JPH0733979A - 塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法Info
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- JPH0733979A JPH0733979A JP5201063A JP20106393A JPH0733979A JP H0733979 A JPH0733979 A JP H0733979A JP 5201063 A JP5201063 A JP 5201063A JP 20106393 A JP20106393 A JP 20106393A JP H0733979 A JPH0733979 A JP H0733979A
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- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G18/00—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
- C08G18/06—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
- C08G18/28—Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
- C08G18/40—High-molecular-weight compounds
- C08G18/62—Polymers of compounds having carbon-to-carbon double bonds
- C08G18/6275—Polymers of halogen containing compounds having carbon-to-carbon double bonds; halogenated polymers of compounds having carbon-to-carbon double bonds
-
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 圧縮永久歪に著しく優れ、引張強さおよび加
工性の良好な塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成
形品およびそれらの製造方法を提供することである。 【構成】 架橋性塩化ビニル系樹脂100重量部または
架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系
樹脂99〜1重量部との合計100重量部に対して、ポ
リオール化合物1〜100重量部と架橋剤としてブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物1〜100重量部とを配
合した塩化ビニル系樹脂組成物、該組成物を用いた成形
品、およびそれらを得るために、該組成物をブロック化
ポリイソシアネート化合物の解離温度未満でドライアッ
プし、解離温度以上で成形する製造方法。
工性の良好な塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成
形品およびそれらの製造方法を提供することである。 【構成】 架橋性塩化ビニル系樹脂100重量部または
架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系
樹脂99〜1重量部との合計100重量部に対して、ポ
リオール化合物1〜100重量部と架橋剤としてブロッ
ク化ポリイソシアネート化合物1〜100重量部とを配
合した塩化ビニル系樹脂組成物、該組成物を用いた成形
品、およびそれらを得るために、該組成物をブロック化
ポリイソシアネート化合物の解離温度未満でドライアッ
プし、解離温度以上で成形する製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮永久歪が著しく改
善されかつ引張強さおよび加工性の良好な塩化ビニル系
樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方
法に関する。
善されかつ引張強さおよび加工性の良好な塩化ビニル系
樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】軟質塩化ビニル樹脂は、加工性、物理的
性質並びに価格間におけるバランスの良い材料であり、
ゴムに似た感触の製品を得られることから、自動車、機
械、電気、医療、建築用等の資材として多岐、広範な分
野で使用されている。しかしながら、この材料は加硫ゴ
ムと比較した場合に圧縮永久歪が非常に高く、外力に対
して変形回復性が悪いという難点があるため、その使用
に制限があった。
性質並びに価格間におけるバランスの良い材料であり、
ゴムに似た感触の製品を得られることから、自動車、機
械、電気、医療、建築用等の資材として多岐、広範な分
野で使用されている。しかしながら、この材料は加硫ゴ
ムと比較した場合に圧縮永久歪が非常に高く、外力に対
して変形回復性が悪いという難点があるため、その使用
に制限があった。
【0003】この様な欠点を改良するため従来、塩化ビ
ニル樹脂として高重合度のものを使用する手法や部分的
に架橋された塩化ビニル樹脂を使用する手法が知られて
いる。しかしこれらの方法では改善に限界があり、未だ
圧縮永久歪は高く充分とはいえなかった。
ニル樹脂として高重合度のものを使用する手法や部分的
に架橋された塩化ビニル樹脂を使用する手法が知られて
いる。しかしこれらの方法では改善に限界があり、未だ
圧縮永久歪は高く充分とはいえなかった。
【0004】また、部分的に架橋された塩化ビニル系樹
脂に架橋されたゴム物質を混合する手法も知られてい
る。しかしながら、この方法はゴム成分の比率が大きい
場合には加硫ゴムと同等の圧縮永久歪を与えるものの、
塩化ビニル系樹脂成分が多くなると圧縮永久歪は低下す
る。従って、加硫ゴムに匹敵する圧縮永久歪を与えるに
はゴム成分を多量に要するので、どうしてもコストアッ
プが避けられず、また塩化ビニル樹脂の優れた性質、す
なわち耐候性、製品の表面性等が損われてしまうという
欠点を有していた。
脂に架橋されたゴム物質を混合する手法も知られてい
る。しかしながら、この方法はゴム成分の比率が大きい
場合には加硫ゴムと同等の圧縮永久歪を与えるものの、
塩化ビニル系樹脂成分が多くなると圧縮永久歪は低下す
る。従って、加硫ゴムに匹敵する圧縮永久歪を与えるに
はゴム成分を多量に要するので、どうしてもコストアッ
プが避けられず、また塩化ビニル樹脂の優れた性質、す
なわち耐候性、製品の表面性等が損われてしまうという
欠点を有していた。
【0005】一方、反応基を有する塩化ビニル系樹脂に
ポリイソシアネート化合物を配合する手法が知られてい
る。特公昭52−32900号は、乳化重合法により得
られた分子内に水酸基またはカルボキシル基を有する塩
化ビニル系重合体に、架橋剤であるポリイソシアネート
化合物を配合して、架橋成形体を得、圧縮永久歪を改良
する方法を開示している。しかし、この方法で、塩化ビ
ニル系樹脂とポリイソシアネート化合物を架橋すると、
著しい硬度の向上と柔軟性の低下を招き、脆くて堅い成
形品しか得られなくなる。さらにこの方法は、乳化重合
法にて得た重合体をコーター法で加工することはできて
も、一般的な成形方法である押出成形や射出成形等のよ
うに高温で混練を実施するような加工法に用いると、表
面性の悪い製品しか得られないので、成形法や用途に制
限がある。
ポリイソシアネート化合物を配合する手法が知られてい
る。特公昭52−32900号は、乳化重合法により得
られた分子内に水酸基またはカルボキシル基を有する塩
化ビニル系重合体に、架橋剤であるポリイソシアネート
化合物を配合して、架橋成形体を得、圧縮永久歪を改良
する方法を開示している。しかし、この方法で、塩化ビ
ニル系樹脂とポリイソシアネート化合物を架橋すると、
著しい硬度の向上と柔軟性の低下を招き、脆くて堅い成
形品しか得られなくなる。さらにこの方法は、乳化重合
法にて得た重合体をコーター法で加工することはできて
も、一般的な成形方法である押出成形や射出成形等のよ
うに高温で混練を実施するような加工法に用いると、表
面性の悪い製品しか得られないので、成形法や用途に制
限がある。
【0006】特開平1−185313号公報および特開
平1−254725号公報には、ポリオール含有塩化ビ
ニル系重合体とポリイソシアネート化合物とをウレタン
化反応して得られるポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合
体の開示がある。しかし、この方法では、ポリ塩化ビニ
ルとポリウレタンとが均質に分散されてはいるものの、
両者間の架橋は、一部分的にしか過ぎないので、ポリ塩
化ビニルとポリウレタンとで形成される共架橋構造が相
対的に少なく、圧縮永久歪の向上にはたいした効果が発
現しない。
平1−254725号公報には、ポリオール含有塩化ビ
ニル系重合体とポリイソシアネート化合物とをウレタン
化反応して得られるポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合
体の開示がある。しかし、この方法では、ポリ塩化ビニ
ルとポリウレタンとが均質に分散されてはいるものの、
両者間の架橋は、一部分的にしか過ぎないので、ポリ塩
化ビニルとポリウレタンとで形成される共架橋構造が相
対的に少なく、圧縮永久歪の向上にはたいした効果が発
現しない。
【0007】特開昭58−83039号公報は、ポリ塩
化ビニル樹脂にポリオール化合物およびポリイソシアネ
ート化合物を含浸せしめ、該ポリ塩化ビニル中でポリウ
レタンを生成させる方法を開示している。しかし、この
方法は前記方法と同様に、ポリ塩化ビニルとポリウレタ
ンとの共架橋構造が絶対的に少なく、圧縮永久歪の向上
には効果がない。
化ビニル樹脂にポリオール化合物およびポリイソシアネ
ート化合物を含浸せしめ、該ポリ塩化ビニル中でポリウ
レタンを生成させる方法を開示している。しかし、この
方法は前記方法と同様に、ポリ塩化ビニルとポリウレタ
ンとの共架橋構造が絶対的に少なく、圧縮永久歪の向上
には効果がない。
【0008】特開平5−65383号公報には、架橋性
塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂の混合樹脂にポリ
オール化合物と架橋剤を配合した塩化ビニル系樹脂組成
物が開示されており、圧縮永久歪と耐熱変形性が改善さ
れている。しかし、該組成物に配合される架橋剤は、ポ
リイソシアネート化合物のような反応性の高いものであ
るため、架橋性塩化ビニル系樹脂やポリオール化合物と
の架橋反応が進行しやすく、各配合物を加熱混合して、
架橋性塩化ビニル系樹脂や塩化ビニル系樹脂にポリオー
ル化合物、架橋剤および可塑剤等を吸収させ、粉状のサ
ラサラした樹脂組成物を得る工程(以後、ドライアップ
と称する。)や、一時的な保存時等で、架橋反応が進行
し、成形加工性を悪化させたり、成形品の表面を荒らし
たり、均一な共架橋構造の形成が充分に成し得ず、強度
を低下させたりする。
塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂の混合樹脂にポリ
オール化合物と架橋剤を配合した塩化ビニル系樹脂組成
物が開示されており、圧縮永久歪と耐熱変形性が改善さ
れている。しかし、該組成物に配合される架橋剤は、ポ
リイソシアネート化合物のような反応性の高いものであ
るため、架橋性塩化ビニル系樹脂やポリオール化合物と
の架橋反応が進行しやすく、各配合物を加熱混合して、
架橋性塩化ビニル系樹脂や塩化ビニル系樹脂にポリオー
ル化合物、架橋剤および可塑剤等を吸収させ、粉状のサ
ラサラした樹脂組成物を得る工程(以後、ドライアップ
と称する。)や、一時的な保存時等で、架橋反応が進行
し、成形加工性を悪化させたり、成形品の表面を荒らし
たり、均一な共架橋構造の形成が充分に成し得ず、強度
を低下させたりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の欠点を解消し、圧縮永久歪に著しく優
れ、引張強さおよび加工性の良好な塩化ビニル系樹脂組
成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法を提
供することである。
した従来技術の欠点を解消し、圧縮永久歪に著しく優
れ、引張強さおよび加工性の良好な塩化ビニル系樹脂組
成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、塩化ビニル
系樹脂組成物を用いた成形品の圧縮永久歪および引張強
度を改善するため鋭意検討した結果これらの性質は、架
橋性塩化ビニル系樹脂に対し、ポリオール化合物とブロ
ック化ポリイソシアネート化合物を配合することによ
り、著しく改善されることを見出した。
系樹脂組成物を用いた成形品の圧縮永久歪および引張強
度を改善するため鋭意検討した結果これらの性質は、架
橋性塩化ビニル系樹脂に対し、ポリオール化合物とブロ
ック化ポリイソシアネート化合物を配合することによ
り、著しく改善されることを見出した。
【0011】また、本発明者等は、塩化ビニル系樹脂組
成物の加工性を改善するため鋭意検討した。その結果、
架橋剤としてブロック化ポリイソシアネート化合物を用
いると、ブロッキング剤の解離温度未満で、架橋反応さ
せずにドライアップすることが可能となり、造粒時もし
くは成形時にのみ架橋反応が進行する塩化ビニル系樹脂
組成物が得られ、前述した性質が著しく改善されるこ
と、またこれにより得られる成形物の外観も優れること
を見出し、本発明を完成した。
成物の加工性を改善するため鋭意検討した。その結果、
架橋剤としてブロック化ポリイソシアネート化合物を用
いると、ブロッキング剤の解離温度未満で、架橋反応さ
せずにドライアップすることが可能となり、造粒時もし
くは成形時にのみ架橋反応が進行する塩化ビニル系樹脂
組成物が得られ、前述した性質が著しく改善されるこ
と、またこれにより得られる成形物の外観も優れること
を見出し、本発明を完成した。
【0012】本発明は下記の構成を有する。 (1)架橋性塩化ビニル系樹脂100重量部または架橋
性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系樹脂
99〜1重量部との合計100重量部に対して、ポリオ
ール化合物1〜100重量部と架橋剤としてブロック化
ポリイソシアネート化合物1〜100重量部とを配合し
てなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 (2)架橋性塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル単量体9
9.98〜50mol%と活性水素を有する不飽和単量
体0.02〜50mol%との共重合物で、平均重合度
が300〜5000であることを特徴とする前記第
(1)項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (3)前記第(1)項もしくは第(2)項のいずれか1
項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物に、触媒としてアル
キルアミン、有機錫および錫塩化物より選択される1種
または2種以上の化合物が、架橋性塩化ビニル系樹脂1
00重量部または架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量
部と塩化ビニル系樹脂99〜1重量部との合計100重
量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で配合され
ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 (4)前記第(1)項〜第(3)項のいずれかに1項に
記載の塩化ビニル系樹脂組成物に、ゴム物質が、架橋性
塩化ビニル系樹脂100重量部または架橋性塩化ビニル
系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系樹脂99〜1重量
部との合計100重量部に対して、10〜200重量部
の範囲で配合されることを特徴とする塩化ビニル系樹脂
組成物。 (5)前記第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物を加熱、混合し、該組成物
をドライアップさせる際、該組成物の最高温度を、ブロ
ック化ポリイソシアネート化合物の解離温度未満に設定
することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方
法。 (6)前記第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物によって得られる塩化ビニ
ル系樹脂組成物を混練機で、加熱、混練する際に該組成
物の樹脂温度を、ブロック化ポリイソシアネート化合物
の解離温度以上に設定することを特徴とする塩化ビニル
系樹脂組成物の製造方法。 (7)前記第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物を用いることを特徴とする
成形品。 (8)前記第(7)項記載の成形品を得る際、塩化ビニ
ル系樹脂組成物をブロック化ポリイソシアネート化合物
の解離温度以上の温度に加熱し、成形することを特徴と
する製造方法。
性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系樹脂
99〜1重量部との合計100重量部に対して、ポリオ
ール化合物1〜100重量部と架橋剤としてブロック化
ポリイソシアネート化合物1〜100重量部とを配合し
てなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 (2)架橋性塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル単量体9
9.98〜50mol%と活性水素を有する不飽和単量
体0.02〜50mol%との共重合物で、平均重合度
が300〜5000であることを特徴とする前記第
(1)項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 (3)前記第(1)項もしくは第(2)項のいずれか1
項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物に、触媒としてアル
キルアミン、有機錫および錫塩化物より選択される1種
または2種以上の化合物が、架橋性塩化ビニル系樹脂1
00重量部または架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量
部と塩化ビニル系樹脂99〜1重量部との合計100重
量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で配合され
ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 (4)前記第(1)項〜第(3)項のいずれかに1項に
記載の塩化ビニル系樹脂組成物に、ゴム物質が、架橋性
塩化ビニル系樹脂100重量部または架橋性塩化ビニル
系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル系樹脂99〜1重量
部との合計100重量部に対して、10〜200重量部
の範囲で配合されることを特徴とする塩化ビニル系樹脂
組成物。 (5)前記第(1)項〜第(4)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物を加熱、混合し、該組成物
をドライアップさせる際、該組成物の最高温度を、ブロ
ック化ポリイソシアネート化合物の解離温度未満に設定
することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方
法。 (6)前記第(1)項〜第(5)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物によって得られる塩化ビニ
ル系樹脂組成物を混練機で、加熱、混練する際に該組成
物の樹脂温度を、ブロック化ポリイソシアネート化合物
の解離温度以上に設定することを特徴とする塩化ビニル
系樹脂組成物の製造方法。 (7)前記第(1)項〜第(6)項のいずれか1項に記
載の塩化ビニル系樹脂組成物を用いることを特徴とする
成形品。 (8)前記第(7)項記載の成形品を得る際、塩化ビニ
ル系樹脂組成物をブロック化ポリイソシアネート化合物
の解離温度以上の温度に加熱し、成形することを特徴と
する製造方法。
【0013】本発明に用いられる架橋性塩化ビニル系樹
脂は、塩化ビニル単量体99.98〜50mol%と活
性水素を含有する不飽和単量体(以下、反応性コモノマ
ーと称する。)0.02〜50mol%を懸濁重合法に
より共重合して得た重合度300〜5000の反応基を
有する塩化ビニル系樹脂が好ましい。
脂は、塩化ビニル単量体99.98〜50mol%と活
性水素を含有する不飽和単量体(以下、反応性コモノマ
ーと称する。)0.02〜50mol%を懸濁重合法に
より共重合して得た重合度300〜5000の反応基を
有する塩化ビニル系樹脂が好ましい。
【0014】架橋性塩化ビニル系樹脂の構成成分である
反応性コモノマーを具体的に例示すると以下のものが適
当である。 (イ)カルボキシル基を含有する不飽和単量体、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不
飽和モノカルボン酸類、あるいはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸
類、およびモノメチルマレート、モノエチルマレート等
の不飽和ジカルボン酸のモノエステル類。 (ロ)水酸基を含有する不飽和単量体、例えばアクリル酸
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル等のアクリル酸またはメタクリル酸エステル
類、ビニル−4−ヒドロキシブチルエーテル等のビニル
エーテル類、12−ヒドロキシステアリン酸ビニル等の
ビニルエステル類、またはアリルアルコール、o−アリ
ルフェノール、グリセロールアリルエーテル等のアリル
類。 (ハ)アミノ基を含有する不飽和単量体、例えばアクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド等。
反応性コモノマーを具体的に例示すると以下のものが適
当である。 (イ)カルボキシル基を含有する不飽和単量体、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不
飽和モノカルボン酸類、あるいはマレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸
類、およびモノメチルマレート、モノエチルマレート等
の不飽和ジカルボン酸のモノエステル類。 (ロ)水酸基を含有する不飽和単量体、例えばアクリル酸
ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル等のアクリル酸またはメタクリル酸エステル
類、ビニル−4−ヒドロキシブチルエーテル等のビニル
エーテル類、12−ヒドロキシステアリン酸ビニル等の
ビニルエステル類、またはアリルアルコール、o−アリ
ルフェノール、グリセロールアリルエーテル等のアリル
類。 (ハ)アミノ基を含有する不飽和単量体、例えばアクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド等。
【0015】架橋性塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、
好ましくは300〜5000、より好ましくは1000
〜4000が良い。平均重合度が300未満のものは、
製造上困難であり、5000を超えるものは成形性を悪
化させる。反応性コモノマーの含有量は、好ましくは
0.02〜50mol%、より好ましくは0.1〜10
mol%が良い。0.02mol%未満では、共架橋構
造が相対的に少なくなるため、目的とする圧縮永久歪と
引張強さを充分に改善できない。一方、50mol%を
超えると熱安定性が損われるので好ましくない。
好ましくは300〜5000、より好ましくは1000
〜4000が良い。平均重合度が300未満のものは、
製造上困難であり、5000を超えるものは成形性を悪
化させる。反応性コモノマーの含有量は、好ましくは
0.02〜50mol%、より好ましくは0.1〜10
mol%が良い。0.02mol%未満では、共架橋構
造が相対的に少なくなるため、目的とする圧縮永久歪と
引張強さを充分に改善できない。一方、50mol%を
超えると熱安定性が損われるので好ましくない。
【0016】本発明に用いる架橋性塩化ビニル系樹脂を
製造するに際し、その構成成分として、塩化ビニル単量
体、反応性コモノマー以外に、通常の塩化ビニル共重合
反応に使用できる不飽和単量体を用いることも出来る。
かかる不飽和単量体としては、α−オレフィン類、例え
ばエチレン、プロピレン、ブチレン等、ビニルエステル
類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル等、ビニルエーテル類、例えばビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテル、ビニルフェニルエーテル等、不飽和カルボン酸
類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル等、ビニリデ
ン類、例えば塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等、ビ
ニルアリール類、例えばスチレン、ビニルトルエン、メ
トキシスチレン、ジビニルベンゼン、クロルスチレン、
ジクロルスチレン、α−ビニルナフタレン等、不飽和ニ
トリル類、例えばアクリロニトリル等を例示できる。
製造するに際し、その構成成分として、塩化ビニル単量
体、反応性コモノマー以外に、通常の塩化ビニル共重合
反応に使用できる不飽和単量体を用いることも出来る。
かかる不飽和単量体としては、α−オレフィン類、例え
ばエチレン、プロピレン、ブチレン等、ビニルエステル
類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル等、ビニルエーテル類、例えばビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテル、ビニルフェニルエーテル等、不飽和カルボン酸
類、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル等、ビニリデ
ン類、例えば塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等、ビ
ニルアリール類、例えばスチレン、ビニルトルエン、メ
トキシスチレン、ジビニルベンゼン、クロルスチレン、
ジクロルスチレン、α−ビニルナフタレン等、不飽和ニ
トリル類、例えばアクリロニトリル等を例示できる。
【0017】本発明では、架橋性塩化ビニル系樹脂以外
に通常の塩化ビニル系樹脂を併用することが出来る。か
かる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体または
塩化ビニルと上記不飽和単量体の1種もしくは2種以上
の共重合体を単独または併用して用いることが出来る。
該塩化ビニル系樹脂を併用することにより加工性を向上
させることが可能であるが、架橋性塩化ビニル系樹脂と
該塩化ビニル系樹脂の合計100重量部の内、該塩化ビ
ニル系樹脂含有量が99重量部を超えると本発明の効
果、つまり圧縮永久歪の改善効果が低下するので好まし
くない。本発明で用いる塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、公知の塩化ビニル系樹脂の重合法、つまり懸濁重合
法、乳化重合法、塊状重合法、溶液重合法等が適用でき
る。
に通常の塩化ビニル系樹脂を併用することが出来る。か
かる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体または
塩化ビニルと上記不飽和単量体の1種もしくは2種以上
の共重合体を単独または併用して用いることが出来る。
該塩化ビニル系樹脂を併用することにより加工性を向上
させることが可能であるが、架橋性塩化ビニル系樹脂と
該塩化ビニル系樹脂の合計100重量部の内、該塩化ビ
ニル系樹脂含有量が99重量部を超えると本発明の効
果、つまり圧縮永久歪の改善効果が低下するので好まし
くない。本発明で用いる塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、公知の塩化ビニル系樹脂の重合法、つまり懸濁重合
法、乳化重合法、塊状重合法、溶液重合法等が適用でき
る。
【0018】次に、架橋性塩化ビニル系樹脂単独もしく
は架橋性塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂との混合
物(以下、これらを樹脂成分と称する。)に配合される
ポリオール化合物は、その1分子当り平均2個以上の水
酸基を有する化合物が好ましい。ポリオール化合物を例
示すると、以下のものが挙げられる。 (a)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等のポリオール。
は架橋性塩化ビニル系樹脂と塩化ビニル系樹脂との混合
物(以下、これらを樹脂成分と称する。)に配合される
ポリオール化合物は、その1分子当り平均2個以上の水
酸基を有する化合物が好ましい。ポリオール化合物を例
示すると、以下のものが挙げられる。 (a)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等のポリオール。
【0019】(b)上記(a)に示すポリオールや、庶糖、
アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエタノールアミン、ピロガロール、ジヒドロ
安息香酸、ヒドロキシフタル酸、レゾルシン、ハイドロ
キノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、1,
2−プロパンジチオール等の分子中に活性水素を少なく
とも平均2個以上有する化合物の1種または2種以上
に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド等の
1種または2種以上を付加重合させて得られるポリエー
テルポリオール。
アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、エチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエタノールアミン、ピロガロール、ジヒドロ
安息香酸、ヒドロキシフタル酸、レゾルシン、ハイドロ
キノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルメタン、1,
2−プロパンジチオール等の分子中に活性水素を少なく
とも平均2個以上有する化合物の1種または2種以上
に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシド、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド等の
1種または2種以上を付加重合させて得られるポリエー
テルポリオール。
【0020】(c)上記(a)に示すポリオールの1種また
は2種以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、酒石酸、ピメリン酸、セバシン酸、シュウ酸、フ
タル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アコニ
ット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸等の分子中に
少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物の1種
または2種以上を重縮合させて得られるポリエステルポ
リオール。
は2種以上とマロン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、酒石酸、ピメリン酸、セバシン酸、シュウ酸、フ
タル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アコニ
ット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸等の分子中に
少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物の1種
または2種以上を重縮合させて得られるポリエステルポ
リオール。
【0021】(d)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸、2−ヒドロキシメチルアクリレート、
2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の活性
水素を有するアクリル系単量体の1種または2種以上と
メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢
酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル化合物の1種ま
たは2種以上を共重合させて得られるアクリルポリオー
ル。
酸、イタコン酸、2−ヒドロキシメチルアクリレート、
2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、アクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の活性
水素を有するアクリル系単量体の1種または2種以上と
メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢
酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル化合物の1種ま
たは2種以上を共重合させて得られるアクリルポリオー
ル。
【0022】(e)ポリブタジエン、水添ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、NBR、E
PR、EPDM、クロロプレン、クロロスルフォン化P
E、塩素化PE等のゴム物質の水酸基変成物。
ン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、NBR、E
PR、EPDM、クロロプレン、クロロスルフォン化P
E、塩素化PE等のゴム物質の水酸基変成物。
【0023】これらのポリオール化合物の配合量は、樹
脂成分100重量部に対して、1〜100重量部が好ま
しい。1重量部より少ないと圧縮永久歪が低下するため
好ましくなく、100重量部を超えると加工性、生産性
が低下するため好ましくない。
脂成分100重量部に対して、1〜100重量部が好ま
しい。1重量部より少ないと圧縮永久歪が低下するため
好ましくなく、100重量部を超えると加工性、生産性
が低下するため好ましくない。
【0024】樹脂成分に配合される架橋剤としては、通
常ポリウレタン製造に使用されているブロック化ポリイ
ソシアネート化合物が挙げられる。該化合物を例示する
と、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、水添ジフェニル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート等のポリイソシアネート単量体、これらの重合
体、またはこれらを用いたウレタンプレポリマーを、活
性メチレン化合物、オキシム類、ラクタム類、フェノー
ル類、アルキルフェノール類、塩基性窒素含有化合物等
のブロッキング剤によってブロック安定化したものが挙
げられる。これらは、特有の解離温度をもっており(種
類によっては、広い温度幅をもったものもある。)、一
般には、加熱により解離温度に達するとブロッキング剤
が解離し、反応性の高いイソシアネート基が現れる。
常ポリウレタン製造に使用されているブロック化ポリイ
ソシアネート化合物が挙げられる。該化合物を例示する
と、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、水添ジフェニル
メタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート等のポリイソシアネート単量体、これらの重合
体、またはこれらを用いたウレタンプレポリマーを、活
性メチレン化合物、オキシム類、ラクタム類、フェノー
ル類、アルキルフェノール類、塩基性窒素含有化合物等
のブロッキング剤によってブロック安定化したものが挙
げられる。これらは、特有の解離温度をもっており(種
類によっては、広い温度幅をもったものもある。)、一
般には、加熱により解離温度に達するとブロッキング剤
が解離し、反応性の高いイソシアネート基が現れる。
【0025】解離温度とは、ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物とそのイソシアネート基と反応し得る反応基
を有する化合物とを1:1の反応比(両者の反応基の比
率)になるように混合した配合物をシンナーで希釈し、
フォードカップ#4で15秒となるように粘度調整した
ものを、ブリキ板にスプレー塗装し、所定の温度で30
分焼き付け硬化させる。この方法によって得られる塗膜
のゲル分率を測定し、焼き付け温度とゲル分率をプロッ
トし、ゲル分率が20wt%になる温度をいう。
ート化合物とそのイソシアネート基と反応し得る反応基
を有する化合物とを1:1の反応比(両者の反応基の比
率)になるように混合した配合物をシンナーで希釈し、
フォードカップ#4で15秒となるように粘度調整した
ものを、ブリキ板にスプレー塗装し、所定の温度で30
分焼き付け硬化させる。この方法によって得られる塗膜
のゲル分率を測定し、焼き付け温度とゲル分率をプロッ
トし、ゲル分率が20wt%になる温度をいう。
【0026】ブロック化ポリイソシアネート化合物とし
て、上記ブロック化ポリイソシアネート化合物を何種類
かの混合体として使用することも可能であり、解離温度
の異なるブロック化ポリイソシアネート化合物を数種類
混合して用いても良い。ブロック化ポリイソシアネート
化合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、1
〜100重量部が好ましい。1重量部より少ないと圧縮
永久歪の改善効果が低下するため好ましくなく、また1
00重量部を超えると加工性、生産性が低下するため好
ましくない。
て、上記ブロック化ポリイソシアネート化合物を何種類
かの混合体として使用することも可能であり、解離温度
の異なるブロック化ポリイソシアネート化合物を数種類
混合して用いても良い。ブロック化ポリイソシアネート
化合物の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、1
〜100重量部が好ましい。1重量部より少ないと圧縮
永久歪の改善効果が低下するため好ましくなく、また1
00重量部を超えると加工性、生産性が低下するため好
ましくない。
【0027】本発明において、架橋性塩化ビニル系樹脂
またはポリオール化合物どうしをブロック化ポリイソシ
アネート化合物で架橋することにより、また架橋性塩化
ビニル系樹脂とポリオール化合物とをブロック化ポリイ
ソシアネート化合物で架橋することにより、前述の優れ
た特性が付与される。架橋反応は、ブロック化ポリイソ
シアネート化合物の解離温度以上で塩化ビニル系樹脂組
成物を溶融混練することによって、ブロック化ポリイソ
シアネート化合物のブロッキング剤が解離し、反応性の
高いイソシアネート基が現れて、速やかに進行する。架
橋反応性を向上させたい時には、触媒を配合することが
望ましい。
またはポリオール化合物どうしをブロック化ポリイソシ
アネート化合物で架橋することにより、また架橋性塩化
ビニル系樹脂とポリオール化合物とをブロック化ポリイ
ソシアネート化合物で架橋することにより、前述の優れ
た特性が付与される。架橋反応は、ブロック化ポリイソ
シアネート化合物の解離温度以上で塩化ビニル系樹脂組
成物を溶融混練することによって、ブロック化ポリイソ
シアネート化合物のブロッキング剤が解離し、反応性の
高いイソシアネート基が現れて、速やかに進行する。架
橋反応性を向上させたい時には、触媒を配合することが
望ましい。
【0028】該触媒は、通常ポリウレタン製造に使用さ
れているものが好ましく、具体的には、以下のものを例
示できる。 ア)トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラ
メチルブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン等のアルキルアミン類。 イ)トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル
錫、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫等の有機錫
類。 ウ)ジメチル2塩化錫、塩化第1錫、塩化第2錫等の錫
塩化物類。 さらに上記触媒を何種類かの混合体として使用すること
も可能である。また、触媒を配合することにより、ブロ
ック化ポリイソシアネート化合物の解離温度を低下させ
るものもあり、成形条件に適する解離温度を触媒によっ
て調整することもできる。触媒の配合量は、樹脂成分1
00重量部に対して、0.01〜10重量部が好まし
い。0.01重量部より少ないと触媒としての改善効果
が発現せず、10重量部を超えると加工性が低下するた
め、また塩化ビニル系樹脂のすぐれた物性が損なわれる
ので好ましくない。
れているものが好ましく、具体的には、以下のものを例
示できる。 ア)トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラ
メチルブタンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,
2,2]オクタン等のアルキルアミン類。 イ)トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル
錫、ジブチル錫ジラウレート、オクトエ酸錫等の有機錫
類。 ウ)ジメチル2塩化錫、塩化第1錫、塩化第2錫等の錫
塩化物類。 さらに上記触媒を何種類かの混合体として使用すること
も可能である。また、触媒を配合することにより、ブロ
ック化ポリイソシアネート化合物の解離温度を低下させ
るものもあり、成形条件に適する解離温度を触媒によっ
て調整することもできる。触媒の配合量は、樹脂成分1
00重量部に対して、0.01〜10重量部が好まし
い。0.01重量部より少ないと触媒としての改善効果
が発現せず、10重量部を超えると加工性が低下するた
め、また塩化ビニル系樹脂のすぐれた物性が損なわれる
ので好ましくない。
【0029】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、可
塑剤を配合することもできる。可塑剤の種類は特に限定
されるものではなく、公知の可塑剤を使用することがで
きる。例えば、フタル酸系可塑剤、トリメリット酸系可
塑剤、脂肪族−塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基
酸エステル系可塑剤、芳香族エステル系可塑剤、ヒドロ
キシ酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポ
リエステル系可塑剤等を例示できる。これらの可塑剤の
配合量は、樹脂成分100重量部に対して、200重量
部以下が好ましい。200重量部を超えると加工性、生
産性を低下させるため好ましくない。
塑剤を配合することもできる。可塑剤の種類は特に限定
されるものではなく、公知の可塑剤を使用することがで
きる。例えば、フタル酸系可塑剤、トリメリット酸系可
塑剤、脂肪族−塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基
酸エステル系可塑剤、芳香族エステル系可塑剤、ヒドロ
キシ酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポ
リエステル系可塑剤等を例示できる。これらの可塑剤の
配合量は、樹脂成分100重量部に対して、200重量
部以下が好ましい。200重量部を超えると加工性、生
産性を低下させるため好ましくない。
【0030】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、ゴ
ム物質を配合することもできる。ゴム物質の種類は特に
限定されるものではなく、公知のゴム物質を使用するこ
とが出来る。例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴ
ム、多硫化ゴム等を例示でき、これらの未架橋物、部分
架橋物、または完全架橋物のいずれかを単独もしくは2
種以上を併用して用いることが出来る。ゴム物質の配合
量は、樹脂成分100重量部に対して、10〜200重
量部が好ましい。10重量部より少ないと充分な変形回
復性が得られず、200重量部を超えると加工性が低下
したり、塩化ビニル樹脂の優れた性質である耐候性や成
形品の表面性が損われたり、コストアップとなるため好
ましくない。
ム物質を配合することもできる。ゴム物質の種類は特に
限定されるものではなく、公知のゴム物質を使用するこ
とが出来る。例えば天然ゴム、イソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エ
チレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレ
ン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴ
ム、多硫化ゴム等を例示でき、これらの未架橋物、部分
架橋物、または完全架橋物のいずれかを単独もしくは2
種以上を併用して用いることが出来る。ゴム物質の配合
量は、樹脂成分100重量部に対して、10〜200重
量部が好ましい。10重量部より少ないと充分な変形回
復性が得られず、200重量部を超えると加工性が低下
したり、塩化ビニル樹脂の優れた性質である耐候性や成
形品の表面性が損われたり、コストアップとなるため好
ましくない。
【0031】また、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
に、必要に応じて通常の塩化ビニル樹脂に使用される添
加剤、例えば安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、顔料等
を加えることもできる。
に、必要に応じて通常の塩化ビニル樹脂に使用される添
加剤、例えば安定剤、加工助剤、滑剤、充填剤、顔料等
を加えることもできる。
【0032】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、以下
の方法で製造することができる。 1)樹脂成分に、ポリオール化合物、ブロック化ポリイ
ソシアネート化合物、および場合により触媒や可塑剤、
安定剤およびその他添加剤を配合して混合し、ドライア
ップを実施した後、冷却を行って粉末状塩化ビニル系樹
脂組成物を得る。この時、使用される混合機器は、リボ
ンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の通常使用される
混合機器で充分であるが、ドライアップは、配合されて
いるブロック化ポリイソシアネート化合物の解離温度以
上であってはならない。 2)前記1で得られた該組成物を造粒機に供給し、加
熱、混練することによって、ハンドリングの良い粒状塩
化ビニル系樹脂組成物を得る。この時、使用される造粒
機器は、ミルロール、バンバリーミキサー、押出成形機
等の通常使用される造粒機器で充分であり、該機器によ
って均一に混練することができる。 3)前記1もしくは前記2で得られた該組成物をロール
成形機に供給し、加熱、混練することによって、シート
状塩化ビニル系樹脂組成物を得る。 これらの造粒機器および成形機器によって、該組成物を
加工する時、該組成物の温度がブロック化ポリイソシア
ネート化合物の解離温度以上であることが好ましい。
の方法で製造することができる。 1)樹脂成分に、ポリオール化合物、ブロック化ポリイ
ソシアネート化合物、および場合により触媒や可塑剤、
安定剤およびその他添加剤を配合して混合し、ドライア
ップを実施した後、冷却を行って粉末状塩化ビニル系樹
脂組成物を得る。この時、使用される混合機器は、リボ
ンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の通常使用される
混合機器で充分であるが、ドライアップは、配合されて
いるブロック化ポリイソシアネート化合物の解離温度以
上であってはならない。 2)前記1で得られた該組成物を造粒機に供給し、加
熱、混練することによって、ハンドリングの良い粒状塩
化ビニル系樹脂組成物を得る。この時、使用される造粒
機器は、ミルロール、バンバリーミキサー、押出成形機
等の通常使用される造粒機器で充分であり、該機器によ
って均一に混練することができる。 3)前記1もしくは前記2で得られた該組成物をロール
成形機に供給し、加熱、混練することによって、シート
状塩化ビニル系樹脂組成物を得る。 これらの造粒機器および成形機器によって、該組成物を
加工する時、該組成物の温度がブロック化ポリイソシア
ネート化合物の解離温度以上であることが好ましい。
【0033】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を用いた
成形品は、該組成物を、押出成形、射出成形、ロール成
形等に通常使用されている成形機器に投入し、溶融、混
練することによって容易に得ることができる。架橋反応
を充分に行わせるには、成形機器で該組成物を溶融させ
る時、該組成物の樹脂温度が、ブロック化ポリイソシア
ネート化合物の解離温度以上になるように設定する必要
がある。
成形品は、該組成物を、押出成形、射出成形、ロール成
形等に通常使用されている成形機器に投入し、溶融、混
練することによって容易に得ることができる。架橋反応
を充分に行わせるには、成形機器で該組成物を溶融させ
る時、該組成物の樹脂温度が、ブロック化ポリイソシア
ネート化合物の解離温度以上になるように設定する必要
がある。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で実施した評
価方法は次の方法に準じた。
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で実施した評
価方法は次の方法に準じた。
【0035】(1) 圧縮永久歪:JIS K−6301に
準拠し、熱処理温度70℃、時間22時間で実施した。 (2) 引張強さ:JIS K−6301に準拠し、試験片
の形状はダンベル状3号形で実施した。 (3) プレス膜外観:プレス成形機にて作成したプレス膜
の表面平滑性を目視にて判定した。 判定;◎:表面平滑性に非常に優れる。 ○:表面平滑性に優れる。 ×:表面平滑性に劣る。 (4) 押出成形品外観:(株)日本製鋼所製40mm単軸
押出機にて作成したベルト状成形品の表面平滑性を目視
にて判定した。 判定;◎:表面平滑性に非常に優れる。 ○:表面平滑性に優れる。 ×:表面平滑性に劣る。
準拠し、熱処理温度70℃、時間22時間で実施した。 (2) 引張強さ:JIS K−6301に準拠し、試験片
の形状はダンベル状3号形で実施した。 (3) プレス膜外観:プレス成形機にて作成したプレス膜
の表面平滑性を目視にて判定した。 判定;◎:表面平滑性に非常に優れる。 ○:表面平滑性に優れる。 ×:表面平滑性に劣る。 (4) 押出成形品外観:(株)日本製鋼所製40mm単軸
押出機にて作成したベルト状成形品の表面平滑性を目視
にて判定した。 判定;◎:表面平滑性に非常に優れる。 ○:表面平滑性に優れる。 ×:表面平滑性に劣る。
【0036】(実施例−1)塩化ビニル単量体98.0
wt%と2−ヒドロキシエチルアクリレート2.0wt%を
39℃で懸濁重合することにより、平均重合度250
0、反応性コモノマー含有量2.2wt%の架橋性塩化ビ
ニル系樹脂(以下、架橋性PVCと称する。)を得た。
wt%と2−ヒドロキシエチルアクリレート2.0wt%を
39℃で懸濁重合することにより、平均重合度250
0、反応性コモノマー含有量2.2wt%の架橋性塩化ビ
ニル系樹脂(以下、架橋性PVCと称する。)を得た。
【0037】ついで、この架橋性PVC60重量部と重
合度2500の塩化ビニル樹脂〔ニポリットCL、チッ
ソ(株)製〕(以下、PVCと称する。)40重量部の
合計100重量部に対して、分子量3000、水酸基価
36KOHmg/g のポリエステルポリオール〔クラポールP
−3010、クラレ(株)製〕(以下、ポリオール化合
物と称する。)12重量部、ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物としてNCO含有率12.5wt%の無黄変型
イソシアネートプレポリマー〔デュラネートTPA−B
80E、旭化成工業(株)製、解離温度150℃〕(以
下、架橋剤−1と称する。)7重量部並びに粉末状部分
架橋NBR(以下、NBRと称する。)10重量部、さ
らにDOP56重量部、Ba−Zn系安定剤1重量部お
よびキレーター1重量部をビーカー内にて混合した後、
170℃に設定したロール成形機にて5分間溶融混練
(最高樹脂温度173℃)し、平均厚み1.2mmのシー
ト状塩化ビニル系樹脂組成物を得た。次に、該組成物を
180℃に設定したプレス成形機によって5分間圧縮
し、ついで冷却して、150mm×150mm×2mmのプレ
ス膜を得た。そして、このプルス膜を上述した評価試験
に使用し、その結果を表1に示した。
合度2500の塩化ビニル樹脂〔ニポリットCL、チッ
ソ(株)製〕(以下、PVCと称する。)40重量部の
合計100重量部に対して、分子量3000、水酸基価
36KOHmg/g のポリエステルポリオール〔クラポールP
−3010、クラレ(株)製〕(以下、ポリオール化合
物と称する。)12重量部、ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物としてNCO含有率12.5wt%の無黄変型
イソシアネートプレポリマー〔デュラネートTPA−B
80E、旭化成工業(株)製、解離温度150℃〕(以
下、架橋剤−1と称する。)7重量部並びに粉末状部分
架橋NBR(以下、NBRと称する。)10重量部、さ
らにDOP56重量部、Ba−Zn系安定剤1重量部お
よびキレーター1重量部をビーカー内にて混合した後、
170℃に設定したロール成形機にて5分間溶融混練
(最高樹脂温度173℃)し、平均厚み1.2mmのシー
ト状塩化ビニル系樹脂組成物を得た。次に、該組成物を
180℃に設定したプレス成形機によって5分間圧縮
し、ついで冷却して、150mm×150mm×2mmのプレ
ス膜を得た。そして、このプルス膜を上述した評価試験
に使用し、その結果を表1に示した。
【0038】(実施例−2〜4)ブロック化ポリイソシ
アネート化合物の解離温度に影響を与えない触媒である
ジブチル錫ジラウレート(以下、触媒と称する。)を実
施例2の場合は0.2重量部、実施例3の場合は2重量
部、実施例4の場合は5重量部加える以外は、実施例1
に準拠して塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜
を得、評価試験を行った。結果を表1に示した。
アネート化合物の解離温度に影響を与えない触媒である
ジブチル錫ジラウレート(以下、触媒と称する。)を実
施例2の場合は0.2重量部、実施例3の場合は2重量
部、実施例4の場合は5重量部加える以外は、実施例1
に準拠して塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜
を得、評価試験を行った。結果を表1に示した。
【0039】(実施例−5)架橋性PVC100重量部
に対して、ポリオール化合物80重量部、架橋剤−1を
60重量部、触媒0.2重量部、Ba−Zn系安定剤1
重量部およびキレーター1重量部加え、PVC、DOP
およびNBRを用いなかった以外は、実施例1に準拠し
て塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、評
価試験を行った。結果を表1に示した。
に対して、ポリオール化合物80重量部、架橋剤−1を
60重量部、触媒0.2重量部、Ba−Zn系安定剤1
重量部およびキレーター1重量部加え、PVC、DOP
およびNBRを用いなかった以外は、実施例1に準拠し
て塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、評
価試験を行った。結果を表1に示した。
【0040】(比較例−1)PVC100重量部に対し
て、NBR18重量部、DOP93重量部、Ba−Zn
系安定剤1重量部およびキレーター1重量部をビーカー
内にて混合した以外は、実施例1に準拠して未架橋塩化
ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、評価試験
を行った。結果を表1に示した。
て、NBR18重量部、DOP93重量部、Ba−Zn
系安定剤1重量部およびキレーター1重量部をビーカー
内にて混合した以外は、実施例1に準拠して未架橋塩化
ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、評価試験
を行った。結果を表1に示した。
【0041】(比較例−2)ポリオール化合物を用い
ず、触媒を0.2重量部用いた以外は、実施例1に準拠
して塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、
評価試験を行った。結果を表1に示した。
ず、触媒を0.2重量部用いた以外は、実施例1に準拠
して塩化ビニル系樹脂組成物およびそのプレス膜を得、
評価試験を行った。結果を表1に示した。
【0042】(実施例−6)架橋性PVC47重量部と
PVC53重量部の合計100重量部に対して、NBR
18重量部、並びにBa−Zn系安定剤1重量部の粉状
配合物を20Lスーパーミキサー〔(株)カワタ製〕に
仕込み、攪拌下スチームにて加温し、60℃になった時
点でポリオール化合物10重量部、架橋剤−1を7重量
部、触媒0.2重量部、DOP93重量部、およびキレ
ーター1重量部の混合液状配合物を投入した。さらに昇
温を続け内容物が120℃に到達した時点でスチームを
冷却水に切り換え、冷却した。得られた粉末状組成物
を、シリンダー温度をホッパー側より150、160、
170℃、ダイ温度を170℃に設定した押出機に供給
し、加熱下に混練(最高樹脂温度175℃)して、粒状
塩化ビニル系樹脂組成物を得た。該粒状組成物の一部
を、170℃に設定したロール成形機にて5分間溶融混
練(最高樹脂温度173℃)し、平均厚み1.2mmのシ
ート状塩化ビニル系樹脂組成物を得た。該シート状組成
物を180℃に設定したプレス成形機によって5分間圧
縮し、ついで冷却して、150mm×150mm×2mmのプ
レス膜を得、このプルス膜を上述した評価試験に使用
し、その結果を表2に示した。また、該粒状組成物の残
りを、160〜180℃に設定した単軸押出機にてベル
ト押出成形(最高樹脂温度185℃)を行い、得られた
ベルト状成形品を上述した評価試験に使用し、その結果
を表2に示した。
PVC53重量部の合計100重量部に対して、NBR
18重量部、並びにBa−Zn系安定剤1重量部の粉状
配合物を20Lスーパーミキサー〔(株)カワタ製〕に
仕込み、攪拌下スチームにて加温し、60℃になった時
点でポリオール化合物10重量部、架橋剤−1を7重量
部、触媒0.2重量部、DOP93重量部、およびキレ
ーター1重量部の混合液状配合物を投入した。さらに昇
温を続け内容物が120℃に到達した時点でスチームを
冷却水に切り換え、冷却した。得られた粉末状組成物
を、シリンダー温度をホッパー側より150、160、
170℃、ダイ温度を170℃に設定した押出機に供給
し、加熱下に混練(最高樹脂温度175℃)して、粒状
塩化ビニル系樹脂組成物を得た。該粒状組成物の一部
を、170℃に設定したロール成形機にて5分間溶融混
練(最高樹脂温度173℃)し、平均厚み1.2mmのシ
ート状塩化ビニル系樹脂組成物を得た。該シート状組成
物を180℃に設定したプレス成形機によって5分間圧
縮し、ついで冷却して、150mm×150mm×2mmのプ
レス膜を得、このプルス膜を上述した評価試験に使用
し、その結果を表2に示した。また、該粒状組成物の残
りを、160〜180℃に設定した単軸押出機にてベル
ト押出成形(最高樹脂温度185℃)を行い、得られた
ベルト状成形品を上述した評価試験に使用し、その結果
を表2に示した。
【0043】(実施例−7、8)実施例7の場合はNB
Rを用いず、実施例8の場合はNBRを100重量部を
加えたこと以外は、実施例6に準拠して塩化ビニル系樹
脂組成物、プレス膜およびベルト状成形品を得、評価試
験を行った。結果を表2に示した。
Rを用いず、実施例8の場合はNBRを100重量部を
加えたこと以外は、実施例6に準拠して塩化ビニル系樹
脂組成物、プレス膜およびベルト状成形品を得、評価試
験を行った。結果を表2に示した。
【0044】(比較例−3)架橋剤−1に代わりに、ブ
ロック化されていないポリイソシアネート化合物として
NCO含有率6.0wt%の無黄変型イソシアネートプレ
ポリマー〔バーノックDN−955、大日本インキ化学
工業(株)製〕(以下、架橋剤−2と称する。)7重量
部を用い、触媒を使用しなかった以外は、実施例6に準
拠して塩化ビニル系樹脂組成物、プレス膜およびベルト
状成形品を得、評価試験を行った。結果を表2に示し
た。
ロック化されていないポリイソシアネート化合物として
NCO含有率6.0wt%の無黄変型イソシアネートプレ
ポリマー〔バーノックDN−955、大日本インキ化学
工業(株)製〕(以下、架橋剤−2と称する。)7重量
部を用い、触媒を使用しなかった以外は、実施例6に準
拠して塩化ビニル系樹脂組成物、プレス膜およびベルト
状成形品を得、評価試験を行った。結果を表2に示し
た。
【0045】
【発明の効果】表1および表2から明らかなように、実
施例1〜8は、比較例1〜3のものより、圧縮永久歪の
値が著しく小さく、形状保持性(変形回復性)に優れて
いることが判る。また、本発明の成形品(実施例1〜
5)は、未架橋の成形品(比較例1)やポリオール化合
物が配合されていない成形品(比較例2)よりも、引張
強さの値が大きく、強度の優れたものであることが判
る。さらに、本発明の成形品(実施例6〜8)は、ノン
ブロック型イソシアネートプレポリマーを用いた成形品
(比較例3)と比べ、成形品の外観性(溶融ムラがな
く、表面平滑性に優れる)に非常に優れたものであるこ
とが判った。以上説明したように、本発明の組成物を用
いた成形品は、圧縮永久歪および引張強さに優れてお
り、自動車、機械、電気、医療、建築用等の資材として
有用なものである。
施例1〜8は、比較例1〜3のものより、圧縮永久歪の
値が著しく小さく、形状保持性(変形回復性)に優れて
いることが判る。また、本発明の成形品(実施例1〜
5)は、未架橋の成形品(比較例1)やポリオール化合
物が配合されていない成形品(比較例2)よりも、引張
強さの値が大きく、強度の優れたものであることが判
る。さらに、本発明の成形品(実施例6〜8)は、ノン
ブロック型イソシアネートプレポリマーを用いた成形品
(比較例3)と比べ、成形品の外観性(溶融ムラがな
く、表面平滑性に優れる)に非常に優れたものであるこ
とが判った。以上説明したように、本発明の組成物を用
いた成形品は、圧縮永久歪および引張強さに優れてお
り、自動車、機械、電気、医療、建築用等の資材として
有用なものである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 LFM // C08G 18/65 NEU
Claims (8)
- 【請求項1】架橋性塩化ビニル系樹脂100重量部また
は架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部と塩化ビニル
系樹脂99〜1重量部との合計100重量部に対して、
ポリオール化合物1〜100重量部と架橋剤としてブロ
ック化ポリイソシアネート化合物1〜100重量部とを
配合してなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
物。 - 【請求項2】架橋性塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル単
量体99.98〜50mol%と活性水素を有する不飽
和単量体0.02〜50mol%との共重合物で、平均
重合度が300〜5000であることを特徴とする請求
項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1もしくは請求項2のいずれか1項
に記載の塩化ビニル系樹脂組成物に、触媒としてアルキ
ルアミン、有機錫および錫塩化物より選択される1種ま
たは2種以上の化合物が、架橋性塩化ビニル系樹脂10
0重量部または架橋性塩化ビニル系樹脂1〜99重量部
と塩化ビニル系樹脂99〜1重量部との合計100重量
部に対して、0.01〜10重量部の範囲で配合される
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに1項に記載の塩
化ビニル系樹脂組成物に、ゴム物質が、架橋性塩化ビニ
ル系樹脂100重量部または架橋性塩化ビニル系樹脂1
〜99重量部と塩化ビニル系樹脂99〜1重量部との合
計100重量部に対して、10〜200重量部の範囲で
配合されることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩化
ビニル系樹脂組成物を加熱、混合し、該組成物をドライ
アップさせる際、該組成物の最高温度を、ブロック化ポ
リイソシアネート化合物の解離温度未満に設定すること
を特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩化
ビニル系樹脂組成物によって得られる塩化ビニル系樹脂
組成物を混練機で、加熱、混練する際に該組成物の樹脂
温度を、ブロック化ポリイソシアネート化合物の解離温
度以上に設定することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組
成物の製造方法。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩化
ビニル系樹脂組成物を用いることを特徴とする成形品。 - 【請求項8】請求項7記載の成形品を得る際、塩化ビニ
ル系樹脂組成物をブロック化ポリイソシアネート化合物
の解離温度以上の温度に加熱し、成形することを特徴と
する製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201063A JPH0733979A (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法 |
EP94305286A EP0635530A1 (en) | 1993-07-21 | 1994-07-19 | Vinyl chloride resin compositions, moulded products obtained therefrom, and methods of producing the compositions and molded products |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5201063A JPH0733979A (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733979A true JPH0733979A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16434771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5201063A Pending JPH0733979A (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | 塩化ビニル系樹脂組成物とそれを用いた成形品およびそれらの製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0635530A1 (ja) |
JP (1) | JPH0733979A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011052042A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Howa Kasei Co Ltd | 塩化ビニル製品用原料組成物と塩化ビニル成形品 |
JP2012062442A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Asahi Rubber Kk | 塩化ビニル系プラスチゾル組成物及び架橋方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5232900B2 (ja) * | 1974-10-28 | 1977-08-24 | ||
DE69122706T2 (de) * | 1990-08-29 | 1997-03-20 | Chisso Corp | Vinylchloridharz-Zusammensetzung |
JPH0565383A (ja) * | 1990-08-29 | 1993-03-19 | Chisso Corp | 塩化ビニル系樹脂組成物 |
FR2669326B1 (fr) * | 1990-11-16 | 1993-05-28 | Saint Gobain Vitrage Int | Vitrage encapsule pret a etre monte et procede de fabrication. |
-
1993
- 1993-07-21 JP JP5201063A patent/JPH0733979A/ja active Pending
-
1994
- 1994-07-19 EP EP94305286A patent/EP0635530A1/en not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011052042A (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-17 | Howa Kasei Co Ltd | 塩化ビニル製品用原料組成物と塩化ビニル成形品 |
JP2012062442A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Asahi Rubber Kk | 塩化ビニル系プラスチゾル組成物及び架橋方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0635530A1 (en) | 1995-01-25 |
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