JPH07336138A - 正弦波発振回路 - Google Patents

正弦波発振回路

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JPH07336138A
JPH07336138A JP6148597A JP14859794A JPH07336138A JP H07336138 A JPH07336138 A JP H07336138A JP 6148597 A JP6148597 A JP 6148597A JP 14859794 A JP14859794 A JP 14859794A JP H07336138 A JPH07336138 A JP H07336138A
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spiral
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sine wave
electrodes
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Takeshi Ikeda
毅 池田
Tadataka Oe
忠孝 大江
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より少ない種類の部品を組み合わせて簡単に
正弦波を発生させることができ、しかも半導体基板に一
体形成が可能な正弦波発振回路を提供すること。 【構成】 正弦波発振回路1は、反転増幅器として機能
するインバータ論理回路10と、半導体基板上に形成さ
れたLC素子12とを含んでいる。LC素子12は、半
導体基板上であってほぼ同心状にほぼ平行に形成された
渦巻き形状の第1および第2のスパイラル電極と、この
電極のそれぞれにp領域とn領域とが接続された渦巻き
形状のpn接合層を含んでおり、各電極がインダクタ導
体として機能するとともに、これら各インダクタ導体間
にはpn接合層による分布定数的なキャパシタが形成さ
れている。このように、正弦波発振回路1の各構成部品
は半導体基板上に形成可能であり、全体を一体形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LC共振を利用して所
定周波数の正弦波信号を得る正弦波発振回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、通信等各種分野において正弦
波が使われており、この正弦波を得る発振回路も種々の
ものが知られている。例えば、高周波の正弦波を得るこ
とができる代表的な回路として、コルピッツ型やハート
レー型等の各種LC発振回路が知られている。
【0003】これらの各種LC発振回路は、いずれも原
理的にはトランジスタ等の増幅器とLC回路を組み合わ
せて構成されており、所望の発振周波数の正弦波を得る
ために各素子定数を決定する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の正弦
波発振回路は、LC回路を構成するインダクタとキャパ
シタとを個別に用意して組み合わせていたため、設計の
自由度が増す反面、設計者等が決定する素子定数が多く
て設計が複雑になる。特に、正弦波を使用する装置によ
っては、より少ない種類の部品を組み合わせるだけで簡
単に所望の発振周波数を有することができれば便利であ
る。
【0005】また、LC回路を構成するインダクタはコ
アやボビンに巻線を施すものが多く、一般には集積化に
不向きである。LC回路を含む正弦波発振回路の全体を
IC化しようとした場合であっても、インダクタのみは
外付けしなければならないという不都合があり、回路全
体を半導体基板上に一体形成することができないという
問題があった。
【0006】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的はより少ない種類の部品を組み
合わせて簡単に正弦波を発生させることができる正弦波
発振回路を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、回路全体を半
導体基板上に一体形成可能な正弦波発振回路を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の正弦波発振回路は、入力信号を増幅
するとともに位相反転を行う反転増幅器と、半導体基板
上にほぼ並行して形成されており、それぞれの一方端近
傍が電気的に接続されているとともにいずれか一方が信
号入出力路として使用される2本のインダクタ導体を有
し、これら2本のインダクタ導体による2本のインダク
タとそれらの間のキャパシタとが分布定数的に形成され
ているLC素子と、を備え、前記反転増幅器の出力を前
記LC素子の信号入出力路として機能する一方のインダ
クタを介して入力側に帰還させることにより正弦波発振
を行うことを特徴とする。
【0009】請求項2の正弦波発振回路は、請求項1の
正弦波発振回路において、前記反転増幅器をインバータ
論理回路により構成することを特徴とする。
【0010】請求項3の正弦波発振回路は、請求項1の
正弦波発振回路において、前記反転増幅器をソース接地
回路あるいはエミッタ接地回路により構成することを特
徴とする。
【0011】請求項4の正弦波発振回路は、請求項1〜
3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素子
は、同一平面内でほぼ同心状で隣接して配置されてお
り、前記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形
状の2つの電極と、前記半導体基板の表面近傍であって
前記2つの電極に沿った位置に形成され、これら2つの
電極のいずれか一方にp領域が、他方にn領域が電気的
に接続されており、逆バイアス電圧を印加することによ
り前記キャパシタとして動作する渦巻き形状のpn接合
層と、を備えることを特徴とする。
【0012】請求項5の正弦波発振回路は、請求項1〜
3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素子
は、前記半導体基板を挟んでほぼ対向して配置されてお
り、前記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形
状の2つの電極と、前記半導体基板内であって前記2つ
の電極に挟まれた位置に形成され、これら2つの電極の
いずれか一方にp領域が、他方にn領域が電気的に接続
されており、逆バイアス電圧を印加することにより前記
キャパシタとして動作する渦巻き形状のpn接合層と、
を備えることを特徴とする。
【0013】請求項6の正弦波発振回路は、請求項1〜
3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素子
は、同一平面内でほぼ平行に隣接して配置されており、
前記2本のインダクタ導体として機能する蛇行形状の2
つの電極と、前記半導体基板の表面近傍であって前記2
つの電極に沿った位置に形成され、これら2つの電極の
いずれか一方にp領域が、他方にn領域が電気的に接続
されており、逆バイアス電圧を印加することにより前記
キャパシタとして動作する蛇行形状のpn接合層と、を
備えることを特徴とする。
【0014】請求項7の正弦波発振回路は、請求項1〜
3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素子
は、前記半導体基板を挟んで対向して配置されており、
前記2本のインダクタ導体として機能する蛇行形状の2
つの電極と、前記半導体基板内であって前記2つの電極
に挟まれた位置に形成され、これら2つの電極のいずれ
か一方にp領域が、他方にn領域が電気的に接続されて
おり、逆バイアス電圧を印加することにより前記キャパ
シタとして動作する渦巻き形状のpn接合層と、を備え
ることを特徴とする。
【0015】請求項8の正弦波発振回路は、請求項4〜
7のいずれかの正弦波発振回路において、前記2つの電
極のいずれか一方の長さを他方に比べて短く形成するこ
とを特徴とする。
【0016】請求項9の正弦波発振回路は、請求項4〜
8のいずれかの正弦波発振回路において、前記他方のイ
ンダクタとして機能する前記2つの電極の一方を複数に
分割し、あるいは前記他方のインダクタとして機能する
前記2つの電極の一方とともに対応する前記pn接合層
を複数に分割し、各分割片の一部を相互に接続すること
を特徴とする。
【0017】請求項10の正弦波発振回路は、請求項4
〜9のいずれかの正弦波発振回路において、前記pn接
合層に印加する逆バイアス電圧を変更することにより、
前記LC素子内に分布定数的に形成されるキャパシタの
容量値を変えることを特徴とする。
【0018】請求項11の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状
の電極と、前記渦巻き形状の電極と前記半導体基板との
間に形成された絶縁層と、前記半導体基板内にあって、
前記渦巻き形状の電極に対応して形成されるチャネルの
両端付近に形成されてソースおよびドレインとして機能
する第1および第2の拡散領域と、を備え、前記渦巻き
形状の電極とこれに対応して形成されるチャネルのそれ
ぞれが前記2本のインダクタ導体として機能するととも
に、前記チャネルを前記信号入出力路として使用するこ
とを特徴とする。
【0019】請求項12の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状
の電極と、前記渦巻き形状の電極と前記半導体基板との
間に形成された絶縁層と、前記半導体基板内にあって、
前記渦巻き形状の電極に対応して形成されるチャネルの
一方端付近に形成されてソースあるいはドレインとして
機能する第1の拡散領域と、を備え、前記渦巻き形状の
電極とこれに対応して形成されるチャネルのそれぞれが
前記2本のインダクタ導体として機能するとともに、前
記渦巻き形状の電極を前記信号入出力路として使用する
ことを特徴とする。
【0020】請求項13の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の
電極と、前記蛇行形状の電極と前記半導体基板との間に
形成された絶縁層と、前記半導体基板内にあって、前記
蛇行形状の電極に対応して形成されるチャネルの両端付
近に形成されてソースおよびドレインとして機能する第
1および第2の拡散領域と、を備え、前記蛇行形状の電
極とこれに対応して形成されるチャネルのそれぞれが前
記2本のインダクタ導体として機能するととにも、前記
チャネルを前記信号入出力路として使用することを特徴
とする。
【0021】請求項14の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の
電極と、前記蛇行形状の電極と前記半導体基板との間に
形成された絶縁層と、前記半導体基板内にあって、前記
蛇行形状の電極に対応して形成されるチャネルの一方端
付近に形成されてソースあるいはドレインとして機能す
る第1の拡散領域と、を備え、前記蛇行形状の電極とこ
れに対応して形成されるチャネルのそれぞれが前記2本
のインダクタ導体として機能するととにも、前記蛇行形
状の電極を前記信号入出力路として使用することを特徴
とする。
【0022】請求項15の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状
の第1の電極と、渦巻き形状の前記第1の電極と前記半
導体基板との間に形成された絶縁層と、前記半導体基板
表面であって、前記第1の電極と同心状で隣接して形成
された渦巻き形状の第2の電極と、前記半導体基板内に
あって、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの両端付近に形成されてソースおよびドレ
インとして機能する第1および第2の拡散領域と、を備
え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成される
チャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイン
ダクタ導体として機能するととにも、前記チャネルを前
記信号入出力路として使用することを特徴とする。
【0023】請求項16の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状
の第1の電極と、渦巻き形状の前記第1の電極と前記半
導体基板との間に形成された絶縁層と、前記半導体基板
表面であって、前記第1の電極と同心状で隣接して形成
された渦巻き形状の第2の電極と、前記半導体基板内に
あって、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの一方端付近に形成されてソースあるいは
ドレインとして機能する第1の拡散領域と、を備え、渦
巻き形状の前記第1の電極に対応して形成されるチャネ
ルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ
導体として機能するととにも、前記第2の電極を前記信
号入出力路として使用することを特徴とする。
【0024】請求項17の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の
第1の電極と、蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体
基板との間に形成された絶縁層と、前記半導体基板表面
であって、前記第1の電極に沿ってほぼ平行に隣接して
形成された蛇行形状の第2の電極と、前記半導体基板内
にあって、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの両端付近に形成されてソースおよびドレ
インとして機能する第1および第2の拡散領域と、を備
え、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成されるチ
ャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のインダ
クタ導体として機能するとともに、前記チャネルを前記
信号入出力路として使用することを特徴とする。
【0025】請求項18の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の
第1の電極と、蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体
基板との間に形成された絶縁層と、前記半導体基板表面
であって、前記第1の電極に沿ってほぼ平行に隣接して
形成された蛇行形状の第2の電極と、前記半導体基板内
にあって、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの一方端付近に形成されてソースあるいは
ドレインとして機能する第1の拡散領域と、を備え、蛇
行形状の前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
と前記第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ導
体として機能するとともに、前記第2の電極を前記信号
入出力路として使用することを特徴とする。
【0026】請求項19の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS
構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の第1の電極
と、渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との
間に形成された絶縁層と、前記半導体基板の他方の面側
に形成され、前記第1の電極とほぼ対向する位置に形成
された渦巻き形状の第2の電極と、前記半導体基板内に
あって、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの両端付近に形成されてソースおよびドレ
インとして機能する第1および第2の拡散領域と、を備
え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成される
チャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイン
ダクタ導体として機能するとともに、前記チャネルを前
記信号入出力路として使用することを特徴とする。
【0027】請求項20の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS
構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の第1の電極
と、渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との
間に形成された絶縁層と、前記半導体基板の他方の面側
に形成され、前記第1の電極とほぼ対向する位置に形成
された渦巻き形状の第2の電極と、前記半導体基板内に
あって、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
れるチャネルの一方端付近に形成されてソースあるいは
ドレインとして機能する第1の拡散領域と、を備え、渦
巻き形状の前記第1の電極に対応して形成されるチャネ
ルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ
導体として機能するとともに、前記第2の電極を前記信
号入出力路として使用することを特徴とする。
【0028】請求項21の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS
構造におけるゲートを形成する蛇行形状の第1の電極
と、蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間
に形成された絶縁層と、前記半導体基板の他方の面側に
形成され、前記第1の電極とほぼ対向する位置に形成さ
れた蛇行形状の第2の電極と、前記半導体基板内にあっ
て、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成されるチ
ャネルの両端付近に形成されてソースおよびドレインと
して機能する第1および第2の拡散領域と、を備え、蛇
行形状の前記第1の電極に対応して形成されるチャネル
と前記第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ導
体として機能するとともに、前記チャネルを信号入出力
路として使用することを特徴とする。
【0029】請求項22の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS
構造におけるゲートを形成する蛇行形状の第1の電極
と、蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間
に形成された絶縁層と、前記半導体基板の他方の面側に
形成され、前記第1の電極とほぼ対向する位置に形成さ
れた蛇行形状の第2の電極と、前記半導体基板内にあっ
て、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成されるチ
ャネルの一方端付近に形成されてソースあるいはドレイ
ンとして機能する第1の拡散領域と、を備え、蛇行形状
の前記第1の電極に対応して形成されるチャネルと前記
第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ導体とし
て機能するとともに、前記第2の電極を信号入出力路と
して使用することを特徴とする。
【0030】請求項23の正弦波発振回路は、請求項1
1〜14のいずれかの正弦波発振回路において、前記半
導体基板表面近傍であって前記チャネルが形成される位
置の少なくとも一部に予めキャリアを注入するととも
に、前記渦巻き形状あるいは前記蛇行形状の電極に対し
て前記チャネルの長さを長くあるいは短く設定すること
により、渦巻き形状あるいは蛇行形状の前記電極と前記
チャネルとを部分的に対向させることを特徴とする。
【0031】請求項24の正弦波発振回路は、請求項1
5〜22のいずれかの正弦波発振回路において、前記第
1および第2の電極のいずれか一方の長さを他方に比べ
て短く形成することにより、渦巻き形状あるいは蛇行形
状の前記第2の電極と前記チャネルとを部分的に対向さ
せることを特徴とする。
【0032】請求項25の正弦波発振回路は、請求項1
1〜22,24のいずれかの正弦波発振回路において、
前記半導体基板表面近傍であって前記チャネルが形成さ
れる位置に、予めキャリアを注入することを特徴とす
る。
【0033】請求項26の正弦波発振回路は、請求項1
6,18,20,22,24,25のいずれかの正弦波
発振回路において、前記第1の電極に対応して形成され
る前記チャネルを前記他方のインダクタとして使用する
場合において、前記第1の電極を複数に分割することに
より前記第1の電極に対応して形成される前記チャネル
を複数に分割し、各分割チャネルの一方端近傍に形成さ
れた前記拡散領域同士を相互に接続することを特徴とす
る。
【0034】請求項27の正弦波発振回路は、請求項1
5,17,19,21,24,25のいずれかの正弦波
発振回路において、前記第2の電極を前記他方のインダ
クタとして使用する場合において、前記第2の電極を複
数に分割し、各分割電極片の一部を相互に接続すること
を特徴とする。
【0035】請求項28の正弦波発振回路は、請求項1
1〜27のいずれかの正弦波発振回路において、前記ゲ
ートを形成する電極に印加するゲート電圧を変更するこ
とにより、前記チャネルが有する抵抗値を可変に制御す
ることを特徴とする。
【0036】請求項29の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体表面に直接あるいは第1の絶縁層を挟
んで形成された渦巻き形状の第1の電極と、前記第1の
電極の表面に形成された第2の絶縁層と、前記第1の電
極とほぼ対向する位置に前記第2の絶縁層を挟んで形成
された渦巻き形状の第2の電極と、を備え、前記第1お
よび第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ導体
として機能することを特徴とする。
【0037】請求項30の正弦波発振回路は、請求項1
〜3のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC素
子は、前記半導体表面に直接あるいは第1の絶縁層を挟
んで形成された蛇行形状の第1の電極と、前記第1の電
極の表面に形成された第2の絶縁層と、前記第1の電極
とほぼ対向する位置に前記第2の絶縁層を挟んで形成さ
れた蛇行形状の第2の電極と、を備え、前記第1および
第2の電極のそれぞれが前記2本のインダクタ導体とし
て機能することを特徴とする。
【0038】請求項31の正弦波発振回路は、請求項2
9または30の正弦波発振回路において、前記第2の絶
縁層は、前記第1の電極を酸化することにより形成され
た酸化膜であることを特徴とする。
【0039】請求項32の正弦波発振回路は、請求項2
9または30の正弦波発振回路において、前記第2の絶
縁層は、化学気相法により形成された半導体酸化膜ある
いは窒化膜であることを特徴とする。
【0040】請求項33の正弦波発振回路は、請求項2
9〜32のいずれかの正弦波発振回路において、前記第
1および第2の電極のいずれか一方の長さを他方に比べ
て短く形成することを特徴とする。
【0041】請求項34の正弦波発振回路は、請求項2
9〜33のいずれかの正弦波発振回路において、前記他
方のインダクタとして機能する前記第1および第2の電
極の一方を複数に分割し、各分割片の一部を相互に接続
することを特徴とする。
【0042】請求項35の正弦波発振回路は、請求項1
〜34のいずれかの正弦波発振回路において、前記LC
素子と前記反転増幅器とを共通する前記半導体基板上に
一体形成することを特徴とする。
【0043】
【作用】請求項1の正弦波発振回路は、反転増幅器とL
C素子とをリング状に接続することにより構成されてい
る。信号の位相のみに着目すると、LC素子において1
80度位相がずれ、さらに反転増幅器によって180度
位相がずれて、出力される信号の位相と一巡して戻って
くる信号の位相とが一致するような周波数で発振が行わ
れる。しかも、上述したLC素子は、2本のインダクタ
の一方端同士を相互に接続して、単一の2端子素子とし
て扱うことができ、部品の取扱いが容易になる。
【0044】このように、請求項1の発明によれば、反
転増幅器とLC素子とを接続するだけで正弦波発振が行
われており、より少ない種類の部品を組み合わせるだけ
で簡単に正弦波を発生されることができる。
【0045】さらに、上述したLC素子は半導体基板上
に形成されているため、反転増幅器を含む全ての部品を
半導体基板上に形成することが可能であり、半導体製造
技術を利用した大量生産や回路の小型化が可能となる。
特に、これら各部品は1つの半導体基板上に形成するこ
ともでき、この場合は回路全体を半導体基板上に一体形
成することになるため、大量生産や回路の小型化がさら
に容易になる。
【0046】また、請求項2または3の正弦波発振回路
は、上述した反転増幅器をインバータ論理回路やトラン
ジスタを利用したソース接地回路あるいはエミッタ接地
回路により構成している。すなわち、これらはいずれも
入力信号の論理を反転させて出力すると同時に入力信号
の電圧レベルを増幅するものであり、このような構造が
単純な反転増幅器とLC素子とを組み合わせるだけで、
簡単に正弦波を発生させることができる。特に、上述し
たインバータ論理回路やソース接地回路あるいはエミッ
タ接地回路は一般には半導体基板上に形成されるもので
あり、他の部品とともに一体形成する場合にさらに好都
合となる。
【0047】請求項4〜7の正弦波発振回路は、上述し
た請求項1〜3で用いたLC素子の具体的構成を示した
第1の例を示したものである。
【0048】請求項4の発明によれば、半導体基板上で
あって同心状に隣接して配置された2つの電極と、これ
ら2つの電極に沿って形成された渦巻き形状のpn接合
層とにより上述したLC素子が形成されている。このp
n接合層に逆バイアス電圧を印加することにより、渦巻
き形状のキャパシタが形成される。したがって、2つの
電極のそれぞれにより形成されるインダクタとこのキャ
パシタとが半導体基板上に分布定数的に形成されること
になる。特に、このLC素子は、半導体製造技術を用い
て半導体基板に形成されるため、反転増幅器等のそれ以
外の部品とともに半導体基板上に一体形成する際に好都
合となる。
【0049】また、請求項5の発明によれば、請求項4
において半導体基板上に同心状に設けられていた2つの
電極を互いに半導体基板を挟んで対向配置することによ
りLC素子を形成しており、これにより各電極によるイ
ンダクタとその間のpn接合層によるキャパシタとが分
布定数的に形成されることになる。請求項4のLC素子
と同様に、このLC素子は半導体製造技術を用いて半導
体基板に形成されるため、反転増幅器等のそれ以外の部
品とともに一体形成する際に好都合となる。
【0050】また、請求項6,7の発明によれば、請求
項4,5における電極を渦巻き形状から蛇行形状に置き
換えることによりLC素子が形成されている。一般に
は、導体を渦巻き形状に形成することによりインダクタ
として機能させることができるが、使用する周波数帯域
によっては導体を蛇行形状とした場合でもインダクタと
して機能させることができる。すなわち、電極を蛇行形
状に形成した場合には、各凹凸部の1つ1つが約1/2
ターンのコイルとなってこれらが直列に接続されるた
め、電極全体が所定のインダクタンスを有するインダク
タとして機能する。特に、使用する信号の周波数が高周
波領域に達するような場合には小さなインダクタンスで
足りるため、蛇行形状のインダクタで足りる場合があ
る。
【0051】特に、電極を蛇行形状に形成した場合に
は、電極の一方端あるいは両端に配線を施す場合に、こ
の配線を電極の一部と交差せずに引き出せる利点があ
り、正弦波発振回路全体の製造工程の簡略化が可能とな
る。
【0052】また、請求項8の発明によれば、2つの電
極のいずれか一方を短く形成することにより、インダク
タ導体が部分的に対向したLC素子が形成されている。
一般に、正弦波発振回路全体の発振周波数は、分布定数
的に形成されたインダクタンスとキャパシタンスとによ
り決定されるため、一方の電極を短く形成することによ
りキャパシタンスを小さくすれば、それに伴って発振周
波数も変更されることになる。したがって、部分対向さ
せる電極の割合等を変えることにより発振周波数をある
範囲で調整することができ、正弦波発振回路の設計の自
由度が増すことにもなる。
【0053】また、請求項9の発明によれば、2つの電
極のいずれか一方を複数に分割、あるいはこの電極の分
割とともに対応するpn接合層を複数に分割することに
より、分割されたインダクタ導体による影響が少ないL
C素子が形成されている。すなわち、各分割電極片の自
己インダクタンスは小さくなるため、分割されない電極
が有するインダクタンスと分布定数的に形成されたキャ
パシタンスとによりLC素子の特性がほぼ決定されるこ
とになる。したがって、電極の分割状態を変えることに
より発振周波数をある範囲で調整することができ、正弦
波発振回路の設計の自由度が増すことにもなる。
【0054】また、請求項10の発明によれば、pn接
合層に印加する逆バイアス電圧を変更することにより、
分布定数的に形成されるキャパシタの容量値が変更可能
なLC素子が形成されている。一般に、pn接合層は可
変の逆バイアス電圧を印加することによりバリキャップ
として動作する。したがって、印加する逆バイアス電圧
を可変に制御して渦巻き形状あるいは蛇行形状を有する
pn接合層の全域をバリキャップとして動作させること
により、ある範囲で周波数特性を変更可能なLC素子と
することができ、電圧制御型の正弦波発振回路を容易に
実現することができる。
【0055】請求項11〜22の正弦波発振回路は、上
述した請求項1〜3で用いたLC素子の具体的構成を示
した第2の例を示したものである。
【0056】請求項11〜14の発明によれば、ゲート
が渦巻き形状あるいは蛇行形状を有するMOS構造のL
C素子が形成されており、ゲート電極とこれに対応して
形成されるチャネルとがそれぞれインダクタ導体として
機能するとともにこれらの間に分布定数的なキャパシタ
が形成されている。これらの各LC素子は、マスクの形
状等を変更するだけで通常のMOSトランジスタを製造
する工程を利用して製造可能であり、反転増幅器等のそ
れ以外の部品とともに半導体基板上に一体形成する際に
好都合となる。特に、反転増幅器もMOS構造を有する
場合、例えばMOSトランジスタやCMOS等のインバ
ータ論理回路により構成した場合には、正弦波発振回路
全体をMOS構造とすることができることから、製造工
程の簡略化や各部品の高密度実装化が可能となり、IC
やLCIの一部として組み込む場合に特に好都合とな
る。
【0057】請求項15〜22の発明によれば、上述し
た請求項11〜14の各LC素子のゲート電極にほぼ平
行に、あるいはほぼ対向するように第2の電極を設ける
ことによりMOS構造のLC素子が形成されており、ゲ
ート電極は独立して逆バイアス印加用に用いられてい
る。したがって、ゲート電極への電圧印加とチャネルや
第2の電極を介した信号の伝送とを切り離すことがで
き、設計の自由度が増す。
【0058】また、請求項23の発明によれば、請求項
11〜14におけるゲート電極とチャネルとを部分的に
対向させることによりLC素子が形成されている。一般
に、ゲート電極に対応する半導体基板表面にチャネルが
形成されるが、予めこのチャネルが形成される位置の少
なくとも一部にキャリアを注入しておくことにより、所
定のゲート電圧が印加されたときにゲート電極に対応す
る一部の領域にのみチャネルが形成されるようにするこ
ともできる。
【0059】また、請求項24の発明によれば、請求項
15〜22における2つの電極のいずれか一方を短くし
てチャネルと電極とを部分的に対向させることによりL
C素子が形成されている。
【0060】このように、MOS構造を有するLC素子
においてもチャネルあるいは電極により形成されるイン
ダクタ導体を部分的に対向させることが可能であり、部
分対向させる割合等を変えることにより発振周波数をあ
る範囲で調整することができ、正弦波発振回路の設計の
自由度が増すことにもなる。
【0061】また、請求項25の発明によれば、上述し
たチャネルが形成される位置に予めキャリアを注入して
おくことによりLC素子が形成されており、デプレショ
ン型のMOS構造を有するLC素子となっている。特
に、予め注入するキャリアの量を調整することによりチ
ャネル抵抗やソース・ドレイン間電流を変えることがで
きるため、LC素子の特性をある範囲で調整することが
でき、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにもな
る。
【0062】また、請求項26の発明によれば、上述し
た第2の電極を信号路として使用する場合において、ゲ
ート電極を複数に分割することにより対応するチャネル
が分割されたLC素子が形成されており、分割されない
第2の電極が有するインダクタンスと分布定数的に形成
されたキャパシタンスとによりLC素子の特性がほぼ決
定されることになる。したがって、このチャネルの分割
状態を変えることにより発振周波数をある範囲で調整す
ることができ、正弦波発振回路の設計の自由度が増すこ
とにもなる。
【0063】また、請求項27の発明によれば、これと
は反対にチャネルを信号路として使用する場合におい
て、第2の電極が複数に分割されたLC素子が形成され
ており、第2の電極側を分割した場合であってもこの分
割状態を変えることにより発振周波数をある範囲で調整
することができ、正弦波発振回路の設計の自由度が増す
ことになる。
【0064】また、請求項28の発明によれば、請求項
11〜27の各ゲート電圧を変えることによりチャネル
抵抗が変更可能なLC素子が形成されている。このよう
に一方のインダクタ導体の抵抗であるチャネル抵抗を可
変に制御した場合には、この可変の程度に伴ってLC素
子の周波数特性も変更されることになるため、電圧制御
型の正弦波発振回路を容易に実現することができる。
【0065】また、請求項29または30の発明によれ
ば、半導体基板上に直接あるいは第1の絶縁層を形成し
た後に、第1の電極,第2の絶縁層,第2の電極を積層
するように形成することによりLC素子が形成されてい
る。しかも、これら第1および第2の電極をほぼ対向さ
せることにより、インダクタ導体として機能するこれら
2つの電極の間には分布定数的なキャパシタが形成され
る。このLC素子は、上述した請求項4〜28において
示したLC素子が半導体基板の内部も利用しているのに
対し、半導体基板表面を利用している点で異なるが、こ
の半導体基板を利用して反転増幅器等の他の部品ととも
に一体形成できることに変わりはなく、正弦波発振回路
の大量生産や小型化に適している。
【0066】また、請求項31または32の発明によれ
ば、2つの電極間に形成する絶縁層を、電極の酸化ある
いは化学気相法による酸化物や窒化物により構成したL
C素子が形成されている。このようにして絶縁層を形成
する工程や渦巻きあるいは蛇行形状の電極を形成する工
程は一般的な半導体製造技術によって実現されるもので
あり、他の部品とともに正弦波発振回路の全体を一体形
成する際に好都合となる。
【0067】また、請求項33の発明によれば、請求項
29〜32における2つの電極のいずれか一方を短くし
てこれらの電極を部分的に対向させることによりLC素
子が形成されている。
【0068】このように、半導体基板の表面を利用して
形成されたLC素子においても2つの電極により形成さ
れるインダクタ導体を部分的に対向させることが可能で
あり、部分対向させる割合等を変えることにより発振周
波数をある範囲で調整することができ、正弦波発振回路
の設計の自由度が増すことにもなる。
【0069】また、請求項34の発明によれば、請求項
29〜33における2つの電極のいずれか一方が複数に
分割されたLC素子が形成されており、この分割状態を
変えることにより発振周波数をある範囲で調整すること
ができ、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにな
る。
【0070】また、請求項35の発明によれば、正弦波
発振回路の全体が半導体基板上に一体形成されている点
が明確になっている。すなわち、上述したように各請求
項のLC素子は半導体基板を利用して形成されるもので
あり、インバータ論理回路あるいはソース接地回路やエ
ミッタ接地回路により構成される反転増幅器やその他の
部品とともに1つの半導体基板に一体形成した正弦波発
振回路を実現することは容易である。
【0071】
【実施例】以下、本発明を適用した一実施例の正弦波発
振回路について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0072】〔第1実施例〕図1は、本発明を適用した
第1実施例の正弦波発振回路1の詳細な構成を示す図で
ある。
【0073】同図に示すように、第1実施例の正弦波発
振回路1は、反転増幅器として機能するインバータ論理
回路10と、半導体基板上にインダクタ成分とキャパシ
タ成分とが分布定数的に形成されたLC素子12と、負
荷として機能するキャパシタ16とを含んで構成されて
いる。
【0074】インバータ論理回路10は、入力信号の論
理を反転、すなわち位相を180度ずらして出力すると
ともに、増幅器として動作する。このインバータ論理回
路10は、TTLロジック等任意のロジックを用いて実
現することができるが、入力インピーダンスが高くて回
路設計が容易なCMOSロジック、その中でも周波数が
高い正弦波を発振させる場合には高速タイプである74
HCシリーズ等のCMOSロジックが適している。
【0075】キャパシタ16は、負荷として機能するも
のである。インバータ論理回路10の内部容量で兼用で
きる場合にはこのキャパシタ16を省略することもでき
る。
【0076】LC素子12は、半導体基板上に2つのイ
ンダクタ成分とキャパシタ成分とが分布定数的に形成さ
れたものであり、この一方のインダクタ部分を介して信
号の帰還が行われる。以下、このLC素子12の具体例
を説明する。
【0077】図2は、半導体基板上に渦巻き形状のスパ
イラル電極を形成することによりLC素子を構成した場
合の平面図である。また、図3は図2に示したA−A線
拡大断面図である。
【0078】本実施例のLC素子12は、半導体基板で
あるp型シリコン基板(p−Si基板)34の表面付近
に形成された渦巻き形状のn+ 領域32と、さらにその
一部に形成された渦巻き形状のp+ 領域30とを含んで
おり、これらのn+ 領域32とp+ 領域30とがpn接
合層36を形成している。また、上述したp−Si基板
34に比べて、n+ 領域32およびp+ 領域30のそれ
ぞれは不純物濃度が高めに設定されており、このp−S
i基板34とn+ 領域32との間に逆バイアス電圧を印
加することにより、このp−Si基板34が良好なアイ
ソレーション領域として機能するようになっている。実
際は、p−Si基板34と後述する入出力電極28とを
同電位とすることにより、p−Si基板34とn+ 領域
32との間に確実に逆バイアス電圧を印加すればよい。
【0079】また、本実施例のLC素子12は、上述し
たn+ 領域32の表面側であって、このn+ 領域32に
沿った位置に渦巻き形状の第1のスパイラル電極20が
形成されている。同様に、p+ 領域30の表面側であっ
て、p+ 領域30に沿った位置に第2のスパイラル電極
22が形成されている。そして、第1のスパイラル電極
20の両端には2つの入出力電極24,26が接続され
ている。第2のスパイラル電極22の一方端(例えば外
周側)には入出力電極28が設けられている。このよう
に、第1および第2のスパイラル電極20,22に対す
る入出力電極24,26あるいは入出力電極28の取り
付けは、図2に示すように薄いn+ 領域32あるいはp
+ 領域30を傷つけないように能動領域の外側で行われ
る。
【0080】このような構造を有する本実施例のLC素
子12は、渦巻き形状を有している第1および第2のス
パイラル電極20,22のそれぞれがインダクタ導体と
して機能することになる。また、第1および第2のスパ
イラル電極20,22のそれぞれに電気的に接続された
pn接合層36が逆バイアスの状態で使用されると渦巻
き形状のキャパシタとして機能する。したがって、第1
および第2のスパイラル電極20,22により形成され
るインダクタとpn接合層36によって形成されるキャ
パシタとが分布定数的に存在するLC素子12が形成さ
れる。
【0081】図4は、本実施例のLC素子12の等価回
路を示す図である。同図(A)に示すように、第1のス
パイラル電極20がインダクタンスL1を有するインダ
クタとして機能する。そして、図1に示す接続を行った
場合には、一方の入出力電極26から入力された信号が
この第1のスパイラル電極20を介して伝搬され、他方
の入出力電極24から出力される。また、他方の第2の
スパイラル電極22がインダクタンスL2を有するイン
ダクタとして機能する。
【0082】このような等価回路を有するLC素子12
において、第1のスパイラル電極20の電圧レベルを第
2のスパイラル電極22の電圧レベルよりも高く設定し
た場合には、n+ 領域32とp+ 領域30とからなるp
n接合層36に逆バイアス電圧がかかるため、このpn
接合層36がキャパシタンスCを有するキャパシタとし
て機能する。また、このキャパシタは第1のスパイラル
電極20と第2のスパイラル電極22の全長にわたって
分布定数的に形成されている。
【0083】図4(B)は、上述した逆バイアスを印加
するための構成である。具体的には、入出力電極24と
28との間に所定の逆バイアス電圧を印加するためのバ
イアス用電源38を接続する。
【0084】また、同図(C)に示すように、このバイ
アス用電源38の代わりに、逆バイアスの電圧レベルを
任意に変更することができる可変バイアス用電源44を
接続することにより、渦巻き形状に形成されたpn接合
層36のキャパシタンスCを任意に変化させることもで
きる。
【0085】一般に、pn接合層36に印加される逆バ
イアス電圧の大小に応じてpn接合面に生じる空乏層の
幅が変化するため、これに伴いキャパシタンスCの値も
変動する。したがって、2つの入出力電極24、28を
介してpn接合層36に印加される逆バイアス電圧を変
えることにより、分布定数的に形成されるキャパシタン
スCを任意に変化させ、LC素子12全体としての周波
数特性を変更することができる。
【0086】また、図5は図1に示した正弦波発振回路
1内において実際にLC素子12に逆バイアスを印加す
るための具体的構成を示す図であり、一例として逆バイ
アス電圧を任意に変更可能な可変バイアス用電源44を
接続した場合が示されている。
【0087】本実施例の正弦波発振回路1では、図1に
示すようにLC素子12の第1および第2のスパイラル
電極20,22の一方端同士を接続することにより、こ
のLC素子12を共振回路として用いている。ところ
が、pn接合層36に逆バイアス電圧を印加するために
は、これら第1および第2のスパイラル電極20,22
を異なる電位に設定する必要があるため、若干の工夫が
必要となる。
【0088】図5(A)において、2つの入出力電極2
4,28間(第1および第2のスパイラル電極20,2
2間)に挿入されたキャパシタ16はこのためのもので
ある。すなわち、キャパシタ16を挿入することによ
り、第1および第2のスパイラル電極20,22を交流
的に接続するとともに直流的に分離しており、上述した
共振回路としての動作の確保とpn接合層36に対する
逆バイアス電圧の印加を可能にしている。このキャパシ
タ16は、LC素子12の共振特性に影響を与えないよ
うに充分大きな容量を有することが好ましいが、このキ
ャパシタ16の容量を考慮に入れて正弦波発振回路1全
体の発振周波数を決定する場合にはこの限りではない。
【0089】また、同図(A)に示す可変バイアス電源
44は、実際に回路の一部として組み込む場合には、同
図(B)に示すように可変抵抗52と充分に大きな抵抗
値を有する抵抗54とを組み合わせて構成することがで
きる。すなわち、可変抵抗52により所定の逆バイアス
電圧を作り出し(但し、実際の逆バイアス電圧はこの可
変抵抗52により設定される第2のスパイラル電極22
側の電位と、インバータ論理回路10の出力端に直接接
続された第1のスパイラル電極20の電位との差とな
る)、この逆バイアス電圧を充分大きな抵抗54を介し
てLC素子12の入出力電極28に印加することによ
り、信号の交流成分に影響を与えない、すなわちLC素
子12の共振特性に影響を与えない逆バイアス電圧の印
加が可能となる。
【0090】また、同図(C)は、第2のスパイラル電
極22側のキャパシタ16に代えて、第1のスパイラル
電極20の両側に2つのキャパシタ46,48を設けた
場合である。帰還ループに挿入された第1のスパイラル
電極20の電位を上げ下げするため、第1のスパイラル
電極20の全体を直流的に分離する必要があり、このた
めに上述した2つのキャパシタ46,48が必要とな
る。
【0091】このように、LC素子12内のpn接合層
36に逆バイアス電圧を印加するためには、第1および
第2のスパイラル電極20,22間にキャパシタを設け
てこれらを直流的に分離する必要があるが、第1および
第2のスパイラル電極20,22のいずれの側の電位を
上げ下げするかは自由であり、相対的にpn接合層36
に逆バイアス電圧が印加されればよい。
【0092】なお、図5ではpn接合層36に可変の逆
バイアス電圧を印加する場合を例にとり説明したが、図
4のバイアス用電源38によって固定の逆バイアス電圧
を印加するようにしてもよい。また、このバイアス用電
源38を実際の回路の一部として組み込む場合には、図
5(B)等に示した可変抵抗52を例えば2つの固定抵
抗からなる分圧回路に置き換えればよい。
【0093】図6は、本実施例のLC素子12の製造工
程を示す図である。図2のB−B線断面の各製造工程毎
の状態が示されている。
【0094】(1)エピタキシャル層の成長:まず最初
に、p−Si基板34(ウエハ)表面の酸化膜を除去し
た後に、p−Si基板34の表面全体にn+ 型エピタキ
シャル層35を成長させる(同図(A))。
【0095】(2)アイソレーション領域の形成:次
に、図2に示したn+ 領域32およびp+ 領域30を除
く領域をアイソレーション領域とするために、p型不純
物の拡散あるいはイオン注入を行う。
【0096】具体的には、まずエピタキシャル層35の
表面を熱酸化して酸化膜40を形成する。そして、フォ
トリソグラフィによってp領域を形成すべき位置の酸化
膜40を除去した後に、p型不純物を熱拡散あるいはイ
オン注入により選択的に添加することにより、p領域が
選択的に形成される。このようにして形成されたp領域
は、p−Si基板34の一部となってアイソレーション
領域を形成する(同図(B))。
【0097】このようにしてアイソレーション領域の形
成が行われた結果、残されたエピタキシャル層35によ
って渦巻き形状のn+ 領域32が形成される。
【0098】(3)pn接合層の形成:次に、渦巻き形
状に形成されたn+ 領域32の一部にp型不純物を熱拡
散あるいはイオン注入により導入することにより、渦巻
き形状のp+ 領域30を形成する(同図(D))。
【0099】具体的には、まずn+ 領域32を含むp−
Si基板34の表面を熱酸化して酸化膜42を形成す
る。そして、フォトリソグラフィによってp+ 領域30
を形成すべき位置の酸化膜42を除去した後に、p型不
純物を熱拡散あるいはイオン注入により選択的に添加す
ることにより、p+ 領域30が選択的に形成される。
【0100】このp+ 領域30は、先に形成されたn+
領域32中に形成する必要があるため、既に導入されて
いるn型不純物の量以上のp型不純物を添加することに
より、p+ 領域30が形成される。
【0101】このようにして、n+ 領域32とp+ 領域
30とからなる渦巻き形状のpn接合層36が形成され
る。
【0102】(4)スパイラル電極の形成:次に、熱酸
化により表面に酸化膜43を形成した後にフォトリソグ
ラフィによってn+ 領域32とp+ 領域30のそれぞれ
の表面に渦巻き形状の窓あけを行い、その後この渦巻き
形状に窓あけされた部分に、例えばアルミニウムを蒸着
することにより第1および第2のスパイラル電極20,
22を形成する(同図(D))。また、その後3つの入
出力電極24,26,28のそれぞれをアルミニウムの
蒸着により形成する。
【0103】本実施例のLC素子12を製造する工程
は、基本的には通常のバイポーラトランジスタあるいは
ダイオードを製造する工程と類似しており、pn接合層
36やその間のアイソレーション領域の形状等が異なる
ものである。したがって、一般のバイポーラトランジス
タを製造する工程においてフォトマスクの形状を変更す
ることにより対応することができ、製造が容易になると
ともに小型化にも適している。
【0104】なお、上述した本実施例のLC素子12の
製造工程においては、最初にエピタキシャル成長により
+ 領域を表面全体に形成した後にアイソレーションを
行う場合を例にとり説明したが、p−Si基板34の表
面に酸化膜を形成した後にフォトリソグラフィにより渦
巻き形状のn+ 領域32に対応する窓あけを行い、この
部分に熱拡散あるいはイオン注入によりn型不純物を導
入することによりn+領域32を形成した後に、同様の
方法により直接的にp+ 領域30を形成してもよい。ま
た、pn接合層を形成する方法については、一般的な半
導体製造技術を用いることができる。
【0105】このように、本実施例のLC素子12は、
第1および第2のスパイラル電極20,22のそれぞれ
がインダクタを形成するとともに、これらの電極間に形
成された渦巻き形状のpn接合層36が逆バイアスで使
用されることによりキャパシタとして機能する。しか
も、第1および第2のスパイラル電極20,22の全長
にわたってpn接合層36が形成されているため、第1
および第2のスパイラル電極20,22によって形成さ
れるインダクタンスL1,L2の2つのインダクタとp
n接合層36によって形成されるキャパシタンスCのキ
ャパシタとが分布定数的に存在している。
【0106】図7は、図2および図3に示す構造を有す
る分布定数型のLC素子12の一般的な特性を示す図で
ある。
【0107】なお、同図に示した特性は、両端近傍に入
出力リードが取り付けられている帯状導電体と、一端近
傍に接地用リードが取り付けられている帯状導電体とを
誘電体シートを挟んで積層した後に巻き回すことにより
形成されたLC素子(例えば、特開平2−26114号
公報に開示された「3端子型ノイズフィルタ」を用いて
測定したものである。このLC素子の接地用リードとそ
の近傍に設けられた一方の入出力リードとを電気的に接
続して共通のリードとして取り扱うことにより、このL
C素子を2端子素子として使用し、この2つの端子間の
特性をベクトルインピーダンスメータにより測定した結
果が示されている。なお、同図のAおよびBで示した特
性曲線は帯状導電体の各種寸法と巻回し数とを変えて測
定した結果をそれぞれ示している。
【0108】同図の特性曲線AあるいはBで示されるL
C素子12について、低周波側から高周波側に向かって
インピーダンスの大きさを観察していくと、まず極大
(a1あるいはb1)となった後に極小(a2あるいは
b2)となるように変化する。この極大点は並列共振回
路としての傾向を示しており、極小点は直列共振回路と
しての傾向を示している。一般に、この極大点と極小点
の間で位相が大きく変化することが知られており、本実
施例の正弦波発振回路1においては、負荷となるキャパ
シタ16やその他の部品の素子定数との関係で決まるこ
の間の特定周波数で共振による発振が生じる。
【0109】実際に図2および図3に構造を示したLC
素子12を形成した場合には、第1および第2のスパイ
ラル電極20,22をp−Si基板34上に小さな径で
形成することになるため、2枚の帯状導電体を誘電体シ
ートを挟んで積層して巻き回すことにより形成したLC
素子に比べると、特性全体が高周波側に移行することが
考えられが、いずれのLC素子も分布定数的にインダク
タとキャパシタとが形成されている点は同じであり、イ
ンピーダンス特性自体の傾向に変わりはない。
【0110】本実施例の正弦波発振回路1は、このよう
な特性を有するLC素子12とインバータ論理回路10
とをリング状に接続している。したがって、インバータ
論理回路10の増幅度をある値以上にすることによりル
ープ利得を1以上に設定した場合には、LC素子12と
インバータ論理回路10のそれぞれにおいて信号の位相
が180度ずれて一巡して戻ってくる信号の位相のずれ
が0度あるいは360度となるような周波数で発振す
る。
【0111】換言すれば、インバータ論理回路10によ
って位相が180度ずれるため、LC素子12によって
位相を180度ずらすとともに、帰還ループを一巡した
ときの減衰分を反転増幅器であるインバータ論理回路1
0の増幅率によって補うことができれば、ある周波数の
発振が継続されることになる。
【0112】このように、本実施例の正弦波発振回路1
は、基本的には1つのインバータ論理回路10とLC素
子12,キャパシタ16といった少ない種類の部品を組
み合わせるだけで、簡単に正弦波を発生させることがで
きる。特に、2端子素子として使用されるLC素子12
は、従来のLC直列共振回路やLC並列共振回路等と異
なり、1つの素子内にインダクタとキャパシタとが分布
定数的に形成されたものであるため、発振回路を構成す
る際にインダクタとキャパシタとを別々に用意して接続
する手間がなくなる。
【0113】例えば、所定のLとCを有するインダクタ
とキャパシタを個別に用意してLC共振回路を構成して
正弦波発振回路を製造する場合には、異なった材料およ
び異なった工程により製造された各部品を回路設計者が
任意に組み合わせることができるため、回路設計者に多
くの自由度を与える反面、設計・製造について大きな負
担を強いることになる。
【0114】一方、図2に示したLC素子12は、イン
ダクタとキャパシタとが同一工程で同時に製造すること
ができるため、回路設計者の負担を軽減できると同時に
製造も容易になる利点がある。また、同一工程でインダ
クタとキャパシタとが一体的に形成されているため、配
線の手間が低減できることは勿論であるが、特性も安定
化することになる。
【0115】したがって、このような数々の利点を有す
るLC素子12を用いて正弦波発振回路1を構成するこ
とができれば、その利点はそのまま正弦波発振回路1全
体の利点でもあり、本実施例の正弦波発振回路1は、従
来の正弦波発振回路よりも設計および製造が容易であ
り、特性が安定しているといえる。
【0116】さらに、本実施例の正弦波発振回路1は、
インダクタ成分とキャパシタ成分とを有するLC素子1
2が半導体基板(p−Si基板34)上に形成されてい
る点に大きな特徴がある。しかも、当然ながら図1に示
したインバータ論理回路10やキャパシタ16も同一の
半導体基板上に形成することができるため、正弦波発振
回路1の全体を1つの半導体基板上に一体形成すること
ができ、回路全体の大量生産や小型化が可能になる。ま
た、この半導体基板上への回路の一体形成は、現在の半
導体製造技術を用い、フォトマスクの形状の変更等を行
うだけで容易に行うことができるので、大量生産や小型
化に伴う大幅なコストダウンも可能になる。
【0117】また、図2および図3に構造を示したLC
素子12は、pn接合層36に印加する逆バイアス電圧
の値を変更するだけで、分布定数的に形成されるキャパ
シタンスCの値を変更することができる。一般に、図7
に示した特性は、インバータ論理回路10とキャパシタ
16の各素子特性を固定化して考えると、LC素子12
のインダクタンスL1,L2とキャパシタンスCに基づ
いて決定されるため、LC素子12のキャパシタンスC
を変更することができれば、その変更の度合いに応じて
正弦波発振回路1の発振周波数自体が変わることにな
る。
【0118】このように、本実施例の正弦波発振回路1
は、LC素子12のpn接合層36に印加する逆バイア
ス電圧を変えることにより、容易に電圧制御型の発振回
路とすることができる。しかも、このような電圧制御型
の発振回路とした場合であっても、周波数変更用の素子
を追加する必要もなく、正弦波発振回路1の構成部品を
最小限に押さえることができる。
【0119】図8は、上述したLC素子12の変形例を
示す図である。図2および図3に構造を示したLC素子
12は、第1および第2のスパイラル電極20,22が
ほぼ全長にわたって平行に、すなわちほぼ同一の長さに
形成されたものであるが、図8に示したLC素子12a
は、図2および図3に示した第2のスパイラル電極22
を所定のターン数(例えば約1ターン)短くするととも
に、これに対応するpn接合層36も所定のターン数分
短くした点に特徴がある。
【0120】図8に示すように、第2のスパイラル電極
22および対応するpn接合層36を部分的に省略した
場合であっても、短くなった第2のスパイラル電極22
およびこれに隣接する第1のスパイラル電極20により
形成されるインダクタと、短くなったpn接合層36に
より形成されるキャパシタとが分布定数的に形成される
ため、基本的には図2および図3に示したLC素子12
と同様の特性を有することになる。
【0121】図9は、図8に示したLC素子の等価回路
を示す図である。同図(A)に示すように、第2のスパ
イラル電極22のターン数が少なくなった分だけインダ
クタンスL3も小さくなり、これに対応して分布定数的
に形成されるキャパシタンスC1も小さくなる。
【0122】また、同図(B),(C)には短くなった
pn接合層36に固定あるいは可変の逆バイアス電圧を
印加するための構成が示されている。図4(B),
(C)と同様に、入出力電極24と28との間に固定あ
るいは可変の逆バイアス電圧を印加するためのバイアス
用電源38あるいは可変バイアス用電源44を接続すれ
ばよい。
【0123】このように、LC素子12aの第1および
第2のスパイラル電極20,22を部分的に対向させる
とともにそれらの電極間に形成されたpn接合層36を
短く形成した場合には、このpn接合層36により分布
定数的に形成されるキャパシタンスC1が図2および図
3に示したLC素子の場合に比べて小さくなるため周波
数特性も変化する。換言すれば、この部分的に対向する
第1および第2のスパイラル電極20,22の長さを調
整するとともに、その間に形成されるpn接合層36を
所定の長さとすることにより、所望の周波数特性が得ら
れることになり、本実施例の正弦波発振回路1等におけ
る発振周波数を任意に設定することができる。これによ
り、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにもな
る。
【0124】図10は、上述したLC素子12の他の変
形例を示す図である。同図に示すLC素子12bは、第
2のスパイラル電極22側を複数に分割(例えば2分
割)するとともに、第1および第2のスパイラル電極2
0,22間に形成されるpn接合層36も複数に分割し
た点に特徴がある。すなわち、同図に示すLC素子12
bは、第2のスパイラル電極22が2つの分割電極片2
2−1,22−2から構成されており、これら各分割電
極片22−1,22−2に接するp+ 領域30も分割さ
れている。分割された各p+ 領域30のそれぞれとn+
領域32とにより2組のpn接合層36が形成されてい
る。さらに、2つの分割電極片22−1,22−2の各
一方端(最外周側と最内周側)にはそれぞれ入出力電極
28が設けられている。
【0125】図11は、図10に示したLC素子の等価
回路を示す図である。同図(A)に示すように、第1の
スパイラル電極20の全体がインダクタンスL1を有す
るインダクタとして機能するとともに、各分割電極片2
2−1,22−2のそれぞれがインダクタンスL4,L
5を有するインダクタとして機能する。そして、第1の
スパイラル電極20と各分割電極片22−1,22−2
のそれぞれの間に形成されたpn接合層36がキャパシ
タンスC2,C3を有するキャパシタとして機能し、し
かもこれらのキャパシタが分布定数的に形成される。
【0126】また、図11(B)および(C)には、分
割されたpn接合層36に固定あるいは可変の逆バイア
ス電圧を印加するための構成が示されている。図4
(B),(C)と同様に、入出力電極24と28との間
に固定あるいは可変の逆バイアス電圧を印加するための
バイアス用電源38あるいは可変バイアス用電源44を
接続すればよい。また、このような電源を実際の回路内
で実現する場合には、図5(B)あるいは(C)に示す
ような可変抵抗52(バイアス電圧が固定の場合はこれ
に代えて2つの抵抗からなる分圧回路)と充分大きな抵
抗値を有する抵抗54を用いればよい。
【0127】このように、LC素子12bの第2のスパ
イラル電極22およびこれに対応するpn接合層36を
分割した場合には、各分割電極片22−1,22−2の
自己インダクタンスL4,L5が小さくなる。したがっ
て、これらの自己インダクタンスによるLC素子全体の
特性への影響は小さくなり、第1のスパイラル電極20
が有するインダクタンスL1と分布定数的に形成される
キャパシタC2,C3とによってLC素子12の特性が
ほぼ決定されることになる。このため、図8に示したL
C素子12aと同様に、第2のスパイラル電極22の分
割状態や、ほぼ特性を決定する第1のスパイラル電極2
0の形状等を検討することにより、所望の周波数特性を
有するLC素子とすることができ、設計の自由度が増す
ことになる。
【0128】〔第2実施例〕図12は、本発明を適用し
た第2実施例の正弦波発振回路2の詳細な構成を示す図
である。本実施例の正弦波発振回路2は、上述した第1
実施例の正弦波発振回路1が反転増幅器としてインバー
タ論理回路10を用いていたのに対し、反転増幅器とし
てMOS型(あるいは接合型)のFETによるソース接
地回路を使用している点に特徴がある。
【0129】すなわち、同図に示す正弦波発振回路2
は、図1に示すインバータ論理回路10を、ソース側が
接地されたMOS型のFET56とこのFET56のド
レイン側に接続された抵抗58とに置き換えた構成を有
しており、これらFET56と抵抗58とにより反転増
幅器として機能するソース接地回路が構成されている。
【0130】正弦波発振回路2の動作原理は、上述した
正弦波発振回路1と同じであり、LC素子12とソース
接地回路とによって一巡した信号の位相のずれが0度あ
るいは360度になる特定周波数の信号が選択され、こ
の周波数で発振が行われる。
【0131】また、LC素子12については、図2およ
び図3に示したようなp−Si基板34に第1および第
2のスパイラル電極20,22とpn接合層36を形成
することにより構成することができ、回路内の接続方法
もMOS−FET56と抵抗58とからなるソース接地
回路を反転増幅器として使用している他は図1に示した
正弦波発振回路1と変わるところはない。なお、LC素
子12を図8および図10に示したLC素子12aある
いは12bに置き換えることができることはいうまでも
ない。
【0132】このように、反転増幅器としてFET56
と抵抗58とからなるソース接地回路を用いるととも
に、インダクタとキャパシタとが分布定数的に形成され
て所定の共振特性を有するLC素子12をこの反転増幅
器に直列に、かつリング状に接続することにより正弦波
発振回路2を構成しており、簡単な構成により正弦波を
発生させることができる。
【0133】特に、ソース接地回路により反転増幅器を
構成した場合には、本実施例の正弦波発振回路3の全体
を一般的な半導体製造技術により製造することができる
ため、半導体基板上に一体形成する際にさらに好都合と
なり、回路の高密度実装化やIC化,LSI化に適して
いる。
【0134】図13は、本実施例の変形例を示す図であ
る。同図(A)に示す正弦波発振回路3aは、図12に
示した正弦波発振回路2にバイアス回路を追加した点に
特徴がある。
【0135】すなわち、図12に示した正弦波発振回路
2ではLC素子12を介した帰還信号が直接FET56
のゲートに入力されているため、ソース接地回路を構成
する抵抗58等の素子定数を適切に調整することにより
FET56がMOS型の場合に限り、FET56の動作
点は自動的に最適な値に設定される。これに対し、図1
3(A)に示した正弦波発振回路3aでは、任意のゲー
ト電圧を設定可能なバイアス回路が抵抗60と62とに
よる分圧回路により形成されており、FET56の最適
な動作点の調整を簡単に行うことができる。
【0136】なお、キャパシタ18は、FET56のゲ
ートに帰還される信号から直流成分を除去するための直
流成分分離回路として機能するものであり、入力される
信号の位相を変えない程度の大きな容量値を有するもの
を使用することが好ましい。
【0137】また、図12(B)に示した正弦波発振回
路3bは、接合型のFET64を用いてソース接地回路
を構成した点に特徴がある。
【0138】MOS型のFET56を接合型のFET6
4に置き換えるとともに、FET64のソース側に抵抗
82とキャパシタ84からなる並列回路を挿入し、ゲー
ト側を抵抗80を介して接地する。
【0139】この並列回路を構成する抵抗82は、比較
的低い抵抗値を有している。これは、あまり抵抗値が大
きなものであると抵抗82による電圧降下が大きくなる
ため、FET64のソース・ドレイン間電圧が小さくな
り、適切な動作点が確保できなくなるおそれがあるから
である。また、キャパシタ84は、交流的にFET64
のソースを接地するためのものである。さらに、抵抗8
0は高抵抗を有しており、FET64のゲート側を交流
的に接地しないようにすると同時にこのゲート側のバイ
アスを安定させるものである。このような接続により、
FET64のゲートとソースあるいはドレイン間に相対
的に逆バイアス電圧が印加され、FET64と抵抗58
によるソース接地回路が反転増幅器として動作する。
【0140】なお、上述した第2実施例の正弦波発振回
路2,3a,3bにおいて、実際にLC素子12,12
a,12b内のpn接合層36に固定あるいは可変の逆
バイアス電圧を印加する場合には、図5に示すようにキ
ャパシタ16等を用いて第1および第2のスパイラル電
極20,22を直流的に分離する必要があることはいう
までもない。また、この点については後述する第3実施
例の正弦波発振回路についても同様である。
【0141】〔第3実施例〕図14は、本発明を適用し
た第3実施例の正弦波発振回路4の詳細な構成を示す図
である。本実施例の正弦波発振回路4は、上述した第1
実施例の正弦波発振回路1が反転増幅器としてインバー
タ論理回路10を、第2実施例の正弦波発振回路2,3
が反転増幅器としてMOS型あるいは接合型のFETに
よるソース接地回路を使用していたのに対し、反転増幅
器としてバイポーラトランジスタによるエミッタ接地回
路を使用している点に特徴がある。
【0142】すなわち、同図に示す正弦波発振回路4
は、図1に示すインバータ論理回路10をバイポーラト
ランジスタ66と抵抗68とからなるエミッタ接地回路
に置き換えた構成を有しており、このエミッタ接地回路
が反転増幅器として動作する。
【0143】なお、バイポーラトランジスタ66のベー
スにはコレクタから抵抗70を介して所定のバイアスが
印加されており、これにより適切な動作点が設定されて
いる。また、帰還ループに挿入されたキャパシタ72
は、直流成分を除去するための直流成分分離回路として
機能するものである。
【0144】正弦波発振回路4の動作原理は、上述した
正弦波発振回路1等と同じであり、LC素子12とエミ
ッタ接地回路とによって一巡した信号の位相のずれが0
度あるいは360度になる特定周波数の信号が選択さ
れ、この周波数で発振が行われる。
【0145】また、LC素子12については、第1実施
例および第2実施例と同様に、図2および図3に示した
ようなp−Si基板34に第1および第2のスパイラル
電極20,22とpn接合層36を形成することにより
構成することができ、回路の接続方法もバイポーラトラ
ンジスタ66と抵抗68とからなるエミッタ接地回路を
反転増幅器として使用している他は図1に示した正弦波
発振回路1等と変わるところはない。なお、LC素子1
2を図8および図10に示したLC素子12aあるいは
12bに置き換えることができることはいうまでもな
い。
【0146】このように、バイポーラトランジスタ66
と抵抗68とからなる反転増幅器(エミッタ接地回路)
とLC素子12とをリング状に接続するという簡単な構
成により正弦波を発生させることができる。
【0147】また、図2および図3に示したLC素子1
2は、バイポーラトランジスタと類似した断面構造を有
しているため、これらのLC素子12とバイポーラトラ
ンジスタ66とを含む正弦波発振回路4の全体を同一の
半導体製造技術を用いて形成することが可能であり、一
体成形による大量生産および小型化にさらに好都合とな
る。
【0148】なお、コレクタに接続したバイアス印加用
の抵抗70を用いずに、図13(A)に示したような抵
抗60,62とによる分圧回路を追加して、バイポーラ
トランジスタ66のベースに一定のバイアス電圧を印加
するようにしてもよい。このように、バイアス印加用の
分圧回路を別に用意することにより、コレクタに現れる
電圧レベルにかかわらず常に一定のバイアス電圧を印加
することができ、バイポーラトランジスタ66の安定し
た動作点を確保することができるようになる。
【0149】〔その他の実施例〕次に、本発明を適用し
た他の実施例について説明する。以下に説明する各種実
施例は、上述した第1実施例〜第3実施例において使用
したLC素子12を他の構造によって実現したものであ
る。
【0150】図15は、他の実施例におけるLC素子の
概略構造を示す平面図である。また、図16は図15に
示したA−A線拡大断面図である。
【0151】これらの図に示す本実施例のLC素子12
cは、半導体基板であるp−Si基板134の表面付近
にn領域130を形成することにより、n領域130と
p領域132からなるpn接合層136が形成されてい
る。
【0152】また、本実施例のLC素子12cは、上述
したn領域130の表面側に渦巻き形状の第1のスパイ
ラル電極120が形成されている。同様に、p領域13
2の表面側、すなわち第1のスパイラル電極120に対
してpn接合層136を挟んだ反対側であって、第1の
スパイラル電極120とほぼ対向する位置に第2のスパ
イラル電極122が形成されている。そして、第1のス
パイラル電極120の両端には2つの入出力電極24,
26が設けられている。第2のスパイラル電極122の
一方端(例えば外周側)には入出力電極28が設けられ
ている。
【0153】このような構造を有する本実施例のLC素
子12cは、図2および図3に示したLC素子12と同
様に、渦巻き形状を有する第1および第2のスパイラル
電極120,122のそれぞれがインダクタ導体として
機能することになる。
【0154】また、第1および第2のスパイラル電極1
20,122の間に形成されたpn接合層136が逆バ
イアスの状態で使用されるとキャパシタとして動作す
る。なお、図22に示すように、pn接合層136は大
きな対向電極(n領域130とp領域132のそれぞれ
が対向電極に相当する)を有する1つのキャパシタと考
えられる。しかし、一般にn領域130とp領域132
のそれぞれは第1および第2のスパイラル電極120,
122に比べて比抵抗が大きいため、第1および第2の
スパイラル電極120,122間に交流信号を流した場
合には、対向する第1および第2のスパイラル電極12
0,122間の渦巻き形状のキャパシタを介してのみ交
流信号が流れ、第1および第1のスパイラル電極12
0,122の異なる周回部分間に形成されるキャパシタ
にはほとんど交流信号が流れない。したがって、第1お
よび第2のスパイラル電極120,122の各周回部分
以外のpn接合層136はキャパシタとしてほとんど機
能することなく、第1および第2のスパイラル電極12
0,122の周回部分に沿った渦巻き形状部分のみが実
質的にキャパシタとして動作すると考えることができ
る。
【0155】したがって、第1および第2のスパイラル
電極120,122により形成されるインダクタとpn
接合層136により形成される渦巻き形状のキャパシタ
とが分布定数的に存在するLC素子12cが構成され
る。
【0156】このような構造を有するLC素子12cの
等価回路は、図4に示したものをそのまま適用すること
ができる。また、固定あるいは可変の逆バイアス電圧を
印加するバイアス用電源38あるいは可変バイアス用電
源44を接続することにより、固定あるいは可変の所定
の逆バイアス電圧を印加でき、これにより所定のキャパ
シタを設定できる点も同様である。
【0157】図17は、図15に示したLC素子12の
変形例を示す図であり、図8に対応するものである。す
なわち、図17に示したLC素子12dは、図15に示
したLC素子の第2のスパイラル電極122を所定のタ
ーン数(例えば約1ターン)短くした点に特徴があり、
この変更にともない、第1および第2のスパイラル電極
120,122間にあって分布定数的なキャパシタとし
て機能する渦巻き形状のpn接合層136も所定のター
ン数分短くなる。
【0158】図18は、図15に示したLC素子12c
の他の変形例を示す図であり、図10に対応するもので
ある。すなわち、第2のスパイラル電極122を複数に
分割(例えば2分割)するとともに、これら各分割電極
片122−1,122−2の一方端のそれぞれに入出力
電極28を接続した点に特徴がある。等価回路としては
図11に示したものをそのまま適用することができる。
【0159】このように、第2のスパイラル電極122
を複数に分割することにより、これに対応して形成され
る渦巻き形状のpn接合層136も複数に分割される。
したがって、第2のスパイラル電極122の各分割電極
片の自己インダクタンスが小さくなって、LC素子12
e全体の特性が第1のスパイラル電極120のインダク
タンスL1および分割されたpn接合層136が有する
各キャパシタンスC2,C3とによりほぼ決定されるこ
とになる。
【0160】図17あるいは図18に示したように、第
1および第2のスパイラル電極120,122を部分的
に対向させることにより、あるいは一方の第2のスパイ
ラル電極122を複数に分割することにより、図15に
示したLC素子12cとは周波数特性が異なるLC素子
とすることが可能となる。したがって、第2のスパイラ
ル電極122の長さや分割する場所あるいは分割数を任
意に設定することにより、所望の周波数特性を有するL
C素子を得ることができ、これにより図1に示した正弦
波発振回路1等の発振周波数をある範囲で任意に設定す
ることができる。
【0161】なお、上述した第1および第2のスパイラ
ル電極120,122をほぼ対向させて形成したLC素
子は、p−Si基板134の全体をn領域130とp領
域132からなるpn接合層136とした場合を例にと
り説明したが、図19に示すように、n領域130(あ
るいはp領域132でもよい)を第1のスパイラル電極
120に沿った渦巻き形状としてもよい。この場合に
は、渦巻き形状に沿って形成されたn領域130とp領
域132との境界面(pn接合面)に空乏層が生じて渦
巻き形状のキャパシタが形成されることになるため、図
16に示した構造よりも確実に渦巻き形状のキャパシタ
を形成することができる。
【0162】また、実際にp−Si基板134をn領域
130とp領域132とからなるpn接合層136とす
る場合には、p−Si基板134の厚みをウエハの状態
よりも薄くする必要がある。また、一般にはn型ウエハ
の方が入手しやすいことを考慮して、図20に示すよう
な構造としてもよい。
【0163】すなわち、同図(A)に示すように、n−
Si基板144の表面にエピタキシャル成長等によりp
領域132を形成した後にn−Si基板144の裏面側
にエッチングをおこない、このエッチングを行った部分
に第1および第2のスパイラル電極120,122を形
成する。また、同図(B)に示すように、n−Si基板
144の表面側に順にp+ 領域146およびn+ 領域1
48を形成した後にn−Si基板144のエッチングを
行い、このエッチングを行った部分に第1および第2の
スパイラル電極120,122を形成する。また、同図
(C)に示すように、n−Si基板144の一部に第1
のスパイラル電極120にほぼ沿うように渦巻き形状の
+ 領域146を形成した後に、さらにその上に渦巻き
形状のn+ 領域148を形成し、その後n−Si基板1
44の裏面側であって第2のスパイラル電極122に対
応する部分のエッチングを行い、このエッチングを行っ
た部分に第1および第2のスパイラル電極120,12
2を形成する。
【0164】また、上述した各変形例のLC素子は第1
のスパイラル電極120と第2のスパイラル電極122
とを完全に対向するように図示したが、第1および第2
のスパイラル電極120,122がpn接合層136に
よって形成されるキャパシタの電極として機能すればよ
いため、これらのスパイラル電極120,122をほぼ
対向するように少しずらして配置してもよい。
【0165】図21は、LC素子の他の例を示す図であ
る。同図に示すLC素子12fは、図2に示したLC素
子12の第1および第2のスパイラル電極20,22の
形状を変更した点に特徴がある。具体的には本実施例の
LC素子12fは、図2において渦巻き形状を有する第
1および第2のスパイラル電極20,22に代えて蛇行
形状を有する第1および第2の電極150,152を有
しており、これら2つの電極150,152に沿うよう
に蛇行形状を有するpn接合層154が形成されてい
る。
【0166】図22は、蛇行形状を有する第1および第
2の電極150,152によって形成されるインダクタ
の原理を示す図である。同図に示すように、凹凸状に屈
曲した蛇行形状を有する電極150あるいは152に一
方向の電流を流した場合には、隣接する凹凸部分で向き
が反対となるような磁束が交互に発生し、あたかも1/
2ターンのコイルが直列に接続された状態になる。した
がって、第1および第2の電極150,152のそれぞ
れは所定のインダクタンスを有するインダクタとして機
能し、等価回路については図4に示したものをそのまま
適用することができる。
【0167】また、渦巻き形状の電極とした場合には電
極の両端部のいずれか一方が中心部に位置し、他方が周
辺部に位置するのに対し、蛇行形状の電極150,15
2ではその両端が周辺部に位置することになるので、入
出力電極24,26,28を外部に引き出す際に好都合
となる。
【0168】また、このような構造を有するLC素子1
2fにおいて、第2の電極152側を短く形成したり、
複数に分割するようにしてもよい。
【0169】図23は、図21に示した第2の電極15
2側の長さを約半分にしたLC素子12gを示してお
り、図8に対応している。また、図24は、この第2の
電極152側を複数に分割(例えば2分割)したLC素
子12hを示しており、図10に対応している。
【0170】また、図25〜27は、LC素子の他の例
を示す図である。図25に示すLC素子12iは、蛇行
形状を有する第1および第2の電極160,162をp
−Si基板134を挟んでほぼ対向するように形成した
ものであり、図15に対応するものである。すなわち、
図15に示したLC素子12cは、渦巻き形状の第1お
よび第2のスパイラル電極120,122を対向させた
ものであるのに対し、本実施例のLC素子12iは第1
および第2の電極160,162の形状を蛇行形状とし
た点に特徴がある。したがって、蛇行形状を有する第1
および第2の電極160,162のそれぞれが所定のイ
ンダクタンスを有するインダクタとして機能するととも
に、これらに挟まれた蛇行形状のpn接合層136(断
面構造は図16に示したものと同じ)が分布定数的に形
成されたキャパシタとして機能することになる。
【0171】また、図26に示したLC素子12jは、
図25において示した第2の電極162の長さを約半分
にすることにより第1および第2の電極160,162
を部分的に対向させたものであり、図17に対応してい
る。さらに、図27に示したLC素子12kは、図25
において示した第2の電極162を2分割するととも
に、それぞれの端部に入出力電極28を接続したもので
あり、図18に対応するものである。
【0172】このように、pn接合層136が形成され
たp−Si基板134を挟んで蛇行形状の第1および第
2の電極160,162を対向させた場合であっても、
インダクタとキャパシタとが分布定数的に形成されたL
C素子を形成することができ、このLC素子を用いて図
1あるいは図12等に示した正弦波発振回路を構成する
ことができる。しかも、LC素子12が形成されたp−
Si基板134上に併せてインバータ論理回路10等を
形成することが可能であり、一体成形による大量生産や
小型化も容易に実現することができる。
【0173】図28はLC素子の他の例を示す図であ
る。また、図29は図28のA−A線拡大断面図、図3
0は図28のB−B線拡大断面図、図31は図28のC
−C線拡大断面図である。
【0174】これらの図に示す本実施例のLC素子12
mは、p−Si基板34の表面付近の隔たった位置に形
成された拡散領域であるソース212とドレイン214
の間をゲートとして機能する渦巻き形状のスパイラル電
極210に対する電圧の印加によって形成されるチャネ
ル222によって接続することに特徴がある。
【0175】なお、本実施例のLC素子12m(後述す
るMOS構造を有するLC素子も同様)は、MOS型の
断面構造を有しているため、基本的に類似する断面構造
を有するMOS型のFETのソースおよびドレイン等に
対応する部位についてはそのままの名称を使用してい
る。このように、便宜的にソースあるいはドレイン等の
名称を用いているため、例えばソースとドレインを入れ
換える等の変更は自由である。
【0176】上述したソース212およびドレイン21
4は、p−Si基板34を反転させてn+ 層の拡散領域
として形成される。例えば、As+ イオンを熱拡散ある
いはイオン打ち込みにより注入して不純物濃度を高める
ことにより形成される。
【0177】また、ゲートとして機能するスパイラル電
極210は、渦巻き形状の一方の端部がソース212の
一部に、他方の端部がドレイン214の一部にオーバー
ラップするように、p−Si基板34の表面に形成され
た絶縁層226を挟んで形成されている。スパイラル電
極210は、例えばアルミニウムや銅あるいは銀等の薄
膜を形成することによって、あるいは拡散またはイオン
注入でPを多量にドープすることにより形成する。
【0178】また、絶縁層226は、p−Si基板34
の表面において、このp−Si基板34とスパイラル電
極210とを絶縁するためのものである。p−Si基板
34の全表面(あるいは少なくともスパイラル電極21
0に対応する部分)がこの絶縁層226により覆われて
おり、さらにこの絶縁層226の表面に上述したスパイ
ラル電極210が形成される。この絶縁層226は、例
えばPを添加したSiO2 (P−ガラス)によって形成
されている。
【0179】また、上述したスパイラル電極210,ソ
ース212,ドレイン214のそれぞれには、図28〜
図31に示すように、入出力電極28および入出力電極
24,26が接続されている。すなわち、スパイラル電
極210に対する入出力電極28の取り付けは、図28
に示すように、薄いゲート膜(絶縁層226)を傷付け
ないように能動領域の外側で行われる。また、ソース2
12への入出力電極24の取り付け、およびドレイン2
14への入出力電極26の取り付けは、図31あるいは
図29に示すように、ソース212およびドレイン21
4の一部を露出させた後に、アルミニウムや銅あるいは
金や銀等の金属膜を付けることにより行われる。また、
渦巻き形状のほぼ中心部分に位置するドレイン214に
接続された入出力電極26は、図30に示すように、ス
パイラル電極210の各周回部分と絶縁状態を保つよう
に外周側に引き出されている。
【0180】上述したMOS構造を有する本実施例のL
C素子12mは、nチャネルエンハンスメント型の構造
を有しているものとすれば、スパイラル電極210に正
の電圧(正確にはサブストレートおよびソース212お
よびドレイン214に対して相対的に正の電圧)が印加
されたときにはじめてn型のチャネル222が形成され
ることになる。そして、このチャネル222と上述した
スパイラル電極210のそれぞれが渦巻き形状のインダ
クタ用導体として機能するとともに、これらチャネル2
22およびスパイラル電極210の間には分布定数的な
キャパシタが形成される。
【0181】図32は、チャネル222が形成される状
態を示す断面図であり、スパイラル電極210の渦巻き
方向に対して垂直方向にとった断面が示されている。ス
パイラル電極210に対して、すなわちスパイラル電極
210に接続された入出力電極28に正のゲート電圧が
印加されていない状態では、同図(A)に示すようにp
−Si基板34の表面にはチャネル222が現れない。
したがって、この状態では図28に示したソース212
とドレイン214とが絶縁された状態にある。
【0182】ところが、スパイラル電極210に対して
正のゲート電圧を印加すると、図32(B)に示すよう
に、スパイラル電極210に対応するp−Si基板34
の表面付近にn領域からなるチャネル222が出現す
る。このチャネル222は、スパイラル電極210の全
長にわたって形成されるため、スパイラル電極210と
チャネル222のそれぞれに蓄積される電荷によりこれ
らの間には分布定数的なキャパシタが形成されることに
なる。
【0183】図33は、本実施例のLC素子12mの断
面構造であり、スパイラル電極210の渦巻き方向に沿
った断面が示されている。同図に示すように、スパイラ
ル電極210に平行にチャネル222が形成され、この
チャネル222によってソース212とドレイン214
とが導通状態になる。例えば、エンハンスメント型の場
合は、スパイラル電極210にゲート電圧に相当する電
圧を印加した状態ではじめてこのチャネル222が形成
されてソース212とドレイン214とが導通状態とな
るが、スパイラル電極210に印加するゲート電圧を変
えることによりチャネル222の幅および深さが変わる
ため、ソース212とドレイン214との間のチャネル
222の抵抗値を変化させることができる。
【0184】図34は、本実施例のLC素子12mの等
価回路を示す図である。同図(A)に示す等価回路は、
スパイラル電極210に所定のバイアス電圧を印加する
ことによりチャネル222が形成され、これらのそれぞ
れがインダクタンスL1およびL2を有するインダクタ
として機能する場合が示されている。また、これらスパ
イラル電極210とチャネル222とによりキャパシタ
Cを有する渦巻き形状のキャパシタが形成される。
【0185】なお、後述するように、チャネル222が
形成される位置にあらかじめn型のキャリアを注入して
おくデプレション型構造としてもよい。
【0186】このような等価回路を有する本実施例のL
C素子12mは、信号入出力路となるチャネル222が
渦巻き形状に形成されるため、インダクタンスL1を有
するインダクタ導体として機能する。同様に、スパイラ
ル電極210がインダクタンスL2を有するインダクタ
導体として機能する。また、これら2つのインダクタ導
体は、絶縁層226を挟んで配置されることになるた
め、これらスパイラル電極210とチャネル222によ
って所定のキャパシタンスCを有するキャパシタが分布
定数的に形成される。
【0187】したがって、このLC素子12mは、図2
等に示したLC素子と同様に、インダクタとキャパシタ
とが分布定数的に形成されたものであり、図1に示した
正弦波発振回路1内のLC素子12に置き換えて使用す
ることができる。特に、このLC素子12mはMOS構
造を有しているため、製造工程が単純であり、しかもI
C化あるいはLSI化に際して好都合となる。
【0188】また、図34(B)は、スパイラル電極2
10に対して可変のゲート電圧Vgを印加する場合の構
成を示したものである。スパイラル電極210の一方端
に設けられた入出力電極28に印加するゲート電圧Vg
(正確には図33においてスパイラル電極210とサブ
ストレート224との間に印加されるゲート電圧)を変
えることにより、チャネル222の深さが変わるため、
チャネル222の移動度が変わって、結果的にチャネル
222の抵抗値を任意に変換させることができる。
【0189】これにより、LC素子12mにおける周波
数特性も変化するため、このLC素子12mを用いて図
1あるいは図12等に示した正弦波発振回路を構成した
場合には、印加するゲート電圧Vgに応じてその発振周
波数が変化する電圧制御型の正弦波発振回路を容易に実
現することができる。
【0190】なお、上述したLC素子12mは、ソース
212とドレイン214の間にnチャネルを形成する場
合を説明したが、この場合はキャリアとして電子が使用
されるため移動度が大きく、チャネル222の抵抗が小
さくなる。これに対し、n−Si基板上にpチャネルを
形成することにより、上述したLC素子12mを形成す
るようにしてもよい。この場合は、キャリアとしてホー
ルが使用されるため、チャネル222の抵抗が比較的大
きくなり、上述したnチャネルの場合と比較すると異な
る特性を有することになる。
【0191】また、上述したLC素子12mは、スパイ
ラル電極210がその渦巻き方向に長いため、確実にチ
ャネル222が形成されるようにするために、サブスト
レート224側の電位をスパイラル電極210の電位よ
り低く設定することが必要となる。
【0192】図35は、本実施例のLC素子12mの製
造工程を示す図であり、一例としてエンハンスメント型
の場合が示されている。なお、同図は、スパイラル電極
210の渦巻き方向に断面をとったものである。
【0193】(1)酸化膜の形成:まず最初に、p−S
i基板34の表面を熱酸化することにより、二酸化シリ
コンを形成する(同図(A))。
【0194】(2)ソース・ドレインの窓開け:次に、
p−Si基板34表面の酸化膜に対してフォトエッチン
グを行うことにより、ソース212およびドレイン21
4に対応する部分の窓開けを行う(同図(B))。
【0195】(3)ソース・ドレインの形成:次に、窓
開けした部分からn型不純物を注入することによりソー
ス212およびドレイン214を形成する(同図
(C))。例えば、n型不純物としてAs+が用いら
れ、この不純物が熱拡散によって注入される。また、こ
のn型不純物をイオン打ち込みにより注入する場合に
は、上述した(2)における窓開けは不要となる。
【0196】(4)ゲート領域の除去:次に、スパイラ
ル電極210を形成したい部分の酸化膜を除去すること
により、ゲート領域の開口部を形成する(同図
(D))。本実施例のLC素子12mの場合は、スパイ
ラル電極210を渦巻き形状に形成する必要があるた
め、このゲート領域開口部の形成も渦巻き形状になるよ
うに行われる。このようにしてスパイラル電極210に
対応する部分のみp−Si基板34が露出することにな
る。
【0197】(5)ゲート酸化膜の形成:次に、このよ
うにして部分的に露出したp−Si基板34に対して新
しい酸化膜、すなわち絶縁層226の形成を行う(同図
(E))。
【0198】(6)ゲートおよび電極の形成:次に、例
えばアルミニウム等を蒸着することにより、ゲートとし
て機能するスパイラル電極210を形成するとともに、
ソース212に接続される入出力電極24およびドレイ
ン214に接続される入出力電極26のそれぞれを形成
する(同図(F))。
【0199】このようにしてLC素子12mを製造する
工程は、基本的には通常のMOS−FETを製造する工
程と類似しており、スパイラル電極210の形状等が異
なるのみであるといえる。したがって、1つの半導体基
板上にLC素子12mとともに、インバータ論理回路1
0等の他の部品を一体形成した正弦波発振回路を形成す
る際に好都合となる。
【0200】また、図28に示した本実施例のLC素子
12mは、渦巻き形状のスパイラル電極210に対応し
て形成されるチャネル222を信号の伝搬路(帰還ルー
プの一部)として用いるようにしたが、チャネル222
とスパイラル電極210の機能を入れ替えるようにして
もよい。
【0201】図36に示すLC素子12nは、スパイラ
ル電極210の両端に入出力電極24,26を接続する
ことによりこのスパイラル電極210を信号の入出力路
として用いるとともに、チャネル222の一方端に形成
されたソース212(あるいはドレイン214)に入出
力電極28を接続したものである。
【0202】一般に、チャネル222の比抵抗はスパイ
ラル電極210の電極に比べて高いため、図1の正弦波
発振回路1等においてLC素子のチャネル222を介し
て帰還ループを形成する場合には、信号の電圧レベルの
減衰量が問題となる。すなわち、反転増幅器であるイン
バータ論理回路10によって増幅した際のループゲイン
が1以上でなければ発振が継続されないため、チャネル
222による減衰分を補うだけの増幅率をインバータ論
理回路10にもたせる必要がある。このため、図28に
示したLC素子12mを用いて正弦波発振回路1等を構
成した場合には、これらLC素子12mが形成されたp
−Si基板34のキャリア密度等を充分検討してチャネ
ル222の比抵抗を小さくしたり、このチャネル222
を充分な深さで形成するためにスパイラル電極210と
サブストレート224との間に印加する逆バイアス電圧
(ゲート電圧)を充分大きく設定する必要がある。
【0203】これに対し、図36に示したLC素子12
nにおいては、金属材料でスパイラル電極210を形成
する場合が一般的であり、この場合は金属材料で形成さ
れたスパイラル電極210同士が直列接続されて帰還ル
ープを形成しているため、比抵抗が充分小さく、このよ
うな問題が生じない。
【0204】また、スパイラル電極210側を信号の入
出力路として用いる場合には、ソース212あるいはド
レイン214のいずれか一方に入出力電極28を接続す
るため、他方を省略することができる。
【0205】また、上述したLC素子12m等は、スパ
イラル電極210に印加する電圧レベルをサブストレー
ト224に比べて相対的に高くしたときにチャネル22
2が形成されるエンハンスメント型の素子について説明
したが、デプレション型とすることもできる。すなわ
ち、図28あるいは図36に示したチャネル222の領
域にあらかじめキャリアを注入することによりn型領域
を形成しておく。これにより、スパイラル電極210に
印加する電圧レベルを相対的に高くすることなくチャネ
ル222を形成することができる。あるいはスパイラル
電極210に印加する電圧レベルとチャネル幅等との関
係を変えることができる。また、注入するキャリアはス
パイラル電極210に沿った一部の領域のみに注入して
もよい。
【0206】図37および図38は、図28に示したL
C素子12mの変形例を示す図であり、図37にはスパ
イラル電極210とチャネル222とを部分的に対向さ
せたLC素子12pが、図38にはスパイラル電極21
0側を複数に分割(例えば2分割)したLC素子12r
がそれぞれ示されている。
【0207】図37に示したLC素子12pは、機能的
には図8に示したLC素子12aに対応するものであ
り、図9に示した等価回路を適用することができる。同
様に図38に示したLC素子12rは、図10に示した
LC素子12bに対応するものであり、等価回路として
は図11に示したものを適用することができる。
【0208】このように、スパイラル電極210とチャ
ネル222とを部分的に対向させた場合、あるいはスパ
イラル電極210側を複数に分割した場合であっても、
スパイラル電極210およびチャネル222のそれぞれ
がインダクタとして機能するとともに、これらの間には
分布定数的にキャパシタが形成される点に変わりはな
く、図1に示した正弦波発振回路1等に適用することが
できる。しかも、図28に示したLC素子12mとは周
波数特性が異なるLC素子が形成されるため、一定範囲
で正弦波発振回路1等による発振周波数を調整すること
ができる。
【0209】ただし、図38に示したLC素子をエンハ
ンスメント型の素子として構成した場合には、スパイラ
ル電極210の分割部分においてチャネル222も分割
されてしまい、図1に示した正弦波発振回路1等におけ
る帰還ループを形成しないため、p−Si基板34の表
面近傍であってこの分割部分に対応する位置にあらかじ
めキャリアを注入して拡散領域213を形成しておき、
分割されたチャネル222がこの拡散領域213を介し
て常に1本の導体として使用できるようにする必要があ
る。
【0210】図39〜図42は、LC素子の他の例を示
す図であり、上述したMOS構造のLC素子のゲート電
極を蛇行形状に形成した場合が示されている。
【0211】具体的には、図39は図28に対応してお
り、図28に示した渦巻き形状のスパイラル電極210
を蛇行形状の電極210aに置き換えた構造を有するL
C素子12sが示されている。この電極210aに対応
して形成されるチャネル222を帰還ループの一部とし
て使用した正弦波発振回路が形成される。
【0212】同様に、図40は図36に対応するもので
あり、図39に示したLC素子12sとは反対に蛇行形
状の電極210a側が信号の入出力路となるLC素子1
2が示されている。
【0213】図41は、図37に対応するものであり、
蛇行形状の電極210aとチャネル222とを部分的に
対応させたLC素子12tが示されている。
【0214】図42は、図38に対応するものであり、
蛇行形状の電極210a側を複数に分割するとともに、
この分割位置に対応するp−Si基板34の表面近傍に
拡散領域213を形成しておいてチャネル222を1本
のインダクタ導体として使用するLC素子12uが示さ
れている。
【0215】このように、電極210aおよびチャネル
222を蛇行形状に形成した場合であっても、図22に
おいて示したように電極210a,チャネル222のそ
れぞれがインダクタとして機能し、しかも、これらの間
には分布定数的なキャパシタが形成される点に変わりは
なく、このような構造を有するLC素子を用いて図1に
示した正弦波発振回路1等を構成することができる。し
かも、これらのLC素子はp−Si基板34上にMOS
製造技術を用いて形成することが可能であり、図1に示
した正弦波発振回路1等の他の構成部品(例えばインバ
ータ論理回路10)とともに一体成形する場合に適して
おり、正弦波発振回路全体の大量生産や小型化を容易に
実現できる。
【0216】図43は、LC素子の他の例を示す図であ
る。また、図44は図43のA−A線拡大断面図、図4
5は図43のB−B線拡大断面図、図46は図43のC
−C線拡大断面図、図47は図43のD−D線拡大断面
図である。
【0217】これらの図に示すLC素子12vは、図2
8に示したLC素子12mがスパイラル電極210をイ
ンダクタ導体とゲート電極の機能を兼用していたのに対
し、これらの機能を分離した点に特徴がある。
【0218】具体的には本実施例のLC素子12vは、
半導体基板であるp−Si基板34の表面付近の隔たっ
た位置に形成されたソース212とドレイン214の間
を渦巻き形状の第1のスパイラル電極310に対する電
圧の印加によって形成されるチャネル222によって接
続することにより形成されている。
【0219】上述したソース212およびドレイン21
4は、p−Si基板34を反転させたn+ 領域として形
成される。例えば、As+ イオンを熱拡散あるいはイオ
ン打ち込みにより注入して不純物濃度を高めることによ
り形成される。
【0220】第1のスパイラル電極310は、ゲートと
して機能するものであり、渦巻き形状の一方の端部(外
周側)がソース212の一部に、他方の端部(中心側)
がドレイン214の一部にオーバーラップするように、
p−Si基板34の表面側に形成された絶縁層226を
挟んで形成されている。第1のスパイラル電極310
は、例えばアルミニウム膜を成形することによって、あ
るいは拡散またはイオン注入でPを多量にドープするこ
とにより形成する。
【0221】また、上述した第1のスパイラル電極31
0とほぼ平行であって、ほぼ同心状に第2のスパイラル
電極312が形成されている。この第2のスパイラル電
極312と第1のスパイラル電極310との間に所定の
ゲート電圧を印加することにより、第1のスパイラル電
極310に対向するp−Si基板34の表面にチャネル
222が形成されるようになっている。
【0222】また、上述した第1のスパイラル電極31
0,ソース212,ドレイン214,第2のスパイラル
電極312のそれぞれには、図43〜図47に示すよう
に、制御用電極228,入出力電極24,26,28が
接続されている。すなわち、第1のスパイラル電極31
0に対する制御用電極228の取り付けは、図43に示
すように、薄いゲート膜を傷付けないように能動領域の
外側で行われる。また、ソース212への入出力電極2
4の取り付けおよびドレイン214への入出力電極26
の取り付けは、図47および図45に示すように、ソー
ス212およびドレイン214の一部を露出させた後
に、アルミニウム等の金属膜を付けることにより行われ
る。さらに、第2のスパイラル電極312に対する入出
力電極28の取り付けは、制御用電極228と同様に薄
いゲート膜を傷付けないように能動領域から隔たった位
置で行われる。
【0223】上述した構造を有する本実施例のLC素子
12vは、nチャネルエンハンスメント型の構造を有し
ているものとすれば、第1のスパイラル電極310に正
の電圧(第2のスパイラル電極312よりも高い電圧)
が印加された時にはじめてチャネル222が形成される
ことになる。
【0224】図44(A)および(B)は、チャネル2
22が形成される状態を示す図である。第1のスパイラ
ル電極310に対して、すなわち第1のスパイラル電極
310に接続された制御用電極228に正のゲート電圧
が印加されていない状態では、同図(A)に示すように
p−Si基板34の表面にはチャネル222が現れな
い。したがって、この状態では図43に示したソース2
12とドレイン214とが絶縁された状態にある。
【0225】ところが、第1のスパイラル電極310に
対して相対的に正のゲート電圧が印加されると、図44
(B)に示すように第1のスパイラル電極310に対応
するp−Si基板34の表面付近にn領域からなるチャ
ネル222が出現する。また、p−Si基板34の内部
であってこのチャネル222の外側には、第1のスパイ
ラル電極310に印加された正のゲート電圧によって正
孔が排除された空乏層が形成される。したがって、この
空乏層を挟んでチャネル222内の電子とp−Si基板
34内の正孔とが対向して配置され、チャネル222と
その外側に空乏層を挟んで存在するp−Si基板34と
によりキャパシタが形成される。しかも、このキャパシ
タは第1のスパイラル電極310のほぼ全長にわたって
形成されるため、p−Si基板34に接続された第2の
スパイラル電極312とチャネル222との間には分布
定数的に渦巻き形状のキャパシタが形成されることにな
る。
【0226】図48は、本実施例のLC素子12vの等
価回路を示す図である。同図に示す等価回路は、制御用
電極228に所定のゲート電圧を印加することによりチ
ャネル222を形成し、このチャネル222を正弦波発
振回路の帰還ループの一部として使用する場合が示され
ている。
【0227】なお、上述したLC素子12vは、ソース
212に設けられた入出力電極24と第2のスパイラル
電極312の一方端に設けられた入出力電極28とを同
電位に設定することが可能であり、このLC素子12v
を図1に示した正弦波発振回路1等に適用する場合に
は、図5に示したキャパシタ16等を用いずにこれら2
つの入出力電極24と28とを直接接続することができ
る。したがって、LC素子12vの一部の構造を変形し
て、例えば図49に示すように2つの入出力電極24,
28を1つの共通の電極として形成するようにしてもよ
い。この場合は、後工程における配線の手間が低減され
るとともに、キャパシタ16等が不要になることにより
部品点数の低減も図ることができる。
【0228】このような構造を有する本実施例のLC素
子12vは、チャネル222がインダクタンスL1を有
するインダクタ導体として機能するとともに、第2のス
パイラル電極312がインダクタンスL2を有するイン
ダクタ導体として機能する。また、これら2つのインダ
クタ導体間には所定のキャパシタンスCを有するキャパ
シタが分布定数的に形成される。したがって、これらの
LC素子12vは、基本的には図2等に示したLC素子
と同様な周波数特性を有しており、図1に示した正弦波
発振回路1等に用いることができる。また、図28に示
したLC素子12m等と同様にMOS構造を有している
ことから、MOS製造技術による工程の簡略化が可能で
あり、しかも、p−Si基板34上に他の部品とともに
一体形成することが可能であり、容易に大量生産および
小型化を実現することができる。
【0229】図50および図51は、図43に示したL
C素子12vの変形例を示す図である。図50には第2
のスパイラル電極312を短く形成することによりこの
第2のスパイラル電極312とチャネル222とを部分
的に対向させたLC素子12wが示されている。また、
図51には第2のスパイラル電極312を複数に分割
(例えば2分割)したLC素子12xが示されている。
【0230】また、図52〜図54は、図43に示した
LC素子12vの他の変形例を示す図である。これらの
図に示したLC素子は、いずれもチャネル222と第2
のスパイラル電極312の機能を入れ換えた点に特徴が
あり、第2のスパイラル電極312を信号の入出力路
(帰還ループ)として使用している。図52が図43
に、図53が図50に、図54が図51にそれぞれ対応
している。
【0231】例えば、第2のスパイラル電極312を金
属材料で形成し、この第2のスパイラル電極312を図
1に示した正弦波発振回路1等における帰還ループの一
部として使用した場合には、この帰還ループにおける電
圧レベルの減衰が少なく、図1に示したインバータ論理
回路10等の反転増幅器の増幅率を低く設定できる利点
がある。この利点については、図36に示したLC素子
12nと同様である。
【0232】図55は、図43以降に示したLC素子の
部分的変形例を示す図であり、図44に対応する断面構
造が示されている。具体的には、図55(A)に示すよ
うに、n−Si基板144の一部に第1および第2のス
パイラル電極310,312に沿った渦巻き形状のp領
域からなる反転層232が形成されている。このような
断面構造を有するLC素子において、第1のスパイラル
電極310の一方端に設けられた制御用電極228に対
して所定のゲート電圧を印加すると、同図(B)に示す
ように、この第1のスパイラル電極310に対応するn
−Si基板144の表面近傍にチャネル222が形成さ
れる。しかも、n−Si基板144と反転層232との
間に逆バイアス電圧を印加しておくことにより、渦巻き
形状の反転層232が各周回部分において相互に電気的
に分離され、チャネル222と第2のスパイラル電極3
12との間に確実に分布定数的なキャパシタが形成され
るようになる。
【0233】図56〜図62は、図43以降に示したL
C素子の変形例を示す図であり、ほぼ平行に配置されて
いる第1および第2のスパイラル電極310,312を
p−Si基板34を挟んでほぼ対向配置した場合が示さ
れている。
【0234】図56は図43に対応しており、渦巻き形
状を有するチャネル222と第2のスパイラル電極31
2とがほぼ同じ長さに形成されたLC素子が示されてい
る。図57は、図56のA−A線拡大断面図であり、図
44に示した断面構造に対応するものである。本実施例
のLC素子12yは、図57にその断面構造を示すよう
に、第1および第2のスパイラル電極310,312が
p−Si基板34を挟んでほぼ対向するように形成され
ており、第1のスパイラル電極310に対応して形成さ
れるチャネル222とp−Si基板34の裏面に形成さ
れた第2のスパイラル電極312とにより渦巻き形状の
キャパシタが分布定数的に形成されている。
【0235】図58は図50に対応するものであり、p
−Si基板34を挟んでほぼ対向配置された第1および
第2のスパイラル電極310,312を部分的に対向さ
せたLC素子が示されている。また、図59は図51に
対応するものであり、第1のスパイラル電極310にほ
ぼ対向するように形成された第2のスパイラル電極31
2を複数に分割(例えば2分割)したLC素子が示され
ている。
【0236】また、図56,図58,図59に示した各
LC素子は、いずれもチャネル222側を信号の入出力
路に使用して図1に示した正弦波発振回路等の帰還ルー
プの一部を形成するようにしたものであるが、第2のス
パイラル電極312側を信号入出力路として用いてこの
帰還ループを形成するようにしてもよい。図60はチャ
ネル222と第2のスパイラル電極312をほぼ同じ長
さに形成した場合を、図61はチャネル222の長さを
相対的に短く形成して部分的に対向させた場合を、図6
2は第1のスパイラル電極310を複数に分割(例えば
2分割)することによりこれに対応して形成されるチャ
ネル222も複数に分割したものである。
【0237】図63は、第1および第2のスパイラル電
極310,312をp−Si基板34を挟んでほぼ対向
配置した上記LC素子における部分的変形例を示す図で
ある。具体的には、第1および第2のスパイラル電極3
10,312の各周回部分の合間に渦巻き形状の反転層
が形成されている。すなわち、同図に示すようにp−S
i基板34の一部にn領域234からなる渦巻き形状の
反転層を形成する。このような構造を有するLC素子に
おいて、周回部分の異なる第2のスパイラル電極312
に接続されたp−Si基板34同士に着目すると、間に
n領域234が形成されているため電気的に分離されて
おり、確実に各周回部分のアイソレーションを行うこと
ができる。
【0238】また、実際にウエハの状態にあるp−Si
基板34を利用して上述したLC素子を製造する場合に
は、p−Si基板34の比抵抗が一般の金属に比べて高
いこと等を考慮して、p−Si基板34の厚みをウエハ
の状態よりも薄くする必要がある。また、上述したよう
に一般にはn型ウエハの方が入手しやすいことを考慮し
て、図64に示すような構造としてもよい。
【0239】すなわち、同図(A)に示すように、n−
Si基板144の一方の面に渦巻き形状のエッチングを
行い、このエッチングを行った部分に第1あるいは第2
のスパイラル電極310,312を形成する。また、同
図(B)に示すように、n−Si基板144の一部に第
1および第2のスパイラル電極310,312のそれぞ
れにほぼ沿うようにp+ 領域236を形成し、その後n
−Si基板144の裏面側であって第2のスパイラル電
極312に対応する部分のエッチングを行い、最後に第
1および第2のスパイラル電極310,312を形成す
る。
【0240】このようにほぼ対向するように形成された
第1および第2のスパイラル電極310,312間の間
隔を短くすることにより、ほぼ対向するチャネル222
と第2のスパイラル電極312との間にのみ分布定数的
なキャパシタが形成されることになる。しかも、同図
(B)に示すように第1および第2のスパイラル電極3
10,312に挟まれた部分に反転層を形成した場合に
は、第2のスパイラル電極312の異なる周回部分に接
してpnp構造が形成されるため、各周回部分において
良好なアイソレーションが行われる。
【0241】また、上述した図43以降の各図面におい
て説明したLC素子はいずれも第1および第2のスパイ
ラル電極310,312が渦巻き形状に形成されたもの
であるが、これらを蛇行形状に形成してもよい。図65
〜図76は上述した第1および第2のスパイラル電極3
10,312を蛇行形状を有する第1および第2の電極
310a,312aに置き換えたものであり、蛇行形状
を有する第1の電極310aに対応して形成されるチャ
ネル222と第2の電極312aのそれぞれがインダク
タ導体として機能し、これらの間に分布定数的なキャパ
シタが形成される点に変わりはない。
【0242】具体的には、図65はほぼ同じ長さであっ
て平行に形成された第1および第2の電極310a,3
12aを有し、チャネル222側を信号の入出力路とし
て使用するLC素子が示されている。図66には、第2
の電極312aが短く形成されて第1および第2の電極
310a,312aが部分的に対向したLC素子が示さ
れている。図67には、第2の電極312aが複数に分
割(例えば2分割)されたLC素子が示されている。ま
た、図68〜図70のそれぞれには、それらに示したL
C素子のチャネル222と第2の電極312aの機能を
入れ換えたLC素子が示されている。さらに、図71〜
図76のそれぞれには、第2の電極312aをp−Si
基板34を挟んで第1の電極310aにほぼ対向させた
LC素子が示されており、図71は図65に、図72は
図66に、図73は図67に、図74は図68に、図7
5は図69に、図76は図70にそれぞれ対応してい
る。
【0243】上述した各LC素子は、半導体基板の内部
を部分的に利用して分布定数的なキャパシタを形成する
とともに、LC素子の全体を半導体製造技術を用いて製
造可能にした点に特徴がある。これに対し、半導体基板
を利用する点は同じであるが、その内部を利用せずにそ
の表面に複数のインダクタ導体を重ねて形成することに
よりLC素子を構成することもできる。
【0244】図77は、LC素子の他の変形例を示す概
略図である。
【0245】同図に示すLC素子12zは、高純度の半
導体基板320とこの表面にほぼ重ねて形成された第1
および第2のスパイラル電極322,324とを含んで
構成されている。第1のスパイラル電極322は、例え
ば図2に示す第1のスパイラル電極20に対応してお
り、第2のスパイラル電極324は図2に示す第2のス
パイラル電極22に対応している。また、これら第1お
よび第2のスパイラル電極322,324間には外周側
端部を除いて図示しない絶縁膜が形成されている。
【0246】したがって、第1のスパイラル電極322
の両端に図2に示す入出力電極24,26に相当する端
子を設けることにより、この第1のスパイラル電極32
2を一方のインダクタ導体として機能させることができ
る。また、第2のスパイラル電極324は、外周側端部
において第1のスパイラル電極322の外周側端部に直
接接続されているとともに、この第1のスパイラル電極
322にほぼ重ねて形成されるため、これら2つのスパ
イラル電極322,324間には分布定数的なキャパシ
タが形成され、これらのインダクタ成分とキャパシタ成
分との関係は図2等に示したLC素子12とまったく同
じとなる。
【0247】このため、図77に示すLC素子12zの
第1のスパイラル電極322を介して帰還ループを形成
することにより図1に示した正弦波発振回路1等と同様
の正弦波発振回路を得ることができる。
【0248】特に、図77に示したLC素子12zは、
半導体基板320を利用して形成されているため、この
半導体基板320上に図1に示したその他の部品(例え
ばインバータ論理回路10等)も併せて一体形成するこ
とが可能であり、大量生産および小型化が容易に実現で
きる。
【0249】図78は、図77に概略構造を示したLC
素子の製造工程の一例を示す図である。同図は、LC素
子12zの断面構造を各工程順に示したものである。
【0250】(1)高純度の半導体基板320を用意す
る(同図(A))。この半導体基板320は、純度が低
い場合にはその表面に酸化膜等を形成することにより絶
縁基板として使用することもできる。
【0251】(2)この半導体基板320上に金属膜を
形成、例えばアルミニウム膜324aを蒸着する(同図
(B))。なお、金や銅などの他の材料により金属膜を
形成するようにしてもよい。
【0252】(3)アルミニウム膜324a上に渦巻き
形状のフォトレジスト330aのパターンを形成する
(同図(C))。このパターンの形成は、例えば写真蝕
刻法により行うことができる。
【0253】(4)このフォトレジスト330aをマス
クにしてアルミニウム膜324aを部分的に除去するこ
とにより第2のスパイラル電極324を形成する(同図
(D))。その後、フォトレジスト324aを洗い落と
す。
【0254】(5)このようにして形成された第2のス
パイラル電極324の端部(外周側端部)をフォトレジ
スト330bによってマスクする(同図(E))。
【0255】(6)陽極酸化を行って、第2のスパイラ
ル電極324の残り部分(マスクされない部分)の表面
に絶縁性酸化皮膜326を形成する(同図(F))。そ
の後、フォトレジスト330bを洗い落とす。
【0256】(7)再度、全表面に金属膜を形成、例え
ばアルミニウム膜322aを蒸着する(同図(G))。
このとき、第2のスパイラル電極324の外周側端部
(フォトレジスト330bによってマスクされた部分)
上に直接アルミニウム膜322aが形成され、この部分
で電気的な接続が行われる。
【0257】(8)アルミニウム膜322a上に渦巻き
形状のフォトレジスト330cのパターンを形成する
(同図(H))。このパターンの形成は、例えば上述し
たフォトレジスト330aの場合と同様に写真蝕刻法に
より行うことができる。
【0258】(9)このフォトレジスト330cをマス
クにしてアルミニウム膜332aを部分的に除去するこ
とにより、第1のスパイラル電極322を形成する。そ
の後、フォトレジスト330cを洗い落とす。
【0259】図79は、このような工程を経て半導体基
板320上に形成されたLC素子12zの平面形状を示
す図である。同図に示すように、本実施例のLC素子1
2zは、表面に第1のスパイラル電極322が形成され
ており、この第1のスパイラル電極322の両端部のそ
れぞれが図2に示した2つの入出力電極24(この入出
力電極24が入出力電極28の機能も兼ねている),2
6のそれぞれに対応している。
【0260】図80は、図77に概略構造を示したLC
素子の製造工程の他の例を示す図である。図78に示し
た製造工程によれば、2つのスパイラル電極322,3
24の間を陽極酸化により形成された絶縁性酸化皮膜3
26により絶縁を行うLC素子が製造されるが、図80
に示した製造工程によれば、この絶縁性酸化皮膜326
を化学気相法(CVD)により形成されたシリコン酸化
膜あるいは窒化膜に置き換えたLC素子が製造される点
が異なっている。以下、その製造工程を説明する。
【0261】(1)高純度の半導体基板320を用意す
る(同図(A))。そして、この半導体基板320上に
化学気相法により第1のシリコン酸化膜340を形成す
る(同図(B))。ただし、高純度の半導体基板320
を用いた場合には比抵抗が高いため、第1のシリコン酸
化膜340を省略することもできる。
【0262】(2)第1のシリコン酸化膜340上に、
次の化学気相法の工程に耐え得る金属、例えば金,タン
グステン,モリブデン,タンタル,ニオブなどの金属膜
324bを蒸着する(同図(C))。
【0263】(3)金属膜324b上に渦巻き形状のフ
ォトレジスト330aのパターンを形成する(同図
(D))。このパターンの形成は、例えば写真蝕刻法に
より行うことができる。
【0264】(4)このフォトレジスト330aをマス
クにして金属膜324bを部分的に除去することにより
第2のスパイラル電極324を形成する(同図
(E))。その後、フォトレジスト330aを洗い落と
す。
【0265】(5)第2のスパイラル電極324および
露出している第1のシリコン酸化膜340の上に、化学
気相法により第2のシリコン酸化膜342を形成する
(同図(F))。その後、第2のスパイラル電極324
の外周側端部上の第2のシリコン酸化膜342をエッチ
ング等により除去する。
【0266】(6)この第2のシリコン酸化膜342上
に金属膜322bを蒸着する(同図(G))。後工程に
化学気相法の工程がないことから、この金属膜322b
はアルミニウム膜とすることができるが、金や銅等の他
の金属材料で形成してもよい。このとき、第2のスパイ
ラル電極324の外周側端部のみは、その上に直接金属
膜322bが形成され、この部分で電気的な接続が行わ
れる。
【0267】(7)金属膜322b上に渦巻き形状のフ
ォトレジスト330cのパターンを形成する(同図
(H))。このパターンの形成は、例えば上述したフォ
トレジスト330aの場合と同様に写真蝕刻法により行
うことができる。
【0268】(8)このフォトレジスト330cをマス
クにして、第1のスパイラル電極322を形成する(同
図(I))。その後、フォトレジスト330cを洗い落
とす。
【0269】このような工程を用いることによっても、
図79に平面構造を示したLC素子12zを製造するこ
とができる。このように、上述した本実施例のLC素子
12zは、半導体基板320の表面に形成されているた
め、この半導体基板320を用いて図1に示した正弦波
発振回路1等のその他の部品(例えばインバータ論理回
路10)を形成することができ、一体形成による大量生
産および回路全体の小型化を容易に実現することができ
る。
【0270】なお、図77に概略構造を示したLC素子
12zは、第1および第2のスパイラル電極322,3
24をほぼ同じ長さの渦巻き形状に形成したが、これら
2つの電極を部分的に対向させるようにしてもよく、第
2のスパイラル電極324側を複数に分割するようにし
てもよい。また、渦巻き形状のみならず、図21等に示
したような蛇行形状を有する2つの電極をほぼ重ねて形
成するようにしてもよい。さらに、第1および第2のス
パイラル電極322,324をほぼ対向させるだけでは
なく、一方の電極の各周回部分の合間に他の電極の各周
回部分の中心がくるようにして部分的に第1および第2
のスパイラル電極322,324を重ねるようにしても
よい。
【0271】また、図77に概略構造を示したLC素子
12zは、第1および第2のスパイラル電極322,3
24を同電位に設定してもよいため、LC素子12zの
内部で第1および第2のスパイラル電極322,324
の各一方端を接続したが、それぞれの一方端を別々に素
子外部に引き出して接続するようにしてもよい。
【0272】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。
【0273】例えば、上述した各LC素子は、インダク
タ導体として機能する電極やチャネルを渦巻き形状ある
いは蛇行形状に形成したが、この渦巻き形状には周回数
がほぼ1周あるいは1周未満のものも含まれ、蛇行形状
には波形や凹凸数が1あるいは2程度の非直線形状のも
のも含まれており、インダクタンスの大きさ等に応じ
て、使用するLC素子の電極形状を適宜選択することが
できる。
【0274】また、上述した各実施例のLC素子は、主
にp−Si基板を利用して形成したが、同様にn型半導
体基板(n−Si基板)を利用して形成するようにして
もよい。また、半導体基板はゲルマニウム等のシリコン
以外の材料、あるいは非晶質材料であるアモルファスシ
リコン等を用いるようにしてもよい。
【0275】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、反転増幅器とLC素子とをリング状に接続すること
により構成されており、より少ない部品を組み合わせる
だけで簡単に正弦波を発生させることができる。また、
上述した複数のLC素子は半導体基板上に形成されてい
るため、反転増幅器を含む全ての部品を半導体基板上に
形成することが可能であり、半導体製造技術を利用した
大量生産や回路の小型化が可能となる。特に、これら各
部品は1つの半導体基板上に形成することもでき、この
場合は回路全体を半導体基板上に一体形成することにな
るため、大量生産や回路の小型化がさらに容易になる。
【0276】また、請求項2または3の発明によれば、
上述した反転増幅器をインバータ論理回路やトランジス
タを利用したソース接地回路あるいはエミッタ接地回路
により構成しており、このような構造が単純な反転増幅
器とLC素子とを組み合わせるだけで、簡単に正弦波を
発生させることができる。特に、上述したインバータ論
理回路やソース接地回路あるいはエミッタ接地回路は一
般には半導体基板上に形成されるものであり、他の部品
とともに一体形成する場合にさらに好都合となる。
【0277】また、請求項4の発明によれば、半導体基
板上であって同心状に隣接して配置された2つの電極
と、これら2つの電極に沿って形成された渦巻き形状の
pn接合層とにより上述したLC素子が形成されてお
り、特に、このLC素子は半導体製造技術を用いて半導
体基板に形成されるため、反転増幅器等のそれ以外の部
品とともに半導体基板上に一体形成する際に好都合とな
る。
【0278】また、請求項5の発明によれば、請求項4
において半導体基板上に同心状に設けられていた2つの
電極を互いに半導体基板を挟んで対向配置することによ
りLC素子が形成されており、このLC素子も半導体製
造技術を用いて半導体基板に形成されるため、反転増幅
器等のそれ以外の部品とともに一体形成する際に好都合
となる。
【0279】また、請求項6,7の発明によれば、請求
項4,5における電極を渦巻き形状から蛇行形状に置き
換えることによりLC素子が形成されており、電極の一
方端あるいは両端に配線を施す場合に、この配線を電極
の一部と交差せずに引き出せる利点があり、正弦波発振
回路全体の製造工程の簡略化が可能となる。
【0280】また、請求項8の発明によれば、2つの電
極のいずれか一方を短く形成することにより、インダク
タ導体が部分的に対向したLC素子が形成されており、
部分対向させる電極の割合等を変えることにより発振周
波数をある範囲で調整することができるため、正弦波発
振回路の設計の自由度が増すことにもなる。
【0281】また、請求項9の発明によれば、2つの電
極のいずれか一方を複数に分割、あるいはこの電極の分
割とともに対応するpn接合層を複数に分割することに
より、分割されたインダクタ導体による影響が少ないL
C素子が形成されており、電極の分割状態を変えること
により発振周波数をある範囲で調整することができるた
め、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにもな
る。
【0282】また、請求項10の発明によれば、pn接
合層に印加する逆バイアス電圧を変更することにより、
分布定数的に形成されるキャパシタの容量値が変更可能
なLC素子が形成されており、このようなLC素子を用
いることによりある範囲で発振周波数を制御可能な電圧
制御型の正弦波発振回路を容易に実現することができ
る。
【0283】また、請求項11〜14の発明によれば、
ゲートが渦巻き形状あるいは蛇行形状を有するMOS構
造のLC素子が形成されており、これらの各LC素子は
マスクの形状等を変更するだけで通常のMOSトランジ
スタを製造する工程を利用して製造可能であり、反転増
幅器等のそれ以外の部品とともに半導体基板上に一体形
成する際に好都合となる。特に、反転増幅器もMOS構
造を有する場合、例えばMOSトランジスタやCMOS
等のインバータ論理回路により構成した場合には、正弦
波発振回路全体をMOS構造とすることができることか
ら、製造工程の簡略化や各部品の高密度実装化が可能と
なり、ICやLSIの一部として組み込む場合に特に好
都合となる。
【0284】また、請求項15〜22の発明によれば、
上述した請求項11〜14の各LC素子のゲート電極に
ほぼ平行に、あるいはほぼ対向するように第2の電極を
設けることによりMOS構造のLC素子が形成されてお
り、ゲート電極は独立して逆バイアス印加用に用いられ
ている。したがって、ゲート電極への電圧印加とチャネ
ルや第2の電極を介した信号の伝送とを切り離すことが
でき、複数のLC素子毎に異なるバイアス電圧を設定す
る場合に特に好都合となる。
【0285】また、請求項23または24の発明によれ
ば、請求項11〜22におけるゲート電極とチャネル、
あるいは2つの電極を部分的に対向させることによりL
C素子が形成されており、この部分対向させる割合等を
変えることにより発振周波数をある範囲で調整すること
ができ、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにも
なる。
【0286】また、請求項25の発明によれば、上述し
たチャネルが形成される位置に予めキャリアを注入して
おくデプレション型のLC素子が形成されており、予め
注入するキャリアの量を調整することによりチャネル抵
抗やソース・ドレイン間電流を変えることができるた
め、LC素子の特性をある範囲で調整することができ、
正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにもなる。
【0287】また、請求項26または27の発明によれ
ば、ゲート電極に対応して形成されるチャネルあるいは
第2の電極が複数に分割されたLC素子が形成されてお
り、この分割状態を変えることにより発振周波数をある
範囲で調整することができ、正弦波発振回路の設計の自
由度が増すことにもなる。
【0288】また、請求項28の発明によれば、請求項
11〜27の各ゲート電圧を変えることによりチャネル
抵抗が変更可能なLC素子が形成されており、このチャ
ネル抵抗の変更の程度に応じてLC素子の周波数特性も
変更されることになるため、電圧制御型の正弦波発振回
路を容易に実現することができる。
【0289】また、請求項29または30の発明によれ
ば、半導体基板上に直接あるいは第1の絶縁層を形成し
た後に、第1の電極,第2の絶縁層,第2の電極を積層
するように形成することによりLC素子が形成されてお
り、半導体基板を利用してこのLC素子や反転増幅器等
の他の部品とともに一体形成できることに変わりはな
く、正弦波発振回路の大量生産や小型化に適している。
【0290】また、請求項31または32の発明によれ
ば、2つの電極間に形成する絶縁層を、電極の酸化ある
いは化学気相法による酸化物や窒化物により構成したL
C素子が形成されており、このようにして絶縁層を形成
する工程や渦巻きあるいは蛇行形状の電極を形成する工
程は一般的な半導体製造技術によって実現されるもので
あり、他の部品とともに正弦波発振回路の全体を一体形
成する際に好都合となる。
【0291】また、請求項33の発明によれば、請求項
29〜32における2つの電極のいずれか一方を短くし
てこれらの電極を部分的に対向させることによりLC素
子が形成されており、この部分対向させる割合等を変え
ることにより発振周波数をある範囲で調整することがで
き、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにもな
る。
【0292】また、請求項34の発明によれば、請求項
29〜33における2つの電極のいずれか一方が複数に
分割されたLC素子が形成されており、この分割状態を
変えることにより発振周波数をある範囲で調整すること
ができ、正弦波発振回路の設計の自由度が増すことにな
る。
【0293】また、請求項35の発明によれば、正弦波
発振回路の全体を半導体基板上に一体形成できる点を明
確にしたものであり、半導体基板を利用して形成された
LC素子とともに半導体部品である反転増幅器等を一体
形成した正弦波発振回路を実現することは容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例の正弦波発振回路
の構成を示す図である。
【図2】LC素子の一例を示す図である。
【図3】図2のA−A線拡大断面図である。
【図4】図2に示したLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図5】正弦波発振回路内においてLC素子にバイアス
電圧を印加するための具体的構成を示す図である。
【図6】図2に示したLC素子の製造工程を示す図であ
る。
【図7】分布定数型のLC素子の特性を示す図である。
【図8】図2に示したLC素子の変形例を示す図であ
る。
【図9】図8に示したLC素子の等価回路を示す図であ
る。
【図10】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図11】図10に示したLC素子の等価回路を示す図
である。
【図12】本発明を適用した第2実施例の正弦波発振回
路の構成を示す図である。
【図13】第2実施例の変形例を示す図である。
【図14】本発明を適用した第3実施例の正弦波発振回
路の構成を示す図である。
【図15】LC素子の変形例を示す図である。
【図16】図15のA−A線拡大断面図である。
【図17】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図18】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図19】図15に示したLC素子の断面構造の部分的
変形例を示す図である。
【図20】図15に示したLC素子の断面構造の部分的
変形例を示す図である。
【図21】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図22】蛇行形状を有するインダクタ導体の動作を説
明するための図である。
【図23】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図24】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図25】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図26】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図27】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図28】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図29】図28のA−A線拡大断面図である。
【図30】図28のB−B線拡大断面図である。
【図31】図28のC−C線拡大断面図である。
【図32】図28に示したLC素子においてチャネルが
形成される状態を説明するための図である。
【図33】図28に示したLC素子の渦巻き形状の電極
に沿った断面を示す図である。
【図34】図28に示したLC素子の等価回路を示す図
である。
【図35】図28に示したLC素子の製造工程を示す図
である。
【図36】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図37】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図38】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図39】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図40】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図41】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図42】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図43】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図44】図43のA−A線拡大断面図である。
【図45】図43のB−B線拡大断面図である。
【図46】図43のC−C線拡大断面図である。
【図47】図43のD−D線拡大断面図である。
【図48】図43に示したLC素子の等価回路を示す図
である。
【図49】端部に設けられた入出力電極の部分的変形例
を示す図である。
【図50】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図51】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図52】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図53】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図54】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図55】図43に示したLC素子の断面構造の部分的
変形例を示す図である。
【図56】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図57】図56に示したLC素子においてチャネルが
形成される状態を説明するための図である。
【図58】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図59】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図60】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図61】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図62】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図63】図56に示したLC素子の断面構造の部分的
変形例を示す図である。
【図64】図56に示したLC素子の断面構造の部分的
変形例を示す図である。
【図65】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図66】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図67】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図68】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図69】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図70】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図71】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図72】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図73】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図74】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図75】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図76】LC素子の他の変形例を示す図である。
【図77】LC素子の他の変形例の概略を示す図であ
る。
【図78】図77に示したLC素子の製造工程の一例を
示す図である。
【図79】図77に示したLC素子の平面図である。
【図80】図77に示したLC素子の製造工程の他の例
を示す図である。
【符号の説明】
1 正弦波発振回路 10 インバータ論理回路 12 LC素子 16 キャパシタ 20 第1のスパイラル電極 22 第2のスパイラル電極 24,26,28 入出力電極 34 p−Si基板(p型シリコン基板) 36 pn接合層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03B 5/18 Z 8321−5J

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を増幅するとともに位相反転を
    行う反転増幅器と、 半導体基板上にほぼ並行して形成されており、それぞれ
    の一方端近傍が電気的に接続されているとともにいずれ
    か一方が信号入出力路として使用される2本のインダク
    タ導体を有し、これら2本のインダクタ導体による2本
    のインダクタとそれらの間のキャパシタとが分布定数的
    に形成されているLC素子と、 を備え、前記反転増幅器の出力を前記LC素子の信号入
    出力路として機能する一方のインダクタを介して入力側
    に帰還させることにより正弦波発振を行うことを特徴と
    する正弦波発振回路。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記反転増幅器をインバータ論理回路により構成するこ
    とを特徴とする正弦波発振回路。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記反転増幅器をソース接地回路あるいはエミッタ接地
    回路により構成することを特徴とする正弦波発振回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 同一平面内でほぼ同心状で隣接して配置されており、前
    記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形状の2
    つの電極と、 前記半導体基板の表面近傍であって前記2つの電極に沿
    った位置に形成され、これら2つの電極のいずれか一方
    にp領域が、他方にn領域が電気的に接続されており、
    逆バイアス電圧を印加することにより前記キャパシタと
    して動作する渦巻き形状のpn接合層と、 を備えることを特徴とする正弦波発振回路。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板を挟んでほぼ対向して配置されており、
    前記2本のインダクタ導体として機能する渦巻き形状の
    2つの電極と、 前記半導体基板内であって前記2つの電極に挟まれた位
    置に形成され、これら2つの電極のいずれか一方にp領
    域が、他方にn領域が電気的に接続されており、逆バイ
    アス電圧を印加することにより前記キャパシタとして動
    作する渦巻き形状のpn接合層と、 を備えることを特徴とする正弦波発振回路。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 同一平面内でほぼ平行に隣接して配置されており、前記
    2本のインダクタ導体として機能する蛇行形状の2つの
    電極と、 前記半導体基板の表面近傍であって前記2つの電極に沿
    った位置に形成され、これら2つの電極のいずれか一方
    にp領域が、他方にn領域が電気的に接続されており、
    逆バイアス電圧を印加することにより前記キャパシタと
    して動作する蛇行形状のpn接合層と、 を備えることを特徴とする正弦波発振回路。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板を挟んで対向して配置されており、前記
    2本のインダクタ導体として機能する蛇行形状の2つの
    電極と、 前記半導体基板内であって前記2つの電極に挟まれた位
    置に形成され、これら2つの電極のいずれか一方にp領
    域が、他方にn領域が電気的に接続されており、逆バイ
    アス電圧を印加することにより前記キャパシタとして動
    作する渦巻き形状のpn接合層と、 を備えることを特徴とする正弦波発振回路。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかにおいて、 前記2つの電極のいずれか一方の長さを他方に比べて短
    く形成することを特徴とする正弦波発振回路。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれかにおいて、 前記他方のインダクタとして機能する前記2つの電極の
    一方を複数に分割し、あるいは前記他方のインダクタと
    して機能する前記2つの電極の一方とともに対応する前
    記pn接合層を複数に分割し、各分割片の一部を相互に
    接続することを特徴とする正弦波発振回路。
  10. 【請求項10】 請求項4〜9のいずれかにおいて、 前記pn接合層に印加する逆バイアス電圧を変更するこ
    とにより、前記LC素子内に分布定数的に形成されるキ
    ャパシタの容量値を変えることを特徴とする正弦波発振
    回路。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の電極
    と、 前記渦巻き形状の電極と前記半導体基板との間に形成さ
    れた絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記渦巻き形状の電極に対
    応して形成されるチャネルの両端付近に形成されてソー
    スおよびドレインとして機能する第1および第2の拡散
    領域と、 を備え、前記渦巻き形状の電極とこれに対応して形成さ
    れるチャネルのそれぞれが前記2本のインダクタ導体と
    して機能するとともに、前記チャネルを前記信号入出力
    路として使用することを特徴とする正弦波発振回路。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の電極
    と、 前記渦巻き形状の電極と前記半導体基板との間に形成さ
    れた絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記渦巻き形状の電極に対
    応して形成されるチャネルの一方端付近に形成されてソ
    ースあるいはドレインとして機能する第1の拡散領域
    と、 を備え、前記渦巻き形状の電極とこれに対応して形成さ
    れるチャネルのそれぞれが前記2本のインダクタ導体と
    して機能するとともに、前記渦巻き形状の電極を前記信
    号入出力路として使用することを特徴とする正弦波発振
    回路。
  13. 【請求項13】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の電極
    と、 前記蛇行形状の電極と前記半導体基板との間に形成され
    た絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記蛇行形状の電極に対応
    して形成されるチャネルの両端付近に形成されてソース
    およびドレインとして機能する第1および第2の拡散領
    域と、 を備え、前記蛇行形状の電極とこれに対応して形成され
    るチャネルのそれぞれが前記2本のインダクタ導体とし
    て機能するととにも、前記チャネルを前記信号入出力路
    として使用することを特徴とする正弦波発振回路。
  14. 【請求項14】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の電極
    と、 前記蛇行形状の電極と前記半導体基板との間に形成され
    た絶縁層と、 前記半導体基板内にあって、前記蛇行形状の電極に対応
    して形成されるチャネルの一方端付近に形成されてソー
    スあるいはドレインとして機能する第1の拡散領域と、 を備え、前記蛇行形状の電極とこれに対応して形成され
    るチャネルのそれぞれが前記2本のインダクタ導体とし
    て機能するととにも、前記蛇行形状の電極を前記信号入
    出力路として使用することを特徴とする正弦波発振回
    路。
  15. 【請求項15】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の第1
    の電極と、 渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に
    形成された絶縁層と、 前記半導体基板表面であって、前記第1の電極と同心状
    で隣接して形成された渦巻き形状の第2の電極と、 前記半導体基板内にあって、渦巻き形状の前記第1の電
    極に対応して形成されるチャネルの両端付近に形成され
    てソースおよびドレインとして機能する第1および第2
    の拡散領域と、 を備え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
    れるチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本の
    インダクタ導体として機能するととにも、前記チャネル
    を前記信号入出力路として使用することを特徴とする正
    弦波発振回路。
  16. 【請求項16】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する渦巻き形状の第1
    の電極と、 渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に
    形成された絶縁層と、 前記半導体基板表面であって、前記第1の電極と同心状
    で隣接して形成された渦巻き形状の第2の電極と、 前記半導体基板内にあって、渦巻き形状の前記第1の電
    極に対応して形成されるチャネルの一方端付近に形成さ
    れてソースあるいはドレインとして機能する第1の拡散
    領域と、 を備え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
    れるチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本の
    インダクタ導体として機能するととにも、前記第2の電
    極を前記信号入出力路として使用することを特徴とする
    正弦波発振回路。
  17. 【請求項17】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の第1の
    電極と、 蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に形
    成された絶縁層と、 前記半導体基板表面であって、前記第1の電極に沿って
    ほぼ平行に隣接して形成された蛇行形状の第2の電極
    と、 前記半導体基板内にあって、蛇行形状の前記第1の電極
    に対応して形成されるチャネルの両端付近に形成されて
    ソースおよびドレインとして機能する第1および第2の
    拡散領域と、 を備え、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成され
    るチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイ
    ンダクタ導体として機能するとともに、前記チャネルを
    前記信号入出力路として使用することを特徴とする正弦
    波発振回路。
  18. 【請求項18】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 MOS構造におけるゲートを形成する蛇行形状の第1の
    電極と、 蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に形
    成された絶縁層と、 前記半導体基板表面であって、前記第1の電極に沿って
    ほぼ平行に隣接して形成された蛇行形状の第2の電極
    と、 前記半導体基板内にあって、蛇行形状の前記第1の電極
    に対応して形成されるチャネルの一方端付近に形成され
    てソースあるいはドレインとして機能する第1の拡散領
    域と、 を備え、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成され
    るチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイ
    ンダクタ導体として機能するとともに、前記第2の電極
    を前記信号入出力路として使用することを特徴とする正
    弦波発振回路。
  19. 【請求項19】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS構造に
    おけるゲートを形成する渦巻き形状の第1の電極と、 渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に
    形成された絶縁層と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された渦巻き形状の第2の
    電極と、 前記半導体基板内にあって、渦巻き形状の前記第1の電
    極に対応して形成されるチャネルの両端付近に形成され
    てソースおよびドレインとして機能する第1および第2
    の拡散領域と、 を備え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
    れるチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本の
    インダクタ導体として機能するとともに、前記チャネル
    を前記信号入出力路として使用することを特徴とする正
    弦波発振回路。
  20. 【請求項20】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS構造に
    おけるゲートを形成する渦巻き形状の第1の電極と、 渦巻き形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に
    形成された絶縁層と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された渦巻き形状の第2の
    電極と、 前記半導体基板内にあって、渦巻き形状の前記第1の電
    極に対応して形成されるチャネルの一方端付近に形成さ
    れてソースあるいはドレインとして機能する第1の拡散
    領域と、 を備え、渦巻き形状の前記第1の電極に対応して形成さ
    れるチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本の
    インダクタ導体として機能するとともに、前記第2の電
    極を前記信号入出力路として使用することを特徴とする
    正弦波発振回路。
  21. 【請求項21】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS構造に
    おけるゲートを形成する蛇行形状の第1の電極と、 蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に形
    成された絶縁層と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された蛇行形状の第2の電
    極と、 前記半導体基板内にあって、蛇行形状の前記第1の電極
    に対応して形成されるチャネルの両端付近に形成されて
    ソースおよびドレインとして機能する第1および第2の
    拡散領域と、 を備え、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成され
    るチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイ
    ンダクタ導体として機能するとともに、前記チャネルを
    信号入出力路として使用することを特徴とする正弦波発
    振回路。
  22. 【請求項22】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体基板の一方の面側に形成され、MOS構造に
    おけるゲートを形成する蛇行形状の第1の電極と、 蛇行形状の前記第1の電極と前記半導体基板との間に形
    成された絶縁層と、 前記半導体基板の他方の面側に形成され、前記第1の電
    極とほぼ対向する位置に形成された蛇行形状の第2の電
    極と、 前記半導体基板内にあって、蛇行形状の前記第1の電極
    に対応して形成されるチャネルの一方端付近に形成され
    てソースあるいはドレインとして機能する第1の拡散領
    域と、 を備え、蛇行形状の前記第1の電極に対応して形成され
    るチャネルと前記第2の電極のそれぞれが前記2本のイ
    ンダクタ導体として機能するとともに、前記第2の電極
    を信号入出力路として使用することを特徴とする正弦波
    発振回路。
  23. 【請求項23】 請求項11〜14のいずれかにおい
    て、 前記半導体基板表面近傍であって前記チャネルが形成さ
    れる位置の少なくとも一部に予めキャリアを注入すると
    ともに、前記渦巻き形状あるいは前記蛇行形状の電極に
    対して前記チャネルの長さを長くあるいは短く設定する
    ことにより、渦巻き形状あるいは蛇行形状の前記電極と
    前記チャネルとを部分的に対向させることを特徴とする
    正弦波発振回路。
  24. 【請求項24】 請求項15〜22のいずれかにおい
    て、 前記第1および第2の電極のいずれか一方の長さを他方
    に比べて短く形成することにより、渦巻き形状あるいは
    蛇行形状の前記第2の電極と前記チャネルとを部分的に
    対向させることを特徴とする正弦波発振回路。
  25. 【請求項25】 請求項11〜22,24のいずれかに
    おいて、 前記半導体基板表面近傍であって前記チャネルが形成さ
    れる位置に、予めキャリアを注入することを特徴とする
    正弦波発振回路。
  26. 【請求項26】 請求項16,18,20,22,2
    4,25のいずれかにおいて、 前記第1の電極に対応して形成される前記チャネルを前
    記他方のインダクタとして使用する場合において、前記
    第1の電極を複数に分割することにより前記第1の電極
    に対応して形成される前記チャネルを複数に分割し、各
    分割チャネルの一方端近傍に形成された前記拡散領域を
    相互に接続することを特徴とする正弦波発振回路。
  27. 【請求項27】 請求項15,17,19,21,2
    4,25のいずれかにおいて、 前記第2の電極を前記他方のインダクタとして使用する
    場合において、前記第2の電極を複数に分割し、各分割
    電極片の一部を相互に接続することを特徴とする正弦波
    発振回路。
  28. 【請求項28】 請求項11〜27のいずれかにおい
    て、 前記ゲートを形成する電極に印加するゲート電圧を変更
    することにより、前記チャネルが有する抵抗値を可変に
    制御することを特徴とする正弦波発振回路。
  29. 【請求項29】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体表面に直接あるいは第1の絶縁層を挟んで形
    成された渦巻き形状の第1の電極と、 前記第1の電極の表面に形成された第2の絶縁層と、 前記第1の電極とほぼ対向する位置に前記第2の絶縁層
    を挟んで形成された渦巻き形状の第2の電極と、 を備え、前記第1および第2の電極のそれぞれが前記2
    本のインダクタ導体として機能することを特徴とする正
    弦波発振回路。
  30. 【請求項30】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記LC素子は、 前記半導体表面に直接あるいは第1の絶縁層を挟んで形
    成された蛇行形状の第1の電極と、 前記第1の電極の表面に形成された第2の絶縁層と、 前記第1の電極とほぼ対向する位置に前記第2の絶縁層
    を挟んで形成された蛇行形状の第2の電極と、 を備え、前記第1および第2の電極のそれぞれが前記2
    本のインダクタ導体として機能することを特徴とする正
    弦波発振回路。
  31. 【請求項31】 請求項29または30において、 前記第2の絶縁層は、前記第1の電極を酸化することに
    より形成された酸化膜であることを特徴とする正弦波発
    振回路。
  32. 【請求項32】 請求項29または30において、 前記第2の絶縁層は、化学気相法により形成された半導
    体酸化膜あるいは窒化膜であることを特徴とする正弦波
    発振回路。
  33. 【請求項33】 請求項29〜32のいずれかにおい
    て、 前記第1および第2の電極のいずれか一方の長さを他方
    に比べて短く形成することを特徴とする正弦波発振回
    路。
  34. 【請求項34】 請求項29〜33のいずれかにおい
    て、 前記他方のインダクタとして機能する前記第1および第
    2の電極の一方を複数に分割し、各分割片の一部を相互
    に接続することを特徴とする正弦波発振回路。
  35. 【請求項35】 請求項1〜34のいずれかにおいて、 前記LC素子と前記反転増幅器とを共通する前記半導体
    基板上に一体形成することを特徴とする正弦波発振回
    路。
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