【0012】これら記載のカラートナーは、かなりのシ
ャープメルト性を有しており、シリコンオイル塗布が可
能なシリコーンゴムローラーとの組み合わせにおいて、
定着時完全溶融に近い状態までトナー形状が変化し、好
ましい光沢性及び色再現性が得られる。
【0013】また近年、複写機画像の高画質化への要求
が強くなっている。これに対して、トナーの粒径を細か
くして、高画質を目ざしているが、このトナーの小粒径
化によって、トナー相互の接触点が多くなり、トナーの
流動性が悪くなる。そのため、クリーニング工程でトナ
ーの凝集が起こり、クリーニング不良が発生しやすくな
る。
【0014】特に、オゾン発生レスのシステムとして注
目されている接触帯電工程を有する画像形成方法におい
ては、クリーニング工程で除去しきれなかったトナーが
帯電工程において、被帯電体に固着し、帯電不良を発生
してしまう。この傾向は、定着特性の良いシャープメル
ト性トナーにおいてより顕著である。
【0015】そこで、上記の問題点を改良すべく、種々
の方策が接触帯電部材で試みられており、例えば、帯電
部材表層に弾性層を設けたり離型層を設けたりしてい
る。確かに上述の方策で被帯電体への固着現象はかなり
軽減されはしたが、長期にわたって、かつ種々の環境で
安定な帯電工程を達するためにはトナーの改良なくして
は困難であることがわかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑
みなされたもので、トナーの帯電部材表面への固着を防
ぎトナーの被帯電体へのフィルミングによる帯電不良や
帯電ムラを起こさない帯電工程と、高解像度、高精細な
画像が得られ、且つ現像,転写及びクリーニング工程を
経た後、被帯電体上に残留することが極めて少なく、帯
電部材表面にも被帯電体表面にも固着の生じないトナー
を用いた現像工程,転写工程及びクリーニング工程を有
する画像形成方法に供するトナーを提供することを目的
とする。
【0017】さらに本発明の目的は、フルカラー複写に
おいて、 良好な定着性及び混色性を示し、 充分な摩擦帯電性を有し、 画像品質を著しく高める光沢性が高く、 繰り返し複写してもキャリアスペントしにくく耐久
性に優れており、 高温オフセットが十分に防止され、定着可能温度域
が広く、 繰り返しの定着通紙によっても耐オフセット性が維
持される、 カラートナーを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】その特徴とする
ところは、導電性ゴム層とその外側に離型性被膜を有
する帯電部材に外部より電圧を印加し感光体に接触帯電
を行う帯電工程、感光体をトナーで現像を行う現像工
程、転写工程、及びクリーニング工程を有する画像
形成方法に供するトナーが、少なくとも結着樹脂を含有
する着色剤含有樹脂粒子と外添剤からなり、該結着樹脂
が、下記成分(a),(b),(c)及び(d) (a)イソフタル酸,テレフタル酸及びその誘導体より
選ばれた2価の芳香族系酸成分(a)を全モノマー量の
25〜35mol%,(b)トリメリット酸及びその誘
導体より選ばれた3価の芳香族系酸成分(b)を全モノ
マー量の2〜4mol%,(c)ドデセニルコハク酸,
オクチルコハク酸及びその無水物より少なくとも選ばれ
た2価の酸成分(c)を全モノマー量の12〜18mo
l%,(d)プロポキシ化、又は/及びエトキシ化した
エーテル化ジフェノール成分(d)を全モノマー量の4
5〜60mol%を少なくとも含有する単量体組成物か
ら生成されたポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステ
ル樹脂の水酸基価が10〜20であり、重量平均分子量
が13,000〜20,000であり、数平均分子量が
5,000〜8,000であり、重量平均分子量(M
w)/数平均分子量(Mn)の比が2〜3.5であり、
該外添剤が、少なくとも重量平均粒径0.01〜0.2
μm,疎水化度20〜80%,400nmにおける光透
過率が40%以上である疎水化処理された酸化チタンで
あることを特徴とするトナーにあり、さらには、前記外
添剤が、前記酸化チタン(A)と、重量平均粒径0.0
2〜0.5μmの有機樹脂粒子(B)とを含有し、それ
らの比率(A:B)が2:1〜10:1であることを特
徴とする上記のトナーにある。
【0019】本発明では、トナー用結着樹脂としての組
成、物性について種々検討した結果、水酸基価10〜2
0,Mw13,000〜20,000,Mn5,000
〜8,000,Mw/Mn2〜3.5である特定のモノ
マー組成を有するポリエステル樹脂が、定着性向上、お
よび帯電工程におけるトナー固着防止に有効であること
を見出した。
【0020】さらに、トナーを小径化した場合も、上記
ポリエステル樹脂からなるトナーは流動性に優れ、かつ
クリーニング特性に優れ、本発明の帯電工程の安定化に
より一層効果的である。
【0021】従来より、トナー用ポリエステル樹脂とし
ては種々提案されている。例えば、特開昭47−123
34号公報,特開昭57−37353号公報,特開昭5
7−208559号公報においては、エーテル化ビスフ
ェノール単量体と、ジカルボン酸単量体と、3価以上の
多価アルコール単量体及び/又は3価以上の多価カルボ
ン酸単量体を含む単量体成分とより得られる非線状共重
合体よりなるポリエステルをバインダーとして含有する
トナーが提案されているが、斯かる技術は、エーテル化
ビスフェノール単量体とジカルボン酸単量体とよりなる
ポリエステルを、3価以上の多価アルコール単量体及び
/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含む多量の単
量体成分により架橋することによって得られるポリエス
テルをバインダーとして含有させることによりトナーに
オフセット防止性能を有せしめたものである。しかしな
がら斯かるトナーにおいては、その軟化点が若干高く、
帯電工程におけるトナー固着に対しては有利であるが良
好な低温定着が困難であるし、また、フルカラー複写に
用いた場合は耐高温オフセット性に対しては、実用化し
うるレベルではあるが、上述のごとく定着性、シャープ
メルト性に難があるため、該ポリエステルを用いたフル
カラートナーの重ね合わせによる混色性や色再現性は望
むべくもない。また、特開昭57−109825号公報
や,特開昭62−78568号公報,特開昭62−78
569号公報など、さらに本出願人による特開昭59−
7960号公報,特開昭59−29256号公報におい
ては、エーテル化ビスフェノール単量体と、長鎖脂肪族
炭化水素を導入したジカルボン酸単量体やその他のジカ
ルボン酸単量体と、3価以上の多価アルコール単量体及
び/又は3価以上の多価カルボン酸単量体を含む単量体
成分とより得られる非線状共重合体であって、その側鎖
に炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水
素基を有するポリエステルをバインダーとして含有する
トナーを開示したが、これらのポリエステル樹脂は高速
複写用トナーを目的としたことが主であり、樹脂の粘弾
性特性としては、前述した粘性重視ポリエステルとはま
ったく逆に、弾性を強化し、ローラーへの高温オフセッ
トを著しく低下せしめたものである。そして、定着時、
熱ローラーの加圧及び加熱をできる限り高め、トナーを
半溶融の状態で転写紙の繊維の間へ押し込み、加圧、加
熱定着を行い、該目的を達成しようとするものである。
【0022】それゆえ、カラー複写に必要なトナー層が
溶融し連続皮膜を形成し、平滑面を得るということはほ
とんど出来ず、定着したトナーは、転写紙上で粒子状態
で存在し、得られるカラー画像はくすんだものとなり彩
度にとぼしい。OHP画像はトナー粒子表面で光が散
乱、拡散してしまいほとんど光を透過せず、実用的に使
用不能となってしまう。
【0023】また、本出願人等は特開平2−73366
号公報,特開平1−224776号公報において、耐高
温オフセット性にすぐれ、かつ、カラー複写に適用可能
な新規なポリエステル樹脂を提案したが、該樹脂はなる
ほど、従来のカラートナー用樹脂よりは勝っているが、
定着ローラーへのオフセット防止効果が発揮するのはせ
いぜい繰り返し複写2〜5万枚程度であり、白黒トナー
のオフセット防止効果は10万枚以上は充分にあり、現
状では数十万枚の耐刷性、耐オフセット性を有すること
から考えると、性能的にはさらに改善することが好まし
い。また、該ポリエステルはカラー複写における定着性
を第一義な課題として研究されたものであり、帯電的に
は低温低湿環境と高温高湿環境の間で帯電量の差が大き
く、繰り返し複写後のカラー画像において低湿側で濃度
が若干低くなる傾向があり、高湿側では、トナー飛散や
カブリが生ずることもある。さらに、帯電工程における
トナー固着はより発生しやすい。
【0024】また、特開昭62−195676号公報,
特開昭62−195678号公報,特開昭62−195
680号公報においては、水酸基価と酸価の比を規定し
たポリエステル樹脂を開示しているが、これらのポリエ
ステル樹脂もやはり、高速定着用を意図したものである
り、本発明者等の検討によると該樹脂を用いたカラート
ナーは十分な混色性を得る所までは到らなかった。
【0025】しかるに、本発明のカラートナーにおい
て、本発明のポリエステル樹脂は、線状ポリエステル樹
脂と非線状の架橋ポリエステル樹脂の両者の特質を合わ
せもった、いわば過渡的性格を有したものといえる。こ
れにより、カラートナーとして良好な混色性及び色再現
性が得られ、かつ、定着ローラーへの耐オフセット、帯
電工程でのトナー固着防止が得られたものと考える。
【0026】すなわち、本発明において好ましい特性が
得られる理由を以下のごとく推察する。
【0027】(i)架橋モノマー成分であるトリメリッ
ト酸を、2価の酸成分1分子及び2価のアルコール成分
の1分子縮合体が20〜30単位、繰り返した線状縮合
体鎖中に規則的にせいぜい1分子導入し、弱い架橋を形
成する。そして、その弱い架橋ではあるが、ポリエステ
ル中の縮合体全体を一つの3次元ポリマーとして構成す
る。これは単なる線状ポリエステルの混合物よりは、は
るかに耐オフセット性が向上する。しかし、本発明の架
橋レベルはポリエステル樹脂の熱による容易な可動性を
妨げない範囲内でもある。
【0028】(ii)ソフトセグメントを有する2価の
酸成分のその組成及び量を極めて限定することにより、
混色性、色再現性の良いフルカラー画像が得られかつ、
耐オフセット性に悪影響が生じないようにせしめてい
る。特徴(i)における弱い架橋縮合体中で、架橋酸成
分の量と該酸成分の量は自ずとバランスを保つように決
定され、多すぎると異常なシャープメルト性を発生し、
また、少なすぎるとカラー画像の光沢性や彩度の低下が
見られる。
【0029】本発明においては、3価のカルボン酸を必
須成分として使用しながら、分子量分布を通常の架橋結
着樹脂より狭く(Mw/Mn=2〜3.5、好ましくは
2.0〜3.0)することにより上記効果を達成し得
る。
【0030】(iii)その他の2価の酸成分をイソフ
タル酸もしくはテレフタル酸とし、極力、ポリマーの粘
性を低下させずに弾性を有する組成を選択している。こ
れに対し、脂肪族系の酸成分に変更すると分子鎖がリニ
アで、かつ長鎖となるため、熱により分子鎖が可動しや
すくなり、ポリマーとしては粘性的挙動をより示すこと
となり、定着ローラーへのオフセットはしやすくなる。
【0031】(iv)本発明のポリエステル樹脂の製造
条件を従来と変更し、樹脂の分子量分布を出来る限り、
シャープで狭い分布となるように特に調整している。ポ
リエステル中の縮合体の分子鎖の分布を狭い範囲で均一
化せしめることは、カラートナーにおける混色性と耐オ
フセット性を両立せしめる上で重要なことである。すな
わち、分子量の小さい分子鎖の短い縮合体は加熱によっ
てたやすく、分子主鎖が動き、逆に高分子量の分子鎖の
長い縮合体は、その熱エネルギーではほとんど動かな
い。そのアンバランスがポリエステル樹脂中で存在する
と、該樹脂を用いたカラートナーが低い温度の定着ロー
ラーを通過する場合、低分子の縮合体はすみやかに溶融
し、定着及び混色するような挙動を示し、かつ高分子の
縮合体はほとんど溶けないという現象が発生する。
【0032】一方、高分子が溶融するほどの高温を定着
ローラーに加えると、低分子はまったく弾性を有しない
粘性体として挙動し、高温オフセットの素因をつくるこ
とになる。
【0033】それゆえ、とりわけカラートナーにあって
は、比較的シャープメルト性を有しつつ、かつ、トナー
を構成するポリエステル樹脂の分子間凝集を高めるため
に、重量平均分子量と数平均分子量の比をできるだけ小
さくすることが必要である。これは、白黒トナーで論ず
る以上の重要な特質である。
【0034】(v)特徴(iv)においては、ポリエス
テル樹脂の製造条件の変更は、分子量分布の制御にとっ
て不可欠であることは述べたが、さらに、水酸基価の値
をある範囲に収めるためにもこの製造条件は必要であ
る。水酸基価は樹脂の水和性の目安となり、カラートナ
ーの帯電性を左右する重要な因子であり、該値が大きす
ぎても小さすぎても好ましい帯電特性が得られない。
【0035】この水酸基価の値は、本発明のポリエステ
ル樹脂を構成するその組成を製造条件によってのみ決定
される。しかるにカラートナーの混色性、色再現性と耐
オフセット性を満たす定着特性と帯電特性の両特性を併
立するためには、(i)乃至(v)の諸条件を満足して
いなければならない。
【0036】本発明のモノマー組成等は一見従来技術と
類似していると見ることが出来るが、本発明の真のねら
い、及び達成した技術到達点は、従来のポリエステル樹
脂、及びカラートナーでは達し得なかったものである。
【0037】それゆえ本発明において、モノマー成分、
組成比、及び諸物性は本発明が開示した以外の範囲で
は、本発明の目的は達成することは極めて困難である。
【0038】本発明において好ましいエーテル化ジフェ
ノールはエーテル化ビスフェノールである。好ましいエ
ーテル化ビスフェノールはエトキシ化又はプロポキシ化
されたものであり、ビスフェノール1モルあたり2ない
し3モルのオキシエチレン又はオキシプロピレンを有し
たものである。
【0039】例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンである。
【0040】さらに本発明においては、外添剤として重
量平均粒径0.01〜0.2μm,疎水化度20〜80
%,400nmにおける光透過率が40%以上である疎
水化処理された酸化チタン(A)であること、さらには
該外添剤が重量平均粒径0.02〜0.5μmの有機樹
脂粒子(B)を含有し、前記酸化チタンとの比率(A:
B)が2:1〜10:1であることも一つの特徴であ
る。
【0041】すなわち、本発明においては、前述の結着
樹脂を使用することによって、トナーの帯電性,クリー
ニング性は格段に向上したものの、前述の外添剤による
トナー流動性,トナー帯電安定性の更なる向上なくして
は、例えばトラムヒーター等のない簡易なプリンターに
適用した場合、長期にわたって初期の特性を継続するこ
とが難しいことが判明した。
【0042】しかるに、前述の酸化チタンおよび有機樹
脂粒子を本発明の特定のポリエステル樹脂と組み合わせ
ることにより、ドラムヒーターのない系においても、極
めて有効であることを見出したのである。
【0043】本発明に特に好適な酸化チタンは、水系中
においてカップリング剤を加水分解しながら表面処理を
行った酸化チタンである。
【0044】これは、一般に知られている流動向上剤と
しての疎水性シリカでは達成できなかったものである。
【0045】その理由としては、シリカ微粒子がそれ自
身強いネガ帯電性であるのに対して、チタン微粒子はほ
ぼ中性の帯電性であることに起因する。従来より疎水性
酸化チタンを添加することが提案されているが、酸化チ
タン微粒子は本来表面活性がシリカに比べて小さく、疎
水化は必ずしも十分に行われていなかった。また処理剤
等を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用した場
合、疎水化度は確かに上がるものの、粒子同士の合一等
が生じ、流動性付与能が低下するなど、帯電の安定化と
流動性付与の両立は必ずしも達成されていなかった。
【0046】本発明において酸化チタンの処理方法とし
ては、水系中で酸化チタン微粒子を機械的に一次粒径と
なるよう分散しながらカップリング剤を加水分解しなが
ら表面処理するのが好ましく、気相中で処理する場合よ
りも、粒子同士の合一が生じにくく、また処理による粒
子間の帯電反発作用が働き、チタン微粒子はほぼ一次粒
子の状態で表面処理される。
【0047】本発明においては、カップリング剤を水系
中で加水分解しながら酸化チタン表面を処理する際、酸
化チタン微粒子を一次粒子に分散させるための機械的な
力を加えることで、クロロシラン類や、シラザン類のよ
うにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必
要もなく、さらに、これまで気相中では粒子同士が合一
して使用できなかった高粘性のカップリング剤も使用で
きるようになり、疎水化の効果は絶大である。
【0048】本発明に使用できるカップリング剤として
は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤でも
何でも良い。特に好ましく用いられるのはシランカップ
リング剤であり、一般式 RmSiYn R:アルコオキシ基 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水
素基 n:1〜3の整数 で表わされるものであり、例えばビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシル
トリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシ
ラン等を挙げることができる。
【0049】本発明において特に好適なのは、一般式 Cn2n+1−Si−(OCm2m+13 n=4〜12,m=1〜3である。
【0050】ここで一般式におけるnが4より小さい
と、処理は容易となるが疎水性が十分に達成できない。
またnが13より大きいと疎水性は十分になるが、酸化
チタン粒子同士の合一が多くなり、流動性付与能が低下
してしまう。またmは3より大きいと反応性が低下して
疎水化が十分に行われなくなってしまう。したがって本
発明において、nは4〜12、mは1〜3、好ましくは
1〜2が良い。
【0051】その処理量は酸化チタン100重量部に対
して1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%とし、
疎水化度を20〜80%、好ましくは40〜80%にす
れば良い。
【0052】すなわち、疎水化度は20%より小さい
と、高湿下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハ
ード側での帯電促進の機構が必要となり、装置の複雑化
となり、また疎水化度が80%を超えると、酸化チタン
自身の帯電コントロールが難しくなり、結果として低湿
下でトナーがチャージアップしてしまう。
【0053】また、その粒径は流動性付与の点から0.
01〜0.2μmが良い。粒径が0.2μmより大きい
と流動性不良によるトナー帯電が不均一となり、結果と
してトナー飛散,カブリが生じてしまう。
【0054】また、0.01μmより小さいとトナー表
面に埋め込まれやすくなり、トナー劣化が早く生じてし
まい、耐久性が逆に低下してしまう。この傾向は、本発
明に用いられるシャープメルト性のカラートナーにおい
てより顕著である。
【0055】さらに本発明においては、処理された酸化
チタンが固型分濃度0.1%でエタノール溶媒に分散さ
せた際の400nmの光長における光透過率が40%以
上であることも一つの特徴である。
【0056】すなわち、本発明の酸化チタンをフルカラ
ートナーとして使用した場合、可視光における透過性が
悪いと、OHPの投影像にかげりが生じ鮮明なものが得
られない。
【0057】尚、本発明における透過率の測定は島津製
作所製UV2200で行った。
【0058】また、トナーを小粒径化した場合にも前記
酸化チタンは好適である。トナーを小粒径化すると重量
あたりの表面積が増大し、摺擦による過剰帯電を生じや
すくなる。これに対して帯電を制御し、流動性を付与で
きる酸化チタン微粒子の効果は大きい。
【0059】本発明に使用される有機樹脂粒子として
は、着色剤含有樹脂粒子とは逆極性で、平均粒径0.5
〜0.02μm、好ましくは粒径0.2〜0.02μm
及び0.3〜0.8μmに2つのピークを持つ有機樹脂
粒子が好適である。
【0060】その理由としては、本発明によるトナーの
チャージアップが、前述の有機樹脂粒子によって中和さ
れるからである。
【0061】更に、この有機樹脂粒子を添加することに
より、トナーの帯電の立上りが促進され、初期から非常
に安定した帯電特性が達成される。
【0062】この理由は、未だ明確ではないが、以下の
ように推察される。すなわち、有機樹脂粒子はキャリア
の如き帯電付与部材とトナーの摺擦当初には、着色剤含
有樹脂粒子よりもむしろ帯電付与部材側に強く引きつけ
られ帯電している。それ故、逆極性の着色剤含有樹脂粒
子の帯電の立上がりが促進される。一方、一旦立ち上が
った後は、逆に帯電付与部材よりも着色剤含有樹脂粒子
に強く引きつけられ、過度の帯電を中和する機能が働き
したがって、本発明の構成のトナーは、帯電の立上がり
及び飽和帯電量レベルが種々の環境で良好且つ安定に維
持できるのである。
【0063】上記の作用をより一層効果的にするために
は、有機樹脂粒子の粒径は0.2〜0.02μm及び
0.3〜0.8μmに2つのピークを持つことが好まし
い。さらに大きい方のピークの存在比率としては、20
重量%以下、2重量部以上好ましくは、13重量%以
下、3重量%以上が良い。粒径が上記範囲より小さい
と、有機樹脂粒子は、着色剤含有樹脂粒子に強く付着し
すぎたり、埋め込まれたりして上述の効果が消失してし
まう。一方上記範囲より大きいと、分散が不均一となっ
たり、遊離したりして効果が消失してしまう。
【0064】本発明においては、その性能を確実に発揮
し、安定な負帯電性を有するためには、着色剤含有樹脂
粒子に対して0.1〜5.0重量%含有することが好ま
しい。
【0065】更に、トナーを小径化した場合も、前記の
有機樹脂粒子は好適である。
【0066】すなわち、トナーを小径化すると、トナー
とキャリアの接触点が増え、キャリアスペントが起こり
易くなったり、トナーとトナーの接触点が増え、トナー
ブロッキングが起こり易くなる。これに対して、有機樹
脂粒子として0.2〜0.02μmと適度な大きさの球
形の有機樹脂粒子が良好なスペーサーとなり、良い効果
を及ぼす。トナーブロッキングに対しては、逆極性樹脂
粒子の材質をトナー樹脂よりもガラス転移温度Tgの高
いものを用いると一層効果的である。
【0067】先に述べたように、逆極性の樹脂粒子をト
ナーに添加する例はいくつか見られ、例えば、特開昭5
4−45135号公報や、特公昭52−32256号公
報では、トナー粒子より小さな無色の樹脂粒子の添加が
提案されている。
【0068】しかし、これらの例では、トナーと逆極性
樹脂粒子は、別々に挙動し、現像時にトナーは潜像部に
付着するのに対して逆極性樹脂粒子は背景部に付着する
としている。
【0069】すなわち、逆極性樹脂粒子は、トナーの帯
電を助長する働きをしていることになる。しかしなが
ら、本発明では、トナー粒径に対して十分小さな逆極性
樹脂粒子を用い、最終的にトナーと強く付着させ、一体
となって現像し、転写残留物中に0.3〜0.8μmと
比較的狙い側の樹脂粒子を適度に残留させて、前述の無
機化合物との共存によってクリーニング性をより一層向
上させていることに特徴があるので前述の発明とは異な
るものである。
【0070】また特公平2−3172号公報等で、トナ
ーの帯電を低下させない目的のために、使用する系が提
案されているが、本発明ではむしろ帯電が過大になり易
い非磁性カラートナーに対して積極的に用いて帯電を下
げているものであり異なった発明である。
【0071】本発明に用いられる逆極性樹脂粒子を構成
するモノマーは特に限定されるものではないが、トナー
の帯電量等を考慮し選択する必要がある。本発明に用い
ることのできる付加重合性を有するモノマーの具体例と
して次の各モノマーを挙げることができる。
【0072】即ち、スチレン及びその誘導体、例えばメ
チルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルス
チレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシル
スチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如き
アルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、
ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンの
如きハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチ
ルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。
【0073】又、付加重合性不飽和カルボン酸類、即ち
アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、ク
ロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン
酸、イソクロトン酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸の如き
付加重合性不飽和樹脂族モノカルボン酸、又はマレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、グルタコン酸、ジヒドロムコン酸の如き付加重合性
不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
【0074】また、これらカルボン酸の金属塩化したも
のを用いることができ、この金属塩化は重合終了後に行
うことができる。
【0075】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸と
アルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、
アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコー
ル、アルケニルアルコールの如きアルコールとのエステ
ル化物等が挙げられる。そして、上記アルコールの具体
例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テ
トラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールの如き
アルキルアルコール;これらアルキルアルコールを一部
ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール;メトキ
シエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、エト
キシエトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアル
コール、エトキシプロピルアルコールの如きアルコキシ
アルキルアルコール;ベンジルアルコール、フェニルエ
チルアルコール、フェニルプロピルアルコールの如きア
タルキルアルコール;アリルアルコール、クロトニルア
ルコールの如きアルケニルアルコールが挙げられる。
【0076】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸よ
り誘導されるアミド及びニトリル;エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレンの如き脂肪族モノオレフィ
ン;塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、1,2ジ
クロルエチレン、1,2−ジブロムエチレン、1,2−
ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロ
ペニル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、弗
化ビニル、弗化ビニリデンの如きハロゲン化脂肪族オレ
フィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、3−メチ
ル−2,4−ヘキサジエンの如き共役ジエン系脂肪族ジ
オレフィンが挙げられる。
【0077】更に、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;
ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン等の含窒素ビニル化合物が挙げられる。
【0078】本発明に用いる逆極性樹脂粒子はこれらモ
ノマー1種又は2種以上を重合したものを用いることが
できる。
【0079】本発明に用いる逆極性樹脂粒子は1種類だ
けを用いることに限定されるものではなく、複数の種類
を併用することができる。
【0080】また、本発明に用いられる逆極性樹脂粒子
の製造方法としては、スプレードライ法,懸濁重合法,
乳化重合法,ソープフリー重合法,シード重合法,機械
粉砕法など、球形微粒子を製造できる方法ならどの方法
でも用いることができる。この中で特に適しているもの
として、残存乳化剤が皆無である為、トナーの帯電性を
阻害せず比電気抵抗の環境変動が少ないソープフリー重
合法が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0081】本発明に用いる樹脂粒子を2ピークにする
には、2種の粒子を乾式ブレンド或いは湿式ブレンド後
乾燥させても良いが、好ましくは、重合後にエマルジョ
ンの状態からの乾燥時に、一次粒子を適度に合一させ、
2ピークを達成することがより好ましい。更に必要に応
じて、熱処理あるいは解砕処理を施しても良い。
【0082】逆極性樹脂粒子は、必要に応じて粒子表面
処理を施しても良い。表面処理の方法としては、鉄,ニ
ッケル,コバルト,銅,亜鉛,金,銀等の金属を蒸着法
やメッキ等で表面処理する方法、又は上記金属や磁性
体、導電性酸化亜鉛等の金属酸化物などをイオン吸着
や、外添などにより固定させる方法、顔料又は染料、さ
らには重合体樹脂等々摩擦帯電可能な有機化合物をコー
ティングや外添などにより担持させても良い。
【0083】また、本発明に用いる逆極性樹脂粒子の分
子量分布は、ピーク分子量が1万〜500万の範囲にあ
るのが好ましく、より好ましくは、2万〜100万の範
囲にあるのが良い。ピーク分子量が500万より大きい
場合は、カラートナーの定着性に悪影響を与え、1万よ
りも小さい場合には、磁性粒子を汚染したり、耐ブロッ
キング性が悪くなる。
【0084】本発明においては、酸化チタン微粒子
(A),有機樹脂粒子(B)の添加量はA:Bが2:1
〜10:1であることが必要である。上記範囲外だと、
添加剤が不均一になったり、クリーニング特性,流動性
が損なわれてしまい好ましくない。
【0085】本発明に係るトナーには、荷電特性を安定
化するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナ
ーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が
好ましい。その際の負荷電制御剤としては例えばアルキ
ル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジ−tert−ブ
チルサリチル酸のクロム錯体又は亜鉛錯体)の如き有機
金属錯体が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合す
る場合には結着樹脂100重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加するのが良
い。
【0086】本発明の目的に適合する着色剤としては下
記の顔料または染料が挙げられる。尚、本発明において
耐光性の悪いC.I.Disperse Y164;
C.I.Solvent Y77及びC.I.Solv
ent Y93の如き着色剤は、推奨できないものであ
る。
【0087】染料としては、例えばC.I.ダイレクト
レッド1;C.I.ダイレクトレッド4;C.I.アシ
ッドレッド1;C.I.ベーシックレッド1;C.I.
モーダントレッド30;C.I.ダイレクトブルー1;
C.I.ダイレクトブルー2;C.I.アシッドブルー
9;C.I.アシッドブルー15;C.I.ベーシック
ブルー3;C.I.ベーシックブルー5;C.I.モー
ダントブルー7等がある。
【0088】顔料としては、ナフトールイエローS,ハ
ンザイエローG,パーマネントイエローNCG,パーマ
ネントオレンジGTR,ピラゾロンオレンジ,ベンジジ
ンオレンジG,パーマネントレッド4R,ウオッチング
レッドカルシウム塩,ブリリアントカーミン3B,ファ
ストバイオレットB,メチルバイオレットレーキ,フタ
ロシアニンブルー,ファーストスカイブルー,インダン
スレンブルーBC等がある。
【0089】好ましくは顔料としてはジスアゾイエロ
ー,不溶性アゾ顔料,銅フタロシアニン,染料としては
塩基性染料,油溶性染料が適している。
【0090】特に好ましくはC.I.ピグメントイエロ
ー17;C.I.ピグメントイエロー15;C.I.ピ
グメントイエロー13;C.I.ピグメントイエロー1
4;C.I.ピグメントイエロー12;C.I.ピグメ
ントレッド5;C.I.ピグメントレッド3;C.I.
ピグメントレッド2;C.I.ピグメントレッド6;
C.I.ピグメントレッド7;C.I.ピグメントブル
ー15;C.I.ピグメントブルー16または下記で示
される構造式(I)を有する、フタロシアニン骨格に置
換基を2〜3個置換した銅フタロシアニン系顔料などで
ある。
【0091】
【化1】
【0092】染料としては、C.I.ソルベントレッド
49;C.I.ソルベントレッド52;C.I.ソルベ
ントレッド109;C.I.ベイシックレッド12;
C.I.ベイシックレッド1;C.I.ベイシックレッ
ド3bなどである。
【0093】その含有量としては、OHPフィルムの透
過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、
結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、
好ましくは0.5〜7重量部が好ましい。
【0094】12重量部を超えると、イエローの混合色
であるグリーン,レッド,また、画像としては人間の肌
色の再現性に劣る。
【0095】その他のマゼンタ,シアンのカラートナー
については、結着樹脂100重量部に対しては15重量
部以下、より好ましくは0.1〜9重量部が好ましい。
【0096】本発明のトナーを二成分現像剤として使用
する場合使用されるキャリアとしては、例えば表面酸化
または未酸化の鉄,ニッケル,銅,亜鉛,コバルト,マ
ンガン,クロム,希土類等の金属及びそれらの合金また
は酸化物及び磁性フェライトなどが使用できる。またそ
の製造方法として特別な制約はない。
【0097】また、上記キャリアの表面を樹脂等で浸漬
する系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の
被覆材を溶解剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキ
ャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法
等、従来公知の方法がいずれも適用できる。
【0098】キャリア表面への被覆樹脂はトナー材料、
キャリア芯材材料により適宜選択されるが、キャリア芯
材表面との接着性を向上するために、少なくともアクリ
ル酸(又はそのエステル)単量体およびメタクリル酸
(又はそのエステル)単量体から選ばれる少なくとも一
種の単量体を含有することが望ましい。
【0099】キャリア芯材の被覆樹脂用モノマーとして
は、スチレン系モノマーとしては、例えばスチレンモノ
マー、クロロスチレンモノマー、α−メチルスチレンモ
ノマー、スチレン−クロロスチレンモノマーなどがあ
り、アクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸エ
ステルモノマー(アクリル酸メチルモノマー、アクリル
酸エチルモノマー、アクリル酸ブチルモノマー、アクリ
ル酸オクチルモノマー、アクリル酸フェニルモノマー、
アクリル酸2エチルヘキシルモノマー)などがあり、メ
タクリル酸エステルモノマー(メタクリル酸メチルモノ
マー、メタクリル酸エチルモノマー、メタクリル酸ブチ
ルモノマー、メタクリル酸フェニルモノマー)などがあ
る。
【0100】キャリア芯材としては、例えば表面酸化又
は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガ
ン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化
物などが使用できる。また、その製造方法として特別な
制約はない。
【0101】上記の化合物の処理は、一般的には総量で
キャリア芯材に対し0.1〜30重量%(好ましくは
0.5〜20重量%)が好ましい。
【0102】これらキャリアの平均粒径は20〜100
μm、好ましくは25〜70μm、より好ましくは25
〜65μmを有することが好ましい。さらに、250メ
ッシュパス,350メッシュオンのキャリア粒子が70
重量%以上あることが好ましい。
【0103】上記コートキャリアは粒径分布がシャープ
であり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦帯電性が得
られ、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
【0104】本発明に係るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、1重量%〜15重量%、好ましくは2重量%
〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナ
ー濃度が1重量%未満では画像濃度が低くなり、15重
量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤
の耐用寿命を短縮しがちである。
【0105】本発明に係る各物性値の測定方法を以下に
述べる。
【0106】(1)ガラス転移温度Tgの測定:本発明
に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、D
SC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。
【0107】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0108】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、先ず前履歴を消去する目
的で、次の操作を行う。N2 雰囲気下で室温から200
℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間
保つ。その後急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で
10分間保つ。その後、昇温速度10℃/minで、2
00℃まで昇温する。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲に於るメインピークの吸熱ピークが得られ
る。
【0109】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ペースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於るガラス転移温度Tgとする(図1参照)。
【0110】(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn)の測定:本発明に於ては、HLC−802
A型(東洋ソーダ社製)を用いてMw及びMnを測定す
る。カラムは東洋ソーダ工業社製TSKgel GMH
6×2を使用し、溶媒はTHFを用いる。検出器は、
RI(屈折率)を使用し、試料は濃度0.5%で、注入
量200μlで注入する。
【0111】試料の分子量は、試料の有する分子量分布
を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製した検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
【0112】検量線作成用の標準ポリスチレン試料とし
ては、例えば、PressureChemical C
o.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104
5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105
8.6×105 ,2×106 ,4.48×106 のもの
を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料
を用いるのが適当である。
【0113】(3)水酸基価の測定:JIS K007
に示される方法に準じて、下記方法により測定する。
【0114】200ml三角フラスコに試料6gを1m
g単位で精秤し、無水酢酸/ピリジン=1/4の混合溶
液を5mlホールピペットで加え、更にピリジン25m
lをメスシリンダーで加える。三角フラスコ口に冷却器
を取り付け、100℃のオイルバス中で90分反応させ
る。
【0115】蒸留水3mlを冷却器上部から加えてよく
振とうし10分間放置する。冷却器をつけたまま三角フ
ラスコをオイルバスから引き上げて放冷し、約30℃に
なれば冷却器上部口から少量のアセトン(10ml程
度)で冷却器およびフラスコ口を洗浄する。THF50
mlをメスシリンダーで加えフェノールフタレインのア
ルコール溶液を指示薬としてN/2KOH−THF溶液
で50ml(目量0.1ml)のビュレットを用いて中
和滴定する。中和終点直前に中性アルコール25ml
(メタノール/アセトン=1/1容量比)を加え溶液が
微紅色を呈するまで滴定を行う。同時に空試験も行う。
【0116】次いで、下式に従って水酸基価を求める。
【0117】
【数1】
【0118】ここに A:本試験に要したN/2KOH
−THF溶液のml数 B:空試験に要したN/2KOH−THF溶液のml数 f:N/2KOH−THF溶液の力価 S:試料採取量(g) C:酸価またはアルカリ価。ただし酸価はプラスしアル
カリ価はマイナスする。2個の測定値の平均値を採用す
る。
【0119】(4)グロス(光沢度)測定法:VG−1
0型光沢度計(日本電色製)を用い、色度測定に用いた
各ベタ画像を試料として、測定を行う。測定としては、
まず定電圧装置により6Vにセットする。次いで投光角
度、受光角度をそれぞれ60°に合わせる。0点調整及
び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料
画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、
標示部に示される数値を%単位で読みとる。この時S,
S/10切替SWはSに合わせ、角度、感度切替SWは
45−60に合わせる。尚、画像濃度は1.5±0.1
の試料を使用する。
【0120】(5)トナーの粒度分布の測定方法:トナ
ーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発
明においてはコールターカウンターを用いて行った。
【0121】即ち、測定装置としてはコールターカウン
ターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分
布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を
接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液
100〜150ml中の分散剤として界面活性剤、好ま
しくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml
加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁
した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターカウンターTA−II型により、ア
パチャーとして100μmアパチャーを用いて、個数を
基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して求
めた。
【0122】(6)外添剤の粒度測定方法: 装置 測定装置としてコールターカウンターN4型及び分散用
超音波発生機として(株)トミー精工UD−200型を
使用する。
【0123】方法 微量の界面活性剤を加えた蒸留水30〜50ml中に適
量の試料を投入し、上記超音波発生機を用いて出力2〜
6で2〜5分間程度分散させる。試料の分散した懸濁液
をセルに移し、気泡が抜けるのを待って、あらかじめ測
定温度を50℃に設定しておいた上記コールターカウン
ターにセットする。試料を定温にする為10〜20分経
過した後測定を開始し、体積平均粒度分布を求める。
【0124】(7)疎水化度測定:メタノール滴定試験
は、疎水化された表面を有する酸化チタン微粉体の疎水
化度を確認する実験的試験である。
【0125】処理された酸化チタン微粉体の疎水化度を
評価するための“メタノール滴定試験”は次の如く行
う。供試チタン微粉体0.2gを容量250mlの三角
フラスコ中の水50mlに添加する。メタノールをビュ
ーレットから酸化チタンの全量が湿潤されるまで滴定す
る。この際フラスコ内の溶液はマグネチックスターラー
で常時撹拌する。その終点は酸化チタン微粉体の全量が
液体中に懸濁されることによって観察され、疎水化度は
終点に達した際のメタノール及び水の液状混合物中のメ
タノールの百分率として表わされる。
【0126】(8)透過率測定方法: 1.試料 0.10g アルキッド樹脂 13.20g *1 メラミン樹脂 3.30g *2 シンナー 3.50g *3 ガラスメディア 50.00g *1 大日本インキ製 ベッコゾール1323−60−
EL *2 大日本インキ製 スーパーベッカミンJ−820
−60 *3 関西ペイント製 アミラックシンナー 上記配合を150ccふた付きガラス瓶に採取し、レッ
ドデビル社製ペイントコンディショナーにて1時間分散
を行う。
【0127】2.分散終了後、PETフィルムに2mi
lのドクターブレードで塗布する。
【0128】3.2.のフィルムを120℃×10分間
加熱し、焼付けを行う。
【0129】4.3.のシートを日本分光製U−BES
T 50にて320〜800nmの範囲で透過率を測定
し、比較する。
【0130】次に本発明に適用可能な接触帯電工程の具
体例について説明する。
【0131】本発明における帯電装置は例えば図2のご
ときものである。3は被帯電体である感光体ドラムであ
り矢印方向に回転する。4は上記感光体ドラム3に所定
圧力をもって接触させた帯電部材である帯電ローラーで
ある。Eはこの帯電ローラー4に電圧を印加する電源部
で所定の電圧を帯電ローラー4の芯金4aに供給する。
図2においてEは直流電圧を示しているが、直流電圧に
交流電圧を重畳したものでも良い。
【0132】本発明では、金属芯金4aに導電性ゴム層
4bを設け、更にその周面に離型性被膜である表面層4
cを設けた。その理由は、導電性ゴム層より外側に離型
性被膜を設けることにより被帯電体である感光体と接触
する部分へ導電性ゴムからの軟化剤がしみ出さないよう
にすることにある。そのため、軟化剤の感光体へ付着し
た場合の感光体の低抵抗化による画像流れ、残留トナー
の感光体へのフィルミングによる帯電能力の低下を防止
でき、帯電効率の低下が抑えられる。
【0133】さらに、帯電ローラーに導電ゴム層を用い
ることで帯電ローラーと感光体との十分な接触を保つこ
とができ帯電不良を起こすようなこともない。
【0134】本発明においては、図3のような帯電装置
も使用可能である。ここでは、ブレード状の接触帯電部
材を使用しているが、やはり電圧が供給される金属支持
部材4’aにより導電性ゴム4’bを支持し、感光体ド
ラム3との当接部分に離型性被膜である表面層4’cを
設けることにより、前記例と同様の作用効果を得ること
ができる。
【0135】前述した例では帯電部材としてローラー
状、ブレード状のものを使ったが、これに限るものでな
く、他の形状についても本発明を実施することができ
る。
【0136】また、前記した例では帯電部材が導電ゴム
層と離型性被膜から構成されているが、それに限らず、
導電ゴム層と離型性被膜表層間に感光体へのリーク防止
のために高抵抗層、例えば環境変動の小さいヒドリンゴ
ム層を形成すると良い。
【0137】離型性被膜には、ナイロン系樹脂、PVD
F(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニ
リデン)を用いることができる。また感光体としてはO
PC、アモルファスシリコン、セレン、ZnO等が使用
可能である。特に、感光体にアモルファスシリコンを用
いた場合、他のものを使用した場合に比べて、導電ゴム
層の軟化剤が感光体に少しでも付着すると、画像流れは
ひどくなるので導電ゴム層の外側に絶縁性被膜したこと
による効果は大となる。
【0138】本発明のポリエステル樹脂を得るための製
造方法としては、例えば以下のごとくの方法による。
【0139】まず線状の縮合体を形成せしめ、その過程
で目標の酸価、水酸基価の1.5〜3倍となるように分
子量を調整し、かつ分子量が均一となるように従来より
もゆっくり、かつ徐々に縮合反応が進むように、例えば
従来よりも低温かつ長時間反応せしめる,又は、エステ
ル化剤を減少せしめる,又は、反応性の低いエステル化
剤を用いる,又は、これらの方法を組み合わせて用い
る,などにより、反応を制御する。その後、その条件下
で架橋酸成分、及び必要に応じてエステル化剤をさらに
加え、反応せしめ3次元縮合体を形成せしめる。さらに
昇温し、分子量分布が均一になるようにゆっくり、長時
間反応せしめ、架橋反応を進め、水酸基価が目標値まで
低下した時反応を終了し、本発明のポリエステル樹脂を
得る。
【0140】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0141】(ポリエステル樹脂の製造例−1)テレフ
タル酸2mol,ドデセニル無水コハク酸1.09mo
l,ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.4mol,ジ
ブチル錫オキシド0.01gをガラス製2リットルの4
つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、
及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内におい
た。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しな
がら徐々に昇温し、170℃で5時間反応せしめ、次い
で190℃に昇温し、4時間反応せしめた。この時点で
生成した樹脂の水酸基価は59.8であった。
【0142】その後、トリメリット酸無水物0.2mo
l、及びジブチル錫オキシド0.08gを加え、190
℃でさらに3時間反応せしめ、さらに200℃に昇温
し、5時間反応せしめ反応を終了し、本発明のポリエス
テル樹脂(1)を得た。
【0143】その時の水酸基価は16.8であり、ガラ
ス転移温度64℃,Mwは16,000であり、Mwは
5,900であり、Mw/Mnは2.7であった。
【0144】(ポリエステル樹脂の製造例−2)イソフ
タル酸1.8mol,オクチルコハク酸1.16mo
l,ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン3.34molを製造
例−1と同様にして窒素雰囲気中で反応せしめた。次い
で、トリメリット酸無水物0.13mol,ジブチル錫
オキシド0.09gを加え、180℃で反応を5時間行
い、本発明のポリエステル樹脂(2)を得た。
【0145】この樹脂の水酸基価14.7,ガラス転移
温度62℃,Mwは17,000,Mnは6,300で
あり、Mw/Mnは約2.7であった。
【0146】(ポリエステル樹脂の製造例−3)ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン2.0mol,ポリオキシエチ
レン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン2.1mol,テレフタル酸2mol,ド
デセニルコハク酸1.6mol,トリメリット酸0.4
6molを製造例−1と同様の装置を用い、250℃で
8時間反応せしめポリエステル樹脂(3)を得た。
【0147】この樹脂の水酸基価は20.4,Mwは1
10,000,Mnは5,540であり、そのMw/M
nは16.2であった。また、ガラス転移温度は61.
5℃であった。
【0148】(ポリエステル樹脂の製造例−4)製造例
−1において、トリメリット酸3mol%を使用する以
外は同様にして、THF不溶分30%であり、Mw/M
nが3.5より大きいポリエステル樹脂(4)を得た。
【0149】(ポリエステル樹脂の製造例−5)ポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン5mol,フマル酸4.5mo
l及びハイドロキノン0.1gを製造例−1と同様の装
置を用いて、窒素気流中で220℃で反応せしめポリエ
ステル樹脂(5)を得た。
【0150】得られた樹脂(5)の水酸基価は32であ
り、Mwは18,700,Mnは3,270であり、M
w/Mnは、約5.7であった。
【0151】実施例1 製造例−1のポリエステル樹脂100重量部に対して、
下記の処方量の着色剤及び荷電制御剤を用いてシアンカ
ラートナーを得た。
【0152】 製造例−1のポリエステル樹脂(1) 100.0重量部 構造式(I)を有する銅フタロシアニン顔料(2置換体) 4.0重量部 3.5−ジターシャリーブチルサリチル酸クロム錯体 4.0重量部
【0153】その製造方法は、上記の各処方量を十分ヘ
ンシェルミキサーにより予備混合を行い、2軸押出し混
練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜
2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式によ
る微粉砕機で40μm以下の粒径に微粉砕した。さらに
得られた微粉砕物を分級して、分級品を得、外添剤とし
てn−C1021 −Si−(OCH33 20重量部を水
系中で混合撹拌しながら処理,乾燥,解砕を行った酸化
チタン微粒子(重量平均粒径0.05μm,疎水化度6
5%,400nmにおける透過率65%)1.0%と、
重量平均粒径が0.07μm、0.05μmと0.75
μmに2つのピークを有する有機樹脂粒子(メチルメタ
クリレート/スチレン:85/15)0.2%を合せ
て、シアントナーとした。このシアントナーの重量平均
粒径は7.8μm、5μm以下のトナーが25個数%で
あった。
【0154】この現像剤を用いて、市販の普通紙カラー
複写機(カラーレーザーコピア500,キヤノン製)の
ドラムヒーターを切り、さらに帯電装置を図2の構成と
なるように改造し、10,000枚の画出しを行った。
【0155】図2において、帯電ローラー4の外径は、
12mmφであり、導電ゴム層4bはエチレン−プロピ
レンゴム、表面層4cには厚み10μmのナイロン系樹
脂を用いた。帯電ローラー4の硬度は54.5°(AS
KER−C)とした。
【0156】現像コントラストは、23℃/64%下で
300Vとなるよう、印加電圧を調整して行った。
【0157】その結果、画像濃度1.50〜1.55、
グロス値18%〜20%と安定でかつ、カブリも全くな
い鮮明なものであった。さらに、クリーニング不良、定
着オフセットも発生せず、帯電効率の低下も認められな
かった。
【0158】さらに、23℃/5%下,30℃/80%
下で同様に画出しを行ったところ、画像濃度1.45〜
1.60と非常に安定で、カブリ,クリーニング不良も
発生せず、良好な結果が得られた。
【0159】比較例1 実施例1において、重量平均粒径0.5μm,疎水化度
70%,400nmにおける透過率15%の酸化チタン
微粒子を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行っ
たところ、3,000枚位から、感光体上にフィルミン
グが発生し画像劣化が生じた。また、カブリも悪く、満
足のいく画像は得られなかった。
【0160】比較例2 実施例1において、疎水化処理をしない酸化チタン微粒
子を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったと
ころ、30℃/80%下で1,000枚位から若干カブ
リが生じ、トナー飛散も認められた。
【0161】実施例2 実施例1において、有機樹脂粒子を使用しない以外は、
実施例1と同様に画出しを行ったところ良好な結果が得
られたが、30℃/80%下で8,000枚位からハー
フトーン部にわずかながら画像ムラが認められた。そこ
で、ドラム上を観察したところ、紙粉によると思われる
低抵抗付着物が認められた。
【0162】そこで、次にドラムヒーターを入れた1
0,000枚の画出しを行ったところハーフトーン部の
画像ムラは発生しなかった。
【0163】実施例3 実施例1において、n−C49 −Si−(OCH33
25重量部で処理した酸化チタン微粒子(重量平均粒
径0.05μm,疎水化度60%,400nmにおける
透過率60%)を使用する以外は実施例1と同様に画出
しを行ったところ、良好な結果が得られた。
【0164】実施例4 実施例1において、500センチストークスのジメチル
ポリシロキサンエマルジョン20重量部で処理した酸化
チタン微粒子(重量平均粒径0.05μm,疎水化度5
5%,400nmにおける透過率50%)を使用する以
外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、30℃/
80%下で画像濃度が約0.1位高くなり、環境特性が
若干低下したものの良好な結果が得られた。
【0165】比較例3 実施例1において、製造例−3のポリエステル樹脂を使
用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、
3,000枚位から感光体上にフィルミングが発生し画
像劣化が生じた。また、定着画像もグロス値が2〜3%
と低く貧弱なものであった。
【0166】比較例4 実施例1において、製造例−4のポリエステル樹脂を使
用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、
比較例3と同じように画像劣化が生じ、また、定着画像
もグロス値が1〜2%とさらに低く、粒状性が残ってい
て非常に貧弱なものであった。
【0167】比較例5 実施例1において、製造例−5のポリエステル樹脂を使
用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、
2,000枚位から、帯電ローラーの汚染が認められ、
画像ムラが認められた。また、定着画像はグロス値が2
5〜27%もあり、定着ローラー表面にオフセットが認
められた。
【0168】実施例5 実施例1において、製造例−2のポリエステル樹脂を使
用する以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、
画像濃度1.45〜1.50、グロス値15〜17%と
安定で、実施例1同様良好な結果が得られた。
【0169】
【発明の効果】以上のように、このトナーを使用するこ
とにより高解像度、高精細でかつ高画質なコピー画像
が、オゾンレス接触帯電システムにおいても得られるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるガラス転移点温度を示すための
グラフである。
【図2】本発明に使用できる帯電装置の説明図である。
【図3】本発明に使用できる帯電装置の説明図である。
【符号の説明】
3 感光体ドラム 4 帯電ローラー 4a 芯金 4b 導電性ゴム層 4c 離型性被覆

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性ゴム層とその外側に離型性被膜
    を有する帯電部材に外部より電圧を印加し感光体に接触
    帯電を行う帯電工程、感光体をトナーで現像を行う現
    像工程、転写工程、及びクリーニング工程を有する
    画像形成方法に供するトナーが、 少なくとも結着樹脂を含有する着色剤含有樹脂粒子と外
    添剤からなり、 該結着樹脂が、下記成分(a),(b),(c)及び
    (d) (a)イソフタル酸,テレフタル酸及びその誘導体より
    選ばれた2価の芳香族系酸成分(a)を全モノマー量の
    25〜35mol%,(b)トリメリット酸及びその誘
    導体より選ばれた3価の芳香族系酸成分(b)を全モノ
    マー量の2〜4mol%,(c)ドデセニルコハク酸,
    オクチルコハク酸及びその無水物より少なくとも選ばれ
    た2価の酸成分(c)を全モノマー量の12〜18mo
    l%,(d)プロポキシ化、又は/及びエトキシ化した
    エーテル化ジフェノール成分(d)を全モノマー量の4
    5〜60mol%を少なくとも含有する単量体組成物か
    ら生成されたポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステ
    ル樹脂の水酸基価が10〜20であり、重量平均分子量
    が13,000〜20,000であり、数平均分子量が
    5,000〜8,000であり、重量平均分子量(M
    w)/数平均分子量(Mn)の比が2〜3.5であり、 該外添剤が、少なくとも重量平均粒径0.01〜0.2
    μm,疎水化度20〜80%,400nmにおける光透
    過率が40%以上である疎水化処理された酸化チタンで
    あることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記外添剤が、前記酸化チタン(A)
    と、重量平均粒径0.02〜0.5μmの有機樹脂粒子
    (B)とを含有し、それらの比率(A:B)が2:1〜
    10:1であることを特徴とする請求項1に記載のトナ
    ー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1248157A3 (en) * 2001-04-03 2003-08-13 Seiko Epson Corporation Toner and image forming apparatus

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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