JPH0736109U - 光学部品の接着構造 - Google Patents

光学部品の接着構造

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JPH0736109U
JPH0736109U JP6743193U JP6743193U JPH0736109U JP H0736109 U JPH0736109 U JP H0736109U JP 6743193 U JP6743193 U JP 6743193U JP 6743193 U JP6743193 U JP 6743193U JP H0736109 U JPH0736109 U JP H0736109U
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optical component
adhesive layer
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JP6743193U
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恵祐 田村
友宏 高澤
慎一郎 柴
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Olympus Corp
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Olympus Optic Co Ltd
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  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高価な接着剤塗付機器を使用せず、接着剤の
滴下量の許容範囲が大きく、所定の平行度で固定部材に
光学部品を結合する接着構造を提供する。 【構成】 直接接触する固定部材2と光学部品1のそれ
ぞれの接触面と、接着剤層3を介して間接接触する固定
部材と光学部品のそれぞれの被着面とがあり、接着剤層
3の上層面は固定部材側の接触面と同一平面以上にはな
い。余剰な接着剤が、固定部材と光学部品の接触面間に
入り込まないように、余剰な接着剤が移動できる場所が
設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、固定部材に対するプリズム、レンズ、ミラー、平板ガラス、エタロ ン(並行な1対の面を持ったガラスの板でできた波長選択素子)等のガラス質光 学部品の接着構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学機器などを構成する固定部材にプリズム、レンズ、ミラー、エタロン等の ガラス質光学部品を結合するには、次の構造がある。 イ.ビスや止め金具を用いたねじ込み、つめ止め、枠止め等の機械的結合構造。 ロ.接着剤を用いた界面の力による結合構造。 イの機械的結合構造は、光学部品に応力ひずみを与える危険がある。もし、光 学部品に応力ひずみが生じると、光学部品の光学性能が低下することになる。 ロの接着剤を用いた界面の力による結合構造は、予備検討を基に慎重に接着剤 を選択すれば、応力ひずみの危険は少ない。しかし、被着面に接着剤を塗付した 光学部品を、固定部材の被着面に押しつけて接着すると、接着剤の塗付で形成さ れた接着剤層の厚さに不均一が生じる。その結果、固定部材の接触面と光学部品 の接触面との平行度を、5′以下に抑えることは困難である。
【0003】 接着による固定部材と光学部品との結合構造の上記問題に対処するため、幾つ かの提案がある。例えば、適正に形成される接着剤層の厚さに等しい深さを有す る座ぐりを固定部材に設け、この座ぐりの内部に接着剤層を形成し、固定部材と 光学部品を接着することによって、固定部材の接触面と光学部品の接触面との平 行度を、3′以下に抑える固定部材に対する光学部品の接着構造が実開平2ー5 716号公報、実開平3ー71310号公報などで開示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来技術では、座ぐりの内部に接着剤層を形成するとき、使 用する接着剤の量を適正に制御することが必要である。接着剤の量が少な過ぎる ときには、固定部材と光学部品との接着面積が狭くなるので、接着強さが減少す る。一方、接着剤の量が多過ぎるときには、座ぐりの外にも接着剤があふれ、あ ふれた接着剤が固定部材と光学部品との間に入り込み、座ぐり以外の部分で接着 剤層の厚さが不均一になり、固定部材の接触面と光学部品の接触面との平行度が 低下する。したがって、接着剤の量を適正に制御でき、特別な仕様で高価な接着 剤塗付機器が必要であるという問題がある。
【0005】 本考案は、上述の事情に鑑み、固定部材に対する光学部品の接着構造において 、特別な仕様で高価な接着剤塗付機器を必要とせず、固定部材の接触面と光学部 品の接触面との平行度を向上する接着構造の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案による固定部材に対する光学部品の接着構造は、固定部材と光学部品の それぞれの接触面と、接着剤層を介して間接接触するそれぞれの被着面とがあり 、接着剤層の上層面は固定部材側の接触面と同一平面以上にはなく、かつ、接着 剤層が固定部材の外縁部まで形成し得る手段が設けられていることを特徴として いる。
【0007】 また、本考案による固定部材に対する光学部品の接着構造は、接着剤層が固定 部材の外縁部まで形成し得る手段が、接着剤層の設計厚さと等しい深さの部分を 有し、固定部材側の被着面から外縁部に連続する溝であることを特徴としている 。
【0008】 更に、本考案による固定部材に対する光学部品の接着構造は、固定部材と光学 部品のそれぞれの接触面と、接着剤層を介して間接接触するそれぞれの被着面と があり、接着剤層の上層面は固定部材側の接触面と同一平面以上にはなく、かつ 、余剰な接着剤が移動できる場所が固定部材の被着面を含む平面内で固定部材の 厚さ方向に設けられていることを特徴としている。
【0009】 更に加えて、本考案による固定部材に対する光学部品の接着構造は、余剰な接 着剤が移動できる場所が、固定部材の被着面を含む平面内でこの固定部材を貫通 している穴であることを特徴としている。
【0010】
【作用】
ほぼ設計量の接着剤を、所定の表面処理が施された固定部材側の設計被着面に おける中央部に滴下して後、同じく表面処理が施された光学部品側の設計被着面 を固定部材側の被着面に重ねるように、所定時間内に光学部品を置いて押しつけ る。これにより、ほぼ設計値の厚さと接着面積を有する接着剤層が形成され、養 生時間を経過すれば、固定部材側の被着面と光学部品側の被着面とは、ほぼ設計 値の接着強さを有して接着結合される。 そして、設計量を越える接着剤が滴下されても、形成される接着剤層の上層面 は、固定部材側の接触面と同一平面以上にはないので、接着剤が接触面にあふれ ることはない。設計量を大きく越える接着剤が滴下されれば、余剰の接着剤は、 接触面に入り込むようなこともなく、接着剤層が固定部材の外縁部まで形成し得 る手段、あるいは固定部材の被着面を含む平面内でこの固定部材の厚さ方向に備 わっている余剰な接着剤の移動場所により対処される。したがって、接着剤の滴 下量を特別な仕様で高価な接着剤塗付機器を用いて制御しなくても、固定部材の 接触面と光学部品の接触面との平行度を3′以下に抑えることができる。 なお、上述した設計被着面とは、特定の接着設計の接着構造において形成し得 る最大接着面積に対応する被着面を意味する。
【0011】
【実施例】第1実施例 図1(a),(b)は、本考案の第1実施例に関するもので、(a)は、固定 部材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断 面図である。図中、1はガラス質の光学部品、2は固定部材、3は接着剤層、4 は後述する固定部材2側の被着面から固定部材2の外縁部に連続している溝で、 接着剤層3が固定部材2の外縁部へ到達し得る手段である。なお、溝4の深さは 誇張して描かれている。本実施例で、光学部品1と固定部材2のそれぞれの接触 面の外側輪郭は、固定部材2に対する光学部品1の位置により決まる四つの点1 a,1b,1c,1dを結び形成される長方形であり、外側輪郭線1a−1b− 1c−1d−1aの内部には、接触面と被着面及び欠こう(膠)による未接着面 がある。未接着面が存在しない設計被着面は、線1a−1bと線1c−1dとに 挟まれた溝4の部分の光学部品1と固定部材2の各面であり、外側輪郭線1a− 1b−1c−1d−1aの内部の残りの部分は、接触面領域である。そして、溝 4は固定部材2側の被着面から固定部材2の両外縁部に連続している。なお、溝 4の深さは、接着剤層の設計厚さ(0.03〜0.3mm)に従って、選択し形 成されている。
【0012】 本実施例の固定部材に対する光学部品の接着構造は、次のような作業順序で達 成される。上述した仕様を満たすとともに、所定の表面処理を施された固定部材 2側の設計被着面における中央部、すなわち、線1a−1bと線1c−1dとに 挟まれた溝4のほぼ中央部で溝4の側部を越えないように、かつ、溝4よりわず か山形に突出する程度を適量として、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル 系紫外線硬化レジン、シリコーンゴムなど)を滴下する。滴下した後、使用接着 剤が指定する時間内に光学部品1を、接触面の外側輪郭線1a−1b−1c−1 d−1aと整合するように置いて押しつける。これにより、当初山形に盛り上が っていた接着剤は、光学部品1側の被着面で押され、被着面に付着しつつ、溝4 の内部で流動して広がる。したがって、溝4の側部を越えて滴下してない限り、 接着剤の滴下量が適量より多くても、余剰の接着剤は溝4の内部で流動して広が るので、溝4の両側部を越えて、光学部品1と固定部材2との接触面にはみ出る ことはない。そして、接着剤の滴下量がかなり過大であっても、溝4の両端部か ら流れ出し、接触面にははみ出さない。なお、接着剤の滴下位置、光学部品1の 接着位置などが、実際には指示印、合わせ印、あるいは治具の使用などにより容 易に、かつ、正確に決められるのは言うまでもない。
【0013】 上述した順序で、光学部品1と固定部材2との接着作業を行い、養生時間が経 過した後には、光学部品1の接触面と固定部材2の接触面とは、平行度が3′以 下で完全に接着結合する。本実施例によれば、光学部品1を固定部材2に接着す るのに必要十分な量の接着剤を滴下すればよく、接着剤の量を微妙に制御する特 殊で高価な接着剤塗付機器を必要としないので、固定部材に対する光学部品の接 着構造を経済的に有利に実現できる。 なお、本実施例では、接着剤の滴下量が接着強さ、経済性を考慮した最適設計 値であれば、接着剤層3は、線1a−1bと線1c−1dとに挟まれた溝4の内 部に完全に充満して形成されることになる。したがって、接着剤の滴下量ついて の許容範囲を大きくできる一方、接着強さ、経済性を考慮して、接着剤の滴下量 の最適設計値の決定も容易である。
【0014】第2実施例 図2(a),(b)は、本考案の第2実施例に関するもので、(a)は固定部 材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断面 図である。図中、1はガラス質の光学部品、2は固定部材、3は接着剤層である 。固定部材2に対して光学部品1が接着されるべき位置に、接着剤層の設計厚さ (0.03〜0.3mm)に従って選択された高さと適正な直径とを有する四つ の円柱部2a,2b,2c,2dが固定部材2と一体的に設けてある。なお、図 では、四つの円柱部の高さは誇張して描かれている。
【0015】 本実施例では、光学部品1を固定部材2の上面に投影した領域内に接触面と被 着面及び未接着面がある。四つの円柱部2a,2b,2c,2dの上面が固定部 材2の接触面で、固定部材2の接触面と接する光学部品1下面における四つの円 形領域が、光学部品1の接触面である。光学部品1を固定部材2の上面に投影し た領域から、接触面を除いた部分が、未接着面の存在しない設計被着面となる。 そして、固定部材2の上面で光学部品1の投影領域を除いた部分と未接着面とで 、接着剤層3が固定部材2の外縁部へ到達し得る手段を構成する。接着剤を滴下 すべき場所は、固定部材2において四つの円柱部2a,2b,2c,2dと内接 する長方形、あるいは設計被着面のほぼ中央部が好適である。本実施例は接触面 積を小さくできるので、高精度の位置決めが要求される光学部品接着構造に適し ている。本実施例の固定部材に対する光学部品の接着構造も、第1実施例におい て述べた接着作業の順序に準じて達成される。
【0016】第3実施例 図3(a)〜(c)は、本考案の第3実施例に関するもので、(a)は固定部 材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断面 図、(c)は、(a)のC−C線断面図である。図中、1はガラス質の光学部品 、2は固定部材、3は接着剤層、4は固定部材2側の被着面から両方向に向かい 固定部材2の外縁部に連続している溝で、接着剤層3が固定部材2の外縁部へ到 達し得る手段である。(c)で示すように溝4は、接着剤層3の設計厚さ(0. 03〜0.3mm)に従って深さが選択されている溝4a部分と、深さが0.5 mm以上の溝4b部分から形成され、溝4a部分と溝4b部分の境は、段になっ ている。5は下端をねじ5aで固定部材2に固定し、立ち上がって側方に湾曲し た部分の上端部が光学部品1を上方から押圧している板ばねである。なお、溝4 の深さは誇張して描かれている。 本実施例における接触面、被着面、未接着面及び設計被着面は、第1実施例の 場合とほぼ同様である。
【0017】 本実施例の固定部材に対する光学部品の接着構造は、下記のような作業順序で 達成される。 治具などを用いて、固定部材2に光学部品1を位置決めしてから、固定部材2 の所定の位置に下端が固定された板ばね5で、光学部品1を仮固定する。次に、 接着剤を入れた注射器の針(針の直径は0.5mm程度)を溝4b部分に挿入し て、接着剤を注入する。注射器を使用するので、注入される接着剤は、溝4a部 分方向に流れる勢いが強い。そして、接着剤の注入量が最大接着面積に対応する 接着剤層の体積より多くても、余剰の接着剤は溝4a部分に流れ、接触面にあふ れ出ることはなく、固定部材2の外縁部へ到達するような状況を限度として対処 できる。 したがって、本実施例は、第1実施例と同様な効果が得られるだけでなく、接 着剤の塗付前に、光学部品1と固定部材2が板ばね5のばね力によって仮固定さ れるので、注射器等の簡易塗付用具で接着剤を注入しても、光学部品1と固定部 材2のそれぞれの接触面に接着剤があふれ出ず、光学部品1と固定部材2との並 行度は3′以下に抑えられる。なお、接着が完了した後、板ばね5は外してもよ い。また、板ばね5を外さずそのまま取り付けておけば、押圧作用によってはく 離を防止できる。
【0018】第4実施例 図4(a),(b)は、本考案の第4実施例に関するもので、(a)は、固定 部材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断 面図である。図中、1はガラス質の光学部品、2は固定部材、3は接着剤層、6 は固定部材2側の被着面を内部に含み、接着剤層3が形成される場所である円形 の座ぐりである。座ぐり6の深さtは、接着剤層の設計厚さ(0.03〜0.3 mm)に従って、選択される。また、座ぐり6の直径Aは、要求される最小接着 面積に対応する円形の直径より少し大きく設定されている。7は座ぐり6の底部 に同心的に設けた直径B(<A),深さl(>t)の円筒形の接着剤流入部であ る。すなわち、接着剤流入部7は固定部材2の被着面を含む平面内で固定部材2 の厚さ方向に設けられており、余剰な接着剤が流入できる場所である。なお、座 ぐり6の深さtは、誇張して描かれており、(a)では座ぐり6が概略示してあ る。
【0019】 本実施例において、固定部材2に設けた座ぐり6,接着剤流入部7の寸法は、 B<A,t<lという条件の外に、下記の式(1)を満足するように選定してあ る。 〔(A/2 )2 −(B/2 )2 〕πt 《(B/2 )2 π(t +l ) ≒(滴下できる接着剤の量) (1) 式(1)は、幾つかのことを示しており、例えば空隙欠こうが発生しなければ、 座ぐり6に形成される最大の接着剤層3は、直径B,高さ(t+l)の円柱に近 似していることを表している。 上述した仕様を満たすとともに、所定の表面処理を施された固定部材2の座ぐ り6内に、適量の接着剤を滴下する。滴下した後、使用接着剤が指定する時間内 に光学部品1を所定の位置に押しつける。これにより、当初山形に盛り上がって いた接着剤は、光学部品1側の被着面で押されて、被着面に付着しつつ水平方向 に広がる。したがって、接着剤の滴下量が適量より多くても、式(1)の関係が 満たされていれば、余剰の接着剤は接着剤流入部7に流入し、光学部品1と固定 部材2との接触面にはみ出ることはない。また、最大の滴下量は式(1)の計算 値より少し多く、接着剤流入部7直上付近がわずか山形に突出する程度である。
【0020】第5実施例 図5(a),(b)は、本考案の第5実施例に関するもので、(a)は、固定 部材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断 面図である。本実施例では、同心的に設けられた座ぐり6と接着剤流入部7がそ れぞれ二つ設けられ、座ぐり6は外径D,内径E,深さtの環状中央部と外径C ,内径D,深さ(t+m)の環状溝部より形成されている。接着剤流入部7は直 径E,深さlである。そして、C>D>E,l>tであり、深さtは、接着剤層 の設計厚さ(0.03〜0.3mm)に従って、選択される。なお、座ぐり6の 深さtは、誇張して描かれており、(a)では座ぐり6が概略示してある。
【0021】 本実施例において、固定部材2に設けた座ぐり6,接着剤流入部7の寸法は、 C>D>E,l>tなる条件の外に、下記の式(2)を満足するように選定して ある。 〔(D/2 )2 −(E/2 )2 〕πt 《(E/2 )2 π(t +l ) +〔(C/2 )2 −(D/2 )2 〕π(m +t ) ≒(滴下できる接着剤の量) (2) 本実施例においても、上述した仕様を満たすとともに、所定の表面処理を施さ れた固定部材2の座ぐり6内に、適量の接着剤を滴下する。滴下した後、使用接 着剤が指定する時間内に光学部品1を所定の位置に押しつける。これにより、当 初山形に盛り上がっていた接着剤は、光学部品1側の被着面で押されて、被着面 に付着しつつ水平方向に広がる。したがって、接着剤の滴下量が適量より多くて も、式(2)の関係が満たされていれば、余剰の接着剤は座ぐり6の環状溝部と 接着剤流入部7に流入し、光学部品1と固定部材2との接触面にはみ出ることは ない。また、最大の滴下量は式(2)の計算値より少し多く、接着剤流入部7直 上付近がわずか山形に突出する程度である。
【0022】第6実施例 図6(a),(b)は、本考案の第6実施例に関するもので、(a)は、固定 部材に対する光学部品の接着構造を示す斜視図、(b)は、(a)のB−B線断 面図である。本実施例では、固定部材2の被着面とすべき部分を中央にして座ぐ り6と、座ぐり6と同心で連通し固定部材6を貫通している穴7が、固定部材2 に設けてある。座ぐり6の深さは、接着剤層の設計厚さ(0.03〜0.3mm )に従って選択される。また、下端をねじ5aで固定部材2に固定した板ばね5 を用い、板ばね5の立ち上がって側方に湾曲した部分の上端部で光学部品1を上 方から押圧してあ。なお、座ぐり6の深さtは、誇張して描かれており、(a) では座ぐり6が概略示してある。
【0023】 本実施例の固定部材に対する光学部品の接着構造は、次のような作業順序で達 成される。治具などを用いて、固定部材2に光学部品1を位置決めしてから、固 定部材2の所定の位置に下端が固定された板ばね5で、光学部品1を仮固定する 。次に、貫通している穴7の座ぐり6とは反対側の開口端から、接着剤を入れた 注射器等の針を挿入して、接着剤を流し込む。座ぐり6の容積より多い接着剤が 流し込まれても、余剰な接着剤は貫通している穴7に流入し、余剰な接着剤が穴 7を充満すれば、穴7の座ぐり6とは反対側の開口端から流れ、光学部品1と固 定部材2との接触面にはみ出ることはない。
【0024】 したがって、本実施例は、第1実施例、第4実施例と同様な効果が得られるだ けでなく、接着剤の塗付前に、光学部品1と固定部材2が板ばね5のばね力によ って仮固定されるので、注射器等の簡易塗付用具で接着剤を注入しても、光学部 品1と固定部材2のそれぞれの接触面に接着剤があふれ出ず、光学部品1と固定 部材2との並行度は3′以下に抑えられる。本実施例においても、第3実施例と 同様に接着が完了した後、板ばね5は外してもよい。また、板ばね5を外さずそ のまま取り付けておけば、押圧作用によってはく離を防止できる。 なお、第4実施例〜第6実施例においては、座ぐり6に代わり、円形以外の任 意な形状と、接着剤層の設計厚さ(0.03〜0.3mm)に従って選択される 深さとを有するリセスを、固定部材2に設けてもよい。
【0025】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の接着構造は、固定部材に対する光学部品の接着結 合に有効で、次に列挙するような効果がある。 イ.接着剤の滴下量が過剰であっても、接着剤が接触面に入り込むようなことも ないので、接着剤の滴下量を精密に制御する特殊な仕様で高価な接着剤塗付機器 を必要とせずに、接着後の固定部材と光学部品との平行度を3′以下に抑えるこ とができる。 ロ.接着剤の滴下量についての許容範囲を大きくできる一方、接着強さ、経済性 を考慮して、接着剤の滴下量の最適設計値の決定が容易である。 ハ.接着剤層が固定部材の外縁部まで形成し得る手段を備えるという条件はある が、固定部材と光学部品における被着面の幾何学的形状を正しく設計しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本考案に係る第1実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。
【図2】(a)は本考案に係る第2実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。
【図3】(a)は本考案に係る第3実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。(c)は(a)のC
−C線断面図である。
【図4】(a)は本考案に係る第4実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。
【図5】(a)は本考案に係る第5実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。
【図6】(a)は本考案に係る第6実施例の固定部材に
対する光学部品の接着構造を示す斜視図である。(b)
は(a)のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 光学部品 2 固定部材 3 接着剤層 4 接着剤層が固定部材の外縁部まで形成し得る、
手段又は溝 7 余剰な接着剤が移動できる場所又は接着剤流入

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対する光学部品の接着構造に
    おいて、前記固定部材と前記光学部品のそれぞれの接触
    面と、接着剤層を介して間接接触するそれぞれの被着面
    とがあり、前記接着剤層の上層面は前記固定部材側の前
    記接触面と同一平面以上にはなく、かつ、前記接着剤層
    が前記固定部材の外縁部まで形成し得る手段が設けられ
    ていることを特徴とする固定部材に対する光学部品の接
    着構造。
  2. 【請求項2】 接着剤層が固定部材の外縁部まで形成し
    得る手段が、前記接着剤層の設計厚さと等しい深さの部
    分を有し、前記固定部材側の被着面から前記外縁部に連
    続する溝である請求項1に記載の固定部材に対する光学
    部品の接着構造。
  3. 【請求項3】 固定部材に対する光学部品の接着構造に
    おいて、前記固定部材と前記光学部品のそれぞれの接触
    面と、接着剤層を介して間接接触するそれぞれの被着面
    とがあり、前記接着剤層の上層面は前記固定部材側の前
    記接触面と同一平面以上にはなく、かつ、余剰な接着剤
    が移動できる場所が前記固定部材側の前記被着面を含む
    平面内で前記固定部材の厚さ方向に設けられていること
    を特徴とする固定部材に対する光学部品の接着構造。
  4. 【請求項4】 余剰な接着剤が移動できる場所が、固定
    部材の被着面を含む平面内で前記固定部材を貫通してい
    る穴である請求項3に記載の固定部材に対する光学部品
    の接着構造。
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