JPH07330937A - Pvc系発泡絶縁樹脂組成物 - Google Patents

Pvc系発泡絶縁樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07330937A
JPH07330937A JP12594094A JP12594094A JPH07330937A JP H07330937 A JPH07330937 A JP H07330937A JP 12594094 A JP12594094 A JP 12594094A JP 12594094 A JP12594094 A JP 12594094A JP H07330937 A JPH07330937 A JP H07330937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
polyvinyl chloride
resin composition
foaming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP12594094A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2991401B2 (ja
Inventor
Yonetoshi Yamazaki
米寿 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP6125940A priority Critical patent/JP2991401B2/ja
Publication of JPH07330937A publication Critical patent/JPH07330937A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2991401B2 publication Critical patent/JP2991401B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のポリ塩化ビニル系発泡体に配合されて
いる発泡剤の配合量よりも少ない配合量によって従来の
ポリ塩化ビニル系発泡体の発泡状態と同様の発泡状態を
得、従来よりも発泡剤の発泡率を向上して従来より少な
い量の絶縁体材料、シース材料によって従来同様の絶縁
体の厚さ、シースの厚さを確保して、発泡剤分解生成残
渣を減らして電気特性の低下を防止する。 【構成】 ポリ塩化ビニルに可塑剤、安定剤、発泡剤を
添加して構成した塩化ビニル樹脂組成物に,無水ケイ酸
カルシウム、無水ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸アル
ミニウムのいずれか1又は2以上であって、いずれもス
テアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表
面処理してなる充填剤を配合して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線ケーブルの絶縁
体、シース等に使用されるPVC系樹脂組成物に係り、
特に発泡ポリエチレン樹脂組成物を絶縁体、シース等に
使用した発泡絶縁ケーブル用のPVC系発泡絶縁樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂を用いて被覆する絶縁電
線が多くなってきている。このような絶縁材の使用目的
は、構造材としての目的を兼ねている場合も多いが、導
体から電気的に絶縁する点に主眼が置かれている。しか
し、電気的絶縁性が優れていても耐熱性が悪かったり、
加工がしにくかったり、価格が高くなってしまったり、
施工の作業性が悪くなってしまっては絶縁材としての使
用に耐えなくなってしまう。このため、絶縁材料として
は、電気的特性が良好であることはもちろんのこと、こ
の電気的特性が良好であることに加えて耐熱性、加工の
し易さ、価格、施工のし易さなどが選択の重要な基準と
なっている。このような電線、ケーブル等の絶縁に使用
される合成樹脂には、主として塩化ビニル系樹脂が用い
られている。このような塩化ビニル系樹脂は、一般建造
物内に配線する電力ケーブル、屋内電線、あるいは自動
車用電線等の絶縁体、シースに用いられている。そし
て、絶縁体、シースを構成する塩化ビニル樹脂組成物
は、従来、ポリ塩化ビニルに、可塑剤、安定剤、充填剤
を混合して構成されている。このような塩化ビニル系樹
脂を用いた自動車用電線等のビニル絶縁ビニルシースケ
ーブルは、図1に示す如き構成を有している。すなわ
ち、ビニル絶縁ビニルシースケーブル1は、導体2の上
に塩化ビニル系樹脂の絶縁体3を被覆し、この絶縁体3
の上に塩化ビニル系樹脂のシース4を被覆して構成され
ている。そして、このような塩化ビニル系樹脂を導体2
の上やシース4として被覆する場合は、可塑剤、安定
剤、充填剤を配合してゲル化したポリ塩化ビニルを押出
機を用いて押し出し行っている。
【0003】ところで、近年、電化製品の多用化、大型
化に伴い、屋内に配線される電線の量は、増大の一途を
辿り配線室の電線重量は、想像を超えるものがある。ま
た、自動車の制御機器は、AT(オート・トランスミッ
ション)車の普及に伴ってキャブレタから電子燃料噴射
装置への転換が図られ、各種計器類等車載装置の電子化
が図られている。このような車載装置の電子化等に伴
い、自動車内における電気、電子配線回路の数が著しく
増加し、自動車内における占積空間が増加し、自動車用
電線による自動車総重量の増加を招いている。このよう
な絶縁電線重量の増加は、建物を堅牢に建築したり、自
動車の燃費の低下を招来するという結果を招いている。
建物の構造上、あるいは燃費の向上の点から軽量である
ことが望ましく、絶縁電線の使用量の増加は、絶縁電線
重量の軽量化という点に逆行することとなる。ところ
が、電化製品の多用化、大型化に伴い、あるいはマイク
ロコンピュータを搭載して自動車を安全に快適に走行さ
せるためには、一般屋内用絶縁電線の使用量の増加、自
動車用電線の使用量が増加することを避けることができ
ない。そこで、近年、一般屋内用絶縁電線、自動車用電
線の軽量化が研究されている。
【0004】絶縁電線の使用重量を小さくすることは、
絶縁電線の導体径を小さくすることによって実現が可能
であるが、導体外径を小さくすると機械的強度が低下し
てしまい、導体の接合部がはずれたり、断線を生じたり
するという問題がある。そこで、絶縁電線の導体に被覆
される絶縁体、シースの重量を軽減して自動車に使用さ
れる電線の総重量を小さくすることが試みられている。
絶縁体、シースの重量を軽減するには、絶縁体、シース
の厚さを薄くすることによって可能であるが、絶縁体、
シースの厚さを薄くするとエンジンルーム内の異常な高
温により導体間が短絡したり、通常使用時においても電
気的絶縁性に問題が生じて実現が難しい。絶縁体、シー
スの厚さを十分確保し、かつ絶縁体、シースの重量を軽
減するには、絶縁体、シースの塩化ビニル系樹脂にポリ
塩化ビニル系発泡体を使用することが考えられる。従来
のポリ塩化ビニル系発泡体は、ポリ塩化ビニルに、フタ
ル酸エステル系可塑剤、Pb系安定剤、ケイ酸マグネシ
ウム(充填剤)、ADCA(発泡剤)を配合して構成さ
れている。この発泡は、圧縮ガスの放圧、蒸発性気体の
気化など物理的変化を応用して発泡させる物理発泡によ
るか、発泡剤を添加し、その素材の重縮合過程で生成す
る気体を利用して発泡させる化学発泡のいずれかの方法
が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリ塩化ビニル
系発泡体にあっては、図1に示されるビニル絶縁ビニル
シースケーブル1に比して電気特性(体積固有抵抗値)
が悪く、絶縁電線の導体に被覆される絶縁体、シースと
して使用するに耐えないものとなっている。
【0006】従来のポリ塩化ビニル系発泡体の電気特性
(体積固有抵抗値)が低下するのは、発泡剤(ADC
A)が発泡した際に、水酸基(OH基)を含む残渣が発
生することによることが考えられる。このため、従来の
ポリ塩化ビニル系発泡体を絶縁電線の導体に被覆する絶
縁体、シースとして使用することができず、絶縁体、シ
ースの厚さを十分確保し、かつ絶縁体、シースの重量を
軽減することができないという問題点を有している。
【0007】本発明の目的は、従来のポリ塩化ビニル系
発泡体に配合されている発泡剤の配合量よりも少ない配
合量によって従来のポリ塩化ビニル系発泡体の発泡状態
と同様の発泡状態を得られ、従来よりも発泡剤の発泡率
を向上して従来より少ない量の絶縁体材料、シース材料
によって従来同様の絶縁体の厚さ、シースの厚さを確保
して、発泡剤分解生成残渣を減らして電気特性の低下を
防止しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
可塑剤、安定剤、発泡剤を添加した塩化ビニル樹脂組成
物に,無水ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸マグネシウ
ム、無水ケイ酸アルミニウムのいずれか1又は2以上で
あって、いずれもステアリン酸、パルミチン酸、オレイ
ン酸のいずれかで表面処理してなる充填剤を配合して構
成したものである。請求項2記載の発明は、ポリ塩化ビ
ニル100重量部に、フタル酸エステル系可塑剤を30
〜100重量部、Sn系安定剤又はPb系安定剤あるい
はCa−Zn系安定剤を1〜5重量部、ADCAを0.
1〜5重量部、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン
酸のいずれかで表面処理した無水ケイ酸カルシウム、又
はステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれか
で表面処理した無水ケイ酸マグネシウム、あるいはステ
アリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表面
処理した無水ケイ酸アルミニウムのいずれか1又は2以
上の充填剤を30〜70重量部を配合して構成したもの
である。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明によると、ポリ塩化ビニル
に可塑剤、安定剤、発泡剤を添加して構成する塩化ビニ
ル樹脂組成物にステアリン酸、パルミチン酸、オレイン
酸のいずれかで表面処理した無水ケイ酸カルシウム、ス
テアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表
面処理した無水ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸、パ
ルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表面処理した無水
ケイ酸アルミニウムのいずれか1又は2以上の充填剤を
配合して、構成してあるため、従来のポリ塩化ビニル系
発泡体に配合されている発泡剤の配合量よりも少ない配
合量によって従来のポリ塩化ビニル系発泡体の発泡率を
得ることができ、発泡剤分解生成残渣を減らして電気特
性の低下を防止することができる。請求項2記載の発明
によると、ポリ塩化ビニル100重量部に、フタル酸エ
ステル系可塑剤を30〜100重量部、Sn系安定剤又
はPb系安定剤あるいはCa−Zn系安定剤を1〜5重
量部、ADCAを0.1〜5重量部に、ステアリン酸、
パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表面処理した無
水ケイ酸カルシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、オ
レイン酸のいずれかで表面処理した無水ケイ酸マグネシ
ウム、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいず
れかで表面処理した無水ケイ酸アルミニウムのいずれか
1又は2以上の充填剤を30〜70重量部を配合して構
成してあるため、従来のポリ塩化ビニル系発泡体に配合
されている発泡剤の配合量よりも少ない配合量によって
従来のポリ塩化ビニル系発泡体の発泡率を得ることがで
き、発泡剤分解生成残渣を減らして電気特性の低下を防
止することができる。
【0010】ここで、ポリ塩化ビニル(PVC)は平均
重合度が800〜2000のものが適している。フタル
酸エステル系可塑剤が30〜100重量部というのは、
ポリ塩化ビニル系発泡体の一般的な配合量である。ま
た、Sn系安定剤、Pb系安定剤、Ca−Zn系安定剤
は従来より用いられている安定剤で、1〜5重量部とい
うのは、ポリ塩化ビニル系発泡体における安定剤の一般
的な配合量である。アゾジカルボンアミド(ADCA)
は、ポリ塩化ビニルの発泡剤である。このADCAは分
解型発泡剤で、加熱分解することにより主としてN2
スを生成するもので、安価な発泡剤としてポリ塩化ビニ
ル系発泡体に従来から広く用いられている。このADC
Aの配合量は、一般にポリ塩化ビニル100重量部に対
して0.1〜5重量部が添加される。ADCAの配合量
が0.1〜5重量部というのは、ADCAの配合量が
0.1重量部を下回ると、ポリ塩化ビニルの発泡量が少
なく、ポリ塩化ビニル系発泡体として体をなさず、5重
量部を超えて添加しても発泡量が添加量に見合って増加
せず、金属類の残渣が増加し、電気特性を低下させるこ
ととなるからである。無水ケイ酸カルシウム、無水ケイ
酸マグネシウム、無水ケイ酸アルミニウムは、いずれも
充填剤で、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸の
いずれかで表面処理を施してある。このステアリン酸、
パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表面処理の施さ
れた無水ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸マグネシウム、
無水ケイ酸アルミニウムの充填剤は、図2及び図3に示
されている。すなわち、充填剤5は、粒状(一般に、粒
径は30〜100μm)の無水ケイ酸カルシウム、無水
ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸アルミニウムの粒体6
の表面にステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸の被
膜7を形成して形成されている。これら3つの充填剤
は、それぞれ単独で配合しても、また2種類又は3種類
を混合して配合しても良い。この場合の配合量は、従来
の充填剤の配合量と同様30〜70重量部である。この
ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで
表面処理した無水ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸マグネ
シウム、無水ケイ酸アルミニウムは、ポリ塩化ビニルに
配合すると、ポリ塩化ビニル溶融時に、粘性を増加する
作用がある。この増粘効果は、ポリ塩化ビニル樹脂組成
物を押出機で押し出す際に剪断力を高め、この押出加工
時の剪断熱によって溶融樹脂温が均一に上昇し、発泡剤
が従来と同添加量であっても従来の発泡率より高い発泡
率を得ることができる。
【0011】無水ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸マグネ
シウム、無水ケイ酸アルミニウムの配合量30〜70重
量部というのは、ポリ塩化ビニル100重量部に対して
添加されるADCA0.1〜5重量部を十分に発泡させ
るに必要且つ十分な添加量ということである。
【0012】
【実施例】以下、表1並びに表2を用いて請求項1記載
の発明及び請求項2記載の発明の具体的実施例について
従来例と比較して説明する。 実施例1 本実施例は、ポリ塩化ビニル(具体的には、平均重合度
1300)100重量部に対して、ジオクチルフタレー
ト(DOP)60重量部、Pb系安定剤2重量部、AD
CA(アゾジカルボンアミド)0.2重量部、無水ケイ
酸カルシウム50重量部配合したものである。 実施例2 本実施例は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
4重量部としたもので、他は実施例1と同一である。 実施例3 本実施例は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
6重量部としたもので、他は実施例1と同一である。 実施例4 本実施例は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
8重量部としたもので、他は実施例1と同一である。 実施例5 本実施例は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を1.
0重量部としたもので、他は実施例1と同一である。 比較例 本比較例は、ポリ塩化ビニル(具体的には、平均重合度
1300)100重量部に対して、ジオクチルフタレー
ト(DOP)60重量部、Pb系安定剤2重量部、無水
ケイ酸カルシウム50重量部配合し、発泡剤であるAD
CA(アゾジカルボンアミド)を配合しないものであ
る。
【0013】これら実施例1〜実施例5と比較例の各組
成成分が表1に示されている。 表 1 この表1は、各実施例と比較例の組成成分表である。
【0014】従来例1 従来例1は、ポリ塩化ビニル(具体的には、平均重合度
1300)100重量部に対して、ジオクチルフタレー
ト(DOP)60重量部、Pb系安定剤2重量部、AD
CA(アゾジカルボンアミド)0.2重量部、炭酸カル
シウム50重量部配合したものである。 従来例2 従来例2は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
4重量部としたもので、他は従来例1と同一である。 従来例3 従来例3は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
6重量部としたもので、他は従来例1と同一である。 従来例4 従来例4は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を0.
8重量部としたもので、他は従来例1と同一である。 従来例5 従来例5は、ADCA(アゾジカルボンアミド)を1.
0重量部としたもので、他は従来例1と同一である。
【0015】これら従来例1〜従来例5の各組成成分が
表2に示されている。 表 2 この表2は、各実施例と比較例の組成成分表である。
【0016】これらの各実施例及び比較例に基づく塩化
ビニル系樹脂組成物について、それぞれの発泡率と体積
固有抵抗値を測定した。その結果が表3に示されてい
る。 表 3 また、従来例に基づく塩化ビニル系樹脂組成物につい
て、それぞれの発泡率と体積固有抵抗値を測定した。そ
の結果が表4に示されている。 表 4 この表3、表4の実施例1〜5、比較例、従来例1〜5
のそれぞれは、表1及び表2に示されている各組成成分
に対応したものである。
【0017】この表3、表4中の発泡率の測定に当たっ
ては、まず、図4に図示の押出機8を用いて試料を作成
する。押出機8は、フルフライト型の押出機で、適宜箇
所(図4では、C1 、C2 、C3 の3か所)にヒーター
が設けられており、このヒーターの作用によりバレル9
が加熱されるようになっている。このバレル9内には、
スクリュー10が設けられている。このスクリュー10
は、羽のピッチが先端に行くにしたがって小さく形成さ
れている。したがって、このスクリュー10によって押
し出されてくる溶融樹脂は、圧縮された状態で押し出さ
れることになる。バレル9には、ホッパー11が設けら
れており、ペレット状の樹脂12が投入されバレル9内
に順次送り込まれていく。バレル9の先端には、ヘッド
13が設けられており、スクリュー10によって圧縮搬
送されてきた溶融樹脂を押し出しポリ塩化ビニル系発泡
体15が形成される。バレル9の設定温度は、C1 点、
2 点、C3 点、ヘッドのそれぞれの点で170℃とし
ている。また、押出機8の圧縮比は、ホッパー11下の
スクリュー10の羽間の容積V1 と、スクリュー10の
先端の羽間の容積V2 の容積比(V1 /V2 )で、1:
3である。スクリュー10の回転数は、70rpmであ
る。ホッパー11内に収納されているペレット状の樹脂
12は、バレル9でスクリュー10によって搬送されて
いく間にヒーターによって加熱、スクリュー10によっ
て圧縮され、樹脂12内の発泡剤が発泡し、ポリ塩化ビ
ニル系発泡体15となる。このバレル9のヘッド13か
ら送出されてくるポリ塩化ビニル系発泡体15の発泡率
は、 で求められる。
【0018】また、表3、表4中の体積固有抵抗値の測
定に当たっては、押出機8から押し出されたポリ塩化ビ
ニル系発泡体15を図5、図6に示す如く、150mm×
150mmの正方形状、1mmの厚さのシート状に形成し、
試料16を形成する。この試料16の表面には、アルミ
箔を貼り付けて主電極17を形成し、裏面には、同様に
アルミ箔を貼り付け対電極18を形成する。19はガー
ド電極で、主電極17の周りに主電極17と接触しない
ようにリング状に形成されている。このように3つの電
極17、18、19を貼付した試料16の主電極17と
対電極18間に500Vの電圧を1分間印加した後、主
電極17とガード電極19間で試料16内を流れる電流
を測定し、試料16の体積固有抵抗値を電流計20によ
って測定する。この体積固有抵抗値ρVは、 で求まる。この体積固有抵抗値ρVは、1×1012Ω・
cm以上あることが公式のものではないが電線の規格上要
求されている。表3において、発泡剤ADCA(アゾジ
カルボンアミド)を配合していない比較例は、発泡剤の
配合量が共に0重量部であるため、その発泡率は0%で
ある。この比較例の体積固有抵抗値ρは、7.9×10
13Ω・cmと非常に高い値を示している。
【0019】表3、表4とを比較すると、発泡剤ADC
A(アゾジカルボンアミド)の配合量が共に0.2重量
部の従来例1と実施例1の発泡率は、従来例1が9.8
%に対し実施例1が12.3%と高く、発泡効率が向上
していることが分かる。この発泡剤ADCAの配合量が
共に0.2重量部の従来例1と実施例1の体積固有抵抗
値ρは、従来例1が1.2×1013Ω・cmであるのに対
し実施例1が0.8×1013Ω・cmとほとんど差はない
が、従来例1の方がほんの少し高い。しかし、実施例1
の体積固有抵抗値ρは、規格を十分に超している。ま
た、発泡剤ADCA(アゾジカルボンアミド)の配合量
が共に0.4重量部の従来例2と実施例2の発泡率は、
従来例2が14.7%に対し実施例2が17.9%と高
く、発泡効率がかなり向上していることが分かる。この
発泡剤ADCAの配合量が共に0.4重量部の従来例2
と実施例2の体積固有抵抗値ρは、従来例2が7.1×
1012Ω・cmであるのに対し実施例2が6.4×1012
Ω・cmと従来例2の方が若干高い。しかし、実施例2の
体積固有抵抗値ρは、規格を十分に超している。さら
に、発泡剤ADCA(アゾジカルボンアミド)の配合量
が共に0.6重量部の従来例3と実施例3の発泡率は、
従来例3が18.9%に対し実施例3が25.0%と遥
かに高く、発泡効率が大幅に向上していることが分か
る。この発泡剤ADCAの配合量が共に0.6重量部の
従来例3と実施例3の体積固有抵抗値ρは、従来例3が
2.8×1012Ω・cmであるのに対し実施例3が3.4
×1012Ω・cmと従来例3よりも実施例3の方が若干高
くなっている。これは、発泡剤ADCAによる発泡量が
多く残渣が少なくなっているからである。
【0020】また、発泡剤ADCA(アゾジカルボンア
ミド)の配合量が共に0.8重量部の従来例4と実施例
4の発泡率は、従来例4が21.4%に対し実施例4が
28.3%と遥かに高く、発泡効率が大幅に向上してい
ることが分かる。この発泡剤ADCAの配合量が共に
0.8重量部の従来例4と実施例4の体積固有抵抗値ρ
は、従来例4が2.3×1012Ω・cmであるのに対し実
施例4が3.0×1012Ω・cmと従来例4よりも実施例
4の方が若干高くなっている。この従来例4、実施例4
共に体積固有抵抗値ρの値は、従来例3、実施例3より
も低下しているが、これは、ポリ塩化ビニルに添加する
発泡剤ADCAの配合量が増加しているからである。そ
して、実施例4の体積固有抵抗値ρが、従来例4の体積
固有抵抗値ρよりも大きいのは、発泡剤ADCAによる
発泡量が多く残渣が少なくなっているからである。さら
にまた、発泡剤ADCA(アゾジカルボンアミド)の配
合量が共に1.0重量部の従来例5と実施例5の発泡率
は、従来例5が22.3%に対し実施例5が30.2%
と遥かに高く、発泡効率が大幅に向上していることが分
かる。この発泡剤ADCAの配合量が共に1.0重量部
の従来例5と実施例5の体積固有抵抗値ρは、従来例5
が1.9×1012Ω・cmであるのに対し実施例5が2.
1×1012Ω・cmと従来例5よりも実施例5の方が若干
高くなっている。この従来例5、実施例5共に体積固有
抵抗値ρの値は、従来例4、実施例4よりも低下してい
るが、これは、ポリ塩化ビニルに添加する発泡剤ADC
Aの配合量が増加しているからである。そして、実施例
5の体積固有抵抗値ρが、従来例5の体積固有抵抗値ρ
よりも大きいのは、発泡剤ADCAによる発泡量が多く
残渣が少なくなっているからである。これら発泡剤AD
CAの添加量に対する発泡率の変化が図7に、発泡剤A
DCAの添加量に対する体積固有抵抗値ρの変化が図8
にそれぞれ示されている。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、従来のポ
リ塩化ビニル系発泡体に配合されている発泡剤の配合量
よりも少ない配合量によって従来のポリ塩化ビニル系発
泡体の発泡率を得ることができ、発泡剤分解生成残渣を
減らして電気特性の低下を防止することができる。請求
項2記載の発明によれば、従来のポリ塩化ビニル系発泡
体に配合されている発泡剤の配合量よりも少ない配合量
によって従来のポリ塩化ビニル系発泡体の発泡率を得る
ことができ、発泡剤分解生成残渣を減らして電気特性の
低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用される絶縁電線・ケーブルの全体
斜視図である。
【図2】本発明に係る充填剤の一部断面斜視図である。
【図3】図2に図示の充填剤の断面図である。
【図4】押出し機の全体構成図である、
【図5】体積固有抵抗を測定する方法を説明するための
図である。
【図6】図5に図示の体積固有抵抗値を測定するときの
電極との関係を示す図である。
【図7】発泡剤ADCAの添加量に対する発泡率の変化
特性図である。
【図8】発泡剤ADCAの添加量に対する体積固有抵抗
値ρの変化特性図である。
【符号の説明】
1……………………………ビニル絶縁ビニルシースケー
ブル 2……………………………導体 3……………………………絶縁体 4……………………………シース 5……………………………充填剤 6……………………………粒体 7……………………………被膜 8……………………………押出機 9……………………………バレル 10…………………………スクリュー 11…………………………ホッパー 12…………………………樹脂 13…………………………ヘッド 15…………………………ポリ塩化ビニル系発泡体 16…………………………試料 17…………………………主電極 18…………………………対電極 19…………………………ガード電極 20…………………………電流計
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01B 7/02 G

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニルに可塑剤、安定剤、発泡
    剤を添加して構成した塩化ビニル樹脂組成物に,無水ケ
    イ酸カルシウム、無水ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸
    アルミニウムのいずれか1又は2以上であって、いずれ
    もステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸のいずれか
    で表面処理してなる充填剤を配合してなるPVC系発泡
    絶縁樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニル100重量部に、フタル
    酸エステル系可塑剤30〜100を重量部、Sn系安定
    剤又はPb系安定剤あるいはCa−Zn系安定剤を1〜
    5重量部、ADCA0.1〜5重量部、ステアリン酸、
    パルミチン酸、オレイン酸のいずれかで表面処理した無
    水ケイ酸カルシウム、又はステアリン酸、パルミチン
    酸、オレイン酸のいずれかで表面処理した無水ケイ酸マ
    グネシウム、あるいはステアリン酸、パルミチン酸、オ
    レイン酸のいずれかで表面処理した無水ケイ酸アルミニ
    ウムのいずれか1又は2以上の充填剤を30〜70重量
    部を配合してなるPVC系発泡絶縁樹脂組成物。
JP6125940A 1994-06-08 1994-06-08 Pvc系発泡絶縁樹脂組成物 Expired - Fee Related JP2991401B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6125940A JP2991401B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 Pvc系発泡絶縁樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6125940A JP2991401B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 Pvc系発泡絶縁樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07330937A true JPH07330937A (ja) 1995-12-19
JP2991401B2 JP2991401B2 (ja) 1999-12-20

Family

ID=14922740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6125940A Expired - Fee Related JP2991401B2 (ja) 1994-06-08 1994-06-08 Pvc系発泡絶縁樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2991401B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020014784A (ko) * 2001-12-19 2002-02-25 고재권 전선 보호관의 제조방법과 이에 의해 제조된 전선 보호관
KR100394152B1 (ko) * 2000-11-08 2003-08-09 고재권 전선 보호관의 제조방법과 이에 의해 제조된 전선 보호관
KR100408624B1 (ko) * 2000-10-06 2003-12-06 엘지전선 주식회사 전선용 pvc 절연재료
KR100466673B1 (ko) * 2002-12-03 2005-01-24 고재권 메탈릭 칼라를 갖는 전선 보호용 커버의 제조 방법과 이에의해 제조된 메탈릭 칼라를 갖는 전선보호용 커버
US7132604B2 (en) * 2001-10-22 2006-11-07 Nexans Cable with an external extruded sheath and method of manufacturing of the cable
CN104672691A (zh) * 2013-11-29 2015-06-03 上海凯波特种电缆料厂有限公司 一种发泡聚氯乙烯电缆

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100408624B1 (ko) * 2000-10-06 2003-12-06 엘지전선 주식회사 전선용 pvc 절연재료
KR100394152B1 (ko) * 2000-11-08 2003-08-09 고재권 전선 보호관의 제조방법과 이에 의해 제조된 전선 보호관
US7132604B2 (en) * 2001-10-22 2006-11-07 Nexans Cable with an external extruded sheath and method of manufacturing of the cable
KR20020014784A (ko) * 2001-12-19 2002-02-25 고재권 전선 보호관의 제조방법과 이에 의해 제조된 전선 보호관
KR100466673B1 (ko) * 2002-12-03 2005-01-24 고재권 메탈릭 칼라를 갖는 전선 보호용 커버의 제조 방법과 이에의해 제조된 메탈릭 칼라를 갖는 전선보호용 커버
CN104672691A (zh) * 2013-11-29 2015-06-03 上海凯波特种电缆料厂有限公司 一种发泡聚氯乙烯电缆

Also Published As

Publication number Publication date
JP2991401B2 (ja) 1999-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3457560B2 (ja) ノンハロゲン難燃シラン架橋ポリオレフィン組成物の製造方法
JP2991401B2 (ja) Pvc系発泡絶縁樹脂組成物
CN103545045A (zh) 一种具有可剥离半导电外屏蔽材料的高压电缆结构
JP2003064232A (ja) Pvc系樹脂組成物
JP6948557B2 (ja) ポリ塩化ビニル樹脂組成物、ポリ塩化ビニル樹脂組成物シート、絶縁電線及びケーブル
JPH11203941A (ja) 発泡ビニルシース電線・ケーブルの製造方法
CN103531284A (zh) 一种具有防焦烧电缆用半导电内屏蔽材料的高压电缆结构
JPH10147680A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物用発泡剤マスターバッチ
KR970004550B1 (ko) 직류용 고압전선
JP3178966B2 (ja) 自動車電線用樹脂組成物及び自動車用薄肉低圧電線
JP6638630B2 (ja) 電線被覆材用組成物および絶縁電線
JP3443981B2 (ja) 難燃性樹脂組成物及び被覆電線
JPS63205340A (ja) 半導電性混和物
JP2015025032A (ja) 電線被覆材用樹脂組成物及び絶縁電線
JP3265760B2 (ja) 難燃絶縁電線の製造方法
JPH0318282B2 (ja)
JPS6132344B2 (ja)
JP2800194B2 (ja) 細径絶縁電線
JPH06290650A (ja) 薄肉絶縁電線
JP2002042573A (ja) ポリオレフィン系絶縁被覆電線
JP3070817B2 (ja) 高剥離性ビニル絶縁ビニルシースケーブル及び高剥離性ビニル絶縁ビニルシースケーブルの製造方法
JP6948558B2 (ja) ポリ塩化ビニル樹脂組成物、ポリ塩化ビニル樹脂組成物シート、絶縁電線及びケーブル
JPH05303909A (ja) 絶縁電線
JPH11213769A (ja) 絶縁電線及びその製造方法
JP3549967B2 (ja) ウレタン材料と接触あるいは近接した個所に配線する電線の被覆材料としての塩化ビニル系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071015

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081015

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081015

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091015

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091015

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101015

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111015

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees