JPH07336126A - 自動車長波受信用ガラスアンテナ - Google Patents

自動車長波受信用ガラスアンテナ

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JPH07336126A
JPH07336126A JP6131988A JP13198894A JPH07336126A JP H07336126 A JPH07336126 A JP H07336126A JP 6131988 A JP6131988 A JP 6131988A JP 13198894 A JP13198894 A JP 13198894A JP H07336126 A JPH07336126 A JP H07336126A
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JP
Japan
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defogger
frequency
circuit
wave
frequency band
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Application number
JP6131988A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Saito
俊彦 斉藤
Shotaro Takenobu
省太郎 武信
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長波帯と中波帯の受信感度の向上。 【構成】チョークコイルとデフォッガー3と追加回路と
によって、長波帯に第一の反共振点が存在するように
し、中波帯に第二の反共振点が存在するようにし、長波
帯と中波帯との間に共振点が存在するようにし、マッチ
ング回路7とデフォッガー3側のインピーダンスと受信
機の入力インピーダンスとによって、中波帯に共振点が
存在するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高受信感度、低ノイズの
自動車長波受信用ガラスアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のガラスアンテナでは、アンテナの
受信感度の不足を補償するため、アンテナ導体の給電端
子と受信機との間の給電線の好適な部位に前置増幅器が
挿入されていた。しかし、前置増幅器挿入のため強電界
中においては、波形歪や抑圧混変調などが発生し、ノイ
ズがそのまま増幅されるという問題があった。また、こ
の従来技術では、ラジオ受信機とは別に前置増幅器を設
置する必要があるため生産性が悪くなるという問題や、
ガラスアンテナの近傍に前置増幅器を設置するため前置
増幅器用のスペース確保等で自動車の設計上の制約条件
を与えるという問題があった。したがって、このような
前置増幅器を必要とせず、しかも高利得で低ノイズで無
指向性の自動車用ガラスアンテナの開発が望まれてい
た。
【0003】これを解決すべく、自動車の後部窓のガラ
ス板に、ヒータ線とヒータ線に給電するバスバーとを有
する通電加熱式のデフォッガーと、デフォッガーとの間
で直流電流の送受は行われないが高周波電流の送受は行
われるように所定間隔をおいて近接させて容量結合させ
た所定パターンのアンテナ導体とを設け、一方のバスバ
ーとバッテリとの間及び他方のバスバーと接地との間に
チョークコイルを挿入接続し、アンテナ導体の給電点と
受信機との間に図4に示すマッチング回路を挿入接続
し、マッチング回路のインピーダンスと受信機の入力イ
ンピーダンスとマッチング回路からアンテナ導体側をみ
たインピーダンスとによって、放送周波数帯域内で、共
振、反共振させるガラスアンテナ装置が提案された(特
開平2−239701)。
【0004】しかし、長波放送周波数帯(以下、長波帯
ともいう)にこれを適用すると受信感度が平坦になら
ず、中波放送周波数帯(以下、中波帯ともいう)の受信
感度も悪くなるという欠点があった。また、中波帯にこ
れを適用すると図2(比較例)に示すように長波帯の受
信感度が悪くなるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点の解消を目的とし、中波帯及び長波帯の両方
の受信感度に優れた自動車長波受信用ガラスアンテナを
新規に提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の後部
窓のガラス板に、ヒータ線とヒータ線に給電するバスバ
ーとを有する通電加熱式のデフォッガーと、デフォッガ
ーとの間で直流電流の送受は行われないが高周波電流の
送受は行われるように所定間隔をおいて近接させて容量
結合させたアンテナ導体とを設け、一方のバスバーとバ
ッテリとの間及び他方のバスバーと接地との間にチョー
クコイルを挿入接続した自動車長波受信用ガラスアンテ
ナにおいて、デフォッガーとチョークコイルからなる回
路に追加回路を追加し、チョークコイルとデフォッガー
の有するインピーダンスと追加回路とによって、長波放
送周波数帯の上限周波数と長波放送周波数帯の下限周波
数の半分の周波数との間に第一の反共振点が存在するよ
うにし、中波放送周波数帯の下限周波数と長波放送周波
数帯の上限周波数との間の中心周波数と、中波放送周波
数帯の上限周波数の1.5倍の周波数との間に第二の反
共振点が存在するようにし、長波放送周波数帯と中波放
送周波数帯との間に共振点が存在するようにし、所定の
回路のインピーダンスと受信機の入力インピーダンスと
所定の回路からアンテナ導体側をみたインピーダンスと
によって、中波放送周波数帯の下限周波数と中波放送周
波数帯の上限周波数の1.5倍の周波数との間に共振点
が存在するようにしたことを特徴とする自動車長波受信
用ガラスアンテナである。
【0007】また、本発明は、自動車の後部窓のガラス
板に、ヒータ線とヒータ線に給電するバスバーとを有す
る通電加熱式のデフォッガーと、デフォッガーとの間で
直流電流の送受は行われないが高周波電流の送受は行わ
れるように所定間隔をおいて近接させて容量結合させた
アンテナ導体とを設け、一方のバスバーとバッテリとの
間及び他方のバスバーと接地との間にチョークコイルを
挿入接続した自動車長波受信用ガラスアンテナにおい
て、デフォッガーとチョークコイルからなる回路に追加
回路を追加し、チョークコイルとデフォッガーの有する
インピーダンスと追加回路とによって、長波放送周波数
帯に第一の反共振点が存在するようにし、中波放送周波
数帯に第二の反共振点が存在するようにし、長波放送周
波数帯と中波放送周波数帯との間に共振点が存在するよ
うにし、所定の回路のインピーダンスと受信機の入力イ
ンピーダンスと所定の回路からアンテナ導体側をみたイ
ンピーダンスとによって、中波放送周波数帯に共振点が
存在するようにしたことを特徴とする自動車長波受信用
ガラスアンテナである。
【0008】また、本発明は、所定の回路の出力インピ
ーダンスが、FM放送周波数帯において300Ω以下で
あることを特徴とする上記自動車長波受信用ガラスアン
テナである。
【0009】以下、図面にしたがって、本発明を詳細に
説明する。
【0010】図1は本発明の自動車長波受信用ガラスア
ンテナの代表例の構成図である。図1において、1は自
動車の後部窓のガラス板、2はヒータ線、2aは最高位
のヒータ線、3はデフォッガー、3aはデフォッガーの
分岐線、4はアンテナ導体の給電点、5a、5b、5c
はバスバー、6はアンテナ導体、6aはアンテナ導体6
のデフォッガー3との隣接部、7は所定の回路であるマ
ッチング回路、8はリアクタンス回路、9はヒータトラ
ンス、10は直流電源、11はコンデンサ、12a、1
2bは高周波コイル、13はコイル、15、16、17
は抵抗、12、14はコンデンサ、20は受信機、22
a、22bはリード線、30、31はコイル、32、3
3はコンデンサである。
【0011】後部窓のガラス板1は、通常3〜5mm前
後の強化ガラス、あるいは合せガラス等が使用される。
この後部窓のガラス板1の内側面の被加熱領域には多数
本のヒータ線2と、ヒータ線2の群の両端に接続される
対向したバスバー5a、5b、5cとを有する通電加熱
式のデフォッガー3が設けられている。デフォッガー3
のバスバー5a、5bにはリード線22a、22bが接
続されている。
【0012】図1に示したデフォッガー3では、デフォ
ッガー3の両側のバスバーの一方、例えば片側のバスバ
ーを所望のところから上下に2つに分割し、下側部バス
バー5a、上側部バスバー5bを設け、この下側部バス
バー5aには車体側アースのリード線22aを接続し、
上側部バスバー5bには電源側のリード線22bを接続
して給電された電流が上側部バスバー5bからバスバー
5cを通って下側部バスバー5aへとコの字状に流れ
る。
【0013】図1に示したデフォッガー3は、ヒータ線
2とバスバー5a、5b、5cとから構成される。ヒー
タ線は、通常、線幅0.5〜2mmの細い通電加熱式の
ヒータ線2を多数本、ガラス板上横方向にほぼ平行に2
〜4cmの間隔をおいて形成することよりなる。さら
に、ヒータ線2に電流を供給するためのバスバー5a、
5b、5cをヒータ線2の両側に形成する。ヒータ線2
とバスバー5a、5b、5cは、通常、導電性銀ペース
ト等の導電性金属含有ペーストをガラス板の車内側表面
にプリントし、焼付ける等により製造する。
【0014】アンテナ導体6とデフォッガー3の一部の
両者近接する部分であるアンテナ導体6の隣接部6aと
デフォッガーの分岐線3a部とは、容量結合され、両者
間で直流電流の送受は行われないが、高周波電流の送受
は行われるように所定間隔をおいて近接されている。
【0015】隣接部6aとデフォッガーの分岐線3a部
とは、例えば1〜10mm程度の間隔をおいて離間され
ている。デフォッガー3は、この容量結合によって見か
け上、アンテナの一部として機能するようになる。特に
長波帯及び中波帯に対しては、デフォッガー3も長波帯
及び中波帯用アンテナの一部として機能し、長波帯及び
中波帯用アンテナの実効長が長くなり、受信電波を多く
受けられ、受信感度が上昇する。
【0016】アンテナ導体6から車体及びデフォッガー
3へリーク電流が流れるので、デフォッガー3からの損
失はコイル12a、12bによって阻止し、これによ
り、FM放送周波数帯(以下、FM帯という)の受信感
度が上昇する。したがって、FM帯を受信する必要のな
い場合にはコイル12a、12bは省略してもよい。
【0017】図1に示したデフォッガー3においては、
デフォッガー3の最高位のヒータ線2aに分岐線3aが
設けられている。デフォッガー3の分岐線3aは図1に
示すように最高位のヒータ線2aの中央付近から垂直方
向に伸び、アンテナ導体6の隣接部6aの付近で水平方
向に分岐するような略T字状の形状となっている。分岐
線3aには、ヒータ電流が流れないため、ノイズが少な
く、アンテナ導体6とデフォッガー3との容量結合によ
り受信感度が上昇する。
【0018】ただし、デフォッガー3の分岐線3aは上
記機能を有していればどんな形状でもよく、図1の形状
に限定されない。例えば、ヒータ線2aの左又は右付近
から垂直方向に伸び隣接部6a付近で逆側へ水平方向に
延長される形状でもよい。また、デフォッガーの分岐線
3aはヒータ線2の一部分でも代用でき、分岐線3aは
省略してもよいが、上記したノイズについて鑑みると分
岐線3aを設けた方が望ましい。
【0019】図1では、3つのバスバー5a、5b、5
cを有するいわゆるコの字状のデフォッガーを例示した
が、図5に示すような2つのバスバーを有するいわゆる
ハの字状のデフォッガーでも使用できる。なお、図5に
おいて、1は自動車の後部窓のガラス板、6はアンテナ
導体である。
【0020】上記したように、デフォッガー3とアンテ
ナ導体6とは、その一部において容量結合されるように
するため、デフォッガー3とアンテナ導体6とは、後部
窓のガラス板と同一面、通常においては室内側面に形成
するのが最適である。
【0021】アンテナ導体6のパターンとしては、自動
車の形状、ガラス板の形状、寸法、構成などにより、長
波放送、中波放送、短波放送、FM放送等のラジオ放
送、あるいはテレビその他の放送等用のアンテナとして
最適な性能が得られるパターンが適宜選択、設計され
る。
【0022】図1の例では、アンテナ導体6をガラス板
1のデフォッガー3の上部に設けているが、これに限ら
ずデフォッガー3の下部に設けてもよく、デフォッガー
3の上下部に夫々設けてもよく、ガラス板1のその他の
余白部に設けてもよい。
【0023】アンテナ導体6及びアンテナケーブルを半
田付等の手段によって接続するための接続端子は、前述
したデフォッガー3のヒータ線2と同様に、ガラス板面
に導電性銀ペースト等の導電性金属含有ペーストを所定
のパターンにプリントして焼付けた線条のプリントタイ
プのものが最も一般的であるが、これに限らず所定パタ
ーンの透明電導膜や極細電導性ワイヤーからなるもので
もよい。
【0024】本発明では、デフォッガー3のリード線2
2a、22b間に、直流電源10からデフォッガー3へ
の電流は流すが放送周波数帯域等の中高周波帯域の電流
は遮断するようにリアクタンス回路8が挿入される。リ
アクタンス回路8は、ヒータトランス9、コイル12
a、12b、コンデンサ11から構成されている。リア
クタンス回路8によりデフォッガー3のヒータ線2とバ
スバー5a、5b、5cとを車体アースから高周波的に
絶縁でき、ヒータ線2及びバスバー5a、5b、5cに
誘起されたラジオ放送周波数帯域等の高周波帯域の受信
電流が車体へ流れるのを防止できて、誘起された電流を
漏れなく受信機に送ることができる。
【0025】リアクタンス回路8内のヒータトランス9
のチョークコイルはラジオ放送周波数帯域等の高周波帯
において高インピーダンスとなり、また磁気残留防止と
なる特性を有するもの、例えば、トロイダル状の磁気コ
ア(Mn−Znフェライト等)にバイファイラー巻をし
た高周波チョークコイル、あるいは閉磁路からの電流に
よって生じるコイルの磁束を互いに打ち消す方向に巻か
れている高周波チョークコイル、あるいは、磁気飽和度
の高いコアを用いる高周波チョークコイルなどが使用さ
れる。
【0026】かかる高周波チョークコイルにおいては、
必要とされるインダクタンス及び自己共振周波数及びQ
値を得るために、例えばコアを2分割し、そのコアの間
隔を調整したり、並列に所定のコンデンサを接続した
り、コイル・ピッチを変更したりする方法で調整を行
う。
【0027】チョークコイルに並列に接続される抵抗1
6、17は、主に、第一及び第二の反共振にかかる選択
度を調整する機能を有する。抵抗16、17の値を小さ
くすることによって、Qの値を小さくすることができ
る。コイル30、31及びコンデンサ32、33は第一
の反共振に加えて共振、第二の反共振を発生させるため
のものである。
【0028】リアクタンス回路8内のコンデンサ11は
ラジオ放送周波数帯等の高周波帯において周波数成分の
高い雑音性の電流に対して電気的に短絡する。リアクタ
ンス回路8と直流電源10との間にフィルタを設けて、
この高い雑音性の電流の影響を防止してもよい。
【0029】リアクタンス回路8内の高周波コイル12
a、12bは、FM帯において高インピーダンスとなる
もので、通常磁気コアを使用しないソレノイドあるいは
磁気コアを使用する。これらはFM帯では誘導性のイン
ダクタンスを有する。コイル12a等として、適当な長
さのリード線も使用可能な場合もあり、リアクタンス回
路8の車体内の配置によっても同様の効果を有する場合
もある。ヒータトランス9の高周波チョーク・コイルは
FM帯では自己共振周波数が低く、インダクタンスを失
ってしまうので、高周波コイル12a、12bがこれを
代行する。
【0030】本発明では、デフォッガーとチョークコイ
ルからなる回路に追加回路を追加し、チョークコイルと
デフォッガーの有するインピーダンスと追加回路とによ
って、所定の周波数で共振、反共振させるようにする。
【0031】また、本発明においては、アンテナ導体6
の給電点4とさらにラジオ等の受信機20との間の経路
の所望の位置に所定の回路であるマッチング回路7が挿
入され、アンテナ導体6に誘起された受信電波の高周波
電流はマッチング回路7のインピーダンスと、受信機2
0の入力インピーダンスと、マッチング回路からアンテ
ナ導体側をみたインピーダンスとによって、所定の周波
数で共振させる。
【0032】追加回路は抵抗16、17、コイル30、
31、コンデンサ32、33により構成される。ただ
し、追加回路は所望の共振、反共振を発生させるものな
らこの構成に限定されない。追加回路において、抵抗1
6、17は主に反共振の選択度を調整するためのもので
あり、省略できる場合もある。なお、コイル30とコン
デンサ32とに抵抗を直列に接続すること、及び、コイ
ル31とコンデンサ33とに抵抗を直列に接続すること
の少なくとも一方を行うことにより、共振の選択度を調
整できる。
【0033】図1に示すマッチング回路7は、コイル1
3、コンデンサ12、14及び抵抗15の各素子により
構成された回路よりなるが、これに限定されず、所定の
共振を生じさせる回路ならばどのような回路構成でも使
用できる。マッチング回路7を構成する素子のうちコン
デンサ14は、FM帯において受信感度向上に寄与する
ものであり、FM帯を受信しない場合には不要である。
マッチング回路7は、受信機20の入力と、アンテナ導
体6の給電点4とのインピーダンスマッチングを行う機
能をも有する。また、所定の回路とはこのようなインピ
ーダンスマッチングを行う機能を有さないものもいう。
【0034】上記のように、アンテナ導体6及びデフォ
ッガー3は通常導電性銀ペーストをガラス板面にプリン
ト印刷し、焼付けること等によって形成されたものが用
いられる。この場合隣接する隣接部6a及び分岐線3a
との間で、プリントされた銀のマイグレーション等が起
こり、両者が短絡する危険性がある。図1に示すマッチ
ング回路7はコンデンサ12、14により受信機の入力
に流れ込む直流電流阻止できるが、所定の回路が受信機
の入力に流れ込む直流電流を阻止できない回路構成であ
る場合、上記マイグレーション等により受信機20に大
電流が流れてしまうので、これを防ぐために、アンテナ
導体6の給電点4と所定の回路との間に直流阻止用のコ
ンデンサを挿入してもよい。
【0035】図1に示すマッチング回路7において、コ
ンデンサ12は、主に直流電流阻止用であり、図1に示
す位置に限らず、給電点4とマッチング回路7との間に
挿入してもよい。また、抵抗15は省略しても使用でき
る。抵抗15は共振に影響される受信感度を平坦にする
機能を有する。なお、マッチング回路は図1に示すマッ
チング回路7に限定されず、共振を起こさせるものなら
どのようなものであっても使用できる。
【0036】次いで、上記追加回路とマッチング回路等
の調整について述べる。本発明においては、チョークコ
イルとデフォッガーの有するインピーダンスと追加回路
とによって、長波帯の上限周波数と長波帯の下限周波数
の半分の周波数との間に第一の反共振点が存在するよう
にし、中波帯の下限周波数と長波帯の上限周波数との間
の中心周波数と、中波帯の上限周波数の1.5倍の周波
数との間に第二の反共振点が存在するようにし、長波帯
と中波帯との間に共振点が存在するようにし、所定の回
路のインピーダンスと受信機の入力インピーダンスと所
定の回路からアンテナ導体側をみたインピーダンスとに
よって、中波帯の下限周波数と中波帯の上限周波数の
1.5倍の周波数との間に共振点が存在するようにする
ことが必要である。
【0037】また、本発明においては、アンテナ導体の
共振点、反共振点がこの範囲内に存在しないと長波帯内
にて受信感度が数dB以内の範囲に入るのが困難とな
り、受信感度が平坦にならず、中波帯の受信感度も向上
しない。
【0038】また、長波帯の受信感度をさらに数dB平
坦にすべく、チョークコイルとデフォッガーの有するイ
ンピーダンスと追加回路とによって、長波帯に第一の反
共振点が存在するようにし、中波帯に第二の反共振点が
存在するようにし、長波帯と中波帯との間に共振点が存
在するようにし、所定の回路のインピーダンスと受信機
の入力インピーダンスと所定の回路からアンテナ導体側
をみたインピーダンスとによって、中波帯に共振点が存
在するようにすることがより望ましい。
【0039】また、FM帯をも受信したい場合には、コ
イル12a、12bとデフォッガーの有するインピーダ
ンスとによって、FM帯の下限周波数とFM帯の上限周
波数との間に自己共振点が存在させるようにすることが
好ましい。
【0040】また、本発明において、FM帯の受信機能
をも同時に備えたい場合には、所定の回路の出力インピ
ーダンスが低くなるように所定の回路を設計することが
好ましい。これにより、FM帯の受信感度が向上する。
所定の回路の出力インピーダンスは300Ω以下が望ま
しく、50〜200Ωの範囲がより望ましい。所定の回
路の出力インピーダンスが300Ω以下の場合には、3
00Ω超の場合より数dB、FM帯の受信感度が向上す
る。所定の回路の出力インピーダンスが50〜200Ω
の範囲内の場合には、50〜200Ωの範囲外の場合よ
り数dB、FM帯の受信感度が向上する。
【0041】本発明における追加回路(図1に示すも
の)では、中波帯及び長波帯で、通常、コイル30、3
1は0.1〜30mH、コンデンサ32、33は10〜
10000pF、抵抗16、17は100〜500kΩ
の範囲にするのが好ましい。
【0042】本発明におけるマッチング回路7(図1に
示すもの)では、中波帯及び長波帯で、通常、コンデン
サ12は1000〜10000pF、コンデンサ14は
5〜30pF、コイル13は100〜350μH、抵抗
15は1〜10kΩの範囲にするのが好ましく、一方、
デフォッガー3に接続されるヒータトランス9のチョー
クコイルの1次及び2次インダクタンスは中波帯及び長
波帯で1〜100mH、抵抗16、17は5〜50k
Ω、コンデンサ11は0.01〜0.5μH、FM帯で
コイル12a、12bは0.1〜5μHになるように設
定するのが好ましく、隣接部6aとの分岐線3aとの容
量結合部分は、FM、中波両放送帯で10〜1000p
Fとするのが好ましい。
【0043】もちろん、これら値は代表的なものについ
て例示したものであり、対象とする自動車用ガラスアン
テナ装置に応じて最適性能が得られるように変更でき
る。
【0044】
【作用】デフォッガーとチョークコイルからなる回路に
追加回路を追加し、チョークコイルとデフォッガーの有
するインピーダンスと追加回路とによって、長波帯の上
限周波数と長波帯の下限周波数の半分の周波数との間に
第一の反共振点が存在するようにし、中波帯の下限周波
数と長波帯の上限周波数との間の中心周波数と、中波帯
の上限周波数の1.5倍の周波数との間に第二の反共振
点が存在するようにし、リアクタンス回路を高インピー
ダンスにすることにより、デフォッガーに誘起された長
波帯及び中波帯の受信信号の電流が車体に流れるのを防
止して長波帯及び中波帯の受信感度が向上する。長波帯
と中波帯との間に共振点が存在するようにすることによ
って長波帯及び中波帯の受信感度の低下を防止する。
【0045】また、所定の回路のインピーダンスと受信
機の入力インピーダンスと所定の回路からアンテナ導体
側をみたインピーダンスとによって、中波放送周波数帯
の下限周波数と中波放送周波数帯の上限周波数の1.5
倍の周波数との間に共振点が存在するようにすることに
よって中波帯の受信感度向上を強化する。本発明では、
デフォッガー及び配線等の有する浮遊容量等も反共振、
共振の要素となる。
【0046】
【実施例】図1に示した本発明の自動車用ガラスアンテ
ナ装置において、中波帯及び長波帯で、コンデンサ12
は2400pF、コンデンサ14は10pF、コイル1
3は180μH、抵抗15は4.7kΩとした。
【0047】一方、デフォッガーに接続されるヒータト
ランス9のチョークコイルの1次及び2次インダクタン
スは中波帯及び長波帯で1.9mH、コイル30、31
は1.7mH、コンデンサ32、33は100pF、抵
抗16、17は27kΩ、コンデンサ11は0.22μ
H、隣接部6aとの分岐線3aとの容量結合部分は、長
波、中波両放送帯で90pFとした。
【0048】また、長波、中波両放送帯でアンテナ導体
6の給電点4と受信機20の入力端との間のアンテナ・
ケーブル部分の容量は30pF/mであった。また、F
M帯でコイル12a、12bは0.8μHであった。
【0049】実施例の中波帯及び長波帯ついての受信感
度の周波数特性を測定した結果をそれぞれ図2、図3に
示す。図2、図3は、ガラスアンテナ近傍で電界強度を
60dBμV/mとしたときに得られる受信感度を周波
数毎に求めたものである。かかる場合、第一の反共振点
は180kHz、第二の反共振点は650kHz、共振
点は400kHz及び1500kHzであった。
【0050】また、比較例として、同時に特開平2−2
39701に記載されている実施例の中波帯及び長波帯
についての受信感度の周波数特性を測定した結果を図
2、図3に示した。比較例では図1に示すマッチング回
路7の代わりに、図4に示すマッチング回路7を使用し
た。図4において、59は直流電流阻止用のコンデン
サ、53、54、57、58はコイル、55は抵抗、5
6はコンデンサである。コンデンサ59が0.01μ
F、コイル53が300μH、コイル54が150μ
H、抵抗55が680Ω、コンデンサ56が27pF、
コイル57が330μH、コイル58が2μHとし、中
波帯の低域で反共振させるようにし、中波帯の高域で共
振させるようにした。
【0051】なお、実施例のFM帯の受信感度の周波数
特性については、FM帯域全域で数dB以内のバラツキ
となり、平坦な周波数特性となった。
【0052】
【発明の効果】本発明では、前置増幅器を使用していな
いため、ノイズがそのまま増幅されるという問題がな
く、また、生産性が悪くなるという問題や、ガラスアン
テナの近傍に前置増幅器を設置することで、前置増幅器
用のスペース確保等で自動車の設計上の制約条件を与え
るという問題もなく、高受信感度、低ノイズ、無指向性
の受信性能の高い自動車長波受信用ガラスアンテナを提
供できる。
【0053】また、長波放送周波数帯全域を数dB以内
の比較的平坦な受信感度特性で受信でき、さらには、長
波放送のみならず、中波放送をも高利得、低ノイズで受
信できる。また、FM帯で所定の回路を低インピーダン
スにすれば、FM放送を高受信感度、無指向性で受信す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車長波受信用ガラスアンテナの構
成図
【図2】実施例及び比較例の中波帯の周波数受信感度特
性図
【図3】実施例及び比較例の長波帯の周波数受信感度特
性図
【図4】従来例のマッチング回路の回路図
【図5】図1とは別の形状パターンのデフォッガーの正
面図
【符号の説明】
1:後部窓のガラス板 2:ヒータ線 3:デフォッガー 4:アンテナ導体6の給電点 5a,5b,5c:バスバー 6:アンテナ導体 7:マッチング回路 8:リアクタンス回路 9:ヒータトランス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の後部窓のガラス板に、ヒータ線と
    ヒータ線に給電するバスバーとを有する通電加熱式のデ
    フォッガーと、デフォッガーとの間で直流電流の送受は
    行われないが高周波電流の送受は行われるように所定間
    隔をおいて近接させて容量結合させたアンテナ導体とを
    設け、一方のバスバーとバッテリとの間及び他方のバス
    バーと接地との間にチョークコイルを挿入接続した自動
    車長波受信用ガラスアンテナにおいて、 デフォッガーとチョークコイルからなる回路に追加回路
    を追加し、チョークコイルとデフォッガーの有するイン
    ピーダンスと追加回路とによって、長波放送周波数帯の
    上限周波数と長波放送周波数帯の下限周波数の半分の周
    波数との間に第一の反共振点が存在するようにし、中波
    放送周波数帯の下限周波数と長波放送周波数帯の上限周
    波数との間の中心周波数と、中波放送周波数帯の上限周
    波数の1.5倍の周波数との間に第二の反共振点が存在
    するようにし、長波放送周波数帯と中波放送周波数帯と
    の間に共振点が存在するようにし、 所定の回路のインピーダンスと受信機の入力インピーダ
    ンスと所定の回路からアンテナ導体側をみたインピーダ
    ンスとによって、中波放送周波数帯の下限周波数と中波
    放送周波数帯の上限周波数の1.5倍の周波数との間に
    共振点が存在するようにしたことを特徴とする自動車長
    波受信用ガラスアンテナ。
  2. 【請求項2】自動車の後部窓のガラス板に、ヒータ線と
    ヒータ線に給電するバスバーとを有する通電加熱式のデ
    フォッガーと、デフォッガーとの間で直流電流の送受は
    行われないが高周波電流の送受は行われるように所定間
    隔をおいて近接させて容量結合させたアンテナ導体とを
    設け、一方のバスバーとバッテリとの間及び他方のバス
    バーと接地との間にチョークコイルを挿入接続した自動
    車長波受信用ガラスアンテナにおいて、 デフォッガーとチョークコイルからなる回路に追加回路
    を追加し、チョークコイルとデフォッガーの有するイン
    ピーダンスと追加回路とによって、長波放送周波数帯に
    第一の反共振点が存在するようにし、中波放送周波数帯
    に第二の反共振点が存在するようにし、長波放送周波数
    帯と中波放送周波数帯との間に共振点が存在するように
    し、 所定の回路のインピーダンスと受信機の入力インピーダ
    ンスと所定の回路からアンテナ導体側をみたインピーダ
    ンスとによって、中波放送周波数帯に共振点が存在する
    ようにしたことを特徴とする自動車長波受信用ガラスア
    ンテナ。
  3. 【請求項3】所定の回路の出力インピーダンスが、FM
    放送周波数帯において300Ω以下であることを特徴と
    する請求項1又は2の自動車長波受信用ガラスアンテ
    ナ。
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