JPH07332426A - 減衰力可変型緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器

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Publication number
JPH07332426A
JPH07332426A JP12731894A JP12731894A JPH07332426A JP H07332426 A JPH07332426 A JP H07332426A JP 12731894 A JP12731894 A JP 12731894A JP 12731894 A JP12731894 A JP 12731894A JP H07332426 A JPH07332426 A JP H07332426A
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JP
Japan
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flow passage
low
damping force
valve
bypass flow
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Application number
JP12731894A
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English (en)
Inventor
Michiya Hiramoto
三千也 平本
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低減衰バルブの過剰撓みによるへたりを阻止
しつつ低減衰力特性設定時において高ピストン速度域で
の減衰力特性を十分に低くすることができる減衰力可変
型緩衝器の提供。 【構成】 高減衰バルブ9と、緩衝器の行程時に高減衰
バルブ9をバイパスして上部室Aと下部室B間の流体流
通を許容するメインバイパス流路Fと、メインバイパス
流路Fの流体流通を制限的に許容することで低い減衰力
を発生させる低減衰バルブ11と、低減衰バルブ11の
過剰撓みを防止するカラー4bと、その変位によりメイ
ンバイパス流路Fの流路断面積を変化可能な可変絞りS
を有する調整子12と、低減衰バルブ11をバイパスし
て可変絞りSより下流側のメインバイパス流路Fと下部
室Bとの間の流体流通を許容するサブバイパス流路G
と、所定の液圧以上になると開弁してサブバイパス流路
Gの流体流通を許容するリリーフバルブ13とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサスペンショ
ンに用いるのに最適な、減衰力特性を変化可能な緩衝器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の減衰力可変型緩衝器としては、例
えば、本件出願人が先に出願した実開平3−88042
号明細書の図5に記載されているようなものがある。
【0003】この従来の減衰力可変型緩衝器は、緩衝器
の行程時に画成された2室間の流体流通を制限的に許容
することで高い減衰力を発生させる高減衰バルブと、緩
衝器の行程時に高減衰バルブをバイパスして画成された
2室間の流体流通を許容するバイパス流路と、バイパス
流路に設けられていて該メインバイパス流路の流体流通
を制限的に許容することで低い減衰力を発生させる低減
衰バルブとを備えた減衰力可変型緩衝器であって、前記
低減衰バルブが、バルブボディの両端面に配置された一
方側が低剛性の一対のディスクプレートで構成されたも
のであった。
【0004】即ち、この従来例では、低減衰バルブを剛
性を異にする一対のディスクプレートで構成することに
よって、十分な流体流量を確保し、これにより、低ピス
トン速度域における減衰力特性の可変幅を大きくするこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の減衰力可変型緩衝器にあっては、以下に述べ
るような問題点があった。 低減衰バルブを構成する一対のディスクプレートの
うち低剛性側のディスクプレートは、過剰撓みによるへ
たりを生ずる恐れがある。
【0006】 低減衰力特性設定時において、高ピス
トン速度域における減衰力特性のみを十分に低くするこ
とができないため、急激なばね下入力があった場合には
ばね上への伝達抑制力が不足し、これにより、車両の乗
り心地を悪くする。
【0007】本発明は、上述のような従来の問題点に着
目して成されたもので、低減衰バルブの過剰撓みによる
へたりを阻止しつつ低減衰力特性設定時において高ピス
トン速度域での減衰力特性を十分に低くすることがで
き、これにより、急激なばね下入力があった場合でもば
ね上への伝達を抑制して車両の乗り心地を向上させるこ
とができる減衰力可変型緩衝器を提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本発明の減衰力可変型緩衝器では、緩衝器
の行程時に画成された2室間の流体流通を制限的に許容
することで高い減衰力を発生させる高減衰バルブと、緩
衝器の行程時に高減衰バルブをバイパスして画成された
2室間の流体流通を許容するメインバイパス流路と、メ
インバイパス流路に設けられていて該メインバイパス流
路の流体流通を制限的に許容することで低い減衰力を発
生させる低減衰バルブと、低減衰バルブの過剰撓みを防
止する過剰撓み防止手段と、メインバイパス流路の途中
に設けられていてその変位によりメインバイパス流路の
流路断面積を変化可能な第1可変絞りと、低減衰バルブ
をバイパスして第1可変絞りより下流側のメインバイパ
ス流路と一方の室との間の流体流通を許容するサブバイ
パス流路と、サブバイパス流路の途中に設けられていて
所定の液圧以上になると開弁してサブバイパス流路の流
体流通を許容するリリーフバルブと、を備えた手段とし
た。
【0009】また、請求項2記載の減衰力可変型緩衝器
では、サブバイパス流路の途中にその変位によりサブバ
イパス流路の流路断面積を変化可能な第2可変絞りが設
けられ、該第2可変絞りの絞り込みがメインバイパス流
路に設けられた第1可変絞りの絞り込みに先立って行な
われるような可変絞りの変位構造とした。
【0010】
【作用】本発明の減衰力可変型緩衝器は、可変絞りを変
位させてメインバイパス流路およびサブバイパス流路の
流路断面積を変化させることにより、減衰力特性を変化
させることができる。
【0011】即ち、可変絞りを開いた状態においては、
緩衝器の行程により加圧された一方の室の流体が、メイ
ンバイパス流路を経由し、低減衰バルブを開弁してもう
一方の室へ流通するもので、これにより、低減衰力特性
となり、また、可変絞りを閉じた状態においては、緩衝
器の行程により加圧された一方の室の流体が、高減衰バ
ルブを開弁してもう一方の室へ流通するもので、これに
より、高減衰力特性となる。
【0012】また、可変絞りを開いた低減衰力特性状態
において、低ピストン速度域では、まず、低減衰バルブ
を開弁して流体が流通することで、ピストン速度に比例
した低い減衰力を発生させる。そして、ピストン速度が
早くなって低減衰バルブの開弁が過剰撓み防止手段で規
制されると、それ以後は、リリーフバルブが開弁するこ
とでサブバイパス流路を経由した流体の流通が開始する
もので、その時点からはピストン速度変化に対し減衰力
特性が横ばい状態となる。
【0013】従って、低減衰バルブの過剰撓みによるへ
たりを阻止しつつ低減衰力特性設定時において高ピスト
ン速度域での減衰力特性を十分に低くすることができ
る。
【0014】また、請求項2記載の減衰力可変型緩衝器
では、サブバイパス流路に設けられた第2可変絞りの絞
り込みがメインバイパス流路に設けられた第1可変絞り
の絞り込みに先立って行なわれるもので、これにより、
ピストン速度に対し低減衰力特性が横ばい状態となる低
減衰力特性の範囲を任意に設定することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成について説明する。
【0016】図1は、本発明実施例の減衰力可変型緩衝
器の要部であるピストン部分を示す断面図(図2(ハ) の
P−P断面図)であって、この緩衝器は、シリンダ1
と、該シリンダ1内を上部室Aと下部室Bとに画成して
摺動するピストン2を有している。
【0017】前記ピストン2は、ピストンロッド17の
先端部に螺合されたリバウンドストッパ19の先端部に
さらに螺合されたスタッド3の先端小径部3aに取り付
けられている。
【0018】即ち、前記スタッド3の先端小径部3a
に、圧側サブボディ7,圧側低減衰バルブ8,ワッシャ
5a,カラー4a,ワッシャ5b,圧側高減衰バルブ
6,ピストン2,伸側高減衰バルブ9,ワッシャ5c,
伸側サブボディ10,伸側低減衰バルブ11,ワッシャ
5d,カラー4bを順次装着し、最後にナット16で締
結している。
【0019】前記圧側高減衰バルブ6,圧側低減衰バル
ブ8,伸側高減衰バルブ9,伸側低減衰バルブ11は、
内周固定のディスクバルブで構成されている。即ち、圧
側低減衰バルブ8および伸側低減衰バルブ11は、剛性
の低い一枚のディスクバルブで構成される一方で、圧側
高減衰バルブ6は同一外径で剛性の高い3枚のディスク
バルブで構成され、また、伸側高減衰バルブ9は圧側高
減衰バルブ6と同一外径の剛性の高い2枚の大径ディス
クバルブ9aとそれよりは小径でさらに剛性の高い2枚
の小径ディスクバルブ9bで構成されている。
【0020】前記スタッド3には、その軸芯部に貫通穴
3bが穿設されると共に、その周壁を直径方向に貫通す
る状態で上方から順に、第1ポート3c,第2ポート3
d,第3ポート3e,第4ポート3fおよび第5ポート
3gが穿設されている。
【0021】前記圧側サブボディ7は、その外周上面に
形成された円筒部7bをスタッド3の外周に装着し、ス
タッド3の外周面に装着されたオーリング20でシール
することにより、スタッド3の外周面との間に前記第1
ポート3cと連通する環状流路7cを形成している。ま
た、圧側サブボディ7の下面に圧側低減衰バルブ8によ
り開閉される環状溝7aが形成され、この環状溝7aは
連通孔7dを介して環状流路7cと連通されている。
【0022】また、上部室A側であるピストン2の上端
面には、圧側連通孔2eを介して下部室Bに連通され
て、前記圧側高減衰バルブ6により開閉される4つの圧
側溝2bと、ピストン2の内周から外周に至る伸側連通
溝2cとが形成され、また、ピストン2の内周上部に
は、前記第2ポート3dと伸側連通溝2cとを連通する
内周環状溝2dが形成されている。
【0023】一方、下部室B側であるピストン2の下端
面には、伸側連通溝2cおよび伸側連通孔2hを介して
上部室Aに連通され、前記伸側高減衰バルブ9により開
閉される4つの伸側内側溝2fと、この伸側内側溝2f
の外側で伸側内側溝2fと独立した環状の伸側外側溝2
gとが形成され、また、ピストン2の内周下部には、前
記第3ポート3eと連通する内周環状溝2kが形成され
ていて、この内周環状溝2kは半径方向溝2jを経由し
て伸側外側溝2gと連通されている。
【0024】前記伸側サブボディ10は、その下面に伸
側低減衰バルブ11により開閉される環状溝10aが形
成され、この環状溝10aは半径方向溝10bおよび内
周環状溝10cを介して第4ポート3fおよび第5ポー
ト3gと連通されている。
【0025】前記カラー4bは、伸側低減衰バルブ11
の開弁時における過剰撓みによるへたりを防止する役目
をなすもので、請求の範囲の過剰撓み防止手段を構成し
ている。即ち、このカラー4bは、伸側低減衰バルブ1
1とほぼ同一外径に形成されると共に、伸側低減衰バル
ブ11との間にワッシャ5dの板厚に相当する撓み許容
空間を形成していて、この空間を撓み限度として伸側低
減衰バルブ11の過剰撓みを防止している。
【0026】さらに、前記スタッド3の貫通穴3b内に
は、調整子12が回動自在に設けられている。この調整
子12は、その軸心部に、その下端が前記下部室Bに連
通した中空部12aを有した筒状に形成され、また、そ
の周壁には、前記第1ポート3cと中空部12aとを連
通する横孔12bと、第2ポート3dと第3ポート3e
と第4ポート3fとを連通する第1縦溝12cと、第5
ポート3gと中空部12aとを連通する第2縦溝12d
が形成されている。
【0027】本発明実施例では、以上のような構成とし
たため、伸行程で流体が流通可能な流路としては図示の
4つの流路がある。即ち、伸側連通溝2cおよび伸側連
通孔2hを経由して伸側内側溝2fの位置から伸側高減
衰バルブ9の内側および外周部を開弁して下部室Bに至
る伸側第1流路Dと、伸側連通溝2c,第2ポート3
d,第1縦溝12c,第3ポート3e,伸側連通孔2k
および半径方向溝2jを経由し伸側外側溝2gの位置か
ら伸側高減衰バルブ9の外周部を開弁して下部室Bに至
る伸側第2流路Eと、伸側連通溝2c,第2ポート3
d,第1縦溝12c,第4ポート3f,半径方向溝10
bおよび環状溝10aを経由し伸側低減衰バルブ11を
開弁して下部室Bに至る伸側第3流路(メインバイパス
流路)Fと、この伸側第3流路(メインバイパス流路)
Fのうち、第4ポート3fを通過した後内周環状溝10
c方向に分岐され、第5ポート3gおよび第2縦溝12
dを経由し、後述のリリーフバルブ13を開弁した後貫
通穴3bを経由して下部室Bに至る伸側第4流路(サブ
バイパス流路)Gとである。
【0028】前記リリーフバルブ13は、調整子12の
下端面側であって、貫通穴3bとの連通部となる第2縦
溝12dの下端開口部を閉塞する状態で設けられてい
る。即ち、このリリーフバルブ13はロアーブッシュ1
4との間に介装されたスプリング15によって所定のセ
ット荷重が付与されていて、このスプリング15のセッ
ト荷重としては、リリーフバルブ13の開弁圧が伸側低
減衰バルブ11の開弁圧よりは高くなるような値に設定
されている。なお、リリーフバルブ13の中心部には、
中空部12aの下端開口部と貫通穴3bとの間の流通を
許容する貫通孔13aが形成されている。
【0029】一方、圧行程で流体が流通可能な経路とし
ては図示の2つの流路がある。即ち、圧側連通孔2eお
よび圧側溝2bを経由し圧側高減衰バルブ6を開弁して
上部室Aに至る圧側第1流路Hと、貫通穴3b,貫通孔
13a,中空部12a,横孔12b,第1ポート3c,
環状流路7c,連通孔7dおよび環状溝7aを経由し圧
側低減衰バルブ8を開弁して上部室Aに至る圧側第2流
路Jとである。
【0030】以上のように、横孔12bと第1ポート3
cとの間で、圧側可変絞りRを形成し、第1縦溝12c
と第2ポート3dとの間および第1縦溝12cと第4ポ
ート3fとの間で伸側第1可変絞りSを形成し、第1縦
溝12cと第3ポート3eとの間で伸側第2可変絞りT
を形成し、第2縦溝12dと第5ポート3gとの間で、
伸側第3可変絞りVを形成している。なお、伸側第1可
変絞りSが請求の範囲の第1可変絞りを構成し、また、
伸側第3可変絞りVが請求の範囲の第2可変絞りを構成
している。
【0031】また、調整子12の回動は、コントロール
ロッド18により成されるもので、このコントロールロ
ッド18は、ピストンロッド17の貫通穴17a内を貫
通して上端部まで延在され、ピストンロッド17の上端
部に設けられたパルスモータ(図示せず)により回動さ
れるようになっている。
【0032】そして、前記調整子12は、その回動に基
づいて減衰力ポジションを図2〜図4に示すポジション
の範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能となっ
ている。
【0033】まず、図2に示すソフトポジションでは、
各可変絞りR,S,T,Vの全てが開かれていて、前記
伸行程における4つの流路D,E,F,Gと、圧行程に
おける2つの流路H,Jのすべてが流通可能となってい
る。
【0034】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、開弁圧の最も小さい伸側低減衰バルブ11を開弁
し、伸側第3流路Fを経由して流体が流通することでピ
ストン速度に比例した低減衰力特性となる。そして、ピ
ストン速度が早くなって伸側低減衰バルブ11がカラー
4bに当接すると、それ以後はリリーフバルブ13が開
弁し、伸側第4流路Gを経由した流体の流通が開始する
ことで、その時点からはピストン速度変化に対し減衰力
特性が横ばい状態となる(図5のSOFT領域参照)。
【0035】即ち、伸側低減衰バルブ11がカラー4b
に当接することで、それ以上の撓みが阻止され、これに
より、伸側低減衰バルブ11の過剰撓みによるへたりを
防止することができる。
【0036】また、上述のように、低減衰力特性設定時
において高ピストン速度域での減衰力特性を十分に低く
することができるため、急激なばね下入力があった場合
でもばね上への伝達を抑制して車両の乗り心地を向上さ
せることができる。
【0037】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第1流路Hの流
通を開始するもので、これにより、圧行程の減衰力特性
はピストン速度に比例した低減衰力特性状態となる(図
5参照)。
【0038】また、図3に示すミディアムポジションで
は、圧側可変絞りRと伸側第1可変絞りSと伸側第2可
変絞りTが絞られて、伸側第4可変絞りVが閉じられて
いて、伸側第4流路Gのみが流通できない状態となって
いる。
【0039】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、開弁圧の最も小さい伸側低減衰バルブ11を開弁
し、伸側第3流路Fを経由して流体が流通すると共に、
ピストン速度が早くなって伸側低減衰バルブ11がカラ
ー4bに当接すると、それ以後はピストン速度が早くな
るにつれて伸側第2流路E,伸側第1流路Dの順で流体
が流通するもので、これにより、ピストン速度に比例し
た中減衰力特性となる(図5のMEDIUM領域参照)。
【0040】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、
ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第1流路Hの流
通を開始するもので、これにより、圧行程の減衰力特性
もピストン速度に比例した中減衰力特性状態となる(図
5参照)。
【0041】また、図4に示すハードポジションでは、
各可変絞りR,S,T,Vの全てが閉じられていて、前
記伸行程における伸側第1流路Dと、圧行程における圧
側第1流路Hのみが流通可能となっている。
【0042】従って、伸行程時には、流体が流通抵抗の
大きい伸側第1流路Dを流通し、これにより、伸行程の
減衰力特性はピストン速度に比例した高減衰力特性状態
となる(図5のHARD領域参照)。
【0043】一方、圧行程時には、流体が流通抵抗の大
きい圧側第1流路Hを流通し、これにより、圧行程の減
衰力特性はピストン速度に比例した高減衰力特性状態と
なる(図5参照)。
【0044】以上説明したように、この実施例の減衰力
可変型緩衝器では、カラー4dにより伸側低減衰バルブ
11の過剰撓みによるへたりを防止することができると
共に、低減衰力特性状態においては、リリーフバルブ1
3の開弁により、高ピストン速度域での減衰力特性を十
分に低くおさえることができるため、ばね下からの急激
な入力に対してもばね上への伝達を抑制し、これによ
り、車両の乗り心地を向上させることができるようにな
るという効果が得られる。
【0045】また、伸側第4流路(サブバイパス流路)
Gの途中に設けた伸側第3可変絞り(第2可変絞り)の
絞り込みを伸側第4流路Gに設けられた伸側第1可変絞
り(第1可変絞り)Sの絞り込みに先立って行なわれる
ような可変絞りの変位構造としたことで、ピストン速度
に対し低減衰力特性が横ばい状態となる低減衰力特性の
範囲を任意に設定することができるようになるという効
果が得られる。
【0046】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計
変更等があっても本発明に含まれる。
【0047】例えば、実施例では、調整子12を回動さ
せるようにした場合を示したが、軸方向にスライドさせ
たり、または、回動と軸方向スライドとを組み合わせた
ものであってもよい。また、実施例では、本発明を伸行
程側に適用したが、圧行程側にも適用することができ
る。
【0048】また、実施例では、伸側および圧側の減衰
力特性が同時に変化する構造の緩衝器に適用したが、伸
側および圧側の内の一方の行程の減衰力特性を可変制御
する時はもう一方の行程の減衰力特性を低減衰力特性に
固定する構造の緩衝器にも本発明を適用することができ
る。
【0049】また、実施例では、伸側高減衰バルブ9を
内外二重のバルブ構成としたが、伸側第2可変絞りTを
含む伸側第2流路Eを省略して圧側高減衰バルブ6と同
様の構成とすることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の減衰
力可変型緩衝器では、緩衝器の行程時に高減衰バルブを
バイパスして画成された2室間の流体流通を許容するメ
インバイパス流路と、メインバイパス流路に設けられて
いて該メインバイパス流路の流体流通を制限的に許容す
ることで低い減衰力を発生させる低減衰バルブと、低減
衰バルブの過剰撓みを防止する過剰撓み防止手段と、メ
インバイパス流路の途中に設けられていてその変位によ
りメインバイパス流路の流路断面積を変化可能な調整子
と、低減衰バルブをバイパスして調整子より下流側のメ
インバイパス流路と一方の室との間の流体流通を許容す
るサブバイパス流路と、サブバイパス流路の途中に設け
られていて所定の液圧以上になると開弁してサブバイパ
ス流路の流体流通を許容するリリーフバルブと、を備え
たことで、低減衰バルブの過剰撓みによるへたりを阻止
しつつ低減衰力特性設定時において高ピストン速度域で
の減衰力特性を十分に低くすることができ、これによ
り、急激なばね下入力があった場合でもばね上への伝達
を抑制して車両の乗り心地を向上させることができるよ
うになるという効果が得られる。
【0051】また、請求項2記載の減衰力可変型緩衝器
では、上記構成に加え、サブバイパス流路の途中にその
変位によりサブバイパス流路の流路断面積を変化可能な
第2可変絞りが設けられ、該第2可変絞りの絞り込みが
メインバイパス流路に設けられた第1可変絞りの絞り込
みに先立って行なわれるような可変絞りの変位構造とし
たことで、ピストン速度に対し低減衰力特性が横ばい状
態となる低減衰力特性の範囲を任意に設定することがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の減衰力可変型緩衝器の要部を示
す断面図(図2(ハ) のP−P断面)である。
【図2】調整子のソフトポジション位置を示す断面図
で、(イ) は図1のK−K断面図,(ロ) は図1のL−L、
M−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図3】調整子のミディアムポジション位置を示す断面
図で、(イ) は図1のK−K断面図,(ロ) は図1のL−
L、M−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図4】調整子のハードポジション位置を示す断面図
で、(イ) は図1のK−K断面図,(ロ) は図1のL−L、
M−M断面図,(ハ) は図1のN−N断面図である。
【図5】実施例緩衝器のピストン速度に対する減衰力特
性図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 F 伸側第3流路(メインバイパス流路) G 伸側第4流路(サブバイパス流路) S 伸側第1可変絞り(第1可変絞り) V 伸側第3可変絞り(第2可変絞り) 4b カラー(過剰撓み防止手段) 9 伸側高減衰バルブ 11 伸側低減衰バルブ 13 リリーフバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝器の行程時に画成された2室間の流
    体流通を制限的に許容することで高い減衰力を発生させ
    る高減衰バルブと、 緩衝器の行程時に高減衰バルブをバイパスして画成され
    た2室間の流体流通を許容するメインバイパス流路と、 メインバイパス流路に設けられていて該メインバイパス
    流路の流体流通を制限的に許容することで低い減衰力を
    発生させる低減衰バルブと、 低減衰バルブの過剰撓みを防止する過剰撓み防止手段
    と、 メインバイパス流路の途中に設けられていてその変位に
    よりメインバイパス流路の流路断面積を変化可能な第1
    可変絞りと、 低減衰バルブをバイパスして第1可変絞りより下流側の
    メインバイパス流路と一方の室との間の流体流通を許容
    するサブバイパス流路と、 サブバイパス流路の途中に設けられていて所定の液圧以
    上になると開弁してサブバイパス流路の流体流通を許容
    するリリーフバルブと、を備えたことを特徴とする減衰
    力可変型緩衝器。
  2. 【請求項2】 サブバイパス流路の途中にその変位によ
    りサブバイパス流路の流路断面積を変化可能な第2可変
    絞りが設けられ、該第2可変絞りの絞り込みがメインバ
    イパス流路に設けられた第1可変絞りの絞り込みに先立
    って行なわれるような可変絞りの変位構造としたことを
    特徴とする請求項1記載の減衰力可変型緩衝器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015522141A (ja) * 2012-07-02 2015-08-03 テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッドTenneco Automotive Operating Company Inc. ショックアブソーバのためのデュアルレンジダンピングシステム
EP3218619A1 (en) * 2014-11-13 2017-09-20 Öhlins Racing AB Flow adjusting device

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