JPH0733726A - 多価シアノアクリレートの製造方法 - Google Patents

多価シアノアクリレートの製造方法

Info

Publication number
JPH0733726A
JPH0733726A JP20018093A JP20018093A JPH0733726A JP H0733726 A JPH0733726 A JP H0733726A JP 20018093 A JP20018093 A JP 20018093A JP 20018093 A JP20018093 A JP 20018093A JP H0733726 A JPH0733726 A JP H0733726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyanoacrylate
polyvalent
adduct
diene
biscyanoacrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20018093A
Other languages
English (en)
Inventor
Asako Unno
亜佐子 海野
Shin Takahashi
伸 高橋
Toshio Okuyama
登志夫 奥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toagosei Co Ltd filed Critical Toagosei Co Ltd
Priority to JP20018093A priority Critical patent/JPH0733726A/ja
Publication of JPH0733726A publication Critical patent/JPH0733726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はα−シアノアクリレート系接着剤の
改良に有効な多価シアノアクリレート、特にビスシアノ
アクリレートの製造方法を提供する。 【構成】 α−シアノアクリレートと1,3-ジエンのディ
ールス−アルダー反応付加物の鹸化物であるα−シアノ
アクリル酸/ジエン付加物と多価アルコールとのエステ
ル化反応により得られた多価シアノアクリレート/ジエ
ン付加物を加熱分解により多価シアノアクリレートを製
造する。 【効果】 本発明によれば、多価アルコールビスシアノ
アクリレート等の多価シアノアクリレートを作業上安全
に高収率で得ることができ、また、該多価シアノアクリ
レートを用いた接着剤組成物は、瞬間接着剤として、耐
熱性、耐湿熱性、耐溶剤性等に著しく優れたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多価シアノアクリレー
ト、特にビスシアノアクリレートの製造方法に関するも
ので、多価シアノアクリレートは、シアノアクリレート
を主成分とするα−シアノアクリレート系接着剤に添加
して、その特性、常温速硬化性、高強度等の改良するこ
とに使用し得るもので、接着剤業界及び接着剤を利用す
る各種産業界さらには一般家庭でも広く利用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】現在、その瞬間接着性の故に広く利用さ
れている、通常のα−シアノアクリレート系瞬間接着剤
は、硬化物であるポリシアノアクリレートが架橋構造を
有さない直鎖状ポリマーであるため、耐熱性、耐水性、
及び耐溶剤性等の特性に満足出来ない点を有している。
この欠点を改良すべく、シアノアクリレートと同様なア
ニオン重合性を持ち、重合体に架橋構造を導入できる多
価シアノアクリレートを配合することが提案されてい
る。
【0003】現在、それらの多価シアノアクリレートの
製造方法として知られているいる方法には以下のものが
ある。 〇製造方法1 シクロペンタジエンとα−シアノアクリレートのディー
ルス−アルダー反応付加物をエステル交換反応で多価エ
ステル物とし、次いで、熱分解により逆ディールス−ア
ルダー反応を行い製造する方法(特開平1−19746
4号公報)。 〇製造方法2 α−シアノアクリレートと1,3-ジエンのディールス−ア
ルダー反応付加物を、けん化を経てα−シアノアクリル
酸/ジエン付加物とし、次いで、塩化チオニルを使って
塩素化し、ジオールと反応させ、熱分解により逆ディー
ルス−アルダー反応を行い製造する方法(U.S.P.397
5422)。 〇製造方法3 α−シアノアクリレートと1,3-ジエンのディールス−ア
ルダー反応付加物を、けん化を経てα−シアノアクリル
酸/ジエン付加物とし、次いで、アルカリ金属の水酸化
物によりアルカリ金属塩とし、ジハロゲン化物と反応
後、熱分解により逆ディールス−アルダー反応を行い製
造する方法(U.S.P.3975422)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の製造方
法は、いずれも下記の様な問題を有するものである。製
造方法1においては、エステル交換反応を定量的に進行
させることが、開示された条件下では困難であり、本発
明者等が追試したところでは、25〜40%反応すると
されているエステル交換反応がほとんど進行しなかっ
た。さらに、同法では、110℃で付加物を熱分解して
目的物を得ているが、本発明者等がシクロペンタジエン
を用い且つ100〜120℃の温度で実施したところ、
熱分解反応は殆ど進行せず、又、140℃以上ではゲル
化を生じ、全体として該方法は、収率が低く工業化には
問題がある方法である。製造方法2においては、塩素化
反応で使用する塩化チオニルは有毒物質であり、アルカ
リ金属塩は、不安定な物質でジハロゲン化物との反応性
は良くなく、目的物の収量が極度に低いという問題を有
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために鋭意検討した結果、α−シアノアクリ
レートと1,3-ジエンのディールス−アルダー反応付加物
を、けん化してα−シアノアクリル酸/ジエン付加物と
し、さらにエステル化反応により多価エステルとし、次
いで熱分解することにより、またジエン化合物の捕集を
α−シアノアクリレートで行う方法を採用することによ
り、α−シアノアクリレート系瞬間接着剤の添加剤とし
て有効な多価シアノアクリレートを、作業上安全に高収
量で得られることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、α−シアノアクリレ
ートと1,3-ジエンのディールス−アルダー反応付加物の
鹸化物であるα−シアノアクリル酸/ジエン付加物と多
価アルコールとのエステル化反応により得られた多価シ
アノアクリレート/ジエン付加物を加熱分解することを
特徴とする多価シアノアクリレートの製造方法に関する
発明、α−シアノアクリレートと1,3-ジエンのディール
ス−アルダー反応付加物から多価シアノアクリレートを
製造する方法において、多価シアノアクリレート/ジエ
ン付加物の加熱分解をα−シアノアクリレートの存在下
に行うことを特徴とする多価シアノアクリレートの製造
方法に関する発明、および、α−シアノアクリレートと
1,3-ジエンのディールス−アルダー反応付加物の鹸化物
であるα−シアノアクリル酸/ジエン付加物と多価アル
コールとのエステル化反応により得られた多価シアノア
クリレート/ジエン付加物をα−シアノアクリレートの
存在下に加熱分解して調製することを特徴とする多価シ
アノアクリレートの製造方法に関する発明の3発明から
なるものである。
【0007】以下に、本発明に用いられる原料について
詳しく説明する。 〇α−シアノアクリレート 本発明において用いられるα−シアノアクリレートは、
瞬間接着剤の原料として広く用いられているもので、本
発明においてもそれらが広く利用され、具体的には、α
−シアノアクリル酸のメチル、エチル、クロロエチル、
n-プロピル、i-プロピル、アリル、プロパギル、n-ブチ
ル、i-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシ
ル、フェニル、テトラフリルフリル、ヘプチル、2-エチ
ルヘキシル、n-オクチル、n-ノニル、オキソニル、n-デ
シル、2-エトキシエチル、3-メトキシブチル、2-エトキ
シ-2-エトキシエチル、ブトキシ−エトキシエチル、2,
2,2-トリフルオロエチル、ヘキサフルオロイソプロピル
等のエステルである。本発明にとり好ましいものは、エ
ステル基の炭素数が1〜10のものであり、より好まし
いものは、炭素数が1〜4のものである。
【0008】〇1,3-ジエン 本発明において用いられる1,3-ジエン化合物としては、
具体的に、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエ
ン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、メ
チルシクロペンタジエン、アントラセン、9-メチルアン
トラセン、9,10-ジメチルアントラセン、9-エチルアン
トラセン、9,10-ジエチルアントラセン、9-プロピルア
ントラセン、9,10-ジプロピルアントラセン、ノルボル
ナジエン、ベンゾキノン等があげられる、これらのなか
で本発明にとり好ましいものは、反応性の点からシクロ
ペンタジエンである。
【0009】〇多価アルコール 本発明において用いられる多価アルコールとしては、分
子内に2個以上の水酸基を有する化合物があげられ、具
体的には、プロパンジオール(トリオール、テトロー
ル)、ブタンジオール(トリオール、テトロール)、ペ
ンタンジオール(トリオール、テトロール)、ヘキサン
ジオール(トリオール、テトロール)、オクタンジオー
ル(トリオール、テトロール)、デカンジオール(トリ
オール、テトロール)、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5
-ペンタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、
シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノール
A、水添ビスフェノールA、2,2-ジエチル-1,3-プロパ
ンジオール、2,2,4,-トリメチル-1,3-ペンタンジオー
ル、グリコール変性不飽和ポリエステル、ジオールとア
ジピン酸の縮合ポリエステルポリオール、ε-カプロラ
クトン開環重合物(ポリカプロラクトン)等であるが、
これらに限られるものではない。多価アルコールは、一
級アルコールであればα−シアノアクリル酸/ジエン付
加物と容易にエステル化反応させることができる。
【0010】次に、製造工程について詳しく説明する。 (i) まず、α−シアノアクリレートと1,3-ジエンとの
間でディールス−アルダー反応を行わせる。この反応
は、上記両化合物を直接反応させても良いが、α−シア
ノアクリレートを溶解し得る有機溶剤中で反応させるの
が望ましい。有機溶剤としては、トルエン、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン、キシレン、メチルイソブチル
ケトン等をあげることができる。有機溶剤の存在下また
は、不存在下に両者を室温で反応させると、発熱を伴い
ディールス−アルダー反応が起こり、付加物が形成され
る。この付加物の有機溶剤溶液に、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物水溶液を滴下し、アルカリ
塩とし、次いで、酸で中和して、α−シアノアクリル酸
/ジエン付加物とする。この際用いられるアルカリ金属
およびアルカリ土類金属の水酸化物としては、具体的
に、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウムなどを挙げることができるが、本発明においては
反応性、溶解性の面から、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムが好ましい。 (ii) 上記で得られたα−シアノアクリル酸/ジエン付
加物は、次いで多価アルコールとの間でエステル化反応
を行わせる。エステル化反応は、エステル化反応触媒の
存在下、脱水還流させながら行わせると、4〜15時間
で理論脱水量の95〜100%の脱水があり、ほぼ定量
的にエステル化反応が進行することが認められる。触媒
としては、p-トルエンスルフォン酸、硫酸等が使用で
き、その添加量は全原料重量の1〜10%の範囲で良
い。このエステル化反応の反応温度は、付加物の逆ディ
ールス−アルダー反応が起こらないように、70〜90
℃であるのが好ましい。溶媒の常圧における沸点が好ま
しい温度範囲よりも高い場合は減圧にして沸点を調整す
るのが好ましい。 (iii) 次に、得られた多価シアノアクリレート/ジエ
ン付加物を、ジエン化合物の補集剤の存在下、加熱して
逆ディールス−アルダー反応を行わせる。この逆ディー
ルス−アルダー反応を行う際の反応温度は、反応率を高
めるためには130℃以上が好ましく、また、生成物の
重合を防ぐためには150℃以下が好ましい。ジエン化
合物の補集剤としては、公知の無水マレイン酸でも良い
が、ジエン化合物補集後の付加物の分離精製の容易性及
び最終目的である、接着剤への添加時の悪影響等を考慮
すると、α−シアノアクリレートを使用するのが好まし
い。補集剤の使用量は、多価シアノアクリレート/ジエ
ン付加物1当量に対して、α−シアノアクリレートを1
〜30モル使用するのが好ましく、更に好ましくは5〜
20モルである。補修剤としてのα−シアノアクリレー
トとしては、原料として用いられているα−シアノアク
リレートと同種でも、異種でも良いが、沸点が、真空度
1mmHgで70℃以下のメチル、エチル、プロピル、イソ
ブチルシアノアクリレートが好ましい。なお、補修剤と
してのα−シアノアクリレートは、前記した多価シアノ
アクリレートの公知の各種の製造方法においても、熱解
離したジエンの補修剤として利用されるものである。こ
の反応において、多価シアノアクリレート/ジエン付加
物から、ジエン化合物が解離し、目的とする次の一般式
〔1〕 [CH2=C(CN)COO−]n2 〔1〕 (n=2以上の整数、R2は多価アルコールの有機基)
の多価シアノアクリレートと、解離したジエン化合物と
α−シアノアクリレート付加物、および未反応のα−シ
アノアクリレートの混合物が得られる。未反応のα−シ
アノアクリレートは減圧蒸留により容易に留去すること
ができる。残った多価シアノアクリレートとα−シアノ
アクリレート/ジエン付加物の混合物は分離することも
できるが、多価シアノアクリレートを、α−シアノアク
リレートに添加して、シアノアクリレート系瞬間接着剤
の性能を向上させようとするとき、α−シアノアクリレ
ート/ジエン付加物の存在が接着剤の性能に格別な悪影
響を及ぼすことがないので、α−シアノアクリレート/
ジエン付加物の混在した多価シアノアクリレートを単に
多価シアノアクリレートとして実用に供することができ
る。
【0011】本発明の製造方法により製造された多価シ
アノアクリレートは単独で接着剤として使用することも
可能であるが、一般的には、前記した様に通常のα−シ
アノアクリレートを主成分とした瞬間接着剤の前述の欠
点、即ち耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の特性が十分でな
いという欠点を解決するために用いられる。多価シアノ
アクリレートの通常のモノα−シアノアクリレートに対
しての配合量は、モノα−シアノアクリレートに対し
て、好ましくは0.1〜100重量%、更に好ましくは0.
5〜50重量%、最も好ましくは0.5〜20重量%であ
る。多価シアノアクリレートの添加された組成物には、
通常使用されている種々の添加剤たとえば、ハイドロキ
ノン、亜硫酸ガス等の安定剤、更に用途に応じて、増粘
剤、可塑剤を添加することができる。以上の様にして得
られる接着剤は、従来のα−シアノアクリレート系接着
剤と同様、プラスチック、セラミック、金属、木等の材
料を室温で短時間で接着し、瞬間接着剤としての特性を
示した。また、本発明の組成物は、従来のα−シアノア
クリレート系接着剤よりも優れた耐熱性、耐水性、耐溶
剤性を示した。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例をあげて、本
発明を更に詳しく説明する。 実施例1 (1)エチルシアノアクリレート125g(SO2=2
000ppm,HQ=500ppm)をキシレン1000mlに
溶解し、10℃以下に冷却した。これにジシクロペンタ
ジエンを熱分解して得たシクロペンタジエン70.1gを
撹拌しながら氷浴上で滴下した。発熱が起こり27℃ま
で昇温した。滴下後、室温(20〜25℃)で1時間撹
拌を続けた。このキシレン溶液のまま次の反応へ進んだ
が、一部を脱溶剤し、無色透明の液体を得た。この液体
がエチルシアノアクリレート/シクロペンタジエン付加
物であることをNMR分析により確認した。 (2)このキシレン溶液に、水酸化カリウム水溶液(9
9gKOH(85%)/300ml水)を1時間かけて滴下
し、その後60℃で1時間撹拌した。そこへ、35%塩
酸417gを滴下し、40℃で1時間撹拌した。分液ロ
ートに移し、水層を分離し、シアノアクリル酸/シクロ
ペンタジエン付加物(C/CAA)のキシレン溶液を得
た。一部を減圧下脱溶媒して白色固体のC/CAAを得
た。この白色固体がシアノアクリル酸/シクロペンタジ
エン付加物であることをNMR分析により確認した。 (3)このキシレン溶液に、デカンジオール61.0g、
PTS(p-トルエンスルフォン酸)45g、HQ(ハイ
ドロキノン)0.375gを加え、減圧下脱水還流させ
た。(90℃/160〜180mmHg)8時間後、脱水量が理論
脱水量の98%(12.3ml)となった。ここで、反応を
終了し、触媒であるPTSを中和するため、炭酸ナトリ
ウム(13.8g)水溶液で洗浄し、次いで、亜硫酸水2
00mlで洗浄した。減圧下90℃で還流脱水し、デカン
ジオールビスシアノアクリレート/シクロペンタジエン
付加物(C/DDBCA)キシレン溶液を得た。このキ
シレン溶液のまま次の反応へ進んだが、一部を脱溶剤し
得られた生成物がデカンジオールビスシアノアクリレー
ト/シクロペンタジエン付加物(C/DDBCA)であ
ることをNMR分析により確認した。 (4)ここに、ジエン化合物の補集剤としてのメチルシ
アノアクリレート1165g(モル比=15)、HQ2
50ppm 、PTS3.5×10-3gを加え、1時間138
℃で還流させた。その後、60℃/3mmHgでキシレンを
脱溶し、80℃/3mmHgで過剰なメチルシアノアクリレ
ートを留去した。釜残として得られた生成物は、NMR
分析の結果、デカンジオールビスシアノアクリレートと
副生成物メチルシアノアクリレート/シクロペンタジエ
ン付加物の混合物であった。混合物の収量は201.7g
であり、その内デカンジオールビスシアノアクリレート
の量は97gで全モル収率は58.4%であった。
【0013】実施例2 デカンジオールの代わりにトリプロピレングリコール6
7.3gを加えた以外は実施例1と同様に行い、トリプロ
ピレングリコールビスシアノアクリレートとメチルシア
ノアクリレート/シクロペンタジエン付加物の混合物1
93g(内トリプロピレンビスシアノアクリレートは9
6g)を得た。全モル収率は54.8%であった。
【0014】実施例3 補集剤としてのメチルシアノアクリレートをエチルシア
ノアクリレート(モル比=15)を用いた加えた以外は
実施例1と同様に行い、デカンジオールビスシアノアク
リレートとエチルシアノアクリレート/シクロペンタジ
エン付加物の混合物208gを得た。その内デカンジオ
ールビスシアノアクリレートは96gであり全モル収率
は58.1%であった。
【0015】実施例4 補集剤としてのメチルシアノアクリレートのモル比を2
0にした以外は実施例1と同様に行い、デカンジオール
ビスシアノアクリレートとエチルシアノアクリレート/
シクロペンタジエン付加物の混合物196gを得た。そ
の内デカンジオールビスシアノアクリレートは95gで
あり全モル収率は57.0%であった。
【0016】実施例5 補集剤としてのメチルシアノアクリレートのモル比を2
5にした以外は実施例1と同様に行い、デカンジオール
ビスシアノアクリレートとエチルシアノアクリレート/
シクロペンタジエン付加物の混合物192gを得た。そ
の内デカンジオールビスシアノアクリレートは93gで
あり全モル収率は56.0%であった。
【0017】実施例6 補集剤としてのメチルシアノアクリレートのモル比を3
0にした以外は実施例1と同様に行い、デカンジオール
ビスシアノアクリレートとエチルシアノアクリレート/
シクロペンタジエン付加物の混合物197gを得た。そ
の内デカンジオールビスシアノアクリレートは95gで
あり全モル収率は57.0%であった。
【0018】実施例7 実施例1で得られたデカンジオールビスシアノアクリレ
ート/シクロペンタジエン付加物46.45g(0.1mo
l)、無水マレイン酸20.6g(0.21mol)、ハイドロキ
ノン0.08gをキシレン270mlに溶解し、138℃で
還流させた。1時間の還流後、過剰の無水マレイン酸を
除去するため亜硫酸水300mlで洗浄し、キシレンを留
去して50.9gのデカンジオールビスシアノアクリレー
トとシクロペンタジエン/無水マレイン酸付加物を得た
(収率76%)。
【0019】比較例1 (1)α−エチルシアノアクリレート125gをトルエ
ン125gに溶解し、氷冷下シクロペンタジエン70g
を滴下した。60℃で45分撹拌後、10mmHg以下でト
ルエンと過剰のシクロペンタジエンを留去した。 (2)これにエチレングリコールジアセテート180g
と触媒としてイオン交換樹脂(アンバーリスト15)2
0gとトルエン200gを加え、60℃で3時間反応し
た。反応後イオン交換樹脂を分離除去して得た溶液を減
圧下50〜60℃で処理し、トルエンと生成する酢酸エ
チルと未反応のエチレングリコールジアセテートを回収
した。回収液をガスクロマトグラフ分析し、生成した酢
酸エチルからα−シアノアクリレートの5%がエステル
交換したことが判明した。 (3)残留した淡黄色透明液体にSO2を吸収させ11
0℃で1時間加熱し付加物を分解させ50〜200mmHg
で処理したが、シクロペンタジエンは得られずこの温度
では熱分解は起こらなかった。そこで、140℃で1時
間反応させたところ、ゲル化してしまい、目的とするエ
チレンビスα−シアノアクリレートは得られなかった。
【0020】実施例1〜6および比較例1の製造方法で
の収率を表1に示した。モル収率は、出発原料であるエ
チルシアノアクリレートに対しての収率を示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1から、本発明の製造方法によって、得
られるビス体の収率は著しく高いものであることが分か
る。
【0023】応用例1 α−シアノエチルアクリレート95gに、実施例1で得
たデカンジオールビスシアノアクリレート5.0gを含む
副生成物メチルシアノアクリレート/シクロペンタジエ
ン付加物との混合物10.4gを配合し、これに安定剤と
して亜硫酸ガス60ppm 、ハイドロキノン1000ppm
、更に、促進剤としてクラウンエーテルO−18:2
00ppm を添加し接着剤組成物を得た。
【0024】応用例2 デカンジオールビスシアノアクリレートを実施例2で得
たトリプロピレンビスシアノアクリレートに代えた以外
は応用例1と同様にし接着剤組成物を得た。
【0025】参考例1 多価シアノアクリレートおよび副生成物の混合物を添加
しない以外は応用例1と同様にして接着剤組成物を得
た。
【0026】上記応用例1、2と参考例1の組成物につ
いて、それらの接着性能を測定した結果は、表2のとお
りであった。試験方法は、JIS K6861-1977に
準拠し試験条件は以下のとおり。 ・テストピース;引張り接着強さ 12.7×12.7×38mm:
接着面積1.613cm2 引張り剪断強さ プラスチック・ゴム 3×25×100mm:
金属 1.6×25×100mm: ラップ長さ 12.5mm:接着面
積 3.125cm2: ・測定条件;23±1℃、60±2%RH ・強度単位;kgf/cm2 表2から明らかなように、α−シアノアクリレートのみ
の場合の参考例1に比して多価シアノアクリレートを配
合した応用例1、2の方が、耐熱性、耐湿熱性、耐溶剤
性に著しく優れており、多価シアノアクリレートの添加
効果が確認された。また、本発明においては、前記具体
的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じてそ
の条件を種々変更することができる。
【0027】
【表2】
【0028】応用例3 実施例7で得られたデカンジオールビスシアノアクリレ
ートとシクロペンタジエン/無水マレイン酸付加物の混
合物を用いて、応用例1と同様にして接着剤組成物を調
製し、上記と同様にして接着性能を測定した。接着強度
は応用例1のものと略同等であったが、セットタイムが
応用例1の接着剤が30秒であるのに対し120秒以上
と異常に長くなった。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、多価アルコ
ールビスシアノアクリレート等の多価シアノアクリレー
トを作業上安全に高収率で得ることができ、また、該多
価シアノアクリレートを用いた接着剤組成物は、α−シ
アノアクリレートのみの場合に比して、瞬間接着剤とし
て、各種材料に適用可能であるとともに、耐熱性、耐湿
熱性、耐溶剤性等に著しく優れている。かくて本発明に
よれば、有用な多価シアノアクリレートとモノα−シア
ノアクリレートとの混合物からなる優れた接着剤組成物
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 登志夫 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成化学工業株式会社名古屋総合研究所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−シアノアクリレートと1,3-ジエンの
    ディールス−アルダー反応付加物の鹸化物であるα−シ
    アノアクリル酸/ジエン付加物と多価アルコールとのエ
    ステル化反応により得られた多価シアノアクリレート/
    ジエン付加物を加熱分解することを特徴とする多価シア
    ノアクリレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 α−シアノアクリレートと1,3-ジエンの
    ディールス−アルダー反応付加物から多価シアノアクリ
    レートを製造する方法において、多価シアノアクリレー
    ト/ジエン付加物の加熱分解をα−シアノアクリレート
    の存在下に行うことを特徴とする多価シアノアクリレー
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の多価シアノアクリレート
    の製造方法において、多価シアノアクリレート/ジエン
    付加物の加熱分解をα−シアノアクリレートの存在下に
    行うことを特徴とする多価シアノアクリレートの製造方
    法。
JP20018093A 1993-07-21 1993-07-21 多価シアノアクリレートの製造方法 Pending JPH0733726A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20018093A JPH0733726A (ja) 1993-07-21 1993-07-21 多価シアノアクリレートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20018093A JPH0733726A (ja) 1993-07-21 1993-07-21 多価シアノアクリレートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0733726A true JPH0733726A (ja) 1995-02-03

Family

ID=16420130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20018093A Pending JPH0733726A (ja) 1993-07-21 1993-07-21 多価シアノアクリレートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0733726A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003321329A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Kirin Brewery Co Ltd 育毛剤
US7341716B2 (en) 2002-04-12 2008-03-11 Boston Scientific Scimed, Inc. Occlusive composition

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7341716B2 (en) 2002-04-12 2008-03-11 Boston Scientific Scimed, Inc. Occlusive composition
JP2003321329A (ja) * 2002-04-25 2003-11-11 Kirin Brewery Co Ltd 育毛剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7319161B2 (en) Method for producing cyclohexane dicarboxylic acids and the derivatives thereof
US4056543A (en) Process of preparing substituted acrylates
JPS6228835B2 (ja)
US4590292A (en) Process for the manufacture of cyclopropylamine
KR910003334B1 (ko) 불포화 카르본산 아미드의 제조방법
JPS59222462A (ja) 新規α−シアノアクリレ−ト化合物、その製造法及びその化合物からなる接着剤
JPH0733726A (ja) 多価シアノアクリレートの製造方法
US2528656A (en) 1-hydroxy-4, 7-methano-3a, 4, 7, 7a-tetrahydro 4, 5, 6, 7, 8, 8-hexachloroindene andmethod of preparing same
JP2818652B2 (ja) イソボルニル(メタ)アクリレートの製造方法
JP4456939B2 (ja) アダマンチルエステル類の精製方法
US7446221B1 (en) Process for making tricyclodecenyl esters
KR0184885B1 (ko) 4-하이드록시부틸 (메트)아크릴레이트의 제조방법
US2598263A (en) Esterified 4-vinylcyclohexene
JP3648636B2 (ja) 活性エネルギー線硬化樹脂用反応性希釈剤及びその製造法
JP5220253B2 (ja) アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造法
JP2004059517A (ja) ヒドロキシ安息香酸エステル類の製造方法
JP6061087B2 (ja) 重合ロジンエステルの製造方法および該方法により得られる重合ロジンエステル
JP4362270B2 (ja) トリオルガノシリル不飽和カルボキシレートの製造法
JP4157448B2 (ja) 重合性不飽和カルボン酸アダマンチルエステル類の製造方法
JP2007231002A (ja) 重合性ジアマンチルエステル化合物の製造方法
Bestian et al. An Acylal of Dimethylketene
JP2008105955A (ja) (メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JPS6333515B2 (ja)
JP3421214B2 (ja) 第3級アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
JPH10500968A (ja) ビスシアノアクリレートの製法