JPH0733820B2

JPH0733820B2 - 斜板式ピストンポンプモータ

Info

Publication number: JPH0733820B2
Application number: JP63227682A
Authority: JP
Inventors: 豊明佐川; 誠園田; 時彦梅田
Original assignee: Kawasaki Jukogyo KK
Current assignee: Kawasaki Motors Ltd
Priority date: 1988-09-12
Filing date: 1988-09-12
Publication date: 1995-04-12
Anticipated expiration: 2010-04-12
Also published as: US5011377A; JPH0275775A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は斜板式ピストンポンプモータに関し、より具体
的には、油圧により作動させたピストンの軸方向運動を
斜板を利用して回転運動に変換するようにしたピストン
ポンプモータに関する。

［従来の技術］この種のピストンポンプモータでは出力軸（回転軸）に
取り付けたシリンダの内部に往復動式のピストンが組み
込んであり、又、出力軸に対して傾斜した斜板部が固定
状態で設けてある。上記ピストンは一端部が自在継手で
あるシューを介して斜板部に当接しており、他端部がシ
リンダ内部の油圧室に面している。上記油圧室には外部
から油圧が供給され、油圧によるピストン軸方向運動が
斜板部の作用により回転運動に変換される。又、運転状
態では、シューが斜板部に圧接しながら摺動するので、
その摺動動作を円滑に行うために、両者の圧接摺動面に
は油圧室から絞り油路を介して作動油が供給される。

このような構造では、上記各部を囲むハウジング組立体
の一方の端壁に対してシリンダから油圧室の圧力変動に
基因する圧力が伝わり、この圧力に対して位相ずれのあ
る状態で、他方の端壁には斜板部から圧接摺動面の圧力
変動に対応する圧力が伝わる。更に、慣性効果などの結
果、ピストンの往復運動に基因する負荷がハウジング組
立体の両端壁に対して互いに時間的なずれを持って伝わ
る。このようにずれのある圧力や負荷が両端壁からハウ
ジング全体に伝播又は伝達されるので、ハウジング組立
体が面外振動を生じて騒音を発生させる。

より具体的に説明すると、ピストンポンプモータには、
通常、比較的大形の減速機と連結するためのフランジが
設けてある。このフランジは、ハウジング組立体の周壁
（胴部）の一端部から半径方向外方へ広がっており、そ
の外周縁部の取付座を減速機のケースと固定するように
なっている。従って、フランジは面外振動を生じやすい
構造であり、上述の如くハウジング組立体に振動原因と
なる圧力や負荷が伝わると、取付フランジに大きい面外
振動が生じ、騒音が発生する。

そのような騒音を防止するための構造として、実開昭62
−98779号公報には、斜板部に制振鋼板を併設すること
が提案されている。制振鋼板は２枚の鋼板の間に特殊粘
弾性樹脂を挾持させたものであり、この公報の装置で
は、斜板部側からハウジングに振動が伝わることを制振
鋼板により抑制できる。

又、別の騒音防止構造としては、特開昭62−174579号公
報に、ハウジング構造に改良を施すことが記載されてい
る。この公報に記載の装置では、ハウジングの斜板部と
反対側の端壁の厚さを非常に大きくしてその剛性を高め
てあり、その端壁と斜板支持部とが長いボルトで連結さ
れている。

［発明が解決しようとする課題］ところが実開昭62−98779号公報に記載の構造では、制
振鋼板が上述の如く特殊な部品であるので、製造コスト
が増加する。

一方、特開昭62−174579号公報に記載の構造では、非常
に厚い端壁を使用するので、装置全体の軸方向寸法や重
量が増加する。

又、上記いずれの公報の構造でも、ハウジングにある程
度の振動が生じることは避けられず、その振動が騒音と
なって外部に伝わることを遮断することができない。

本発明は以上の点を考慮し、振動防止対策と騒音遮蔽対
策の両方を施した装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］本発明は、出力軸１に連結するシリンダ２と、シリンダ
２の内部に組み込まれた油圧駆動式ピストン４と、ピス
トン４の一端部に連結して自在継手を形成するシュー６
と、シュー６が圧接摺動面15を介して着座する斜板７
と、上記各部を収容したハウジング組立体10とを設け、
ピストン４の他端部が対向する油圧室14をシリンダ２の
内部に設け、ハウジング組立体10に、シリンダ２の油圧
室14側の端部を軸方向に支持する端壁12と、端壁12の外
周部からシリンダ２の半径方向外側かつ上記圧接摺動面
15の手前まで延びるシリンダ側周壁20と、該周壁20から
出力軸１の一端側軸受26の外周近傍まで上記端壁12と反
対の一端方向に延び圧接摺動面15を持つ斜板７を囲み支
持する内側周壁21と、シリンダ側周壁20から上記内側周
壁21の斜板７保持部を囲みシリンダ側周壁20側へ延びる
筒状部21aを含む内側周壁21の半径方向外側を空間25を
隔ててシリンダ側周壁20側より上記端壁12と反対の方向
に延びかつ拡開又は筒状の外側周壁22とを設け、外側周
壁22の先端部にモータ取付座29を形成したことを特徴と
する斜板式ピストンポンプモータである。

［作用］上記構造によると、モータ取付座に連続する周壁部は筒
状あるいはモータ取付座側へ拡開したテーパ状の外側周
壁で形成されている。従って従来構造のように、モータ
取付座に連続する壁部（取付座用壁部）を外向きフラン
ジで形成した構造と異なり、取付座用壁部の剛性を高
め、その振動及び騒音発生を効果的に防止できる。

又、外側周壁により空間を隔てて内側周壁が覆われてい
るので、内側周壁の外面で発生した騒音を外側周壁によ
り遮蔽し、その騒音が外部に伝わることを効果的に防止
できる。

［実施例］第１図において、本発明実施例のピストンポンプモータ
は出力軸１が垂直に延びる姿勢で配置してある。出力軸
１の外周スプラインには環状のシリンダ２が連結してい
る。シリンダ２には軸方向（出力軸１と平行な方向）に
延びる複数の穴３が円周方向に間隔を隔てて設けてあ
り、各穴３にピストン４が嵌合している。穴３はシリン
ダ２の一方の端面（図示の場合は下端面）において開口
しており、その開口から各ピストン４の一端部が下方へ
突出している。ピストン４の上記突出端部には球状の頭
部５が形成してある。各頭部５はシュー６の球状凹面に
密着状態で嵌合している。シュー６の下面は斜板７の上
面に摺動自在の状態で圧接している。斜板７は平坦な環
状板で、出力軸１に対して傾斜した姿勢でハウジング組
立体10の内面に固定されている。

シリンダ２の上端面は弁板11に摺動自在に着座してい
る。弁板11はハウジング組立体10の上部端壁12の内面
（下面）に密着状態で取り付けてある。端壁12の下面中
央部には出力軸１の上端部が入り込む穴が設けてあり、
その穴の内周により軸受19を介して出力軸１の上端部が
支持されている。

端壁12及び弁板11には外部油路（図示せず）に連通する
一連の入口油路及び出口油路（一方の油路13のみ図示）
が設けてあり、シリンダ２の上端部には油路13とピスト
ン４用の油圧室14とをつなぐ油路が設けてある。油圧室
14は上記穴３のピストン４よりも上側の空間で形成され
ている。

運転状態では外部から油路13を介して油圧室14へ導入さ
れた油圧により、ピストン４がシュー６を斜板７に対し
て下向きに押し、その反力によりピストン４が出力軸１
の円周方向に旋回させられ、それに伴ってシリンダ２及
び出力軸１が回転する。むろんシリンダ２の回転に伴っ
て、油圧室14に接続する油路は入口油路及び出口油路の
間で周期的に切り換わり、各油圧室14からピストン４に
加わる力も出力軸１の半回転ごとに正方向（押し付け方
向）及び負方向（引き戻し方向）の間で切換わり、それ
により出力軸１やシリンダ２が連続的に回転させられ
る。

上記動作において、シュー６と斜板７の互いに圧接する
圧接摺動面15での摺動動作を円滑に行なうために、ピス
トン４には油圧室14から頭部５の先端まで延びる油路16
が設けてあり、シュー６には油路16と圧接摺動面15をつ
なぐ絞り油路17が設けてある。

上述の構成は周知であり、本発明では上記各部を収容す
るハウジング組立体10に次のような工夫が凝らしてあ
る。

ハウジング組立体10は前記端壁12の他に、シリンダ側周
壁20と内側周壁21及び外側周壁22を有している。

シリンダ側周壁20は比較的厚い筒状体で、上端部が複数
のボルト23により端壁12の外周部に固定されており、端
壁12の外周部から下方へ延びている。シリンダ側周壁20
はシリンダ２の半径方向外側に位置しており、その下端
部24はシュー６の近傍かつ圧接摺動面15よりも上側に位
置している。

内側周壁21は下端部24の内周寄りの部分に連続してお
り、下端部24から斜板７の周囲を通って出力軸１の下部
外周の近傍まで延びている。内側周壁21の内周面には斜
板７の下面及び外周面が密着状態で固定されている。内
側周壁21の下端部内周と出力軸１の間には軸受26が配置
してあり、内側周壁21の下端面には環状のカバー27がボ
ルト28により固定されている。

上記外側周壁22は下端部24の外周寄りの部分から下方へ
延びており、内側周壁21と外側周壁22の間には環状の空
間25が形成されている。外側周壁22はその下端部を除く
全体にテーパーが付けてあり、下方へ行くにつれて拡開
している。そのテーパー角度θ（出力軸と平行な方向に
対する傾斜角度）は30゜以下である。なおテーパー角度
θを０゜にする、すなわち、外側周壁22を全体にわたっ
て一定直径の筒状に形成することもできる。外側周壁22
の下端部外周には環状のモータ取付座29が一体に設けて
あり、モータ取付座29に減速機（図示せず）をボルト止
めするようになっている。

上記構造によると、モータ取付座29に連続する周壁部
（フランジ）が取付座29側へ拡開したテーパ状の外側周
壁22で形成されているので、外側周壁22（取付座用フラ
ンジ）の剛性を高め、その振動及び騒音発生を効果的に
防止できる。

又、外側周壁22が空間25を隔てて内側周壁21を覆ってい
るので、内側周壁21の外面で発生した騒音を外側周壁22
により遮蔽し、その騒音が外部に伝わることを効果的に
防止できる。

［発明の効果］以上説明したように本発明によると、ハウジング組立体
10自体の振動を効果的に防止でき、しかも斜板７の近傍
で発生した騒音が外部に伝わることを効果的に防止でき
る。しかも特殊な制振鋼板や非常に厚い端壁を使用する
必要がないので、製造コストを低減するとともに、構造
の小形単純化を図ることができる。斜板７と圧接摺動面
15は内側周壁21に囲まれるだけでなく、その部分の内側
周壁21からシリンダ側周壁20側へ延びる筒状部21aによ
りピストン頭部５と共に囲まれるので、空間25が高くな
り、圧接摺動面15やピストン頭部５からの騒音を空間25
が効果的に遮断し、騒音がシリンダ側周壁20や外側周壁
22へ伝達する程度が低下する。又テーパー角度θを30゜
以下の小さい角度に設定することによって、外側周壁22
の剛性を高め、面外振動の振幅を小さく抑え、もって騒
音低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例のピストンポンプモータの断面図
である。１……出力軸、２……シリンダ、４……ピストン、６…
…シュー、７……斜板、10……ハウジング組立体、14…
…油圧室、12……端壁、15……圧接摺動面、20……シリ
ンダ側周壁、21……内側周壁、22……外側周壁、25……
空間、29……モータ取付座

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭61−178568（ＪＰ，Ａ) 特開昭56−23574（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】出力軸（１）に連結するシリンダ（２）
と、シリンダ（２）の内部に組み込まれた油圧駆動式ピ
ストン（４）と、ピストン（４）の一端部に連結して自
在継手を形成するシュー（６）と、シュー（６）が圧接
摺動面（15）を介して着座する斜板（７）と、上記各部
を収容したハウジング組立体（10）とを設け、ピストン
（４）の他端部が対向する油圧室（14）をシリンダ
（２）の内部に設け、ハウジング組立体（10）に、シリ
ンダ（２）の油圧室（14）側の端部を軸方向に支持する
端壁（12）と、端壁（12）の外周部からシリンダ（２）
の半径方向外側かつ上記圧接摺動面（15）の手前まで延
びるシリンダ側周壁（20）と、該周壁（20）から出力軸
（１）の一端側軸受（26）の外周近傍まで上記端壁（1
2）と反対の一端方向に延び圧接摺動面（15）を持つ斜
板（７）を囲み支持する内側周壁（21）と、シリンダ側
周壁（20）から上記内側周壁（21）の斜板（７）保持部
を囲みシリンダ側周壁（20）側へ延びる筒状部（21a）
を含む内側周壁（21）の半径方向外側を空間（25）を隔
ててシリンダ側周壁（20）側より上記端壁（12）と反対
の方向に延びかつ拡開又は筒状の外側周壁（22）とを設
け、外側周壁（22）の先端部にモータ取付座（29）を形
成したことを特徴とする斜板式ピストンポンプモータ。