JPH07331059A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルムInfo
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- JPH07331059A JPH07331059A JP12115394A JP12115394A JPH07331059A JP H07331059 A JPH07331059 A JP H07331059A JP 12115394 A JP12115394 A JP 12115394A JP 12115394 A JP12115394 A JP 12115394A JP H07331059 A JPH07331059 A JP H07331059A
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Abstract
回復性、強度および柔軟性を有し、製膜安定性にも優れ
た熱可塑性ポリウレタン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 (A)特定の熱可塑性ポリウレタンおよび
(B)特定の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック
共重合体からなる熱可塑性樹脂組成物[(A)/(B)
の重量比=60/40以上]である。(A)は2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール成分をジオール成分とし
て含有する数平均分子量1000〜6000のポリエス
テルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤と
を反応させて得られたポリウレタンである。(B)は、
芳香族ビニル成分含有率が5〜50重量%、MFR(2
00℃、5kg)が30以下の芳香族ビニル化合物−共
役ジエンブロック共重合体である。
Description
タンと特定の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック
共重合体からなる熱可塑性樹脂組成物および該樹脂組成
物からなるフィルムに関する。本発明の熱可塑性樹脂組
成物は弾性回復性、強伸度、耐熱性、柔軟性および製膜
性に優れる。本発明のフィルムは、該樹脂組成物の特長
を効果的に発揮し、伸縮性フィルムとして有用である。
強伸度、柔軟性等において優れた性能を有する反面、比
較的高価な樹脂である。一方、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/
アクリル酸メチルコポリマー等のポリオレフィン系樹脂
や、ポリスチレン等の芳香族ビニル化合物系樹脂は熱可
塑性ポリウレタンに比較して安価である。そこで、熱可
塑性ポリウレタンの優れた性質を保持した熱可塑性樹脂
素材を安価に取得する目的で、熱可塑性ポリウレタンに
ポリオレフィン系樹脂や芳香族ビニル化合物系樹脂をブ
レンドすることが試みられている。
リオレフィン系樹脂や芳香族ビニル化合物系樹脂とは非
相溶性であり、両者を単純にブレンドした場合、分散状
態が良くない。そのためか、熱可塑性ポリウレタンとポ
リオレフィン系樹脂や芳香族ビニル化合物系樹脂との樹
脂組成物をフィルム成形に供した場合には、製膜安定性
が低く、薄膜化が困難であるという問題がある。この薄
膜化の困難性は、熱可塑性ポリウレタンが柔軟な場合に
特に顕著となる。また、熱可塑性ポリウレタンとポリオ
レフィン系樹脂や芳香族ビニル化合物系樹脂との樹脂組
成物から得られたフィルムにおいても、弾性回復性、強
度、柔軟性等の性能が不十分になる問題がある。
は、熱可塑性ポリウレタンと他の熱可塑性樹脂からな
り、該熱可塑性ポリウレタンが有する優れた弾性回復
性、耐熱性および強伸度を保持し、かつ製膜安定性が高
く、薄膜化が可能な熱可塑性樹脂組成物を提供すること
にある。また、本発明の他の目的は、熱可塑性ポリウレ
タンと他の熱可塑性樹脂からなり、弾性回復性、耐熱
性、強伸度および柔軟性に優れたフィルムを提供するこ
とにある。
的の一つは、熱可塑性ポリウレタンおよび芳香族ビニル
化合物−共役ジエンブロック共重合体からなる熱可塑性
樹脂組成物において、熱可塑性ポリウレタン/芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の重量比が6
0/40以上であり、該熱可塑性ポリウレタンが、2−
メチル−1,3−プロパンジオール成分をジオール成分
として含有する数平均分子量1000〜6000のポリ
エステルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長
剤を反応させて得られる硬度(JIS−A)90以下の
ポリウレタンであり、かつ該芳香族ビニル化合物−共役
ジエンブロック共重合体が、芳香族ビニル化合物成分含
有率5〜50重量%、メルトフローレート(200℃、
5kg)30以下の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブ
ロック共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹脂組
成物を提供することにより達成される。また本発明によ
れば、上記の他の目的は、上記熱可塑性樹脂組成物から
なるフィルムを提供することにより達成される。
オール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸長剤を反応さ
せて得られるが、本発明においては、高分子ジオールと
して、2−メチル−1,3−プロパンジオール成分、 [−O−CH2−CH(CH3)−CH2−O−] をジオール成分として含有する数平均分子量1000〜
6000のポリエステルジオールを使用することが重要
である。
ジオール成分の少なくとも一部として2−メチル−1,
3−プロパンジオール成分を有する。ジオール成分とし
て2−メチル−1,3−プロパンジオール成分を有しな
いポリエステルジオールを使用する場合には、得られる
熱可塑性ポリウレタンを上記芳香族ビニル化合物−共役
ジエンブロック共重合体と混合し樹脂組成物を形成させ
ても、得られる樹脂組成物は芳香族ビニル化合物−共役
ジエンブロック共重合体の分散粒子径が大きいためか、
弾性回復性および強度が不十分となり、また柔軟性にお
いても劣り、好ましくない。一般に、ジオール成分中の
2−メチル−1,3−プロパンジオール成分の割合が高
いほど、得られる樹脂組成物における弾性回復性、強度
および柔軟性が良好となる傾向があるので、ジオール成
分の20モル%以上が2−メチル−1,3−プロパンジ
オール成分であることが好ましく、40モル%以上が2
−メチル−1,3−プロパンジオール成分であることが
より好ましい。
ルジオール中のジオール成分は、2−メチル−1,3−
プロパンジオール成分と他のジオール成分とから構成さ
れていてもよい。2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル成分と共に含有されうるジオール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール等の飽和脂肪族ジオールから誘導されるジオ
ール成分が挙げられ、これらのジオール成分は2種類以
上が含有されていてもよい。これらの中でも、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール成分に由来する効果が喪
失されにくいことから、エチレングリコールおよび/ま
たは1,4−ブタンジオールが好ましい。さらに、本発
明におけるポリエステルジオールには、得られる熱可塑
性樹脂組成物の柔軟性を低下させない範囲内で、3官能
以上のポリオール成分が共存していてもよい。3官能以
上のポリオール成分の含有量は、全ジオール成分に対し
て5モル%以下が好ましい。
分とともに構成するジカルボン酸成分としては、例え
ば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、
2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチ
ルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオ
クタン二酸などのジカルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体(例:エステル化物)から誘導されるジカルボ
ン酸成分が挙げられる。
の数平均分子量は、1000〜6000である。数平均
分子量が1000未満の場合、得られるポリウレタンの
低温柔軟性及び耐熱性が不十分となるため、得られる樹
脂組成物はの柔軟性等の性能が不十分となる。一方、数
平均分子量が6000を越えるとき、得られる熱可塑性
樹脂組成物の押出成形時に溶融粘度が上昇する傾向が生
じるなど、成形性が不十分となるため、好ましくない。
の製造法は特に限定されない。したがって、ポリエステ
ルジオールは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステルの製造において用
いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエステル交
換または直接エステル化とそれに続く溶融重縮合反応で
製造することが可能である。重縮合反応においては、チ
タン系、スズ系等の重縮合触媒を使用してもよい。ただ
し、チタン系の重縮合触媒を使用した場合には、重縮合
反応後、得られたポリエステルジオール中の重縮合触媒
を失活させることが好ましい。重縮合触媒を失活させる
ことにより、得られた熱可塑性ポリウレタンが高温で溶
融滞留している間に徐々に起こるハードセグメントとソ
フトセグメントのブロック性の低下が抑制されるので、
樹脂組成物から溶融押出成形法で得られたフィルムにお
いても熱可塑性ポリウレタンが当初有していた耐熱性、
弾性回復性等の諸物性が有効に発揮される。
活する方法としては、水との接触処理が好ましく、例え
ば、ポリエステルジオールに対し1〜4重量%の水を加
え、80〜150℃で撹拌する方法、ポリエステルジオ
ールに水蒸気を通しながら、100〜150℃で撹拌す
る方法などを採用することができる。また、一般にポリ
エステルの触媒失活に用いられているようなリン化合物
の添加等によって、重縮合触媒の失活を行うこともでき
る。
て、上記ポリエステルジオールを単独で使用することが
好ましいが、所望により、他の高分子ジオール(例え
ば、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルジオー
ル、上記ポリエステルジオール以外のポリエステルジオ
ール等)を併用してもよい。該他の高分子ジオールの使
用量としては、高分子ジオール全体の30重量%以下で
あることが好ましい。
ネートとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の、ポリ
ウレタン製造で一般的に使用し得ることが知られている
有機ジイソシアネートが例示される。これらの中でも、
4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートが好まし
い。
ポリウレタン製造で一般的に使用し得ることが知られて
いる鎖伸長剤を使用することができる。該鎖伸長剤とし
ては、イソシアネート基(−NCO)と反応し得る水素
原子を分子中に少なくとも2個含有する分子量300以
下の低分子化合物が好ましい。その例として、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキ
サンジオール、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタ
レート、キシリレングリコール等のジオール類が挙げら
れる。これらの鎖伸長剤は単独で、または、2種以上を
混合して使用される。これらの鎖伸長剤の中でも、1,
4−ブタンジオールが特に好ましい。
ジオールおよび鎖伸長剤が有している活性水素原子(す
なわち、イソシアネート基と反応し得る水素原子)の全
量に基づいて、活性水素原子1モル当たりのイソシアネ
ート基のモル数が0.90〜1.30、好ましくは、
0.95〜1.30になるような割合で、有機ジイソシ
アネートを使用するのが好ましい。
よび鎖伸長剤を反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造
する方法に関しては、溶融重合、溶液重合等の公知のウ
レタン化反応の技術を採用することができる。なかで
も、実質的に溶媒の不存在下で溶融重合することが好ま
しく、特に多軸スクリュー型押出機を用いる連続溶融重
合法が好ましい。溶融重合温度は特に制限されないが、
180℃以上かつ260℃以下が好ましい。
難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐加水分解性向上
剤、防黴剤等の各種添加剤;ガラス繊維、ポリエステル
繊維等の各種繊維;マイカ、タルク等の無機物;各種カ
ップリング剤等を適宜選択して添加してもよい。
は、硬度(JIS−A)が90以下であることが重要で
ある。硬度が90以上であると、得られる熱可塑性樹脂
組成物の柔軟性が不十分となる。
共役ジエンブロック共重合体は、5〜50重量%の芳香
族ビニル化合物成分を含有し、かつメルトフローレート
(200℃、5kg)が30以下である。該ブロック共
重合体は、芳香族ビニル化合物成分を主体とする重合体
ブロックを1個以上、好ましくは2個以上含有し、さら
に共役ジエン化合物成分を主体とする重合体ブロックを
1個以上含有するものである。該ブロック共重合体にお
ける芳香族ビニル化合物成分含有率が50重量%を越え
る場合、得られる熱可塑性樹脂組成物は、その中に分散
する芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体
粒子の粒子径が大きいためか、弾性回復性、強度等が低
下するので好ましくない。また、芳香族ビニル化合物成
分含有率が5重量%未満である場合は、熱可塑性樹脂組
成物から形成されたフィルムの粘着性が増すことなどの
不都合が生じるので好ましくない。
ローレート(200℃、5kg)が30を越えると、熱
可塑性樹脂組成物中の芳香族ビニル化合物−共役ジエン
ブロック共重合体の分散状態が悪いためか、弾性回復
性、強度および柔軟性が低下し、また製膜が困難にな
る。得られる熱可塑性樹脂組成物の弾性回復性、強度、
柔軟性および製膜性がとくに良好となる点から、芳香族
ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のメルトフ
ローレートは20以下であることが好ましく、10以下
であることがより好ましい。なお、メルトフローレート
の下限について特に制限はないが、0.1以上であるこ
とが望ましい。
化合物成分としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物から誘
導される成分が挙げられる。共役ジエン化合物成分とし
ては、例えば、イソプレン、ブタジエン、1,3−ペン
タジエン等の共役ジエン化合物から誘導される成分が挙
げられる。
上記特定の構造を有する熱可塑性ポリウレタンと上記特
定の芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体
との混合割合が、熱可塑性ポリウレタン/芳香族ビニル
化合物−共役ジエンブロック共重合体の重量比で60/
40以上であることが重要である。熱可塑性ポリウレタ
ンの重量が、熱可塑性ポリウレタンと芳香族ビニル化合
物−共役ジエンブロック共重合体との合計重量に対して
60重量%未満の場合は、熱可塑性ポリウレタン単独の
場合に比べて、弾性回復性、強度、耐熱性等の性質の低
下が大きいので好ましくない。弾性回復性、強度、耐熱
性等の性質が特に良好となる観点において、熱可塑性ポ
リウレタン/芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック
共重合体の重量比は70/30以上であることが好まし
い。
熱可塑性ポリウレタン/芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ンブロック共重合体の重量比の上限に特に制限はない。
ただし、熱可塑性ポリウレタンが多すぎると経済的な面
から本発明の趣旨にそぐわなくなるので、熱可塑性ポリ
ウレタン/芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共
重合体の重量比は90/10以下の範囲に止めることが
望ましい。
ポリウレタンと芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロッ
ク共重合体とを使用する以外は、通常のポリマーブレン
ドの手法により製造することができる。例えば、上記の
熱可塑性ポリウレタンと芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ンブロック共重合体とを、樹脂材料の混合に通常用いら
れるような縦型または水平型の混合機を用いて所定の割
合で予備混合した後、単軸または二軸の押出機、ミキシ
ングロール、バンバリーミキサー等を用いて回分式また
は連続式で加熱下に混練することにより製造される。な
お、混合に際して、耐光性、耐熱性等を向上させるため
の安定剤、可塑剤、脂肪族アミドなどの滑剤、充填剤、
帯電防止剤、顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわ
ない量で添加してもよい。
を製造する方法としては、インフレーション成形、Tダ
イ成形等の通常の溶融押出成形による製膜方法を採用す
ることができる。溶融押出成形の条件としては、好適な
ものを適宜選択し採用することができる。
記特定の熱可塑性ポリウレタンと芳香族ビニル化合物−
共役ジエンブロック共重合体とは、単純に溶融条件下に
混合するだけで、熱可塑性ポリウレタンのマトリックス
中に芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体
の微小な粒子が均一に分散し得る。したがって、本発明
の熱可塑性樹脂組成物からフィルムを製造する場合に
は、製膜安定性が良好で、しかも薄膜化が可能である。
また得られたフィルムは、弾性回復性、耐熱性、強伸度
および柔軟性に優れる。
る。実施例においては、弾性回復率、強度、および柔軟
性(風合い)を以下の方法により評価した。
厚50μmのフィルムより作製した試験片について、温
度23℃、湿度65%RHの条件下に、引張速度200
mm/minで200%伸長後、2分間保持し、応力を
除去した後、10分後の戻りを測定した。この試験結果
に基づいて、弾性回復率を下記の式に従い算出した。 弾性回復率(%)=[L’−L)/L]×100 (但し、L:初期の長さ、L’:応力除去した後10分
後の長さ)
μmのフィルムより作製した試験片について、引張速度
200mm/min、温度23℃、湿度65%RHの条
件で引張試験を行うことにより、強伸度測定を行った。
した膜厚50μmのフィルムについて、手の感触により
下記の判定基準に従い柔軟性(風合い)を評価した。 〇:ごわごわしたところがなく、ソフトである。 △:ややごわごわし、ややソフト感に欠けるが、伸縮フ
イルムとして実用的には問題ない。 ×:ごわごわし、ソフト感に欠け、伸縮フイルムとして
不適当である。
略号で表記する。
製造) MPrG108kgおよびAD146kgを反応器に仕
込み、常圧下に窒素ガスを系内に通じながら、約220
℃の温度で、生成する水を系外に留去しながらエステル
化反応を行った。生成したポリエステルの酸価が30以
下になった時点でテトライソプロピルチタネートを加
え、200〜100mmHgに減圧しながら重縮合反応
を続けた。酸価が1.0になった時点で真空ポンプによ
り徐々に真空度を上げて、反応を完結させた。その結
果、数平均分子量が4000のポリエステルジオール
(これを「ポリエステルジオールA」と称する)を20
5kg得た。
製造) MPrGとADを反応器に仕込み、参考例1と同様にエ
ステル化反応および重縮合反応を行い、数平均分子量2
000のポリエステルジオールを得た。得られたポリエ
ステルジオールを100℃に加熱して3重量%の水を加
え、同温度で2時間撹拌することにより、チタン触媒を
失活させた後、減圧下に水を留去した。この処理により
チタン触媒を失活させたポリエステルジオール(これを
「ポリエステルジオールB」と称する)を得た。
C、DおよびEの製造) 使用するジオールを、MPrGとEDの混合ジオール
(参考例3)、MPrG、EDとBDの混合ジオール
(参考例4)、またはBD(参考例5)に変更する以外
は、参考例1と同様にエステル化反応および重縮合反応
を行い、それぞれ数平均分子量2000のポリエステル
ジオールを得た。得られたポリエステルジオールを参考
例2と同様にしてチタン触媒を失活させた。この処理に
よりチタン触媒を失活させたポリエステルジオール(こ
れらをそれぞれ「ポリエステルジオールC、Dおよび
E」と称する)を得た。これらのポリエステルジオール
の組成を表2に示す。
よびBDを、ポリエステルジオールA/MDI/BDの
モル比が1/3/2となる割合で、かつこれらの総量が
300g/minになる速度で、定量ポンプにより、同
軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機(30mm
φ;L/D=36;シリンダー温度:ブロックごとに約
200℃から約250℃の範囲で設定)に連続的に仕込
み、連続溶融重合反応を行った。生成した熱可塑性ポリ
ウレタンの溶融物をストランド状で水中へ連続的に押出
し、ついでペレタイザーで切断し、ペレットに成形し
た。このペレットを80℃で20時間除湿乾燥し、硬度
(JIS−A)75の熱可塑性ポリウレタン(これを
「ポリウレタンP」と称する)を得た。
T)の製造} ポリエステルジオールAの代わりに、参考例2で得られ
たポリエステルジオールB(参考例7)、参考例3で得
られたポリエステルジオールC(参考例8)、参考例4
で得られたポリエステルジオールD(参考例9)、また
は参考例5で得られたポリエステルジオールE(参考例
10)を使用する以外は、参考例6と同様にして、連続
溶融重合反応、ペレット化、除湿乾燥を行うことによっ
て、熱可塑性ポリウレタン(これらをそれぞれ「ポリウ
レタンQ、R、SおよびT」と称する)を得た。これら
の熱可塑性ポリウレタンの硬度(JIS−A)はそれぞ
れ75(ポリウレタンQ)、78(ポリウレタンR)、
79(ポリウレタンS)および82(ポリウレタンT)
であった。
ポリウレタンP75重量%に、スチレン成分含有率(以
下「St含有率」と略す)21重量%、メルトフローレ
ート(200℃、5kg)(以下「MFR」と略す)3
dg/minのSIS25重量%を、25mmφ押出機
(シリンダー温度およびダイス温度:205℃)で溶融
混練することにより熱可塑性樹脂組成物を製造した。形
成された熱可塑性樹脂組成物をTダイより押出し、冷却
ロールを通して巻き取ることによって、厚さ50μmの
フィルムを得た。なお、厚さ20μmまで薄膜化を試み
たが、20μmでも安定に製膜できた。得られた厚さ5
0μmのフィルムを25℃で7日間放置した後、弾性回
復性、強度および柔軟性の評価を行った。評価結果を表
3に示す。
熱可塑性ポリウレタンQ〜S75重量%に、それぞれ、
St含有率21重量%、MFR(200℃、5kg)3
のSIS25重量%を実施例1と同様に溶融混練し、フ
ィルム化することにより、熱可塑性樹脂組成物からなる
厚さ50μmのフィルムを得た。得られた各フィルムを
実施例1と同様に放置した後、評価を行い、表3に示す
結果を得た。なお、いずれの場合においても製膜性は安
定していた。
ポリウレタンQ75重量%に、St含有率28重量%、
MFR6のSBS25重量%を、実施例1と同様に溶融
混練し、フィルム化することにより、熱可塑性樹脂組成
物からなる厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフ
ィルムを実施例1と同様に放置した後、評価を行い、表
3に示す結果を得た。製膜性は安定していた。
ポリウレタンQ50重量%に、St含有率21重量%、
MFR(200℃、5kg)3のSIS50重量%を、
実施例1と同様に溶融混練し、フィルム化することによ
り、熱可塑性樹脂組成物からなる厚さ50μmのフィル
ムを得た。得られたフィルムを実施例1と同様に放置し
た後、評価を行い、表3に示す結果を得た。なお、製膜
性は不安定であった。
ポリウレタンQ75重量%に、St含有率60重量%、
MFR(200℃、5kg)30のSIS25重量%
を、実施例1と同様に溶融混練し、フィルム化すること
により、熱可塑性樹脂組成物からなる厚さ50μmのフ
ィルムを得た。得られたフィルムを、実施例1と同様に
放置した後、評価を行い、表3に示す結果を得た。な
お、製膜性は不安定であった。
性ポリウレタンT75重量%に、St含有率21重量
%、MFR(200℃、5kg)3のSIS25重量%
を、実施例1と同様に溶融混練し、フィルム化すること
により、熱可塑性樹脂組成物からなる厚さ50μmのフ
ィルムを得た。得られた各フィルムを実施例1と同様に
放置した後、評価を行い、表3に示す結果を得た。な
お、製膜性は不安定であった。
〜5の熱可塑性樹脂組成物は、弾性回復性、強度および
柔軟性(風合い)に優れるフィルムを与え、とりわけ、
重縮合触媒の失活処理が施されたポリエステルジオール
を使用して製造された熱可塑性ポリウレタンを用いた実
施例2〜5では、フィルムの弾性回復性、耐熱性および
強伸度が一層良好となることがわかる。これに対して、
本発明とは相違する比較例1〜3の熱可塑性樹脂組成物
からは、弾性回復性、強度および柔軟性(風合い)に劣
るフィルムしか得られず、製膜性も不安定であることが
わかる。
が有する優れた弾性回復性、強度および柔軟性を有する
熱可塑性樹脂組成物が提供される。該熱可塑性樹脂組成
物は、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合
体が熱可塑性ポリウレタンに配合されていることから、
熱可塑性ポリウレタン単独と比較して安価である。本発
明のフィルムは、上記熱可塑性樹脂組成物の特長を効果
的に発揮し、伸縮性フィルムとして有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱可塑性ポリウレタンおよび芳香族ビニ
ル化合物−共役ジエンブロック共重合体からなる熱可塑
性樹脂組成物において、熱可塑性ポリウレタン/芳香族
ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の重量比が
60/40以上であり、該熱可塑性ポリウレタンが、2
−メチル−1,3−プロパンジオール成分をジオール成
分として含有する数平均分子量1000〜6000のポ
リエステルジオール、有機ジイソシアネートおよび鎖伸
長剤を反応させて得られる硬度(JIS−A)90以下
のポリウレタンであり、かつ該芳香族ビニル化合物−共
役ジエンブロック共重合体が、芳香族ビニル化合物成分
含有率5〜50重量%、メルトフローレート(200
℃、5kg)30以下の芳香族ビニル化合物−共役ジエ
ンブロック共重合体であることを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
なるフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12115394A JP3366434B2 (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07331059A true JPH07331059A (ja) | 1995-12-19 |
JP3366434B2 JP3366434B2 (ja) | 2003-01-14 |
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JP12115394A Expired - Fee Related JP3366434B2 (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなるフィルム |
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JP (1) | JP3366434B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011527719A (ja) * | 2008-07-11 | 2011-11-04 | クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー | 熱可塑性ポリウレタン/ブロックコポリマー組成物 |
-
1994
- 1994-06-02 JP JP12115394A patent/JP3366434B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011527719A (ja) * | 2008-07-11 | 2011-11-04 | クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー | 熱可塑性ポリウレタン/ブロックコポリマー組成物 |
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