JPH0733981A - 耐光性に優れたポリアミド組成物 - Google Patents

耐光性に優れたポリアミド組成物

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JPH0733981A
JPH0733981A JP17830193A JP17830193A JPH0733981A JP H0733981 A JPH0733981 A JP H0733981A JP 17830193 A JP17830193 A JP 17830193A JP 17830193 A JP17830193 A JP 17830193A JP H0733981 A JPH0733981 A JP H0733981A
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polyamide
nylon
light resistance
copper complex
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JP17830193A
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Tetsuo Kodama
哲夫 兒玉
Hisashi Uhara
寿 鵜原
Seiichi Ochi
清一 越智
Tadao Shibayama
忠生 柴山
Hironori Tanaka
宏典 田中
Hideo Sekiya
英夫 関谷
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 窒素を含有する化合物の銅錯体(A)を銅換
算で10〜1000ppm含有すると共に、該銅錯体
(A)1モルに対して1〜10倍モルのチオール基含有
化合物(B)を含有させてなる耐光性に優れたポリアミ
ド組成物を開示する。 【効果】 優れた溶融紡糸性、射出紡糸性の下で効率よ
く製造することができ、しかも発色性や鮮明性が良好
で、且つ高温に曝された時の耐光性や耐黄変性にも優れ
たポリアミド組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光性および耐熱性の
良好なフィルムやシート状物あるいは繊維を与えるポリ
アミド組成物に関し、この組成物は、例えば自動車用内
装材の如く高温耐光性や耐熱性の要求される用途に有利
に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは優れた強度、耐摩耗性、耐
衝撃性を有する他、染色性にも優れたものであるところ
から、繊維やフィルム等の形態で衣料分野やインテリア
分野を始めとする各種産業分野で広く用いられている。
ところがポリアミドには、高温に曝された時の耐酸化性
や耐熱性が不十分であるという欠点があるところから、
その改善策として様々の方法が試みられている。それら
の中でも代表的なのは、ポリマー重合段階や繊維等への
加工段階で酸化防止剤や耐光剤を含有させる方法であ
り、殊にポリアミドの耐光性・耐熱性改善剤として銅系
化合物と2−メルカプトベンゾイミダゾール類あるいは
それらの錯化合物を含有させる方法は多数提案されてい
る(特公昭38-22720号公報、同48-7858 号公報、同48-7
859 号公報、同48-7860 号公報、同60-17309号公報、同
61-45662号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来の銅錯塩
系耐熱・耐光性改善剤は、それ自体の耐熱性が不十分で
あり、ポリアミドの溶融時に熱分解を起こして不溶性の
化合物を生成するため、たとえば溶融紡糸時に紡糸ノズ
ルの背圧上昇や糸切れといった操業上の問題を生じるこ
とがあり、また染色時の発色性や鮮明性および染色後の
高温耐光性においても満足し得るものとは言えない。本
発明は上記の様な事情に着目してなされたものであっ
て、その目的は、溶融紡糸等を行なう時に不溶物を生成
することがなく、しかもそれ自身優れた耐光性や耐熱性
を発揮し得る様なポリアミド組成物を提供しようとする
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るポリアミド組成物の構成は、窒素
を含有する化合物の銅錯体(A)を銅換算で10〜10
00ppm含有すると共に、該銅錯体(A)1モルに対
して1〜10倍モルのチオール基含有化合物(B)を含
有するところに要旨を有するものである。
【0005】
【作用】本発明者らは、前述の様な従来技術のもとで、
ポリアミドの溶融温度域においても安定であり、しかも
ポリアミドに対して優れた耐光・耐熱性を与え得る様な
改質剤を見いだすべく、様々の化合物についてポリアミ
ドに対する耐光・耐熱改善効果を調べた。その結果、上
記の様に分子中に配位子として窒素を有する化合物の銅
錯体(以下、窒素含有銅錯体という)(A)と分子中に
チオール基を有する化合物(B)とを、共にポリアミド
中に含有させれば、溶融紡糸や射出成形等を行なう場合
の操業性を害することなく、ポリアミドの耐光・耐熱性
を著しく高めることができること、そして、こうした併
用効果は、前記窒素含有銅錯体(A)をポリアミド中に
銅換算で10〜1000ppm含有させると共に、前記
チオール基含有化合物(B)を窒素含有銅錯体(A)に
対して1〜10倍モル量含有させることによって有効に
発揮されることを知った。
【0006】ここで使用する窒素含有銅錯体(A)を構
成する窒素含有化合物としては、分子中に配位子として
窒素原子を含むものであればその種類は特に限定されな
いが、好ましいものとしては、分子中に窒素原子と共に
酸素原子を有する化合物、例えば8−キノリノール、2
−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、ピコリン酸、アラニン、アミノカプ
ロン酸、キナルジン酸、ピラジン酸、アントラニル酸、
アミノフェノール、4−アミノ−n−酪酸、キニリン−
2−カルボン酸等;分子中に窒素原子と硫黄原子を有す
る化合物、例えば8−メルカプトキノリン等;分子中に
2以上の窒素原子を有する化合物、例えばキシリレンジ
アミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン等、或はそれらの各種誘導体が挙
げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種
以上を併用することができる。また、上記窒素含有化合
物と共に錯体の合成に用いられる銅塩としては、塩化銅
等のハロゲン化銅、硫酸銅、酢酸銅等が挙げられ、これ
らは単独で使用し得る他、必要により2種以上を併用す
ることができる。これらの中でも特に好ましいのは硫酸
銅である。
【0007】上記窒素含有銅錯体(A)と共に用いられ
るチオール基含有化合物(B)の種類も特に限定されな
いが、好ましいのは分子中にチオールと共に他の配位子
として窒素原子もしくは酸素原子を有する化合物であ
り、例えば2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプ
ト−1−メチルイミダゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−メルカプ
ト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾリ
ン、2−メルカプトピリジン、2−メルカプト−4−ピ
リドンあるいはそれらの各種誘導体が例示され、これら
は必要により2種以上を併用することも可能である。
【0008】そして、これら窒素含有銅錯体(A)とチ
オール基含有化合物(B)による耐光性改善効果を有効
に発揮させるには、まず窒素含有銅錯体(A)をポリア
ミドに対して銅換算で10〜1000ppm、より好ま
しくは20〜300ppm含有させると共に、該銅錯体
(A)1モルに対して1〜10倍モル、より好ましくは
1.5〜4倍モルのチオール基含有化合物(B)を含有
させる必要がある。
【0009】窒素含有銅錯体(A)の含有率が10pp
m未満では、ポリアミドに対して十分な耐熱性や耐光性
を与えることができず、一方1000ppmを超えると
ポリアミドが着色して染色の色合いが悪化する傾向が現
われてくるばかりでなく、溶融紡糸等を行なう時に糸切
れを起こし易くなる。またチオール基含有化合物(B)
の含有量が窒素含有銅錯体(A)に対して1倍モル未満
では、十分な耐光性改善効果が得られず、一方10倍モ
ルを超えるとそれ以上の耐光性改善効果が得られないば
かりか、却って紡糸延伸時に毛羽が発生し、強力低下等
の力学的特性が損なわれる、といった問題が生じてく
る。
【0010】また本発明の基材となるポリアミドとして
は、ナイロン6,ナイロン12,ナイロン46、ナイロ
ン66、ナイロン610、ポリキシレンアジパミド等の
脂肪族もしくは芳香族ポリアミド、或はこれらのポリア
ミドの混合物もしくは共重合ポリアミドなどが挙げられ
る。前記耐光剤をポリアミドに配合する方法は特に限定
されず、ポリアミドの重合段階もしくはレジンチップの
段階で、前述の窒素含有銅錯体(A)とチオール基含有
化合物(B)を配合すればよいが、該銅錯塩などの熱分
解をより効果的に防止する意味からすると、溶融紡糸や
射出成形等の前のポリアミドレジンチップにブレンドす
る方法が好ましい。
【0011】このポリアミド組成物は、通常の射出成形
法等によってシート状やフィルム状など任意の形状に加
工することができ、また繊維状にする場合は、通常の溶
融紡糸法によって所望のデニール、断面形状、捲縮特性
や繊維物性を有するポリアミド繊維とすればよく、この
ポリアミド繊維は、必要により撚糸セットしてからカー
ペットなど所定の織物状に加工した後、酸性染料や含金
属錯塩染料等によって所望の色相に染色することができ
る。尚このポリアミド組成物には、必要により更に他の
成分として酸化チタン等のダル剤や顔料、染料、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、芳香剤等の機能性改質剤
を、耐光性や染色性及び成形性等を阻害しない範囲で含
有させることも勿論可能である。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0013】実施例1 2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール(100g)を、1N−NaOH水
溶液400mlに溶解し、硫酸銅(50gのCuSO4
5H2 Oを600mlに溶解したもの)をゆっくり滴下し
て沈殿を生じさせた後、70℃で1時間攪拌した。放冷
後沈殿物を濾取し、蒸留水で十分に洗浄してから真空乾
燥すると、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール銅錯体(104g:収率
94%)が得られた。
【0014】この銅錯体の赤外線吸収スペクトルは図1
に示す通りであって、下記の構造式を有するものであ
り、この銅錯体は、アルゴン中で室温から300℃まで
1分間に20℃の速度で昇温した時の重量減少は1重量
%以下であり、耐熱性の非常に優れたものであった。
【0015】
【化1】
【0016】一方、乾燥したナイロン6レジンチップ
(水分:0.05〜0.20重量%)を、窒素雰囲気下
で混合しながら50〜80℃に加熱し、高分子非イオン
界面活性剤をレジンに対して0.05重量%添加した
後、上記で得た微粒子状の銅錯体をレジンに対して銅換
算で100ppmとなる様に添加すると共に、2−メル
カプトベンゾイミダゾールを470ppm添加し(B/
A=2)、1時間混合した。
【0017】この混合物を加熱溶融し、押出機(温度:
260〜280℃)、多錘用に分岐したビーム(温度:
250〜280℃)、定量ポンプを経て紡糸ノズルから
フィラメント状に吐出した後、200〜800m/min で
巻取り、更に2〜5倍に延伸し、加熱して座屈させるこ
とにより、捲縮された加工糸としてチーズに巻取った。
【0018】この時、溶融紡糸時の初期ノズル背圧は1
47kg/cm2であり、2週間連続して溶融紡糸を行なって
も紡糸ノズルの背圧は殆ど上昇しなかった。また、得ら
れたナイロン糸3gを、1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-
プロピルアルコールに溶解し、ナイロン中の粗大銅粒子
を平均ポアサイズ5μmのテフロンフィルターで濾取し
た後、蛍光X線分析計(RIGAKU X-RAY SPECTROMETER 32
70)を用いて銅の分析を行なったところ、蛍光X線分析
値としてナイロン1g当り0.17キロカウント/ 秒(kcps)の
値が得られた。この値の大小は、ナイロン中の銅の粗大
粒子の相対量に対応する。
【0019】次に、該ポリアミド繊維の耐光性を下記の
方法で調べた。即ち、1000デニール65フィラメン
ト(三角断面糸)で捲縮量(CC)=20%、捲縮安定
性(CD)=15%の改質ナイロンを常法により2プラ
イセットした後、タフトとしてサキソニータイプ(目付
1300g/m2)を作成し、下記の1/2型含金錯塩染料
処方によりウインス染色機でボイル60分間染色、湯
洗、水洗、乾燥の後、常法によりカーペット裏面にポリ
エチレンフィルムを融着バッキングした後、10mm厚の
雑フェルトを接着して耐光性試験用の試料とした。
【0020】 (染色処方) Irgalan Yellow GRL 200%(1) 0.04%owf Irgalan Red Brown RL 200%(1) 0.06%owf Irgalan Grey GL 200%(1) 0.34%owf Albegal SW(CIBA-GY社製染色助剤) 1.0 %owf Albegal FFD(CIBA-GY 社製染色助剤) 0.1 g/リットル メイサン PC(明成化学社製pH調整剤) 0.5 g/リットル ソーダ灰(pH調整剤) 0.3 g/リットル 但し(1) はCIBA-GY 社製 1/2型含金染料 耐光堅牢度試験:スガ試験機社製の紫外線ロングライフ
・フェードメーター(JIS B 7751に準拠、形式:FAL-5H
B・BR、垂直型ホルダ)を使用し、ブラックパネル温度8
3±3℃で200時間照射(20時間毎にホルダー上下
位置を変更)した後、変・褪色用グレースケール(JIS L
0804)により5〜1号間の9段階で等級判定した。尚照
射試料の形態は、自動車内での使用を想定し、照射試料
裏面に低密度ポリエチレンフィルムを融着し、更に10
mm厚のフェルトを併用して試料とした。結果を表1に示
す。
【0021】実施例2 窒素含有銅錯体(A)と2−メルカプトベンゾイミダゾ
ール(B)とのブレンド比をB/A=4とした以外は上
記実施例1と全く同様にして実験を行ない、表1に示す
結果を得た。
【0022】実施例3 実施例1で用いたのと同じ窒素含有銅錯体(A)が銅換
算で25ppm、2−メルカプトベンゾイミダゾール
(B)が120ppm(B/A=2)となる様に、ナイ
ロン6のレジンチップに混入して溶融混合した後、実施
例1と同様にして溶融紡糸を行なった。紡糸時の初期ノ
ズル背圧は139kg/cm2であり、2週間連続して紡糸を
行なった後もノズルフィルターの背圧は殆ど上昇しなか
った。また、ナイロン糸中の粗大銅粒子の量も0.10
kcpsであり、実施例1と殆ど変わらなかった。更にナイ
ロン糸を含金染料で染色した後の耐光堅牢度も3〜4級
と良好な結果を得た。
【0023】実施例4 8−キノリノール(55g)を1N−NaOH水溶液4
00mlに溶解し、硫酸銅(50gのCuSO4・5H2Oを600
mlに溶解したもの)をゆっくり滴下して沈殿を生じさせ
た後、70℃で1時間攪拌した。放冷後沈殿物を濾取
し、蒸留水で十分に洗浄してから真空乾燥すると、8−
キノリノール・銅錯体(63g:収率94%)が得られ
た。この銅錯体の赤外線吸収スペクトルは図2に示す通
りであって、下記の構造式を有するものである。
【0024】
【化2】
【0025】この銅錯体を銅換算で100ppm、2−
メルカプトベンゾイミダゾールを470ppmとなる様
に(B/A=2)ナイロン6レジンチップに配合して溶
融混合した後、実施例1と同様にして溶融紡糸を行なっ
た。溶融紡糸時の初期ノズル背圧は145kg/cm2であ
り、2週間連続して紡糸を行なってもノズルフィルター
の上昇は殆ど認められなかった。またナイロン糸中の粗
大銅粒子の生成量は0.18kcpsであり、実施例1と殆
ど変わらなかった。更にナイロン糸を含金染料で染色し
た後の耐光性堅牢度も3〜4級と良好な結果を得た。
【0026】実施例5 α−ピコリン酸(50g)を1N−NaOH水溶液40
0mlに溶解し、硫酸銅(50gのCuSO4・5H2Oを600ml
に溶解したもの)をゆっくり滴下して沈殿を生じさせた
後、70℃で1時間攪拌した。放冷後沈殿物を濾取し、
蒸留水で十分に洗浄してから真空乾燥すると、ピコリン
酸・銅錯体(57g:収率91%)が得られた。この銅
錯体の赤外線吸収スペクトルは図3に示す通りであっ
て、下記の構造式を有するものである。
【0027】
【化3】
【0028】この銅錯体を銅換算で100ppm、2−
メルカプトベンゾイミダゾールを240ppmとなる様
に(B/A=1)ナイロン6レジンチップに配合して溶
融混合した後、実施例1と同様にして溶融紡糸を行なっ
た。溶融紡糸時の初期ノズル背圧は146kg/cm2であ
り、2週間連続して紡糸を行なってもノズルフィルター
の上昇は殆ど認められなかった。背圧上昇の様子を比較
例と対比して図4及び図5に示す。またナイロン糸中の
粗大銅粒子の生成量は0.18kcpsであり、実施例1と
殆ど変わらなかった。更にナイロン糸を含金染料で染色
した後の耐光性堅牢度は2級であった。
【0029】実施例6 ピコリン酸・銅錯体を銅換算で100ppm、2−メル
カプトベンゾイミダゾールを470ppm(B/A=
2)となる様に、ナイロン6のレジンチップに混入して
溶融混合した後、実施例1と同様にして溶融紡糸を行な
った。紡糸時の初期ノズル背圧は144kg/cm2であり、
2週間連続して紡糸を行なった後もノズルフィルターの
背圧は殆ど上昇しなかった。また、ナイロン糸中の粗大
銅粒子の量も0.20kcpsであり、実施例1と殆ど変わ
らなかった。更にナイロン糸を含金染料で染色した後の
耐光堅牢度も4級と良好な結果を得た。
【0030】実施例7 ピコリン酸・銅錯体を銅換算で50ppm、2−メルカ
プトベンゾイミダゾールを470ppm(B/A=4)
となる様に、ナイロン6のレジンチップに混入して溶融
混合した後、実施例1と同様にして溶融紡糸を行なっ
た。紡糸時の初期ノズル背圧は145kg/cm2であり、2
週間連続して紡糸を行なった後もノズルフィルターの背
圧は殆ど上昇しなかった。背圧上昇の様子を比較例と対
比して図4及び図5に示す。また、ナイロン糸中の粗大
銅粒子の量も0.19kcpsであり、実施例1と殆ど変わ
らなかった。更にナイロン糸を含金染料で染色した後の
耐光堅牢度も3級と良好な結果を得た。
【0031】比較例1 ピコリン酸・銅錯体を銅換算で100ppmとなる様に
ナイロン6のレジンチップに混入して溶融混合した後、
実施例1と同様にして溶融紡糸を行ない、溶融紡糸性を
評価すると共に、得られた繊維の耐光性堅牢度を調べ
た。結果は表1に示す通りであり、実施例に比べて何れ
も非常に劣るものであった。
【0032】比較例2 沃化第一銅を銅換算で100ppmとなる様にナイロン
6のレジンチップに混入して溶融混合した後、実施例1
と同様にして溶融紡糸を行ない、溶融紡糸性を評価する
と共に、得られた繊維の耐光性堅牢度を調べた。結果は
表1に示す通りであり、実施例に比べて何れも非常に劣
るものであった。
【0033】比較例3 2−メルカプトベンゾイミダゾールを100ppmとな
る様に、また沃化第一銅を銅換算で100ppmとなる
様に、ナイロン6のレジンチップに混入して溶融混合し
た後、実施例1と同様にして溶融紡糸を行ない、溶融紡
糸性を評価すると共に、得られた繊維の耐光性堅牢度を
調べた。結果は表1に示す通りであり、実施例に比べて
何れも非常に劣るものであった。
【0034】
【表1】
【0035】表1からも明らかである様に、実施例で得
たポリアミド組成物は、比較例に比べて粗大銅粒子の生
成量が非常に少なく溶融紡糸もしくは射出成形の操業性
に優れたものであり、且つ耐光性堅牢度においても非常
に優れたものであることが分かる。
【0036】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、耐
熱性が良好で溶融紡糸や射出成形時に粗大銅粒子を生成
することがなく、且つ耐光性の非常に優れたポリアミド
組成物を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた窒素含有銅錯体の赤外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
【図2】実施例で用いた窒素含有銅錯体の赤外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
【図3】実施例で用いた窒素含有銅錯体の赤外線吸収ス
ペクトルを示す図である。
【図4】実施例及び比較例における溶融紡糸時の背圧上
昇を示すグラフである。
【図5】実施例における溶融紡糸時の背圧上昇を示すグ
ラフである。
フロントページの続き (72)発明者 柴山 忠生 福井県敦賀市呉羽町1番1号 東洋紡績株 式会社敦賀ナイロン工場内 (72)発明者 田中 宏典 福井県敦賀市呉羽町1番1号 東洋紡績株 式会社敦賀ナイロン工場内 (72)発明者 関谷 英夫 大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素を含有する化合物の銅錯体(A)を
    銅換算で10〜1000ppm含有すると共に、該銅錯
    体(A)1モルに対して1〜10倍モルのチオール基含
    有化合物(B)を含有することを特徴とする耐光性に優
    れたポリアミド組成物。
JP17830193A 1993-07-19 1993-07-19 耐光性に優れたポリアミド組成物 Withdrawn JPH0733981A (ja)

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