JP2594760Y2 - 減衰力可変型緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型緩衝器

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JP2594760Y2
JP2594760Y2 JP1992001068U JP106892U JP2594760Y2 JP 2594760 Y2 JP2594760 Y2 JP 2594760Y2 JP 1992001068 U JP1992001068 U JP 1992001068U JP 106892 U JP106892 U JP 106892U JP 2594760 Y2 JP2594760 Y2 JP 2594760Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車のサスペンショ
ンに用いるのに最適な、減衰力レンジを変化可能な緩衝
器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の減衰力可変型緩衝器としては、例
えば、実開昭60−2035号公報に記載されているよ
うなものが知られている。
【0003】この従来の減衰力可変型緩衝器は、緩衝器
の伸行程時に画成された2室間の流体の流通を制限する
ことで減衰力を発生する伸側減衰バルブと、緩衝器の圧
行程時に画成された2室間の流体の流通を制限すること
で減衰力を発生する圧側減衰バルブと、該両減衰バルブ
をバイパスして2室間を連通するバイパス流路と、該バ
イパス流路の途中に配設されて流路断面積を変更可能な
可変絞り部を有した調整子とを備えたもので、前記調整
子を回転させて可変絞り部を開閉することによってバイ
パス流路の流路断面積を変化させ、これにより、伸側及
び圧側の減衰力レンジを同時に変更可能に構成されたも
のであった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の減衰力可変型緩衝器にあっては、調整子を回
転させて可変絞り部を開閉することにより、バイパス流
路の流路断面積を全開状態から全閉状態まで変化させる
ように構成されたものであるため、減衰力の可変幅を大
きくすべく減衰バルブの剛性を高くすると、可変絞り部
を全閉にしたハードレンジ状態においてはバイパス流路
側の流体流通量が0となることから、剛性の高い減衰バ
ルブ側の流路だけではピストン速度の極低速時における
必要流量を保証することができず、このため、極低ピス
トン速度域、特に、圧行程から伸行程に切り換わる直前
時においては、圧側減衰バルブの高い剛性により早めに
閉弁し、下部室から上部室方向への流体流通が停止さ
れ、ピストンは下死点に向けてなお下降が継続されるた
め、上部室側が負圧状態となり上部室と下部室との間に
大きな液圧差が発生する。そして、この状態で伸行程に
切り換わる瞬間時点においては、この液圧差とサスペン
ションスプリングの反発力によりピストンが急激に上昇
に転じるため、減衰力波形に欠けを生じて適正な減衰力
特性を得ることができなくなり、違和感を与えるという
問題が生じる。
【0005】本考案は、上述のような従来の問題に着目
して成されたもので、伸行程時におけるハード特性を低
下させることなしに、伸行程時に比べて大きなハード特
性を必要としない圧行程時の極低ピストン速度域におけ
る減衰力波形欠けを生じさせることなしに減衰力の可
変幅を大きくすることができる減衰力可変型緩衝器を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本考案の減衰力可変型緩衝器では、緩衝器
行程時に画成された2室間の流体の流通を制限する
ことで減衰力を発生する伸側減衰バルブと、行程時に
伸側減衰バルブをバイパスして2室間を連通する伸側
止手段を備えた伸側バイパス流路と、緩衝器の圧行程時
に画成された2室間の流体の流通を制限することで減衰
力を発生する圧側減衰バルブと、圧行程時に圧側減衰バ
ルブをバイパスして2室間を連通する圧側逆止手段を備
えた圧側バイパス流路と、前記伸側バイパス流路と圧側
バイパス流路の流路断面積を別個独立に変更可能な調整
子とを備え、前記圧側バイパス流路の流路断面積が減少
する調整子の変位方向ではその最大変位状態においても
所定の流路断面積が確保されるように構成されている手
段とした。
【0007】
【作用】本考案の減衰力可変型緩衝器は、調整子を変位
させることにより減衰力レンジを変更することができ
る。
【0008】即ち、伸側または圧側バイパス流路のいず
れか一方の流路断面積が増加する方向に調整子を変位さ
せると、伸側または圧側減衰バルブをバイパスして2室
間を流れる流体の流量が増加し、これにより、伸側また
は圧側の一方の減衰力レンジがソフトレンジとなる。
【0009】また、伸側または圧側バイパス流路の流路
断面積が減少する方向に調整子を変位させると、伸側ま
たは圧側減衰バルブをバイパスして2室間を流れる流体
の流量が減少し、これにより、伸側または圧側の減衰力
レンジがハードレンジとなる。
【0010】そして、調整子の変位のうち圧側の減衰力
レンジがハードレンジとなる方向に調整子を最大限に変
位させた状態であっても、圧側バイパス流路は全閉状態
とはならず、圧側バイパス流路の流路断面積が所定量だ
けは確保されるため、ピストン速度の極低速時、即ちピ
ストンの下死点付近においてもこの圧側バイパス流路側
で2室間の必要流量を保証することができる。
【0011】従って、減衰力の可変幅を大きくすべく圧
側減衰バルブの剛性を高くしても、極低ピストン速度域
における減衰力波形の欠けを生じさせることはない。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成について説明する。図1は、本
考案実施例の減衰力可変型緩衝器の主要部を示す断面図
であって、図中1は円筒状のシリンダを示している。こ
のシリンダ1は、摺動自在に装填されたピストン2によ
って上部室Aと下部室Bとに画成され、両室A,Bには
油等の流体が充填されている。
【0013】前記ピストン2は、ピストンロッド3の先
端小径部3aに取り付けられている。即ち、前記ピスト
ンロッド3の先端小径部3aに、圧側チェックボディ
7,圧側チェックバルブ(圧側逆止手段)8,ワッシャ
5a,カラー4a,ワッシャ5b,圧側減衰バルブ6,
ピストン2,伸側減衰バルブ9,ワッシャ5c,伸側チ
ェックボディ10,伸側チェックバルブ(伸側逆止手
段)11,ワッシャ5d,カラー4bを順次装着し、最
後にナット16で締結している。
【0014】また、前記ピストンロッド3には、その軸
芯部に貫通穴3bが穿設されると共に、その周壁を直径
方向に貫通する状態で上方から順に、第1ポート3c,
第2ポート3d,第3ポート3e,第4ポート3f及び
第5ポート3gが穿設されている。尚、前記第2ポート
3dと第3ポート3eは軸方向同一位置に形成されてい
る。また、第2ポート3dと第4ポート3fだけは周方
向同一位置に形成されているが、その他の第1・第3・
第5ポート3c,3e,3gはそれぞれ周方向に位相を
ずらせ位置に形成されている(図4,5,6参照)。
【0015】前記圧側チェックボディ7は、その下面に
圧側チェックバルブ8により開閉される環状溝7aが形
成され、この環状溝7aは、第1ポート3cと連通され
ている。
【0016】また、上部室A側であるピストン2の上端
面には、圧側連通孔2eを介して下部室Bに連通され
て、前記圧側減衰バルブ6により開閉される4つの圧側
環状溝2bと、ピストン2の内周から外周に至る圧側連
通溝2cとが形成され、また、ピストン2の内周上部に
は、前記第2・第3ポート3d,3eと圧側連通溝2c
とを連通する内周環状溝2dが形成されている(図2参
照)。
【0017】一方、下部室B側であるピストン2の下端
面には、伸側連通孔2hを介して上部室Aに連通された
4つの伸側内側溝2fと、この伸側内側溝2fの外側に
形成され、ピストン2の内周に連通された伸側外側溝2
gとが形成され、また、ピストン2の内周下部には、前
記第4ポート3fと伸側外側溝2gとを連通する内周環
状溝2kが形成されている(図3参照)。
【0018】前記伸側チェックボディ10は、その下面
に伸側チェックバルブ11により開閉される環状溝10
aが形成され、この環状溝10aは内周下部に形成され
た内周環状溝10bを介して第5ポート3gと連通され
ている。
【0019】さらに、前記ピストンロッド3の貫通穴3
bには、調整子12が、環状の上側ブッシュ13と下側
ブッシュ14との間に挟持されて回動自在に設けられて
いる。この調整子12は、その軸心部に、その下端が前
記下部室Bに連通した中空部12aを有した筒状に形成
され、また、その周壁には、前記第1ポート3cと中空
部12aとを連通する第1横孔12bと、第2ポート3
dと第4ポート3fと第5ポート3gとを連通する縦溝
12cと、第3ポート3eと中空部12aとを連通する
第2横孔12dが形成されている。
【0020】本考案実施例では、以上のような構成とし
たため、伸行程で流体が流通可能な流路としては図示の
4つの流路がある。即ち、伸側内側溝2fの位置から伸
側減衰バルブ9の内側及び外周部を開弁して下部室Bに
至る伸側第1流路Dと、第2ポート3d及び第4ポート
3fを経由して伸側外側溝2gの位置から伸側減衰バル
ブ9の外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路E
と、第2ポート3d及び第5ポート3gを経由して伸側
チェックバルブ11を開弁して下部室Bに至る伸側第3
流路Fと、第3ポート3e及び中空部12aを経由して
下部室Bに至るバイパス流路Gとである。
【0021】一方、圧行程で流体が流通可能な経路とし
ては図示の3つの流路がある。即ち、圧側減衰バルブ6
を開弁して上部室Aに至る圧側第1流路Hと、中空部1
2a及び第1ポート3cを経由して圧側チェックバルブ
8を開弁して上部室Aに至る圧側第2流路Jと、中空部
12a及び第3ポート3eを経由して上部室Aに至る前
記バイパス流路Gとである。
【0022】また、調整子12の回動は、コントロール
ロッド15により成されるもので、このコントロールロ
ッド15は、ピストンロッド3の貫通穴3b内を貫通し
て上端部まで延在され、図外のピストンロッド3の車体
取付部に設けられたアクチュエータにより回動されるよ
うになっている。
【0023】そして、前記調整子12は、その回動に基
づいて減衰力ポジションを図4〜図6に示す3つのポジ
ションの範囲内で任意のポジション位置に切り換え可能
となっている。
【0024】まず、図5に示す第1減衰力ポジションで
は、第1〜第5ポート3c,3d,3e,3f,3gの
全てが開かれていて、前記伸行程における4つの流路
D,E,F,Gと、圧行程における3つの流路H,J,
Gのすべてが流通可能となっている。
【0025】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の最も小さいバイパス流路Gを流
通し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第3流路
F,伸側第2流路E,伸側第1流路Dの順に流通を開始
し、これにより、伸行程の減衰力レンジはソフトレンジ
の状態となる。
【0026】一方、圧行程時には、低ピストン速度域で
は、流体が流通抵抗の最も小さいバイパス流路Gを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、圧側第2流路
J,圧側第1流路Dの順に流通を開始し、これにより、
圧行程の減衰力レンジもソフトレンジの状態となる(図
7の)。
【0027】また、図4に示す第2減衰力ポジションで
は、第1ポート3cのみが開かれ、その他の第2〜第5
ポート3d,3e,3f,3gは閉じられていて、伸側
第1流路Dと、圧側第1流路Hと、圧側第2流路Jとが
流通可能となっている。
【0028】従って、伸行程時には、流体が伸側減衰バ
ルブ9を開弁して伸側第1流路Dを流通し、これによ
り、伸行程の減衰力レンジはハードレンジの状態とな
る。一方、圧行程時には、低ピストン速度域では、流体
が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通し、高ピスト
ン速度域では圧側第1流路Hを流通し、これにより、圧
行程の減衰力レンジはソフトレンジの状態となる(図7
の)。
【0029】また、図6に示す第3減衰力ポジションで
は、第2ポート3d,第4ポート3f及び第5ポート3
gが開かれ、第1ポート3cが絞られ、及び第3ポート
3eが閉じられていて、伸側第1〜第3流路D,E,F
及び圧側第1流路Hが十分に流通可能であると共に、圧
側第2流路Jが少しではあるが流通可能な状態となって
いる。
【0030】従って、伸行程時には、低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい伸側第3流路Fを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、伸側第2流路E
及び伸側第1流路Dを流通し、これにより、伸行程の減
衰力レンジはソフトレンジの状態となる。
【0031】一方、圧行程時には、極低ピストン速度域
では、流体が流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを流通
し、ピストン速度が早くなるにつれて、流体が圧側減衰
バルブ6を開弁して圧側第1流路Hを流通し、これによ
り、圧行程の減衰力レンジはハードレンジの状態となる
(図7の)。
【0032】また、図5に示す第1減衰力ポジションか
ら図4に示す第2減衰力ポジション方向へ切り換えるべ
く調整子12を反時計方向に回動させていくと、第2〜
第5ポート3d,3e,3f,3gの開度が絞られて、
バイパス流路Gと伸側第2流路Eと伸側第3流路Fの流
路断面積が減少してくるため、この流路断面積の減少に
比例して、伸行程の減衰力が次第に高くなる。
【0033】つまり、調整子12を第1減衰力ポジショ
ン位置から反時計方向に回動させることにより、圧行程
側の減衰力レンジはソフトレンジ状態のままで、伸行程
側の減衰力レンジのみをハードレンジ方向へ変化させる
ことができる(図7の〜間)。
【0034】また、図5に示す第1減衰力ポジションか
ら図6に示す第3減衰力ポジション方向へ切り換えるべ
く調整子12を時計方向に回動させていくと、第1ポー
ト及び第3ポートの開度が絞られて、バイパス流路Gと
圧側第2流路Jと伸側第3流路Fの流路断面積が減少し
てくるため、この流路断面積の減少に比例して、圧行程
の減衰力が次第に高くなる。
【0035】つまり、調整子12を第1減衰力ポジショ
ン位置から時計方向に回動させることにより、伸行程側
の減衰力レンジはソフトレンジ状態のままで、圧行程側
の減衰力レンジのみをハードレンジ方向へ変化させるこ
とができる(図7の〜間)。
【0036】尚、図7の下部に、調整子12の変位に対
する各流路E,F,G,Jの開閉状況及びその開度をそ
の線の幅で示しており、この図に示すように、調整子1
2を時計方向に最大限に回動させたの変位位置におい
ては、圧側第2流路Jの流路断面積が少しではあるが確
保されるようになっている。
【0037】次に、実施例の作用について説明する。 (a)圧側ハードレンジ制御時 上述のように、圧行程側がハードレンジ(図7の)に
制御されている時であっても、圧側第2流路Jの流路断
面積が少しではあるが確保されていることから、上下方
向の路面変化が極めて緩やかな良路走行中でピストンが
極低速でストロークしているような状況下においては、
下部室B側の流体は流通抵抗の小さい圧側第2流路Jを
流通して上部室A側に流入することができる。従って、
圧側減衰バルブ6の剛性を高くしておいても、圧側第2
流路J側でピストン速度の極低速時における必要流量を
保証することができる。
【0038】以上のように、この実施例の減衰力可変型
緩衝器では、ピストン速度の極低速時における必要流量
を保証することができるため、極低ピストン速度域にお
ける減衰力波形の欠けを生じさせることなしに、圧側減
衰バルブ6の剛性を高めて圧側減衰力の可変幅を大きく
することができるという特徴を有している。また、調整
子12の変位のうち圧側の減衰力レンジがハードレンジ
となる方向に調整子12を最大限に変位させた状態であ
っても、圧側第2流路J側は全閉状態とはならず、圧側
第2流路J側の流路断面積が所定量だけは確保されるた
め、ピストン遠度の極低速時、即ちピストン2の下死点
付近においてもこの圧側バイパス流路側で2室A、B間
の必要流量を保証することができる。従って、ピストン
2の下死点付近において上部室側が負圧になるのが防止
され、これにより、その後伸行稈に切り換わる瞬間時点
においてピストン2が急激に上昇に転じるのが防止され
るため、減衰力波形の欠けの発生を防止して違和感をな
くすことができる。
【0039】(b)突起部または窪み部通過時 まず、上下方向の路面変化が緩やかな良路走行中で、緩
衝器の行程が伸行程側(ハードレンジ状態)である時
に、路面の突起部を通過すると、その逆行程側である圧
行程側は常にソフトレンジとなっているため、緩衝器が
速やかに収縮することで急激な上向き路面入力が吸収さ
れ、これにより、車体側への衝撃伝達が緩和されて、車
両の乗り心地を確保することができる。
【0040】次に、上下方向の路面変化が緩やかな良路
走行中で、緩衝器の行程が圧行程(ハードレンジ状態)
である時に、路面の窪み部を通過すると、その逆行程側
である伸行程側は常にソフトレンジとなってるため、緩
衝器が速やかに伸長して車輪側を路面変化に追従させ、
これにより、車体の急激な沈み込みを防止して、車両の
乗り心地及び操縦安定性を確保することができる。
【0041】以上のように、この実施例の減衰力可変型
緩衝器では、伸行程及び圧行程の内のいずれか一方の行
程側の減衰力レンジがハードレンジである時には、その
逆行程側の減衰力レンジが常にソフトレンジとなってい
ることから、低周波と高周波とが複合された路面入力に
対しても、快適な乗り心地と操縦安定性を確保すること
ができるという特徴を有している。
【0042】以上、本考案の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるもの
ではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計
変更等があっても本考案に含まれる。
【0043】例えば、実施例では、逆止手段としてチェ
ックバルブを用いる場合を示したが、球体や、低い減衰
力の減衰バルブを用いることができる。
【0044】また、実施例では、調整子を回動させるよ
うにした場合を示したが、軸方向にスライドさせたり、
または、回動と軸方向スライドとを組み合わせたもので
あってもよい。
【0045】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案の減衰
力可変型緩衝器では、緩衝器の行程時に画成された2
室間の流体の流通を制限することで減衰力を発生する
減衰バルブと、行程時に伸側減衰バルブをバイパス
して2室間を連通する伸側逆止手段を備えた伸側バイパ
ス流路と、緩衝器の圧行程時に画成された2室間の流体
の流通を制限することで減衰力を発生する圧側減衰バル
ブと、圧行程時に圧側減衰バルブをバイパスして2室間
を連通する圧側逆止手段を備えた圧側バイパス流路と、
前記伸側バイパス流路と圧側バイパス流路の流路断面積
別個独立に変更可能な調整子とを備え、前記圧側バイ
パス流路の流路断面積が減少する調整子の変位方向では
その最大変位状態においても所定の流路断面積が確保さ
れるように構成されている手段としたため、圧側バイパ
ス流路の流路断面積が最大限に絞られた圧行程側ハード
レンジの状態においても、ピストン速度の極定速時にお
ける2室間の流体の流量をバイパス流路側で保証するこ
とができ、これにより、伸行程時におけるハード特性を
低下させることなしに、伸行程時に比べて大きなハード
特性を必要としない圧行程時の極低ピストン速度域にお
ける減衰力波形欠けを生じさせることなしに減衰力の
可変幅を大きくすることができるようになるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の減衰力可変型緩衝器の要部を示
す断面図(図2及び第3図のP−P断面)である。
【図2】図1のL−L断面図である。
【図3】図1M−M断面図である。
【図4】第2減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ)は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及
びM−M断面図,(ハ)は図1のN−N断面図である。
【図5】第1減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ)は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及
びM−M断面図,(ハ)は図1のN−N断面図である。
【図6】第3減衰力ポジション位置を示す断面図で、
(イ)は図1のK−K断面図,(ロ)は図1のL−L及
びM−M断面図,(ハ)は図1のN−N断面図である。
【図7】実施例緩衝器の減衰力切換特性及び各流路の開
閉状況を示す図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 G バイパス流路 J 圧側第2流路(圧側バイパス流路) 6 圧側減衰バルブ 8 圧側チェックバルブ(圧側逆止手段) 12 調整子

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝器の行程時に画成された2室間の
    流体の流通を制限することで減衰力を発生する伸側減衰
    バルブと、 行程時に伸側減衰バルブをバイパスして2室間を連通
    する伸側逆止手段を備えた伸側バイパス流路と、緩衝器の圧行程時に画成された2室間の流体の流通を制
    限することで減衰力を発生する圧側減衰バルブと、 圧行程時に圧側減衰バルブをバイパスして2室間を連通
    する圧側逆止手段を備えた圧側バイパス流路と、 前記伸側バイパス流路と圧側バイパス流路の流路断面積
    別個独立に変更可能な調整子とを備え、 前記圧側バイパス流路の流路断面積が減少する調整子の
    変位方向ではその最大変位状態においても所定の流路断
    面積が確保されるように構成されていることを特徴とす
    る減衰力可変型緩衝器。
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