JPH0734292U - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外筒体と内筒体の接続を容易且つ確実に行う
ことができると共に、シール性能を向上でき、しかも周
方向の位置決めを簡単、確実に行うことができるように
した管継手を提供する。 【構成】 外筒体と内筒体とをＣ型リングにより接続す
る管継手であって、外筒体内の奥端部及び中間に密封部
材を装着し、それより先方の外筒体内周面に環状凹溝を
設けると共に外筒体先端部内周面をテーパ付内周面と
し、その内周面に複数のキー溝を設け、内筒体の中間大
径部外周面に環状凹溝を設けてＣ型リングを装着すると
共に内筒体の基端大径部外周面に複数のキーを設け、外
筒体の環状凹溝に内筒体のＣ型リングを嵌合すると共に
外筒体のキー溝に内筒体のキーを周方向の任意の位置で
係合させることを特徴とする管継手。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、外筒体と内筒体とをＣ型リングを用いて接続する管継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、外筒体と内筒体を接続する管継手としては、図７、図８に示すように外 筒体１内に内筒体２を嵌合し、外筒体１の外周の軸線方向とは直角方向の上下一 対の切込溝３にコ字形施錠具４を嵌め込むと共に内筒体２の外周の環状溝５に係 合して、外筒体１と内筒体２とを接続するものがある（先行技術文献として特公 平２−３７３５５号公報がある）。

【０００３】 ところで、上記のコ字形施錠具４は、その両側辺中間に設けた段部の弾発力で 内筒体２を外筒体１内で押圧して密封状態を維持させているが、前記弾発力が喪 失すると、密封状態の低下を招く恐れが生じる。また、その構造上外筒体１と内 筒体２とは周方向で位置決めされていない為、外力が加わるとスラスト荷重を受 け且つ回転運動を起こし、外筒体１と内筒体２の間に配置されている密封部材６ ，７に不均一な力が加わり、こすれや歪が生じて形状が変化するようになる。そ の結果、シール性能が低下し、且つ配管系をねじることになり、例えば近傍に接 続されているバルブの向きなどに変化を及ぼす問題点があった。さらに配管に振 動が加わり続けた時などに管継手のコ字形施錠具４に緩みが生じ、密封状態を維 持できない状態に陥いる恐れがあった。また、接続方法が外筒体１内に内筒体２ を差し込み、任意の位置にて外部からコ字形施錠具４を嵌め込む構造の為、同一 線上に合わない場合、コ字形施錠具４を差し込む作業が厄介になり、且つ確認し にくい。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、外筒体と内筒体の接続を容易且つ確実に行うことができると 共にシール性能を向上でき、しかも周方向の位置決めを簡単、確実に行うことが できるようにした管継手を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の管継手は、外筒体と内筒体とをＣ型リング により接続する管継手であって、外筒体内の奥端部及び中間に密封部材を装着し 、それより先方の外筒体内周面に環状凹溝を設けると共に外筒体先端部内周面を テーパ付内周面とし、その内周面に複数のキー溝を設け、内筒体の中間大径部外 周面に環状凹溝を設けてＣ型リングを装着すると共に内筒体の基端大径部外周面 に複数のキーを設け、外筒体の環状凹溝に内筒体のＣ型リングを嵌合すると共に 外筒体のキー溝に内筒体のキーを周方向の任意の位置で係合させることを特徴と するものである。

【０００６】

【作用】

上記構造の本考案の管継手は、外筒体先端部のテーパ付内周面の周方向に複数 個設けられたキー溝に、内筒体の基端大径部外周面のキーを或る特定の角度で挿 入係合するように外筒体内に内筒体を差し込んでいくと、内筒体の中間大径部外 周面の環状凹溝に装着されたＣ型リングは、外筒体先端部のテーパ付内周面によ り次第に縮径されていき、外筒体内周面の環状凹溝の手前までくると、外筒体内 の奥端及び中間に密着した密封部材が内筒体の先端及び中間大径部に押圧されて シールされ、Ｃ型リングが外筒体内周面の環状凹溝にさしかかると、復元力によ り元の寸法まで広がり嵌合される。かくして外筒体と内筒体とがシールを確保の 上容易且つ確実に接続固定されると共に、キーとキー溝とにより周方向の位置決 めがなされる。従って、外力が加わってもスラスト荷重を受けず、回転運動は起 さず、密封部材に不均一な力が加わることがないので、シール性能の低下はなく 、配管系をねじることもない。また振動が加わり続けてもＣ型リングが外れるこ とがないので、密封状態を維持できる。

【０００７】

【実施例】

本考案の管継手の一実施例を図によって説明すると、図１、図２は外筒体１０ を示すもので、後端に導管を連結するための小径の短管１１が溶接され、外筒体 １０内には後述する内筒体の挿入部を収容する受け口１２が設けられ、この受け 口１２の奥端と入口周縁に密封部材１３，１４が装着されており、外筒体１０の 入口部内周面には環状凹部１５が設けられ、外筒体１０の先端部内周面は先端が 拡がるテーパ付内周面１６とされ、そのテーパ付内周面１６の周方向に一定間隔 に８個のキー溝１７が設けられている。１８は外筒体１０の外周面より環状凹部 １５に連通して設けた２個の押棒穴である。

【０００８】 図３、図４は内筒体２０を示すもので、後端に流路管２１が溶接され、内筒体 ２０は前記外筒体１０の受け口１２に差し込む挿入部２２を主体とし、その後側 の中間大径部２３の外周面に環状凹溝２４が設けられてＣ型リング２５が装着さ れ、その後側の大径部外周面の周方向に前記キー溝１７に係合するキー２６が周 方向に一定間隔に４個設けられている。

【０００９】 上記構造の外筒体１０、内筒体２０よりなる実施例の管継手の接続について説 明する。先ず図１，２に示した外筒体１０の先端部のテーパ付内周面１６の周方 向に設けられた８個のキー溝１７の内の４個に、図３，４に示した内筒体２０の 基端大径部外周面の４個のキー２６を或る特定の角度で挿入係合するように位置 合わせの上、外筒体１０の受け口１２の中に内筒体２０の挿入部２２を差し込ん でいくと、内筒体２０の中間大径部２３の外周面の環状凹部２４に装着されたＣ 型リング２５は、外筒体１０の先端部のテーパ付内周面１６により次第に縮径さ れていき、外筒体１０の入口部内周面の環状凹溝１５の手前までくると、外筒体 １０の受け口１２の奥端と入口周縁に装着された密封部材１３，１４が内筒体２ ０の挿入部２２の先端及び中間大径部２３の先端面に押圧されて若干変形し、外 筒体１０と内筒体２０との間がシールされ、Ｃ型リング２５が外筒体１０の入口 部内周面の環状凹溝１５にさしかかると、復元力により元の寸法まで広がり嵌合 される。

【００１０】 かくして外筒体１０と内筒体２０とが図５、図６に示すようにシールを確保の 上容易且つ確実に接続固定されると共に、キー２６とキー溝１７とにより周方向 の位置決めがなされる。従って、外力が加わっても回転運動は起さず、密封部材 １３，１４に不均一な力が加わることがないので、シール性能の低下はなく、外 筒体１０、内筒体２０に接続される配管系をねじることもない。また振動が加わ り続けてもＣ型リング２５が外れることがないので、密封状態を維持できる。

【００１１】 尚、Ｃ型リング２５が正確に外筒体１０の入口部内周面の環状凹溝１５に嵌合 されているかどうかは、外筒体１０の外周面より環状凹溝１５に連通して設けた 押棒穴１８から視認することにより、容易に確認できる。 然して上記のように外筒体１０と内筒体２０とを接続した管継手を分離するに は、外筒体１０の外周面の２個の押棒穴１８より先端Ｕ字形の押棒を押し込んで 環状凹溝１５に嵌合されたＣ型リング２５を縮ませ、環状凹溝１５から外した状 態で、外筒体１０と内筒体２０を相互に引っ張ることにより分離される。

【００１２】

【考案の効果】

以上の通り本考案の管継手は、外筒体と内筒体とのシールを確保の上容易且つ 確実に接続固定できると共に、周方向の位置決めも簡単且つ確実にできるので、 外力が加わってもスラスト荷重を受けず、回転運動は起さず、密封部材に不均一 な力が加わることがなくてシール性能の低下はなく、配管系をねじることもない 。また、振動が加わり続けてもＣ型リングが外れることがないので、密封状態を 維持できる。また、上記のように外筒体と内筒体とを容易に接続できると共に、 周方向の位置決めも簡単にできるので、現場での配管接続に於いて、例えばロボ ットのようなアクチュエータ等により管継手の自動接続が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の管継手に於ける外筒体の縦断面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】本考案の管継手に於ける内筒体の縦断面図であ
る。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視図である。

【図５】図１の外筒体と図３の内筒体とを接続した状態
を示す本考案の管継手の縦断面図である。

【図６】図５のＣ−Ｃ線断面矢視図である。

【図７】従来の管継手の縦断面図である。

【図８】図７のＤ−Ｄ線断面矢視図である。

【符号の説明】

１０ 外筒体 １３，１４ 密封部材 １５ 環状凹部 １６ テーパ付内周面 １７ キー溝 ２０ 内筒体 ２３ 中間大径部 ２４ 環状凹溝 ２５ Ｃ型リング ２６ キー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒体と内筒体とをＣ型リングにより接
   続する管継手であって、外筒体の奥端部及び中間に密封
   部材を装着し、それより先方の外筒体内周面に環状凹溝
   を設けると共に外筒体先端部内周面をテーパ付内周面と
   し、その内周面に複数のキー溝を設け、内筒体の中間大
   径部外周面に環状凹溝を設けてＣ型リングを装着すると
   共に内筒体の基端大径部外周面に複数のキーを設け、外
   筒体の環状凹溝に内筒体のＣ型リングを嵌合すると共に
   外筒体のキー溝に内筒体のキーを周方向の任意の位置で
   係合させることを特徴とする管継手。