JPH07333413A - 再帰反射性シート - Google Patents

再帰反射性シート

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JPH07333413A
JPH07333413A JP6153132A JP15313294A JPH07333413A JP H07333413 A JPH07333413 A JP H07333413A JP 6153132 A JP6153132 A JP 6153132A JP 15313294 A JP15313294 A JP 15313294A JP H07333413 A JPH07333413 A JP H07333413A
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JP
Japan
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retroreflective
retroreflective sheet
sheet
surface layer
tetrafluoroethylene
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Application number
JP6153132A
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English (en)
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Katsura Ochi
桂 越智
Osamu Tanaka
修 田中
Masaki Yoshizawa
正樹 吉澤
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Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
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Publication date
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    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
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    • G09F13/16Signs formed of or incorporating reflecting elements or surfaces, e.g. warning signs having triangular or other geometrical shape

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Abstract

(57)【要約】 【目的】再帰反射性シート表面への氷結性や着雪性を改
善するとともに、ペンキやインキ等での悪戯による汚染
に対しても優れた汚染除去性を有する再帰反射性シート
の提供。 【構成】再帰反射性ベースシートの光入射側表面に、全
光線透過率が80%以上で、且つ表面張力が40dyne/cm以
下である透明表面層を設けてなることを特徴とする再帰
反射性シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路標識、工事標識等
の標識類;自動車、オートバイ等の車輌のナンバープレ
ート;衣服、救命具等の安全資材類;スノーポール等の
スポーツ用品;看板等のマーキング資材;などにおいて
有用であり、特に、寒冷地での使用に際しても再帰反射
性シート表面への氷結や着雪が少なく、また、再帰反射
性シートの表面がペンキ、インキ等により汚染された時
にも、有機溶剤等を使用せず、空拭きや水洗のみにより
容易に汚染を除去することのできる汚染除去性に優れた
再帰反射性シートに関し、詳しくは、再帰反射性ベース
シートの光入射側表面に、特定の全光線透過率と表面張
力とを有する透明表面層、例えばフッ素系樹脂などから
なる透明表面層を設けてなる再帰反射性シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、光を光源に向けて再帰反射さ
せる再帰反射性シートはよく知られており、その再帰反
射性を利用して、該シートは上記のごとき利用分野で広
く利用されている。
【0003】しかしながらこれら従来型の再帰反射性シ
ートについては、寒冷地使用において種々の問題があ
り、冬場、気温が零下に低下した場合に、再帰反射性シ
ートの表面に付着した水滴が氷結して再帰反射性能が低
下し、また、降雪の際には雪が再帰反射性シート表面に
付着して、著しい場合には標識としての表示機能が完全
に失われてしまうことがあるなど、寒冷時においては、
氷、雪等による視認性の低下や再帰反射性能の低下など
のトラブルがたびたび発生するのである。
【0004】このような寒冷地における氷結、着雪を防
ごうとする試みは、従来よりいくつか実施されており、
例えば米国特許第5,087,508号公報には、標識に畜熱性
物質を配し、熱により氷結、着雪を防止する試みが開示
されている。しかしながらこの方法においては、畜熱性
物質を標識に取り付けるための煩雑さや、またその取り
付けコストの高さ等の問題があり、広範な実用化におい
ては非常な困難が伴なうなどの欠点があった。
【0005】さらに、最近、特に道路標識、工事標識等
の標識類の表面がペンキ、インキ等による悪戯で汚染さ
れて、標識としての表示機能が低下するなどのトラブル
が発生して問題となっている。そしてこのように汚染さ
れた標識類の汚染を除去して失われた機能を回復しよう
とする試みも従来よりいくつか知られており、例えば再
帰反射性ベースシートの表面にアクリル系架橋型樹脂な
どの溶液を塗布乾燥して耐溶剤性の強い表面層を設け、
汚染された場合には汚染を有機溶剤で拭き取って除去し
ようとする等の試みが実施されている。しかしながらこ
の方法においては、汚染除去に際してどうしても汚染物
質を溶解するための溶剤を必要とし、作業者に対する健
康上の悪影響や環境に対する悪影響が生ずるという欠点
があった。
【0006】さらにまた、再帰反射性ベースシートの少
なくとも一部をフッ素系樹脂フィルムで構成してなる、
所謂封入レンズ型の再帰反射性シートも知られており、
例えば特開昭4−86701号公報には、フッ素系樹脂フィ
ルムからなる表面層に、高屈折ガラスビーズ、焦点層フ
ィルムが順次積層され、さらに焦点層フィルムの上に金
属層が被着形成された超耐候性再帰性反射シートについ
て開示されている。
【0007】上記提案の再帰性反射シートは、適宜の支
持フィルム上にフッ素系樹脂溶液を主成分とする塗料を
塗布・乾燥してフッ素系樹脂表面層を形成し、この表面
層上に、バインダー層フィルム用の塗料を塗布・乾燥し
た後、ガラスビーズをこのバインダー層フィルム中に埋
め込み、さらにこの上に焦点層フィルム用塗料を塗布・
乾燥し、次いで該焦点層フィルム上に金属反射層を形成
することにより製造されており、また表面層とバインダ
ー層との間に、同様の方法で中間層を設ける態様につい
ても開示されている。
【0008】しかしながら、フッ素系樹脂などの表面張
力の小さい樹脂の場合、有機溶剤に対する溶解性の悪い
ものが多く、このような樹脂の有機溶剤溶液を作成する
ときには、樹脂の選択幅が狭くなったり、有機溶剤の選
択に苦労したりするなどの問題点があり、必ずしも満足
すべき再帰性反射シートが得られていないのが現状であ
る。
【0009】
【発明が解決すべき課題】本発明は、これら従来技術の
欠点に鑑み、非常に簡単な操作により再帰反射性シート
に耐氷結性、耐着雪性を付与しようとするものであり、
また標識類等の再帰反射性シート利用製品の表面が、ペ
ンキ、インキ等によって汚染された場合においても、人
体や環境に悪影響を及ぼす拭き取り溶剤の使用なしに、
空拭きや水洗のみにより汚染除去を可能にしようとする
ものである。
【0010】本発明者等は、寒冷地において問題となっ
ている再帰反射性シート表面における氷結性や着雪性を
改善するとともに、前記の再帰反射性シートの汚染除去
性を改善する方法について種々検討を行った結果、例え
ば従来の再帰反射性シートをベースシートとして用い、
その光入射側の表面に、例えば熱溶融成形により形成さ
れたフッ素系樹脂などからなる、特定の全光線透過率と
表面張力とを有する透明表面層を、例えば接着剤等を介
して接合するなどの手段により設けることによって、耐
氷結性、耐着雪性、汚染除去性が顕著に改善されること
を見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、再帰反射性ベースシートの光入射側表面に、全光線
透過率が80%以上で、且つ表面張力が40dyne/cm以下で
ある透明表面層を設けてなることを特徴とする再帰反射
性シートが提供される。
【0012】本発明に用いられる上記再帰反射性ベース
シートとしては、特に限定されるものではなく、一般に
市販されている封入レンズ型再帰反射シート、カプセル
レンズ型再帰反射シート、カプセルキューブコーナー型
再帰反射シート、メタライズドキューブコーナー型再帰
反射シートなどの公知の技術で作成された再帰反射シー
トであれば何れでも使用することができる。
【0013】本発明における透明表面層の全光線透過率
は、80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは
90%以上であることが必要である。全光線透過率が80%
未満であれば、表面層を光が透過する際に失われる割合
が大きくなり、再帰反射性能が低下するので好ましくな
い。
【0014】また本発明における透明表面層の表面張力
は、40dyne/cm以下、好ましくは35dyne/cm以下、特に
好ましくは31dyne/cm以下である。該表面張力が該上限
値を超えて大きすぎては、得られる再帰反射性シートの
耐氷結性や耐着雪性が低下する傾向にあり好ましくな
い。透明表面層の表面張力は、主として該透明表面層を
形成する材料により左右される。
【0015】なお本発明において、透明表面層の全光線
透過率は、「ヘイズメーター TC-HIII」〔東京電色(株)
製〕を用いて測定された値である。また表面張力は以下
の方法で測定された値を用いるものとする。
【0016】表面張力の測定 (1) 表面張力が31dyne/cm以上の場合 表面張力の異なる複数のぬれ試験用ぬれ指数標準液〔和
光純薬工業(株)製〕を、23℃、65%RHの雰囲気下でフィ
ルム表面に線状に塗布し、約3秒後ハジキの有無を目視
により判定して、ハジキのない標準液の番号により、フ
ィルム表面の表面張力を決定する。
【0017】(2) 表面張力が31dyne/cm未満の場合 メタノール・水混合液を使用し、液滴法により接触角を
測定し、表面張力を決定する。
【0018】さらに本発明における透明表面層の厚み
は、特に限定されるものではないが、通常1〜100μm、
好ましくは5〜80μm、より好ましくは10〜70μm、特に
好ましくは20〜60μmである。該厚みが該下限値以上で
あれば、再帰反射性シート表面の摩耗等によっても表面
層が損なわれて耐氷結性や耐着雪性、さらには汚染除去
性が低下するなどの不都合が生じにくいので好ましく、
該上限値以下であればコストが高くなり過ぎることもな
いので好ましい。
【0019】本発明において、再帰反射性ベースシート
の光入射側表面に透明表面層を設ける方法は、特に限定
されるものではなく、例えば、全光線透過率が80%以上
で、且つ表面張力が40dyne/cm以下となるような樹脂を
溶剤に溶解もしくは分散させ、該再帰反射性ベースシー
トの光入射側表面に直接塗布・乾燥する等の方法も採用
できるが、このような樹脂から予め熱溶融形成された透
明フィルムを再帰反射性ベースシートの該表面に接着剤
(より好ましくは感圧接着剤)を介して貼付・積層する
のが好ましい。
【0020】上記の樹脂の溶液もしくは分散液を直接塗
布・乾燥する等の方法では、使用する溶剤が再帰反射性
ベースシートに使用されている樹脂類を溶解させたり膨
潤させたりして、該再帰反射性ベースシートを損傷させ
ることがあり、また、表面張力の小さい樹脂の場合、溶
剤溶解性が悪いものが多く、樹脂の選択幅が狭くなった
り、溶剤の選択に苦労したりするなどの問題点がある。
【0021】これに対して、透明フィルムを貼付する方
法では、該透明フィルムとして、樹脂の溶液もしくは分
散液を適宜の支持体上に塗布・乾燥して得たフィルムの
他に、溶融押出し法、カレンダー法などの熱溶融成形法
によるフィルムも使用できるので、樹脂の選択幅が広く
なるという長所を有する。その上、特に接着剤として感
圧接着剤を用いると共に、該感圧接着剤溶液を予め透明
表面層形成用透明フィルム上に塗布・乾燥して感圧接着
剤層を形成したり、又は別の離型材上に塗布・乾燥して
感圧接着剤層を形成した後、これを該透明フィルムもし
くは再帰反射性ベースシートの光入射側表面に転写した
りすることによって、上記のように溶剤によって再帰反
射性ベースシートを損傷させるなどの不都合を回避する
ことができる。
【0022】透明フィルムを接着剤で貼付する場合の接
着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常
5〜80μm、好ましくは10〜70μm、特に好ましくは20〜
60μm程度であるのがよい。
【0023】本発明における前記透明表面層を形成する
ための樹脂としては、前記表面張力及び全光線透過率を
満足するものであれば特に限定されないが、容易に低表
面張力が得られ、耐候性、耐汚染性、耐溶剤性などにも
優れているフッ素系樹脂を用いるのが好ましい。
【0024】このようなフッ素系樹脂としては、例え
ば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ
化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン等フルオロオレフ
ィン系単量体;例えば、パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の
フルオロオレフィン系単量体以外の含フッ素単量体;な
どの単独重合体、これら含フッ素単量体同士又はこれら
含フッ素単量体と他の共重合性単量体との共重合体、さ
らにはこれら(共)重合体と他の樹脂との混合物を使用す
ることができる。
【0025】上記の共重合性単量体のうち、不飽和炭素
結合以外に他の反応性官能基を有しない共重合性単量体
としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフィ
ン系単量体;例えば、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、シクロペンチルビニルエーテル等の
(シクロ)アルキルビニルエーテル系単量体;例えば、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビバリン酸ビニル、
「バーサチック酸ビニル」(商品名、シェル社製)、安
息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキ
サンカルボンビニル、酢酸イソプロペニル等のカルボン
酸ビニルエステル系単量体;
【0026】例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の
フルオロオレフィン系単量体以外のハロゲン化ビニル系
単量体;例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、
i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリ
レート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メ
タ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)
アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、i-ノニル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル系単量体;などを挙げること
ができる。
【0027】また不飽和炭素結合以外に少なくとも1つ
の他の反応性官能基を有する共重合性単量体としては、
例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、3-ヒドロ
キシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニ
ルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する
単量体;例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボ
キシル基を有する単量体;例えば、N,N-ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルビニル
エーテル等のアミノ基を有する単量体;例えば、グリシ
ジルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等
のエポキシ基を有する単量体;
【0028】例えば、トリメトキシビニルシラン、トリ
エトキシビニルシラン、2-トリメトキシシリルエチルビ
ニルエーテル、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン等の加水分解性シリル基を有する単量体;例え
ば、2-トリメチルシロキシエチルビニルエーテル、4-ト
リメチルシロキシブチルビニルエーテル等のシロキシ基
を有する単量体;例えば、トリメチルシリル(メタ)アク
リレート、ビニル-5-トリメチルシロキシカルボニルペ
ンタエート等のシロキシカルボニル基含有単量体;など
を挙げることができる。
【0029】本発明に好適に使用することのできるフッ
素系樹脂としては、これらの単量体を(共)重合して得ら
れる(共)重合体、例えば、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレ
ン-ヘキサフルオロプロピレン-パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-エチ
レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン-エチレン共重合体、トリフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
ル等が挙げられる。
【0030】これらのうちでも、フッ素系樹脂としてテ
トラフルオロエチレンの(共)重合体を主成分として含有
する樹脂を使用することにより、優れた汚染除去性が得
られるので好ましい。該(共)重合体中のテトラフルオロ
エチレンの(共)重合量としては15重量%以上、さらには
25重量%以上、特には35重量%以上であるのが好まし
い。
【0031】またテトラフルオロエチレンの(共)重合体
としては、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体
であるのが好ましい。また該テトラフルオロエチレン-
エチレン共重合体の使用量は、透明表面層を形成するフ
ッ素系樹脂中に5重量%以上、さらには10重量%以上、
特には20重量%以上含有させるのが好ましい。このよう
なフッ素系樹脂を使用することにより、透明性、機械強
度、柔軟性、加工適性に優れ、且つ比較的安価な透明表
面層が得られる。これら(共)重合体の重量平均分子量
は、作業性、フィルム耐久性等の観点から5,000〜400,0
00、特には7,000〜300,000であるのが好ましい。
【0032】上記の柔軟性については、衣服等の安全資
材類などの着脱性が重視される被着体やスノーポール等
の曲面を有する被着体などに貼付して用いる場合におい
て特に重要な機能となる。
【0033】本発明に用いることのできる市販のフルオ
ロオレフィン系単量体の単独重合体又は共重合体として
は、例えば、「フルオン」、「アフロン TFE」、「アフ
ルンCOP」〔以上旭硝子(株)製〕、「ポリフロン TF
E」、「ネオフロン FEP」、「ネオフロン PFA」、「ネ
オフロン ETFE」〔以上ダイキン工業(株)製〕、「テフ
ロン TFE」、「テフロン FEP」、「テフロン PFA」、
「テフロン EPE」、「テフゼル」〔以上三井デュポンフ
ロロケミカル(株)製〕を挙げることができる。
【0034】また本発明における透明表面層には、前記
全光線透過率、表面張力等の必要物性を阻害しない範囲
で、必要に応じて、熱安定剤、光安定剤、架橋剤、着色
剤などを含んでもよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を一
層詳細に説明する。なお実施例及び比較例における再帰
反射性シートの耐氷結性試験、耐着雪性試験、再帰反射
性能試験、柔軟性試験及び汚染除去性試験の方法、並び
に、評価方法は次のとおりである。
【0036】(1) 耐氷結性試験 再帰反射性シートを7.5×15cmのアルミニウム板の全面
に貼付け、テスト片とした。このテスト片を−30℃の雰
囲気中に垂直に立て、霧吹きで水滴を該再帰反射性シー
ト表面の全面に吹き付け、24時間後の表面の氷結状態を
観察して、以下の評価基準に従って評価した。
【0037】5・・・・・・氷結部分が全面積の5%未満。 4・・・・・・氷結部分が全面積の5%以上、10%未満。 3・・・・・・氷結部分が全面積の10%以上、20%未満。 2・・・・・・氷結部分が全面積の20%以上、30%未満。 1・・・・・・氷結部分が全面積の30%以上。
【0038】(2) 耐着雪性試験 再帰反射性シートを1×1.5mのアルミニウム板の全面に
貼付け、テスト片とした。このテスト片を降雪時屋外に
垂直にたて、24時間後の表面着雪状況を観察し、以下の
評価基準に従って評価した。
【0039】5・・・・・・着雪部分が全面積の5%未満。 4・・・・・・着雪部分が全面積の5%以上、10%未満。 3・・・・・・着雪部分が全面積の10%以上、20%未満。 2・・・・・・着雪部分が全面積の20%以上、30%未満。 1・・・・・・着雪部分が全面積の30%以上。
【0040】(3) 再帰反射性能 JIS Z-9117に規定される再帰反射性能の測定法に従って
再帰反射性シートを測定した。なお、測定に際しての角
度条件は、観測角0.2゜、入射角5゜とした。
【0041】(4) 柔軟性試験 再帰反射性シートを10×10cmに切断し、5℃の条件下で
約5cmφの塩化ビニル樹脂製パイプに、再帰反射性シー
トの背面に設けられている感圧接着剤によって貼付け10
秒間固定した。次いで固定をはずして貼着状態を観察
し、以下の評価基準に従って評価した。
【0042】3・・・・・・浮き、剥がれ等の貼着異状がな
い。 2・・・・・・浮き、剥がれ等の貼着異状が端部より10mm以内
の範囲。 1・・・・・・浮き、剥がれ等の貼着異状が端部より10mmを超
えている。
【0043】(5) 汚染除去性試験 再帰性反射シートの表面を油性「マジックインキ」(商
品名)黒を用いて汚し、5分間の乾燥後、以下の評価基
準に従って汚染除去性を評価した。
【0044】5・・・・・・布で簡単に拭き取り除去ができ、
跡が全く残らない。 4・・・・・・布で強く擦れば拭き取り除去ができ、跡が全く
残らない。 3・・・・・・布で強く擦っても完全には拭き取り除去するこ
とができないが、水又はエチルアルコールを布につけて
拭けば除去することができ、跡が全く残らない。 2・・・・・・水又はエチルアルコールを布につけて拭けば除
去可能であるが、跡が残る。 1・・・・・・水又はエチルアルコールを布につけて拭いて除
去できない。 実施例1 再帰反射性ベースシートとして、市販のカプセルレンズ
型再帰反射性シート「ニッカライト ULS 512」〔ニッカ
ポリマ(株)製〕を使用し、その光入射側表面に、厚み約
40μm、全光線透過率92%、表面張力23dyne/cmのテト
ラフルオロエチレン-エチレン共重合体フィルム「アフ
ロン COP」〔旭硝子(株)製〕(4FEt-Et)を、アクリル
系感圧接着剤〔「ニッセツ PE-121」{日本カーバイド
工業(株)製}を離型紙上に塗布・乾燥して予め厚み約40
μmに調整したもの〕を用いて貼付・積層し透明表面層
を形成し再帰反射性シートを得た。
【0045】得られた再帰反射性シートを前記試験法に
従って各種試験を行った。試験結果を表1に示した。
【0046】実施例2 実施例1において、透明表面層としてテトラフルオロエ
チレン-エチレン共重合体フィルムの代わりに、厚み約5
0μm、全光線透過率92%、表面張力25dyne/cmのフッ化
ビニリデン系樹脂フイルム「DXフイルム 14S0050」〔電
気化学工業(株)製〕(PVdF)を用いた以外は実施例1と
同様にして再帰反射性シートを得た。得られた再帰反射
性シートを前記試験法に従って各種試験を行った。試験
結果を表1に示した。
【0047】比較例1 実施例1において再帰反射性ベースシートとして用いた
市販のカプセルレンズ型再帰反射性シートをそのまま用
いて、前記試験法に従って各種試験を行った。試験結果
を表1に示した。
【0048】比較例2 実施例1において、透明表面層としてテトラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体フィルムの代わりに、厚み約
38μm、全光線透過率93%、表面張力41dyne/cmのポリ
エチレンテレフタレート系樹脂フィルム「テイジンテト
ロン S-38」〔帝人(株)製〕(PET)を用いた以外は実施
例1と同様にして再帰反射性シートを得た。得られた再
帰反射性シートを前記試験法に従って各種試験を行っ
た。試験結果を表1に示した。
【0049】実施例3 実施例1において、再帰反射性ベースシートとしてカプ
セルレンズ型再帰反射性シートを用いる代わりに、市販
の封入レンズ型再帰反射性シート「ニッカライト SEG 1
5012」〔ニッカポリマ(株)製〕を用いる以外は実施例1
と同様にして再帰反射性シートを得た。得られた再帰反
射性シートを前記試験法に従って各種試験を行った。試
験結果を表1に示した。
【0050】比較例3 実施例3において再帰反射性ベースシートとして用いた
市販の封入レンズ型再帰反射性シートをそのまま用い
て、前記試験法に従って各種試験を行った。試験結果を
表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】
【0053】本発明の耐氷結性再帰反射性シートは、再
帰反射性ベースシートの光入射側表面に、全光線透過率
が80%以上で、且つ表面張力が40dyne/cm以下である透
明表面層、好ましくはフッ素系樹脂、特にはテトラフル
オロエチレン-エチレン共重合体からなる透明表面層を
設けてなるものである。
【0054】本発明の耐氷結性再帰反射性シートは、こ
のように非常に簡単な操作によって、従来型の再帰反射
性シートの寒冷地使用における種々の問題−冬場、気温
が零下に低下した時や降雪時に、再帰反射性シートの表
面に水滴が氷結したり、雪が付着したりして、場合によ
っては標識としての表示機能が完全に失われてしまうな
どの問題−を解決して再帰反射性シートに優れた耐氷結
性、耐着雪性を付与することができる。
【0055】また本発明の再帰性反射シートは、ペン
キ、インキ等での悪戯による汚染を、人体、環境に悪影
響を及ぼすような有機溶剤を用いることなしに除去する
ことが可能で、例えば、布等で空拭きすることにより、
又は高圧水などを用いて水洗することにより汚染を簡単
に除去することが可能となる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再帰反射性ベースシートの光入射側表面
    に、全光線透過率が80%以上で、且つ表面張力が40dyne
    /cm以下である透明表面層を設けてなることを特徴とす
    る再帰反射性シート。
  2. 【請求項2】透明表面層がフッ素系樹脂からなるもので
    ある請求項1記載の再帰反射性シート。
  3. 【請求項3】フッ素系樹脂がテトラフルオロエチレンの
    (共)重合体を含有する請求項2記載の再帰反射性シー
    ト。
  4. 【請求項4】テトラフルオロエチレンの(共)重合体がテ
    トラフルオロエチレン−エチレン共重合体である請求項
    3記載の再帰反射性シート。
  5. 【請求項5】透明表面層が熱溶融成形されたフッ素系樹
    脂からなるものである請求項1記載の再帰反射性シー
    ト。
  6. 【請求項6】透明表面層が接着剤を介して再帰反射性ベ
    ースシートの表面に積層されてなるものである請求項1
    記載の再帰反射性シート。
  7. 【請求項7】接着剤が再剥離可能な感圧接着剤である請
    求項6記載の再帰反射性シート。
JP6153132A 1994-06-13 1994-06-13 再帰反射性シート Pending JPH07333413A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009252899A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Toyoda Gosei Co Ltd 発光装置及び発光装置の製造方法
JP2022511456A (ja) * 2018-11-30 2022-01-31 マジック リープ, インコーポレイテッド 拡張現実デバイスにおける高効率接眼レンズのための方法およびシステム
US11994680B2 (en) 2021-05-27 2024-05-28 Magic Leap, Inc. Methods and systems for high efficiency eyepiece in augmented reality devices

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