JPH0733662A - 高脂血症および動脈硬化症予防治療剤 - Google Patents

高脂血症および動脈硬化症予防治療剤

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JPH0733662A
JPH0733662A JP18383993A JP18383993A JPH0733662A JP H0733662 A JPH0733662 A JP H0733662A JP 18383993 A JP18383993 A JP 18383993A JP 18383993 A JP18383993 A JP 18383993A JP H0733662 A JPH0733662 A JP H0733662A
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JP
Japan
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alkyl
aryl
same
different
cycloalkyl
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Application number
JP18383993A
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English (en)
Inventor
Katsumi Yamanaga
克己 山永
Kazutaka Hayashi
一孝 林
Yoshifumi Kubo
佳史 久保
Hideaki Kido
秀明 木戸
Takeshi Uchida
武 内田
Masahiro Watanabe
正弘 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式 【化1】 で表されるジヒドロピリジン誘導体の塩酸塩を有効成分
とする高脂血症予防治療剤。 【効果】 上記ジヒドロピリジン誘導体の塩酸塩は極め
て低毒性で、高脂血症の予防または治療、脂質代謝の改
善に有用である。さらに高脂血症に起因する動脈硬化症
の予防または治療にも有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、後述の特定構造を有す
るジヒドロピリジン誘導体またはその酸付加塩を有効成
分とする高脂血症および動脈硬化症予防治療剤に関す
る。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】高脂血症は
コレステロール、トリグリセリドあるいはリン脂質など
の血清脂質が異常に増加した状態を指す。これらの脂質
は血漿中ではアポ蛋白とともに、リポ蛋白と呼ばれる大
分子複合体を形成して存在する。リポ蛋白はその比重の
軽重に基づいて、カイロミクロン、超低比重リポ蛋白
(VLDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、中間比重リ
ポ蛋白(IDL)および高比重リポ蛋白(HDL)の5
分画に分類される。高脂血症は血清中に増加するリポ蛋
白の種類に基づいて便宜的にI型(カイロミクロンの増
加)、IIa型(LDLの増加)、IIb型(LDLとVL
DLの増加)、III 型(β−VLDLの増加)、IV型
(VLDLの増加)およびV型(カイロミクロンとVL
DLの増加)の表現型に分類される。
【0003】また、臨床的、実際的な立場から高コレス
テロール血症と高トリグリセリド血症とに大別して考
え、対処するのが便利と言われている。いずれも治療の
基本は食事療法と適度な運動であるが、なお症状が改善
されない場合には薬物療法を行う。現在使用されている
高脂血症治療剤としては、高コレステロール血症には陰
イオン交換樹脂、コレステロール合成阻害剤(HMG−
CoA還元酵素阻害剤)またはプロブコールなどが有用
である。また、高トリグリセリド血症にはクロフィブラ
ート系製剤、ニコチン酸製剤などが有用である。
【0004】一方、動脈硬化症は、動脈壁が肥厚あるい
は硬化する局所性の病変であり、高血圧、高脂血症、糖
尿病などが危険因子となる。わが国では、成人の15%
程度が高コレステロール血症ともいわれ、高コレステロ
ール血症を中心とする動脈硬化症の患者は多い。
【0005】ところで、後記ジヒドロピリジン誘導体
(I)はカルシウムチャンネル拮抗作用を有しており、
抗高血圧剤、および脳の血管拡張剤、冠動脈治療剤(狭
心症治療剤)として有用であることは既に知られている
(特開昭63−225356号公報)。
【0006】本発明者らはこのジヒドロピリジン誘導体
(I)について各種研究を進めてきたところ、該化合物
は、さらに脳血流増加剤(特開平2−62824号公
報)、血管攣縮治療剤(特開平2−180826号公
報)、強心薬(特開平4−235168号公報)として
も極めて有用であることを見出している。
【0007】更に、本発明者らが鋭意研究を行った結
果、当該ジヒドロピリジン誘導体(I)およびその酸付
加塩が、これまで見出されていた上記作用とは異なった
予想外の作用、即ち血中脂質の増加を抑制する作用を有
し、高脂血症予防治療剤および動脈硬化症予防治療剤と
して有用であることを見出した。
【0008】本発明の目的は、ジヒドロピリジン誘導体
を有効成分とする高脂血症予防治療剤および動脈硬化症
予防治療剤を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
【0010】
【化5】
【0011】〔式中、R1 、R2 およびR3 は同一また
は異なってアルキル、シクロアルキルまたはアルコキシ
アルキルを、R4 およびR5 は同一または異なって水素
原子、ハロゲン、ニトロ、ハロゲン化アルキル、アルキ
ルスルホニル、ハロゲン化アルコキシ、アルキルスルフ
ィニル、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シア
ノ、アルコキシカルボニルまたはアルキルチオを(ただ
し、R4 およびR5 は同時に水素原子ではない)、Xは
ビニレンまたはアゾメチンで表される基を、Aはアルキ
レンを、Bは−N(R6 ) (R7 ) または
【0012】
【化6】
【0013】(R6 、R7 およびR8 は同一または異な
って水素原子、アルキル、シクロアルキル、アラルキ
ル、アリールまたはピリジルを、Arはアリールまたは
ピリジルを、nは0または1、2の整数をそれぞれ示
す)で表される基を示す〕で表されるジヒドロピリジン
誘導体〔以下、ジヒドロピリジン誘導体(I)という〕
またはその酸付加塩(通常は、薬理学的に許容される酸
付加塩)を有効成分とする高脂血症予防治療剤に関す
る。
【0014】また、上記ジヒドロピリジン誘導体(I)
またはその酸付加塩(通常は、薬理学的に許容される酸
付加塩)を有効成分とする動脈硬化症予防治療剤に関す
る。
【0015】特に、上記において、R1 、R2 およびR
3 は同一または異なってアルキル、R4 は水素原子、R
5 はニトロ、ハロゲン化アルキルまたはシアノ、R6
よびR7 は同一または異なってアルキル、アラルキルま
たはアリール、R8 はアリール、Arはアリール、nは
1であるものが特に好ましい。
【0016】本発明で使用されるジヒドロピリジン誘導
体(I)およびその酸付加塩は、特に緩やかな作用発現
と長い持続時間を有し、しかもその毒性が極めて低いの
で、有効かつ安全性の極めて高いものである点に大きな
特徴を有している。
【0017】本明細書中で用いられている記号について
以下に説明する。R1 、R2 およびR3 で示されるアル
キルとしては、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、炭素
数1〜6の低級アルキルが好ましく、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、とりわけ炭素数1
〜4のものが好ましい。これらアルキルの末端にさらに
炭素数3〜6の低級シクロアルキルアルキル(例えば、
シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロペ
ンチルメチルなど)を有してもよい。
【0018】R1 、R2 およびR3 で示されるシクロア
ルキルとしては、炭素数3〜6の低級シクロアルキルが
好ましく、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。またR
1 、R2 およびR3 で示されるアルコキシアルキルとし
ては、炭素数の合計が3〜7のものが好ましく、例えば
メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、
イソプロポキシエチル、ブトキシエチル、メトキシプロ
ピル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−エトキシ
−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0019】R4 およびR5 で示される置換基は同一で
も異なっていてもよく、また環上のいずれの位置に置換
されていてもよいが、特にジヒドロピリジン環との結合
位置に対して2位または/および3位であるものが好ま
しい。
【0020】R4 およびR5 で示されるハロゲンとして
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられ、
とりわけフッ素原子または塩素原子が好ましい。R4
よびR5 で示されるアルキル、シクロアルキルとして
は、前記R1 〜R 3 で例示されたものが挙げられる。
【0021】R4 およびR5 で示されるアルコキシとし
ては、炭素数1〜3の低級アルコキシが好ましく、例え
ばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシな
どが挙げられる。R4 およびR5 で示されるアルキルチ
オとしては、炭素数1〜3のものが好ましく、例えばメ
チルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オなどが挙げられる。R4 およびR5 で示されるアルコ
キシカルボニルとしては、炭素数2〜4のものが好まし
く、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
プロポキシカルボニルなどが挙げられる。
【0022】ハロゲン化物のハロゲンも上記と同様のも
のが示され、R4 およびR5 で示されるハロゲン化アル
キルとは、その一部の水素原子がハロゲン化されたもの
〔例えば(CF3 2 CHCH2 −、CF3 CH2 −な
ど〕であっても、全部の水素原子がハロゲン化されたも
の(トリフルオロメチルなど)であってもよい。また、
ハロゲン化アルコキシもその一部の水素原子がハロゲン
化されたものであっても、全部の水素原子がハロゲン化
されたものであってもよい。ハロゲン化アルキルおよび
ハロゲン化アルコキシの炭素数は各々1〜6、好ましく
は1〜4である。R4 およびR5 で示されるアルキルス
ルホニルおよびアルキルスルフィニルにおけるアルキル
としては、前記R1 〜R3 で例示したもの、即ち炭素数
1〜6(好ましくは炭素数1〜4)のものが挙げられ
る。
【0023】R4 としては水素原子が、R5 としてはシ
アノ、ニトロ、ハロゲン化アルキル(特に、トリフルオ
ロメチル)が好ましい。
【0024】R6 、R7 およびR8 で示されるアルキ
ル、シクロアルキルとしては、前記R 1 〜R3 で例示さ
れたものが挙げられる。アラルキルとしては、ベンジ
ル、α−フェニルエチル、β−フェニルエチル、γ−フ
ェニルプロピルなどのフェニルC1-3 アルキルなどが挙
げられる。アリールとしてはフェニル、ナフチルなどが
挙げられる。これらの芳香環は任意の位置に同一または
異なる置換基を有していてもよく、この置換基として
は、例えば前記R4 およびR5 として例示されたものな
どが挙げられる。ピリジルとしては2−ピリジル、3−
ピリジル、4−ピリジルが挙げられ、これらは前記R4
およびR5 として例示された置換基を有していてもよ
い。
【0025】Aで示されるアルキレンとしては、直鎖状
または分岐状の炭素数2〜4のものが好ましく、具体的
にはエチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1,2
−ジメチルエチレンなどが挙げられる。
【0026】Arで示されるアリールおよびピリジルと
しては、前記R6 、R7 およびR8で例示されたものが
挙げられ、同様の置換基を有していてもよい。
【0027】ジヒドロピリジンの4位置換基である
【0028】
【化7】
【0029】で表される環としては、Xがビニレン(−
CH=CH−)である場合はベンゼン環を、アゾメチン
(−CH=N−)の時はピリジンをそれぞれ意味し、こ
れらはその任意の位置でジヒドロピリジンの4位と結合
していてもよい。
【0030】置換基R4 およびR5 は、ジヒドロピリジ
ンの4位に結合する炭素原子に対してオルト、メタ、パ
ラ位のいずれの位置で置換されてもよく、好ましくはオ
ルト位または/およびメタ位で置換される。
【0031】ジヒドロピリジン誘導体(I)およびその
酸付加塩としては、具体的には以下の表1に挙げたよう
な化合物およびその酸付加塩などが例示される。
【0032】
【表1】
【0033】ジヒドロピリジン誘導体(I)およびその
酸付加塩として、より好ましくは2−〔p−(4−ベン
ズヒドリルピペラジノ)フェニル〕エチル メチル
2,6−ジメチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,
4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボキシレート、
2−〔p−(4−ベンズヒドリルピペラジノ)フェニ
ル〕エチル メチル 2,6−ジメチル−4−(4−シ
アノ−2−ピリジル)−1,4−ジヒドロピリジン−
3,5−ジカルボキシレートおよびそれらの酸付加塩な
どが例示される。
【0034】ジヒドロピリジン誘導体(I)は、当該ジ
ヒドロピリジン誘導体(I)を構成する任意の部分と残
余部分とを自体公知の手段、特に脱水閉環反応に付すこ
とにより製造することができる。
【0035】具体的には、特開昭63−107975号
公報、特開昭63−112560号公報、特開昭63−
225356号公報、特開昭58−201765号公
報、特開昭63−99042号公報、特開昭63−15
2351号公報、特開昭61−260064号公報に記
載された製法を用いて製造される。
【0036】かくして製造されるジヒドロピリジン誘導
体(I)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、抽出、ク
ロマトグラフィー、再沈澱、再結晶などを適宜用いるこ
とにより任意の純度のものとして採取できる。
【0037】ジヒドロピリジン誘導体(I)は塩基性基
を有するので、公知の手段により酸付加塩とすることも
できる。かかる塩としては薬理学的に許容され得るもの
であれば特に制限されず、例えば無機酸との塩(塩酸
塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩など)、有機酸と
の塩(酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマール酸
塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩)などが挙げられる。
【0038】
【作用・効果】本発明の有効成分であるジヒドロピリジ
ン誘導体(I)およびその酸付加塩は極めて低毒性で、
血中脂質の増加を抑制する作用を有するため、哺乳動物
(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒト
など)における高脂血症の予防または治療、脂質代謝の
改善に有用である。さらに高脂血症に起因する動脈硬化
症の予防または治療にも有用である。
【0039】ジヒドロピリジン誘導体(I)およびその
酸付加塩を上記の医薬品として用いる場合、薬理的に許
容される添加剤(例えば、担体、賦形剤、希釈剤など)
などを、製薬上必要な成分と適宜混合し、粉末、顆粒、
錠剤、カプセル剤、シロップ剤、注射剤などの態様で医
薬組成物とし、経口的または非経口的に投与することが
できる。
【0040】上記製剤中には、ジヒドロピリジン誘導体
(I)およびその酸付加塩の有効量が配合される。投与
量は、投与ルート、症状、患者の体重あるいは年令など
によっても異なるが、たとえば成人患者に経口投与する
場合は、0.1〜100mg/ヒト/日、特に1〜20mg/
ヒト/日を1日1〜数回に分けて投与するのが望まし
い。また、静脈内投与の場合は、0.1〜300μg/ヒ
ト/日、特に5〜100μg/ヒト/日を1日1〜数回
に分けて投与するのが望ましい。
【0041】
【実験例・実施例・参考例】以下、実験例、実施例、参
考例を以て本発明をさらに詳しく説明するが、これらは
本発明を限定するものではない。なお、 1H−NMR測
定について、特に記載のないものはCDCl3 を使用し
た。
【0042】ジヒドロピリジン誘導体(I)またはその
酸付加塩の高脂血症および動脈硬化症に対する効果を以
下の実験例で試験した。 実験例1 C57BL/6Cr系雄性マウス(体重約20g)に高
コレステロール食〔正常食(商品名CE−2)に2%コ
レステロール、1%コール酸および5%リノール酸を含
む。日本クレア(株)製〕を与え、薬剤を1%Twee
n80に溶解し1日1回、9週間にわたり所定の用量で
経口投与した。用量は本発明化合物(後記化合物2)を
10mg/kg体重、比較薬剤としてニルバジピンを10mg
/kg体重、クロフィブレートを100mg/kg体重投与し
た。9週目に血清中の各種脂質量を和光純薬(株)製の
測定キットを用いて測定した。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】高コレステロール食を与え、薬剤を投与し
なかった群および担体のみを投与した群では、遊離コレ
ステロールの増加、HDLおよびトリグリセリドの低下
がみとめられた。HDLはコレステロールを除去する作
用を有するため、HDLの低下はコレステロール増加の
要因となる。本発明化合物を投与した群では、遊離コレ
ステロールの増加が抑制され、HDLおよびトリグリセ
リドの値は正常食を与えた群とほぼ同じであった。
【0045】実験例2 New zeal white系雄性家兎(体重約2kg)に高コレス
テロール食〔正常食(商品名CR−3)に2%コレステ
ロールおよび1%コール酸を含む。日本クレア(株)
製〕を与え、薬剤を1%Tween80に溶解し1日1
回、5週間にわたり所定の用量で経口投与した。用量は
本発明化合物(後記化合物2)を10mg/kg体重、比較
薬剤としてニルバジピンを10mg/kg体重、クロフィブ
レートを100mg/kg体重投与した。5週目に血清中の
各種脂質量を測定した。総コレステロール、トリグリセ
リドおよびリン脂質は酵素法によって測定した。血清リ
ポ蛋白画分はヘパリン−Ca比濁法によって測定した。
結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】本発明化合物を投与した群では、担体のみ
を投与した群と比較して総コレステロール、LDL、V
LDL、トリグリセリドおよびリン脂質の低下がみとめ
られた。本発明化合物の作用は、公知の高脂血症治療剤
であるクロフィブレートと同等もしくはそれ以上であっ
た。
【0048】実験例3 New zeal white系雄性家兎(体重約2kg)に高コレス
テロール食〔正常食(商品名CR−3)に2%コレステ
ロールおよび1%コール酸を含む。日本クレア(株)
製〕を与え、薬剤を1%Tween80に溶解し1日1
回、7週間にわたり所定の用量で経口投与した。用量は
本発明化合物(後記化合物2)を10mg/kg体重、比較
薬剤としてニルバジピンを10mg/kg体重、クロフィブ
レートを100mg/kg体重投与した。7週目に大動脈を
採取し、大動脈中の各種脂質量およびCa含量、ならび
に動脈硬化層面積を測定した。結果を表4に示す。測定
方法は次の通りである。 脂質量の測定 大動脈をCO2 吸入下に採取した。腎動脈より腹部大動
脈5cmを採取し、クロロホルム:メタノール=2:1の
混合液5ml中に入れ、50℃で30分間放置し動脈中の
脂質を遊離させた。上清中の脂質量を和光純薬(株)製
の測定キットにより測定した。 Ca量の測定 上記操作で得た残渣を硝酸:硫酸:過塩素酸:水=1:
1:4:1の混合液1ml中に入れ、完全に溶解し、その
溶液中のCa濃度を和光純薬(株)製の測定キットによ
り測定した。 動脈硬化層面積の測定 大動脈弓から約10cmの胸部大動脈を採取し、その組織
をズダンIIで脂肪染色し、画像解析装置で動脈硬化層面
積を測定した。動脈硬化層面積を大動脈全面積に対する
百分率で示した。
【0049】
【表4】
【0050】本発明化合物を投与した群では、担体のみ
を投与した群と比較して総コレステロール、遊離コレス
テロール、エステル化コレステロールおよびCa含量の
低下および動脈硬化の抑制がみとめられた。本発明化合
物の作用は、公知の高脂血症治療剤であるクロフィブレ
ートと同等もしくはそれ以上であった。
【0051】以上の結果より、ジヒドロピリジン誘導体
(I)またはその酸付加塩は、血中脂質、特に高脂血症
で問題となるコレステロール、LDLおよびVLDLの
増加を抑制し、高脂血症予防治療剤として有用であるこ
とが明らかである。さらに血中脂質量を低下させること
により動脈硬化の予防または治療にも有用である。
【0052】参考例 2−〔p−(4−ベンズヒドリルピペラジノ)フェニ
ル〕エチルメチル−2,6−ジメチル−4−(3−ニト
ロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジ
カルボキシレート(化合物1)およびその塩酸塩(化合
物2)の合成:
【0053】100mlのナスフラスコに、3−ニトロベ
ンズアルデヒド(1.144g、7.57mmol) 、アセト酢
酸〔p−(4−ベンズヒドリルピペラジノ)フェニル〕
エチル(3.464g、7.59mmol) およびメチル 3−
アミノクロトネート(873mg、7.58mmol) を入れ、
イソプロパノール(12ml)を加え、ジムロート冷却器
を装着し、16時間加熱還流した。反応溶媒を減圧留去
し、残渣をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル、ク
ロロホルム:メタノール(45:1)〕およびカラムク
ロマトグラフィー〔シリカゲル、酢酸エチル:n−ヘキ
サン(2:3)〕により分離して得られた粗生成物を、
高速液体クロマトグラフィーにより精製し、標記化合物
1を2.503g得た(収率48%)。
【0054】IRνmax KBr cm-1:1680, 15201 H−NMRδ:8.06 (1H, t, J=2Hz), 7.97 (1H, ddd,
J=8; 2; 1Hz), 7.1-7.6 (12H), 7.03 (2H, d, J=8.6H
z), 6.80 (2H, d, J=8.6Hz), 6.02 (1H, s), 5.07 (1H,
s), 4.26 (1H, s), 4.22 (2H, t, J=7Hz), 3.64 (3H,
s), 3.15 (4H, dd, J=5; 4.7Hz), 2.81 (2H, t, J=7H
z), 2.55 (4H, dd, J=5; 4.7Hz), 2.33, 2.28 (それぞ
れ 3H, s)
【0055】この化合物1(2.124g、3.16mmol)
を200mlのナスフラスコに入れ、セプタムラバーを装
着した。フラスコ中に塩化メチレン(100ml)を加
え、内容物を溶解後、塩化水素のガスを導入しながら、
室温下、30分間攪拌した。析出結晶を濾取し、標記化
合物2を約2.22g得た。
【0056】 IRνmax KBr cm-1:2450, 1680, 1525, 1350.1 H−NMRδ: 13.72 (1H, brs), 8.05-7.9 (6H), 7.
82, 7.26 (4H, A 2 B,J=8.6Hz), 7.6-7.3 (8H), 6.28
(1H, s), 5.2-5.05 (2H), 5.01 (2H, s), 4.27 (2H, t,
J=6.5Hz), 4.3-4.1 (2H), 3.66 (3H, s), 3.65-3.45
(4H), 2.95 (2H, t, J=6.5Hz), 2.36, 2.33 (それぞれ
3H, s)
【0057】実施例1:錠剤 (1) 化合物2 10g (2) 直打用微粒No.209(富士化学社製) 110g メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 20% トウモロコシデンプン 30% 乳糖 50% (3) 結晶セルロース 60g (4) CMCカルシウム 18g (5) ステアリン酸マグネシウム 2g
【0058】(1) 、(3) および(4) はいずれも予め10
0メッシュの篩に通す。この(1) 、(3) 、(4) と(2) を
それぞれ乾燥して一定含水率にまで下げた後、上記の重
量割合で混合機を用いて混合する。全質均等にした混合
末に(5) を添加して短時間(30秒間)混合し、混合末
を打錠して、1錠200mgの錠剤とした。
【0059】この錠剤は、必要に応じて通常用いられる
胃溶性フィルムコーティング剤(例えば、ポリビニルア
セタールジエチルアミノアセテート)や食用性着色剤で
コーティングしてもよい。
【0060】実施例2:カプセル剤 (1) 化合物2 50g (2) 乳糖 930g (3) ステアリン酸マグネシウム 20g 上記成分をそれぞれ秤量した後、均一に混合し、混合粉
体をハードゼラチンカプセルに200mgずつ充填した。
【0061】実施例3:注射剤 (1) 化合物2 5mg (2) ブドウ糖 100mg (3) 生理食塩水 10ml 上記の混合液をメンブランフィルターで濾過後、再び除
菌濾過を行い、その濾過液を無菌的にバイアルに分注
し、窒素ガスを充填した後、密封して静脈内注射剤とし
た。
【0062】実施例4 化合物2 20.1gを不飽和脂肪酸モノグリセリド(花王社
製「エキセルO−95R」)とポリオキシエチレンソル
ビタンモノオレート(日光ケミカル社製「TO−10
M」)の混合物(1:1)650gに加え、40℃にて溶
解、攪拌し、非ミセル型溶液を得た。かくして得られた
溶液 600g とメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(富士
化学産業社製「ノイシリンUS2 」)370gを攪拌造粒機
にて混合した。さらにクロスカルメロースナトリウムA
型 30gを混合攪拌し、精製水 250mlを添加して造粒し
た。その後、通風乾燥機にて40℃、17時間乾燥し、
42〜200meshにて篩過し、カプセル充填用細粒 550
g を調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木戸 秀明 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 内田 武 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 渡辺 正弘 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は同一または異なってア
    ルキル、シクロアルキルまたはアルコキシアルキルを、
    4 およびR5 は同一または異なって水素原子、ハロゲ
    ン、ニトロ、ハロゲン化アルキル、アルキルスルホニ
    ル、ハロゲン化アルコキシ、アルキルスルフィニル、ア
    ルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノ、アルコ
    キシカルボニルまたはアルキルチオを(ただし、R4
    よびR5 は同時に水素原子ではない)、Xはビニレンま
    たはアゾメチンで表される基を、Aはアルキレンを、B
    は−N(R6 ) (R7 ) または 【化2】 (R6 、R7 およびR8 は同一または異なって水素原
    子、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール
    またはピリジルを、Arはアリールまたはピリジルを、
    nは0または1、2の整数をそれぞれ示す)で表される
    基を示す〕で表されるジヒドロピリジン誘導体またはそ
    の酸付加塩を有効成分とする高脂血症予防治療剤。
  2. 【請求項2】 R1 、R2 およびR3 は同一または異な
    ってアルキル、R4は水素原子、R5 はニトロ、ハロゲ
    ン化アルキルまたはシアノ、R6 およびR7は同一また
    は異なってアルキル、アラルキルまたはアリール、R8
    はアリール、Arはアリール、nは1である請求項1記
    載の高脂血症予防治療剤。
  3. 【請求項3】 一般式 【化3】 〔式中、R1 、R2 およびR3 は同一または異なってア
    ルキル、シクロアルキルまたはアルコキシアルキルを、
    4 およびR5 は同一または異なって水素原子、ハロゲ
    ン、ニトロ、ハロゲン化アルキル、アルキルスルホニ
    ル、ハロゲン化アルコキシ、アルキルスルフィニル、ア
    ルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シアノ、アルコ
    キシカルボニルまたはアルキルチオを(ただし、R4
    よびR5 は同時に水素原子ではない)、Xはビニレンま
    たはアゾメチンで表される基を、Aはアルキレンを、B
    は−N(R6 ) (R7 ) または 【化4】 (R6 、R7 およびR8 は同一または異なって水素原
    子、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール
    またはピリジルを、Arはアリールまたはピリジルを、
    nは0または1、2の整数をそれぞれ示す)で表される
    基を示す〕で表されるジヒドロピリジン誘導体またはそ
    の酸付加塩を有効成分とする動脈硬化症予防治療剤。
  4. 【請求項4】 R1 、R2 およびR3 は同一または異な
    ってアルキル、R4は水素原子、R5 はニトロ、ハロゲ
    ン化アルキルまたはシアノ、R6 およびR7は同一また
    は異なってアルキル、アラルキルまたはアリール、R8
    はアリール、Arはアリール、nは1である請求項3記
    載の動脈硬化症予防治療剤。
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