JPH0734472A - 緑化方法及び緑化型枠 - Google Patents

緑化方法及び緑化型枠

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JPH0734472A
JPH0734472A JP17787893A JP17787893A JPH0734472A JP H0734472 A JPH0734472 A JP H0734472A JP 17787893 A JP17787893 A JP 17787893A JP 17787893 A JP17787893 A JP 17787893A JP H0734472 A JPH0734472 A JP H0734472A
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時春 中岡
Masayuki Matsumoto
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HANSHIN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的垂直な勾配を有する構築物の壁面等を
効果的に緑化することのできる緑化方法と緑化型枠を提
供することを目的としている。 【構成】 連通空隙を有するポーラスコンクリートから
なる表面側の第1層と底部側の第3層の間に種子又は木
本系植物と培土とからなる第2層を挾持した緑化板を土
表面又はコンクリート面に固着することを特徴とする緑
化方法と、連通空隙を有するポーラスコンクリートから
なる表面側の第1層と底部側の第3層の間に種子又は木
本系植物と培土とからなる第2層を挾持した緑化板をプ
レキャストコンクリート板に固着したことを特徴とする
緑化型枠である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は切盛土造成による法面や
コンクリート構造物壁面及び煉瓦壁、更には高速道路や
鉄道に設けられる防音壁等に適用することのできる緑化
方法及び緑化型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、切盛工事に伴う切土及び盛土法面
の防護対策として、コンクリートを表面に吹き付けて安
定させる工法が、又コンクリート構造の構築物の外壁表
面には、陶磁器タイルや石を張り付けたり、コンクリー
ト表面その侭にしていたり、又構築物の表面に構築物周
辺の土壌に植え付けた蔦等を這わせることも行われてい
た。 又、高速道路や鉄道に設けられている防音壁は、
スチール製の壁体が使われており、景観改善の為に造花
を固着している場合もある。しかし造花である為、光合
成機能等による環境改善を期待することはできず、又目
の疲労回復の効果も期待できない。上記のコンクリート
や陶磁器、石張り等の外壁造り、更に高速道路や鉄道に
設けられているスチール製の防音壁は、景観に違和感や
冷たさ等を感じさせ、美観や都市空間での環境を損なわ
せる要因となっていた。又構築物表面に蔦を這わせる場
合、構築物周辺に土壌が必要になることや蔦の根張り等
によるコンクリート表面の劣化が危惧された。
【0003】
【発明の目的】第1の発明は、比較的垂直な勾配を有す
る構築物の壁面等を効果的に緑化することのできる緑化
方法を提供することを目的としている。第2の発明は第
1の発明を実施するのに特に適した緑化型枠を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【発明の構成】第1の発明は、連通空隙を有するポーラ
スコンクリートからなる表面側の第1層と底部側の第3
層の間に種子又は木本系植物と培土とからなる第2層を
挾持した緑化板を土表面又はコンクリート面に固着する
ことを特徴とする緑化方法である。
【0005】第2の発明は、連通空隙を有するポーラス
コンクリートからなる表面側の第1層と底部側の第3層
の間に種子又は木本系植物と培土とからなる第2層を挾
持した緑化板をプレキャストコンクリート板に固着した
ことを特徴とする緑化型枠である。
【0006】
【実施例】図1の緑化板50は、例えば厚さ60mm、
左右幅1.0m、奥行き1.0mで、4隅の1段低くさ
れた段部51にアンカー52を通す孔53が設けてあ
る。この緑化板50は、例えばゴルフ場や道路脇の山の
斜面(法面)等に架設し、アンカー52により固定する
ことができ、コンクリートの擁壁、堰堤、橋脚外壁等に
固着する場合は、図2の第4層55と構築物との間に隙
間が生じないようにする為のモルタル等で密着する下地
を施し、4隅を予め構築物に埋め込んだ例えばホールイ
ンアンカーにボルト等で固着される。建物外壁への固着
方法としては、湿式工法や乾式工法等がある。
【0007】図1のIIーII断面を示す図2に於いて、緑
化板50は通気、透水、保水、乾燥防止等の機能を有
し、連通空隙を有するポーラスコンクリートからなる表
面側(上側)の第1層56と、通気、透水、保水、根張
層の機能を有し、連通空隙を有するポーラスコンクリー
トからなる底部側(下側)の第3層57との間に、種子
58(草本系の芝や木本系のつる性植物等)の発芽、生
育、保水、保肥機能を有する培土59(畑の土、園芸用
土、木屑等のような発芽、根の生育しそうな養土、不織
布)からなる第2層60を挾持し、底部に構造体の劣化
防止、構造体への脱着機能及び根張の構造物への進入遮
断層の機能を有するコンクリートからなる第4層55
(図2)を一体に備えている。第1層56の下面周縁の
下向きのフランジ61の下面は第3層57の上面に接着
されている。フランジ61の代わりに第3層57の上面
周縁に上向きのフランジを設けてもよい。第1層56、
第3層57は各々の機能を保持できる粒径の自然石や人
口石等の骨材をセメントや樹脂、レジンで固めたポーラ
スコンクリートで、第2層60に存在する種子58から
でた根63は第3層57の連通空隙を延び、芽68は第
1層56の連通空隙を延びて、葉62が表面に茂る。又
第3層57には、水及び液体肥料を供給できる供給施設
を加設することも可能である。第1層56、第3層57
は、具体的には3〜10mmの石、樹脂等の骨材をセメ
ント、レジンで固めて、1〜3mmの連通空隙を有する
ポーラスコンクリートである。
【0008】図2の実施例に於いては、緑化板50に第
4層55を介してプレキャストコンクリート板64が一
体に固着されて、緑化型枠65が形成されている。プレ
キャストコンクリート板64を製造する際に、コンクリ
ート表面が固まる前に第4層55を介して、予め形成さ
れた緑化板50を接着するか、第4層55の上に順次第
3層57、第2層60、第1層56を一体化する。66
は鉄筋、67は緑化板50を単独で使用する場合の土の
法面である。緑化板50の第3層57を直接土に接触さ
せると、根63が第3層57を貫通して、下の土壌まで
根張りし、安定度を増す効果がある。
【0009】図3は第2層60の2種類の実施例を示し
ており、左側の70は木皮や紙又は布や不織布製のハニ
カム体で、各区画内に種子58と培土59が充填されて
いる。右半分の71は通気、透水、保水性のある袋で、
内部に種子と培土が充填され、クロスした縫目72によ
りキルティングが施こされている。これらの構造は、緑
化板50が垂直又は傾斜姿勢でセットされても、重力の
作用で第2層60内の種子58や培土59が下方へずり
下がる恐れがなくなるように、工夫を施したものであ
る。
【0010】尚緑化板50は矩形以外の、正方形、三角
形、円形、多角形等自在でよい。緑化板50はアンカー
52等の固定具を外すことにより脱着交換が可能であ
る。第1層56、第3層57には、骨材として例えばパ
ーライトのような軽量で吸水性のよい材料を使うことが
望ましい。第1層56の骨材としては、通気、透水、保
水、乾燥防止等の機能を考慮し、比較的細粒子(例えば
3〜5mm)が適している。第3層57の骨材として
は、通気、透水、保水、根張層等の機能を考慮して、比
較的粗粒子(例えば5〜10mm)が適している。第2
層(培土)は、種子58(草本系の芝や木本系の蔦等)
の発芽、生育、保水、保肥機能を考慮し、畑土、園芸用
土、木屑等のような発芽、根の生育しやすい養土、不織
布に高分子吸水剤等と肥料等を添加したものが適してい
る。層厚が比較的薄く、乾燥しやすいが、保水機能を高
める一つの対策として、降雨時に緑化板50に浸透した
水分を吸水能力を越えない範囲で、第2層60内に長期
間に亘って保水する高分子吸水剤の添加がある。この時
の添加量は培土体積比の約2%程度が適当である。第4
層55の材料は、セメントコンクリートの他に、樹脂製
でもよい。プレキャストコンクリート板64の骨材に混
ぜるボンドとして、エポキシ樹脂を、又補強材として鉄
筋66の他に、樹脂、カーボン等の繊維を採用してもよ
い。緑化板50及び緑化型枠65の用途としては、擁
壁、堰堤、橋台、橋脚、法面防護、建物外壁、防音壁等
がある。
【0011】図4の緑化板80は、第1層56に複数個
の開口81を備え、開口81から第2層60が露出し、
第2層60に木本系植物の插し木82がさしこまれてい
る。これらの構造は、緑化板に草本系及び木本系の植物
を、後で植付けられるように工夫したものである。図5
の83は生育ブロック、85は透水ブロックであり、予
め生育させた插し木82を差込んだものを図4の開口8
1に嵌め込み、ピン等で固定して脱落を防止する。插し
木82の根84は、一部が第1層56内に、又残りの大
部分が第2層60内に伸長し、安定して生育する。又生
育ブロック83は、既存構造物の外壁の一部に穴を明け
て埋め込み、発芽生育させることも可能である。
【0012】図6は本発明による緑化型枠の重力式擁壁
への用途を示しており、1は鉄筋内蔵のコンクリート枕
材で上面の前端部(図6の左側)に2個の突起2、3
を、また後端部に2個の突起4、5を備え、石6を敷き
詰めて平坦に転圧して得られた平坦面(重力式擁壁7が
設置される面)の上に間隔を隔てて平行に載せてある。
9、10は工場生産された鉄筋を補強材としたプレキャ
スト板からなり、背面にシェアコッタを有した前壁(前
面が緑化機能を持つ緑化型枠)と後壁で、それぞれ少な
くとも2個のコンクリート枕材1の上に乗り、前壁9の
前面(第1層56)下縁部は前端突起2の後面に係合
し、後壁10の下面は後部突起4、5間の樋形受座75
(図9)に係合している。コンクリート枕材1の突起
3、4間には数個のインサートナット11(図7)が埋
め込まれている。このインサートナット11に棒12の
下端のねじ部13が螺合し、棒12に突張材14、14
a(鉄筋で、引張材のこともある)の下端部が溶接によ
り固定されるか、螺合している。突張材14の上端部は
後壁10から前方へ突出したアングル材やU字形鉄筋か
らなるインサートアンカー16に溶接により固定される
か、螺合している。アンカー16(図8)は後壁10内
の鉄筋17、18に溶着され、前端部に吊上用フックの
嵌まる孔19を有する。突張材14は途中に断面調整用
のターンバックル74を有する。1個の枕材1からは2
本の長さの異なる突張材14が上方へ延びて後壁10を
図示の傾斜姿勢に保持している。前壁9の後面から後方
へ突出したアンカー20と対応する高さの後壁10のア
ンカー16とに鉄筋からなる引張材21(ターンバック
ル74を有する)の前後端部が溶着されるか、螺合し、
1個の枕材1の上方では少なくとも2本の引張材21が
略水平に延びて後壁10に対する前壁9の姿勢(図示の
例では垂直姿勢)を保持している。
【0013】後壁10の上端面の前半分の部分は後壁1
0の厚さの半分の厚さの前上フランジ23となってお
り、そこに2段目の後壁10aの下面の後下フランジ2
4aが噛み合い、これにより後壁10aの下端部が後壁
10の上端部に安定に支持される。後壁10aの上端部
の前上フランジ23aには3段目の低い後壁10bの後
下フランジ24bが噛み合う。14aはアンカー16a
と棒12、アンカー20をつなぐ突張材、21bはアン
カー16bと前壁9aのアンカーをつなぐ引張材であ
る。前壁9は上端に後上フランジ25を備え、これに2
段目の前壁9aの下端の前下フランジ26aが噛み合っ
ている。後壁10、10a、10bは左側の端面に後横
フランジ27、27a、27bを備え、反対の右側端面
に上記の後横フランジ27、27a、27bに対応する
前横フランジを備え、後壁を道に沿い横(左右方向)に
長く嵌合状態で並べることができるようになっている。
前壁9、9aは左側の端面に後横フランジ28、28a
を備え、反対の右側端面に上記の後横フランジ28、2
8aに対応する前横フランジを備え、前壁を道に沿い横
(左右方向)に長く嵌合状態で並べることができるよう
になっている。図示の前壁9の下端面は平坦に形成され
ているが、後壁10の下端面は図7のように円弧状断面
を備え、突起4、5の間の樋形受座75に支持されてい
る。これにより、後壁10の支持が安定すると共に、所
定の設計高さを維持することができる。
【0014】前壁9、9aの前面には足場31を取り付
ける為のインサートナット32がアンカー16、20と
同様に設けてある。34は前後壁間の空間で、この中に
コンクリートが打設される。35はアングル材又は鉄筋
で内部空間34の下半部の形状を定める治具(形ゲージ
又は定規)で、埋め殺されるか後壁10を所定の姿勢に
セットした後に取外して何回も使用することができる。
36は水抜き用のプラスチックパイプで、前後壁の孔3
7に端部が嵌合している。38は道の表面、39は擁壁
7を作る為に削られた山肌、40は擁壁7ができた後に
埋め戻された部分の山肌である。
【0015】擁壁7を作るには、まず山肌39を削り、
擁壁7の設置場所に多数の石6を敷いて平坦に転圧する
床敷付を行い、道に沿いコンクリート枕材1をそれぞれ
平行に等間隔に布設する。枕材1の間隔は前壁9、後壁
10の下に少なくとも2個、好ましくは3〜4個来るよ
うに定める。次に後壁10をレッカー等で吊り下げ、後
壁10の下端面を枕材1の樋形受座75に当てた状態で
治具35に当たるまで傾け、各枕材1の部分で突張材1
4を溶着し、ターンバックル74で微調整した後、後壁
10をレッカーから解放する。引き続き前壁9をレッカ
ー等で吊り下げ、前壁9の前面下縁部を枕材1の前端突
起2に当てた状態で治具35に当てて例えば垂直に保
ち、引張材21を溶着し、ターンバックル74で微調整
した後、水抜きパイプ36を取り付け、前壁9をレッカ
ーから解放する。同様の手順で道に沿い多数の前壁9、
後壁10を組み立てる。次に2段目の後壁10aを吊り
下げ、後壁10の前上フランジ23に後壁10aの後下
フランジ24aを嵌め、後壁10、10aの後面を棒ゲ
ージ(図示せず)により同一平面に保ち、突張材14a
を溶着して、後壁10aをレッカーから解放する。引き
続き2段目の前壁9aを吊り下げ、前壁9の後上フラン
ジ25に前壁9aの前下フランジ26aを嵌め、前壁
9、9aの前面を棒ゲージ(図示せず)により同一平面
(垂直面)に保ち、引張材21aを溶着して、前壁9a
をレッカーから解放する。同様の手順で道に沿い多数の
2段目の前壁9a、後壁10aを組み立てる。3段目の
後壁10bを取り付ける前に所定長さの前壁9、9aと
後壁10、10aの列の両端部をベニヤ板等で塞ぎ、足
場31、31aを取り付け、内部の空間34にコンクリ
ートを打設する。そのコンクリートの養生中に3段目の
後壁10bを吊り下げて前上フランジ23aに後下フラ
ンジ24bを嵌め、引張材21bを溶着し、先のコンク
リートの養生が終了した段階で2回目のコンクリート打
設を空間34の上面まで行う。養生の後又は並行して後
じまいを行う。インサートナット11、32、アンカー
16は、鉄筋15、18に溶接する代わりに、コンクリ
ート内に埋めこまれる補強用の平板を有するものも採用
できる。
【0016】
【発明の効果】第1の発明によると、土の法面やコンク
リート面を容易に緑化することができ、緑化により空気
の浄化作用も向上する。第2の発明によると、緑化機能
を型枠表面が有する為、外壁の加工(化粧)が必要でな
くなり、自然環境で発芽、生育させる緑化機能を有する
簡単な構造の緑化型枠が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 緑化板の斜視図である。
【図2】 図1のIIーII断面図である。
【図3】 第2層の斜視図である。
【図4】 緑化板の斜視図である。
【図5】 生育ブロックの斜視図である。
【図6】 コンクリート打設前の擁壁の斜視図である。
【図7】 図6のVII ーVII 断面図である。
【図8】 図6のVIIIーVIII断面図である。
【図9】 図6のIXーIX断面図である。
【符号の説明】
50 緑化板 56 第1層 57 第3層 58 種子 59 培土 60 第2層 64 プレキャストコンクリート板 67 法面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連通空隙を有するポーラスコンクリート
    からなる表面側の第1層と底部側の第3層の間に種子又
    は木本系植物と培土とからなる第2層を挾持した緑化板
    を土表面又はコンクリート面に固着することを特徴とす
    る緑化方法。
  2. 【請求項2】 連通空隙を有するポーラスコンクリート
    からなる表面側の第1層と底部側の第3層の間に種子又
    は木本系植物と培土とからなる第2層を挾持した緑化板
    をプレキャストコンクリート板に固着したことを特徴と
    する緑化型枠。
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