JPS6117245Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、新規なる構造の気化器を提供するも
のである。即ち、燃料噴口及びベンチユリーを備
えた絞弁を、気化器の吸気路前方に形成した摺動
面に、回動自在に装着するようになし、絞弁を回
動することによつて絞弁側のベンチユリーと気化
器本体側の吸気路とを円弧状に対向させて吸気路
の開口面積をコントロールすることによつて、従
来の円筒型絞弁のように吸気路の一方向のみに突
出して移動することなく、又従来の蝶型絞弁のよ
うに絞弁移動角に対する吸気路の開口面の急激な
増減が行なわれることのないコンパクトな気化器
を提供するものである。

本考案を図に基いて説明すれば、気化器本体１
に吸気路２が貫通して設けられる気化器におい
て、該吸気路２の上流側開口端の周囲に摺動面４
を設け、この摺動面４に燃料室１２に連通される
燃料通路３をを開口し、一方この摺動面４には、
ベンチユリー７および該ベンチユリー７に開口す
る燃料噴口６を設けた板状の絞弁８が振り子運動
するように軸支され、この絞弁を軸支する回動軸
１０には該絞弁８を記吸気路２の閉塞方向に付勢
すると同時に該絞弁８と前記摺動面４へ圧接させ
るネジリコイルバネ９が取り付けられ、更にこの
絞弁８の摺動面８ｂには前記燃料噴口６に連通す
る燃料通路５が開口され、この燃料通路５は前記
絞弁８の定められた開度で前記本体側燃料通路３
に接続される。絞弁８を、吸気路２前方の摺動面
４に圧接させて状態を保ちつつ、吸気路２の閉塞
方向に付勢する場合の実施例としてはネジリコイ
ルバネ９の円筒中空部９ａを絞弁回動軸１０に位
置させると共にネジリコイルバネ９の巻部下端面
９ｂ（端巻部）を絞弁８の平面部８ａ上端に着座
させ、前記絞弁８の平面部８ａ上端と絞弁回動軸
１０の先端に装着させたプレート１１間に前記ネ
ジリコイルバネ９を縮設させ、且、ネジリコイル
バネ９の一端９ｂを気化器本体１上に形成した突
起１ａに係合させ、他端９ｅを絞弁８の一部に形
成した突起８′ｂへ係合させてある。又、気化器
本体１の摺動面４に一端を開口し、他端を燃料室
１２に開口する燃料通路３は低速用燃料通路３ａ
と高速用燃料通路３ｂとの複数が設けられてい
る。又、一端を絞弁８の摺動面８ｂに開口し他端
を絞弁に構成したベンチユリー７に開口する燃料
噴口６に接続する燃料通路５も、低速用燃料通路
５ａと高速用燃料通路５ｂとが設けられ、低速用
燃料通路５ａは絞弁８のあらゆる開度範囲内で前
記低速用燃料通路３ａに接続しており、低速用燃
料噴口６ａより燃料を噴出するようになつてい
る。又、高速用燃料通路５ｂは絞弁８の予じめ定
められた開度以上で高速用燃料通路３ｂに接続
し、高速用燃料噴口６ｂより燃料を噴出するよう
になつている。又、前記低速用燃料通路３ａは吸
気路２前方に設けられた摺動面４に、第７図で示
されるように溝状に開口している。前記低速用燃
料通路３ａ及び高速用燃料通路３ｂにはその途中
に燃料室１２内よりベンチユリー７及び吸気路２
内に噴出される燃料の最大流量を変化させること
ができる調節ネジ１３，１４が設置されている。
１５は操作ワイヤーで、その末端を絞弁８の一部
に装着させている。１６は大気室、１７はダイヤ
フラム、１８はダイヤフラムカバー、１９はルバ
ー、２０は燃料室入口弁、２１は絞弁８に形成し
たストツパー、２２は絞弁８の最小開度調節ネ
ジ、２３は気化器をエンジンに装着させるボルト
孔、２４は燃料ポンプである。

このように構成された本考案によれば、絞弁回
動軸１０を支点として絞弁８を回動することによ
つて、絞弁８に構成されているベンチユリー７
が、気化器本体１の吸気路２と対向する位置を変
化させ、且、円弧状に吸気路２の開口面積を緩や
かにコントロールすると共に、本体１側の燃料通
路３に対し連通及び遮断するよう構成された絞弁
８側の燃料通路５の前記燃料通路３への位置関係
によつて、絞弁８に形成された燃料噴口６からの
燃料噴出量もコントロールすることができる。

又、本考案の気化器によれば、従来の円筒型絞
弁のように吸気路の一方向のみに突出して移動す
ることがないので、絞弁の移動に伴なうスペース
を小さく設定でき、この分、気化器全体の形状の
コンパクト化が可能となり、例えば、保護カバー
が設置され気化器取付スペースが制限されたチエ
ンソーのようなエンジン用の気化器に利用すれば
非常に便利である。又、従来の蝶型絞弁のように
絞弁の移動角に対し回動軸を境にして絞弁の両側
が吸気路を開閉し急激な開口面積の増減をするこ
とがないので、絞弁の移動角に対する開口面積の
増減が比較的緩やかに行なわれ、絞弁によるエン
ジンの運転状態のコントロールをきめこまかく行
なうことが可能となり、且、エンジンの運転状態
の微調整が出来る。又、本考案による場合には、
他の公知の気化器には見られない新規な効果とし
て、摺動式の絞弁にベンチユリーが構成されてい
ることによつて、予じめ種々のベンチユリー径あ
るいは形状を異にするベンチユリーを備えた複数
個の絞弁を準備しておき、エンジンの種類に応じ
て前記複数個の絞弁のなかから自由に選択し前記
気化器の本体に組合せ使用すれば、ひとつの気化
器で上記エンジンの種類に応じた使い分けが可能
であり、必要とするエンジン性能を引出すことが
出来、且、ひとつのエンジンの性能を種々変更し
て使い分けることも可能である。

又、絞弁の摺動面に切欠又は溝によつて燃料通
路の一部を構成するようにすれば、切欠又は溝の
形状や数によつて種々の気化器特性を容易に得ら
れることも効果のひとつである。

なお、本考案一実施例として、フロートレス気
化器を図示して説明したが、フロート式気化器に
使用してもほぼ同様な作用効果が得られるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第１１図は本考案の一実施例を示す説
明図で、第１図は平面図、第２図は第１図におけ
る側面図、第３図〜第５図は第１図における絞弁
作動状態を示す説明図、第６図は絞弁の縦断面
図、第７図は絞弁を装着する前の気化器本体の平
面図、第８図は燃料室を示す部分横断面図、第９
図は高速燃料系統を示す部分横断面図、第１０図
は調節ネジを示す部分縦断面図、第１１図は燃料
室を示す正面図である。 １……気化器本体、２……吸気路、３……燃料
通路、４……摺動面、５……燃料通路、６……燃
料噴口、７……ベンチユリー、８……絞弁、９…
…ネジリコイルバネ、１０……絞弁回動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化器本体に吸気路が貫通して設けられる気化
   器において、該吸気路の上流側開口端の周囲に摺
   動面を設け、この摺動面に燃料室に連通される燃
   料通路を開口し、一方この摺動面には、ベンチユ
   リーおよび該ベンチユリーに開口する燃料噴口を
   設けた板状の絞弁を振り子運動するように軸支す
   るとともに、この絞弁を軸支する回動軸に該絞弁
   を前記吸気路の閉塞方向に付勢すると同時に該絞
   弁を前記摺動面へ圧接させるネジリコイルバネを
   取り付け、更にこの絞弁の摺動面には前記燃料噴
   口に連通する燃料通路を開口し、この燃料通路は
   前記絞弁の定められた開度で前記本体側燃料通路
   に接続されることを特徴とする気化器。