JPH073516B2 - コンタクトレンズのマ−キング方法及びそれに用いられる染料 - Google Patents

コンタクトレンズのマ−キング方法及びそれに用いられる染料

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JPH073516B2
JPH073516B2 JP2763386A JP2763386A JPH073516B2 JP H073516 B2 JPH073516 B2 JP H073516B2 JP 2763386 A JP2763386 A JP 2763386A JP 2763386 A JP2763386 A JP 2763386A JP H073516 B2 JPH073516 B2 JP H073516B2
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卓雄 加藤
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレ
ンズに記号や文字等の所望のマークを鮮明に印刷するた
めの方法並びにそれに用いられる染料に関するものであ
る。
(従来技術) 従来から、コンタクトレンズには、水分を吸収して柔ら
かくなった場合の表裏の判別や左右のレンズの区分を行
なうため、更にはレンズの規格を明示し、区分・整理を
容易にする等の目的から、文字、記号等の所望のマーク
を付与することが行なわれており、例えばヒドロキシエ
チルメタクリレート等の親水性単量体と共に、ジアゾ成
分と発色反応を生起するようなカプラー材を共重合させ
ることによって、予めコンタクトレンズ材料に該カプラ
ー材を含有させておき、そしてレンズを成形した後、ジ
アゾ水溶液に浸漬して、カップリング反応を生起せしめ
ることにより、発色させ、所要のマークを付与するよう
にしたカップリング法が知られている。
また、特開昭53−13673号公報、特開昭53−114876号公
報、特開昭54−58508号公報等には、感光性染料の溶液
を用いてコンタクトレンズに所望のマークを押印し、そ
の後紫外線等を照射して、かかる染料を水不溶化並びに
発色せしめる印刷法も明らかにされている。そして、こ
の印刷法において用いられる染料としては、堅牢性等の
点から、感光性の可溶性バット染料が用いられている。
(問題点) しかしながら、これら従来からのマーキング方法には、
何れも少なからぬ問題が内在しており、例えば上記のカ
ップリング法によるマーキングにあっては、所要のマー
ク部位以外にも着色成分を与えなければならないところ
から、長期間の使用により内在している。
また、上記の印刷方法によるマーキングにあっては、ソ
フトコンタクトレンズにその膨潤状態で所望のマークを
印刷した場合、染料の滲みを生じ、印刷された文字や記
号にシャープさ(鮮明性)を欠く問題を内在している。
これは、使用染料として水溶性染料、特に水可溶性バッ
ト染料が用いられるため、膨潤状態のコンタクトレンズ
内に染料が浸透、拡散してしまうからである。従って、
この印刷法としても、コンタクトレンズに要請される非
常に細かい記号、文字等のマークを付与する方法として
必ずしも満足し得るものではなかったのである。
(解決手段) ここにおいて、本発明は、かかる事情に鑑みて為された
ものであって、その特徴とするところは、膨潤状態のコ
ンタクトレンズに対して、下式: (但し、Aはバット染料のロイコ体構造を示す染料基で
あり、xはAの構造により規定される自然数であり、R1
及びR2は同一または異なる基であって、R1=R2の場合は
それぞれ炭素数が2〜6の直鎖状または分岐鎖状または
環状のアルキル基を示し、R1≠R2の場合は、R1はメチル
基またはエチル基を示し、R2はフェニル基またはベンジ
ル基を示す)にて表わされる水不溶性還元型バット染料
を用いて、所望の文字、記号等のマークを施した後、酸
化処理を行なうようにしたことにある。
また、上記一般式で示される水不溶性還元型のバット染
料は、従来から知られている可溶性バット染料の染料構
造を修飾してなる新規な構造を有するものであって、バ
ット染料のロイコ硫酸エステル塩のナトリウムが第四級
アンモニウムにて置換された形態の水不溶性還元型のバ
ット染料ロイコ硫酸エステル第四級アンモニウム塩構造
を有し、それによって、染料の滲みを無くし、シャープ
に文字や記号等のマークを印刷することの出来るコンタ
クトレンズマーキング用染料として有用なものである。
(構成の具体的な説明) ところで、かかる本発明にて用いられる新規な水不溶性
還元型バット染料は、従来より知られている、バット染
料のロイコ硫酸エステルナトリウム塩型である可溶性バ
ット染料のナトリウム(イオン)を、第四級アンモニウ
ム(イオン)で置換した形態を有する、バット染料のロ
イコ硫酸エステル第四級アンモニウム塩であって、それ
は、通常の塩交換反応によって容易に合成することが可
能である。
従って、かかる水不溶性還元型バット染料は、一般に、
インジゴイド系及びアントラキノン系に大別されるバッ
ト染料のロイコ硫酸エステルナトリウム塩型(可溶性)
の何れからをも合成され得るものであって、それ故前記
一般式におけるAは、そのようなバット染料のロイコ体
構造を示す各種の染料基が該当するものであり、またそ
のような染料基に結合する硫酸エステル構造の数によっ
て、前記xは適宜の自然数をとることとなるが、一般的
にはそれは1〜10の整数であって、通常偶数である。
また、前式におけるR1やR2については、第四級アンモニ
ウム塩の構造から適宜に決定され、R1とR2が同一の基で
ある場合においては、それぞれ、炭素数が2〜6の直鎖
状または分岐鎖状または環状のアルキル基、例えばエチ
ル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル
等の基が選ばれ、またR1とR2が異なる基である場合にお
いては、R1としてはメチル基またはエチル基が選ばれ、
R2としてはフェニル基またはベンジル基が選ばれること
となる。
そして、かくの如き本発明に従う水不溶性還元型バット
染料のより具体的な一例を示すならば、例えば5−ブロ
モ−2−(9−クロロ−3−オキサナフト〔1,2−b〕
チエン−2(3H)−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3H−
インドール−3−オン(CI.73670)のロイコ硫酸エステ
ル第四級アンモニウム塩の分子構造は、下式: (但し、R1及びR2はそれぞれ前記した規定の通りであ
る)であり、また6−クロロ−2−(6−クロロ−4−
メチル−3−オキソベンゾ〔b〕チエン−2(3H)−イ
リデン)−4−メチル−ベンゾ〔b〕チオフェン−3
(2H)−オン(CI.73360)のロイコ硫酸エステル第四級
アンモニウム塩の分子構造、下式: (但し、R1およびR2は前記した規定の通りである)で与
えられることとなる。
勿論、本発明は、上記した例示の構造の水不溶性還元型
バット染料のみに限定されるものではなく、インジゴイ
ド系及びアントラキノン系の各種のバット染料の可溶性
タイプ(ロイコ硫酸エステルナトリウム塩型)のものに
適用し得るものであって、なかでも還元型で市販されて
いるN−(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1−アン
トラセニル)〔1,1′−ビフェニル〕カルボキシアミド
(CI.60530)、7,16−ジクロロ−6,15−ジヒドロ−5,9,
14,18−アントラジンテトロン(CI.69825)、アントラ
〔2,1,9−mna〕ナフト〔2,3−h〕アクリジン−5,10,15
(16H)−トリオン(CI,69500)、16,23−ジヒドロ−ジ
ナフソ〔2,3−a:2′,3′−i〕−ナフト〔2′,3′:6,
7〕インドロ〔2,3−c〕カルバゾール−5,10,15,17,22,
24−ヘキソン(CI.70800)、5,7−ジクロロ−2−(6
−クロロ−4−メチル−3−オキソベンゾ〔b〕チエン
−2(3H)−イリデン)−4−メチル−ベンゾ〔b〕チ
オフェン−3(2H)−オン(CI.73365)、5,7−ジブロ
モ−2−(5,7−ジブロモ−1,3−ジヒドロ−3−オキソ
−2H−インドール−2−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3
H−インドール−3−オン(CI.73065)、5,7−ジクロロ
−2−(6−クロロ−4−メチル−3−オキソベンゾ
〔b〕チエン−2(3H)−イリデン−1,2−ジヒドロ−3
H−インドール−3−オン(CI.73600)、5−クロロ−
2−(4−クロロ−1−オキソナフタレン−2(1H)−
イリデン)−4−メチル−7−メトキシ−1,2−ジヒド
ロ−3H−インドール−3−オン(CI.73800)等のロイコ
硫酸エステルナトリウム塩から第四級アンモニウム塩型
に変換されることとなる。
また、上記の水不溶性還元型バット染料においては、そ
の合成の容易さなどを考えると、かかるバット染料の第
四級アンモニウム置換基は、R1とR2とが同一基の場合に
あっては、炭素数が2〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状の
アルキル基であることが望ましく、またR1≠R2の場合に
あっては、R1がメチル基、R2がベンジル基であることが
望ましい。
さらに、そのような第四級アンモニウムの具体例を示す
ならば、テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラ−n
−プロピルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、
テトラ−i−プロピルアンモニウム、トリメチルベンジ
ルアンモニウム等を挙げることが出来る。
そして、かくの如き本発明に従う水不溶性還元型バット
染料は、従来のロイコ硫酸エステル構造の可溶性バット
染料とは異なり、還元体でありながら、水不溶性を示
し、また通常のバット染料と同様に酸化処理によって容
易に酸化され、例えば、酸化剤水溶液に浸漬したり、あ
るいは紫外線照射のもとで容易に空気酸化されて発色す
る。また、この水不溶性還元型バット染料はかなり多種
類の有機溶媒に可溶であり、その濃度も広範囲にわたっ
ている。例えば、塩化メチレンを溶媒として、前記5−
ブロモ−2−(9−クロロ−3−オキソナフト〔1,2−
b〕チエン−2(3H)−イリデン)−1,2−ジヒドロ−3
H−インドール−3−オンのロイコ硫酸エステルテトラ
−n−ブチルアンモニウム塩を染料として用いて、溶解
した場合、その濃度は50w/v%にも及ぶことが確認され
ている。更に、この水不溶性還元型バット染料は、その
分子構造内に第四級アンモニウムグループを有している
ところから、ナトリウム塩型のものよりも染料分子が大
きくなっており、それが、コンタクトレンズのマーキン
グに際して、惨み防止等に好ましい結果をもたらしてい
るものと推察されている。
ところで、このような水不溶性還元型バット染料を用い
て、目的とするコンタクトレンズに所望の文字、記号等
のマークを付与するに際しては、かかるバット染料を適
当な溶媒に溶解乃至は分散せしめて、染料液若しくは染
料ペーストが調製されることとなる。なお、この時に用
いられる水不溶性還元型バット染料を溶解する溶媒とし
ては、この還元型バット染料を溶解するものであれば、
如何なる溶媒を使用しても何等差支えなく、例えば、塩
化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ク
ロロベンゼン、アセトン、メチルエチルケトン、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、リン酸ヘキサメチルトリアミド、2−ピ
ロリドン、N−メチルピロリドン、ニトロメタン、ニト
ロベンゼン、メタノール等の有機溶媒を有利な染料溶媒
として挙げることが出来る。
また、これらの溶媒は、その使用に際して、単独で用い
られても良く、更にはそれらの二種またはそれ以上を混
合して用いられても何等差支えない。なかでも、膨潤状
態のコンタクトレンズ、特にヒドロゲルヘの鮮明なマー
クの付与のためには、水可溶性有機溶媒を用いる方法が
好ましい。尤も、水不溶性有機溶媒を用いても鮮明なマ
ーキングは可能であるが、より鮮明なマーキングを行な
うためには、水可溶性有機溶媒との混合が望ましい。ま
た、本発明に従う水不溶性還元型バット染料を溶解する
溶媒とそれを溶解しない溶媒との組合わせを用いること
も可能であるが、その場合において、染料が完全に溶解
するような溶媒組成を用いる必要がある。
さらに、かかる水不溶性還元型バット染料を用いたマー
キングに際しては、それぞれの染料の種類に応じて、適
宜の染料濃度において適用されることとなるが、一般
に、判読可能なマークとしてコンタクトレズ上に付与す
るためには、0.01w/v%以上染料の濃度において適用す
ることが好ましく、特に染料濃度を1.0w/v%以上とする
ことにより、より鮮明なマークを付与することが可能で
ある。なお、この染料濃度の上限はそれぞれの染料の飽
和濃度となるが、一般に、10w/v%を越えるようになる
と、マークの鮮明性においてそれ程の差異が生じるもの
でないところから、経済性等の点から通常10w/v%以下
の濃度において用いられることとなる。
そして、このように調製された所定の水不溶性還元型バ
ット染料の染料液乃至はペーストは、所望の文字、記号
等のマークが形成されるように、膨潤状態のコンタクト
レンズに対して印刷等の手法によって適用されることと
なる。なお、このマーキングの施されるコンタクトレン
ズとしては、一般にソウトコンタクトレンズが用いら
れ、特に含水性のソフトコンタクトレンズが好適に対象
とされる。そして、この含水性のソフトコンタクトレン
ズは、そのマーキングに先立って生理食塩水等によって
膨潤、特に平衡膨潤させられて、膨潤状態のレンズとさ
れるのである。尤も、このような含水性のソフトコンタ
クトレンズに代えて、非含水性のソフトコンタクトレン
ズを用いることも可能であり、その場合には、水以外の
適当な溶媒にて膨潤状態とさせられることとなるのであ
る。
また、かかる膨潤状態をコンタクトレンズに対するマー
キングに際しては、レンズ表面に付着する水分等の液体
がキムワイプ(十條キンバリー(株)製)等にて除去さ
れた後、押印やシルクスクリーン印刷等の手法によっ
て、レンズの所定位置にマークが施されることとなる。
より具体的には、本発明において好適に採用されるスク
リーン印刷手法にあっては、所要の文字、記号等の型を
設けたシルクスクリーンを膨潤状態のコンタクトレンズ
に接するように重ねて配置した後、上記で得られた水不
溶性還元型バット染料の染料液が施されるようにされる
のである。なお、この際用いられるシルクスクリーンと
しては、所要の文字、記号等に対応した型が設けられて
いるナイロン、ポリエステル等の材料で製作したものが
よく、処理可能なレンズの数に対応して、レンズに接す
る部分に該当文字、記号等の型を設けることにより、一
度に大量のマーキングを実施することが可能となるので
ある。
そして、このようにコンタクトレンズ上に所望のマーク
が施された後、更に酸化処理が行なわれて、かかるバッ
ト染料(マーク)の発色、染着が行なわれることとな
る。なお、この酸化処理方法としては、通常の酸化剤水
溶液、例えば次亜塩素酸水溶液等にレンズを浸漬する方
法や、紫外線照射下での空気酸化による方法が挙げられ
る。またこの紫外線照射にあっては、シルクスクリーン
の上方から露光器にて短時間照射すればよく、例えば35
0〜380nmの紫外線ランプを用いて、それぞれの染料に応
じて所定時間の間、照射が行なわれることとなる。
かくして得られた所定のマーキングが施されたコンタク
トレンズは、用いられた染料の滲みがなく、またシャー
プに文字や記号が付与されており、また長期間の使用に
耐え、更には商品価値の高いものである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明は、特定構新規
な水不溶性還元型バット染料を用いて、コンタクトレン
ズのマーキングを行なうものであって、それにより従来
の如き染料の滲みの問題を解消して、文字や記号等の所
望のマークを鮮明に付与し得るものであり、そこに本発
明の大きな工業的意義が存するものである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明がそのよう
な実施例の記載によって何等の制約をも受けるものでは
ないことは言うまでもないところである。本発明は、以
下の実施例の他にも、また上記の具体的記述以外にも、
本発明の趣旨を逸脱しないし限りにおいて、当業者の知
識に基づいて種々なる変更、改良、修正などを加え得る
ものであることが理解されるべきである。
実施例 1 500mlのナス型フラスコ中に、ヨウ化テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム10.20g、5−ブロモ−2−(9−クロロ
−3−オキソナフト〔1,2−b〕チエン−2(3H)−イ
リデン)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オン
のロイコ硫酸エステルナトリウム塩、(商品名:Anthras
ol Grey IBL、西独:ヘキスト社製)5.53g及び水300ml
を加え、ジムロートを取り付けた後、加熱還流を行うこ
とにより、赤茶色の沈澱を形成した。2時間の還流を行
なって反応を完結させた後、その反応水溶液が未だ温か
い内に濾別し、濾取された固形物を温水で充分に洗浄し
た。そして、この得られた赤茶色の固形物を減圧乾燥す
ることにより、5−ブロモ−2−(9−クロロ−3−オ
キソナフト〔1,2−b〕チエン−2(3H)−イリデン)
−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オンのロイコ
硫酸エステルテトラ−n−ブチルアンモニウム塩3.30g
を得た。
実施例2〜13 実施例1と同様な合成操作に従って、第1表に示される
各種の第四級アンモニウム塩と可溶性バット染料(各CI
番号にて示される染料基本構造のロイコ硫酸エステルナ
トリウム塩型のもの)の所定量を用いて、それぞれ、加
熱還流下に塩交換を行ない、目的とするロイコ硫酸エス
テル第四級アンモニウム塩形態の水不溶性還元型バット
染料を、第1表に示される如き収量において得た。
実施例 14 実施例1で合成した5−ブロモ−2−(9−クロロ−3
−オキソナフト〔1,2−b〕チエン−2(3H)−イリデ
ン)−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−オンのロ
イコ硫酸エステルテトラ−n−ブチルアンモニウム塩を
用いて、その2w/v%アセトニトリル溶液を調製し、以下
に示す手法にて、マーキングを行なった。なお,使用し
たレンズは、N−ビニルピロリドン系の含水性ソフトコ
ンタクトレンズ(含水率:78%)及びヒドロキシエチル
メタクリレート系の含水性ソフトコンタクトレンズ(含
水率:40%)であった。
即ち、先ず、生理食塩水にてそれぞれのソフトコンタク
トレンズを平衡膨潤させた後、キムワイプにてレンズ表
面の水分を充分に拭って除去し、そしてそれぞれのレン
ズをシルクスクリーン下に密着固定した。次いで、上記
染料のアセトニトリル溶液を、エラーブラシハンドピー
ス(オリンポス社製HP−101型)を用いて軽く吹き付け
た後、5分間放置した。その後レンズを取り出し、蒸溜
水中に5分間浸漬放置した。更にその後、それぞれのレ
ンズを取り出し、露光板の上に置き、レンズ上方1cmに
配置した0.8Wの紫外線ランプ(355nm)より5分間の紫
外線照射を行なって空気酸化を行ない、更にその後それ
ぞれのレンズを洗浄し、煮沸処理を行なうことにより、
目的とするマークの染着されたレンズを得た。
かくして得られた二種類のソフトコンタクトレンズは、
何れも染料の滲みが殆どなく、鮮明なマーキングが行な
われていることが認められた。
実施例 15 実施例14と同様なマーキング操作を採用してマーキング
を行なった後、酸化処理として、取り出されたそれぞれ
のレンズに対して、ピューラックス原液(次亜塩素酸濃
厚水溶液:株式会社オーヤラックス製)の10倍希釈水溶
液に5分間浸漬処理して染料の酸化を行なうことによっ
て、発色せしめる手法を採用し、更にその後レンズを洗
浄し、煮沸処理することによって、目的とするそれぞれ
のレンズに付与した。その結果、何れのソフトコンタク
トレンズにあっても、鮮明なマーキングを行なうことが
出来た。
実施例 16〜18 実施例14における染料溶媒としてのアセトニトリルを、
塩化メチレン(実施例16)、メタノール(実施例17)ま
たは塩化メチレン:メタノール=3:7の混合溶媒(実施
例18)に変更する以外は、実施例14と同様にしてマーキ
ングを行なうことにより、鮮明なマークを付与されたソ
フトコンタクトレンズを得ることが出来た。
実施例 19〜22 実施例2〜5で合成されたCI.73670のロイコ硫酸エステ
ルテトラエチルアンモニウム塩(実施例19)、ベンジル
トリメチルアンモニウム塩(実施例20)、テトラ−n−
ブチルアンモニウム塩(実施例21)及びCI.73360のロイ
コ硫酸エステルテトラ−n−ブチルアンモニウム塩(実
施例22)を染料として用い、その2%アセトニトリル溶
液を用いる以外は、実施例14と同様にしてマーキングを
行なうことにより、何れも鮮明なマークの付与されたソ
フトコンタクトレンズを得た。
比較例 1 5−ブロモ−2−(9−クロロ−3−オキソナフト〔1,
2−b〕チエン−2(3H)−イリデン)−1,2−ジヒドロ
−3H−インドール−3−オンのロイコ硫酸エステルナト
リウム塩を、第四級アンモニウム塩と塩交換することな
く、そのままの形態で用い、その2w/v%水溶液を調製
し、この染料溶液にて、実施例14と同様なマーキング操
作(但し、蒸溜水中に5分間放置する操作を除く)を採
用してマーキングを行なったところ、文字が滲み、レン
ズ全体が薄く着色されたようになり、鮮明なマーキング
を行なうことが出来なかった。
実施例 23 使用レンズを、N−ビニルピロリドンを主成分とする親
水性樹脂からなる含水率:40%のソフトコンタクトレン
ズを使用する以外は、実施例14と同様のマーキング操作
を行なうことにより、鮮明なマークの付与されたソフト
コンタクトレンズを得ることが出来た。
一方、使用レンズを、N−ビニルピロリドンを主成分と
する親水性樹脂からなる含水率:40%のソフトコンタク
トレンズを使用する以外は、比較例1と同様の操作を行
ない、レンズのマーキングを行なったところ、文字が滲
み、不鮮明なものとなった。
実施例 23〜31 実施例6〜13でそれぞれ合成されたCI.60530、CI.6982
5、CI.69500、CI.70800、CI.73365、CI.73065、CI.7360
0及びCI.73800のロイコ硫酸エステルテトラ−n−ブチ
ルアンモニウム塩を染料として用い、その2%アセトニ
トリル溶液にて、実施例14と同様なマーキング操作に従
って、それぞれのソフトコンタクトレンズのマーキング
を行なった結果、何れの場合にあっても、鮮明なマーキ
ングを行なうことが出来た。
また、それぞれの染料の酸化処理(発色)を、紫外線照
射下の空気酸化に代えて、実施例15の手法に従う次亜塩
素酸水溶液にて行なった場合にあっても、何れも鮮明な
マークをレンズに染着することが出来た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨潤状態のコンタクトレンズに対して、下
    式: (但し、Aはバット染料のロイコ体構造を示す染料基で
    あり、xはAの構造により規定される自然数であり、R1
    及びR2は同一または異なる基であって、R1=R2の場合は
    それぞれ炭素数が2〜6の直鎖状または分岐鎖状または
    環状のアルキル基を示し、R1≠R2の場合は、R1はメチル
    基またはエチル基を示し、R2はフェニル基またはベンジ
    ル基を示す)にて表わされる水不溶性還元型バット染料
    を用いて、所望の文字、記号等のマークの施した後、酸
    化処理を行なうことを特徴とするコンタクトレンズのマ
    ーキング方法。
  2. 【請求項2】前記水不溶性還元型バット染料が、その有
    機溶剤溶液の形態において、前記膨潤状態のコンタクト
    レンズに適用される特許請求の範囲第1項記載のコンタ
    クトレンズのマーキング方法。
  3. 【請求項3】バット染料のロイコ硫酸エステル塩のナト
    リウムが第四級アンモニウムにて置換された形態の、下
    式: (但し、Aはバット染料のロイコ体構造を示す染料基で
    あり、xはAの構造により規定される自然数であり、R1
    及びR2は同一または異なる基であって、R1=R2の場合は
    それぞれ炭素数が2〜6の直鎖状または分岐鎖状または
    環状のアルキル基を示し、R1≠R2の場合は、R1はメチル
    基またはエチル基を示し、R2はフェニル基またはベンジ
    ル基を示す)にて表わされる水不溶性還元型のバット染
    料ロイコ硫酸エステル第四級アンモニウム塩からなるコ
    ンタクトレンズマーキング用染料。
JP2763386A 1986-02-10 1986-02-10 コンタクトレンズのマ−キング方法及びそれに用いられる染料 Expired - Lifetime JPH073516B2 (ja)

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