JPH0734058Y2 - 帯状体の折りたたみ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は折り方向が交互するように所定の間隔で設け
られた一連の折り目を有する帯状体、例えばＺ紙の折り
たたみ装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は例えば特許出願公開昭57-163252に示された従
来の用紙折りたたみ装置を説明するための断面図であ
り、図において、（１）はＺ紙、（２）はＺ紙（１）を
折りたたみ装置へ案内する排出案内板、（３）は上下に
移動可能かつ、紙折りたたみに従い下降可能な構造をも
った紙受台、（６）は回転部材、（７）はこの回転部材
（６）の回りおよび軸方向に一定の間隔で取り付けられ
た紙を打撃する打撃部材、（８）は、折りたたみ方向に
移動し得る移動折りたたみ長さ規制ガイドである。

次に動作について説明する。Ｚ紙（１）は、排出案内板
（２）を通って紙受台（３）の上に徐々に送り込まれ、
紙受台（３）に接触した後、該紙受台（３）上の既収納
された紙との抵抗により、Ｚ紙の折り目において若干折
れ曲がり、回転している打撃部材（７）によって打撃さ
れ完全に折り曲げられ、紙受台（３）に押え込まれて、
以下連続して左右打撃部材により交互に折りたたまれて
いき、紙が紙受台（３）に蓄積されるに従い、紙受台
（３）は降下していく。このとき、折りたたみ用紙の周
辺部、特にミシン目付近が高くなるカール現象の発生を
防止するため、第３図に示す用紙折りたたみ装置を組み
合わせることが行なわれていた。すなわち、第３図は、
公開実用新案昭52-140812号公報に示された従来の用紙
折りたたみ装置を説明するための断面図であり、図にお
いて（１）はＺ紙、（３）は紙受台、（９）は紙受台
（３）の折りたたみ方向中央部に取付けられた固定突起
である。この固定突起（９）が、折りたたみ用紙の周辺
部、特にミシン目付近が高くなるカール現象の発生を防
止している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の折りたたみ装置は以上のように構成されているの
で、２つの折りたたみ長さ規制ガイドを突起を中心とし
て対称に動かす機構を要して、複雑となり、装置のコス
トアップとなる欠点があった。また、用紙先端が突起の
左右どちらにいくか決まらず、手で用紙先端を導く必要
があり、手間がかかる欠点もあった。さらに、２個の折
りたたみ長さ規制ガイドにて、折りたたみ用紙をはさむ
形になっているため、折りたたみ用紙を取り出しにくい
という欠点もあった。

この考案は、上記のような従来のものの欠点を除去する
為になされたもので、折りたたみ長さに応じて、中央の
突起を、折り方向に移動設定するのみで、用紙の周辺部
が高くなるカール現象を防止するとともに、用紙先端が
常に一方に導かれる様にして、なおかつ、一方の折りた
たみ長さ規制ガイドを除去することにより、折りたたみ
用紙を取り出しやすく、構造が簡単で、安価な折りたた
み装置を得ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る折りたたみ装置は、折りたたみ長さ規制
ガイドが一方のみにあって固定され、紙受台中央に設け
た突起を、折り方向に移動する構造とし、さらに、突起
の位置を、用紙先端の搬送位置に対して常に、折りたた
み長さ規制ガイドのない側に偏した位置とする様にした
ものである。

〔作用〕

この考案における折りたたみ装置は、突起を、折りたた
み長さに応じて、移動設定することにより、用紙折りた
たみ長さが変化しても、用紙の周辺部が高くなるカール
現象の発生を防止できるとともに、突起の一面の斜面に
より、用紙先端を常に一方に導くことができる。また、
折りたたみ長さ規制ガイドが、用紙折り部の一方にしか
ない為、折りたたみ用紙が取り出しやすく操作性がよ
い。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明する。第１
図において、（１）は折りたたむための折り目を一定の
間隔で交互に備えた折りたたみ用紙（Ｚ紙）、（２）は
Ｚ紙（１）を折りたたみ装置へ案内する排出案内板、
（３）は上下に移動可能かつ紙折りたたみに従い下降可
能な構造をもった紙受台、（４）は紙受台（３）の折り
たたみ方向中央部に位置し、折りたたみ方向に移動可能
であって、Ｚ紙（１）の先端が送り込まれてくる位置に
対して、先端が常に図の様に偏した位置にある突起、
（５）は、固定折りたたみ長さ規制ガイドであって、突
起（４）がＺ紙（１）の先端搬送位置に対して偏した位
置と逆方向の位置にある。（６）は回転部材、（７）は
この回転部材（６）の回りおよび軸方向に一定の間隔で
取り付けられた紙を打撃する部材である。

次に動作について説明する。排出案内板（２）を通って
上から下へと徐々に送り込まれてくるＺ紙（１）は、突
起（４）がＺ紙先端の搬送位置に対して偏した位置にあ
るため、Ｚ紙先端は突起（４）の山形状の一面をすべ
り、固定折りたたみ長さ規制ガイド（５）に当たる。さ
らに次々に送り込まれてくるＺ紙は、紙受台（３）との
抵抗により、Ｚ紙の折り目において若干折れ曲がり、さ
らに送り込まれる紙の搬送力により折りたたまれてい
く。また用紙搬送位置に対して折りたたみ位置まで距離
が短い規制ガイド側では、紙の搬送力による折りたたみ
力が弱いため、Ｚ紙は、回転している打撃部材（７）に
よって、折り目が打撃され完全に折り曲げられ、紙受台
（３）に押え込まれて折りたたまれていく。

このとき、紙受台（３）の中央部の突起（４）は、折り
たたみ用紙の周辺部、特にミシン目が高くなるカール現
象の発生を防止している。折りたたみ長さに応じて、突
起（４）を折りたたみ方向に移動設定することにより、
上記と同一の効果を保持することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、帯状体の折りたたみ
装置において、折りたたみ長さの規制ガイドを一方のみ
として固定し、紙受台の折りたたみ方向中央部に折り方
向に移動可能な突起を設け、その突起の位置は常に用紙
先端の搬送位置に対して一方に偏した位置にある様にし
たので、折りたたみ用紙の周辺部が高くなるカール現象
の発生を防止し、用紙先端を常に一方に導くことがで
き、折りたたみを安定にし、また折りたたみ用紙を取り
出しやすく操作性がよいとともに、構造が簡単で装置が
安価にできる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る帯状体の折りたたみ装置の一実
施例を示す構成図、第２図、第３図は従来の帯状体の折
りたたみ装置を示す構成図である。 （１）はＺ紙、（２）は排出案内板、（３）は紙受台、
（４）は突起、（５）は固定折りたたみ長さ規制ガイ
ド、（６）は回転部材、（７）は打撃部材、（８）は移
動折りたたみ長さ規制ガイド、（９）は固定突起であ
る。 なお、図中、同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定間隔毎に折り目を有し、その折り目に
   よって折りたたまれる記録紙の帯状体を受ける帯状体受
   台と、この帯状体受台上に設けられ、上記帯状体を排出
   する排出部と、上記帯状体受台の一端側にのみ設けら
   れ、上記帯状体受台に垂直なガイドと、上記所定間隔よ
   りも短く、上記ガイド側に対向する第１の傾斜部及びこ
   の第１の傾斜部より傾斜長の短い第２の傾斜部により突
   起部を構成し、上記排出部から排出される帯状体の先端
   部を上記第１の傾斜部にて上記ガイドに当接するように
   案内し、かつ上記第２の傾斜部にて折りたたまれる帯状
   体を載置し、上記帯状体受台上を移動可能な突起部材と
   を備えたことを特徴とする帯状体の折りたたみ装置。