JPH073398A - 高強度ばね用鋼及び高強度ばね - Google Patents

高強度ばね用鋼及び高強度ばね

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JPH073398A
JPH073398A JP17499193A JP17499193A JPH073398A JP H073398 A JPH073398 A JP H073398A JP 17499193 A JP17499193 A JP 17499193A JP 17499193 A JP17499193 A JP 17499193A JP H073398 A JPH073398 A JP H073398A
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JP
Japan
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steel
strength
spring
high strength
rare earth
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JP17499193A
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English (en)
Inventor
Masaaki Takagi
政明 高木
Akira Tange
彰 丹下
Shoichi Fukui
彰一 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
NHK Spring Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
NHK Spring Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ばねを高強度化し、耐疲労性を高めることを目
的とする。 【構成】ばね用鋼の組成を重量基準でC:0.38〜
0.65%,Si:0.15〜2.60%,Mn:0.
3〜1.50%,P:0.025%以下,S:0.03
0%以下,希土類元素:0.005〜0.10%,残部
Fe及び不可避的不純物から成る組成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車,航空機,各種
産業機械,各種農業機械等において使用される、熱間成
形コイルばねや冷間成形コイルばねとして用いることが
可能な高強度ばね用鋼及びその鋼を用いた高強度ばねに
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
コイルばねの製造方法は大別して熱間成形型により行う
場合と冷間成形型により行う場合とがある。これらのう
ち熱間成形型による場合は、熱間でコイリングを行った
後焼入れ・焼戻し処理を行い、その後ショットピーニン
グ及びセッティングを行うようにしていた。また冷間成
形型による場合は、素材にオイルテンパー処理を施した
後冷間でコイリングを行い、その後ショットピーニング
及びセッティングを行うようにしていた。
【0003】ところで、ばねは機械等の重要部分に用い
られるものであり、しかも使用時に繰り返し変形を受け
るものであって、その繰返し変形により疲労破壊を起こ
す問題があり、そこで従来ばねの高強度化,疲労強度の
向上について種々研究が行われている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような事情
を背景としてなされたもので、その要旨は、ばね用鋼の
組成を重量基準でC:0.38〜0.65%,Si:
0.15〜2.60%,Mn:0.3〜1.50%,
P:0.025%以下,S:0.030%以下,希土類
元素:0.005〜0.10%,残部Fe及び不可避的
不純物から成る組成と成し、かかる組成のばね用鋼にて
ばねを製造することにある(請求項1,5)。
【0005】本発明においては、その一態様として更に
Ni,Cr,Mo,Vの1種又は2種以上をNi:0.
1〜2.0%,Cr:0.3〜2.0%,Mo:0.1
0〜1.0%,V:0.10〜0.6%の範囲で含有さ
せることができ(請求項2,5)、またAl:0.01
0〜0.040%の範囲で含有させるができる(請求項
3,5)。
【0006】更に本発明は、焼入れ及び焼戻し後の製品
としての使用時の硬さがHRCで52以上とするのが望
ましい(請求項4,5)。
【0007】
【作用及び発明の効果】本発明は鋼中のOの固定のため
の成分としてセリウム等の希土類元素を含有させるよう
にしたことを特徴とするものである。従来のばね用鋼、
例えばSi−Mn鋼であるSUP7においては、鋼中の
Oを固定する成分としてAlを含有させるようにしてい
るが、この場合鋼中に非金属介在物としてAl23が析
出し、このものはマトリックスとの界面における接着強
度が弱く、このことがかかる介在物を起点としたクラッ
クの発生,進行を助長し、強度及び耐疲労性を弱める一
因と考えられている。
【0008】ここにおいて本発明はOの固定成分として
希土類元素を含有させるようにしたもので、本発明によ
ればばね用鋼の強度,耐疲労性を効果的に高め得ること
が確認されている。その理由は次の点にあるものと考え
られる。
【0009】即ち、希土類元素の場合Alと同様Oと反
応して介在物を形成するが、希土類元素とOとの介在物
の場合、界面におけるマトリックスとの接着強度が強
く、このことが介在物を起点としたクラックの発生,進
行を抑制し、ばね用鋼の強度,耐疲労性を高めるものと
考えられる。
【0010】本発明においては、上記成分に加えて更に
Ni,Cr,Mo,Vの何れか1種又は2種以上をN
i:0.1〜2.0%,Cr:0.3〜2.0%,M
o:0.10〜1.0%,V:0.10〜0.6%の範
囲で含有させることが望ましく、これによりばね用鋼を
更に高強度化することができ、耐疲労性を高めることが
できる。
【0011】更に本発明においては、従来鋼中に含有さ
れるAlの一部を希土類元素で置換する形態でないしは
Alと共存させる形で(Al:0.010〜0.040
%)希土類元素を含有させることができ、これによって
も一定の効果を得ることができる。
【0012】本発明は、ばね用鋼を焼入れ・焼戻し後に
おける硬さがHRC52以上で使用する場合に適用して
特に効果が大きい。
【0013】一般に、材料強度や硬さを高めると介在物
からの折損感受性が増大する。即ち介在物による影響が
より鋭敏となり、かかる介在物を起点とした疲労破壊が
生じ易くなる。しかるに希土類元素にて酸素固定し介在
物を生ぜしめた場合、材料を高硬度化した場合において
介在物を起点とした疲労破壊をより有効に抑制でき、従
来のAlによる酸素固定の場合に比べて耐疲労性を効果
的に高め得る利点が得られるのである。
【0014】次に本発明における各成分の限定理由を詳
述する。 [限定理由] C:0.38〜0.65% Cは鋼の強度を高め、またばねとして必要な強度を確保
するため0.38%以上含有させる。但し0.65%を
超えると網状のセメンタイトが出易くなり、ばねの疲労
強度が損なわれるので上限を0.65%とする。
【0015】Si0.15〜2.60% Siはフェライト中に固溶することにより鋼の強度を向
上させ、ばねの耐ヘタリ性を向上させる。この目的のた
めに本発明では0.15%以上含有させる。一方2.6
0%を超えると靱性が劣化するとともに熱処理により遊
離炭素を生じる恐れがあるため、上限を2.60%とす
る。
【0016】Mn:0.3〜1.50% Mnは鋼の脱酸,脱硫に有効な元素であり、また鋼の焼
入れ性を向上させるのに有効である。本発明ではこの目
的のために0.3%以上含有させる。一方1.50%を
超えると焼入れ性が過大となって靱性を劣化させるとと
もに変形の原因ともなるので上限を1.50%とする。
【0017】P:0.025%以下 Pは基地の脆化を抑制し、また延性低下を防止するため
に0.025%以下に抑える。
【0018】S:0.030%以下 Sは熱間加工性を低下させる傾向にあるため、含有量を
0.030%以下に抑える。
【0019】Ni:0.1〜2.0% Niは焼入れ・焼戻し後の靱性を改善するのに有効な元
素であり、0.1%以上含有させる。但し2.0%を超
えると焼入れ・焼戻し後の残留オ−ステナイト量が増大
し、ばねの疲れ限度の向上に悪影響を及ぼす。そこで上
限を2.0%とする。
【0020】Cr:0.3〜2.0% Crは高炭素鋼の脱炭・黒鉛化を防止する目的で0.3
%以上含有させる。但し2.0%を超えると靱性が劣化
するので上限を2.0%とする。
【0021】Mo:0.10〜1.0% Moは0.10%以上で耐ヘタリ性を有効に改善でき
る。一方1.0%を超えるとその効果が飽和し、またオ
−ステナイト中に溶解されない複合炭化物が形成される
ことがあって、この複合炭化物の量が増大して塊状とな
った場合には非金属介在物と同様の害をもたらすので上
限を1.0%とする。
【0022】V:0.10〜0.6% Vは0.10%以上含有させることによって結晶粒を微
細化し、また焼入れ・焼戻し時の析出硬化にも寄与して
耐ヘタリ性を向上させる。一方0.6%を超えると靱性
が劣化するとともにばね特性を低下させるので上限を
0.6%とする。
【0023】Al:0.010〜0.040% Alは脱酸元素として有効であるが、多すぎると介在物
生成による疲労破壊の原因となるので範囲を0.010
〜0.040%とする。
【0024】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を詳述する。電気炉製鋼,取鍋精錬,強制
ガス撹拌,真空脱ガス等を行って表1に示す組成の鋼を
溶製し、これより小野式回転曲げ疲労試験用の試験片を
作製した。これを焼入れ・焼戻し処理し、小野式回転曲
げ試験に供した。試験の結果が表1に示してある。但し
疲労強度の欄の数値は疲労寿命が107回となるような
限界の応力値である。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果より、Alに代えて或いはAl
とともに希土類元素を含ませるようにすることによって
耐疲労性が向上すること、また特にHRC52以上で希
土類元素の含有効果が大きく表れていることが分る。
【0027】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき種々変更を加えた態
様で実施可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 彰一 愛知県名古屋市千種区向陽町3丁目23番地 向陽ハイツ405

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量基準で C:0.38〜0.65% Si:0.15〜2.
    60% Mn:0.3〜1.50% P:0.025%以下 S:0.030%以下 希土類元素:0.005〜0.10% 残部Fe及び不可避的不純物から成る高強度ばね用鋼。
  2. 【請求項2】 請求項1のばね用鋼において、更にN
    i,Cr,Mo,Vの1種又は2種以上を Ni:0.1〜2.0% Cr:0.3〜2.0
    % Mo:0.10〜1.0% V:0.10〜0.6
    % の範囲で含有させて成る高強度ばね用鋼。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のばね用鋼において、更
    にAl:0.010〜0.040%の範囲で含有させて
    成る高強度ばね用鋼。
  4. 【請求項4】 焼入れ及び焼戻し後の製品としての使用
    時の硬さがHRCで52以上である請求項1,2又は3
    に記載の高強度ばね用鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の高強度
    ばね用鋼から成る高強度ばね。
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