JPH0735251A - 逆止弁およびその逆止弁を備えたキャニスタシステム - Google Patents

逆止弁およびその逆止弁を備えたキャニスタシステム

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JPH0735251A
JPH0735251A JP17678393A JP17678393A JPH0735251A JP H0735251 A JPH0735251 A JP H0735251A JP 17678393 A JP17678393 A JP 17678393A JP 17678393 A JP17678393 A JP 17678393A JP H0735251 A JPH0735251 A JP H0735251A
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JP
Japan
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fluid
valve
check valve
valve body
inflow port
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Application number
JP17678393A
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English (en)
Inventor
Munenori Nagasaka
宗徳 長坂
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】設置場所の制約を受けず、一定範囲内での流体
の圧力で流体の流量を調整できる逆止弁を提供するにあ
る。 【構成】この逆止弁101は、流体の流入口104と流
出口106とを備えたバルブケーシング102と、この
バルブケーシング102内を流体の流れ方向に往復可能
な弁体110とから構成され、上記弁体110は、付勢
手段115により常時上記流入口104に押圧されて流
入口104を閉止するものであり、流体の所定下限圧力
によって上記弁体110が上記付勢手段115の付勢力
に抗して流れ方向に移動し上記流入口104を開放する
一方、流体の所定下限圧力によって上記弁体110が上
記流出口106に押圧され流出口106を閉止するよう
に構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は逆止弁およびその逆止弁
を備えたキャニスタシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】流体を一定方向にだけ流し、逆方向の流
れを阻止するために逆止弁を用いている。図8(a)に
示すように、従来の逆止弁1はバルブケーシング2の中
に連通口3およびこの連通口3を塞ぐ、例えば傘型の弁
体4を備えた隔壁5を設けて上流側弁室6および下流側
弁室7を形成したもので、図中の矢印が示すように、逆
止弁1の上流側から上流側弁室6に流入した流体8が所
定圧力pを越えると連通口3から弁体4を押し開いて
下流側弁室7に流入するようになっている(図8(b)
参照)。
【0003】また、図9(a)および(b)に示すよう
に、チェックボールを備えた逆止弁もある。この逆止弁
11は、バルブケーシング12の中に上下方向に移動可
能なチェックボール13が、バルブケーシング12の内
壁に形成された突起14により横方向の移動を規制され
たものである。図中の矢印が示すように、下流側である
逆止弁11の下方から流入した流体15は所定下限圧力
になるまではチェックボール13がその重さで流入
口16を塞ぐことによりバルブケーシング12内への流
入を阻止される。そして、流体15が所定下限圧力p
を越えるとチェックボール13を押上ながらバルブケー
シング12の内壁に形成された流路17を通って逆止弁
11の上方に流れ出る。さらに、流体15が所定上限圧
力pに達するとチェックボール13が流出口18を塞
ぎ、流体15の流れを阻止するようになっている(図9
(c)参照)。
【0004】なお、上述したそれぞれの逆止弁1,11
は、逆止弁1,11の下流側に負圧が発生しても同様な
効果を発揮する。
【0005】ところで、内燃機関21を備えた車両に
は、燃料タンク22内の蒸発燃料ガス23を外部に漏洩
させずに補足するキャニスタシステム24が備えられて
いる。このキャニスタシステム24は、図10に示すよ
うに、密閉容器であるキャニスタ装置25を備え、この
キャニスタ装置25の内部に活性炭を封入したものであ
る。このキャニスタ装置25からは三本のパイプ、すな
わち蒸発燃料ガス導出パイプ26、パージパイプ27お
よびドレンパイプ28が延出される。蒸発燃料ガス導出
パイプ26は燃料タンク22内の燃料29液面上に連通
され、パージパイプ27は内燃機関21の吸気通路30
に接続される。そして、ドレンパイプ28は大気中に解
放される。
【0006】車両の駐車時に燃料タンク22内で発生し
た蒸発燃料ガス23は、蒸発燃料ガス導出パイプ26を
経てキャニスタ装置25内の活性炭に吸着され、キャニ
スタ装置25内に蓄積される。そして、内燃機関21が
作動すると、吸気通路30内に生ずる負圧がパージパイ
プ27によってキャニスタ装置25内に伝わり、キャニ
スタ装置25内に蓄積された蒸発燃料ガス23が吸気通
路30内に吸引され、内燃機関21に送られて混合気と
共に燃焼されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8
(a)に示す傘型の弁体4を備えた逆止弁1は、流体は
所定圧力pが掛かるまでは一切流通せず、また、一度
弁体4が押し開かれると、流体8が所定圧力pに戻る
まで開きっぱなしである。
【0008】また、図9(a)および(b)に示すチェ
ックボール13を備えた逆止弁11は、流入口16およ
び流出口18の開閉に重力を利用しているため、逆止弁
11を横置きや上下逆さに置くことができず、逆止弁1
1の設置場所に制約を受けることになる。
【0009】さらに、従来のキャニスタシステム24で
は、内燃機関21が低速回転時または高速回転時におい
ては吸気通路30内の負圧が高く、多くの蒸発燃料ガス
23を吸入してしまい、空気と燃料29との比率(空燃
比)を不安定にしてしまう一方、内燃機関21の停止時
には、蒸発燃料ガス23が大気中に放出されてしまう虞
がある。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、設置場所の制約を受けない逆止弁を提供するこ
とを目的とする。
【0011】この発明の他の目的は、一定範囲内での流
体の圧力で流体の流量を調整できる逆止弁を提供するに
ある。
【0012】この発明の別の目的は、所定圧力以下でも
ある一定の流量の流体が流通可能な逆止弁を提供するに
ある。
【0013】さらにこの発明の別の目的は、内燃機関が
中速回転時のみ蒸発燃料ガスを吸気通路に導く逆止弁を
備えたキャニスタシステムを提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る逆止弁およ
びその逆止弁を備えたキャニスタシステムは、上述した
課題を解決するために、請求項1に記載したように、流
体の流入口と流出口とを備えたバルブケーシングと、こ
のバルブケーシング内を流体の流れ方向に往復可能な弁
体とから構成され、上記弁体は、付勢手段により常時上
記流入口に押圧されて流入口を閉止するものである。
【0015】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、流体の所定下限圧力によって
上記弁体が上記付勢手段の付勢力に抗して流れ方向に移
動し上記流入口を開放する一方、流体の所定下限圧力に
よって上記弁体が上記流出口に押圧され流出口を閉止す
るように構成したものである。
【0016】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、上記弁体に、上記流入口と
流出口とを連通させる連通路を形成したものである。
【0017】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、請求項4に記載したように、燃料タンク内で蒸発し
た蒸発燃料ガスを捕集するキャニスタ装置を設け、この
キャニスタ装置からパージパイプをエンジン吸気系に接
続し、上記パージパイプの途中に流体圧力差が一定の領
域内にあるとき流通を可能とした逆止弁を設けたもので
ある。
【0018】
【作用】上記の構成を有する本発明においては、流体の
流入口と流出口とを備えたバルブケーシングと、このバ
ルブケーシング内を流体の流れ方向に往復可能な弁体と
から構成され、上記弁体は、付勢手段により常時上記流
入口に押圧されて流入口を流入口を閉止する閉塞してい
るため、設置場所の制約を受けない。
【0019】また、流体の所定下限圧力によって上記弁
体が上記付勢手段の付勢力に抗して流れ方向に移動し上
記流入口を開放する一方、流体の所定下限圧力によって
上記弁体が上記流出口に押圧され流出口を閉止するよう
に構成したため、一定範囲内での流体の圧力で流体の流
量を調整できる逆止弁を提供できる。
【0020】さらに、上記弁体に、上記流入口と流出口
とを連通させる連通路を形成したため、所定圧力以下で
もある一定の流量の流体が流通可能になる。
【0021】さらにまた、燃料タンク内で蒸発した蒸発
燃料ガスを捕集するキャニスタ装置を設け、このキャニ
スタ装置からパージパイプをエンジン吸気系に接続し、
上記パージパイプの途中に流体圧力差が一定の領域内に
あるとき流通を可能とした逆止弁を設けたため、内燃機
関が中速回転時のみ蒸発燃料ガスを吸気通路に導く逆止
弁を備えたキャニスタシステムを提供できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0023】図1は、この発明を適用した逆止弁の一例
を示す断面図であり、図2は、図1のA−A線に沿う断
面図である。この逆止弁は、図1における右側が上流側
であり、左側が下流側である。
【0024】図1および図2において、この逆止弁10
1の、例えば円筒状あるいはボックス状のバルブケーシ
ング102内には弁室103が形成される。バルブケー
シング102の上流側には流入口104が形成され、こ
の流入口104には流入通路105が接続される。そし
てバルブケーシング102の下流側には流出口106が
流入口104に対向して形成され、この流出口106に
は流出通路107が接続される。弁室103内の流入口
104側には流入側弁座108が設けられ、弁室103
内の流出口106側には流出側弁座109が設けられ
る。
【0025】弁室103内には流体の流れ方向、すなわ
ち図1の左右方向に摺動可能な弁体110が設けられ、
この弁体110により弁室103は上流側弁室103a
と下流側弁室103bとに区画される。弁体110は、
大径部110aと小径部110bとから構成される。大
径部110aの外周面はバルブケーシング102の内壁
に摺接する一方、大径部110aの外周面には流通路1
12が複数箇所形成され、上流側弁室103aと下流側
弁室103bとを連通させる。
【0026】小径部110bの外周面には付勢手段であ
る、例えばコイルばね115が配置され、弁体110は
常時このコイルばね115の付勢力により流入側弁座1
08に押圧され流入口104を閉止している。また、小
径部110bの直径は流出口106の口径より大とす
る。
【0027】弁体110の中央には細孔からなる連通路
116が形成されるが、場合によってはこの連通路11
6は形成しなくてもよい。
【0028】次に、第一実施例の作用について説明す
る。
【0029】図3(a),(b)および(c)は、上述
した逆止弁101の作用を示す図であり、図4は、流体
の圧力と流体の流量との関係を表したグラフである。
【0030】流体117が所定下限圧力P以下で流入
通路105から流入口104へ流入した場合、図3
(a)および図4に示すように、弁体110はコイルば
ね115の付勢力により流入側弁座108に押圧され流
入口104を閉止しているが、弁体110の中央に形成
された連通路116によりある一定の流量Qの流体1
17は流出口106から流出通路107へ流出される。
但し、連通路116を弁体110内に形成しなければ、
流体117の流量は0となる。
【0031】流体117が所定下限圧力Pを越えて流
入通路105から流入口104へ流入すると、図3
(b)に示すように、弁体110はコイルばね115の
ばね力に抗して下流側に押戻される。弁体110が下流
側に押戻されると、流入側弁座108と弁体110の大
径部110aとの間に空間が形成される。この空間、す
なわち上流側弁室103aには連通路116に流入しき
れない流体117aが流入し、この流体117aは大径
部110aの外周面に形成された流通路112を経て上
流側弁室103aに流入した後、流出口106から流出
通路107へ流出される。
【0032】流入通路105から流入口104へ流入す
る流体117が最大流量Qとなり所定上限圧力P
達すると、図3(c)および図4に示すように、弁体1
10はコイルばね115のばね力に屈して下流側に押戻
され弁体110の小径部110bが流出側弁座109に
押圧され、流出口106を閉止する。流出口106が閉
止されると連通路116に流入しきれない流体117b
は流出口106から流出できず、弁体110の中央に形
成された連通路116により一定の流量Qの流体11
7のみが流出口106から流出通路107へ流出され
る。但し、連通路116を弁体110内に形成しなけれ
ば、流体117の流量は0となる。
【0033】上述したように、本件の第一実施例の逆止
弁101は、従来のチェックボール13を用いた逆止弁
11と違って流入口104および流出口106の開閉に
重力を利用していないため、逆止弁101の設置場所に
制約を受けることがない。
【0034】また、従来の傘型の弁体4を備えた逆止弁
1と違って弁体110がバルブケーシング102内を流
体117の圧力により流れ方向に摺動して流体117の
流量を調整できるため、流体117が所定下限圧力に戻
るまで開きっぱなしであることがない。
【0035】さらに、弁体110の中央に連通路116
を形成することにより、流体117の初期流量を任意に
設定できる。もちろん、流入通路105や流出通路10
7の口径、およびコイルばね115のばね力を変化させ
ることにより流体117の流量や逆止弁101の作動圧
力も任意に設定できる。
【0036】次に、本発明の第二実施例を説明する。
【0037】図5は、この発明を適用した逆止弁の他の
例を示す断面図である。この逆止弁は、図5における右
側が上流側であり、左側が下流側である。
【0038】図5において、この逆止弁201の、例え
ば円筒状あるいはボックス状のバルブケーシング202
内には弁室203が形成される。バルブケーシング20
2の上流側には流入口204が形成され、流入通路20
5が接続される。そしてバルブケーシング202の下流
側には流出口206が形成され、流出通路207が接続
される。弁室203内の流出口206側には流出側弁座
209が設けられる。
【0039】弁室203内には、そのほぼ中央部に弁体
210がダイヤフラム211により弁室203内壁に支
持されており、この弁体210により弁室203は上流
側弁室203aと下流側弁室203bとに区画される。
弁体210は、流体の流れ方向、すなわち図5における
左右方向に移動可能になっている。
【0040】弁体210は、支持板210aとチャンバ
210bとから構成される。支持板210aには上流側
弁室203aとチャンバ210b内とを連通させる流通
路212が複数個設けられる一方、支持板210aに
は、例えば傘型弁213がチャンバ210b内に向かっ
て開くように設けられる。また、チャンバ210bに
は、チャンバ210b内と下流側弁室203bとを連通
させる連通口214が複数個設けられる。さらに、チャ
ンバ210bの直径は流出口206の口径より大とす
る。
【0041】チャンバ210bの外周面には付勢手段で
ある、例えばコイルばね215が配置され、弁体210
は常時このコイルばね215の付勢力によりに流入口2
04側に押圧される。
【0042】次に、第二実施例の作用について説明す
る。
【0043】流体217が所定下限圧力以下で流入口2
04から上流側弁室203aへ流入した場合、弁体21
0の支持板210aに設けられた傘型弁213により流
体217は下流側弁室203b内への流入を妨げられ
る。つまり、流体217の流量は0となる。
【0044】流体217が所定下限圧力を越えて流入通
路205から流入口204へ流入すると、流体217は
流通路212から傘型弁213を押開いてチャンバ21
0b内に流入する。チャンバ210b内に流入した流体
217は連通口214から下流側弁室203b内へ流入
し、流出口206から流出される。
【0045】流入通路205から流入口204へ流入す
る流体217が最大流量となり所定上限圧力に達する
と、弁体210はコイルばね215のばね力に屈して下
流側に押戻され弁体210のチャンバ210bが流出側
弁座209に押圧され、流出口206を閉止する。流出
口206が閉止されると、下流側弁室203b内へ流入
した流体217は流出口206から流出できず、流体2
17の流量は再び0となる。
【0046】上述したように、本件の第二実施例の逆止
弁201は、従来のチェックボール13を用いた逆止弁
11と違って流入口204および流出口206の開閉に
重力を利用していないため、逆止弁201の設置場所に
制約を受けることがない。
【0047】また、従来の傘型の弁4を備えた逆止弁1
と違って弁体210がバルブケーシング202内を流体
217の圧力により流れ方向に摺動して流体217の流
量を調整できるため、流体217が所定下限圧力に戻る
まで開きっぱなしであることがない。
【0048】さらに、流通路212や連通口214の口
径、およびコイルばね215のばね力を変化させること
により流体217の流量や逆止弁201の作動圧力も任
意に設定できる。
【0049】なお、上述した二つの実施例においては、
加圧された流体117,217が上流側から逆止弁10
1,201内に流入された例を示したが、逆止弁10
1,201の下流側に負圧が発生しても同様な効果を発
揮する。
【0050】次に本発明の適用例について説明する。
【0051】図6は、本発明を適用したキャニスタシス
テムを備えた自動二輪車の左側面図である。
【0052】図6において、この自動二輪車301は車
体フレーム302を有し、この車体フレーム302の中
央下部に内燃機関であるエンジン303が搭載され、ま
た、上方には燃料タンク304が設けられる。
【0053】車体フレーム302の前方にはヘッドパイ
プ305が設けられ、このヘッドパイプ305にはステ
アリング機構306が設けられる。このステアリング機
構306には、前輪307を回動自在に支持するフロン
トフォーク308やハンドルバー309等が設けられ、
上記ヘッドパイプ305に左右に回動自在に枢着され
る。
【0054】一方、車体フレーム302の中央下部に架
設されたピボット軸310には、後輪311を回動自在
に支持するスイングアーム312がピボット軸310廻
りにスイング自在に枢着される。
【0055】図7に示すように、エンジン303の前方
には排気管313が接続される一方、エンジン303の
後方にはエンジン吸気系を構成するキャブレータ314
が吸気通路315を介して接続される。この吸気通路3
15内にはエンジン303に吸入される空気の流量を調
整するスロットルバルブ316が設けられる。また、キ
ャブレータ314の上流側にはエアクリーナ317が設
けられる。
【0056】ところで、この自動二輪車301には、燃
料タンク304内の蒸発燃料ガスを外部に漏洩させずに
補足するキャニスタシステム318が備えられる。この
キャニスタシステム318は、図7に示すように、合成
樹脂等からなる密閉容器であるキャニスタ装置319を
備え、このキャニスタ装置319の内部に活性炭が封入
される。キャニスタ装置319からは三本のパイプ、す
なわち蒸発燃料捕集管としての蒸発燃料ガス導出パイプ
320、捕集された蒸発燃料供給管としてのパージパイ
プ321およびドレンパイプ322が延出される。蒸発
燃料ガス導出パイプ320は燃料タンク304内の燃料
323液面上に連通され、パージパイプ321はエンジ
ン303とキャブレータ314との間のエンジン吸気系
の吸気通路315に接続される。そして、ドレンパイ3
22は大気中に解放される。
【0057】蒸発燃料ガス導出パイプ320の中間部に
は、自動二輪車301の転倒時に燃料323の流出を防
止するロールオーバーバルブ324が接続される。ま
た、パージパイプ321の中間部には、本発明である逆
止弁325が接続される。
【0058】自動二輪車301の駐車時に燃料タンク3
04内で発生した蒸発燃料ガス326は、蒸発燃料ガス
導出パイプ320を経てキャニスタ装置319内の活性
炭に吸着され、キャニスタ装置319内に蓄積される。
そして、エンジン303が作動すると、吸気通路315
内に生ずる負圧がパージパイプ321によってキャニス
タ装置319内に伝わり、キャニスタ装置319内に蓄
積された蒸発燃料ガス326が吸気通路315内に吸引
され、エンジン303に送られて混合気と共に燃焼され
るようになっている。
【0059】ところで、エンジン303が低速回転時に
おいてはスロットルバルブ316が吸気通路315を閉
じ気味になるため吸気通路315内の負圧が高くなる。
また、エンジン303の高速回転時においてはスロット
ルバルブ316が全開気味になり、やはり吸気通路31
5内の負圧が高くなる。吸気通路315内の負圧が高く
なると、多くの蒸発燃料ガス326を吸入してしまう。
その結果、空気と燃料223との比率(空燃比)を不安
定にしてしまい、エンジン303の低速回転時において
は回転が不安定になったり、また、エンジン303の高
速回転時においては出力が低下してしまう。さらに、エ
ンジン303の停止時には、蒸発燃料ガス326が大気
中に放出されてしまう。
【0060】そこで、パージパイプ321の中間部に接
続される逆止弁325は、蒸発燃料ガス326の初期流
量を0とし、エンジン303の回転数が中速に達すると
弁が開くように設定する。そして、逆止弁325は、エ
ンジン303の回転数が高速に達すると弁が閉じるよう
に設定する。
【0061】上述したように逆止弁325を設定するこ
とにより、エンジン303の低速回転時においては蒸発
燃料ガス326の流入を阻止してエンジン303の回転
を安定化させる。また、エンジン303の高速回転時に
おいても蒸発燃料ガス326の流入を阻止して出力の向
上を計る。さらに、エンジン303の中速回転時におい
てはキャニスタ装置319内に蓄積された蒸発燃料ガス
326を積極的にエンジン303内に供給し、キャブレ
ータ314からの混合気と共に燃焼されるのでキャニス
タ装置319内の活性炭に蒸発燃料ガス326が溜まり
過ぎることがない。さらにまた、エンジン303の停止
時には、蒸発燃料ガス326が大気中に放出されること
がない。したがって、エンジン303の性能を低下させ
ることなく蒸発燃料ガス326が外部に漏洩することが
防止できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る逆止
弁およびその逆止弁を備えたキャニスタシステムによれ
ば、流体の流入口と流出口とを備えたバルブケーシング
と、このバルブケーシング内を流体の流れ方向に往復可
能な弁体とから構成され、上記弁体は、付勢手段により
常時上記流入口に押圧されて流入口を閉止するため、設
置場所の制約を受けない。
【0063】また、流体の所定下限圧力によって上記弁
体が上記付勢手段の付勢力に抗して流れ方向に移動し上
記流入口を開放する一方、流体の所定下限圧力によって
上記弁体が上記流出口に押圧され流出口を閉止するよう
に構成したため、一定範囲内での流体の圧力で流体の流
量を調整できる逆止弁を提供できる。
【0064】さらに、上記弁体に、上記流入口と流出口
とを連通させる連通路を形成したため、所定圧力以下で
もある一定の流量の流体が流通可能になる。
【0065】さらにまた、燃料タンク内で蒸発した蒸発
燃料ガスを捕集するキャニスタ装置を設け、このキャニ
スタ装置からパージパイプをエンジン吸気系に接続し、
上記パージパイプの途中に流体圧力差が一定の領域内に
あるとき流通を可能とした逆止弁を設けたため、内燃機
関が中速回転時のみ蒸発燃料ガスを吸気通路に導く逆止
弁を備えたキャニスタシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る逆止弁の第一実施例を示す断面
図。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】(a),(b)および(c)は、第一実施例の
作用を示す図。
【図4】流体の圧力と流体の流量との関係を表したグラ
フ。
【図5】本発明に係る逆止弁の第二実施例を示す断面
図。
【図6】本発明を適用したキャニスタシステムを備えた
自動二輪車の左側面図。
【図7】キャニスタシステムの配置図。
【図8】(a)および(b)は、従来の逆止弁を示す断
面図および圧力と流量との関係を示すグラフ。
【図9】(a),(b)および(c)は、従来の他の逆
止弁を示す縦断面図、B−B線に沿う水平断面図および
流体の圧力と流体の流量との関係を表すグラフ。
【図10】従来のキャニスタシステムの接続を示す概略
図。
【符号の説明】
101,201,325 逆止弁 102,202 バルブケーシング 103a,203a 上流側弁室 103b,203b 下流側弁室 104,204 流入口 106,206 流出口 110,210 弁体 115,215 コイルばね(付勢手段) 117,217 流体 301 自動二輪車 303 エンジン(内燃機関) 304 燃料タンク 314 キャブレータ 315 吸気通路 318 キャニスタシステム 319 キャニスタ装置 320 蒸発燃料導出パイプ 321 パージパイプ 324 ロールオーバーバルブ 326 蒸発燃料ガス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流入口と流出口とを備えたバルブ
    ケーシングと、このバルブケーシング内を流体の流れ方
    向に往復可能な弁体とから構成され、上記弁体は、付勢
    手段により常時上記流入口に押圧されて流入口を閉止す
    ることを特徴とする逆止弁。
  2. 【請求項2】 流体の所定下限圧力によって上記弁体が
    上記付勢手段の付勢力に抗して流れ方向に移動し上記流
    入口を開放する一方、流体の所定下限圧力によって上記
    弁体が上記流出口に押圧され流出口を閉止するように構
    成した請求項1記載の逆止弁。
  3. 【請求項3】 上記弁体に、上記流入口と流出口とを連
    通させる連通路を形成した請求項1または2記載の逆止
    弁。
  4. 【請求項4】 燃料タンク内で蒸発した蒸発燃料ガスを
    捕集するキャニスタ装置を設け、このキャニスタ装置か
    らパージパイプをエンジン吸気系に接続し、上記パージ
    パイプの途中に流体圧力差が一定の領域内にあるとき流
    通を可能とした逆止弁を設けたことを特徴とするキャニ
    スタシステム。
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