JP4141294B2 - 給湯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱媒と給水とを熱交換器で熱交換して得られた温水と給水とをミキシングバルブで混合して給湯配管を介して給湯するための給湯回路を備えた給湯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の給湯機は、通常の台所への給湯の他、風呂給湯や、追焚運転や、暖房運転を行うことができることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−200802号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のものでは、暖房運転中に風呂給湯すると、注湯時間を短縮すべく設定温度の湯を風呂往き配管及び風呂戻り配管とにより浴槽へ注湯するために、追焚コイルによって注湯水が設定温度以上に加熱されて浴槽に供給されることとなる。また、この暖房運転中に風呂給湯する場合において、浴槽への注湯完了までは浴槽へ所定量の注湯を行ってから風呂ポンプを運転させ、流水スイッチがオンするか否かによって浴槽内の水の有無を検出する循環チェックを行うが、この循環チェックの際にシスターンタンクにより風呂用温水が加熱されてしまい、その結果、設定温度より高い温度で湧き上がることとなり熱くて風呂に入れないという事態が発生する。
【0005】
そこで本発明は、この暖房運転中に風呂給湯する際に、浴槽への給湯水が必要以上に加熱されることを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、熱媒と給水とを第1熱交換器で熱交換して得られた温水と給水とをミキシングバルブで混合して給湯配管を介して給湯するための給湯回路と、前記ミキシングバルブを介する温水と給水との混合水を注湯電磁弁及び停止した風呂ポンプを経て風呂戻り配管を介して並びに前記注湯電磁弁及びシスターンタンク内に配設された追焚コイルを経て風呂往き配管を介して浴槽に注湯する注湯回路と、暖房装置に接続される温水戻り管から前記シスターンタンク及び暖房ポンプを介する温水と熱媒とを第2熱交換器で熱交換して得られた温水を前記暖房装置に供給循環させる循環回路とを備えた給湯機であって、前記注湯回路における前記風呂戻り配管の途中に設けた開閉弁と、前記暖房ポンプを運転することにより前記循環回路に温水を循環して暖房運転しているときに浴槽へ注湯すべく注湯電磁弁が開いたときには前記開閉弁を閉じるように制御する制御装置を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。風呂用給湯機を示す図1において、1は給水フィルタ2及び給湯水量センサ3が配設された給水配管で、この給水配管1は水ガバナ4を介して給湯熱交換器(第1熱交換器)5の二次側に接続されると共にミキシングバルブ6を介して給湯熱交換器(第1熱交換器)5に接続される。
【0010】
7は熱媒フィルタ8及び給湯熱媒開閉弁9を介して前記給湯熱交換器5の一次側に接続される熱媒往き配管で、給湯熱媒開閉弁9が開くことにより熱媒往き配管7を介して前記給湯熱交換器5に供給された熱源機(図示せず)からの熱媒と給水配管1及び水ガバナ4を介して給湯熱交換器5に供給された水道水とを熱交換して得られた温水と給水配管1からの低温度の水道水とを前記ミキシングバルブ6で混合し、約60℃の給湯系の温水が得られ、給湯配管10を介して給湯が可能となる。
【0011】
即ち、熱媒往き配管7を介する熱媒と給水配管1を介する給水とを給湯熱交換器5で熱交換して得られた温水と給水とをミキシングバルブ6で混合して給湯配管10を介して給湯するための給湯回路が形成される。
【0012】
また、前記ミキシングバルブ6及び給湯逆止弁11を介する約60℃の温水と給水配管1及び水量比例弁12を介する水道水とは混合され、この混合水は注湯電磁弁13、注湯逆止弁14A、注湯逆止弁14B、注湯水量センサ15を経て停止している風呂ポンプ(マグネットポンプ)16を介して風呂戻り配管17により浴槽(図示せず)に供給可能であると共に同じく前記電磁弁13及び流水スイッチ18を経て温水暖房用のシスターンタンク19内に配設された追焚コイル20及び開いた開閉弁21を経て風呂往き配管22により浴槽(図示せず)に供給可能である。即ち、浴槽への注湯は風呂戻り配管17及び風呂往き配管22を介してなされ、浴槽への注湯時間が短縮される。
【0013】
前記熱媒往き配管7は暖房熱媒開閉弁24を介して暖房熱交換器(第2熱交換器)25にも接続され、前記熱源機に接続される熱媒戻り管26は前記給湯熱交換器5及び暖房熱交換器25に接続されている。この暖房熱交換器25と前記シスターンタンク19との間にはバイパス電動弁27と暖房ポンプ28とが配設される。そして、暖房ポンプ28の運転によりシスターンタンク19からの水と暖房熱媒開閉弁24が開くことにより熱源機(図示せず)からの熱媒とが暖房熱交換器25で熱交換され、この熱交換された温水がバイパス電動弁27の運転によりシスターンタンク19へ戻ると共に熱媒が熱媒戻り管26を介して熱源機に戻ることによりシスターンタンク19内の水が加熱される。従って、このシスターンタンク19内の水が加熱されることにより追焚コイル20が加熱され、前記風呂ポンプ16が運転することにより追焚運転が可能となる。
【0014】
30は温水戻り管で、前記バイパス電動弁27及び前記シスターンタンク19に接続され、暖房の使用時にはバイパス電動弁27が停止して暖房ポンプ28が運転することにより、温水戻り管30からシスターンタンク19及び暖房ポンプ28を経て低温水が低温温水往き管31を介して低温の暖房機器である床暖房パネル(図示せず)に、また温水戻り管30からシスターンタンク19、暖房ポンプ28及び暖房熱交換器25を経て高温水が高温温水往き管32を介して高温の暖房機器である浴室暖房機や温水エアコン(共に図示せず)に供給循環する。
【0015】
なお、29は温水戻り管30と高温温水往き管32とに接続されたバイパス管である。
【0016】
33は低温の暖房機器である床暖房パネルへの暖房循環水の往き温度を検出する温度センサとしての低温サーミスタで、34は高温の暖房機器である浴室暖房機や温水エアコンへの暖房循環水の往き温度を検出する温度センサとしての高温サーミスタで、35は注湯温度を検出するための注湯サーミスタで、36は浴槽への温水の循環温度を検出する風呂サーミスタで、37は浴槽の水位を検出するための圧力センサで構成された浴槽水位センサである。
【0017】
前記風呂用給湯機内には、メイン基板38が設けられ、メイン基板38にはマイクロコンピュータMが搭載され、このマイクロコンピュータMには、図2に示すように、CPU、RAM、ROMが内蔵され、上述した給湯水量センサ3、注湯水量センサ15、流水スイッチ18、低温サーミスタ33、高温サーミスタ34、注湯サーミスタ35、風呂サーミスタ36、浴槽水位センサ37などからの信号が入力されると共に、給湯熱媒開閉弁9、電磁弁13、風呂ポンプ16、開閉弁21、暖房熱媒開閉弁24、バイパス電動弁27、暖房ポンプ28などに制御信号が出力される。また、浴室に設置される浴室暖房機を制御する浴室暖房リモートコントローラ(以下、「浴室暖房リモコン」という)40、床暖房を行う部屋に設置される床暖房パネルを制御する床暖房リモートコントローラ(以下、「床暖房リモコン」という)41、台所に設置され給湯を制御する台所リモートコントローラ(以下、「台所リモコン」という)42及び風呂場に設置され浴槽への給湯などを制御する風呂リモートコントローラ(以下、「風呂リモコン」という)43も前記マイクロコンピュータMに接続される。
【0018】
以上の構成により、以下動作について説明するが、初めに「給湯」のための動作について説明する。台所リモコン42の運転スイッチを操作すると、暖房熱媒開閉弁24を閉じて給湯熱媒開閉弁9が開くことにより熱源機(図示せず)からの熱媒が熱媒往き配管7を介して給湯熱交換器5に供給されて熱媒戻り管26を介して熱源機に戻る循環路が形成されると共に、熱媒往き配管7を介して給湯熱交換器5に供給される熱源機(図示せず)からの熱媒と給湯水量センサ3及び水ガバナ4を経た給水配管1を介して給湯熱交換器5に供給された水道水とが熱交換して温水が得られ、この温水と給水配管1からの低温度の水道水とがミキシングバルブ6で混合され、約60℃の給湯系の温水が得られ、給湯配管10を介して給湯が可能となる。
【0019】
次に、「浴槽注湯」のための動作について説明する。風呂リモコン43の運転スイッチを操作すると、前記給湯熱交換器5からミキシングバルブ6及び給湯逆止弁11を介する約60℃の温水と給水配管1及び水量比例弁12を介する水道水とが混合されて、この混合水は電磁弁13、給湯逆止弁14A、14B、注湯水量センサ15を経て停止している風呂ポンプ16を介して風呂戻り配管17により浴槽(図示せず)に供給されると共に注湯水量センサ15を経てから分岐して流水スイッチ18、追焚コイル21、開いている開閉弁21を経て風呂往き配管22により浴槽(図示せず)に供給可能となる。
【0020】
このため、暖房運転を伴わない浴槽注湯のみであれば、浴槽へは風呂戻り配管17及び風呂往き配管22の2本から温水が注湯され、浴槽への注湯時間が短縮される。
【0021】
この場合、浴槽への注湯完了までは、浴槽へ所定量の注湯を行ってから風呂ポンプ16を運転させ、流水スイッチ18がオンするか否かによって浴槽内の水の有無を検出する循環チェックを行うようマイクロコンピュータMが制御する。
【0022】
即ち、前述の如く、浴槽への温水の注湯を行って注湯水量センサ15が所定量を、例えば100リットルを検出した時点で、注湯電磁弁13を閉じて開閉弁21を開くと共に風呂ポンプ16を運転させ、流水スイッチ18が例えば30秒間「水有り」を検出し続けるとこの風呂ポンプ16を停止させる。そして、例えば1分経過後に浴槽水位センサ37が所定の圧力を検出することにより浴槽の水位を検出し、設定された浴槽の水位までの量(残量)をマイクロコンピュータMが計算し、前記注湯電磁弁13を再び開き、注湯水量センサ15が前記残量を検出したら前記注湯電磁弁13を閉じ、結果として浴槽への設定量の注湯が完了することとなる。
【0023】
次に、「追焚運転」の動作について説明する。風呂リモコン43の追焚スイッチを操作すると、暖房ポンプ28の運転によりシスターンタンク19からの温水と暖房熱媒開閉弁24が開くことによる熱源機(図示せず)から熱媒往き配管7を介する熱媒とが暖房熱交換器25で熱交換され、バイパス電動弁27の運転により水がシスターンタンク19→暖房ポンプ28→暖房熱交換器25→バイパス電動弁27→シスターンタンク19の循環路内を循環すると共に、熱媒は熱媒戻り管26を介して熱源機に戻ることによりシスターンタンク19内の水が加熱される。
【0024】
従って、このシスターンタンク19内の水が加熱されることにより追焚コイル20が加熱され、前記風呂ポンプ16が運転することにより、追焚コイル20→風呂往き配管22→浴槽→風呂戻り配管17→風呂ポンプ16→追焚コイル20という循環路が形成され、追焚運転される。そして、風呂サーミスタ36が例えば42℃を検出すると、マイクロコンピュータMは風呂ポンプ16を停止するように制御する。
【0025】
次に、「暖房運転」について説明する。浴室暖房リモコン40及び床暖房リモコン41の運転スイッチが操作されると、バイパス電動弁27が閉じて暖房ポンプ28が運転することにより、温水戻り管30からシスターンタンク19及び暖房ポンプ28を経て低温水が低温温水往き管31を介して低温の暖房機器である床暖房パネル(図示せず)に、また温水戻り管30からシスターンタンク19、暖房ポンプ28及び暖房熱交換器25を経て高温水が高温温水往き管32を介して高温の暖房機器である浴室暖房機や温水エアコン(共に図示せず)に供給循環する。なお、この場合、高温の暖房機器に供給されずに、バイパス管29を介して高温温水往き管32からの一部は、温水戻り管30を介してシスターンタンク19に戻る。
【0026】
そして、高温サーミスタ34が浴室暖房機や温水エアコンへの暖房循環水の往き温度を検出し、例えば83℃を検出すると、暖房熱媒開閉弁24を閉じて熱源機から熱媒往き配管7を介する熱媒の暖房熱交換器25への供給を停止する。また、高温サーミスタ34が例えば70℃を検出すると、暖房熱媒開閉弁24を開き、熱媒往き配管7を介する熱媒の暖房熱交換器25への供給を開始する。
【0027】
なお、低温の暖房機器である床暖房パネルによる暖房の単独運転の場合には、低温サーミスタ33が床暖房パネルへの暖房循環水の往き温度を検出し、例えば63℃を検出すると暖房熱媒開閉弁24を閉じ、例えば60℃を検出すると、暖房熱媒開閉弁24を開き、熱媒往き配管7を介する熱媒の暖房熱交換器25への供給を開始する。
【0028】
ここで、この暖房運転中に風呂注湯すると、前述したように、設定温度の湯を風呂往き配管22及び風呂戻り配管17とにより浴槽へ注湯するために、暖房運転のためシスターンタンク19を介して加熱された追焚コイル20によって注湯水が設定温度以上に加熱されて浴槽に供給されることとなる。このため、浴槽へ注湯すべく注湯電磁弁13が開いたときには、開閉弁21を閉じるように、マイクロコンピュータMが制御する。これにより、暖房運転中に風呂注湯する際にはシスターンタンク19により加熱された追焚コイル20を経た風呂往き配管22より注湯されることがなく、風呂戻り配管17を介する注湯のみとなり、注湯時の温水が必要以上に加熱されることが防止できる。
【0029】
また、この暖房運転中に風呂給湯する場合において、前述したように、浴槽への注湯完了までは、浴槽へ所定量の注湯を行ってから風呂ポンプ16を運転させ、流水スイッチ18がオンするか否かによって浴槽内の水の有無を検出する循環チェックを行うが、この循環チェックの際にシスターンタンク19により風呂用温水が加熱されてしまい、その結果、設定温度より高い温度で湧き上がることとなり熱くて風呂に入れないという事態が発生する。このため、この循環チェックの際に注湯電磁弁13を閉じて開閉弁21を開くと共に風呂ポンプ16を運転開始したときに暖房ポンプ28を所定時間、例えば2分間程度停止させて暖房運転をこの2分間程度停止するように、マイクロコンピュータMが制御する。これにより、前述した2分間程度はシスターンタンク19内の温水温度が上昇することがなく、シスターンタンク19からの熱をもらわないため、注湯時の温水が必要以上に加熱されることが防止できる。
【0030】
なお、暖房運転中に風呂給湯する場合や追焚運転する場合に、暖房ポンプ28を以上のようにマイクロコンピュータMが制御するかしないかを、年間カレンダータイマーTを設けることにより季節(時節)に応じて、即ち夏場は上述したような制御を行うようにし、冬場は制御しないようにすることもできる。
【0031】
なお、以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、注湯回路における風呂戻り配管の途中に設けた開閉弁と、暖房ポンプを運転することにより循環回路に温水を循環して暖房運転しているときに浴槽へ注湯すべく注湯電磁弁が開いたときには前記開閉弁を閉じるように制御する制御装置を設けたから、暖房運転中に風呂給湯する際に、浴槽への給湯水が必要以上に加熱されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯機の全体図である。
【図2】制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
5 給湯熱交換器
6 ミキシングバルブ
10 給湯配管
13 注湯電磁弁
16 風呂ポンプ
17 風呂戻り配管
19 シスターンタンク
20 追焚コイル
21 開閉弁
22 風呂往き配管
25 暖房熱交換器
28 暖房ポンプ
30 温水戻り管
M マイクロコンピュータ(制御装置)
T 年間カレンダータイマー
Claims (1)
- 熱媒と給水とを第1熱交換器で熱交換して得られた温水と給水とをミキシングバルブで混合して給湯配管を介して給湯するための給湯回路と、前記ミキシングバルブを介する温水と給水との混合水を注湯電磁弁及び停止した風呂ポンプを経て風呂戻り配管を介して並びに前記注湯電磁弁及びシスターンタンク内に配設された追焚コイルを経て風呂往き配管を介して浴槽に注湯する注湯回路と、暖房装置に接続される温水戻り管から前記シスターンタンク及び暖房ポンプを介する温水と熱媒とを第2熱交換器で熱交換して得られた温水を前記暖房装置に供給循環させる循環回路とを備えた給湯機であって、前記注湯回路における前記風呂戻り配管の途中に設けた開閉弁と、前記暖房ポンプを運転することにより前記循環回路に温水を循環して暖房運転しているときに浴槽へ注湯すべく注湯電磁弁が開いたときには前記開閉弁を閉じるように制御する制御装置を設けたことを特徴とする給湯機。
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