JPH0733087Y2 - 風呂装置における凍結防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ポンプによる循環で浴槽中の水まはた湯を遠
隔追い焚きできるようにした風呂装置の凍結防止装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

給湯器つき風呂釜から浴槽中に給湯し、浴槽中の湯温が
低下するとポンプによる循環で浴槽中の水または湯を遠
隔追い焚きできるようにした風呂釜が広く実用化されて
いる。そして、この種の器具において、器具内の所要個
所にヒータを配設し、気温の低下をサーモスイッチが検
出すると、そのヒータに通電して器具内の凍結を防止す
ることが行われている。

前記従来の凍結防止装置は、器具内の凍結を防止するこ
とはできるが、器具から浴槽に至る間の配管中の凍結を
防止することはできない。このため、特に屋外に器具を
設置した配管が長い風呂装置においては、配管中の水が
凍結するおそれがある。

また、他の従来技術として、特開昭62−217045号公報に
は、凍結防止のためにポンプを駆動する場合、水位セン
サーにより浴槽中の水位を検出し、ポンプを駆動するの
に必要な水位に満たしていない場合には弁を開いて浴槽
へ水を供給し、必要水位に達した時点で弁を閉じてポン
プを駆動するようにした技術が開示されている。

この従来技術によれば、配管中の凍結も防止することは
できるが、この従来技術は浴槽中の水位を直接検出し得
る器具にのみ適用し得るもので、本考案の対象とする器
具のように、器具から配管を経て浴槽の循環口より上ま
で水が満たされているときに始めて浴槽水位を検出する
ことができる器具には適用することができない。すなわ
ち、何等かの原因により配管中の水が流出して空気が入
っている場合には浴槽中の水位を検出することができな
い。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善し、器具
から配管を経て浴槽の循環口より上まで水が満されてい
るときに始めて浴槽水位を検出することができる器具に
適用して、器具から浴槽に至る間の配管中の凍結を防止
することができる風呂装置用の凍結防止装置を提供せん
とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の目的を達成するため、給湯用熱交換器
と風呂用熱交換器と給水弁とを内蔵した器具と浴槽とを
往管と戻り管を介して接続し、該往管と戻り管とに接続
されて浴槽内の水または湯が風呂用熱交換器の間を循環
する循環追焚路を設けると共に、該循環追焚路に循環ポ
ンプを配置させ、かつ該器具にマイコン制御部を搭載
し、該マイコン制御部により前記往管と戻り管とを経由
する浴槽への給湯と前記循環ポンプによる浴槽中の水ま
たは湯の循環追焚きとを制御すべくなした風呂装置にお
いて、 前記器具内に、外気温を検出するサーモスイッチと、器
具と浴槽とを接続する前記往管および戻り管に水が満た
されたとき浴槽水位を検出し得る風呂水位センサと、浴
槽中の水温を検出する風呂サーミスタとを配置するとと
もに、前記マイコン制御部が、前記サーモスイッチが気
温低下を検出したとき、前記給水弁を開いて往復往管及
び戻り管から浴槽中に一定量の水を供給すべく前記給水
弁を制御し、その後、前記風呂水位センサによる浴槽水
位の検出を行ない、前記一定量給水にも拘らず浴槽水位
が検出できないときは再び浴槽に一定量給水すべく前記
給水弁を制御し、浴槽水位を前記風呂水位センサが検出
できるまでこれを繰り返し、前記風呂水位センサが浴槽
水位を検出すると、前記給水弁を閉じて前記循環追焚路
を形成するとともに、前記風呂サーミスタが浴槽中の水
温が所定温度以下であることを検出している間は、該循
環追焚路を介して前記器具と浴槽との間を浴槽中の水が
循環するように前記循環ポンプを駆動させるべく該循環
ポンプを制御するように構成されていることを特徴とす
る。

〔作用〕

本考案を適用する器具は、浴槽中の水位が循環口以下の
場合には浴槽中の水位を検出することはできないが、水
位を検出することができないという状態であることは検
出できる。本考案はこの検出を利用し、サーモスイッチ
により気温の低下を検出すると、先ず循環路の往管およ
び戻り管を介して一定量の水を浴槽中に供給し、その状
態で浴槽中の水位を検出し、水位を検出することができ
ないときは前記一定量の水の供給と風呂水位センサーに
よる水位の検出とをくり返し、風呂の水位が浴槽の循環
口より上にあることを検出すると、浴槽中の水温を検出
し、それが設定温度以下のときポンプを駆動して浴槽中
の水と器具と浴槽との間で循環させて器具内および配管
中の凍結を防止する。

そして、本考案においては、一度に多量の水を浴槽中に
供給するのではなく、一定量の水の供給と水位の検出と
を繰り返すので、浴槽中の水位を器具内に設置した風呂
水位センサーにより遠隔的に検出し得るようにした風呂
装置において、浴槽中に循環口以下の残水がある場合に
は必要最小限の水の供給で凍結防止作用を行なわせるこ
とができる。

また、浴槽の排水栓が抜けている場合でも、浴槽中への
一定量の供給と水位検出とを繰り返すので、前記と同様
の凍結防止効果を奏することができる。

〔実施例〕

以下、添付図面について本考案の実施例の一例を説明す
る。

第１図は本考案の実施例を示すフローチャート、第２図
ないし第４図は器具の構成を示す各状態の説明図であ
る。

本考案の説明に先立ち、第２図ないし第４図により器具
の構成を説明する。第２図ないし第４図において、１は
給湯用熱交換器、２は風呂用熱交換器で、コントローラ
３により浴槽への湯張り指示を与えると、マイコン制御
部４により給水弁としての水電磁弁５（以下同じ）を開
き、これにより流水を検知すると、給湯バーナ６を燃焼
させてシスターン７中に設定温度の湯を落し込み、切替
電磁弁8,9を開いて浴槽との循環往管11と戻り管12とを
介して浴槽への湯張りを行なうように構成されている。

本考案を適用する風呂装置は、水位センサー13が浴槽か
ら離れた位置に設置されている器具内に配設されている
ので、浴槽への循環往管11と戻り管12とが空の場合には
浴槽の水位を検出することはできないが、前記の如き湯
張りを行なうことにより浴槽水位が循環口以上になると
循環管路に水が満されて浴槽中の水位の検出が可能とな
り、その水位センサー13により浴槽中の水位が設定レベ
ルに達したことを検知すると、前記湯張りを停止させる
と共に切替電磁弁10を開き、風呂サーミスタ14により湯
温を検出しつゝ循環ポンプ15を駆動して戻り管12から吸
込んだ湯を風呂用熱交換器２および往管11を経由して循
環させ、その流水を風呂流水スイッチ16が検知すると風
呂バーナ17を燃焼させて追い焚きを行ない、風呂サーミ
スタ14により浴槽中の湯が設定湯温に達したことを検知
すると前記追い焚きを停止させるように構成されてい
る。また、コントローラ３により追い焚きの指示を与え
ると、前記循環追い焚きを行なうように構成されてい
る。なお、前記給湯・追い焚き機能つき風呂釜は周知で
あるので、詳細な説明は省略する。

本考案においては、器具中に凍結防止サーモスイッチ18
を配設し、気温の低下をサーモスイッチ18が検知してオ
ンすると、第１図および第２図に示すように、マイコン
制御部４により水電磁弁５を所定時間（例えば２分間）
だけ開き、切替電磁弁８と９とを開いてポンプ15を駆動
し、浴槽への循環路の往管11と戻り管12とを用いて一定
量の水を浴槽中へ供給する。次に、上記給水を終了する
と、第１図および第３図に示すように、切替電磁弁８を
開、切替電磁弁９と10とを閉とし、この状態で風呂水位
センサー13により浴槽中の水位を検出する。このとき、
浴槽中の水位が循環口より下の場合には水位を検出する
ことができない。そこで、そのときは、第１図および第
２図に示すように、切替電磁弁８と９を開くと共に切替
電磁弁10を閉じて所定時間（例えば２分間）往管11と戻
り管12を用いて浴槽中に給水し、しかる後再び前記水位
の検出を行なう。かくして浴槽中の水位が循環口より上
に達するまで前記給水および水位の検出を繰り返し、風
呂水位センサー13により水位を検知すると、切替電磁弁
８と９を閉じると共に切替電磁弁10を開いて第４図に示
す状態とし、この状態で風呂サーミスタ14により水温を
検出し、その水温が設定温度（例えば15℃）以下の場合
はポンプ15の駆動を継続して浴槽中と器具内との水を循
環させ、水温が設定温度以上になるとポンプ15を停止さ
せる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、浴槽中の水位を器
具内に設置した風呂水位センサーにより遠隔的に検出し
得るようにした風呂装置において、浴槽中の残水の有無
にかかわらず浴槽中の水位が浴槽の循環口に達するのに
必要最低限の給水を行ない、しかる後浴槽中の水を器具
内と循環させて器具から浴槽に至る配管内の凍結を防止
することができ、かつ、浴槽の排水栓が抜けている場合
でも、浴槽中への一定量の給水と水位検出とを繰り返し
て、前記と同様の凍結防止作用を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による凍結防止装置のフローチャート、
第２図は浴槽への給水時の状態を示す説明図、第３図は
水位検出時の状態を示す説明図、第４図は凍結防止のた
めの循環時の状態を示す断面図である。 １…給湯用熱交換器、２…風呂用熱交換器、３…コント
ローラ、４…マイコン制御部、５…水電磁弁、６…給湯
バーナ、７…シスターン、8,9,10…切替電磁弁、11…循
環往管、12…循環戻り管、13…水位センサー、14…風呂
サーミスタ、15…ポンプ、16…風呂流水スイッチ、17…
風呂バーナ、18…凍結防止サーモスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯用熱交換器と風呂用熱交換器と給水弁
   とを内蔵した器具と浴槽とを往管と戻り管を介して接続
   し、該往管と戻り管とに接続されて浴槽内の水または湯
   が風呂用熱交換器の間を循環する循環追焚路を設けると
   共に、該循環追焚路に循環ポンプを配置させ、かつ該器
   具にマイコン制御部を搭載し、該マイコン制御部により
   前記往管と戻り管とを経由する浴槽への給湯と前記循環
   ポンプによる浴槽中の水または湯の循環追焚きとを制御
   すべくなした風呂装置において、 前記器具内に、外気温を検出するサーモスイッチと、器
   具と浴槽とを接続する前記往管および戻り管に水が満た
   されたとき浴槽水位を検出し得る風呂水位センサと、浴
   槽中の水温を検出する風呂サーミスタとを配置するとと
   もに、前記マイコン制御部が、前記サーモスイッチが気
   温低下を検出したとき、前記給水弁を開いて前記往管及
   び戻り管から浴槽中に一定量の水を供給すべく前記給水
   弁を制御し、その後、前記風呂水位センサによる浴槽水
   位の検出を行ない、前記一定量給水にも拘らず浴槽水位
   が検出できないときは再び浴槽に一定量給水すべく前記
   給水弁を制御し、浴槽水位を前記風呂水位センサが検出
   できるまでこれを繰り返し、前記風呂水位センサが浴槽
   水位を検出すると、前記給水弁を閉じて前記循環追焚路
   を形成するとともに、前記風呂サーミスタが浴槽中の水
   温が所定温度以下であることを検出している間は、該循
   環追焚路を介して前記器具と浴槽との間を浴槽中の水が
   循環するように前記循環ポンプを駆動させるべく該循環
   ポンプを制御するように構成されていることを特徴とす
   る風呂装置における凍結防止装置。