JPH073612Y2 - インダクタンス素子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電子機器等に使用するインダクタンス素子に
関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種のインダクタンス素子の一例を第５図〜第
８図に示す。

第５図は、口の字形無端コア（21）の相対する直線部
（21a）、（21b）に、両端にフランジ（22a）、（22b）
を備え、一方のフランジ（22a）に歯車（23）を設け、
他方のフランジ（22b）には溝（22c）を設け、軸方向に
２分割したボビン（22）を組み合わせた図である。第７
図は、無端コア（21）に組み合わせて設けたボビン（2
2）に巻線機（図示せず）の駆動用歯車（26a）、（26
b）を前記フランジ（22a）の歯車（23）に噛合わせてボ
ビン（22）を回転させるコイル（24）の巻線を示す図で
ある。このコイル（24）の巻線は、コイル（24）の巻始
めリード線（24a）をフランジ（22b）の溝（22c）に挿
入し（第６図参照）、前記巻線機の駆動用歯車（26a）
（26b）を回転させ、コイル（24）をボビン（22）に巻
線し、ボビン（22）に設けた端子挿入孔（25a）に端子
（25）を挿入し、コイル（24）の巻始めリード線（24
a）と巻終わりリード線（24b）を前記端子（25）にから
げて作るインダクタンス素子の構造であった。

［考案が解決しようとする課題］ この従来のインダクタンス素子は、ボビン（22）に端子
（25）を設け、コイル（24）を巻線するためにボビン
（22）を回転させると、相対するボビン（22）に端子
（25）が当たるためボビン（22）が回転できず、端子
（25）を設けたボビン（22）の巻線ができなかった。

このため、フランジ（22b）に設けた溝（22c）にコイル
（24）の巻始めリード線（24a）を入れ、リード線（24
a）が他にからがるのを防ぎ、コイル（24）を巻線しな
ければならなかった。このため、巻線工程が複雑にな
り、機械化による自動生産工程が難しかった。

本考案は、上記課題を解決するためのものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は口の字形無端コア
を用いるインダクタンス素子において、口の字形無端コ
ア（１）の相対する直線部（1a）、（1b）に、両端にフ
ランジ（2a）、（2b）を設け、軸方向に２分割し、フラ
ンジ（2a）に歯車（３）を設け、フランジ（2a）、（2
b）に端子（５）を設け、端子（５）のフランジ（22
a）、（22b）の反対側にフランジ（22a）、（22b）に沿
って溝（2c）を設ける。

［実施例］ 本考案の一実施例を第１図〜第４図を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図であり、第２図
は巻き始める前の無端コアとボビンとボビンの端子を示
す図であり、第３図は巻線機（図示せず）に取り付け、
駆動用歯車とボビンの歯車を噛合わせた図、第４図
（ａ）〜（ｃ）はボビンを回転させコイルを巻線する図
である。

口の字形無端コア（１）の相対する直線部（1a）、（1
b）のそれぞれに、軸方向に２分割されたボビン（２）
の一端に歯車（３）を設け、また分割されたボビン（2
d）の片方のフランジ（2a）、（2b）に端子（５）を設
け、分割された他の一方のボビン（2e）のフランジ（2
a）、（2b）に溝（2c）を設けたボビン（2d）、（2e）
を組み合わせ、それぞれ１つのボビン（２）を設ける。
この相対する直線部（1a）、（1b）の、軸方向に２分割
されたフランジ（2a）、（2b）に端子（５）が挿入さ
れ、端子（５）の反対の位置にフランジ（2a）、（2b）
に溝（2c）を設けたボビン（２）を組み合わせ、インダ
クタンス素子のコイル（４）を巻線する。

このコイル（４）の巻線は、口の字形無端コア（１）に
端子（５）を挿入し、軸方向に２分割されたボビン（2
d）、（2e）を無端コア（１）の直線部（1a）、（1b）
にそれぞれ組み合わせ、コイル（４）の巻始めリード線
（4a）を前記端子（５）にからげ巻線する。コイル
（４）の巻線時、ボビン（２）の回転に対し、前記端子
（５）が他のボビン（２）の溝（2c）を通りボビン
（２）を回転させ、コイル（４）をボビン（２）に巻線
する。

［考案の効果］ 以上述べたように、口の字形無端コアの相対する直線部
に端子を備えたボビンを設け、この端子にコイルの巻始
めリード線をからげ巻線することができる。

これにより、口の字形無端コアを用いたインダクタンス
素子のリード線の端子からげが容易となり、この種のイ
ンダクタンス素子の自動化による生産が可能になり量産
化が容易にできるため、すぐれた量産効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例によるインダクタンス素子の斜視
図、第２図は第１図の巻線を行う前の無端コアにボビン
を組み合わせた斜視図、第３図は本考案の一実施例によ
るインダクタンス素子の巻線工程途中を示す平面図、第
４図（ａ）〜（ｃ）はボビンの回転による端子位置を示
す図、第５図は従来のボビンを口の字形無端コアに被せ
た一例を示す斜視図、第６図は第３図のＡ−Ａ′断面
図、第７図は本考案の一実施例によるコイルを巻線する
工程を示す平面図、第８図は第７図のボビンにコイル巻
線後端子の挿入を示す断面図。 １、1a、1b……無端コア、２、2d、2e……ボビン、2a、
2b……フランジ、３……歯車、４……コイル、4a、4b…
…リード線、５……端子、6a、6b……駆動用歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口の字形無端コア（１）の相対する直線部
   （1a）、（1b）に、両端にフランジ（2a）、（2b）を備
   え、一方のフランジ（2b）に端子（５）と溝（2c）を備
   え、他の一端のフランジ（2a）に端子（５）と歯車
   （３）を備え、軸方向に２分割されたボビン（２）を被
   せ、前記端子（５）にコイル（４）の巻始めリード線
   （4a）をからげ、前記フランジ（2a）に設けた歯車
   （３）に巻線機の駆動用歯車（6a）、（6b）を噛合わせ
   てボビン（２）を回転させ、前記端子（５）が前記溝
   （2c）を通り、それぞれのボビン（２）が回転し、ボビ
   ン（２）にコイル（４）を巻線することを特徴とするイ
   ンダクタンス素子。