JPH0734708B2 - 家禽の胴体を処理する方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、予め羽根と皮とを除去して、“前半体”とし
て前処理された家禽の胴体からヒレ形肉を機械的に切り
取る方法および装置に関する。家禽の前半体は、所定方
向に移動するコンベア上に配設されたサドル形レセプタ
クルに、胸を上向きにされ首を先にした状態で取付けら
れ、移送されながら処理される。

［従来の技術］ 米国特許第4,557,017号には：胸を上向きにしてサドル
形コンベアに固定され、一連の処理工具の操作部分を通
って運ばれる家禽の胴体の胸部分の胸肉を得る装置が示
されている。最初に、胸肉は胸骨の両側で２個のナイフ
刃により切断され、それから、ナイフ刃でまず切開する
ことによりその下にある骨格部分から除去される。この
除去作用はコンベアの通路に対して傾斜して配置された
除去部材により行われ、この除去部材は可撓性材料で成
る除去エッジを備えている。

さらに、EP168865にはヒレ取りだし装置が示されてお
り、この装置では、工具を肋骨部分から胸骨へ向かって
スタートさせることにより、家禽胴体からヒレ肉を引き
出すようになっており、これらの工具は、家禽の胴体を
固定するためサドルを備えたコンベアの下方走路に沿っ
て配置される。背骨の両側に沿って背肉を切開し、又骨
の頭部を除去した後、胴体に残っている叉骨の分岐部は
パネルやスクリーンによって自由にそぎ取られ、その
後、ヒレ肉はストリッパーにより胸骨と突起の近くまで
押し出される。それから、肉が胸骨へ向かう移行部分で
そのわき腹から剥され、最後にその肉は胸骨の突起部か
らそぎ取られる。その作用はそぎ取りフィンガーによっ
て生じる。

最後に、上記構造体を有する装置は米国特許第4682386
号に開示されており、この特許では、肉を得る目的で、
サドルに固定され、胸骨を上向きにして運ばれる家禽胴
体は、コンベアが下方を走行する際に処理される。この
処理の際、肉は最初に、固定刃により肋骨部分で骨格か
ら切断される。その時点で、家禽胴体の通路中へ通路外
から移動させられてきてその位置にとどまる羽根形刃に
よって羽根の腱を切断することにより、叉骨から肉が押
し上げられる。最後に、トンネルを形成するプレートは
操作位置において、胸骨に至まで肉を骨格からはがすよ
う機能する。フォーク形ひれストリッパーにより完全な
切断が行われる。このストリッパーは胸骨のわき腹から
ダブルヒレの形でヒレを除去する。

従来の引用の装置により、一般に、１本または２本のヒ
レの形で家禽の胴体から肉を機械的に得ることができ
る。しかしながら、これを質的、量的に評価する時、そ
のような処理に結果はこの点で満足のいくものではない
と評価せざるを得ない。その理由は、家禽の胴体の骨格
からヒレを切断した切断面がきたなくて、肋骨部分にあ
る切断面が特にぎざぎざになっていることであった。こ
の理由は、肩甲骨の部分にある肉部分を取り出すことが
直接的に目的となったことは、これまでなかったからで
ある。この部分では、肉は骨格からはずれても破断を生
じるが、その原因は確定できないままであった。

［発明の目的・構成］ そこで本発明の主目的は、質的にも量的にも改善した方
法で家禽胴体からヒレ肉を取り出すことである。

本発明のもうひとつの目的は、背骨に接続する部分の肋
骨やそれらの肋骨を一部カバーする肩甲骨に付着する肉
片を取り出すことである。

そぎ取り作用中、制御可能なそぎ取り手段を家禽の胴体
へ案内するようにした案内作用によって、前もって羽根
と皮を除去して、“前部半体”として準備された家禽の
胴体からヒレ形肉を機械的に取り出すことにより家禽を
処理する方法において、これらの目的は前記そぎ取り手
段を、そぎ取り作用の開始時に肩甲骨に接触させ、その
手段を肩甲骨により案内させることにより達成される。

そのような機械的取り出しをそぎとり作用によって行う
装置において、この装置は、処理すべき肉片を運ぶため
サドル形レセプタクルを有する回転運搬手段と、そのよ
うなそぎ取り作用を行うそぎ取り刃とで成り、それらの
そぎ取り刃は運搬通路の両側に配設され、皿形の輪郭を
有し、その凹面をレセプタクルの通路を面するように
し、そしてそれ自体制御されるように配設されており、
これらの目的は、各そぎ取り刃がコンベアの移動方向と
は反対向きのダブテール形切断刃を有するようにするこ
とで達成され、その場合、前記そぎ取り刃は、それが、
肋骨と肩甲骨とによって限定される骨格の輪郭部に沿っ
てレセプタクルの通路の中心部分で休止位置から案内さ
れるような具合で移動するように取り付けられる。

このようにして達成される効果は特に、肋骨の部分で肉
を取り出す工具が肩甲骨により案内される点にある。そ
ぎとり刃はダブテール形に形成されているので、肋骨の
進路に沿ったそぎとり要素として機能し、そぎとり刃が
肋骨を押圧する加圧力を受けても、そぎとり刃が肋骨の
内側を移動することになる虞れはない。

そぎとり刃の加圧はばね力によって達成され、そぎとり
刃は、骨格自体によって骨格の輪郭に従って動くという
制御を受ける。そぎとり刃の刃先において、そぎとり刃
が骨格の輪郭の接線方向に向いていると、最適なそぎと
りが行われる。

本発明のその他の目的は次の詳細な説明と請求項とから
明らかとなり、しかも、添付図面にも示されており、こ
れらの添付図面は、本発明の好ましい実施例とその原理
を示し、さらにこれらの原理を適用するのに最良のモー
ドと考えれるものを示す。同一原理または類似の原理を
示す本発明の他の実施例を使用することが可能であり、
本発明とその請求項の範囲とから離脱することなしに、
この技術に熟達した人々にとって構造上の変形が、可能
である。

〔実施例〕

図には、背骨につながる肋骨部分やそれに部分的に重な
る叉骨部分の肉を取り出すための、本発明の装置が示さ
れている。ここで、処理される家禽と骨格のみを示 て
ある。図示した装置は、通常、家禽の他の骨格部分から
肉を得るためのヒレそぎ取り機のフレームに装着され
る。この装置は、家禽の胴体を運ぶための移送通路を形
成するコンベア１を含み、コンベア１は家禽の胴体を保
持するレセプタクル２を支持している。１対のそぎとり
刃３がコンベア１の通路の両側それぞれに配設される。
これらのそぎとり刃３は、対称的な形状であるが、コン
ベア１の進行方向にずらせて配設されている。各そぎと
り刃３は、通路から外方へふくらみを持ち、（進行方向
にずらされていなければ）くぼんだ部分が相互に対向す
るような、シェル状の形状である。各そぎとり刃３に
は、進行してくる被処理物に最初に出合う先端部に切断
刃４が設けられる。切断刃４はダブテール形に構成さ
れ、その内面は面取りされている。そぎとり刃３の上縁
5,下縁６および切断刃４により、尖端７および８が形成
される。上縁７が、上縁８よりも早く被処理物体に接触
する形状に、切断刃４は形成されている。

各そぎとり刃３は、キャリヤ腕９の一端に取付けられ、
そのキャリヤ腕９は２つのアーム部分から成る。一方、
レセプタクル２の通路の外側には、ばね11の力に逆らっ
て回動できるよう支持された垂直軸10が設けられる。こ
の垂直軸10の上端には、キャリヤ腕９が、その長手軸
（レセプタクル２の通路におおよそ沿っている軸）を中
心として回動できる状態で装着される。従って、そぎと
り刃３はばね11の力に逆らって垂直軸10を中心に回動で
きる。さらに、キャリヤ腕９はその他端から下向きに延
びるレバー部分12を有し、レバー部分12の自由端は案内
棒13の一方の端部にひっかけられ、案内棒13の他方の端
部はヒレそぎ取り機のフレームの固定部分に連結され
る。かくして、そぎとり刃３がばね11の力に逆らって外
方へ動かされると、キャリヤ腕９には回動が生じ、そぎ
とり刃３は下方へ動くことになる。

以下、動作について説明する。

家禽の胴体15は、前半体と称される部分に前処理したも
ので、胴体を斜めに切断したものであって、足と骨盤を
切り落とし、羽根と皮を除去したものである。そのよう
な胴体15は、胸骨18と、胸骨18に含まれ、肋骨20につな
がっている胸骨板とを含む。肋骨20には鈎形付属器官21
が付いている。胸骨18から首の方へと１対の鳥啄骨16が
延び、それらの先端は翼関節の一部をなす頭部17とな
る。各頭部17には、叉骨の片方と肩胛骨19とがつなが
り、肩胛骨19は胴体に沿って延びて肋骨鈎形付属器官21
を部分的に覆っている。

家禽の前半体は、コンベア１のレセプタクル２に、体部
関節17を進行方向先頭に、胸骨18を上向きに位置させら
れる。胴体15は、ドイツ特許3632187号に説明される手
段によって固定され、そぎとり刃３の方へと運ばれる。
胴体15から見て先に接近するそぎとり刃３の上方の尖端
７が、胴体15の移動によって、体部関節17のすぐ下で、
肩胛骨19の外側面における肉に食い込む。この部分では
肩胛骨19は下方へと延びている。胴体15が更に進行する
にともなって、次のように、そぎとり刃３が肩胛骨19に
より制御される。そぎとり刃３のダブテール形状の切断
刃４は、肩胛骨19に沿ってが下方へスライドする。併せ
て、そぎとり刃３は通路中心から外方へと動かされ、こ
れにより、キャリヤ腕９が前述のように支持されている
から、そぎとり刃３が下方へと動かされ且つ傾けられ
る。尖端８を含むそぎとり刃３の下方部分は、鈎形付属
器官21の領域で肋骨をつなぐ背骨に続いている肋骨の部
分の外側を通り、その領域上の肉を切り離す。そぎとり
刃３は、切断刃４がダブテール状であるので、肋骨20に
沿ったそぎとり要素として機能する。このような、そぎ
取り過程において、そぎとり刃３は、肋骨20に沿って動
くので、輪郭に従って制御されることになる。コンベア
１の進行方向下流側のそぎとり刃３の動作も同様であ
る。

上記のようにして肉をそぎとった後は従来と同様に処理
することができる。従来の手法に比べて、得られる肉量
が多くなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の好ましい実施例を概略的に示す。 １……コンベア、２……レセプタクル、３……そぎ取り
刃、４……ダブテール形切断刃、５……上縁、６……下
縁、7,8……尖端、９……キャリヤ腕、11……ばね、12
……レバー部分、13……案内棒、15……家禽胴体、16…
…鳥口突起、17……体関節、18……胸骨、19……肩甲
骨、20……肋骨。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】家禽の胴体を処理する方法であって、 家禽の胴体、そぎとり刃を有する切り離し手段に至らし
   め、 そぎとり刃を、肩胛骨と肉部との間において肩胛骨に沿
   わせて、家禽の胴体に接触させ、 家禽の胴体を、そぎとり刃に対して進め、もって、そぎ
   とり刃が肩胛骨により案内されるようになし、 そぎとり刃が、肩胛骨との接触により肩胛骨から制御を
   受ける状態において肩胛骨に沿って案内されることによ
   り、肉部を肩胛骨から切り離す ことを特徴とする家禽の胴体を処理する方法。
2. 【請求項２】家禽の胴体を処理する処理装置であって、 家禽の胴体を移送通路に沿って移動させるコンベア手段
   と、 移送通路に沿って配設され、家禽の胴体の通過中に、そ
   の肩胛骨から肉部を切り離すそぎとり手段とを備え、 このそぎとり手段は、肩胛骨と肉部との間において肩胛
   骨に接触するよう構成されたそぎとり刃（３）と、そぎ
   とり刃が肩胛骨に沿って案内されて肩胛骨との接触によ
   り肩胛骨から制御を受ける状態において肉部が肩胛骨か
   ら切り離されるよう、そぎとり刃を肩胛骨に応動させる
   手段（9,10,11,13）とを有している ことを特徴とする家禽の胴体を処理する処理装置。
3. 【請求項３】予め羽根と皮を除去して前半体として準備
   しておいた家禽の胴体から、そぎとり作用により機械的
   にヒレ形肉を取り出す処理装置であって、 ａ）所定の移動方向へ駆動され、サドル形レセプタクル
   を有している、胸を上にして首を先頭にして被処理胴体
   を運ぶコンベアと、 ｂ）前記レセプタクルにより定まる通路の両側に配設さ
   れ、凹形輪郭を有し、それらの凹面が前記レセプタクル
   の前記通路に面するように、制御可能に配置されたそぎ
   とり刃と を備え、 前記各そぎとり刃（３）は前記移動方向とは反対向きの
   ダブテール形切断刃（４）を有し、そぎとり刃（３）
   が、前記レセプタクル（２）の前記通路の中央に近い休
   止位置を持ち且つ肋骨と肩胛骨（19）とによって定まる
   骨格の輪郭に沿って案内されるよう、装着されている ことを特徴とする、家禽の胴体からヒレ形肉を機械的に
   取り出す処理装置。