JPH07328447A - 鉄・アンチモン・リン含有金属酸化物触媒の再生方法 - Google Patents

鉄・アンチモン・リン含有金属酸化物触媒の再生方法

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JPH07328447A
JPH07328447A JP15055694A JP15055694A JPH07328447A JP H07328447 A JPH07328447 A JP H07328447A JP 15055694 A JP15055694 A JP 15055694A JP 15055694 A JP15055694 A JP 15055694A JP H07328447 A JPH07328447 A JP H07328447A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必須成分として鉄、アンチモンおよびリンを
含む金属酸化物触媒の再生において触媒の固結や触媒粒
子同志の付着を起こすことなく、当該触媒の活性を効果
的に回復させることができる方法の提供。 【構成】 触媒性能の劣化した鉄、アンチモンおよびリ
ンを必須成分として含む金属酸化物触媒を、酸素存在下
に流動化させながら600ないし900℃の温度範囲で
加熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄、アンチモンおよび
リンを必須成分として含有する金属酸化物触媒の再生方
法に関し、更に詳しくは有機化合物の酸化、アンモ酸化
または酸化脱水素反応に使用する鉄・アンチモン・リン
を必須成分として含む金属酸化物触媒において、活性な
いし触媒強度が劣化した該触媒の性能を回復させる方法
に関する。
【0002】鉄・アンチモン・リン含有酸化物触媒が、
有機化合物の酸化によるアルデヒド類の製造、有機化合
物の酸化脱水素によるジエン類、アルケニルベンゼン
類、不飽和アルデヒド類または不飽和酸類の製造、さら
には有機化合物のアンモ酸化によるニトリル類の製造な
どに有用であることは公知である。たとえば、特公昭54
-39839号公報、特開平1-171640号公報、特開平1-257125
号公報にはメタノールのアンモ酸化の例が記載され、特
開平1-143643号公報、特開平3-26342 号公報にはメタノ
ールのアンモ酸化、プロピレンのアンモ酸化、イソブテ
ンのアンモ酸化、エチルベンゼンの酸化脱水素の例が記
載されている。
【0003】前記触媒は、活性、活性の持続性いずれも
良好で、とくにメタノールのアンモ酸化反応によるシア
ン化水素の製造において優れた触媒性能を示す。しか
し、長期の反応使用において徐々に活性が低下してくる
ことがある。また、反応条件の不適切によって活性の低
下が加速される場合もある。その多くは、目的生成物の
選択率低下による目的生成物収量の減少である。活性が
ある程度以上低下した場合、劣化触媒をそのまま使用す
るのは経済性の点からできなくなる。とくに、工業的な
生産規模が大きいもの(たとえば、アクリロニトリル生
産)は触媒性能の劣化が経済性に与える影響は大きい。
ある時点では新しい触媒に置換しないと、著しい経済的
損失が発生する。ところが、この種の触媒は高価なもの
なので、劣化した触媒を新しい触媒に置換するのもまた
大きな経済的負担が発生する。また、このような触媒、
鉄・アンチモン・リン含有金属酸化物触媒は長期の使用
により触媒強度が徐々に低下する場合がある。触媒強度
の低下は触媒飛散が増大する要因の一つであり、最悪の
場合には流路の閉塞などで安定的な操業が困難となる。
このような場合、適切な触媒再生方法が見いだされれば
経済的に非常に有利となる。
【0004】
【従来の技術】これまでに劣化したアンチモン含有触媒
の再生法について種々提案されている。例えばアンチモ
ン−ウラン酸化物触媒を対象とした特開昭47-8615 号公
報や、鉄・アンチモン・テルル含有触媒を対象とした特
公昭57-44375号公報がある。特開昭47-8615 号公報の方
法は、合体されていない酸素、又は所望により活性窒素
を合体した形で有する酸素を含有する再生用ガス混合物
をアンチモン・ウラン酸化物触媒錯体に、427−10
38℃の温度においてその錯体が再生されるまでの滞在
時間接触させることを特徴とするものである。また特公
昭57-44375号公報の方法はオレフィンの酸化反応、アン
モ酸化反応または酸化的脱水素による不飽和アルデヒ
ド、不飽和ニトリルまたはジオレフィンの製造時に使用
し、活性の低下した(1)Fe; (2)Sb;(3)V ,M
o,W からなる群から選ばれた少なくとも一つの元素;
(4)Teの(1)〜(4)の元素を必須成分として含む
金属酸化物触媒を焼成して触媒活性を再生するに際し、
前記触媒が鉄・アンチモン酸化物化合物の結晶構造を保
ち、遊離の三酸化アンチモンが実質的に生成していない
もので、かつ前記触媒を600℃ないし950℃の温度
範囲で、しかも触媒製造時における最終焼成温度の近傍
ないしはそれ以下の温度で、非還元的雰囲気下に焼成す
ることを特徴とする鉄・アンチモン含有酸化物触媒の再
生方法である。
【0005】ところがこれらの方法を触媒組成がウラン
やテルルを含まない鉄・アンチモン・リン含有触媒にそ
のまま適用した場合には必ずしも再生効果が十分に認め
られないばかりか、逆に触媒性能を悪化せしめることも
あった。例えば、特にリン成分を多く含有する鉄・アン
チモン・リン含有酸化物触媒を特公昭57-44375号公報や
特開昭47-8615 号公報に記載の方法に準じて焼成する
と、触媒が固結しやすく、特に静置状態で焼成した場合
はその現象が甚だしいことがわかった。また触媒粒子同
志が付着し、焼成炉から触媒の抜き出しが困難になった
り、触媒をほぐす等の作業が必要となるなど、作業性が
悪化する欠点もある。さらにまた、触媒の再生を不活性
ガス、例えば窒素雰囲気下で行うと再生効果を示さない
ばかりかむしろ触媒性能を悪化させることもあった。こ
のように、鉄・アンチモン・リン含有酸化物触媒、特に
リン成分を多く含有する触媒の再生には特有の問題が存
在することがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来法における問題点を解決すべくなされたもので、その
目的は工業的に有利に実施することのできる鉄、アンチ
モンおよびリンを必須成分として含有する金属酸化物触
媒の再生方法を提供することにあり、具体的にはリン成
分を多く含有する鉄・アンチモン・リン含有酸化物触媒
の再生においても触媒の固結や触媒粒子同志の付着を起
こすことなく、当該触媒の活性や触媒強度を効果的に回
復させることのできる鉄・アンチモン・リン含有金属酸
化物触媒の再生方法を提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】すなわち、本発明は、
有機化合物の酸化、アンモ酸化または酸化脱水素反応に
使用して触媒性能の劣化した鉄・アンチモン・リンを必
須成分として含む金属酸化物触媒を、酸素存在下に流動
化させながら600ないし900℃の温度範囲で加熱処
理することを特徴とする鉄・アンチモン・リン含有金属
酸化物触媒の再生方法に関する。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。 触媒 本発明で再生の対象となる触媒は、炭化水素その他の有
機化合物の酸化、アンモ酸化または酸化脱水素反応によ
る不飽和アルデヒド、不飽和ニトリルまたはシアン化水
素、あるいはジオレフィンの製造に使用され、反応使用
中にまたは何らかの事情により目的生成物の収率が低下
した鉄・アンチモン・リン系金属酸化物触媒である。具
体的には、鉄・アンチモン・リンを必須成分として含む
金属酸化物触媒であり、その触媒組成は次の実験式で示
される範囲に入るものが好ましい。 Fea Sbb Pc Xd Qe Rf Og (SiO2 )h 但し、上式中、XはV,MoおよびWからなる群から選
ばれた少なくとも一つの元素、QはLi,Na,K,C
s,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Th,Ti,Zr,Hf,N
d,Ta,Cr,Mn,Re,Co,Ni,Ru,R
h,Pd,Os,Ir,Pt,Cu,Ag,Au,Z
n,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn
およびPbからなる群から選ばれた少なくとも一種の元
素(好ましくはLi,Na,K,Cs,Mg,Ca,B
a,Ce,Ti,Zr,Cr,Mn,Co,Ni,C
u,Zn,Al,SnおよびPbからなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素)、RはB,As,Bi,およ
びSeからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素
(好ましくはBおよびBiからなる群から選ばれた少な
くとも一種の元素)を示し、添字a ,b,c,d,e,
f,g およびhは原子比を示し、それぞれ次の範囲にあ
る。a=10のとき、b=5〜60(好ましくは15〜
40),c=3〜40(好ましくは5〜20),d=0
〜10(好ましくは0.1〜5),e=0〜15(好ま
しくは0.1〜5),f=0〜10(好ましくは0〜
3),i=上記各成分が結合して生成する酸化物に対応
する数,h=10〜200(好ましくは30〜10
0)。
【0009】触媒の形状は任意であるが、本発明では触
媒の再生を流動化状態で行うため、その粒径は1〜50
0ミクロン、好ましくは5〜200ミクロンの範囲にあ
るのがよい。重量平均中位径としては20〜120ミク
ロンの範囲にあるのが好ましい。
【0010】触媒は噴霧乾燥法などを用いる公知の任意
の方法により製造することができる。たとえば、特公昭
42-22476号公報、特公昭47-18722号公報、特公昭47-187
23号公報、特開平1-143643号公報、特開平1-171640号公
報、特開平1-257125号公報、特開平3-26342 号公報など
に記載の方法を挙げることができる。
【0011】再生処理 本発明は、上記のような特定の劣化触媒に限って、それ
を加熱処理して再生するが、その時の処理条件として
は、600ないし900℃の温度範囲で、しかも酸素存
在下に当該触媒を流動化させながら加熱処理することが
必要である。劣化した触媒は、通常の手段ではその変化
を見出すことが難しく、どのように変化しているか明ら
かでないが、恐らく触媒表面の活性点における構造変化
をきたしているものと思われる。再生時の温度が600
℃より低い時には十分な活性ないし触媒強度の回復が得
られない。また900℃より高い温度では選択率の低
下、触媒強度の低下などが起きたり、触媒粒子同志の付
着性が増大して作業性が悪化したりすることがある。
【0012】触媒の加熱処理は、触媒を流動化させなが
ら加熱することが触媒の均一加熱、触媒の固結防止の点
から好ましい。使用する装置としては、回転炉、流動炉
などが挙げられる。触媒が流動層触媒の場合は、流動焼
成炉を適用するのが便利であり、好ましい。その際、触
媒を流動化するための供給ガスの空塔線速度としては7
〜60cm/secの範囲が好ましい。
【0013】触媒加熱時の雰囲気は、酸素存在雰囲気下
とする必要がある。非還元的雰囲気であっても酸素が存
在しないと、触媒の性能はさらに悪化する可能性が大き
く、完全酸化活性が増大する。酸素の存在量は5ないし
50vol.%の範囲が好ましい。実用上は、空気流通下で
行うのが便利であるが、純酸素あるいは空気を水蒸気、
二酸化炭素、窒素等の不活性ガスで希釈したものの存在
下でおこなうこともできる。処理時間は0.5ないし2
0時間の範囲で選択される。0.5時間以下では十分な
活性の回復が得られず、また20時間以上は実用的では
ない。
【0014】また、触媒の物性や活性の一層の向上を目
的として、劣化した触媒にモリブデン、リン等の特定成
分を含浸または吹き付けした後に焼成することもでき
る。特にリンの含浸または吹き付けが効果的で、触媒活
性の回復と同時に触媒強度も改善される。その場合、含
浸または吹き付けに用いられるリンの量は、触媒中のア
ンチモンに対し原子比で0.2以下の範囲が好ましい。
これより多いと触媒粒子同志の付着が起こりやすくな
り、均一な焼成が出来ない、触媒の抜き出しが困難にな
るなど問題が生じることがある。含浸または吹き付けに
用いるリン成分原料としてはリン酸(市販のオルトリン
酸など)を用いるのが便利であるが、その他各種リン含
有化合物溶液を用いることもできる。また、必要により
リン成分以外の成分も同時に含浸または吹き付けし、再
生処理を施すこともできる。
【0015】
【作用ならびに効果】本発明による方法で再生された触
媒は、活性面では収率、反応速度が未使用の触媒とほぼ
同程度に回復し、また触媒物性も改善される。そのため
最適反応条件もほとんど変化しないので未使用触媒と同
様に扱うことができ、またそれと混合して用いることも
できる。なお、本発明の触媒再生方法は多数回、繰返し
行うことが可能である。このように本発明による鉄・ア
ンチモン・リン含有金属酸化物触媒の再生方法は、その
工業的意義が極めて大きく、その結果得られる経済的効
果は非常に大である。
【0016】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を具体的
に示す
【0017】触媒A 実験式がFe10Sb25P12V0.5Mo0.1Al3K0.3Bi0.8O102.4(SiO
2)50である流動層触媒を以下の方法で調製した。 (I ) 三酸化アンチモン粉末326.7g をとる。 (II)硝酸(比重1. 38)390mlと純水480mlと
を混合して加温し、この中に電解鉄粉50.1g を少しず
つ加えて溶解させる。 (III )シリカゾル(SiO2 20重量%)1347g を
とる。 (IV)パラモリブデン酸アンモニウム2.64gを純水
7mlに溶解させる。 (V )メタバナジン酸アンモニウム5.24g を530
g に溶解させる。 (VI)硝酸アルミニウム112.1g を純水560g に
溶解させる。 (VII )硝酸カリウム3.02g を純水15g に溶解さ
せる。 (VIII)硝酸(比重1.38)2.8mlと純水36mlを
混合し、この中に硝酸ビスマス36.2g を加えて溶解
させる。(II)に(III )、(I )、(IV)〜(VIII)
の順に、よく撹拌しながら加え、15%アンモニア水に
よりpH2に調整する。このスラリーを撹拌しながら、9
8℃3時間加熱処理した。 (IV)リン酸(含量85重量%)120.6g をとる。 以上のように調製したスラリーに、(IV)を加えよく撹
拌する。このようにして得られた水性スラリーを、回転
円盤式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。得られた
微細な球状粒子を、200℃で2時間、400℃で3時
間焼成し、さらに800℃で3時間焼成した。
【0018】触媒B 実験式がFe10Sb19P8V1Mg2O77.5(SiO2)80である流動層触
媒を触媒Aと同様の方法で調製した。ただし、Mg原料
として硝酸マグネシウムを純水に溶解させて三酸化アン
チモンの次に加えた。また最終焼成は820℃3時間と
した。
【0019】触媒C 実験式がFe10Sb23P14Mo0.5W0.2Mn2Co1O101.1(SiO2)55
ある流動層触媒を触媒Aと同様の方法で調製した。ただ
し、W原料としてパラタングステン酸アンモニウム、M
n原料として硝酸マンガン、Co原料として硝酸コバル
トをそれぞれ純水に溶解させて三酸化アンチモンの次に
加えた。また最終焼成は850℃3時間とした。
【0020】触媒D 実験式がFe10Sb31P7.5V0.4Mo0.1Zn2.5Li0.1Na0.1B0.4O
100.25(SiO2)50 である流動層触媒を触媒Aと同様の方
法で調製した。ただし、Zn原料として硝酸亜鉛、B原
料として無水ホウ酸、Na原料として硝酸ナトリウム、
Li原料として硝酸リチウムをそれぞれ純水に溶解して
三酸化アンチモンの次に加えた。また最終焼成は800
℃3時間とした。
【0021】触媒E 実験式がFe10Sb28P9V0.2Mo0.4W0.1Cu2Bi1B0.5O99.75(Si
O2)60 である流動層触媒を以下の方法で調製した。 (I )三酸化アンチモン粉末331.3g をとる。 (II)硝酸(比重1.38)350mlと純水440g を
混合して加温し、この中に電解鉄粉45.3g を少しず
つ加え溶解させる。ついで、この溶液に硝酸銅39.2
g を加え溶解させる。 (III )シリカゾル(シリカ濃度20重量%)1463
g をとり、これにリン酸(含量85重量%)84.2g
を加えよく撹拌する。 (IV)パラモリブデン酸アンモニウム5.7g を純水1
4mlに溶解させる。 (V )メタバナジン酸アンモニウム1.9g を純水19
0mlに溶解させる。 (VI)パラタングステン酸アンモニウム2.1g を純水
11mlに溶解させる。 (VII )硝酸(比重1.38)2.9mlと純水36mlと
を混合し、この中に硝酸ビスマス39.4g を加え、溶
解させる。 (VIII)オルトホウ酸2.5g を純水13mlに溶解す
る。 よく撹拌しながら、(II)に(III )を加え、ついで
(I )、(IV)〜(VIII)を加える。このようにして得
られたスラリーをよく撹拌しながら100℃で8時間加
熱した。このようにして得られたスラリーを回転円盤式
の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。得られた微細な
球状粒子を250℃8時間、ついで400℃5時間焼成
し、最後に流動焼成炉で710℃3時間焼成した。
【0022】触媒の活性試験 活性試験はメタノール、空気、アンモニアを、触媒流動
部の内径が2.5cm、高さ40cmの流動層反応器に充填
された触媒層へ通じることによって行った。反応圧力は
常圧である。ただし、実施例、比較例におけるメタノー
ルの転化率、目的生成物の収率、選択率は次の定義によ
る。
【0023】反応条件は次の通りである。 (1)O2 (空気として供給)/メタノール=4.3
(モル/モル) NH3 /メタノール=1.1(モル/モル) (2)O2 (空気として供給)/メタノール=1.6
(モル/モル) NH3 /メタノール=1.1(モル/モル)
【0024】触媒強度試験 流動接触分解触媒(FCC触媒)の試験法として知られ
ている「Test Methodsfor Synthetic Cracking」Americ
ann Cyanamid Co. 6/31-4m-1/57 記載の方法に準じて行
った。試験には63ないし105 μの粒径範囲の触媒粒子を
供した。摩耗損失R(%)は次式により求めたものであ
る。 R=(B/C−A)×100 ただし、A;0〜5時間に摩耗した触媒の重量(g) B;5〜15時間に摩耗した触媒の重量(g) C;試験に供した触媒の重量(g)
【0025】実施例1 触媒Aを触媒流動部の内径が4.3cm、高さが70cmの
反応器に充填し、O2(空気として供給)/メタノール
=0.8(モル/モル)、NH3 /メタノール=1.0
(モル/モル)、接触時間6sec 、温度420℃の条件
下で反応させたところ経時的にシアン化水素収率の低下
が認められた。この条件下で反応を4時間継続した。抜
き出した触媒(劣化触媒とする)を内径28m/m φの流
動焼成炉に充填し、空気で触媒を流動化させながら70
0℃3時間焼成処理した(再生処理触媒とする)。空気
の空塔線速度は10cm/secであった。新品触媒、劣化触
媒、再生処理触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処
理した触媒の活性は新品触媒と同等であった。
【0026】実施例2 実施例1と同一の劣化触媒を実施例1と同様にして80
0℃3時間焼成処理した。新品触媒、劣化触媒、再生処
理触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処理した触媒
の活性は新品触媒と同等であった。
【0027】実施例3 実施例1と同一の劣化触媒を実施例1と同様にして85
0℃3時間焼成処理した。ただし空気の空塔線速度は8
cm/secとした。新品触媒、劣化触媒、再生処理触媒の活
性試験結果を表1に示す。再生処理した触媒の活性は新
品触媒と同等であった。
【0028】実施例4 触媒Bを用いて実施例1と同一の条件下で反応させたと
ころ経時的なシアン化水素収率の低下が認められた。こ
の条件下で反応を4時間継続した。抜き出した触媒(劣
化触媒)を実施例1と同様にして850℃1時間焼成処
理した(再生処理触媒)。新品触媒、劣化触媒、再生処
理触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処理した触媒
の活性は新品触媒と同等であった。
【0029】実施例5 触媒Cを用いて実施例1と同一の条件下で反応させたと
ころ経時的なシアン化水素収率の低下が認められた。こ
の条件で反応を4時間継続した。抜き出した触媒(劣化
触媒)を実施例1と同様にして800℃3時間焼成処理
した(再生処理触媒)。新品触媒、劣化触媒、再生処理
触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処理した触媒の
活性は新品触媒と同等であった。
【0030】実施例6 触媒Dを用いて実施例1と同一の条件下で反応させたと
ころ経時的なシアン化水素収率の低下が認められた。こ
の条件下で反応を4時間継続した。抜き出した触媒(劣
化触媒)を実施例1と同様にして800℃8時間焼成処
理した(再生処理触媒)。新品触媒、劣化触媒、再生処
理触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処理した触媒
の活性は新品触媒と同等であった。
【0031】実施例7 触媒Eを触媒流動部の内径が2.5cm、高さが40cmの
反応器に充填し、O2(空気として供給)/メタノール
=1.4(モル/モル)NH3 /メタノール=1.0
(モル/モル)、接触時間6sec 、温度420℃の条件
下で反応させたところ経時的なシアン化水素収率の低下
が認められた。この条件下で反応を100時間継続し
た。抜き出した触媒(劣化触媒)を実施例1と同様にし
て750℃3時間焼成処理した(再生処理触媒)。また
劣化触媒に原子比でP/Sb=0.04となるようにリ
ン酸を含浸し、750℃3時間焼成した(含浸再生触
媒)。新品触媒、劣化触媒、再生処理触媒および含浸再
生触媒の活性試験結果を表1に示す。再生処理触媒、含
浸再生触媒の活性は新品触媒と同等以上であった。
【0032】また、新品触媒、劣化触媒、再生処理触媒
および含浸再生触媒の触媒強度測定結果を下記に示す。
再生処理触媒、含浸再生触媒の触媒強度は新品触媒と同
等以上であった。
【0033】比較例1 実施例1と同一の劣化触媒を実施例1と同様にして50
0℃3時間焼成処理した(再生処理触媒)。新品触媒、
劣化触媒、再生処理触媒の活性試験結果を表2に示す。
再生処理触媒の活性は不十分であり、新品触媒のレベル
に到達していない。
【0034】比較例2 実施例1と同一の劣化触媒を実施例1と同様にして95
0℃3時間焼成処理した(再生処理触媒)。新品触媒、
劣化触媒、再生処理触媒の活性試験結果を表2に示す。
再生処理触媒は粒子同志が付着していた。その活性は不
十分であり、新品触媒のレベルに到達していない。
【0035】比較例3 実施例1と同一の劣化触媒を実施例1と同様にして、た
だし空気の代わりに窒素を用いて820℃3時間焼成処
理した(再生処理触媒)。新品触媒、劣化触媒、再生処
理触媒の活性試験結果を表2に示す。再生処理触媒の活
性は劣化触媒のレベルよりも劣り、再生効果は全く認め
られないばかりかむしろ青酸収率は悪化した。
【0036】比較例4 実施例5と同一の劣化触媒を実施例5と同様の処理を行
った。ただし、空気の空塔線速度を6cm/secとした。再
生処理した触媒は粒子同志が付着していた。新品触媒、
劣化触媒、再生処理触媒の活性試験結果を表2に示す。
処理触媒の活性は実施例5の場合と比べて不十分であ
る。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機化合物の酸化、アンモ酸化または酸
    化脱水素反応に使用して触媒性能が劣化した鉄・アンチ
    モン・リンを必須成分として含む金属酸化物触媒を、酸
    素存在下に流動化させながら600ないし900℃の温
    度範囲で加熱処理することを特徴とする鉄・アンチモン
    ・リン含有金属酸化物触媒の再生方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒が、下記の実験式で示される組
    成を有するものである請求項1記載の触媒の再生方法。 実験式 Fea Sbb Pc Xd Qe Rf Og (S
    iO2 )h 但し、上式中、XはV,MoおよびWからなる群から選
    ばれた少なくとも一つの元素、QはLi,Na,K,C
    s,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,
    Ce,Pr,Nd,Sm,Th,Ti,Zr,Hf,N
    d,Ta,Cr,Mn,Re,Co,Ni,Ru,R
    h,Pd,Os,Ir,Pt,Cu,Ag,Au,Z
    n,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn
    およびPbからなる群から選ばれた少なくとも一種の元
    素、RはB,As,Bi,およびSeからなる群から選
    ばれた少なくとも一種の元素を示し、添字a ,b,c,
    d,e,f,g およびhは原子比を示し、それぞれ次の
    範囲にある。a=10のとき、b=5〜60,c=3〜
    40,d=0〜10,e=0〜15,f=0〜10,i
    =上記各成分が結合して生成する酸化物に対応する数,
    h=10〜200。
  3. 【請求項3】 加熱処理に、流動焼成炉を用いる請求項
    1または2記載の触媒再生方法。
  4. 【請求項4】 劣化触媒の流動化を、酸素含有ガスの空
    塔線速度7cm/sec以上の条件下で行う請求項1,2また
    は3記載の触媒再生方法。
  5. 【請求項5】 劣化触媒に、リン成分を含浸または吹き
    付けした後に加熱処理する請求項1,2,3または4記
    載の触媒再生方法。
  6. 【請求項6】 劣化触媒に添加するリン成分の量が、触
    媒中のアンチモンに対し原子比で0.2 以下である請求項
    5記載の触媒再生方法。
  7. 【請求項7】 劣化触媒が、メタノールのアンモ酸化反
    応によるシアン化水素の製造に使用して活性の劣化した
    触媒である請求項1,2,3,4または5記載の触媒再
    生方法。
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