JPH07331031A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JPH07331031A
JPH07331031A JP12380894A JP12380894A JPH07331031A JP H07331031 A JPH07331031 A JP H07331031A JP 12380894 A JP12380894 A JP 12380894A JP 12380894 A JP12380894 A JP 12380894A JP H07331031 A JPH07331031 A JP H07331031A
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polyamine
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thermosetting resin
resin composition
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JP12380894A
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Yohei Hachiwaka
洋平 八若
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Showa Highpolymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性に優れ、かつ耐熱性及び接着性に優
れた熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。 【構成】 レゾール型フェノール樹脂とポリアミンとか
らなる熱硬化性樹脂に、ポリビニルブチラール樹脂と有
機珪素化合物を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱硬化性樹脂組成物に
関し、更に詳しくは成形材料、積層板、鋳型材料、樹脂
フェルト、接着剤、塗料、繊維処理剤等に適した熱硬化
性に優れ、しかも耐熱性及び接着性に優れた熱硬化性樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱硬化性フェノール樹脂として、
分子中にメチロール基やジメチロール基等の反応性架橋
基を有するレゾール型フェノール樹脂と、ヘキサミンで
代表される架橋剤を含むノボラック型フェノール樹脂と
が知られている。これらの熱硬化性フェノール樹脂は、
近年の高度化する耐熱性の要求に、十分に対処できてい
ない。そのため、耐熱性フェノール樹脂として特殊アミ
ンを使用した熱硬化特殊レゾール型フェノール樹脂が提
案されている(特開平5−93126号公報、特開平5
−140416号公報)。しかし、これら耐熱性フェノ
ール樹脂を接着剤、塗料、コーティング等の分野で利用
する際、密着性や接着性が不十分で、特に熱水処理時の
強度が十分満足すべきものでなく、実用上問題が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の熱硬化性フェノール樹脂の欠点を克服し、耐熱性に優
れ、しかも接着性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来の
熱硬化フェノール樹脂の欠点を解決すべく種々検討した
結果、レゾール型フェノール樹脂とポリアミンとからな
る熱硬化性樹脂に、更にポリビニルブチラール樹脂と有
機珪素化合物を配合した熱硬化性樹脂組成物が耐熱性と
接着性に優れていることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、レゾール型フェノー
ル樹脂、ポリアミン、ポリビニルブチラール樹脂及び有
機珪素化合物を含む熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0006】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明において用いられるレゾール型フェノール樹脂はよく
知られているように、フェノール類とアルデヒド類とを
当モル比またはアルデヒド類過剰で塩基性触媒の存在下
で反応して得られる。
【0007】ここでいう、フェノール類としては、フェ
ノール性水酸基を分子中に1個以上有するものをすべて
含むことができる。具体的に例示するならばフェノー
ル、クレゾール、キシレノール、tert−ブチルフェ
ノール、フェニルフェノール、ノニルフェノール、クミ
ルフェノール、イソプロペニルフェノール、ブロモフェ
ノール、フルオロフェノール、アミノフェノール、レゾ
ルシノール、カテコール、イソプロピルカテコール、ピ
ロガロール、グリシノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール等を挙げ
ることができ、これらは単独または2種以上の混合物と
して使用できる。
【0008】アルデヒド類としては、例えばホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキ
サン、アセタール、グリオキザール、アセトアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アクロレイ
ン、フルフラール等を挙げることができるがこれらに限
定されるものではない。
【0009】塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、アルカリ土類金属の酸化物及び水酸化
物、アンモニア、ヘキサミン等のアルカリ性触媒が用い
られる。
【0010】レゾール型フェノール樹脂の製造方法には
特に制限はなく、通常フェノール類1モルに対してアル
デヒド類1〜5モルを塩基性触媒の存在下、40〜10
0℃で1〜7時間反応させて得ることができる。
【0011】本発明に用いられるレゾール型フェノール
樹脂の中では、(1)1分子中に2個以上のメチロール
基を有するフェノール類の1量体〜3量体の合計量が8
0重量%以上、好ましくは85重量%以上であり、かつ
未反応のフェノール類モノマー、フェノール類のモノメ
チロール化物及びフェノール類の4量体以上の成分の合
計量が20重量%以下、好ましくは15重量%以下であ
るレゾール型フェノール樹脂、及び(2)レゾール型フ
ェノール樹脂のフェノール性水酸基の水素原子を他の原
子団で置換して、例えばアルキルエーテル化、ビニルエ
ーテル化、アリルエーテル化、ブテニルエーテル化、プ
ロパルギルエーテル化、スチリルエーテル化、エステル
化等した、フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール型
フェノール樹脂等が、耐熱性の改良効果が大きく、特に
好ましい。
【0012】上記(2)のフェノール性水酸基が遮蔽さ
れたレゾール型フェノール樹脂は、レゾール型フェノー
ル樹脂のフェノール性水酸基1.0モルに対して0.5
〜2.0モルのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、
ハロゲン化プロピル、ハロゲン化ブチル等のハロゲン化
アルキル類、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化アリル
類、ハロゲン化ブテニル類、ハロゲン化プロパルギル
類、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、ヨ
ウ化メチルスチレン、クロロメチル−α−メチルスチレ
ン、クロロメチル−α−エチルスチレン等のハロゲン化
スチレン類、プロパノイルクロライド、ブタノイルクロ
ライド、p−オクタデセノイルクロライド等の酸クロラ
イド類、その他モノクロロ酢酸等を水酸化ナトリウム、
水酸化バリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等
の塩基性触媒の存在下に反応させてフェノール性水酸基
をエーテル化またはエステル化することにより得ること
ができる。フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール型
フェノール樹脂は、レゾール型フェノール樹脂中のフェ
ノール性水酸基の少なくとも50%以上が遮蔽されてい
ることが好ましい。
【0013】本発明に用いられるポリアミンとしては、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラメチレンペンタミン等の脂肪族ポ
リアミン、ベンゼンジアミン、イソホロンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メ
チルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、1,4−または1,3−シクロヘキ
サンジアミン等の環状脂肪族ポリアミン、メタまたはパ
ラフェニレンジアミン、メタまたはパラキシレンジアミ
ン、4,4−ジアミノビフェニル、ビス(4−アミノフ
ェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)エーテ
ル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−
アミノ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミ
ノ−3,5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−アミ
ノフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミ
ノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3
−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ
−3−クロロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ア
ミノ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4
−アミノフェニル)フェニルメタン、3,4−ジアミノ
フェニル−4−アミノフェニルメタン、1,1−ビス
(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン等の芳香
族ポリアミンが挙げられる。これらのポリアミンは、単
独または2種以上の混合物としても使用できる。
【0014】本発明に用いられるポリアミンの中で、環
状樹脂族ポリアミン及び/または芳香族ポリアミンが耐
熱性向上の面から好ましい。
【0015】ポリアミンの使用量は、レゾール型フェノ
ール樹脂とポリアミンの比が重量比で1:2〜5:1で
あることがより好ましく、更に好ましくは1:2〜3:
1である。ポリアミンの使用量がこの範囲より多いと、
架橋密度が低くなり、耐熱性が向上しないばかりではな
く、コストアップになる。一方、ポリアミンの使用量が
この範囲より少ないと、目的とする耐熱性の向上の効果
は期待できない。
【0016】本発明に用いられるポリビニルブチラール
樹脂は、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを反
応させて製造されるものであって、平均重合度が200
0以下、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)成分が7
0重量%以上、ポリビニルアセテート(PVAC)成分
が3重量%以下のものが使用できる。ポリビニルブチラ
ール樹脂の使用量は、レゾール型フェノール樹脂とポリ
アミンからなる熱硬化性樹脂100重量部に対し、2〜
20重量部が好ましい。使用量が2重量部未満では、接
着性の改良が不十分であり、使用量が20重量部を越え
る場合は耐熱性が低下する。
【0017】本発明に用いられる有機珪素化合物は、分
子中に2つの異なる反応基を有するシランカップリング
剤であり、代表例としてはγ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメリメトキシ
シラン等を挙げることができ、これらは単独でまたは2
種以上混合しても使用できる。有機珪素化合物の使用量
は、レゾール型フェノール樹脂とポリアミンからなる熱
硬化性樹脂100重量部に対し、0.5〜5重量部が好
ましい。使用量が0.5重量部未満では、接着性の改良
が不十分であり、また、使用量が5重量部を越える場合
は耐熱性が低下する。
【0018】レゾール型フェノール樹脂、ポリアミン、
ポリビニルブチラール樹脂及び有機珪素化合物の混合
は、無溶媒下に、またはアセトン、メタノール、エタノ
ール、メチルエチルケトン、ジオキサン、ジメチルホル
ムアルデヒド等の溶媒等の存在下で行うこともできる。
ポリビニルブチラール樹脂を均一に混合するには、溶媒
の存在下が好ましい。また、上記の熱硬化性樹脂組成物
を調整する際にレゾール型フェノール樹脂とポリアミン
とを予め無溶媒下に、またはアセトン、メタノール、エ
タノール、メチルエチルケトン、ジオキサン、ジメチル
ホルムアルデヒド等の溶媒等の存在下で部分的に反応さ
せてから用いることもできる。部分的反応は触媒の存在
下、または無触媒で20〜200℃の温度範囲で実施さ
れるが、好ましくは50〜150℃である。20℃未満
では、反応に長時間を要し、また200℃を越えると反
応が進み過ぎてゲル化を生じる危険性がある。
【0019】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、変性
剤、充填材、離型剤、着色剤、難燃剤、硬化促進剤等を
必要に応じて添加することができることは勿論である。
【0020】変性剤としては、エポキシ樹脂、アクリル
樹脂、メタアクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリル−
エポキシ樹脂、シリコーン−エポキシ樹脂、アルキッド
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、フェノール変性キシレ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリブ
テン樹脂、シクロペンタジエン樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、ゴム状高分子、乾性油等の天然樹脂、熱可塑性
樹脂等が使用できる。
【0021】充填材として使用されるものは、木粉、パ
ルプ等のセルロース系充填材、ポリビニルアルコール繊
維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊
維、カーボン繊維、ガラス繊維、金属繊維、鉱物繊維等
の繊維質充填材、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、酸
化マグネシウム、酸化アルミニウム、マイカ、ウオラス
トナイト、チタン等の粉状あるいは板状の無機充填材等
が挙げられる。これら充填材は、レゾール型フェノール
樹脂とポリアミンからなる熱硬化性樹脂100重量部に
対して30〜300重量部配合して使用される。
【0022】また、離型剤としては、ステアリン酸、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウム、カルナバワックス、モリタン酸エステ
ル、パラフィンワックス、ポリエチレン等が好適に使用
できる。
【0023】着色剤としては、例えば酸化チタン、カー
ボンブラック、鉄黒等が挙げられる。
【0024】難燃剤としては、例えば三酸化アンチモ
ン、リン酸系化合物等の無機難燃剤、テトラブロモビス
フェノールA、デカブロモジフェニルエーテル、パーフ
ルオクチルスルホン酸等の有機難燃剤等が挙げられる。
【0025】硬化促進剤としては、例えば、トリエチル
アミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミ
ン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメ
チルアニリン、トリメチルアミン、2−(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール等の第3級アミン類、2−メチル
イミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−メチ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィ
ン、トリブチルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォ
スフィン、メチルジフェニルフォスフィン、ブチルフェ
ニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン、フェニル
フォスフィン、オクチルフォスフィン、1,2−ビス
(ジフェニルフォスフィノ)メタン、トリフェニルフォ
スフェート、トリメチルフォスフェート、トリエチルフ
ォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリフェニ
ルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリエ
チルフォスファイト、トリブチルフォスファイト等の有
機リン化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7等が挙げられる。
【0026】
【作用】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、レゾール型フ
ェノール樹脂とポリアミンとの架橋がメチロール基とア
ミノ基との反応により、
【化1】 架橋が生じ、耐熱性が向上すると推定されるが、ポリビ
ニルブチラール樹脂と有機珪素化合物はこの架橋反応を
阻害することが少なく、しかも接着剤として使用した
時、界面化学的に効果を発揮するものと考えられるが、
詳細は明らかでない。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。
【0028】レゾール型フェノール樹脂Aの製造 撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を付した3リット
ルのセパラブルフラスコに、フェノール500g、37
%ホルマリン1750g、水酸化カルシウム15gを加
え、徐々に昇温させた。70℃で2時間反応させた後、
常温付近まで冷却し、硫酸でpH7に調整した後生成し
た硫酸カルシウムを濾過し、減圧下で水分を除いた。8
63gの多価メチロールフェノールが得られた。この樹
脂の分析を溶出溶媒テトラヒドロフランの流速が毎分1
mlでのGPCで行った結果、フェノールモノマー、モノ
メチロールフェノール、及び4量体以上のフェノールと
ホルムアルデヒドの重縮合物の合計含有量は、7.2重
量%であった。得られた樹脂にメチルエチルケトン86
3gを加え溶解し、50%溶液とした(以下、樹脂Aと
する)。
【0029】レゾール型フェノール樹脂Bの製造 レゾール型フェノール樹脂Aの製造で用いたと同様のセ
パラブルフラスコに、ビスフェノールA1000g、3
7%ホルマリン1420g、25%苛性ソーダ水溶液5
00gを加え、全体を均一に溶解した後、50℃で5時
間反応させた。反応後15%硫酸水溶液をゆっくり滴下
し、pH4に調整した後、生成した硫酸ナトリウムを含
む水層を分離除去した。これに水500gを加え、撹
拌、静置、水層分離を5回繰り返して脱塩精製し、減圧
下で水分を除いた。1210gの多価メチロールビスフ
ェノールAが得られた。この樹脂の分析をGPCで行っ
た結果、ビスフェノールAモノマー、ビスフェノールA
1量体のモノメチロール化物及び4量体以上のビスフェ
ノールAとホルムアルデヒドの重縮合物の合計含有量は
5重量%であった。得られた樹脂にメチルエチルケトン
1210gを加え溶解し、50%溶液とした(以下、樹
脂Bとする)。
【0030】レゾール型フェノール樹脂Cの製造 撹拌機、還流コンデンサー及び温度計を付した3リット
ルのセパラブルフラスコに、ビスフェノールF1000
g、37%ホルマリン1620g、25%苛性ソーダ水
溶液500gを加え、全体を均一に溶解した後、50℃
で5時間反応させた。反応後15%硫酸水溶液をゆっく
り滴下し、pH4に調整した後、生成した硫酸ナトリウ
ムを含む水層を分離除去した。これに水500gを加
え、撹拌、静置、水層分離を5回繰り返して脱塩精製
し、減圧下で水分を除いた。1190gの多価メチロー
ルビスフェノールFが得られた。この樹脂の分析をGP
Cで行った結果、ビスフェノールFモノマー、ビスフェ
ノールF1量体のモノメチロール化物及び4量体以上の
ビスフェノールFとホルムアルデヒドの重縮合物の合計
含有量は12重量%であった。得られた樹脂にメチルエ
チルケトン1190gを加え溶解し、50%溶液とした
(以下、樹脂Cとする)。
【0031】実施例1〜6及び比較例1〜5 レゾール型フェノール樹脂A、樹脂B、または樹脂Cと
ポリアミン、ポリビニルブチラール樹脂及び有機珪素化
合物を表1に示す配合比で混合し、塗膜特性と耐熱性を
測定した。その結果を表1に示した。
【0032】なお、塗膜特性は、クロム処理鋼板に #
4コーティング棒により上記配合物を塗布し、130℃
で30分乾燥し、その後180℃で6時間硬化したテス
トピースの塗膜(膜厚:150〜250μ)がハジキや
波立ち等がなく均一に仕上っているか、この塗膜を碁盤
目剥離試験により接着しているか、更にこのテストピー
スを碁盤目を刻んだ後80〜90℃の温水に3時間浸漬
した後、塗膜の剥離試験により接着しているかを調べ
た。また、耐熱性は、上記配合物を130℃で30分乾
燥し、その後180℃で6時間熱処理したものを粉砕
し、熱重量分析を空気中毎分10℃の昇温速度で測定
し、熱分解開始温度と600℃到達時の重量減少率を求
めた。なお、実施例及び比較例で使用したポリビニルブ
チラール樹脂は次の特性のものである。
【表1】
【0033】
【表2】
【表3】
【0034】フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール
型フェノール樹脂Dの製造 撹拌機、還流冷却管、温度計を備え付けたフラスコに、
フェノール1000g、37%ホルマリン2600gを
加え均一に溶解させた。次いで、水酸化ナトリウム47
0gを水470gに溶解させた水溶液を内温を30〜3
5℃に維持しながら徐々に加えた。内温を40℃に保持
し6時間半反応させた。反応後常温付近まで冷却した。
【0035】この反応物1000gにアリルクロライド
191gを加え40℃において6時間反応させた。反応
後、静置して水層を分離除去した。次いで、これに水5
00gを加え、撹拌、静置、水層分離の操作を4回繰り
返し、脱塩精製した。315gのアリルエーテル化レゾ
ール型フェノール樹脂が得られた(以下、樹脂Dとす
る)。アリルエーテル化率は、 1H−NMRで測定した
ところ、86%であった。
【0036】フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール
型フェノール樹脂Eの製造 樹脂Dの製造において、アリルクロライドの代わりに、
塩化プロパルギル186gを反応させた以外は樹脂Dの
製造と同様に行った。298gのプロパルギルエーテル
化レゾール型フェノール樹脂が得られた(以下、樹脂E
とする)。プロパルギルエーテル化率は、、 1H−NM
Rで測定したところ、82%であった。
【0037】フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール
型フェノール樹脂Fの製造 樹脂Dの製造において、アリルクロライドの代わりに、
塩化プロピル196gを反応させた以外は樹脂Dの製造
と同様に行った。326gのプロピルエーテル化レゾー
ル型フェノール樹脂が得られた(以下、樹脂Fとす
る)。プロピルエーテル化率は、 1H−NMRで測定し
たところ、86%であった。
【0038】実施例7〜10及び比較例6〜9 フェノール性水酸基が遮蔽されたレゾール型フェノール
樹脂D、樹脂E、または樹脂Fを溶剤に溶かし、ポリア
ミン、ポリビニルブチラール樹脂及び有機珪素化合物を
表2に示す配合比で混合し、塗膜特性と耐熱性を測定し
た。その結果を表2に示した。塗膜特性と耐熱性の測定
は、硬化温度を200℃に変えた以外は、実施例1〜6
及び比較例1〜5と同じ方法で行った。
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化性
に優れ、しかも耐熱性及び接着性に優れていることか
ら、成形材料、積層板、鋳型材料、樹脂フェルト、接着
剤、塗料及び繊維処理剤等に広く使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29:04)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂、ポリアミ
    ン、ポリビニルブチラール樹脂及び有機珪素化合物を含
    む熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 レゾール型フェノール樹脂が、1分子中
    に2個以上のメチロール基を有するフェノール類の1量
    体〜3量体の合計量が80重量%以上であり、かつ未反
    応のフェノール類モノマー、フェノール類のモノメチロ
    ール化物及びフェノール類の4量体以上の成分の合計量
    が20重量%以下のものである請求項1記載の熱硬化性
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 レゾール型フェノール樹脂が、フェノー
    ル性水酸基が遮蔽されたものである請求項1記載の熱硬
    化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアミンが、環状脂肪族ポリアミン及
    び/または芳香族ポリアミンである請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリビニルブチラール樹脂が、平均重合
    度が2000以下、ポリビニルブチラール樹脂成分が7
    0重量%以上でポリビニルアセテート成分が3重量%以
    下のものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 有機珪素化合物が、分子中に2つの異な
    る反応基を有するシランカップリング剤である請求項1
    ないし5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 レゾール型フェノール樹脂とポリアミン
    からなり、かつレゾール型フェノール樹脂とポリアミン
    の使用割合が重量比で1:2〜5:1である熱硬化性樹
    脂100重量部に対し、ポリビニルブチラール樹脂2〜
    20重量部及び有機珪素化合物0.5〜5重量部を配合
    してなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の熱硬
    化性樹脂組成物。
JP12380894A 1994-06-06 1994-06-06 熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH07331031A (ja)

Priority Applications (1)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008081706A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 2液型フェノール樹脂組成物

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