JPH0735932A - ハイブリッド光導波回路 - Google Patents
ハイブリッド光導波回路Info
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- JPH0735932A JPH0735932A JP15590093A JP15590093A JPH0735932A JP H0735932 A JPH0735932 A JP H0735932A JP 15590093 A JP15590093 A JP 15590093A JP 15590093 A JP15590093 A JP 15590093A JP H0735932 A JPH0735932 A JP H0735932A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気信号の伝搬損失を低減することによって
高周波特性が改善され、しかも製造が容易で生産歩留ま
りも良いハイブリッド光導波回路を得る。 【構成】 ハイブリッド光導波回路が、半導体光導波回
路部30と、基板10の表面近傍に誘電体光導波回路部
20とを有し、この基板10の少なくとも一方の表面近
傍に、上記半導体光導波回路部30を作動する電気信号
回路部70が配設され、この電気信号回路部70が、信
号伝搬用の中心導体41とこの両側に一定のギャップを
隔てて配設されたアース導体42とを同一平面内に有す
る配線層40と、これに接する絶縁層50と、この絶縁
層50を介して上記配線層40と異なる平面内に設けら
れ、上記中心導体41と対向する面を有する少なくとも
1層のアース導体層60とを有してなる。
高周波特性が改善され、しかも製造が容易で生産歩留ま
りも良いハイブリッド光導波回路を得る。 【構成】 ハイブリッド光導波回路が、半導体光導波回
路部30と、基板10の表面近傍に誘電体光導波回路部
20とを有し、この基板10の少なくとも一方の表面近
傍に、上記半導体光導波回路部30を作動する電気信号
回路部70が配設され、この電気信号回路部70が、信
号伝搬用の中心導体41とこの両側に一定のギャップを
隔てて配設されたアース導体42とを同一平面内に有す
る配線層40と、これに接する絶縁層50と、この絶縁
層50を介して上記配線層40と異なる平面内に設けら
れ、上記中心導体41と対向する面を有する少なくとも
1層のアース導体層60とを有してなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体光導波路と半導体
光導波路とを組み合わせたハイブリッド光導波回路に関
するものであり、特に、高周波特性が良好であって、し
かも製造が容易でかつ生産歩留まりも良いハイブリッド
光導波回路に関するものである。
光導波路とを組み合わせたハイブリッド光導波回路に関
するものであり、特に、高周波特性が良好であって、し
かも製造が容易でかつ生産歩留まりも良いハイブリッド
光導波回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体光導波路と半導体光導波路とを組
み合わせて構成したハイブリッド光導波回路として、本
発明者らはさきに、誘電体光導波路を有する石英系光導
波回路部と、半導体光導波路を有する光スイッチと、こ
の光スイッチを作動するための電気信号回路部とを同一
基板上に形成した回路を提案した(特願平4−1712
2号)。このハイブリッド光導波回路の概略を図6〜8
に示す。図6はその斜視図、図7は上面図、図8は図6
における線B−B’で切った断面図である。
み合わせて構成したハイブリッド光導波回路として、本
発明者らはさきに、誘電体光導波路を有する石英系光導
波回路部と、半導体光導波路を有する光スイッチと、こ
の光スイッチを作動するための電気信号回路部とを同一
基板上に形成した回路を提案した(特願平4−1712
2号)。このハイブリッド光導波回路の概略を図6〜8
に示す。図6はその斜視図、図7は上面図、図8は図6
における線B−B’で切った断面図である。
【0003】図6において、符号10はシリコン基板で
ある。このシリコン基板10の一方の面に石英系光導波
回路部(誘電体光導波回路部)20が形成されている。
この石英系光導波回路部20は、例えば、平行な2系列
のGeドープ酸化シリコンコア21を酸化シリコンクラ
ッド22に埋め込んだ構造を有するものである。また、
光スイッチ(誘電体光導波回路部)30は、図7に示す
ように例えば、多重量子井戸(i-MQW )コア層をInP
クラッド層に埋め込んだ2系列の半導体光導波路31を
有する方向性結合型2×2半導体光スイッチである。こ
の光スイッチ30は、基板10と石英系光導波回路部2
0とを貫通して形成された光スイッチ搭載穴11内に、
その光結合部32の光軸が石英系光導波回路部のコア2
1の各内側光結合部23の光軸と合致するようにアライ
ンメントフリーに搭載されている。
ある。このシリコン基板10の一方の面に石英系光導波
回路部(誘電体光導波回路部)20が形成されている。
この石英系光導波回路部20は、例えば、平行な2系列
のGeドープ酸化シリコンコア21を酸化シリコンクラ
ッド22に埋め込んだ構造を有するものである。また、
光スイッチ(誘電体光導波回路部)30は、図7に示す
ように例えば、多重量子井戸(i-MQW )コア層をInP
クラッド層に埋め込んだ2系列の半導体光導波路31を
有する方向性結合型2×2半導体光スイッチである。こ
の光スイッチ30は、基板10と石英系光導波回路部2
0とを貫通して形成された光スイッチ搭載穴11内に、
その光結合部32の光軸が石英系光導波回路部のコア2
1の各内側光結合部23の光軸と合致するようにアライ
ンメントフリーに搭載されている。
【0004】このハイブリッド光導波回路は、光スイッ
チ30を作動するための電気配線が形成された配線層4
0を有している。この配線層40は、図8に示すよう
に、基板10の、石英系光導波回路部20が形成されて
いない側の面上に、絶縁層50を介して形成され、信号
を光スイッチに印加する中心導体41と、これと同一平
面内でこの両側に一定のギャップを隔てて配設された一
対のアース導体42とからなるコプレーナウエーブガイ
ド(以下「CPW」という)を形成し、このCPWが2
系列、それぞれ光スイッチの各半導体光導波路31に対
応して設けられて電気信号回路部を形成している。この
配線層40と光スイッチ30との電気結線は、中心導体
41と半導体光導波路31に接続したボンディングパッ
ド33とを、また、各アース導体42と光スイッチ30
のn側電極34とを、それぞれボンディングワイヤ43
で接続して行われている。
チ30を作動するための電気配線が形成された配線層4
0を有している。この配線層40は、図8に示すよう
に、基板10の、石英系光導波回路部20が形成されて
いない側の面上に、絶縁層50を介して形成され、信号
を光スイッチに印加する中心導体41と、これと同一平
面内でこの両側に一定のギャップを隔てて配設された一
対のアース導体42とからなるコプレーナウエーブガイ
ド(以下「CPW」という)を形成し、このCPWが2
系列、それぞれ光スイッチの各半導体光導波路31に対
応して設けられて電気信号回路部を形成している。この
配線層40と光スイッチ30との電気結線は、中心導体
41と半導体光導波路31に接続したボンディングパッ
ド33とを、また、各アース導体42と光スイッチ30
のn側電極34とを、それぞれボンディングワイヤ43
で接続して行われている。
【0005】上記例のハイブリッド光導波回路において
は、基板10上のCPW(符号40)がマイクロ波線路
を形成しており、その中心導体41を伝搬する信号によ
って光スイッチ30を作動するようになっている。この
CPWは、マイクロ波線路となる中心導体41とアース
導体42とが同一平面内にあるので、配線が容易に形成
できるという利点がある。
は、基板10上のCPW(符号40)がマイクロ波線路
を形成しており、その中心導体41を伝搬する信号によ
って光スイッチ30を作動するようになっている。この
CPWは、マイクロ波線路となる中心導体41とアース
導体42とが同一平面内にあるので、配線が容易に形成
できるという利点がある。
【0006】ところで上記の光スイッチ30など、一般
に半導体光導波回路部は数G〜数十GHz程度の高い周
波数で作動させるものであるので、この場合に発生する
伝搬信号の反射を回避するには、光導波回路として外部
装置とのインピーダンス整合を行う必要がある。このイ
ンピーダンスは通常50Ωに設定される。例えば上記の
ハイブリッド光導波回路において、図8に示すCPW
(配線層40)の特性インピーダンスを50Ωにするた
めには、例えばシリコン基板10の厚みが350μmで
あり、絶縁層50がポリイミド(比誘電率2.9)でそ
の厚みDが20μmであり、かつ、中心導体41の幅2
Sが、通常この種のマイクロ波線路に使用されるように
50μmであるとすると、中心導体41とアース導体4
2との間のギャップ幅2Wは5μm以下としなければな
らない。
に半導体光導波回路部は数G〜数十GHz程度の高い周
波数で作動させるものであるので、この場合に発生する
伝搬信号の反射を回避するには、光導波回路として外部
装置とのインピーダンス整合を行う必要がある。このイ
ンピーダンスは通常50Ωに設定される。例えば上記の
ハイブリッド光導波回路において、図8に示すCPW
(配線層40)の特性インピーダンスを50Ωにするた
めには、例えばシリコン基板10の厚みが350μmで
あり、絶縁層50がポリイミド(比誘電率2.9)でそ
の厚みDが20μmであり、かつ、中心導体41の幅2
Sが、通常この種のマイクロ波線路に使用されるように
50μmであるとすると、中心導体41とアース導体4
2との間のギャップ幅2Wは5μm以下としなければな
らない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
ギャップ幅が狭くなると、配線のエッジ部に電界が集中
することになり、中心導体41からアース導体42への
電気力線の乱れが大きくなる。その結果、伝搬損失が増
大し、特に高周波特性が低下するという問題が生ずるよ
うになる。また、ギャップ幅を例えば10μm以下に作
成しようとすると、工作精度の関係から、中心導体41
とアース導体42との間に短絡が起こりやすく、したが
って生産歩留まりが低下することになる。本発明は、上
記問題を解決するためになされたものであって、その目
的は、電気信号の伝搬損失を小さくすることによって高
周波特性を改善し、しかも製造が容易で生産歩留まりの
良いハイブリッド光導波回路を提供することにある。
ギャップ幅が狭くなると、配線のエッジ部に電界が集中
することになり、中心導体41からアース導体42への
電気力線の乱れが大きくなる。その結果、伝搬損失が増
大し、特に高周波特性が低下するという問題が生ずるよ
うになる。また、ギャップ幅を例えば10μm以下に作
成しようとすると、工作精度の関係から、中心導体41
とアース導体42との間に短絡が起こりやすく、したが
って生産歩留まりが低下することになる。本発明は、上
記問題を解決するためになされたものであって、その目
的は、電気信号の伝搬損失を小さくすることによって高
周波特性を改善し、しかも製造が容易で生産歩留まりの
良いハイブリッド光導波回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項1
において、半導体光導波路を有する半導体光導波回路部
と、基板の表面近傍に設けられ誘電体光導波路を有する
誘電体光導波回路部とを組合わせて構成したハイブリッ
ド光導波回路において、上記基板の少なくとも一方の表
面近傍に、上記半導体光導波回路部を作動する電気信号
回路部が配設され、この電気信号回路部が、信号伝搬用
の中心導体とこの両側に一定のギャップを隔てて配設さ
れたアース導体とを同一平面内に有する配線層と、これ
に接する絶縁層と、この絶縁層を介して上記配線層と異
なる平面内に設けられ上記中心導体と対向する面を有す
る少なくとも1層のアース導体層とを有するものである
ハイブリッド光導波回路を提供することによって解決で
きる。また、請求項2において、このハイブリッド光導
波回路は、前記絶縁層の一部に貫通穴を設け、この貫通
穴を通して前記配線層のアース導体と前記アース導体層
とを電気的に接続したものであることが好ましい。
において、半導体光導波路を有する半導体光導波回路部
と、基板の表面近傍に設けられ誘電体光導波路を有する
誘電体光導波回路部とを組合わせて構成したハイブリッ
ド光導波回路において、上記基板の少なくとも一方の表
面近傍に、上記半導体光導波回路部を作動する電気信号
回路部が配設され、この電気信号回路部が、信号伝搬用
の中心導体とこの両側に一定のギャップを隔てて配設さ
れたアース導体とを同一平面内に有する配線層と、これ
に接する絶縁層と、この絶縁層を介して上記配線層と異
なる平面内に設けられ上記中心導体と対向する面を有す
る少なくとも1層のアース導体層とを有するものである
ハイブリッド光導波回路を提供することによって解決で
きる。また、請求項2において、このハイブリッド光導
波回路は、前記絶縁層の一部に貫通穴を設け、この貫通
穴を通して前記配線層のアース導体と前記アース導体層
とを電気的に接続したものであることが好ましい。
【0009】
【作用】本発明の請求項1のハイブリッド光導波回路に
あっては、その配線層内で中心導体と同一平面内に配設
されたアース導体の他に、絶縁層を介して上記中心導体
と対向する面を有する少なくとも1層のアース導体層が
設けられているので、中心導体の面とこれに対向するア
ース導体層の面との間に電界が広く分布し、この結果、
前記のギャップ幅を極端に狭くしなくても、外部装置と
の接続に必要な特性インピーダンスを確保することが可
能となる。すなわち、特性インピーダンスのギャップ幅
依存性が小さくなる。そこで、このギャップ幅を広く設
定すれば、配線エッジへの電界集中に起因する伝搬損失
が回避されることになる。さらに、請求項2のハイブリ
ッド光導波回路にあっては、このアース導体層が配線層
内のアース導体と電気的に直接接続されているので、特
に高周波帯域における配線層とアース導体層との位相が
整合され、回路の高周波特性がいっそう向上する。
あっては、その配線層内で中心導体と同一平面内に配設
されたアース導体の他に、絶縁層を介して上記中心導体
と対向する面を有する少なくとも1層のアース導体層が
設けられているので、中心導体の面とこれに対向するア
ース導体層の面との間に電界が広く分布し、この結果、
前記のギャップ幅を極端に狭くしなくても、外部装置と
の接続に必要な特性インピーダンスを確保することが可
能となる。すなわち、特性インピーダンスのギャップ幅
依存性が小さくなる。そこで、このギャップ幅を広く設
定すれば、配線エッジへの電界集中に起因する伝搬損失
が回避されることになる。さらに、請求項2のハイブリ
ッド光導波回路にあっては、このアース導体層が配線層
内のアース導体と電気的に直接接続されているので、特
に高周波帯域における配線層とアース導体層との位相が
整合され、回路の高周波特性がいっそう向上する。
【0010】
【実施例】次に実施例によって本発明を詳しく説明す
る。 (実施例1)実施例1のハイブリッド光導波回路を図1
および図2に示す。図1はその斜視図であり、図2は図
1の線A−A’で切った断面を示している。ここで、図
6〜8に示した従来例と共通している構成要素について
は、同一番号を付してその説明を省略または簡略化す
る。図1および図2において、符号60はアース導体層
であって、このアース導体層60は、基板10の、誘電
体光導波回路部20が形成されていない側の面上に直接
形成されている。そしてこの上に絶縁層50を介して、
CPWを構成する配線層40が形成されている。この配
線層40は、信号伝搬用の中心導体41とこの両側に一
定のギャップを隔てて配設されたアース導体42とを同
一平面内に有するものである。そして、この配線層40
と、これに接する絶縁層50と、この絶縁層を介して上
記配線層40と異なる平面内に設けられ上記中心導体4
1と対向する面を有するアース導体層60との積層体
が、光スイッチ(半導体光導波回路部)30を作動する
電気信号回路部70を形成している。この電気信号回路
部70では、図2に示すように、絶縁層50の一部に貫
通穴51が形成されている。この貫通穴51は導体メッ
キまたは導体埋め込みなどによって導電性とされてお
り、これによって、配線層のアース導体42とアース導
体層60とが電気的に直接接続されている。配線層の中
心導体41と光スイッチのボンディングパッド33、ま
た、各アース導体42と光スイッチのn側電極34と
は、それぞれボンディングワイヤ43で電気的に接続さ
れている。
る。 (実施例1)実施例1のハイブリッド光導波回路を図1
および図2に示す。図1はその斜視図であり、図2は図
1の線A−A’で切った断面を示している。ここで、図
6〜8に示した従来例と共通している構成要素について
は、同一番号を付してその説明を省略または簡略化す
る。図1および図2において、符号60はアース導体層
であって、このアース導体層60は、基板10の、誘電
体光導波回路部20が形成されていない側の面上に直接
形成されている。そしてこの上に絶縁層50を介して、
CPWを構成する配線層40が形成されている。この配
線層40は、信号伝搬用の中心導体41とこの両側に一
定のギャップを隔てて配設されたアース導体42とを同
一平面内に有するものである。そして、この配線層40
と、これに接する絶縁層50と、この絶縁層を介して上
記配線層40と異なる平面内に設けられ上記中心導体4
1と対向する面を有するアース導体層60との積層体
が、光スイッチ(半導体光導波回路部)30を作動する
電気信号回路部70を形成している。この電気信号回路
部70では、図2に示すように、絶縁層50の一部に貫
通穴51が形成されている。この貫通穴51は導体メッ
キまたは導体埋め込みなどによって導電性とされてお
り、これによって、配線層のアース導体42とアース導
体層60とが電気的に直接接続されている。配線層の中
心導体41と光スイッチのボンディングパッド33、ま
た、各アース導体42と光スイッチのn側電極34と
は、それぞれボンディングワイヤ43で電気的に接続さ
れている。
【0011】このアース導体層60は、例えばAuなど
の低抵抗金属をシリコン基板10の片面にメッキするな
どにより形成することができる。また、この層にはパタ
ーニングなどを施す必要がないので、製作はきわめて容
易である。このアース導体層60の上に施される絶縁層
50は、ポリイミドなどの有機絶縁膜、または酸化シリ
コン膜などである。
の低抵抗金属をシリコン基板10の片面にメッキするな
どにより形成することができる。また、この層にはパタ
ーニングなどを施す必要がないので、製作はきわめて容
易である。このアース導体層60の上に施される絶縁層
50は、ポリイミドなどの有機絶縁膜、または酸化シリ
コン膜などである。
【0012】上記実施例1において、上記ギャップ幅
(図2の2W)の中心導体幅2Sに対する比を種々に変
化させたときの特性インピーダンスを測定した。この測
定に際して、絶縁層50の厚みなどのパラメータは、図
6に示した従来例の場合と同一とした。その結果を、前
記従来例のものと比較してグラフ化し、図3に示す。図
3において、横軸はギャップ幅2Wの中心導体幅2Sに
対する比(2W/2S)を示している。図3から、従来
例の特性インピーダンスがギャップ幅2Wの増加ととも
に一様に増大して行くのに対して、実施例1ではほぼフ
ラットであり、ギャップ幅2Wをかなり大幅に変更して
もインピーダンスはほとんど変化せず、かつ50Ω近辺
の値を保っていることがわかる。すなわち、実施例1の
ハイブリッド光導波回路では、2W/2Sが0.1以上
で特性インピーダンスのギャップ幅依存性がきわめて小
さくなっている。
(図2の2W)の中心導体幅2Sに対する比を種々に変
化させたときの特性インピーダンスを測定した。この測
定に際して、絶縁層50の厚みなどのパラメータは、図
6に示した従来例の場合と同一とした。その結果を、前
記従来例のものと比較してグラフ化し、図3に示す。図
3において、横軸はギャップ幅2Wの中心導体幅2Sに
対する比(2W/2S)を示している。図3から、従来
例の特性インピーダンスがギャップ幅2Wの増加ととも
に一様に増大して行くのに対して、実施例1ではほぼフ
ラットであり、ギャップ幅2Wをかなり大幅に変更して
もインピーダンスはほとんど変化せず、かつ50Ω近辺
の値を保っていることがわかる。すなわち、実施例1の
ハイブリッド光導波回路では、2W/2Sが0.1以上
で特性インピーダンスのギャップ幅依存性がきわめて小
さくなっている。
【0013】(実施例2)図4に、実施例2のハイブリ
ッド光導波回路を示す。この実施例は実施例1と同様な
ハイブリッド光導波回路であるが、ただし、アース導体
層60が基板10の面上に形成されているのではなく、
絶縁層50’を介して配線層40の上層に形成されてい
る。そして、このアース導体層60と配線層のアース導
体42とは、絶縁層50’に形成された貫通穴51’に
よって導通されている。配線層40と基板10との間に
は図6に示した従来例と同様な絶縁層50が形成され、
この絶縁層50と、配線層40と、上記絶縁層50’
と、最上層のアース導体層60とが実施例2の電気信号
回路部70を形成している。
ッド光導波回路を示す。この実施例は実施例1と同様な
ハイブリッド光導波回路であるが、ただし、アース導体
層60が基板10の面上に形成されているのではなく、
絶縁層50’を介して配線層40の上層に形成されてい
る。そして、このアース導体層60と配線層のアース導
体42とは、絶縁層50’に形成された貫通穴51’に
よって導通されている。配線層40と基板10との間に
は図6に示した従来例と同様な絶縁層50が形成され、
この絶縁層50と、配線層40と、上記絶縁層50’
と、最上層のアース導体層60とが実施例2の電気信号
回路部70を形成している。
【0014】実施例2の場合も、実施例1と同様に特性
インピーダンスのギャップ幅依存性は大幅に低減され
た。これに加えて、アース導体層60が信号を伝搬する
中心導体41の上層に配設されていることによって外部
雑音を遮断することができ、雑音耐性が大幅に改善され
た。
インピーダンスのギャップ幅依存性は大幅に低減され
た。これに加えて、アース導体層60が信号を伝搬する
中心導体41の上層に配設されていることによって外部
雑音を遮断することができ、雑音耐性が大幅に改善され
た。
【0015】(実施例3)次に、実施例1と2の構成を
組合わせ、配線層の上層と下層の双方に、絶縁層を介し
て合計2層のアース導体層を形成して実施例3のハイブ
リッド光導波回路を作製した。この回路では、特性イン
ピーダンスのギャップ幅依存性がさらに低減され、ギャ
ップ幅を充分に広くとっても所定の特性インピーダンス
が確保でき、そのバラツキもなくなり、高周波特性、雑
音耐性ともさらに改善された。
組合わせ、配線層の上層と下層の双方に、絶縁層を介し
て合計2層のアース導体層を形成して実施例3のハイブ
リッド光導波回路を作製した。この回路では、特性イン
ピーダンスのギャップ幅依存性がさらに低減され、ギャ
ップ幅を充分に広くとっても所定の特性インピーダンス
が確保でき、そのバラツキもなくなり、高周波特性、雑
音耐性ともさらに改善された。
【0016】(実施例4)この実施例は、シリコン基板
10の同一面上に誘電体光導波回路部と電気信号回路部
との双方が配設された例である。図5に実施例4の断面
図を示す。図5に示すようにこの実施例では、シリコン
基板10の同一面上に順次、アース導体層60、絶縁層
50、配線層40、および誘電体光導波回路部20が形
成され、このうち、アース導体層60と絶縁層50と配
線層40とが電気信号回路部70を構成している。この
アース導体層60と配線層のアース導体42とは、介在
する絶縁層50に形成された貫通穴51によって導通さ
れている。この実施例における誘電体光導波回路部20
は、石英系のものであってもよいが、好適例において
は、配線層40やアース導体層60の金属部材に損傷を
与えることがないように、低温成形が可能な材質、例え
ばポリイミドなどで形成される。
10の同一面上に誘電体光導波回路部と電気信号回路部
との双方が配設された例である。図5に実施例4の断面
図を示す。図5に示すようにこの実施例では、シリコン
基板10の同一面上に順次、アース導体層60、絶縁層
50、配線層40、および誘電体光導波回路部20が形
成され、このうち、アース導体層60と絶縁層50と配
線層40とが電気信号回路部70を構成している。この
アース導体層60と配線層のアース導体42とは、介在
する絶縁層50に形成された貫通穴51によって導通さ
れている。この実施例における誘電体光導波回路部20
は、石英系のものであってもよいが、好適例において
は、配線層40やアース導体層60の金属部材に損傷を
与えることがないように、低温成形が可能な材質、例え
ばポリイミドなどで形成される。
【0017】実施例4のハイブリッド光導波回路は、前
記実施例1〜3と同様に特性インピーダンスのギャップ
幅依存性が大幅に低減されている。これに加えて、実施
例4ではシリコン基板10の片面(裏面)に構成物がな
いので、製造工程で裏面側を保護する必要がなく、基板
の取り扱いが容易となり生産性が向上した。
記実施例1〜3と同様に特性インピーダンスのギャップ
幅依存性が大幅に低減されている。これに加えて、実施
例4ではシリコン基板10の片面(裏面)に構成物がな
いので、製造工程で裏面側を保護する必要がなく、基板
の取り扱いが容易となり生産性が向上した。
【0018】以上説明した実施例1〜4では、基板とし
てシリコン基板を用いたが、本発明のハイブリッド光導
波回路はこれに限定されるものではなく、他の基材、例
えばアルミナセラミックなども基板として使用できる。
また、実施例1〜3においては誘電体光導波回路部20
として石英系のものを用いたが、これに限らずポリイミ
ドなど、石英系以外の光導波路も使用できることは云う
までもない。さらに、上記実施例1〜4では、半導体光
導波回路部30として光スイッチを用いたが、本発明の
ハイブリッド光導波回路はこれに限定されるものではな
く、半導体レーザなど、他の半導体光導波回路であって
もよい。
てシリコン基板を用いたが、本発明のハイブリッド光導
波回路はこれに限定されるものではなく、他の基材、例
えばアルミナセラミックなども基板として使用できる。
また、実施例1〜3においては誘電体光導波回路部20
として石英系のものを用いたが、これに限らずポリイミ
ドなど、石英系以外の光導波路も使用できることは云う
までもない。さらに、上記実施例1〜4では、半導体光
導波回路部30として光スイッチを用いたが、本発明の
ハイブリッド光導波回路はこれに限定されるものではな
く、半導体レーザなど、他の半導体光導波回路であって
もよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のハイブ
リッド光導波回路は、中心導体とアース導体とを同一平
面内に有する配線層と、これに接する絶縁層と、この絶
縁層を介して設けられ上記中心導体と対向する面を有す
る少なくとも1層のアース導体層とから形成された電気
信号回路部を有するものであるので、上記中心導体の面
とアース導体層の面との間に電界分布が広がり、特性イ
ンピーダンスが中心導体とアース導体との間のギャップ
幅に依存しなくなる。そこで、このギャップ幅を広げる
ことによって、導体エッジ部に電界が集中することに起
因する伝搬損失の劣化が回避できるようになり、高周波
特性が大幅に改善される。また、ギャップ幅を製造が容
易な程度まで広げることができるので、製造工程で生ず
る導体間の短絡を容易にかつ有効に防止することができ
る。さらに、ギャップ幅が製造工程でばらついても、そ
のバラツキが特性インピーダンスに与える影響は少ない
ので、均一なインピーダンスを有する製品を歩留まりよ
く生産することができるようになる。上記のアース導体
層は配線層の外層として配設することができるので、こ
の場合は外部雑音を遮断する効果も得られる。
リッド光導波回路は、中心導体とアース導体とを同一平
面内に有する配線層と、これに接する絶縁層と、この絶
縁層を介して設けられ上記中心導体と対向する面を有す
る少なくとも1層のアース導体層とから形成された電気
信号回路部を有するものであるので、上記中心導体の面
とアース導体層の面との間に電界分布が広がり、特性イ
ンピーダンスが中心導体とアース導体との間のギャップ
幅に依存しなくなる。そこで、このギャップ幅を広げる
ことによって、導体エッジ部に電界が集中することに起
因する伝搬損失の劣化が回避できるようになり、高周波
特性が大幅に改善される。また、ギャップ幅を製造が容
易な程度まで広げることができるので、製造工程で生ず
る導体間の短絡を容易にかつ有効に防止することができ
る。さらに、ギャップ幅が製造工程でばらついても、そ
のバラツキが特性インピーダンスに与える影響は少ない
ので、均一なインピーダンスを有する製品を歩留まりよ
く生産することができるようになる。上記のアース導体
層は配線層の外層として配設することができるので、こ
の場合は外部雑音を遮断する効果も得られる。
【0020】請求項2のハイブリッド光導波回路は、前
記絶縁層の一部に貫通穴を形成し、この貫通穴を通して
前記配線層のアース導体と前記アース導体層とを電気的
に接続したものであるので、高周波帯域における配線層
とアース導体層との位相が整合され、回路の高周波特性
がさらに改善される。
記絶縁層の一部に貫通穴を形成し、この貫通穴を通して
前記配線層のアース導体と前記アース導体層とを電気的
に接続したものであるので、高周波帯域における配線層
とアース導体層との位相が整合され、回路の高周波特性
がさらに改善される。
【図1】 実施例1のハイブリッド光導波回路を示す斜
視図。
視図。
【図2】 図1の線A−A’で切った断面図。
【図3】 実施例1および従来例のハイブリッド光導波
回路における特性インピーダンスとギャップ幅との関係
を示すグラフ。
回路における特性インピーダンスとギャップ幅との関係
を示すグラフ。
【図4】 実施例2のハイブリッド光導波回路を示す斜
視図。
視図。
【図5】 実施例4のハイブリッド光導波回路におけ
る、実施例1の線A−A’に相当する部分を切った断面
図。
る、実施例1の線A−A’に相当する部分を切った断面
図。
【図6】 従来例のハイブリッド光導波回路を示す斜視
図。
図。
【図7】 図6の従来例の上面図。
【図8】 図6の線B−B’で切った断面図。
10…基板、20…誘電体光導波回路部、30…半導体
光導波回路部、40…配線層、41…中心導体、42…
アース導体、50…絶縁層、51…貫通穴、60…アー
ス導体層、70…電気信号回路部。
光導波回路部、40…配線層、41…中心導体、42…
アース導体、50…絶縁層、51…貫通穴、60…アー
ス導体層、70…電気信号回路部。
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体光導波路を有する半導体光導波回
路部と、基板の表面近傍に誘電体光導波路を有する誘電
体光導波回路部とを組合わせて構成したハイブリッド光
導波回路において、上記基板の少なくとも一方の表面近
傍に、上記半導体光導波回路部を作動する電気信号回路
部が配設され、この電気信号回路部が、信号伝搬用の中
心導体とこの両側に一定のギャップを隔てて配設された
アース導体とを同一平面内に有する配線層と、これに接
する絶縁層と、この絶縁層を介して上記配線層と異なる
平面内に設けられ上記中心導体と対向する面を有する少
なくとも1層のアース導体層とを有するものであること
を特徴とするハイブリッド光導波回路。 - 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド光導波回路
において、前記絶縁層の一部に貫通穴を形成し、この貫
通穴を通して前記配線層のアース導体と前記アース導体
層とを電気的に接続したことを特徴とするハイブリッド
光導波回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15590093A JPH0735932A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | ハイブリッド光導波回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15590093A JPH0735932A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | ハイブリッド光導波回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0735932A true JPH0735932A (ja) | 1995-02-07 |
Family
ID=15615971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15590093A Pending JPH0735932A (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | ハイブリッド光導波回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0735932A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2006025523A1 (ja) * | 2004-09-02 | 2008-05-08 | 日本電気株式会社 | 光電気複合モジュール |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP15590093A patent/JPH0735932A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2006025523A1 (ja) * | 2004-09-02 | 2008-05-08 | 日本電気株式会社 | 光電気複合モジュール |
JP4626614B2 (ja) * | 2004-09-02 | 2011-02-09 | 日本電気株式会社 | 光電気複合モジュール |
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