JPH07329759A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH07329759A
JPH07329759A JP12758294A JP12758294A JPH07329759A JP H07329759 A JPH07329759 A JP H07329759A JP 12758294 A JP12758294 A JP 12758294A JP 12758294 A JP12758294 A JP 12758294A JP H07329759 A JPH07329759 A JP H07329759A
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wheel
pseudo vehicle
speed
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Yoshiyuki Itsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁界ノイズ等外乱の影響に応じた制御を行う
ことにより、装置の性能を一層向上させることができる
アンチスキッド制御装置を提供すること。 【構成】 ステップS1で車両がアンチスキッド制御中
であるか否かを判定し、アンチスキッド制御中でなけれ
ばステップS3で車輪速センサ7FL〜7Rから出力さ
れたパルスに磁界ノイズが発生しているか否かを検出
し、これら車輪速センサ7FL〜7Rのうち、パルスに
磁界ノイズが発生していればステップS4でアンチスキ
ッド制御の開始を禁止する。一方、ステップS1で車両
がアンチスキッド制御中であるか又はステップS3で車
輪速センサ7FL〜7Rから出力されたパルスに磁界ノ
イズが発生していなければ、ステップS2で疑似車体速
演算処理にしたがって疑似車体速Vi を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動時の車輪ロ
ックを防止するアンチスキッド制御装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なアンチスキッド制御装置
は、車両に搭載した車輪速センサ(例えば通常のフロン
トエンジン・リアドライブ車の場合は、左右前輪と後輪
側のプロペラシャフトとに配設される車輪速センサ)の
出力に基づいて車輪速を検出する手段と、この車輪速の
検出値に基づいて疑似車体速を検出する手段と、これら
車輪速及び疑似車体速の検出値から車輪のスリップ率及
び車両加減速を演算する手段と、これらの演算値と予め
設定した基準値とを個別に比較する手段と、を備えてな
り、この比較結果に基づいて各車輪速のスリップ率が適
正な範囲に収まるように制動圧シリンダの流体圧を増
大,保持,減少させ、これにより、車両の制動時におけ
る挙動を安定させるようにしている。すなわち、各車輪
のスリップ率が適正な範囲に収まるような制御を実行す
ることにより、各車輪のロックを防止し、車両の安定し
た制動を可能にするものである(例えば特公昭50─3
4185号公報,特公昭54─1872号公報等参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のアンチスキッド制御装置にあっては、例えば前記車
輪速センサを、外周面に歯を形成したロータと、このロ
ータに対応する永久磁石及び検出コイルを設けた磁気セ
ンサ部とで構成した場合、以下に述べる不都合が生じ
る。すなわち、例えば車両が交流の高圧電線が敷設され
ている場所や、凍結防止の電線ヒータが敷設されている
場所等に停車しているとき、これらの場所においては5
0HZ 又は60HZ の磁界が発生しているから、この磁
界の影響を受けて前記車輪速センサには磁界ノイズが発
生することがある。このように、車輪速センサに磁界ノ
イズが発生すると、実際の車輪速とは異なる値が検出さ
れることになり、したがって車体速の適切な検出値を得
ることができない。
【0004】なお、かかる不具合は、前記永久磁石を利
用した車輪速センサにあっては外部磁界の影響による磁
界ノイズの発生であるが、これとは別の形式からなる車
輪速センサにおいても、その形式毎に発生するノイズが
あるため、上記と同様に車体速の適切な検出値を得るこ
とができない。本発明は、上記の不都合を解決し得るも
のであって、その目的は、磁界ノイズ等外乱の影響に応
じた制御を行うことにより、装置の性能を一層向上させ
ることができるアンチスキッド制御装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアンチスキッド
制御装置のうち、請求項1に記載の発明は、車輪速を検
出する車輪速検出手段と、この車輪速検出手段の車輪速
検出値に基づいて疑似車体速を算出する疑似車体速算出
手段と、前記車輪速検出手段の車輪速検出値及び前記疑
似車体速算出手段の疑似車体速算出値に基づいて制動用
シリンダの流体圧を制御する制動圧制御手段と、を備え
たアンチスキッド制御装置において、前記制動圧制御手
段がアンチスキッド制御状態であるか否かを判定する制
動状態判定手段と、前記車輪速検出手段が外乱の影響を
受けているか否かを検出する外乱検出手段と、前記制動
状態判定手段がアンチスキッド制御状態でないと判定し
且つ前記外乱検出手段が外乱の影響を検出したとき前記
制動圧制御手段によるアンチスキッド制御の開始を禁止
する制御禁止手段と、を備えたことを特徴している。
【0006】請求項2に記載の発明は、車輪速を検出す
る車輪速検出手段と、この車輪速検出手段の車輪速検出
値に基づいて疑似車体速を算出する疑似車体速算出手段
と、前記車輪速検出手段の車輪速検出値及び前記疑似車
体速算出手段の疑似車体速算出値に基づいて制動用シリ
ンダの流体圧を制御する制動圧制御手段と、を備えたア
ンチスキッド制御装置において、前記制動圧制御手段が
アンチスキッド制御状態であるか否かを判定する制動状
態判定手段と、前記車輪速検出手段が外乱の影響を受け
ているか否かを検出する外乱検出手段と、前記制動状態
判定手段がアンチスキッド制御状態であると判定し且つ
前記外乱検出手段が外乱の影響を検出したとき当該外乱
の影響を除去して前記制動圧制御手段によるアンチスキ
ッド制御を続行させる外乱除去手段と、を備えたことを
特徴としている。
【0007】請求項3に記載の発明は、車両の各車輪の
車輪速を個別に検出する複数の車輪速検出手段と、これ
ら複数の車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて疑似
車体速を算出する疑似車体速算出手段と、前記複数の車
輪速検出手段の車輪速検出値及び前記疑似車体速算出手
段の疑似車体速算出値に基づいて各車輪に配設した制動
用シリンダの流体圧を制御する制動圧制御手段と、を備
えたアンチスキッド制御装置において、前記制動圧制御
手段がアンチスキッド制御状態であるか否かを判定する
制動状態判定手段と、前記複数の車輪速検出手段のうち
外乱の影響を受けている当該車輪速検出手段を検出する
外乱検出手段と、前記制動状態判定手段がアンチスキッ
ド制御状態であると判定したとき前記外乱検出手段の検
出結果に応じて前記疑似車体速算出手段の算出処理の内
容を変更させる擬似車体速算出変更手段と、を備えたこ
とを特徴としている。
【0008】請求項4に記載の発明は、車両の各車輪の
車輪速を検出する車輪速検出手段と、この車輪速検出手
段の車輪速検出値に基づいて疑似車体速を算出する疑似
車体速算出手段と、前記車輪速検出手段の車輪速検出値
及び前記疑似車体速算出手段の疑似車体速算出値に基づ
いて各車輪に配設した制動用シリンダの流体圧を制御す
る制動圧制御手段と、を備えたアンチスキッド制御装置
において、前記車輪速検出手段が外乱の影響を受けてい
るか否かを検出する外乱検出手段と、この外乱検出手段
が外乱の影響を検出したとき前記制動用シリンダに対す
る前記制動圧制御手段による流体圧制御を禁止する制御
禁止手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明のアンチスキッド制御装置のうち、請求
項1に記載の発明によれば、車輪速検出手段が車輪速を
検出し、これら車輪速検出手段の車輪速検出値に基づい
て疑似車体速算出手段が疑似車体速を算出する。ここ
で、例えば上述したような永久磁石を利用した車輪速セ
ンサを搭載した車両が停車しているかあるいは殆ど停車
状態に近い低速走行を行っている場合に、車両が磁界等
外乱の影響を受け易い場所(例えば、交流の高圧電線が
敷設されている場所や、凍結防止の電線ヒータが敷設さ
れている場所)にあると、この磁界の影響を受けて前記
車輪速検出手段には磁界ノイズが発生することがあり、
このため、検出される車輪速の値が不確定になるゆえ、
的確な疑似車体速が得られないといった不都合が起こる
可能性が生じる。
【0010】そこで、この請求項1に記載の発明にあっ
ては、制動状態判定手段によって制動圧制御手段がアン
チスキッド制御状態であるか否か,すなわち制動用シリ
ンダに対する制動圧制御手段による流体圧制御が実行中
であるか否かが判定されるとともに、外乱検出手段によ
って車輪速検出手段の外乱の影響状態,すなわち上述の
ような磁界ノイズの発生状態が検出される。そして、制
動状態判定手段がアンチスキッド制御状態でないと判定
し且つ外乱検出手段が外乱の影響を検出したときには、
制御禁止手段が制動圧制御手段によるアンチスキッド制
御の開始を禁止する。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、制動状態
判定手段によって制動圧制御手段がアンチスキッド制御
状態であるか否かが判定されるとともに、外乱検出手段
によって車輪速検出手段の外乱の影響状態が検出され
る。そして、制動状態判定手段がアンチスキッド制御状
態であると判定し且つ外乱検出手段が外乱の影響を検出
したときは、外乱除去手段が前記外乱の影響を除去する
とともに、前記制動圧制御手段によるアンチスキッド制
御を続行させる。この場合、外乱除去手段により外乱の
影響は除去されているから、車輪速検出手段の車輪速検
出値は外乱の影響のない正確な値となっており、したが
って擬似車体速算出手段においては的確な擬似車体速が
算出される。これによって、車両の安定性,操舵性等が
確保され、車両の停止距離の短縮が図られる。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、アンチス
キッド制御装置は、車両の各車輪の車輪速を個別に検出
する複数の車輪速検出手段を備えている。そこで、制動
状態判定手段によって制動圧制御手段がアンチスキッド
制御状態であるか否かが判定されるとともに、外乱検出
手段によって複数の車輪速検出手段のうち外乱の影響を
受けている車輪速検出手段が検出されると、この外乱検
出手段の検出結果に応じて擬似車体速算出変更手段が擬
似車体速算出手段の算出処理の内容を変更させる。具体
的には、例えば1つの車両に対して3つの車輪速検出手
段が備わっているときは、これら3つの車輪速検出手段
の磁界ノイズの発生状態を検出した結果が、全て正常な
場合,3つのうちの1つに磁界ノイズが発生している場
合,3つのうちの2つに磁界ノイズが発生している場
合,全てに磁界ノイズが発生している場合,の各場合に
ついて、疑似車体速算出変更手段が疑似車体速算出手段
の算出処理の内容を変更させ、その時々において可能な
範囲で的確な疑似車体速が算出される。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、外乱検出
手段によって車輪速検出手段の外乱の影響状態が検出さ
れると、制御禁止手段が制動用シリンダに対する制動圧
制御手段による流体圧制御,すなわちアンチスキッド制
御を禁止する。つまり、車輪速検出手段に外乱が影響し
ている場合には、無条件にアンチスキッド制御を禁止
し、車両が通常のブレーキ状態となるようにする。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。図1は本発明をFR方式の車両に適用した
場合の一実施例を示すブロック図である。先ず、構成を
説明すると、1FL,1FRは前輪(従動輪)、1R
L,1RRは後輪(駆動輪)であり、後輪1RL,1R
Rには、エンジン2の回転駆動力が変速機3,プロペラ
シャフト4及び終減速装置5を介して伝達されるように
なっている。
【0015】各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動
用シリンダとしてのホイールシリンダ6FL〜6RRが
取り付けられているとともに、各前輪1FL,1FRに
は、これらの車輪の回転速度に応じた周波数の車輪速信
号を出力する車輪速センサ7FL,7FRが取り付けら
れ、プロペラシャフト4には、後輪1RL,1RRの回
転速度に応じた周波数の車輪速信号を出力する車輪速セ
ンサ7Rが取り付けられている。
【0016】そして、前輪側のホイールシリンダ6F
L,6FRには、ブレーキペダル8の踏み込みに応じて
2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ9
からの一方のマスタシリンダ圧が、前輪側のアクチュエ
ータ10FL,10FRを介して個別に供給されるよう
になっているとともに、後輪側のホイールシリンダ6R
L,6RRには、マスタシリンダ9からの他方のマスタ
シリンダ圧が共通の後輪側のアクチュエータ10Rを介
して供給されるようになっている。
【0017】アクチュエータ10FL〜10Rのそれぞ
れは、図3に示すように、マスタシリンダ9に接続され
る油圧配管11及びホイールシリンダ6FL〜6RR間
に介装された電磁流入弁12と、この電磁流入弁12に
対して並列に接続された電磁流出弁13,油圧ポンプ1
4及び逆止弁15からなる直列回路と、流出弁13及び
油圧ポンプ14間の油圧配管に接続されたアキュムレー
タ16と、を備えている。
【0018】そして、電磁流入弁12は後述するコント
ローラ21から供給される指令信号EVが論理値“0”
であるときに開状態,論理値“1”であるときに閉状態
となるように構成されており、電磁流出弁13は逆に指
令信号AVが論理値“0”であるときに閉状態,論理値
“1”であるときに開状態となるように構成されてお
り、さらに油圧ポンプ14は直流モータ17によって回
転駆動され且つ指令信号MRが所定電圧であるときに回
転駆動状態となるように構成されている。
【0019】また、各車輪速センサ7FL〜7Rのそれ
ぞれは、図2に示すように、前輪1FL,1RRのドラ
イブシャフト及びプロペラシャフト4の所定位置に個別
に装備され且つ外周面に所定歯数Z(例えばZ=20)
のセレーションが形成されたロータ7aと、これに対向
する磁石7bが内蔵され且つその発生磁束による誘導起
電力を検出するコイル7cとから構成される。つまり、
車輪速センサ7FL〜7Rのコイル7cにはロータ7a
のセレーションの回転に応じた周波数の起電力が誘導さ
れるようになっていて、その誘導起電力が車輪速センサ
7FL〜7Rの出力となる。
【0020】一方、再び図1を参照すると、各車輪速セ
ンサ7FL〜7Rから出力される誘導起電力がシュミッ
ト回路等の波形整形回路20FL〜20Rに供給され、
これら波形整形回路20FL〜20Rでパルス信号に変
換された車輪速検出値がコントローラ21に供給される
ようになっている。そして、各車輪速センサ7FL〜7
Rから出力される誘導起電力は、波形整形回路20FL
〜20Rから出力された後、磁界ノイズ検出部19によ
って磁界ノイズの発生状態が個別に検出されるようにな
っていて、この磁界ノイズ検出部19は、その検出結果
をコントローラ21に出力するようになっている。例え
ば、車輪速センサ7FL〜7Rから出力される誘導起電
力が、波形整形回路20FL〜20Rから出力されたと
き、45HZ 〜66HZ の間にあれば、磁界ノイズ検出
部19は“正常”に対応する信号をコントローラ21に
出力し、45HZ 〜66HZ 以外の範囲にあれば、磁界
ノイズ検出部19は“異常”に対応する信号をコントロ
ーラ21に出力する。
【0021】このコントローラ21は、波形整形回路2
0FL〜20Rの出力と各車輪1FL〜1RRの回転半
径とから車輪の周速度である車輪速(車両の走行状況)
Vw FL〜VwR を演算し、後述するフローチャートにし
たがって実際の車体速度に対応する疑似車体速Vi を算
出するとともに、この疑似車体速Vi ,各車輪速Vw FL
〜VwR 及びこれらの加減速度に基づいて制動時の車輪
ロックを防止する各車輪毎の指令信号EV,AV及びM
Rを生成し、これらを各アクチュエータ10FL〜10
Rに出力するようになっている。
【0022】ここで、コントローラ21は、前記車輪速
検出値と磁界ノイズ検出部19の検出結果とに基づい
て、図4ないし図8に示す処理を実行するようになって
いる。すなわち、図4に示すフローチャートが開始され
ると、先ずステップS1でコントローラ21がアンチス
キッド制御中であるか否かが判定され、制御中であれば
ステップS2へ、制御中でなければステップS3へと移
行する。ステップS2に移行した場合は、後述する図5
〜図8に示すフローチャートに基づいて疑似車体速算出
処理が実行され、ステップS3に移行した場合は、前記
車輪速センサ7FL〜7Rの出力信号に磁界ノイズが発
生しているか否かが判定される。このステップS3にお
ける具体的な判定基準は、例えば以下に示す(1)〜
(4)のいずれかによるものとする。 (1)車輪速センサ7FL〜7Rの出力が45Hz 〜6
6Hz の間にあるか? (2)車輪速センサ7FL〜7Rの出力が66Hz 以下
であるか? (3)車輪速検出値に基づき算出した擬似車体速が45
Hz 〜66Hz の間にあるか? (4)車輪速検出値に基づき算出した擬似車体速が66
Hz 以下であるか? そして、これら(1)〜(4)のいずれかの条件を満た
した場合は、ステップS4へと移行してコントローラ2
1のアンチスキッド制御の開始が禁止される一方、条件
を満たしていない場合はステップS2に移行して前記疑
似車体速算出処理が実行される。
【0023】前記疑似車体速算出処理は、以下の通りで
ある。すなわち、図5に示すフローチャートが開始され
ると、先ずステップS11で、前記車輪速センサ7FL
〜7Rのうち、磁界ノイズ検出部19によって磁界ノイ
ズが発生していると検出されたものが1つ以上であるか
否かが判定され、YESであればステップS12へ、N
OであればステップS14へと移行する。ステップS1
2では、前記車輪速センサ7FL〜7Rのうち、磁界ノ
イズ検出部19によって磁界ノイズが発生していると検
出されたものが2つ以上であるか否かが判定され、YE
SであればステップS13へ、NOであればステップS
15へと移行する。ステップS13では、前記車輪速セ
ンサ7FL〜7Rのうち、磁界ノイズ検出部19によっ
て磁界ノイズが発生していると検出されたものが3つ以
上であるか否かが判定され、YESであればステップS
17へ、NOであればステップS16へと移行する。
【0024】ステップS14(疑似車体速演算A)にお
いては、全ての車輪速センサ7FL〜7Rに磁界ノイズ
が発生していないことから、以下のような演算が実行さ
れるようになっている。すなわち、コントローラ21が
アンチスキッド制御を実行している場合には、前輪1F
L,1FRの車輪速のうち最も高いものを疑似車体速V
i とする算出処理(セレクト・ハイ)が実行される一
方、アンチスキッド制御を実行していない場合には、前
輪1FL,1FR及び後輪1RL,1RRの車輪速のう
ち最も高いものを疑似車体速Vi とする算出処理(セレ
クト・ハイ)が実行されるようになっている。
【0025】また、ステップS15(疑似車体速演算
B)においては、図6にそのフローチャートを示すよう
に、ステップS21でコントローラ21がアンチスキッ
ド制御を実行しているか否か,すなわちコントローラ2
1が指令信号EV,AV及びMRを出力しているか否か
が判断され、NOであればステップS22へと移行す
る。ステップS22では、磁界ノイズ検出部19によっ
て磁界ノイズが発生していると検出されたものが、車輪
速センサ7FL〜7Rのうち後輪1RL,1RR(駆動
輪)に配設した車輪速センサ7Rであるか否かが判定さ
れ、YESであれば前記ステップS14と同様の演算処
理がなされるステップS23へと移行する。一方、ステ
ップS21においてYES,ステップS22においてN
Oと判断された場合には、ステップS24へと移行し、
このステップS24において、磁界ノイズが発生してい
ない前輪1FL,1FR(従動輪)の車輪速の平均値が
算出され、この算出結果を疑似車体速Vi とする。
【0026】また、ステップS16(疑似車体速演算
C)においては、図7にそのフローチャートを示すよう
に、ステップS31で磁界ノイズが発生していないと検
出された車輪速センサ7FL〜7Rのうちの1つが、6
6HZ 以下のパルスを出力しているか否かが判定され、
NOであればステップS32へと移行し、YESであれ
ばステップS33へと移行する。ステップS32に移行
した場合は、コントローラ21に予め設定されている最
低認識車体速Vmin =2.75km/hを疑似車体速Vi
して決定し、ステップS33に移行した場合は、前記磁
界ノイズが発生していないと検出された車輪速センサ7
FL〜7Rのうちの1つのパルス出力に基づき、疑似車
体速Vi が算出される。
【0027】さらに、ステップS17(疑似車体速演算
D)においては、図8にそのフローチャートを示すよう
に、ステップS41において、コントローラ21に予め
設定されている最低認識車体速Vmin =2.75km/hを
疑似車体速Vi として決定するようになっている。次
に、本実施例の動作を説明する。
【0028】今、車両がイグニッションスイッチをオフ
状態として停車しているものとすると、この状態では、
各制御回路に電源が供給されておらず、コントローラ2
1の指令信号EV及びAVが論理値“0”となってお
り、指令信号MRが零となっている一方、図4に示す処
理が実行されず、アクチュエータ10FL〜10Rは、
電磁流入弁12が開状態、電磁流出弁13が閉状態及び
油圧ポンプ14が停止状態となっており、マスタシリン
ダ9で発生されるマスタシリンダ圧が直接ホイールシリ
ンダ6FL〜6RRに供給される。従って、ブレーキペ
ダル8を解放しているときには、マスタシリンダ9のマ
スタシリンダ圧が零であるので、ホイールシリンダ6F
L〜6RRのブレーキ液圧も零となって非制動状態とな
り、逆にブレーキペダル8を踏み込んでいるときには、
その踏み込み量に応じたマスタシリンダ圧がマスタシリ
ンダ9から発生されるので、これがホイールシリンダ6
FL〜6RRに供給されて制動状態となる。
【0029】この状態からイグニッションスイッチをオ
ン状態とすると、各制御回路に電源が投入され、コント
ローラ21が作動状態となる。このとき、車輪速センサ
7FL〜7Rから出力される誘導起電力は零となってお
り、車輪速VwFL〜VwR が零であるから、この状態で
は、各車輪1FL〜1RRに対する通常のアンチスキッ
ド制御が実行される。
【0030】この停止状態からブレーキペダル8の踏み
込みを解放し、車両を発進させて加速状態とすると、車
輪速センサ7FL〜7Rから車輪の回転速度に応じた周
波数の誘導起電力が出力され、これらが波形整形回路2
0FL〜20Rでパルス信号に変換されてコントローラ
21に供給され、コントローラ21においては、図4の
ステップS1でNOと判断されてステップS3へと移行
する。そして、各車輪速センサ7FL〜7Rから出力さ
れるパルス中に磁界ノイズが発生していれば、磁界ノイ
ズ検出部19からは“異常”に対応する信号がコントロ
ーラ21に出力され、ステップS3ではYESと判断さ
れてステップS4へと移行し、このステップS4におい
てコントローラ21のアンチスキッド制御の開始が禁止
される。つまり、ステップS4においては、コントロー
ラ21から各アクチュエータ10FL〜10Rへの指令
信号EV,AV及びMRを論理値“0”として出力し、
各車輪1FL〜1RRにはブレーキペダル8の踏み込み
に応じたマスタシリンダ圧が各ホイールシリンダ6FL
〜6RRに供給される。但し、車両が約10km/h以上で
走行している場合は、車輪速センサ7FL〜7Rからの
出力パルスに磁界ノイズが発生していたとしても、当該
出力パルスの周波数は、磁界ノイズの周波数に対して極
めて大きいため、この磁界ノイズは疑似車体速Vi の算
出処理に影響を与えないと判断してよい。
【0031】一方、各車輪速センサ7FL〜7Rから出
力されるパルス中に磁界ノイズが発生していなければ、
磁界ノイズ検出部19からは“正常”に対応する信号が
コントローラ21に出力されているから、ステップS3
ではNOと判断されてステップS2へと移行し、さらに
図5のステップS11でNOと判断されてステップS1
4へと移行し、疑似車体速Vi が算出される。
【0032】この場合、加速状態又は定速走行状態が続
いた後、ブレーキペダル8を踏み込んで制動状態に移行
したときに、各アクチュエータ10FL〜10Rに対す
る指令信号EV,AVを論理値“0”、指令信号MRを
零として、電磁流入弁12のみを開状態に制御している
ことにより、マスタシリンダ9のブレーキペダル8の踏
み込み量に応じたマスタシリンダ圧が各ホイールシリン
ダ6FL〜6RRに供給され、増圧モードとなる。
【0033】このような増圧モードとなると、各車輪1
FL〜1RRの車輪速が低下し、これに伴って車輪減速
度も大きくなる。そして、車輪減速度が予め設定された
減速度しきい値αを超えると、指令信号EVが論理値
“1”に反転され、これによってアクチュエータ10j
(j=FL,FR,R)の電磁流入弁12が閉状態とさ
れて、マスタシリンダ9とホイールシリンダ6jとの間
が遮断されて圧力保持モードとなる。その後、車輪速V
wj が疑似車体速Vi の85%に一致すると、指令信号
AV及びMRをともにオン状態とすることにより、電磁
流出弁13を開状態とするとともに油圧ポンプ14を回
転駆動してホイールシリンダ6j内の作動油をマスタシ
リンダ9側に排出し、ホイールシリンダ6jを減圧する
減圧モードとしてアンチスキッド制御を開始する。
【0034】この減圧モードによって車輪速が回復し、
車輪加速度が予め設定された加速度しきい値βを超える
と前記保持モードとし、その後車輪加速度が加速度しき
い値β以下となると、指令信号EVを断続的にオン・オ
フさせて緩増圧モードとし、その後車輪減速度が再度減
速度しきい値αを超えると保持モードに移行し、その後
上記制御サイクルを繰り返してアンチスキッド制御を制
動状態が解除されるまで断続する。
【0035】このように、コントローラ21がアンチス
キッド制御を実行していると、図4のステップS1でY
ESと判断され、ステップS2へと移行し、前記図5〜
図8のフローチャートにしたがって疑似車体速Vi が算
出される。すなわち、イグニッションスイッチをオン状
態とした後、アンチスキッド制御が実行されている場合
に、各車輪速センサ7FL〜7Rから出力されるパルス
中に磁界ノイズが発生していれば、磁界ノイズ検出部1
9からは、“異常”に対応する信号がコントローラ21
に出力されるから、例えば各車輪速センサ7FL〜7R
のうち、車輪速センサ7Rから出力されているパルスに
磁界ノイズが確認されたとすると、図5のステップS1
1ではYES,ステップS12ではNOと判断されて図
6のステップS15を実行する。
【0036】このステップS15では、先ずステップS
21でアンチスキッド制御中であるか否かが判断され、
アンチスキッド制御中でなければステップS22へと移
行し、ここでYESと判断されてステップS23へと移
行し、前記ステップS14と同様の演算処理によって疑
似車体速Vi が算出される。一方、アンチスキッド制御
中である場合は、ステップS24へと移行し、このステ
ップS24において、車輪速センサ7FLと車輪速セン
サ7FRとの両出力パルスから検出された車輪速の車輪
速の平均値が算出され、これが疑似車体速Vi となる。
【0037】また、各車輪速センサ7FL〜7Rのう
ち、車輪速センサ7FL,7FRのいずれか一方から出
力されているパルスに磁界ノイズが確認されたとする
と、図5のステップS11ではYES,ステップS12
ではNOと判断されて図6のステップS15を実行す
る。この場合、ステップS15では、先ずステップS2
1でアンチスキッド制御中であるか否かが判断され、ア
ンチスキッド制御中でなければステップS22へと移行
し、ここでNOと判断されてステップS24へと移行
し、また、アンチスキッド制御中である場合は、ステッ
プS21から直接ステップS24へと移行する。したが
って、このステップS24において、車輪速センサ7F
L,7FRのいずれか一方と車輪速センサ7Rとの両出
力パルスから検出された車輪速の車輪速の平均値が算出
され、これが疑似車体速Vi となる。
【0038】そして、各車輪速センサ7FL〜7Rのう
ち、車輪速センサ7FL及び7FRから出力されている
パルスに磁界ノイズが確認されたとすると、ステップS
11,ステップS12でYESと判断され、ステップS
13でNOと判断されてステップS16を実行する。す
なわち、図7のステップS31で、磁界ノイズが発生し
ていない車輪速センサ7Rが66HZ 以下のパルスを出
力しているか否か(つまり車両が停車状態か又は低速走
行状態か)が判定され、NOであればステップS32へ
と移行し、YESであればステップS33へと移行す
る。ステップS32に移行した場合は、コントローラ2
1に予め設定されている最低認識車体速V min =2.7
5km/hを疑似車体速Vi として決定し、ステップS33
に移行した場合は、車輪速センサ7Rのパルス出力に基
づき、疑似車体速Vi が算出される。
【0039】さらに、各車輪速センサ7FL〜7Rのう
ち、車輪速センサ7FL,7FRのいずれか一方(説明
の便宜上車輪速センサ7FLとする)と車輪速センサ7
Rとから出力されているパルスに磁界ノイズが確認され
たとすると、ステップS11,ステップS12でYES
と判断され、ステップS13でNOと判断されてステッ
プS16を実行するが、この場合は、ステップS31
で、磁界ノイズが発生していない車輪速センサ7FRが
66HZ 以下のパルスを出力しているか否か(つまり車
両が停車状態か又は低速走行状態か)が判定され、NO
であればステップS32へと移行し、YESであればス
テップS33へと移行する。ステップS32に移行した
場合は、上記の場合と同様にして最低認識車体速Vmin
=2.75km/hを疑似車体速Vi として決定し、ステッ
プS33に移行した場合は、車輪速センサ7FRのパル
ス出力に基づき、疑似車体速Vi が算出される。
【0040】また、各車輪速センサ7FL〜7Rの全て
のパルスに磁界ノイズが確認されたとすると、ステップ
S11,ステップS12,ステップS13で全てYES
と判断され、ステップS17へと移行する。そして、ス
テップS41において、コントローラ21に予め設定さ
れている最低認識車体速Vmin =2.75km/hを疑似車
体速Vi として決定する。
【0041】このように、本実施例の構成であれば、車
両がアンチスキッド制御状態でないときに車輪速センサ
7FL〜7Rへの磁界ノイズの影響が確認されると、車
両を通常のブレーキ状態とする一方、車両がアンチスキ
ッド制御状態であって且つ車輪速センサ7FL〜7Rへ
の磁界ノイズの影響が疑似車体速Vi の算出処理に影響
を与え得るようなときは、車輪速センサ7FL〜7Rか
らのパルス出力における磁界ノイズの発生状態を検出
し、当該磁界ノイズが発生していないパルス出力に基づ
いて疑似車体速Vi を算出でき、これによって、常に的
確な疑似車体速V i を得ることができるのである。
【0042】しかも、ステップS15においては、ノイ
ズが発生していない車輪速センサは従動輪(前輪1F
L,1FR)に対応する車輪速センサ7FL,7FRで
あるといえ、これによって、例えば車両の旋回中に内輪
と後輪との車輪回転数の差が生じるときも、平均値を算
出することでより真の値に近い疑似車体速Vi を得るこ
とができる。また、ステップS16においては、ノイズ
が発生していない車輪速センサから出力されたパルスが
66HZ に達していれば(つまり車両が約10km/hで走
行していれば)、最低認識車体速Vmin を疑似車体速V
i として車両が殆ど停止状態とみなす一方、66HZ
達していなければ(つまり車両が約10km/h以下の低速
走行していれば)、ノイズが発生していない1つの車輪
速センサの検出値に基づき疑似車体速Vi を算出するこ
とで、車両の低速走行時にも一層真の値に近い疑似車体
速Vi を得ることができる。さらに、ステップS17に
おいては、車輪速センサ7FL〜7Rの全てにノイズが
発生している場合に、これら車輪速センサ7FL〜7R
の車輪速検出値にかかわらず疑似車体速Vi が決定で
き、この疑似車体速Vi の算出誤差を可能な限り小さく
することができる。
【0043】なお、上記した実施例では、4つの車輪1
FL〜1RRに対応して3つの車輪速センサ7FL〜7
Rを配設した構成として説明したが、例えば前記車輪1
FL〜1RRに対応して4つの車輪速センサを配設した
構成とした場合は、図9及び図10に示すフローチャー
トに基づいて疑似車体速Vi を算出する。すなわち、図
9は、図5におけるステップS13でYESと判定され
た後、ステップS18へと移行し、ここで4つの車輪速
センサのうち、磁界ノイズ検出部19によって磁界ノイ
ズが発生していると検出されたものが4つ以上であるか
否かが判定され、YESであれば図5におけるステップ
S17へ、NOであれば図5におけるステップS16へ
と移行する。さらに、図5におけるステップS12でN
Oと判断された場合は、図10に示すステップS19
(疑似車体速演算E)を実行するとともに、図5におけ
るステップS13でNOならばステップS15へと移行
するようになっており、その他の各ステップにおける処
理内容は、上述したものと同様である。
【0044】図10にそのフローチャートを示すステッ
プS19は、ステップS12においてNOと判断された
とき、つまり4つの車輪速センサのうちの一つに磁界ノ
イズが発生していると検出されたときに、疑似車体速V
i を算出する。すなわち、ステップS51でコントロー
ラ21がアンチスキッド制御を実行しているか否かが判
断され、NOであればステップS52へと移行する。ス
テップS52では、磁界ノイズ検出部19によって磁界
ノイズが発生していると検出されたものが、4つの車輪
速センサのうち後輪(駆動輪)に対応した車輪速センサ
であるか否かが判定され、YESであれば前記ステップ
S14と同様の演算処理がなされるステップS53へと
移行する。一方、ステップS51においてYES,ステ
ップS52においてNOと判断された場合には、ステッ
プS54へと移行し、このステップS54において、磁
界ノイズが発生していない他の3つの車輪速センサのそ
れぞれの出力パルスに基づく車輪速のセレクト・ハイが
実行され、この結果を疑似車体速Vi とする。
【0045】この場合は、駆動輪(後輪)1RL,1R
Rに比べ従動輪(前輪)1FL,1FRは車輪ロック状
態をきたし易く、制動中には実際の車体速から低い方向
に大きく離れている可能性が高いため、ノイズが発生し
ていない他の3つの車輪速検出手段の検出値のうち最も
大きい値を疑似車体速Vi とすることによって、より真
の値に近い疑似車体速が得られるのである。
【0046】また、コントローラ21においては、上記
した図4に示す処理とは別に、図11に示すフローチャ
ートに従って処理を行うようにしてもよい。すなわち、
この図に示す処理が開始されると、先ずステップS61
で前記車輪速センサ7FL〜7Rの出力信号に、磁界ノ
イズが発生しているか否かが判定される。このステップ
S61における具体的な判定基準は、上述した図4に示
すフローチャートの場合と同様に条件(1)〜(4)の
いずれかによる。そして、これら(1)〜(4)のいず
れかの条件を満たした場合は、ステップS62へと移行
し、このステップS62でコントローラ21によるアン
チスキッド制御が禁止される。この場合は、コントロー
ラ21がアンチスキッド制御を実行しているか否かにか
かわらず、その制御が禁止されることになる。一方、条
件を満たしていない場合は、ステップS63に移行して
上述した疑似車体速演算Aが実行される。
【0047】このような処理を行った場合は、車両がア
ンチスキッド制御状態であるか否かのいかんにかかわら
ず、車輪速センサ7FL〜7Rのうちいずれかに磁界ノ
イズの影響が確認されたときは、ステップS61におい
てYESと判断されてステップS62へと移行する。そ
して、このステップS62においては、コントローラ2
1から各アクチュエータ10FL〜10Rへの指令信号
EV,AV及びMRを論理値“0”として出力し、各車
輪1FL〜1RRにはブレーキペダル8の踏み込みに応
じたマスタシリンダ圧が各ホイールシリンダ6FL〜6
RRに供給され、アンチスキッド制御が完全に禁止され
る。これによって、磁界ノイズの影響から不正確な疑似
車体速Vi に基づく制御が行われるのを確実に防止する
ことができる。
【0048】より具体的に説明すると、上記のような永
久磁石を利用した車輪速センサ7FL〜7Rを搭載した
車両が停車しているかあるいは殆ど停車状態に近い低速
走行を行っている場合には、交流の高圧電線が敷設され
ている場所や、凍結防止の電線ヒータが敷設されている
場所等,車両が磁界等外乱の影響を受け易い場所にある
と、この磁界の影響を受けて車輪速センサ7FL〜7R
には磁界ノイズが発生することがある。このため、磁界
ノイズを車輪速センサ7FL〜7Rの出力と誤認識し、
これによってアンチスキッド制御装置が作動して車両が
停車しているかあるいは殆ど停車状態に近い低速走行を
行っているときにブレーキ性能が悪化する可能性がある
が、前記条件(1)〜(4)のいずれかを満たした場合
にアンチスキッド制御を禁止すると、このようなブレー
キ性能の悪化を確実に防止することができるのである。
【0049】なお、本実施例においては、かかる外乱検
出手段を磁界ノイズ検出部19,制動状態判定手段をス
テップS1,制御禁止手段をステップS4,S62,外
乱除去手段を図5〜図10のフローチャート,疑似車体
速算出変更手段をステップS21,S22,S31,S
51,S52として説明した。また、上記実施例では、
全ての車輪速VwFL〜VwR が零でないときに車両走行
中であると判断する構成としているが、これに限定され
るものではなく、例えば、前後加速度検出値XG の値に
基づいて車両が走行しているか否かを判定するようにし
てもよいし、ヨーレートセンサを備えていればその出力
に基づいて判定するようにしてもよい。
【0050】さらに、前記実施例においては、制動圧制
御手段としてマイクロコンピュータ18を適用した場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
比較回路、演算回路、論理回路等の電子回路を組み合わ
せて構成することもできる。また、前記実施例において
は、ホイールシリンダを油圧で制御する場合について説
明したが、これに限らず他の液体又は空気等の気体を適
用し得ることは言うまでもない。
【0051】なお、本実施例中、疑似車体速算出処理の
ステップS31で、車輪速センサのパルス出力が66H
Z に達しているか否かを判定基準としたのは、当該パル
ス出力の66HZ に相当する車両の走行速度約10km/h
を基準とし、約10km/h以下であれば車両は低速走行を
行っていると断定したことによる。また、ステップS3
2,ステップ31では最低認識車体速Vmin を2.75
km/hとしたが、これは車両が殆ど停止状態にあると判断
させる数値であれば、2.75km/h以外であっても構わ
ない。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のアンチスキッド制御装置によれば、以下の効果を得る
ことができる。請求項1に記載の発明によれば、制動状
態判定手段がアンチスキッド制御状態でないと判定し且
つ外乱検出手段が外乱の影響を検出したときには、制御
禁止手段が制動圧制御手段によるアンチスキッド制御の
開始を禁止することで、不正確な疑似車体速に基づくア
ンチスキッド制御の実行を確実に防止することができ、
アンチスキッド制御装置の性能を向上させることができ
る。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、制動状態
判定手段がアンチスキッド制御状態であると判定し且つ
外乱検出手段が外乱の影響を検出したときは、外乱除去
手段が前記外乱の影響を除去するとともに、前記制動圧
制御手段によるアンチスキッド制御を続行させること
で、擬似車体速算出手段においては的確な擬似車体速が
算出されるため、アンチスキッド制御の実行によって車
両の安定性,操舵性等が確保され、車両の停止距離の短
縮を図ることができる。
【0054】請求項3に記載の発明によれば、外乱検出
手段によって疑似車体速算出手段が疑似車体速を算出す
る前に車輪速検出手段の外乱の影響状態を検出し、この
外乱検出手段の検出結果に応じて疑似車体速算出変更手
段が疑似車体速算出手段の算出処理の内容を変更させる
ことで、的確な疑似車体速を算出することができ、これ
によって、アンチスキッド制御装置を正確に作動させる
ことができる。
【0055】請求項4に記載の発明によれば、外乱検出
手段によって車輪速検出手段の外乱の影響状態が検出さ
れると、制御禁止手段が制動用シリンダに対する制動圧
制御手段による流体圧制御,すなわちアンチスキッド制
御を禁止することで、不正確な疑似車体速に基づくアン
チスキッド制御の実行を確実に防止することができ、ア
ンチスキッド制御装置の性能を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】車輪速センサの一例を示す構成図である。
【図3】アクチュエータの一例を示す構成図である。
【図4】コントローラの処理内容の一例を示すフローチ
ャートである。
【図5】コントローラの疑似車体速算出処理の一例を示
すフローチャートである。
【図6】図5における疑似車体速演算Bの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図7】図5における疑似車体速演算Cの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図8】図5における疑似車体速演算Dの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図9】コントローラの疑似車体速算出処理の他の例を
示すフローチャートである。
【図10】図9における疑似車体速演算Eの詳細を示す
フローチャートである。
【図11】図4とは別のコントローラの処理内容を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪(従動輪) 1RL,1RR 後輪(駆動輪) 6FL〜6RR ホイールシリンダ(制動用シリン
ダ) 7FL〜7R 車輪速センサ 8 ブレーキペダル 9 マスタシリンダ 10FL〜10R アクチュエータ 12 電磁流入弁 13 電磁流出弁 14 油圧ポンプ 17 直流モータ 19 磁界ノイズ検出部(外乱検出手段) 21 コントローラ(制動圧制御手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速を検出する車輪速検出手段と、こ
    の車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて疑似車体速
    を算出する疑似車体速算出手段と、前記車輪速検出手段
    の車輪速検出値及び前記疑似車体速算出手段の疑似車体
    速算出値に基づいて制動用シリンダの流体圧を制御する
    制動圧制御手段と、を備えたアンチスキッド制御装置に
    おいて、前記制動圧制御手段がアンチスキッド制御状態
    であるか否かを判定する制動状態判定手段と、前記車輪
    速検出手段が外乱の影響を受けているか否かを検出する
    外乱検出手段と、前記制動状態判定手段がアンチスキッ
    ド制御状態でないと判定し且つ前記外乱検出手段が外乱
    の影響を検出したとき前記制動圧制御手段によるアンチ
    スキッド制御の開始を禁止する制御禁止手段と、を備え
    たことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 車輪速を検出する車輪速検出手段と、こ
    の車輪速検出手段の車輪速検出値に基づいて疑似車体速
    を算出する疑似車体速算出手段と、前記車輪速検出手段
    の車輪速検出値及び前記疑似車体速算出手段の疑似車体
    速算出値に基づいて制動用シリンダの流体圧を制御する
    制動圧制御手段と、を備えたアンチスキッド制御装置に
    おいて、前記制動圧制御手段がアンチスキッド制御状態
    であるか否かを判定する制動状態判定手段と、前記車輪
    速検出手段が外乱の影響を受けているか否かを検出する
    外乱検出手段と、前記制動状態判定手段がアンチスキッ
    ド制御状態であると判定し且つ前記外乱検出手段が外乱
    の影響を検出したとき当該外乱の影響を除去して前記制
    動圧制御手段によるアンチスキッド制御を続行させる外
    乱除去手段と、を備えたことを特徴とするアンチスキッ
    ド制御装置。
  3. 【請求項3】 車両の各車輪の車輪速を個別に検出する
    複数の車輪速検出手段と、これら複数の車輪速検出手段
    の車輪速検出値に基づいて疑似車体速を算出する疑似車
    体速算出手段と、前記複数の車輪速検出手段の車輪速検
    出値及び前記疑似車体速算出手段の疑似車体速算出値に
    基づいて各車輪に配設した制動用シリンダの流体圧を制
    御する制動圧制御手段と、を備えたアンチスキッド制御
    装置において、前記制動圧制御手段がアンチスキッド制
    御状態であるか否かを判定する制動状態判定手段と、前
    記複数の車輪速検出手段のうち外乱の影響を受けている
    当該車輪速検出手段を検出する外乱検出手段と、前記制
    動状態判定手段がアンチスキッド制御状態であると判定
    したとき前記外乱検出手段の検出結果に応じて前記疑似
    車体速算出手段の算出処理の内容を変更させる擬似車体
    速算出変更手段と、を備えたことを特徴とするアンチス
    キッド制御装置。
  4. 【請求項4】 車両の各車輪の車輪速を検出する車輪速
    検出手段と、この車輪速検出手段の車輪速検出値に基づ
    いて疑似車体速を算出する疑似車体速算出手段と、前記
    車輪速検出手段の車輪速検出値及び前記疑似車体速算出
    手段の疑似車体速算出値に基づいて各車輪に配設した制
    動用シリンダの流体圧を制御する制動圧制御手段と、を
    備えたアンチスキッド制御装置において、前記車輪速検
    出手段が外乱の影響を受けているか否かを検出する外乱
    検出手段と、この外乱検出手段が外乱の影響を検出した
    とき前記制動用シリンダに対する前記制動圧制御手段に
    よる流体圧制御を禁止する制御禁止手段と、を備えたこ
    とを特徴とするアンチスキッド制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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