JPH073542A - 精紡機における特殊糸製造方法及び特殊糸製造装置 - Google Patents

精紡機における特殊糸製造方法及び特殊糸製造装置

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JPH073542A
JPH073542A JP14796693A JP14796693A JPH073542A JP H073542 A JPH073542 A JP H073542A JP 14796693 A JP14796693 A JP 14796693A JP 14796693 A JP14796693 A JP 14796693A JP H073542 A JPH073542 A JP H073542A
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JP
Japan
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yarn
roving
fleece
fleeces
divided
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JP14796693A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Itatsu
芳秀 板津
Kiwamu Niimi
究 新美
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精紡機において、1本の粗糸から双糸状の単
糸であるサイロスパン糸を製造する。 【構成】 精紡機において、粗糸ボビンBの粗糸Rはド
ラフト装置Dに供給され、バックローラ1とミドルロー
ラ3間、及びミドルローラ3とフロントローラ4間にて
ドラフトされる。ミドルローラ3にはエプロン5が配設
され、エプロン5とフロントローラ4との間には糸吸引
分割装置6及びセパレータ7が配設されている。エプロ
ン5から送出されるフリースは糸吸引分割装置6により
2本のフリースにほぼ等分に分割され、分割された2本
のフリースはセパレータ7にて所定間隔を隔てた状態と
される。そして、2本のフリースはフロントローラ4か
ら所定間隔を保持する状態で紡出され、その紡出後に交
撚されて糸(サイロスパン糸)Yとされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精紡機の同一ドラフト域
でドラフトされてフロントローラから紡出される複数本
のフリースを交撚させることにより1本の交撚糸を製造
する精紡機における特殊糸製造方法及び特殊糸製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2本の粗糸ボビンからそれぞれ供
給される2本の粗糸をリング精紡機の同一ドラフト域で
同時にドラフトして2本のフリースとし、該フリースを
フロントローラから紡出後、1本の糸に交撚して双糸状
の単糸である特殊糸を製造する方法が知られている。こ
の特殊糸はサイロスパン(商標名)糸とも呼ばれてお
り、普通のリング糸よりも糸強力が優れており、従来の
双糸にほぼ匹敵する。又、毛羽の発生も普通のリング糸
より少ない。
【0003】この特殊糸の製造は、図6に示すように1
錘に対して2本の粗糸ボビンBを対応可能に吊下するク
リールを備えたリング精紡機(いずれも図示ず)により
行われている。同図に示すように、リング精紡機のクリ
ールには1錘に対して2本の粗糸ボビンBが吊下され、
2本の粗糸ボビンBから供給される粗糸R1,R2はバ
ックローラ31の上流側(粗糸ボビンB側)に設けられ
た2口トランペット32を通ってドラフト装置Dへ送ら
れる。そして、粗糸R1,R2は所定間隔を隔てた状態
でバックローラ31とエプロン33の間、及びエプロン
33とフロントローラ34の間でそれぞれドラフトされ
てフリースf1,f2とされる。そして、フリースf
1,f2はフロントローラ34から紡出され、スピンド
ルの回転による撚りかけ機構によりフロントローラ34
のニップ点にて交撚されて1本の糸Yとされ、スネルワ
イヤ35、トラベラ36を経てボビンbに巻き取られる
ようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法に
よると1錘に対して2本の粗糸ボビンBが必要であるた
め、普通のリング糸を製造する既存のリング精紡機に比
較して粗糸ボビンBの数が2倍となる。そのため、それ
らの粗糸ボビンBを吊下する大型のクリールが必要とな
り、大型のクリールを備えることに伴いリング精紡機が
大型化するという問題があった。
【0005】又、粗糸ボビンBの粗糸R1,R2が空に
近づくと、空に近づいた粗糸ボビンBを満ボビンと交換
する粗糸替(篠替え)作業が行われるが、粗糸替作業を
すべき粗糸ボビンBの数も普通リング糸の生産時に比較
して2倍となる。そのため、粗糸替えすべき粗糸ボビン
Bの数の倍増に伴い、粗糸替作業に2倍の所要時間を要
するという問題があった。さらに、リング精紡機には粗
糸替作業を自動で行う粗糸替機(例えば特開平2−12
7368号公報)を配備するものがあるが、粗糸ボビン
Bの数が2倍になると必然的に既存のクリールとはボビ
ン配列が異なるため、粗糸替機が利用できないという問
題があった。その他、粗糸替機以外にも既存のリング精
紡機に配備された各種の自動作業機が利用できなかっ
た。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は1本の粗糸から交撚糸を製造す
ることができる精紡機における特殊糸製造方法及び特殊
糸製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、1本の繊維束を分割して
複数本の繊維束とし、その分割した繊維束を交撚させて
1本の糸とするようにした。
【0008】請求項2に記載の発明では、バックローラ
とフロントローラとの間のドラフト域でドラフトされて
フリースとなった1本のフリースをそのドラフト域で2
分割して2本のフリースとし、その2本のフリースをフ
ロントローラからの紡出後に交撚させて1本の糸とする
ようにした。
【0009】請求項3に記載の発明では、バックローラ
とフロントローラとの間のドラフト域に1本のフリース
を2本のフリースに2分割する糸分割手段を備えた。
【0010】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、1本の繊維束
は分割されて複数本の繊維束とされ、その分割された繊
維束は交撚されて1本の糸となる。従って、1本の繊維
束から交撚糸を製造することが可能となる。その結果、
1本の交撚糸を生産するのに1本の繊維束すなわち1本
の粗糸ボビンがあればよく、従来のように2本の粗糸ボ
ビンが必要でなくなる。そのため、粗糸ボビンの粗糸が
空に近づくと満ボビンと交換する粗糸替作業の手間が半
分で済む。又、クリールは普通糸の製造に用いられる既
存の精紡機と同様のクリールの使用が可能となるため、
既存の精紡機に配備される粗糸替機などの各種の自動作
業機を利用することも可能となる。さらに、クリールの
小型化に伴い精紡機の小型化が可能となる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、1本の粗
糸がバックローラとフロントローラとの間のドラフト域
でドラフトされて形成された1本のフリースは、そのド
ラフト域において分割されて2本のフリースとされる。
2本のフリースはフロントローラからの紡出後に交撚さ
れて1本の糸となる。即ち、1本の交撚糸は1本の粗糸
から生産される。その結果、交撚糸の生産において、1
錘に対して1本の粗糸ボビンがあればよく、従来のよう
に1錘に対して2本の粗糸ボビンが必要でなくなる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、バックロ
ーラとフロントローラとの間のドラフト域を移動する1
本のフリースは、糸分割手段により2本のフリースに分
割される。分割された2本のフリースはフロントローラ
からの紡出後、交撚されて1本の糸となる。即ち、1本
の交撚糸は1本の粗糸から生産される。
【0013】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明を具体化した第1実施例を
図1〜図3に従って説明する。
【0014】図1に示すように、リング精紡機のクリー
ル(図示せず)には各スピンドル9に対応する数の粗糸
ボビンBが吊下されている。即ち、1錘に対して1本の
粗糸供給用の粗糸ボビンBが対応している。バックロー
ラ1の上流側(粗糸ボビンB側)にはトランペット2が
設置され、粗糸ボビンBから供給された粗糸Rはトラン
ペット2に案内されてドラフト装置Dへ供給されるよう
になっている。
【0015】ドラフト装置Dはそれぞれ一対のバックロ
ーラ1、ミドルローラ3及びフロントローラ4を備え、
ミドルローラ3にはエプロン5が配設されている。エプ
ロン5とフロントローラ4との間には糸分割手段として
の糸吸引分割装置6とセパレータ7とが配設されてい
る。又、フロントローラ4の下流側には周知のスピンド
ル加撚機構Sが配設されている。スピンドル加撚機構S
はフロントローラ4からの紡出後に交撚された糸Yを案
内するスネルワイヤ8と、ボビンbを嵌挿するとともに
高速回転するスピンドル9と、リング10上を走行して
糸Yを案内するトラベラ11とを備えている。
【0016】図2,3に示すように、糸吸引分割装置6
はその上面に通気膜12が両端を支持部材13に支持さ
れた状態で配置されている。通気膜12には粗糸径より
充分小さな多数の孔を有するシートや網目が粗糸径より
充分小さな金網等が使用される。又、通気膜12の上面
中央には尖った角部14aを上流側とする状態で金属ま
たはセラミックからなる三角板状の分割部材14が配置
され、分割部材14は通気膜12及び通気膜12の裏面
側に配置された支持部材(図示せず)を介してネジ固定
されている。分割部材14の配設位置はエプロン5から
のフリースFの送出位置に対応し、角部14aがエプロ
ン5から送出されるフリースFとその幅中央にて接触可
能となっている。分割部材14の角部14aの先端は厳
密には所定の曲率を有しており、分割部材14の角部1
4aに接触したフリースFはその繊維がほとんど切断さ
れることなく繊維が崩落することによりフリースFが2
本に分割されるようになっている。
【0017】通気膜12の裏面側には、上流側で近接す
るとともに下流側ほど拡開する所定角度をなす一対の細
長い吸引口15aを有する吸引ノズル15が、その吸引
口15aを通気膜12の裏面に当接する状態で配置され
ている。そして、吸引口15aと対応する通気膜12の
上面には、通気膜12上を移動するフリースF1,F2
の移動経路を規制するに充分な負圧が吸引ノズル15に
より付与されるようになっている。即ち、フリースF
1,F2は通気膜12を通して作用する吸引ノズル15
からの吸引作用により、通気膜12上を吸引口15aと
の対応位置に沿って移動するようになっている。尚、吸
引ノズル15はエアコンプレッサ(図示せず)と接続さ
れている。
【0018】セパレータ7は略円柱状をなし、ミドルロ
ーラ3の長手方向と直交する方向において分割部材14
と対応する位置に配置され、糸吸引分割装置6にて分割
されたフリースF1,F2を所定間隔を隔てた状態でフ
ロントローラ4へ供給する機能を有している。フロント
ローラ4から紡出されるフリースF1,F2の間隔は生
産されるサイロスパン糸の単糸強力及び毛羽数と関係
し、良質なサイロスパン糸が生産されるようにセパレー
タ7の直径が所定長さに設定されている。
【0019】次に、前記のように構成された装置の作用
を説明する。リング精紡機の運転開始前に、糸吸引分割
装置6には予め図2に示すようにフリースFが2本のフ
リースF1,F2に分割された状態でセットされ、この
状態からリング精紡機の運転が開始される。又、リング
精紡機の運転開始と同時に吸引ノズル15が作動されて
吸引口15aが負圧状態とされる。
【0020】粗糸ボビンBから供給された粗糸Rはドラ
フト装置Dへ送られ、バックローラ1とミドルローラ3
間及びミドルローラ3とフロントローラ4間でそれぞれ
ドラフトされる。エプロン5から送出されるフリースF
はバックローラ1とミドルローラ3間におけるドラフト
作用によりほぼ完全に撚りのない状態とされ、各ローラ
1,3による圧接作用によりその断面が厚さに対して幅
広な帯状となっている。又、フリースFはその繊維がフ
リースの長手方向に沿う繊維束の状態にある。
【0021】エプロン5から送出されたフリースFは、
その幅中央にて分割部材14の角部14aと接触する。
又、その下流側では2本に分割されたフリースF1,F
2は通気膜12の裏面に配置された吸引ノズル15の吸
引作用に基づき、分割部材14を挟んだ状態で互いに下
流側ほど拡開する経路で通気膜12上を移動する。その
ため、フリースFにはフリースFを角部14aとの接触
部すなわちフリースFの幅中央から図2の左右両側に引
き裂く方向の力が加わる。その結果、フリースFはその
長手方向に走る繊維束がフリースFの幅中央から繊維方
向に沿って剥離するように分割される。即ち、フリース
Fは角部14aとの接触部である幅中央からその繊維が
崩落するように分割される。この分割作用が連続的に行
われることにより、フリースFは分割部材14の角部1
4aとの接触部すなわちその幅中央にて連続的に2本の
フリースF1,F2に分割されてゆく。
【0022】2本のフリースF1,F2は、互いにセパ
レータ7を挟んだ状態でそれぞれセパレータ7の外周と
摺接することにより、セパレータ7の直径に相当する所
定間隔で隔てられる。そして、この間隔を保持したまま
2本のフリースF1,F2はフロントローラ4から紡出
される。フロントローラ4から紡出された2本のフリー
スF1,F2は、フロントローラ4とスネルワイヤ8と
の間にて撚り込まれ、1本の糸Yとして交撚される。こ
こで、交撚された糸Yは、フロントローラ4から紡出さ
れる2本のフリースF1,F2の間隔がセパレータ7に
より所定の最適値に保持されているので、単糸強力及び
毛羽数が共に良好なサイロスパン糸となる。そして、糸
Yはスネルワイヤ8を経た後、リング10上を走行する
トラベラ11に案内され、スピンドル9に嵌挿されて高
速回転するボビンbに巻き取られる。
【0023】以上詳述したように本実施例によれば、1
本の粗糸Rから双糸状に交撚された糸Yすなわちサイロ
スパン糸を製造することができる。そのため、1錘に対
して1本の粗糸供給用の粗糸ボビンBがあれば良く、従
来のサイロスパン糸の製造装置のように1錘に対して2
本の粗糸供給用の粗糸ボビンBを設置する必要がない。
その結果、粗糸ボビンBの設置数が半分で済む。又、こ
れに伴いクリールの大きさも従来のクリールに比較して
大幅に小型化することが可能となり、ひいてはサイロス
パン糸製造用リング精紡機の小型化を実現することがで
きる。又、1錘に対して1本の粗糸供給用の粗糸ボビン
Bがあれば良いことから、従来1錘に対して2本の粗糸
替え(篠替え)が必要であったものが1錘に対して1本
の粗糸替えで済ませることができる。その結果、粗糸替
作業の手間がほぼ半分で済み、粗糸替作業の所要時間を
ほぼ半分に短縮することができる。さらに、普通糸の生
産に使用される既存のリング精紡機に備えられたクリー
ルを使用することができることから、既存のリング精紡
機に糸吸引分割装置6及びセパレータ7を設置するだけ
で比較的容易にサイロスパン糸生産用リング精紡機に改
良することができる。又、既存の普通糸生産用のリング
精紡機に配備される粗糸替(篠替え)機などの自動作業
機を本実施例のサイロスパン糸生産に利用することが可
能となる。例えば、粗糸替機を本実施例に適用すれば、
サイロスパン糸生産において粗糸替作業の自動化が可能
となり、粗糸替作業における省人化及び作業時間の短縮
化を実現することができる。 (第2実施例)次に、本発明を具体化した第2実施例を
図4に従って説明する。
【0024】本実施例では糸分割手段として糸吸引分割
装置6に替えてコレクタを使用した点が前記第1実施例
と大きく異なっている。尚、本実施例において、前記第
1実施例と同一の構成については同一の符号を付して説
明を省略し、特に異なった点についてのみ説明する。
【0025】図4に示すように、エプロン5とフロント
ローラ4との間には糸分割手段としての2個の案内孔1
6aを有するコレクタ16が配設されている。コレクタ
16の案内孔16aの入口(上流側口)はエプロン5か
ら送出されるフリースFが挿通可能にフリースFの太さ
より若干大きな断面形状に形成されている。フリースF
は案内孔16aの入口からの侵入時に、入口付近に形成
された鋭角となった分岐点16bにその幅中央にて接触
可能となっている。フリースFは分岐点16bと接触す
ることにより、分岐点16bとの接触部から繊維が崩落
するように2分割されるようになっている。又、案内孔
16aの2つの出口(下流側口)は所定間隔を隔てて形
成されている。
【0026】よって、エプロン5から送出されるフリー
スFはコレクタ16の案内孔16aの入口から流入し、
入口にて集束されたフリースFは案内孔16aの分岐点
16bとその幅中央で接触する。その結果、フリースF
は分岐点16bとの接触点から繊維が崩落するように分
割され、2本のフリースF1,F2にほぼ等分される。
そして、両フリースF1,F2は分岐した案内孔16a
のそれぞれを通って案内孔16aの出口から所定間隔を
隔てた状態で送出される。そして、フリースF1,F2
はフロントローラ4からの紡出後に交撚されて糸(サイ
ロスパン糸)Yとなる。
【0027】従って、本実施例によれば、前記第1実施
例と同様の効果が得られる。さらに、糸分割手段を前記
第1実施例の糸吸引分割装置6に比較して単純な構造と
することができる。その結果、吸引ノズル15やエアコ
ンプレッサが不用となるため、前記第1実施例に比較し
て糸分割手段の製造コストを低く抑えることができる。
又、案内孔16aの入口にてフリースFを分岐点16b
とその幅中央にて接触可能に案内したので、フリースF
をその幅方向にほぼ確実に2等分することができる。そ
の結果、均質なサイスパン糸が生産される。さらに、フ
リースF1,F2は案内孔16aの各出口から所定間隔
を隔てた状態で送出されるので、セパレ−タ7を省くこ
ともできる。 (第3実施例)次に、本発明を具体化した第3実施例を
図5に従って説明する。
【0028】本実施例では糸分割手段の構成が前記第1
及び第2実施例と大きく異なっている。尚、本実施例に
おいて、前記第1,2実施例と同一の構成については同
一の符号を付して説明を省略し、特に異なった点につい
てのみ説明する。
【0029】図5に示すように、エプロン5とフロント
ローラ4との間には一対の規制ローラ17と糸分割手段
としての分割部材18が図示しないブラケットを介して
両者が所定の位置関係を保持するように配設されてい
る。一対の規制ローラ17はエプロン5から送出される
フリースFの幅より若干広い間隔を開けて配置されてい
る。又、分割部材18は先部が若干鋭角に形成されたプ
レート18aとそれを支持する支持部材18bから構成
され、プレート18aの先部は規制ローラの間隔中心に
位置するように配置されている。即ち、規制ローラ17
はフリースFの幅中央がプレート18aの先部と接触可
能にフリースFの移動経路を案内している。又、分割部
材18の下流側にはセパレータ7が配設されている。フ
リースFはプレート18aの先部との接触点から繊維が
ほとんど切断されることなく崩落するように分割される
ようになっている。
【0030】よって、エプロン5から送出されるフリー
スFは、まず規制ローラ17間へ送られ、その移動経路
が規制ローラ17により案内される。フリースFは規制
ローラ17間を通過する際に、その幅中央が規制ローラ
17の間隔中心に位置するプレート18aの先部と接触
する。その際、その接触部にはセパレータ7を介して下
流側ほど拡開する2本のフリースF1,F2を介して図
5の左右方向に引き裂く力が加わる。その結果、フリー
スFはプレート18aの先部との接触点すなわちフリー
スFの幅中央から繊維が崩落するように左右両側に引き
裂かれて分割され、2本のフリースF1,F2にほぼ等
分される。そして、両フリースF1,F2はそれぞれセ
パレータ7を挟んでその外周と摺接することにより、フ
リースF1,F2はセパレータ7の直径に相当する所定
間隔を隔てた状態でフロントローラ4に送られる。そし
て、フリースF1,F2はフロントローラ4からの紡出
後に交撚されて糸(サイロスパン糸)Yとされる。
【0031】従って、本実施例によれば、前記第1実施
例と同様の効果が得られる。さらに、糸分割手段を前記
第1実施例の糸吸引分割装置6に比較して第2実施例同
様に単純な構造とすることができる。その結果、前記第
1実施例に比較して糸分割手段のコストを低く抑えるこ
とができる。又、規制ローラ17によりフリースFをそ
の幅中央がプレート18aの先部と接触可能に案内した
ので、フリースFをほぼ確実に2等分することができ
る。その結果、均質なサイスパン糸が生産される。
【0032】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに変更することもできる。 (1)前記第1実施例では、通気膜12と分割部材14
との協働作用によりフリースFを2分割したが、フリー
スFを2分割可能な限りにおいていずれか一方のみとし
てもよい。
【0033】(2)糸分割手段はバックローラとフロン
トローラ間のドラフト域内の適宜な位置に設定すること
ができる。例えば4線のドラフト装置において、2本の
ミドルローラ間に糸吸引分割装置6やコレクタ16、分
割部材18等の糸分割手段を配設してもよい。さらに、
バックローラ1の上流側において粗糸Rを分割する構成
としてもよい。
【0034】(3)前記各実施例では糸Yの交撚数を2
本としたが、交撚数は適宜設定してよい。例えば1本の
粗糸からドラフトされたフリースをドラフト域にて糸分
割手段により3分割することにより3本のフリースと
し、3本のフリースが交撚された交撚糸を生産する構成
としてもよい。本発明によれば生産される糸の交撚数に
かかわらず、クリールを変更することなく既存のリング
精紡機をそのまま適用することができる。
【0035】(4)前記第1実施例において、糸吸引分
割装置6の上流側に規制ローラ17等のフリースの移動
経路を案内する案内手段を配設し、分割部材14の角部
14aが確実にフリースFの幅中央にて接触可能な構成
としてもよい。
【0036】(5)前記第3実施例において、プレート
18aに替えてカッタを設置し、カッタによりフリース
Fの繊維を切断させることによりフリースFを2分割す
る構成としてもよい。
【0037】(6)前記各実施例においてフロントロー
ラ4の上流側で特公平3−6253号公報に開示された
吸着加撚手段を併設し、フロントローラ4からの紡出前
にフリースF1,F2を仮撚りする構成としてもよい。
この場合、フリースF1,F2の仮撚りにより、生産さ
れるサイロスパン糸の毛羽を一層低減させることができ
る。又、2個の仮撚りノズルを設けて、分割後のフリー
スF1,F2を仮撚りノズルを経てフロントローラ4へ
導くようにしてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、1本の繊維束を複数本の繊維束に分割する
ことにより、1本の繊維束から交撚糸を製造することが
できるという優れた効果を奏する。又、請求項2及び請
求項3に記載の発明によれば、1本の粗糸をドラフト域
で2本のフリースに分割することにより、1本の粗糸か
ら双糸状の単糸であるサイロスパン糸を製造することが
できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例の特殊糸製造装
置を示す模式斜視図である。
【図2】糸吸引分割装置の概略平面図である。
【図3】糸吸引分割装置の概略側面図である。
【図4】第2実施例におけるコレクタの概略平面図であ
る。
【図5】第3実施例における分割部材の概略平面図であ
る。
【図6】従来装置を示す模式斜視図である。
【符号の説明】 1…バックローラ、4…フロントローラ、6…糸分割手
段としての糸吸引分割装置、16…糸分割手段としての
コレクタ、18…糸分割手段としての分割部材、F…繊
維束としてのフリース、F1,F2…繊維束としてのフ
リース、Y…糸。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本の繊維束を分割して複数本の繊維束
    とし、その分割した繊維束を交撚させて1本の糸とする
    精紡機における特殊糸製造方法。
  2. 【請求項2】 バックローラとフロントローラとの間の
    ドラフト域でドラフトされてフリースとなった1本のフ
    リースをそのドラフト域で2分割して2本のフリースと
    し、その2本のフリースをフロントローラからの紡出後
    に交撚させて1本の糸とする精紡機における特殊糸製造
    方法。
  3. 【請求項3】 バックローラとフロントローラとの間の
    ドラフト域に1本のフリースを2本のフリースに2分割
    する糸分割手段を備えた精紡機における特殊糸製造装
    置。
JP14796693A 1993-06-18 1993-06-18 精紡機における特殊糸製造方法及び特殊糸製造装置 Pending JPH073542A (ja)

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JP14796693A Pending JPH073542A (ja) 1993-06-18 1993-06-18 精紡機における特殊糸製造方法及び特殊糸製造装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103215703A (zh) * 2013-04-09 2013-07-24 东华大学 一种新型高效环锭纺纱装置和方法
CN108728950A (zh) * 2018-07-31 2018-11-02 无锡市恒久电器技术有限公司 一种细纱机专用牵伸纺纱机构
CN114318598A (zh) * 2022-01-29 2022-04-12 浙江华孚色纺有限公司 一种差速纺细纱机、波浪形赛络紧密纺纱线及其制备方法

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