JPH07331587A - 高伸度スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ - Google Patents
高伸度スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤInfo
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- JPH07331587A JPH07331587A JP6145588A JP14558894A JPH07331587A JP H07331587 A JPH07331587 A JP H07331587A JP 6145588 A JP6145588 A JP 6145588A JP 14558894 A JP14558894 A JP 14558894A JP H07331587 A JPH07331587 A JP H07331587A
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- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高い伸び特性に加えて、ゴム浸透性、耐曲げ疲
労性および柔軟性、さらに軸方向圧縮力に対する変形を
含む形状保持性も良好で、しかも製造コストを安価にす
ることができる単撚り構造のスチールコードを提供する
ことにある。 【構成】5本以上の素線を同一方向に同一ピッチで撚り
合わせた1×nの構造をもち、破断時の伸びが5%以上
のスチールコードであって、コードの撚りピッチよりも
小さいピッチの波付きくせを有する各素線を、コード外
径Dとコード撚りピッチPとの比(P/D)が8〜15の
範囲でしかもコードが長手方向において素線同士が交差
する部分と交差しない部分が混在するように撚り合わせ
ている。
労性および柔軟性、さらに軸方向圧縮力に対する変形を
含む形状保持性も良好で、しかも製造コストを安価にす
ることができる単撚り構造のスチールコードを提供する
ことにある。 【構成】5本以上の素線を同一方向に同一ピッチで撚り
合わせた1×nの構造をもち、破断時の伸びが5%以上
のスチールコードであって、コードの撚りピッチよりも
小さいピッチの波付きくせを有する各素線を、コード外
径Dとコード撚りピッチPとの比(P/D)が8〜15の
範囲でしかもコードが長手方向において素線同士が交差
する部分と交差しない部分が混在するように撚り合わせ
ている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチールコードとりわけ
高い伸びを有するスチールコードおよびこれを補強材と
して利用したラジアルタイヤに関する。
高い伸びを有するスチールコードおよびこれを補強材と
して利用したラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】スチールコードはタイヤやコンベアベル
ト等のゴム複合製品の補強用として汎用されている。か
かるゴム複合製品、特にラジアルタイヤにおいては、ト
レッドとカーカスとの間にベルトと称する補強層が設け
られており、石に乗り上げたり、釘等の金属片を踏んだ
時の耐衝撃性と耐外傷性を向上するため、トレッドに近
い最外層のベルトに、高伸度で柔軟性の高いスチールコ
ードを配している。この高伸度スチールコードは、大別
すると3×7や4×2などで代表される複撚りタイプ
〔図1(a)参照〕と、実公平4−17596号公報に示
されているような単撚りタイプ〔図1(b)参照〕とがあ
る。
ト等のゴム複合製品の補強用として汎用されている。か
かるゴム複合製品、特にラジアルタイヤにおいては、ト
レッドとカーカスとの間にベルトと称する補強層が設け
られており、石に乗り上げたり、釘等の金属片を踏んだ
時の耐衝撃性と耐外傷性を向上するため、トレッドに近
い最外層のベルトに、高伸度で柔軟性の高いスチールコ
ードを配している。この高伸度スチールコードは、大別
すると3×7や4×2などで代表される複撚りタイプ
〔図1(a)参照〕と、実公平4−17596号公報に示
されているような単撚りタイプ〔図1(b)参照〕とがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者の複撚りタイプは
撚りが2工程になることや、高伸度を確保するため撚り
ピッチを短くしていることから生産性が低く、コストが
高いという大きな問題がある。一方、後者は撚り工程は
1回でありこの点では改良されているが、高伸度を確保
するために撚りピッチは短いままである。すなわち、こ
の単撚りタイプは例えば1×5構造においては、5本の
素線を同一方向で撚りピッチを同一の短いピッチ(例え
ば素線径0.38mmの場合には6.5mm)で撚り合
わせた構造であり、撚りピッチを短くしてスプリング状
にするとともにルーズに撚り合わせることでコードの中
心部分を中空状態にし、この部分にルーズに撚り合わせ
た素線間の隙間からゴムを浸入させるようになってい
る。
撚りが2工程になることや、高伸度を確保するため撚り
ピッチを短くしていることから生産性が低く、コストが
高いという大きな問題がある。一方、後者は撚り工程は
1回でありこの点では改良されているが、高伸度を確保
するために撚りピッチは短いままである。すなわち、こ
の単撚りタイプは例えば1×5構造においては、5本の
素線を同一方向で撚りピッチを同一の短いピッチ(例え
ば素線径0.38mmの場合には6.5mm)で撚り合
わせた構造であり、撚りピッチを短くしてスプリング状
にするとともにルーズに撚り合わせることでコードの中
心部分を中空状態にし、この部分にルーズに撚り合わせ
た素線間の隙間からゴムを浸入させるようになってい
る。
【0004】このため次のような問題点があった。 (1)撚りピッチが依然として短いので、コスト低減の点
で不十分であるとともに、 短ピッチで撚り合わせてい
ることにより素線(スチールワイヤ)の強度が大幅に 低
下(撚り減り)するので強度利用率が低い。 (2)コンパクトに撚ったコードに比べて螺旋の外径を大
きくして撚り合わせることによって素線間に隙間を設け
たオープン構造としたものであるから、撚り合わせた素
線がルーズな状態になっており、しかもコードの中心部
には大きな空間部が存在する。従って、釘等の金属片を
踏み込むとこれがコード内を突き抜け易く、耐外傷性の
点から問題がある。しかもコード製造上において、ゴム
浸透性を確保するための素線間隙間のコントロールが難
しい等の問題もある。 (3)素線本数が少ないので一定の強度を保持するため素
線径を太くしており、従って耐久性が劣り、柔軟性も比
較的低くなる。
で不十分であるとともに、 短ピッチで撚り合わせてい
ることにより素線(スチールワイヤ)の強度が大幅に 低
下(撚り減り)するので強度利用率が低い。 (2)コンパクトに撚ったコードに比べて螺旋の外径を大
きくして撚り合わせることによって素線間に隙間を設け
たオープン構造としたものであるから、撚り合わせた素
線がルーズな状態になっており、しかもコードの中心部
には大きな空間部が存在する。従って、釘等の金属片を
踏み込むとこれがコード内を突き抜け易く、耐外傷性の
点から問題がある。しかもコード製造上において、ゴム
浸透性を確保するための素線間隙間のコントロールが難
しい等の問題もある。 (3)素線本数が少ないので一定の強度を保持するため素
線径を太くしており、従って耐久性が劣り、柔軟性も比
較的低くなる。
【0005】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに創案されたもので、その第1の目的は、高い伸び特
性に加えて、ゴム浸透性、耐曲げ疲労性および柔軟性、
さらに軸方向圧縮力に対する変形を含む形状保持性も良
好で、しかも製造コストを安価にすることができる単撚
り構造のスチールコードを提供することにある。また、
本発明の第2の目的は、耐衝撃性、耐外傷性に優れ、ゴ
ムとのセパレーションの発生を防止することができ、横
力による歪に対しても耐久性のよいラジアルタイヤを提
供することにある。
めに創案されたもので、その第1の目的は、高い伸び特
性に加えて、ゴム浸透性、耐曲げ疲労性および柔軟性、
さらに軸方向圧縮力に対する変形を含む形状保持性も良
好で、しかも製造コストを安価にすることができる単撚
り構造のスチールコードを提供することにある。また、
本発明の第2の目的は、耐衝撃性、耐外傷性に優れ、ゴ
ムとのセパレーションの発生を防止することができ、横
力による歪に対しても耐久性のよいラジアルタイヤを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため本発明は、5本以上の素線を同一方向に同一ピッ
チで撚り合わせた1×nの構造をもち、破断時の伸びが
5%以上のスチールコードであって、前記コードが、コ
ードの撚りピッチよりも小さなピッチの波付きくせを有
する各素線を、コード外径Dとコード撚りピッチPとの
比(P/D)が8〜15の範囲でしかもコードが長手方向
において素線同士が交差しない部分と交差する部分が混
在するように撚り合わせた構成としたものである。好ま
しくは、各素線は0.25≦L/P≦0.55の波付け
ピッチLと、素線径dとの関係において1.05≦H/
d≦2.0の波付け高さHをもっている。本発明のコー
ドは、長手方向で素線同士が交差しない部分と交差する
部分が混在し、その素線同士の交差頻度がコード1撚り
ピッチ当り0.5〜6.0回の範囲にあり、上記素線同
士の交差によってアイ状の口開きが創成され、コード長
手方向と直角の断面が逐次変化し随所で開輪郭となって
いる。なお、上記スチールコードは、たとえば、撚り線
機の素線導入側に固定プリフォーマとワイヤツイスタお
よび軸線に対して偏芯させたロールとを配置し、ワイヤ
ツイスタを撚り線機の回転方向と同方向に回転させるこ
とにより各素線に固定プリフォーマのピンを通過する間
に螺旋状の波くせ付けを行い、次いで偏芯ローラーによ
り撚り口で素線の張力を変化させることで素線相互間で
入れ替わりを起こさせながら、引き続き全部の素線を該
撚り線機で撚り合わせることで製造される。第2の目的
を達成するため本発明は、ラジアルタイヤのトレッドに
近い少なくとも1枚のベルトの補強材として、前記した
スチールコードを埋設したものである。本発明におい
て、素線本数は5本以上12本以下が好適であり、それ
ら素線は直径が0.10〜0.45mmで表面にはゴム
との接着性を付与するため、真鍮めっきが施される。
るため本発明は、5本以上の素線を同一方向に同一ピッ
チで撚り合わせた1×nの構造をもち、破断時の伸びが
5%以上のスチールコードであって、前記コードが、コ
ードの撚りピッチよりも小さなピッチの波付きくせを有
する各素線を、コード外径Dとコード撚りピッチPとの
比(P/D)が8〜15の範囲でしかもコードが長手方向
において素線同士が交差しない部分と交差する部分が混
在するように撚り合わせた構成としたものである。好ま
しくは、各素線は0.25≦L/P≦0.55の波付け
ピッチLと、素線径dとの関係において1.05≦H/
d≦2.0の波付け高さHをもっている。本発明のコー
ドは、長手方向で素線同士が交差しない部分と交差する
部分が混在し、その素線同士の交差頻度がコード1撚り
ピッチ当り0.5〜6.0回の範囲にあり、上記素線同
士の交差によってアイ状の口開きが創成され、コード長
手方向と直角の断面が逐次変化し随所で開輪郭となって
いる。なお、上記スチールコードは、たとえば、撚り線
機の素線導入側に固定プリフォーマとワイヤツイスタお
よび軸線に対して偏芯させたロールとを配置し、ワイヤ
ツイスタを撚り線機の回転方向と同方向に回転させるこ
とにより各素線に固定プリフォーマのピンを通過する間
に螺旋状の波くせ付けを行い、次いで偏芯ローラーによ
り撚り口で素線の張力を変化させることで素線相互間で
入れ替わりを起こさせながら、引き続き全部の素線を該
撚り線機で撚り合わせることで製造される。第2の目的
を達成するため本発明は、ラジアルタイヤのトレッドに
近い少なくとも1枚のベルトの補強材として、前記した
スチールコードを埋設したものである。本発明におい
て、素線本数は5本以上12本以下が好適であり、それ
ら素線は直径が0.10〜0.45mmで表面にはゴム
との接着性を付与するため、真鍮めっきが施される。
【0007】
【作用】本発明はコスト低減の面から、先ずコード撚り
構造を同一撚り方向同一撚りピッチの単撚りタイプと
し、しかも撚りピッチを長く保ったものにした。このよ
うな構造では、通常ではコンパクトな構造となるため、
破断時の伸びは低くなり、高伸度にならない。しかし本
発明は、撚り合わせる前の各素線に、コードの撚りピッ
チよりも小さいピッチの二次元的または三次元的(螺旋
状)な波くせ付けを施し、こうした波くせを有する5本
以上の素線を撚り合わす構成としている。これにより長
い撚りピッチでコンパクトな構造を保ったまま破断時伸
びを5%以上と大きくすることができ、また、素線の波
により素線相互間に隙間が形成されるためゴム浸透も良
くなる。
構造を同一撚り方向同一撚りピッチの単撚りタイプと
し、しかも撚りピッチを長く保ったものにした。このよ
うな構造では、通常ではコンパクトな構造となるため、
破断時の伸びは低くなり、高伸度にならない。しかし本
発明は、撚り合わせる前の各素線に、コードの撚りピッ
チよりも小さいピッチの二次元的または三次元的(螺旋
状)な波くせ付けを施し、こうした波くせを有する5本
以上の素線を撚り合わす構成としている。これにより長
い撚りピッチでコンパクトな構造を保ったまま破断時伸
びを5%以上と大きくすることができ、また、素線の波
により素線相互間に隙間が形成されるためゴム浸透も良
くなる。
【0008】さらに本発明は、波くせ付けを施した素線
を単純に撚り合わせるのでなく、コードが長手方向にお
いて素線相互間で入れ替わり部が形成されるように撚り
合わせている。すなわち、スチールコードは素線同士が
交差しない部分と交差する部分がコード長手方向に混在
しており、素線同士が交差しない部分は隣接する素線が
平行に並んでいるため締まって安定した撚り状態にあ
る。しかし、素線同士が交差する部分では隣接する素線
と素線の交差によってアイ状の口開きが形成され、した
がってコード長手方向と直角の断面は随所で開輪郭状と
なっている。しかも、交差した素線は素線と素線がお互
いに拘束しあって次の平行撚り部分へと移行しているた
め、外力がかかっても偏ったりしない。したがって、前
記隙間の大きさと位置はしっかりと安定して確保でき
る。従って、前記した素線そのものの波くせ付けにより
得られる隙間と相俟ってゴム浸透性がきわめてよく、ベ
ルト用のゴム層中に埋め込んだときに、コード中心部に
ゴムがスムーズに侵入し、隙間なく充填されるととも
に、各素線の表面を確実に覆うことができる。
を単純に撚り合わせるのでなく、コードが長手方向にお
いて素線相互間で入れ替わり部が形成されるように撚り
合わせている。すなわち、スチールコードは素線同士が
交差しない部分と交差する部分がコード長手方向に混在
しており、素線同士が交差しない部分は隣接する素線が
平行に並んでいるため締まって安定した撚り状態にあ
る。しかし、素線同士が交差する部分では隣接する素線
と素線の交差によってアイ状の口開きが形成され、した
がってコード長手方向と直角の断面は随所で開輪郭状と
なっている。しかも、交差した素線は素線と素線がお互
いに拘束しあって次の平行撚り部分へと移行しているた
め、外力がかかっても偏ったりしない。したがって、前
記隙間の大きさと位置はしっかりと安定して確保でき
る。従って、前記した素線そのものの波くせ付けにより
得られる隙間と相俟ってゴム浸透性がきわめてよく、ベ
ルト用のゴム層中に埋め込んだときに、コード中心部に
ゴムがスムーズに侵入し、隙間なく充填されるととも
に、各素線の表面を確実に覆うことができる。
【0009】さらに、素線が交差している部分で素線同
士は離間し、かつこうした交差がコード長手方向で素線
同士の組合せを変えて反復されるため、コード長手方向
と直角の断面が閉輪郭状の特定の形を形成せずに開輪郭
状を呈し、これがコード長手方向で随所に成形される。
このためコードの表面積が実質的に大きくなり、ゴムと
の付着力が向上し、ゴムと一体化される。従って、前記
ゴム浸透性能とあいまって、ゴムとのセパレーション現
象や侵入水分による発錆が防止され、ベルト層に適用し
た場合に、コーナリング時などに生ずるベルト縁部せん
断歪に対する耐久性を大きく向上することができる。上
記のような特性を有していながら、素線の交差した部分
では素線がお互いに拘束しあっているため、素線集合体
としてまとまりがよく、コード軸方向に圧縮力が作用し
たときにも拡開し難く、耐圧縮性能を向上することがで
きる。また、コード内の素線が断線を起しても交差部分
の前記拘束作用で断線素線の遊離が防止されるためコー
ドがばらけず、ゴム層の突き抜けも防止することができ
る。
士は離間し、かつこうした交差がコード長手方向で素線
同士の組合せを変えて反復されるため、コード長手方向
と直角の断面が閉輪郭状の特定の形を形成せずに開輪郭
状を呈し、これがコード長手方向で随所に成形される。
このためコードの表面積が実質的に大きくなり、ゴムと
の付着力が向上し、ゴムと一体化される。従って、前記
ゴム浸透性能とあいまって、ゴムとのセパレーション現
象や侵入水分による発錆が防止され、ベルト層に適用し
た場合に、コーナリング時などに生ずるベルト縁部せん
断歪に対する耐久性を大きく向上することができる。上
記のような特性を有していながら、素線の交差した部分
では素線がお互いに拘束しあっているため、素線集合体
としてまとまりがよく、コード軸方向に圧縮力が作用し
たときにも拡開し難く、耐圧縮性能を向上することがで
きる。また、コード内の素線が断線を起しても交差部分
の前記拘束作用で断線素線の遊離が防止されるためコー
ドがばらけず、ゴム層の突き抜けも防止することができ
る。
【0010】一般に、ベルト補強用として適した柔軟性
の高いコードとするには素線径を細くすることが好適で
あり、これに伴うコードの強力不足は素線本数を増やす
ことにより解消可能である。しかし、単撚りタイプのコ
ードにおいては、素線本数が多くなるほどコード中心部
の空間が多くなり、素線がコード中心部に落ち込み易く
なって断面の形状が不安定になる。この対策としては、
コード中心部にも素線を配置すればよいが、このように
すると中心部に配した素線とその周りに配した素線とで
コード一定長さ当りの素線長さに差が出て、引張りや圧
縮応力に対して全素線に均等な負荷がかからないという
欠点が現われる。しかし本発明においてはコードの長さ
方向で素線同士の入れ替わり部が混在している。このた
め、コード長手で各素線の長さが平均的に揃うことにな
り、引っ張り荷重を各素線が均等に受持つためコードの
破断荷重低下がほとんどなく、疲労性も向上する。ま
た、コード中心部に素線が存在するので金属片の踏み抜
きに対する抵抗を大きくすることができる。
の高いコードとするには素線径を細くすることが好適で
あり、これに伴うコードの強力不足は素線本数を増やす
ことにより解消可能である。しかし、単撚りタイプのコ
ードにおいては、素線本数が多くなるほどコード中心部
の空間が多くなり、素線がコード中心部に落ち込み易く
なって断面の形状が不安定になる。この対策としては、
コード中心部にも素線を配置すればよいが、このように
すると中心部に配した素線とその周りに配した素線とで
コード一定長さ当りの素線長さに差が出て、引張りや圧
縮応力に対して全素線に均等な負荷がかからないという
欠点が現われる。しかし本発明においてはコードの長さ
方向で素線同士の入れ替わり部が混在している。このた
め、コード長手で各素線の長さが平均的に揃うことにな
り、引っ張り荷重を各素線が均等に受持つためコードの
破断荷重低下がほとんどなく、疲労性も向上する。ま
た、コード中心部に素線が存在するので金属片の踏み抜
きに対する抵抗を大きくすることができる。
【0011】コード外径Dとコード撚りピッチPとの比
(P/D)が8〜15の範囲において、破断時伸び5%以
上を撚り減りを少なく形状不安定性を生じさせずに実現
することができる。また、素線交差部頻度Fを一定の範
囲に設定したときには、ゴム浸透性、フレッティング、
耐圧縮性能、耐疲労性などの特性をバランスよく達成す
ることができる。さらに、素線の波付きのくせ条件を所
定範囲にするときには、強力を低下させずに良好な伸び
を得ることができる。
(P/D)が8〜15の範囲において、破断時伸び5%以
上を撚り減りを少なく形状不安定性を生じさせずに実現
することができる。また、素線交差部頻度Fを一定の範
囲に設定したときには、ゴム浸透性、フレッティング、
耐圧縮性能、耐疲労性などの特性をバランスよく達成す
ることができる。さらに、素線の波付きのくせ条件を所
定範囲にするときには、強力を低下させずに良好な伸び
を得ることができる。
【0012】以下本発明を添付図面に基いて詳細に説明
する。図2は本発明を適用したラジアルタイヤを示して
おり、11はカーカス、12はトレッド、13a,13
b,13c,13dはカーカス11とトレッド12との
間に配した複数枚(この例では4枚)のベルトである。前
記ベルト13a,13b,13c,13dは図3のよう
に、平行配列のスチールコード20の両側からゴムをト
ッピングしてゴム層14としこれをタイヤに成形後、加
硫することにより作られている。ゴムは天然ゴム、合成
ゴムのいずれでもよいが、セパレーションとコード耐久
性の面から、50%モジュラスが10〜40kg/cm2であること
が好ましい。本発明の特徴は前記スチールコード20に
あり、また、このスチールコードをトレッド12に最も
近いベルト13dあるいはこのベルトとその下の少なく
とも1枚のベルトに埋設したことにある。
する。図2は本発明を適用したラジアルタイヤを示して
おり、11はカーカス、12はトレッド、13a,13
b,13c,13dはカーカス11とトレッド12との
間に配した複数枚(この例では4枚)のベルトである。前
記ベルト13a,13b,13c,13dは図3のよう
に、平行配列のスチールコード20の両側からゴムをト
ッピングしてゴム層14としこれをタイヤに成形後、加
硫することにより作られている。ゴムは天然ゴム、合成
ゴムのいずれでもよいが、セパレーションとコード耐久
性の面から、50%モジュラスが10〜40kg/cm2であること
が好ましい。本発明の特徴は前記スチールコード20に
あり、また、このスチールコードをトレッド12に最も
近いベルト13dあるいはこのベルトとその下の少なく
とも1枚のベルトに埋設したことにある。
【0013】図4と図5は本発明による高伸度スチール
コードの一例(1×6構造)を拡大して示し、図6は撚り合
わせ後、解撚した素線の一本を示している。図4におい
て、1ないし6は素線であり、直径dが0.10〜0.
45mmの炭素鋼線に真鍮めっきを施しており、同一撚
り方向でかつ同一撚りピッチPで一度に撚り合わされて
いることは通常の一括撚りコードと同様であるが、本発
明においては、通常の一括撚りコードのように素線がす
べて平行状になっているのでなく、平行状の部分と交差
する部分がコード長手方向で混在し、素線交差部分にア
イに類する形状の開口aが形成されている。しかも、各
素線1〜6は撚り合わせ後の状態が図6のようにコード
撚りピッチよりも小さい所定のピッチLと高さHの波1
0が連続的にくせ付けられている。
コードの一例(1×6構造)を拡大して示し、図6は撚り合
わせ後、解撚した素線の一本を示している。図4におい
て、1ないし6は素線であり、直径dが0.10〜0.
45mmの炭素鋼線に真鍮めっきを施しており、同一撚
り方向でかつ同一撚りピッチPで一度に撚り合わされて
いることは通常の一括撚りコードと同様であるが、本発
明においては、通常の一括撚りコードのように素線がす
べて平行状になっているのでなく、平行状の部分と交差
する部分がコード長手方向で混在し、素線交差部分にア
イに類する形状の開口aが形成されている。しかも、各
素線1〜6は撚り合わせ後の状態が図6のようにコード
撚りピッチよりも小さい所定のピッチLと高さHの波1
0が連続的にくせ付けられている。
【0014】上記コード構造をさらに詳しく説明する
と、図5は図4のスチールコードの1撚りピッチP分を
等分して1/4ピッチ毎にコード長さ方向に直角の断面
形状を示したもので、(a)は図4のA-A'、(b)はB-B'、(c)
はC-C'、(d)はD-D'、(e)はE-E'の各断面を模式的に示し
ている。該スチールコード20は全体として、その中心
部に大きな空間部をもたない崩れ六角形の断面形状をな
しており、素線間1〜6間にはゴムがコード中心部まで
浸透するに十分な隙間を随所に有している。図5(a)
は各素線1、2、3、4、5、6がお互いに交差するこ
となく平行になっている部分を示しており、(b)及び
(c)を経て(d)のように(a)においてコードの中
心にあった素線1とコード外側にあった素線2〜6がお
互いにその位置が入れ替わっており、(e)では完全に
入れ替わっている。このように素線間での交差ないし入
れ替わりがコード長手で存在することによってコードの
断面形状が崩されるため素線間の隙間が大きくなり、ま
たその隙間が素線交差により固定される。一方、交差が
繰り返されることによってコード心部の素線と側部の素
線がコード長手において略長さが均等化する。
と、図5は図4のスチールコードの1撚りピッチP分を
等分して1/4ピッチ毎にコード長さ方向に直角の断面
形状を示したもので、(a)は図4のA-A'、(b)はB-B'、(c)
はC-C'、(d)はD-D'、(e)はE-E'の各断面を模式的に示し
ている。該スチールコード20は全体として、その中心
部に大きな空間部をもたない崩れ六角形の断面形状をな
しており、素線間1〜6間にはゴムがコード中心部まで
浸透するに十分な隙間を随所に有している。図5(a)
は各素線1、2、3、4、5、6がお互いに交差するこ
となく平行になっている部分を示しており、(b)及び
(c)を経て(d)のように(a)においてコードの中
心にあった素線1とコード外側にあった素線2〜6がお
互いにその位置が入れ替わっており、(e)では完全に
入れ替わっている。このように素線間での交差ないし入
れ替わりがコード長手で存在することによってコードの
断面形状が崩されるため素線間の隙間が大きくなり、ま
たその隙間が素線交差により固定される。一方、交差が
繰り返されることによってコード心部の素線と側部の素
線がコード長手において略長さが均等化する。
【0015】図7(b)〜(d)は本発明による1×7構造の
スチールコードを示しており、通常の一括撚りにおて
は、(a)のように素線1,2,3,4,5,6,7が平
行となっているが、本発明では(b)のように中心にあっ
た素線1が外周側に移動し素線7が入れ替わって中心に
移動して交差部分を形成し、また(c)のように素線7が
素線3と4間に割り込むように外周に移動し、素線5が
中心に移動して交差部分を形成し、(d)のよう素線5が中
心に移動して交差部分を形成するものである。図8は本
発明による1×9構造のスチールコードの1撚りピッチ
分を25等分して示している。(a)では素線1が中心部に
位置しているが、該素線1は(b)ないし(i)のように素線2
と9の間を割り込むように移動し、それとともに素線7が
素線1に隣接しつつ中心側へと移動し、(j)では素線1が
外周に移動し、それまで外周側にあった素線8が(k)ない
し(q)のように中心側へと落ち込み、ついで、素線8は再
び素線3と5の間に割込み、(s)ないし(w)のように素線8
と隣接していた素線1が再びコード中心部へと移動し、
(w)ないし(y)のように素線2が落ち込み始めている。(a)
と(y)を比べて明らかなように素線1〜9は反時計方向に
移動しつつ1撚りピッチの間で全く入れ替わって随所に
隙間を形成している。この例ではコード中心部に通じる
隙間を持つ口開き部分が1撚りピッチで19か所以上形
成されている。
スチールコードを示しており、通常の一括撚りにおて
は、(a)のように素線1,2,3,4,5,6,7が平
行となっているが、本発明では(b)のように中心にあっ
た素線1が外周側に移動し素線7が入れ替わって中心に
移動して交差部分を形成し、また(c)のように素線7が
素線3と4間に割り込むように外周に移動し、素線5が
中心に移動して交差部分を形成し、(d)のよう素線5が中
心に移動して交差部分を形成するものである。図8は本
発明による1×9構造のスチールコードの1撚りピッチ
分を25等分して示している。(a)では素線1が中心部に
位置しているが、該素線1は(b)ないし(i)のように素線2
と9の間を割り込むように移動し、それとともに素線7が
素線1に隣接しつつ中心側へと移動し、(j)では素線1が
外周に移動し、それまで外周側にあった素線8が(k)ない
し(q)のように中心側へと落ち込み、ついで、素線8は再
び素線3と5の間に割込み、(s)ないし(w)のように素線8
と隣接していた素線1が再びコード中心部へと移動し、
(w)ないし(y)のように素線2が落ち込み始めている。(a)
と(y)を比べて明らかなように素線1〜9は反時計方向に
移動しつつ1撚りピッチの間で全く入れ替わって随所に
隙間を形成している。この例ではコード中心部に通じる
隙間を持つ口開き部分が1撚りピッチで19か所以上形
成されている。
【0016】いずれにしても本発明のスチールコード2
0は、各素線が任意の順序でコード中心側と外周側の間
および外径側で入れ替わったり、外径側の隣接する素線
が入れ替わったりする交差サイクルが反復するものであ
り、素線の移動の過程で交差部分が形成され、かつその
移動時の素線割込み位置により平行撚りを構成する相手
方の素線が変化するものである。素線の交差は外周側の
素線同士が交差する場合もあるし、外径側と中心側の素
線が交差することもありうる。また、素線は平行な2本
ないしそれ以上の本数の素線束が他の1本以上の素線と
交差することもある。したがって、素線の外周側移動時
の位置は図5、図7,図8に示すような位置に限られる
ものではない。なお図示しないが図7,図8に示すスチ
ールコードにおいても、素線は予め図6のように波状に
くせ付けられることはもちろんである。
0は、各素線が任意の順序でコード中心側と外周側の間
および外径側で入れ替わったり、外径側の隣接する素線
が入れ替わったりする交差サイクルが反復するものであ
り、素線の移動の過程で交差部分が形成され、かつその
移動時の素線割込み位置により平行撚りを構成する相手
方の素線が変化するものである。素線の交差は外周側の
素線同士が交差する場合もあるし、外径側と中心側の素
線が交差することもありうる。また、素線は平行な2本
ないしそれ以上の本数の素線束が他の1本以上の素線と
交差することもある。したがって、素線の外周側移動時
の位置は図5、図7,図8に示すような位置に限られる
ものではない。なお図示しないが図7,図8に示すスチ
ールコードにおいても、素線は予め図6のように波状に
くせ付けられることはもちろんである。
【0017】本発明において素線同士が入れ替わる交差
頻度Fは、コード1撚りピッチ当たり、0.5〜6.0
回が好ましい。その理由は、0.5回よりも少ないと、
口開きの数が少なくなるため隙間形成が不十分になって
コード中心部へのゴムの浸透量が減少し、また素線同士
の拘束力が不足するため軸方向圧縮力を受けたときに素
線が広がりやすくなるため適当でないからである。しか
し、6.0回よりも多くなると、素線間の隙間形成や拘
束力は良好であるものの、コードに撚り込まれる素線の
長さにアンバランスが生じて疲労性が低下したり、素線
間の摩擦が大きくなって伸びが少なくなりやすくなるた
めこれまた適当でない。前記規定範囲であれば、ゴム浸
透性、拘束力、疲労性、伸び等の特性をバランスよく実
現することができる。本発明はコードを構成する素線の
太さが同一であることが基本であるが、場合によっては
太さに差があってもよい。本発明において素線数は少な
くとも5本である。その理由は素線数が4本以下になる
とコード強力を保持するため素線径を著しく太くしなけ
ればならず、それにより耐疲労性が著しく低下するから
である。上限は12本である。その理由は素線数が13
本を超える場合、素線同士の接触点が多くなり、高い伸
びが得られないことや、素線に均等荷重がかからず破断
荷重が低下するからである。
頻度Fは、コード1撚りピッチ当たり、0.5〜6.0
回が好ましい。その理由は、0.5回よりも少ないと、
口開きの数が少なくなるため隙間形成が不十分になって
コード中心部へのゴムの浸透量が減少し、また素線同士
の拘束力が不足するため軸方向圧縮力を受けたときに素
線が広がりやすくなるため適当でないからである。しか
し、6.0回よりも多くなると、素線間の隙間形成や拘
束力は良好であるものの、コードに撚り込まれる素線の
長さにアンバランスが生じて疲労性が低下したり、素線
間の摩擦が大きくなって伸びが少なくなりやすくなるた
めこれまた適当でない。前記規定範囲であれば、ゴム浸
透性、拘束力、疲労性、伸び等の特性をバランスよく実
現することができる。本発明はコードを構成する素線の
太さが同一であることが基本であるが、場合によっては
太さに差があってもよい。本発明において素線数は少な
くとも5本である。その理由は素線数が4本以下になる
とコード強力を保持するため素線径を著しく太くしなけ
ればならず、それにより耐疲労性が著しく低下するから
である。上限は12本である。その理由は素線数が13
本を超える場合、素線同士の接触点が多くなり、高い伸
びが得られないことや、素線に均等荷重がかからず破断
荷重が低下するからである。
【0018】さらに他の限定条件について説明する。ま
ず、本発明によるスチールコード20は引張り破断時の
伸びが5%以上の高伸度を有することが重要特性であ
る。これはタイヤの耐衝撃性、耐外傷性の向上に不可欠
だからである。こうした5%以上の引張り破断時の伸び
を、本発明は一度の撚りでしかもコード撚りピッチを短
くしないで達成し、かつ、素線本数を多くしてもその保
形性を安定させ、同時にゴム浸透性も良好にすることを
意図している。そのため、本発明は、図6のように、素
線に予め波状のくせ10を付ける。この波状のくせは二
次元的でもよい。これは歯形状の凹凸を周面に形成した
1対のローラ間に素線を通すことにより得ることができ
る。しかし、このましくは波が連続的に繰り返されつつ
しかも全体として螺旋状を呈するようにする。そうした
素線を撚り合わせることで予め付けた螺旋形と異なる螺
旋状の形を与え、より撚り合わされた素線に螺旋形状の
複合した形を与える。これでコードを構成する素線間に
隙間を設け、高伸度性を付与するのである。図6の素線
の波付けピッチLは、これを短くすれば伸びが大きくな
る反面、破断荷重は低下し、コード撚りピッチPはこれ
が短いほど破断時伸びは大きくなるが、撚り減りが大き
くなって破断荷重の低下が大きくなる。
ず、本発明によるスチールコード20は引張り破断時の
伸びが5%以上の高伸度を有することが重要特性であ
る。これはタイヤの耐衝撃性、耐外傷性の向上に不可欠
だからである。こうした5%以上の引張り破断時の伸び
を、本発明は一度の撚りでしかもコード撚りピッチを短
くしないで達成し、かつ、素線本数を多くしてもその保
形性を安定させ、同時にゴム浸透性も良好にすることを
意図している。そのため、本発明は、図6のように、素
線に予め波状のくせ10を付ける。この波状のくせは二
次元的でもよい。これは歯形状の凹凸を周面に形成した
1対のローラ間に素線を通すことにより得ることができ
る。しかし、このましくは波が連続的に繰り返されつつ
しかも全体として螺旋状を呈するようにする。そうした
素線を撚り合わせることで予め付けた螺旋形と異なる螺
旋状の形を与え、より撚り合わされた素線に螺旋形状の
複合した形を与える。これでコードを構成する素線間に
隙間を設け、高伸度性を付与するのである。図6の素線
の波付けピッチLは、これを短くすれば伸びが大きくな
る反面、破断荷重は低下し、コード撚りピッチPはこれ
が短いほど破断時伸びは大きくなるが、撚り減りが大き
くなって破断荷重の低下が大きくなる。
【0019】そこで本発明は、まずこの波付けピッチL
とコード撚りピッチPを所定の最適範囲とするものであ
る。素線の波付けピッチLは、コード撚りピッチPより
も小さく、L/Pで0.25〜0.55の範囲が好まし
い。その理由は、波付けピッチLを0.25よりも小さ
くすることは伸びの向上に有効であるが、形状が不均一
となり、それぞれの素線に均一に負荷がかからず、コー
ド切断荷重が低下するためである。しかし、0.55よ
りも大きいと、撚り込んだ素線はそれを直線状態にした
時の長さが不十分なためコードの伸びが少なくなり、ま
たゴム加硫時に低荷重の張力がかかった際に素線隙間が
狭くなりやすいためゴム浸透性が低下する。したがって
適当でない。波付け高さHは、素線直径dとの関係にお
いて、1.05≦H/d≦2.0の範囲が好ましい。そ
の理由はH/dが1.05よりも小さいと伸びが不足と
なり、H/dが2.0よりも大きくなると、均一な負荷
が素線に掛からずやはり伸びが不足になるからである。
一方、コード撚りピッチPは、前記のようにコード外径
Dとの比(P/D)で決められるが、本発明はP/Dを
8〜15とするものである。P/Dが8未満では生産性
がまだ低く、撚り減りも大きくなって素線の強度を効率
よく生かせなくなり、しかも撚りが不均一となるため適
当でない。P/Dが15を超える大きなものにすること
は生産性の面と撚り減りの面からは効果的であるもの
の、5%以上の破断時伸びを達成することはできず、適
当でない。コード撚りピッチPをP/Dで8〜15と
し、素線の波付けピッチLを0.25≦L/P≦0.5
5の範囲に、また、波付け高さHを1.05≦H/d≦
2.0の範囲にすることにより生産性と高伸度特性、ゴ
ム浸透性をバランスよく実現することができる。
とコード撚りピッチPを所定の最適範囲とするものであ
る。素線の波付けピッチLは、コード撚りピッチPより
も小さく、L/Pで0.25〜0.55の範囲が好まし
い。その理由は、波付けピッチLを0.25よりも小さ
くすることは伸びの向上に有効であるが、形状が不均一
となり、それぞれの素線に均一に負荷がかからず、コー
ド切断荷重が低下するためである。しかし、0.55よ
りも大きいと、撚り込んだ素線はそれを直線状態にした
時の長さが不十分なためコードの伸びが少なくなり、ま
たゴム加硫時に低荷重の張力がかかった際に素線隙間が
狭くなりやすいためゴム浸透性が低下する。したがって
適当でない。波付け高さHは、素線直径dとの関係にお
いて、1.05≦H/d≦2.0の範囲が好ましい。そ
の理由はH/dが1.05よりも小さいと伸びが不足と
なり、H/dが2.0よりも大きくなると、均一な負荷
が素線に掛からずやはり伸びが不足になるからである。
一方、コード撚りピッチPは、前記のようにコード外径
Dとの比(P/D)で決められるが、本発明はP/Dを
8〜15とするものである。P/Dが8未満では生産性
がまだ低く、撚り減りも大きくなって素線の強度を効率
よく生かせなくなり、しかも撚りが不均一となるため適
当でない。P/Dが15を超える大きなものにすること
は生産性の面と撚り減りの面からは効果的であるもの
の、5%以上の破断時伸びを達成することはできず、適
当でない。コード撚りピッチPをP/Dで8〜15と
し、素線の波付けピッチLを0.25≦L/P≦0.5
5の範囲に、また、波付け高さHを1.05≦H/d≦
2.0の範囲にすることにより生産性と高伸度特性、ゴ
ム浸透性をバランスよく実現することができる。
【0020】次に本発明のスチールコードを製造する方
法と装置について一例を説明する。図9ないし図12は
ダブルツイスト型バンチャー式撚り線機で一工程で製造
する例を模式的に示している。図9において、15はバ
ンチャー式撚り線機本体であり、クレードル152と、
原動機150で駆動回転される中空軸151、151´
を有し、クレードル152と同軸上には中空軸151、
151´と一体回転する弓153、153´を取り付け
ており、クレードル152には、巻取りボビン156と
これよりも上流に巻取りプスタン155を設け、更にこ
れより上流に過撚機154を配している。 入り口側の
中空軸151には5本以上の素線を挿通するボイス16
が設けられ、このボイス16を含む撚り口領域には素線
の供給長さを略一定に保ちつつ素線配列を周期的に変化
させる制御装置17が設けられている。この制御装置1
7は、図12に示すような素線を挿通する穴175を同
一円周上に多数あけた配線板17dと、これより上流の
ロール群からなっており、制御盤17の上流にはガイド
ローラー17cがあり、更にこのガイドローラー17c
の上流には複数個のワイヤツイスタ18及び固定プリフ
ォーマ19が配されている。固定プリフォーマ19の上
流には複数個のサプライボビン200が設けられ、これ
らサプライボビンからそれぞれ素線たとえば1〜6が導
出されるようになっている。
法と装置について一例を説明する。図9ないし図12は
ダブルツイスト型バンチャー式撚り線機で一工程で製造
する例を模式的に示している。図9において、15はバ
ンチャー式撚り線機本体であり、クレードル152と、
原動機150で駆動回転される中空軸151、151´
を有し、クレードル152と同軸上には中空軸151、
151´と一体回転する弓153、153´を取り付け
ており、クレードル152には、巻取りボビン156と
これよりも上流に巻取りプスタン155を設け、更にこ
れより上流に過撚機154を配している。 入り口側の
中空軸151には5本以上の素線を挿通するボイス16
が設けられ、このボイス16を含む撚り口領域には素線
の供給長さを略一定に保ちつつ素線配列を周期的に変化
させる制御装置17が設けられている。この制御装置1
7は、図12に示すような素線を挿通する穴175を同
一円周上に多数あけた配線板17dと、これより上流の
ロール群からなっており、制御盤17の上流にはガイド
ローラー17cがあり、更にこのガイドローラー17c
の上流には複数個のワイヤツイスタ18及び固定プリフ
ォーマ19が配されている。固定プリフォーマ19の上
流には複数個のサプライボビン200が設けられ、これ
らサプライボビンからそれぞれ素線たとえば1〜6が導
出されるようになっている。
【0021】各ワイヤツイスタ19は板状の回転体に3
個のローラ180,181,182が取付けられてお
り、各固定プレフォーマ19は、図10に示すように板
又は円錐に3本ないし5本のピン190、191、19
2を取り付けている。サプライボビン200から繰り出
された素線1〜6は、それぞれピン190、191、1
92の間を通過した後、ワイヤツイスタ18に導かれ
る。ワイヤツイスタ18は板状の回転体に3個のローラ
が取り付けられており、素線は入口側のローラ180に
ガイドされて中央のローラ181に導かれ、ここで巻き
付けられ、さらに出口側ローラ182でガイドされ、さ
らにガイドローラー17c’を通過して制御装置17に
導かれる。制御装置17は偏芯ロール17aを有し、該
偏芯ロール17aは前記配線板17dよりも高い所定の
レベルに軸によって回転可能に支えられている。この偏
芯ロール17aの前後には配線板17dとほぼ同等の高
さレベルにフリーロール17b、17b´を配し、上流
側のフリーロール17b´よりも下流には、偏芯ロール
17aと若干高さレベルの差をもったガイドロール17
cと前記フリーロール17bとほぼ同等のレベルのガイ
ドロール17c´とが設けられている。フリーロール1
7b´、17bは軸に胴長の短い多数のロール体をそれ
ぞれベアリングを介して個別回転可能に取り付け、それ
ぞれのロール体に素線を導く溝を設けている。これに対
して、ガイドロール17c、17c´はそれぞれ1本ロ
ールからなっていて、素線を平行状に導く多数の溝が配
されており、上流から導かれた各素線はガイドロール1
7c´に1回巻かれてからガイドロール17b´に導か
れて1回巻かれ、それからフリーロール17bに導かれ
るようになっている。
個のローラ180,181,182が取付けられてお
り、各固定プレフォーマ19は、図10に示すように板
又は円錐に3本ないし5本のピン190、191、19
2を取り付けている。サプライボビン200から繰り出
された素線1〜6は、それぞれピン190、191、1
92の間を通過した後、ワイヤツイスタ18に導かれ
る。ワイヤツイスタ18は板状の回転体に3個のローラ
が取り付けられており、素線は入口側のローラ180に
ガイドされて中央のローラ181に導かれ、ここで巻き
付けられ、さらに出口側ローラ182でガイドされ、さ
らにガイドローラー17c’を通過して制御装置17に
導かれる。制御装置17は偏芯ロール17aを有し、該
偏芯ロール17aは前記配線板17dよりも高い所定の
レベルに軸によって回転可能に支えられている。この偏
芯ロール17aの前後には配線板17dとほぼ同等の高
さレベルにフリーロール17b、17b´を配し、上流
側のフリーロール17b´よりも下流には、偏芯ロール
17aと若干高さレベルの差をもったガイドロール17
cと前記フリーロール17bとほぼ同等のレベルのガイ
ドロール17c´とが設けられている。フリーロール1
7b´、17bは軸に胴長の短い多数のロール体をそれ
ぞれベアリングを介して個別回転可能に取り付け、それ
ぞれのロール体に素線を導く溝を設けている。これに対
して、ガイドロール17c、17c´はそれぞれ1本ロ
ールからなっていて、素線を平行状に導く多数の溝が配
されており、上流から導かれた各素線はガイドロール1
7c´に1回巻かれてからガイドロール17b´に導か
れて1回巻かれ、それからフリーロール17bに導かれ
るようになっている。
【0022】前記偏心ロール17aは図11に1例を示
している。すなわち、所定の直径Dを有する胴部172
に同じ深さの12本の溝173を等間隔で形成し、かつ
胴部172を所定長さ毎に中心線CLに対してクランク
状に偏心させ、6つの偏心ロール部170a、170
b、170c、170d、170e、170fを形成し
たものである。なお、素線数が12本よりも多い場合は
当然溝数を増やすもので、また、偏心ロール部数は2つ
以上であれば任意であり、例えば3つの偏心ロール部、
5つの偏心ロール部、7つ或いは8つの偏心ロール部を
有するものでもよい。図12の配線板17dの穴175
は、製造するコードの素線数以上の数を等間隔でかつ同
一円周上に配していることが必要である。穴175が2
つ以上の同心円上に配列したのでは素線の位置が固定化
されてしまい、本発明の意図しているような特異なコー
ドは得られない。配線板17dは製造するコードの素線
数に応じて穴数の異なるものと交換してもよいし、製造
が予定されるコードの最大の素線数に応じた穴数のもの
を用い、それら穴を適宜選択して素線を挿通してもよ
い。
している。すなわち、所定の直径Dを有する胴部172
に同じ深さの12本の溝173を等間隔で形成し、かつ
胴部172を所定長さ毎に中心線CLに対してクランク
状に偏心させ、6つの偏心ロール部170a、170
b、170c、170d、170e、170fを形成し
たものである。なお、素線数が12本よりも多い場合は
当然溝数を増やすもので、また、偏心ロール部数は2つ
以上であれば任意であり、例えば3つの偏心ロール部、
5つの偏心ロール部、7つ或いは8つの偏心ロール部を
有するものでもよい。図12の配線板17dの穴175
は、製造するコードの素線数以上の数を等間隔でかつ同
一円周上に配していることが必要である。穴175が2
つ以上の同心円上に配列したのでは素線の位置が固定化
されてしまい、本発明の意図しているような特異なコー
ドは得られない。配線板17dは製造するコードの素線
数に応じて穴数の異なるものと交換してもよいし、製造
が予定されるコードの最大の素線数に応じた穴数のもの
を用い、それら穴を適宜選択して素線を挿通してもよ
い。
【0023】本発明のスチールコードを製造するに当た
っては、各サプライボビン200から素線1〜6をそれ
ぞれ固定プレフォーマ19とワイヤツイスタ18および
制御装置17を介してボイス16に導き、中空軸151
を通し、ガイドロール157から弓153を経由し他方
のガイドロール158から中空軸151´を介して過撚
機154に導き、キャプスタン155を介して巻取りボ
ビン156に導く。この状態で中空軸151、151´
を駆動して弓153を回転させるとともに、弓153の
回転と所要の比でワイヤツイスタ18を素線に対して公
転させれば、素線1〜6は固定プレフォーマ19のピン
190、191、192を通過する間に連続した螺旋波
状のくせが付けられ、この状態で制御装置17に導入さ
れる。そして、各素線1はガイドロール17c´、17
c、17b´を経て偏心ロール17aに掛けられる。
っては、各サプライボビン200から素線1〜6をそれ
ぞれ固定プレフォーマ19とワイヤツイスタ18および
制御装置17を介してボイス16に導き、中空軸151
を通し、ガイドロール157から弓153を経由し他方
のガイドロール158から中空軸151´を介して過撚
機154に導き、キャプスタン155を介して巻取りボ
ビン156に導く。この状態で中空軸151、151´
を駆動して弓153を回転させるとともに、弓153の
回転と所要の比でワイヤツイスタ18を素線に対して公
転させれば、素線1〜6は固定プレフォーマ19のピン
190、191、192を通過する間に連続した螺旋波
状のくせが付けられ、この状態で制御装置17に導入さ
れる。そして、各素線1はガイドロール17c´、17
c、17b´を経て偏心ロール17aに掛けられる。
【0024】素線の本数が例えば6本の場合には、素線
はフリーロール17b´から図11に例示する偏心ロー
ル17aの各溝173に平行状に配置し、各素線は17
0aないし170fのそれぞれ1溝を使用する。また、
素線数が9本の場合には、3つの偏心ロール部に2本を
素線を掛け、他の3つの偏心ロール部には1本の素線を
掛ければよい。偏心ロールとして図9(b)を使用した場
合には、いずれかの偏心ロール部に掛かる素線本数を3
本として、たとえば2本:2本:2本:3本に配列したり、い
ずれかの偏心ロール部に掛かる素線本数を1本として、
たとえば1本:2本:3本:3本とするなど任意である。そし
て、偏心ロール17aの下流の素線をフリーロール17
bを介して配線板17dに導き、同一円周上の穴175
を任意に選択して挿通する。この配線は、偏心ロール1
7aの端に位置する任意の例えば北極位置の穴に通し、
端から次の素線を北極位置の隣の穴に通すというように
順列としてもよいし、偏心ロール17aの端に位置する
素線を任意の例えば北極位置の穴に通し、端から次の素
線を南極の穴に通すというように対角ないし対角関係で
通してもよい。こうした配線具合と前記偏心ロール17
bへの掛け方によって素線の入れ替わりを自由に調整す
ることができる。
はフリーロール17b´から図11に例示する偏心ロー
ル17aの各溝173に平行状に配置し、各素線は17
0aないし170fのそれぞれ1溝を使用する。また、
素線数が9本の場合には、3つの偏心ロール部に2本を
素線を掛け、他の3つの偏心ロール部には1本の素線を
掛ければよい。偏心ロールとして図9(b)を使用した場
合には、いずれかの偏心ロール部に掛かる素線本数を3
本として、たとえば2本:2本:2本:3本に配列したり、い
ずれかの偏心ロール部に掛かる素線本数を1本として、
たとえば1本:2本:3本:3本とするなど任意である。そし
て、偏心ロール17aの下流の素線をフリーロール17
bを介して配線板17dに導き、同一円周上の穴175
を任意に選択して挿通する。この配線は、偏心ロール1
7aの端に位置する任意の例えば北極位置の穴に通し、
端から次の素線を北極位置の隣の穴に通すというように
順列としてもよいし、偏心ロール17aの端に位置する
素線を任意の例えば北極位置の穴に通し、端から次の素
線を南極の穴に通すというように対角ないし対角関係で
通してもよい。こうした配線具合と前記偏心ロール17
bへの掛け方によって素線の入れ替わりを自由に調整す
ることができる。
【0025】このように偏心ロール17aに素線を掛け
て撚りを行えば、偏心ロール17aが複数の偏心ロール
に分割されているためクランク運動を生じ、それにより
偏心ロール部に掛けられている素線は所定順序でかつ周
期的に張力が変化させられる。 例えば、偏心ロール1
7aが図11の状態では、偏心ロール部170bの溝に
掛かっている素線が最も張力を緩められ、この状態か
ら、170d−170e−170f−170c−170
aの順序で張力が緩められ、このサイクルが繰り返され
る。そして、それらの素線は配線板17dの穴175に
任意の配列で通され、ボイス16に導かれ集められ本体
15に導かれて一括撚りされる。こうすれば、張力の緩
められた1本以上の素線(既に波くせ付けされた状態に
ある)は、それまで隣合う素線と接するように平行に引
き揃えられていた状態から、瞬間的に素線束の中心側に
配置され撚り合わされ、引き続き元の張力への復帰と次
の素線の張力弛緩による素線束中心側への移動によって
外周側に移動して隣接する素線と撚り合わされる。ま
た、外周側の素線同士も隣接する素線同士が入れ替わる
ように移動しながら撚り合わされる。こうした各素線の
外周側−中心側−外周側、中心側−外周側−中心側、外
周側間という移動軌跡により所定順序でかつ周期的に局
部的な素線同士の交差が繰り返されることになり、この
局部的な交差が撚りを乱して素線間隙間を大きくするの
であり、同時に素線が波付けを受けているため螺旋形状
の複合した形が与えられ、これによってもコードを構成
する素線間に隙間が設けられ、かつ設計撚り込み率以上
に撚り込まれるため、高伸度性が付与されるのである。
て撚りを行えば、偏心ロール17aが複数の偏心ロール
に分割されているためクランク運動を生じ、それにより
偏心ロール部に掛けられている素線は所定順序でかつ周
期的に張力が変化させられる。 例えば、偏心ロール1
7aが図11の状態では、偏心ロール部170bの溝に
掛かっている素線が最も張力を緩められ、この状態か
ら、170d−170e−170f−170c−170
aの順序で張力が緩められ、このサイクルが繰り返され
る。そして、それらの素線は配線板17dの穴175に
任意の配列で通され、ボイス16に導かれ集められ本体
15に導かれて一括撚りされる。こうすれば、張力の緩
められた1本以上の素線(既に波くせ付けされた状態に
ある)は、それまで隣合う素線と接するように平行に引
き揃えられていた状態から、瞬間的に素線束の中心側に
配置され撚り合わされ、引き続き元の張力への復帰と次
の素線の張力弛緩による素線束中心側への移動によって
外周側に移動して隣接する素線と撚り合わされる。ま
た、外周側の素線同士も隣接する素線同士が入れ替わる
ように移動しながら撚り合わされる。こうした各素線の
外周側−中心側−外周側、中心側−外周側−中心側、外
周側間という移動軌跡により所定順序でかつ周期的に局
部的な素線同士の交差が繰り返されることになり、この
局部的な交差が撚りを乱して素線間隙間を大きくするの
であり、同時に素線が波付けを受けているため螺旋形状
の複合した形が与えられ、これによってもコードを構成
する素線間に隙間が設けられ、かつ設計撚り込み率以上
に撚り込まれるため、高伸度性が付与されるのである。
【0026】
【実施例】次に実施例を示す。表1は本発明の実施例コ
ード1〜4の諸元および特性試験結果を示している。表
2は比較例コード1〜5のコードと従来コード1,2の
諸元および特性試験結果を示している。実施例と比較例
のコードは撚り方向はSであり、従来例1は図1(a)に
示すものであり、従来例2は図1(b)に示すもので、い
ずれも撚り方向はSである。実施例と比較例のコードは
撚り線機としては図9ないし図12に示すものを使用し
た。本体回転数は2500rpmとし、偏心ロールは溝
周長94.2mm、偏心量2mmを使用し、実施例1と
2及び比較例1,2については、6つの偏心ロール部に
1本ずつ掛け、実施例3については、170a:170
b:170c:170d:170e:170f=2本:
1本:2本:1本:2本:1本の関係とした。配線板は
実施例1と2及び比較例1〜4については6個の穴を等
間隔でかつ同一円周上に配列したもの、実施例3につい
ては同じく9個の穴を等間隔でかつ同一円周上に配列し
たものを使用し、素線をそれら穴に時計方向で順次通し
た。
ード1〜4の諸元および特性試験結果を示している。表
2は比較例コード1〜5のコードと従来コード1,2の
諸元および特性試験結果を示している。実施例と比較例
のコードは撚り方向はSであり、従来例1は図1(a)に
示すものであり、従来例2は図1(b)に示すもので、い
ずれも撚り方向はSである。実施例と比較例のコードは
撚り線機としては図9ないし図12に示すものを使用し
た。本体回転数は2500rpmとし、偏心ロールは溝
周長94.2mm、偏心量2mmを使用し、実施例1と
2及び比較例1,2については、6つの偏心ロール部に
1本ずつ掛け、実施例3については、170a:170
b:170c:170d:170e:170f=2本:
1本:2本:1本:2本:1本の関係とした。配線板は
実施例1と2及び比較例1〜4については6個の穴を等
間隔でかつ同一円周上に配列したもの、実施例3につい
ては同じく9個の穴を等間隔でかつ同一円周上に配列し
たものを使用し、素線をそれら穴に時計方向で順次通し
た。
【0027】なお、表1と表2において、「ゴム浸透
性」はコードを100gの張力下でゴム中に埋め込んで
加硫した後、2分割し、コード内部のワイヤ表面を目視
観察しゴムにより被覆されている面積を百分率で表した
ものである。また、「曲げ剛性」は70mm長さのコー
ドサンプルについて所定の曲げを与え、これに要するモ
ーメントの大きさを測定したもので、従来例2を100
として比較した。また、「耐久性」はコードサンプルを
ゴム中に埋め込んで加硫した帯状の試験体を直径38m
mφ3個のロールを配置した試験機にかけ、一定荷重
(破断荷重の10%)を繰り返し曲げを与えてコード破断ま
での回数を測定したもので従来例2を100として比較
した。なお、コードの断面は実施例1〜3と比較例1〜
4の場合、図5のようになり、実施例4と比較例5は図
8のようになっていた。
性」はコードを100gの張力下でゴム中に埋め込んで
加硫した後、2分割し、コード内部のワイヤ表面を目視
観察しゴムにより被覆されている面積を百分率で表した
ものである。また、「曲げ剛性」は70mm長さのコー
ドサンプルについて所定の曲げを与え、これに要するモ
ーメントの大きさを測定したもので、従来例2を100
として比較した。また、「耐久性」はコードサンプルを
ゴム中に埋め込んで加硫した帯状の試験体を直径38m
mφ3個のロールを配置した試験機にかけ、一定荷重
(破断荷重の10%)を繰り返し曲げを与えてコード破断ま
での回数を測定したもので従来例2を100として比較
した。なお、コードの断面は実施例1〜3と比較例1〜
4の場合、図5のようになり、実施例4と比較例5は図
8のようになっていた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例1,2,3はコード撚りピッチが適
正であり、波付けくせのピッチと高さが適正でありかつ
素線交差頻度も適正である。このため、表1から明らか
なように、破断荷重が高く、破断時伸びも高く、ゴム浸
透性も良好である。曲げ剛性も実施例1,2はほど好
く、耐久性も優れている。実施例4は柔軟であるととも
に耐久性は非常に優れている。この理由は素線径か細い
ことによる。比較例1は波付けピッチ条件L/Pが適正
でないため、破断時伸びとゴム浸透性が実施例より劣っ
ている。比較例2はL/Pが小さすぎるためコード破断
荷重が低下している。比較例3は波高さ条件H/dが不
適切であるため、やはり破断時伸びとゴム浸透性が実施
例より劣っている。比較例4は素線交差頻度が少なすぎ
るためゴム浸透性が十分でない。比較例5は素線交差頻
度が多すぎるため伸びが不足し、また実施例4に比べて
耐久性が低下している。
正であり、波付けくせのピッチと高さが適正でありかつ
素線交差頻度も適正である。このため、表1から明らか
なように、破断荷重が高く、破断時伸びも高く、ゴム浸
透性も良好である。曲げ剛性も実施例1,2はほど好
く、耐久性も優れている。実施例4は柔軟であるととも
に耐久性は非常に優れている。この理由は素線径か細い
ことによる。比較例1は波付けピッチ条件L/Pが適正
でないため、破断時伸びとゴム浸透性が実施例より劣っ
ている。比較例2はL/Pが小さすぎるためコード破断
荷重が低下している。比較例3は波高さ条件H/dが不
適切であるため、やはり破断時伸びとゴム浸透性が実施
例より劣っている。比較例4は素線交差頻度が少なすぎ
るためゴム浸透性が十分でない。比較例5は素線交差頻
度が多すぎるため伸びが不足し、また実施例4に比べて
耐久性が低下している。
【0031】上記実施例2のスチールコードを、図1の
トレッドに最も近い第4ベルト13dの補強コードとし
て使用し、タイヤ1000R20のラジアルタイヤを作
成した。ゴムは次の配合(重量部)とし、150℃×25minの
条件で加硫した。 天然ゴム:100 HAF:50 ステアリン酸:1 ZnO:5 3C:
3 硫黄:2 加硫促進剤:1.5 老化防止剤:0.5 ベルト厚さは2.1mm、コード間隔は2.2mm(11
エンド/2.5cm)で、コード角度は左上り20度とし
た。なお、第1ベルトは3×0.20+6×0.35、
13エンド/2.5cm、右上がり65度、第2ベルトは3×0.
20+6×0.35、13エンド/2.5cm、左上がり20度、
第3ベルトは3×0.20+6×0.35、13エンド/2.
5cm、右がり20度である。カーカスには通常のスチール
コード(3+9+15×0.175+1)を13エンド/2.54cmの密度で角
度90度に配列した。かかるラジアルタイヤ(本発明タイ
ヤ)に内圧7.5Kg/cm3を充填し、JIS標準荷重を負荷
し、速度40km/hのドラム走行試験を行った。
トレッドに最も近い第4ベルト13dの補強コードとし
て使用し、タイヤ1000R20のラジアルタイヤを作
成した。ゴムは次の配合(重量部)とし、150℃×25minの
条件で加硫した。 天然ゴム:100 HAF:50 ステアリン酸:1 ZnO:5 3C:
3 硫黄:2 加硫促進剤:1.5 老化防止剤:0.5 ベルト厚さは2.1mm、コード間隔は2.2mm(11
エンド/2.5cm)で、コード角度は左上り20度とし
た。なお、第1ベルトは3×0.20+6×0.35、
13エンド/2.5cm、右上がり65度、第2ベルトは3×0.
20+6×0.35、13エンド/2.5cm、左上がり20度、
第3ベルトは3×0.20+6×0.35、13エンド/2.
5cm、右がり20度である。カーカスには通常のスチール
コード(3+9+15×0.175+1)を13エンド/2.54cmの密度で角
度90度に配列した。かかるラジアルタイヤ(本発明タイ
ヤ)に内圧7.5Kg/cm3を充填し、JIS標準荷重を負荷
し、速度40km/hのドラム走行試験を行った。
【0032】比較のため、従来品2を上記条件でベルト
に埋め込んだラジアルタイヤ(比較タイヤ1)と、比較例
1を上記条件でベルトに埋め込んだラジアルタイヤ(比
較タイヤ2)、比較例4を上記条件でベルトに埋め込んだ
ラジアルタイヤ(比較タイヤ3)についても走行試験し
た。走行距離25000km相当の走行時間に達したところで
タイヤを分解し、各ベルト層におけるスチールコードの
折れと、コード縁部セパレーションを検査した。その結
果、本発明タイヤはスチールコードの折れ及びコード縁
部セパレーションはいずれも0であった。これに対し、
比較タイヤ1はコード折れ20%、コード縁部セパレー
ションは15%、比較タイヤ2はコード折れ15%、コ
ード縁部セパレーション15%、比較タイヤ3はコード
折れ20%、コード縁部セパレーションは10%であっ
た。この結果から、本発明によるラジアルタイヤは耐疲
労性とゴムとスチールコードの付着が良好であり、これ
に対して比較タイヤ1は耐疲労性とゴム付着性に劣り、
比較タイヤ2および比較タイヤ3も耐疲労性とゴム付着
性に劣るのでタイヤ性能が不十分であることが明らかで
ある。
に埋め込んだラジアルタイヤ(比較タイヤ1)と、比較例
1を上記条件でベルトに埋め込んだラジアルタイヤ(比
較タイヤ2)、比較例4を上記条件でベルトに埋め込んだ
ラジアルタイヤ(比較タイヤ3)についても走行試験し
た。走行距離25000km相当の走行時間に達したところで
タイヤを分解し、各ベルト層におけるスチールコードの
折れと、コード縁部セパレーションを検査した。その結
果、本発明タイヤはスチールコードの折れ及びコード縁
部セパレーションはいずれも0であった。これに対し、
比較タイヤ1はコード折れ20%、コード縁部セパレー
ションは15%、比較タイヤ2はコード折れ15%、コ
ード縁部セパレーション15%、比較タイヤ3はコード
折れ20%、コード縁部セパレーションは10%であっ
た。この結果から、本発明によるラジアルタイヤは耐疲
労性とゴムとスチールコードの付着が良好であり、これ
に対して比較タイヤ1は耐疲労性とゴム付着性に劣り、
比較タイヤ2および比較タイヤ3も耐疲労性とゴム付着
性に劣るのでタイヤ性能が不十分であることが明らかで
ある。
【0033】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1ないし3
によれば、破断時伸びが5%以上の高伸度スチールコー
ドでありながら撚りピッチを長く取って撚ることがてき
るため、一工程で経済的に能率良く製造することがで
き、製造コストを大きく低減することができる。しか
も、素線がコード長手方向で入れ替わりがあるように撚
り合わされているため、素線が波付きであることと素線
の交差によって隙間が形成され、コード中心部へのゴム
浸透性が良好となる。また、それでいて素線の交差によ
る拘束作用で比較的コンパクトな形状となるため耐疲労
性も良好で、素線本数を多くし、素線径を細かくして柔
軟性を高くしても、素線の交差部がコード長手方向で混
在しているため各素線の長さも平均的に揃い、軸方向荷
重がかかったときの形状保持性もすぐれているなどの優
れた効果が得られる。また請求項4によれば、上記特性
を有するスチールコードを補強材としているため、耐衝
撃性、耐外傷性に優れ、かつゴムとのセパレーションを
確実に防止することができるという優れた効果が得られ
る。
によれば、破断時伸びが5%以上の高伸度スチールコー
ドでありながら撚りピッチを長く取って撚ることがてき
るため、一工程で経済的に能率良く製造することがで
き、製造コストを大きく低減することができる。しか
も、素線がコード長手方向で入れ替わりがあるように撚
り合わされているため、素線が波付きであることと素線
の交差によって隙間が形成され、コード中心部へのゴム
浸透性が良好となる。また、それでいて素線の交差によ
る拘束作用で比較的コンパクトな形状となるため耐疲労
性も良好で、素線本数を多くし、素線径を細かくして柔
軟性を高くしても、素線の交差部がコード長手方向で混
在しているため各素線の長さも平均的に揃い、軸方向荷
重がかかったときの形状保持性もすぐれているなどの優
れた効果が得られる。また請求項4によれば、上記特性
を有するスチールコードを補強材としているため、耐衝
撃性、耐外傷性に優れ、かつゴムとのセパレーションを
確実に防止することができるという優れた効果が得られ
る。
【図1】従来の高伸度スチールコードの断面図である。
【図2】本発明を適用したラジアルタイヤの部分切欠正
面図である。
面図である。
【図3】本発明を適用したベルトの部分的断面図であ
る。
る。
【図4】本発明によるスチールコードの一例を示す部分
拡大側面図である。
拡大側面図である。
【図5】図4のスチールコードの1撚りピッチ分の断面
図である。
図である。
【図6】本発明における素線の部分的な側面図である。
【図7】本発明によるスチールコードの他の例を示す断
面図である。
面図である。
【図8】本発明によるスチールコードの他の例を示す断
面図である。
面図である。
【図9】本発明のスチールコードの製造装置とコード製
造法の一例を模式的に示す説明図である。
造法の一例を模式的に示す説明図である。
【図10】図9の装置における固定プレフォーマの一例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図11】図9の装置における偏心ロールの部分切欠側
面図である。
面図である。
【図12】図9の装置における配線板の一例を示す正面
図である。
図である。
1〜9 素線 10 波 13d ベルト 20 スチールコード
Claims (4)
- 【請求項1】5本以上の素線を同一方向に同一ピッチで
撚り合わせた1×nの構造をもち、破断時の伸びが5%
以上のスチールコードであって、前記コードが、コード
の撚りピッチよりも小さいピッチの波付きくせを有する
各素線を、コード外径Dとコード撚りピッチPとの比
(P/D)が8〜15の範囲でしかもコードが長手方向に
おいて素線同士が交差する部分と交差しない部分が混在
するように撚り合わせていることを特徴とする高伸度ス
チールコード。 - 【請求項2】コードを構成する各素線が0.25≦L/
P≦0.55の波付けピッチLと、素線径dとの関係に
おいて1.05≦H/d≦2.0の波付け高さHをもっ
ており、しかもコード長手方向での素線同士の交差頻度
がコード1撚りピッチ当り0.5〜6.0回の範囲にあ
る請求項1の高伸度スチールコード。 - 【請求項3】素線数が5〜12本であり、コードが長手
方向において素線同士が交差する部分と交差しない部分
が混在し、素線同士の交差によってアイ状の口開きが創
成され、コード長手方向と直角の断面が逐次変化し随所
で開輪郭となっている請求項1または2に記載の高伸度
スチールコード。 - 【請求項4】トレッドに最も近いベルトが請求項1ない
し3のいずれかのスチールコードで補強されているラジ
アルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6145588A JP2932149B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高伸度スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6145588A JP2932149B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高伸度スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07331587A true JPH07331587A (ja) | 1995-12-19 |
JP2932149B2 JP2932149B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=15388565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6145588A Expired - Fee Related JP2932149B2 (ja) | 1994-06-03 | 1994-06-03 | 高伸度スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2932149B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08113886A (ja) * | 1994-10-17 | 1996-05-07 | Tokyo Seiko Co Ltd | タイヤ補強用スチールコード及びこれを用いたラジアルタイヤ |
WO2010106875A1 (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-23 | 栃木住友電工株式会社 | 環状金属コード、無端金属ベルト及び環状金属コードの製造方法 |
US8146339B2 (en) | 2005-10-31 | 2012-04-03 | Bridgestone Corporation | Steel cord for reinforcing rubber article and pneumatic radial tire |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04257385A (ja) * | 1991-02-13 | 1992-09-11 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ |
JPH0533277A (ja) * | 1991-07-30 | 1993-02-09 | Kanai Hiroyuki | ゴム製品補強用スチールコード |
JPH05321175A (ja) * | 1992-05-19 | 1993-12-07 | Kokoku Kousensaku Kk | ゴム弾性体用スチールコード |
-
1994
- 1994-06-03 JP JP6145588A patent/JP2932149B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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