JPH0732804U - 光軸調整装置を具備した車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み付け作業性の向上、部品点数の軽減化、
過剰光軸調整によるリフレクタ等の破損防止。 【構成】 アジャストスクリュウ１０２に取付球凸部１
０７を設け、ランプハウジング１０に取付球凹部２１を
設け、その取付球凸部１０７を前記取付球凹部２１に一
方向から嵌合圧入してアジャストスクリュウ１０２をラ
ンプハウジング１０に装着する。この結果、アジャスト
スクリュウ１０２のランプハウジング１０への組み付け
作業が一方向で済み、組み付け作業が簡便化できる。ま
た、ウエーブワッシャーやプッシュナット等が不要とな
り、その分部品点数を軽減化することができる。さら
に、リフレクタ１３等がアジャストスクリュウ１０２に
当接して破損する前に、取付球凸部１０７が取付球凹部
２１から脱落し、過剰の光軸調整によりアジャストスク
リュウ１０２でリフレクタ１３等を破損することから確
実に保護することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばリフレクタ可動タイプの自動車用前照灯等（自動車のヘッド ランプやフォグランプ等）の車両用灯具であって、アジャストスクリュウを回転 させてリフレクタを傾動させて光軸を調整する光軸調整装置を具備した車両用灯 具に係り、特に組み付け作業性が良く、また部品点数を軽減化することができ、 さらに過剰の光軸調整によりアジャストスクリュウの先端でリフレクタ等を破損 することから確実に保護することができる光軸調整装置を具備した車両用灯具に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の従来の光軸調整装置を具備した車両用灯具を図２及び図３を参照して 説明する。この例はリフレクタ可動タイプの自動車用前照灯について説明する。 なお、図３において作図上の便宜からハッチングを省略する。

【０００３】 図において、１は光軸調整装置を装備したリフレクタ可動タイプの自動車用前 照灯である。この自動車用前照灯１は、ランプハウジング１０の前面開口部に前 面レンズ１１を配設して、その前面レンズ１１及びランプハウジング１０により 灯室１２を画成形成する。この灯室１２内に可動リフレクタ１３を配設し、その 可動リフレクタ１３を前記ランプハウジング１０に、ピボット軸受機構１４によ り回動可能に取り付ける。その可動リフレクタ１３の前面側に後述する光源バル ブ１５からの光を前記前面レンズ１１側に反射させる反射面１８を設ける。その 可動リフレクタ１３の反射面１８側に光源バルブ１５を装備し、かつその光源バ ルブ１５を前記灯室１２内に配設する。前記ランプハウジング１０と前記可動リ フレクタ１３とに上下方向用の光軸調整装置１６及び左右方向用の光軸調整装置 １７を装備する。前記上下方向用の光軸調整装置１６若しくは左右方向用の光軸 調整装置１７を操作して、前記可動リフレクタ１３（光源バルブ１５をも含む。 ）を前記ランプハウジング１０に対して上下方向若しくは左右方向に回動させて 光軸調整を行なうものである。

【０００４】 次に、上述の光軸調整装置のうち左右方向用の光軸調整装置１７について説明 する。 まず、前記ランプハウジング１０の左右方向用の光軸調整装置１７を装備する 箇所の外側に取付ボス部１００を一体に設け、かつその取付ボス部１００の中心 に例えば円形の挿通孔１０１を設ける。この挿通孔１０１にアジャストスクリュ ウ１０２を、ランプハウジング１０の後部側から前面側に（矢印イ方向に）挿入 すると共に、このランプハウジング１０の取付ボス部１００の後面側とアジャス トスクリュウ１０２の鍔部１０３との間に同じく矢印イ方向側からＯリング１０ ４を介在させる。それから、前記アジャストスクリュウ１０２にウエーブワッシ ャー１０５とプッシュナット１０６とを、ランプハウジング１０の前面側から後 部側に（矢印ロ方向に）圧入すると共に、このウエーブワッシャー１０５とプッ シュナット１０６とを前記取付ボス部１００の前面側に当接させる。この結果、 前記アジャストスクリュウ１０２を前記ランプハウジング１０に、回転可能にか つアジャストスクリュウ１０２の軸方向に移動不可能に装着することとなる。 一方、前記可動リフレクタ１３の背面のうち、左右方向用の光軸調整装置１７ を装備する箇所に取付部１３０を一体に設ける。この取付部１３０にスクリュウ マウンティング１３１を装着する。このスクリュウマウンティング１３１に前記 アジャストスクリュウ１０２をねじ込む。なお、このスクリュウマウンティング １３１は図示のものに限定されない。すなわち、このスクリュウマウンティング １３１は取付部１３０にアジャストスクリュウ１０２の軸に対して交差する方向 から取り付けられているが、取付部１３０にアジャストスクリュウ１０２の軸方 向から取り付けれれるように構成されているスクリュウマウンティングであって も良い。 かくして、アジャストスクリュウ１０２を回転させると、スクリュウマウンテ ィング１３１がねじの送り作用でアジャストスクリュウ１０２の軸方向に沿って 移動し、それに伴ってリフレクタ１３が左右方向に傾動することとなる。なお、 上述のアジャストスクリュウ１０２の回転操作は、手動の他に左右方向用の光軸 調整装置１６のモータドライブ機構（図示せず）により機械的に行なっても良い 。 なお、上述の上下方向用の光軸調整装置１６の構成及び作用も上述の左右方向 用の光軸調整装置１７の構成及び作用とほぼ同一である。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述の従来の光軸調整装置を具備する車両用灯具は、アジャストス クリュウ１０２をランプハウジング１０の挿入孔１０１に後部側から前面側に矢 印イ方向に挿入し、一方アジャストスクリュウ１０２にウエーブワッシャー１０ ５とプッシュナット１０６とを前面側から後部側に矢印ロ方向に圧入して、アジ ャストスクリュウ１０２をランプハウジング１０に回転可能にかつ軸方向に移動 不可能に装着するものである。このために、従来の車両用灯具は、アジャストス クリュウ１０２のランプハウジング１０への組み付け作業が、後部側から前面側 への矢印イ方向と前面側から後部側への矢印ロ方向との２方向となり、そのアジ ャストスクリュウ１０２の組み付け作業が煩雑となる。 また、従来の車両用灯具は、アジャストスクリュウ１０２をランプハウジング １０に装備するためにウエーブワッシャー１０５やプッシュナット１０６等を必 要とするために、部品点数が多い。 さらに、従来の車両用灯具は、過剰の光軸調整によりアジャストスクリュウ１ ０２の先端でリフレクタ１３の取付部１３０を破損することから保護する手段が 何等設けられていない。このために、アジャストスクリュウ１０２を回転し過ぎ ると、図３中の二点鎖線に示すように、リフレクタ１３の取付部１３０がアジャ ストスクリュウ１０２の先端に当接し、そのままアジャストスクリュウ１０２を 回転し続けてて過剰に光軸調整した場合、リフレクタ１３の取付部１３０がアジ ャストスクリュウ１０２により破損する等の問題が有る。

【０００６】 本考案の目的は、組み付け作業性が良く、また部品点数を軽減化することがで き、さらに過剰の光軸調整によりアジャストスクリュウの先端でリフレクタ等を 破損することから確実に保護することができる光軸調整装置を具備した車両用灯 具提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するために、アジャストスクリュウに取付球凸部 を設け、一方ランプハウジングに取付球凹部を設け、アジャストスクリュウの取 付球凸部をランプハウジングの取付球凹部に一方向から嵌合圧入して、アジャス トスクリュウをランプハウジングに回転可能にかつ軸方向に移動不可能に装着し たことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案は、アジャストスクリュウの取付球凸部をランプハウジングの取付球凹 部に一方向から嵌合圧入することにより、アジャストスクリュウをランプハウジ ングに装備することができるので、アジャストスクリュウのランプハウジングへ の組み付け作業が一方向で済み、組み付け作業が２方向の従来の車両用灯具と比 較して、アジャストスクリュウのランプハウジングへの組み付け作業が簡便化で きる。 また、本考案は、アジャストスクリュウの取付球凸部とランプハウジングの取 付球凹部との嵌合圧入により、アジャストスクリュウをランプハウジングに装備 することができるので、従来の車両用灯具のように、アジャストスクリュウをラ ンプハウジングに装備するためのウエーブワッシャーやプッシュナット等が不要 となり、その分部品点数を軽減化することができる。 さらに、本考案は、アジャストスクリュウの取付球凸部をランプハウジングの 取付球凹部に一方向から嵌合圧入してなるものであるから、アジャストスクリュ ウを回転し過ぎて、リフレクタ等がアジャストスクリュウの先端に当接した場合 において、リフレクタ等がアジャストスクリュウの先端で破損する力より小さい 力で上述のアジャストスクリュウの取付球凸部がランプハウジングの取付球凹部 から嵌合圧入方向と反対の方向に脱落するように、アジャストスクリュウの取付 球凸部とランプハウジングの取付球凹部との嵌合圧入を設定しておくことにより 、過剰の光軸調整によりアジャストスクリュウの先端でリフレクタ等を破損する ことから確実に保護することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案に係る光軸調整装置を具備した車両用灯具の一実施例を図１を参 照して説明する。この例はリフレクタ可動タイプの自動車用前照灯について説明 する。なお、作図上の便宜からハッチングを省略する。図中、図２及び図３と同 符号は同一のものを示す。

【００１０】 図において、２はランプハウジング１０の取付ボス部１００からランプハウジ ング１０の後部側（外側）に一体に突設した取付部である。この取付部２に挿通 孔２０を前記取付ボス部１００の挿入孔１０１と外部とを連通して設けると共に 、その取付部２の挿通孔２０の開口側に取付球凹部２１を設ける。この取付球凹 部２１の内径は前記挿通孔２０の内径より大であり、またこの挿通孔２０の内径 は前記挿入孔１０１の内径より大として、その挿通孔２０と挿入孔１０１との境 に段部１０８を形成する。

【００１１】 一方、アジャストスクリュウ１０２のほぼ中間部に鍔部１０３の代りに取付球 凸部１０７を一体に設ける。

【００１２】 前記ランプハウジング１０の取付球凹部２１の内径は、前記アジャストスクリ ュウ１０２の取付球凸部１０７の外径とほぼ等しいか若しくは若干小となす。ま た、前記ランプハウジング１０を合成樹脂等の弾性部材から構成して、前記取付 球凹部２１に前記取付球凸部１０７を嵌合圧入できるように構成する。

【００１３】 かくして、Ｏリング１０４をランプハウジング１０の後部側から前面側に矢印 イ方向に、ランプハウジング１０の取付部２の挿通孔２０中に圧入すると共に、 段部１０８に当接させる。次に、アジャストスクリュウ１０２のねじ部側を矢印 イ方向に、ランプハウジング１０の挿通孔２０及び挿入孔１０１中に挿通挿入す る。そして、アジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７を矢印イ方向に、 ランプハウジング１０の取付球凹部２１中に嵌合圧入する。この結果、アジャス トスクリュウ１０２がランプハウジング１０に回転可能にかつ軸方向に移動不可 能に装備されることとなる。

【００１４】 この実施例における本考案の光軸調整装置を具備した車両用灯具は、以上の如 き構成からなるので、アジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７をランプ ハウジング１０の取付球凹部２１に、ランプハウジング１０の後部側から前面側 に矢印イの一方向から嵌合圧入することにより、アジャストスクリュウ１０２を ランプハウジング１０に装備することができるので、アジャストスクリュウ１０ ２のランプハウジング１０への組み付け作業が一方向で済み、組み付け作業が２ 方向の従来の車両用灯具と比較して、アジャストスクリュウ１０２のランプハウ ジング１０への組み付け作業が簡便化できる。 また、本考案は、アジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７とランプハ ウジング１０の取付球凹部２１との嵌合圧入により、アジャストスクリュウ１０ ２をランプハウジング１０に装備することができるので、従来の車両用灯具のよ うに、アジャストスクリュウ１０２をランプハウジング１０に装備するためのウ エーブワッシャー１０５やプッシュナット１０６等が不要となり、その分部品点 数を軽減化することができる。 さらに、本考案は、アジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７をランプ ハウジング１０の取付球凹部２１に一方向から嵌合圧入してなるものであるから 、アジャストスクリュウ１０２を回転し過ぎて、リフレクタ１３の取付部１３０ 等がアジャストスクリュウ１０２の先端に当接した場合において、リフレクタ１ ３の取付部１３０等がアジャストスクリュウ１０２の先端で破損する力より小さ い力で上述のアジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７がランプハウジン グ１０の取付球凹部２１から嵌合圧入方向（矢印イ方向）と反対の方向に脱落す るように、アジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７とランプハウジング １０の取付球凹部２１との嵌合圧入を設定しておくことにより、過剰の光軸調整 によりアジャストスクリュウ１０２の先端でリフレクタ１３の取付部１３０等を 破損することから確実に保護することができる。 なお、過剰光軸調整の緩衝でアジャストスクリュウ１０２の取付球凸部１０７ がランプハウジング１０の取付球凹部２１から脱落した場合、アジャストスクリ ュウ１０２の取付球凸部１０７を矢印イ方向にランプハウジング１０の取付球凹 部２１に再び嵌合圧入することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の自動車用前照灯の光軸調整装置は、組み付け作 業性が良く、また部品点数を軽減化することができ、さらに過剰の光軸調整によ りアジャストスクリュウの先端でリフレクタを破損することから確実に保護する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る光軸調整装置を具備する車両用灯
具の一実施例を示した縦断面図である。

【図２】従来の光軸調整装置を具備する車両用灯具を示
した正面図である。

【図３】図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【符号の説明】

１…自動車用前照灯、１０…ランプハウジング、１１…
前面レンズ、１２…灯室、１３…可動リフレクタ、１４
…ピボット機構、１５…光源バルブ、１６…上下方向用
の光軸調整装置、１７…左右方向用の光軸調整装置、１
８…反射面、１００…取付ボス部、１０１…挿通孔、１
０２…アジャストスクリュウ、１０４…Ｏリング、１０
７…取付球凸部、１０８…段部、１３０…取付部、１３
１…スクリュウマウンティング、２…取付部、２０…挿
通孔、２１…取付球凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランプハウジングとレンズとで灯室を画
   成し、その灯室内にリフレクタを傾動可能に配設し、前
   記ランプハウジングにアジャストスクリュウを回転可能
   にかつ軸方向に移動不可能に装着し、前記リフレクタに
   スクリュウマウンティングを装着し、そのスクリュウマ
   ウンティングに前記アジャストスクリュウをねじ込み、
   そのアジャストスクリュウを回転させることにより、前
   記リフレクタを傾動させて光軸を調整する光軸調整装置
   を具備した車両用灯具において、 前記アジャストスクリュウに設けた取付球凸部と、前記
   ランプハウジングに設けた取付球凹部であって、前記ア
   ジャストスクリュウの取付球凸部を一方向から嵌合圧入
   することにより前記アジャストスクリュウを前記ランプ
   ハウジングに回転可能にかつ軸方向に移動不可能に装着
   する取付球凹部と、を備えたことを特徴とする光軸調整
   装置を具備した車両用灯具。