JPH07327407A - 播種方法及び播種シート - Google Patents

播種方法及び播種シート

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JPH07327407A
JPH07327407A JP6119292A JP11929294A JPH07327407A JP H07327407 A JPH07327407 A JP H07327407A JP 6119292 A JP6119292 A JP 6119292A JP 11929294 A JP11929294 A JP 11929294A JP H07327407 A JPH07327407 A JP H07327407A
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Kichishu Tei
▼吉▼洙 鄭
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管理経費や労働経費を少なくして田植コスト
を低廉にしながら、鳥害を招くことなく収穫率を高め、
しかも、植付間隔を一定として苗の良好な育成を行って
所定の収穫率が確実に得られるようになし、また、草取
りや稲刈り作業時などに機械力を導入して、これらの作
業を省力的に行えるようにする。 【構成】 吸水性をもつ長尺の台シート2と、吸水性を
もつ長尺の覆いシート3とから成り、これら各シート
2,3の間に種子4を所定の植付間隔を置いて挟着状に
保持させた播種シート1を用いて圃場等の耕地Aへの播
種作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として種子の圃場へ
の播種方法と同方法に用いる播種シートとに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圃場で稲などを育成する場合に
は、次の2つの方法が採用されている。先ず、第1の方
法は、稲などの種子を苗代や育苗箱に播種して苗を育成
し、この苗を田植機などで圃場に植付ける育苗方法と、
前記籾を圃場に直接播種して育成させる散播の方法とが
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記育苗方
法のうち、前記種子を苗代に播種して苗を育成する場合
には、この苗代を作る必要があるし、また、該苗代で苗
を発芽育成するまでの水管理などが面倒であるばかり
か、長期にわたる労働を必要とするため、管理経費や労
働経費が高くついて前記苗が高価なものとなり、その
上、以上のように苗代で苗を育成するときには、この苗
代に播種された籾を鳥が食べるため、鳥害を受け易い問
題もあった。また、前記育苗方法のうち、前記籾を育苗
箱に播種して苗を育成する場合、この育苗箱による苗の
育成は通常温室内で行われることから、前述した場合の
ように、鳥害を受けることはないものの、専用の育苗箱
を必要とし、これら育苗箱は苗を植付けるべき圃場面積
に応じて多数個を用意する必要があるため、前記育苗箱
の購入経費が高くなり、また、該育苗箱を次年度に使用
すべく保管するのに大きな専用空間を必要とするのであ
り、しかも、前記育苗箱による苗の育成を前記温室内で
行うためには、この温室の温度管理を行う必要があっ
て、管理経費や労働経費が高くついて前記苗が高価なも
のとなったのである。さらに、以上の育苗方法では、前
記苗代や育苗箱で苗を育成した後、これらの育成苗を圃
場に植付ける必要もある。
【0004】また、前記籾を圃場に直接播種して育成す
る散播方法によれば、前述した育苗方法に較べ、田植作
業が不要となり、また、前記籾を直接圃場で育成するこ
とにより田植コストを低廉にできる反面、前記圃場に播
種された籾を鳥が食べるため、鳥害を受け易くて収穫率
が低下する問題があった。しかも、前記籾を圃場に直接
播種する場合、該種子は手作業やヘリコプターなどで播
種されることから、これら各籾の播種密度が不均一にな
り易く、特に、該各籾が密状に播種されたりすると、各
籾の発芽,発根に悪影響を与え、ひいては苗の育成に悪
影響を与えることになり、一方、前記各籾が粗状に播種
されたりすると、所定の収穫率が得られないと言う問題
があり、その上、圃場で育成される苗の植付間隔が不均
一となることにより、草取り作業や稲刈り作業などを行
うようなとき、機械力の導入が困難となる問題もあった
のである。
【0005】本発明の目的は、上述した従来方法による
各種欠点を排除し、これら各方法の利点を共に具備でき
るようにすることにあり、つまり、管理経費や労働経費
を少なくして田植コストなどの植栽コストを低廉にでき
ながら、虫害や鳥害を招くことなく収穫率を高めること
ができ、しかも、植付間隔を一定として苗等の植物の良
好な育成を行って所定の収穫率を確実に得ることがで
き、また、草取りや稲刈り作業時などに機械力を導入し
て、これらの作業を省力的に行うことができる主として
籾の圃場への播種方法と同方法に用いる播種シートとを
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明にかかる播種方法は、吸水性をもった長尺
の台シート2と、吸水性をもった長尺の覆いシート3と
の間に、種子4を植付間隔を置いて挟着状に保持させた
播種シート1を圃場などの耕地に敷設して、前記種子4
を圃場等の耕地に播種するようにしたのである。
【0007】また、第2発明は、種子を圃場等の耕地に
播種するときの播種シートであって、吸水性をもつ長尺
の台シート2と、吸水性をもつ長尺の覆いシート3とか
ら成り、これら台シート2と覆いシート3との間に種子
4を植付間隔を置いて挟着状に保持させたものである。
【0008】
【作用】第1発明にかかる播種方法によれば、吸水性を
もつ長尺な台シート2と、同じく吸水性をもつ長尺な覆
いシート3とを備え、これら各シート2,3間に主とし
て籾から成る種子4を所定植付間隔置きに挟着状に保持
させて構成した播種シート1が使用され、この播種シー
ト1を圃場等の耕地に敷設して、該圃場に水を引き込む
ことにより、又は、予め冠水された圃場に前記播種シー
ト1を敷設することにより、前記種子4の圃場への播種
作業が行われる。そして、斯かる播種シート1は、前記
各シート2,3と、該各シート2,3間に挟着される種
子4とから形成されて全体重量が軽量であるため、従来
のように、育苗箱や苗代に種子を播種して育成し、この
育成苗を圃場にまで運ぶ場合に較べ、前記播種シート1
の圃場までの運搬を簡単かつ省力的に行うことができる
ばかりか、前記播種シート1を用いて前記種子4を圃場
に直接播種して育成させることにより田植コストを低廉
にできるし、また、前記各シート2,3は吸水性を備
え、前記播種シート1の敷設作業後に圃場内の水を前記
各シート2,3が直ちに吸収するため、これら各シート
2,3により前記種子4に水分を与えて、該種子4の発
芽,発根を良好に行うことができ、しかも、前記各シー
ト2,3は圃場への敷設後に圃場内の水を吸収して重く
なり、該圃場の土壌面に沈下して保持されることから、
風などによる影響を受けることなく、前記種子4を土壌
面に確実に保持して育成させることができのであり、さ
らに、前記種子4が発根,発芽するまでの所定期間が経
過するまでは、前記覆いシート3で前記種子4を覆って
鳥から保護することができ、従って、以上のように田植
コストを低廉としながら、鳥害をなくして収穫率を高め
ることができ、その上、前記種子4が発根,発芽する頃
には、この種子4から発根する根部を前記台シート2か
ら圃場の土壌内に突入させて根付かせ、また、前記種子
4から発芽する芽部は前記覆いシート3から上方に延ば
して、前記種子4の成長を前記各シート2,3で阻害さ
せることなく、前記種子4の成長を確実かつ良好に行う
こともできる。しかも、従来のように、前記種子4を圃
場に直接播種する場合には、これらの種子4の播種密度
が不均一になり易く、特に、該各種子4が密状に播種さ
れたりすると、これら各種子4の発芽,発根に悪影響を
与え、ひいては苗等の植物の育成に悪影響を与えること
になり、一方、前記各種子4が粗状に播種されたりする
と、所定の収穫率が得られないのに対し、以上の播種方
法に使用される播種シート1は、前記各シート2,3間
に前記種子4が所定植付間隔に挟着保持されていること
から、これら各種子4の圃場への播種密度を均一にでき
て、該各種子4の育成を良好にできて所定の収穫率を確
実に得ることができ、その上、圃場で育成される苗の植
付間隔を均一にできることから、草取り作業や稲刈り作
業などを行うようなとき、機械力を導入して省力的に行
うこともできるのである。
【0009】第2発明にかかる播種シート1によれば、
吸水性をもつ長尺な台シート2と、同じく吸水性をもつ
長尺な覆いシート3とを備え、これら各シート2,3間
に種子4を所定植付間隔置きに挟着状に保持させて構成
しているため、工場などでの大量生産が可能となって前
記播種シート1を安価に製作でき、また、従来のように
育苗箱や苗代で育成した育成苗は、次年度までの保存が
できないことから、使用しない場合は捨てるしか方法が
なかったのに対し、以上の播種シート1は次年度まで保
存することができ、特に、保存時に前記種子4が前記各
シート2,3間に挟着されて、該各シート2,3で前記
種子4が保護されるため、この種子4の虫害を防止する
こともでき、その上前記各シート2,3により、前記種
子4を保温でき、特に寒冷地での種子保存及び播種に好
適なものとなるのである。また、前記播種シート1は、
従来の苗代で育成された苗や育苗箱に較べて軽量である
ため、圃場での播種作業時に、前記播種シート1の圃場
までの運搬を簡単かつ省力的に行うことができるばかり
か、以上のような安価な播種シート1を用いて前記種子
4を直接圃場に播種育成することにより田植コストを低
廉にできるのであり、しかも、前記各シート2,3は吸
水性を備え、前記播種シート1の敷設作業後には前記各
シート2,3が圃場内の水を直ちに吸収するため、これ
ら各シート2,3により前記種子4に水分を与えて、該
種子4の発芽,発根を良好に行うことができ、また、前
記種子4が発根,発芽するまでの所定期間が経過するま
では、前記覆いシート3で前記種子4を覆って鳥から保
護することができ、従って、田植コストを低廉としなが
ら鳥害をなくして収穫率を高めることができ、その上、
前記種子4が発根,発芽する頃には、この種子4から発
根する根部を前記台シート2から圃場の土壌内に突入さ
せて根付かせ、また、前記種子4から発芽する芽部は前
記覆いシート3から上方に延ばして、前記種子4の成長
を前記各シート2,3で阻害させることなく、前記種子
4の成長を確実かつ良好に行うこともできるのである。
さらに、従来のように、前記種子4を圃場に直接播種す
る場合は、これらの種子4の播種密度が不均一になり易
くて、所定の収穫率が得られなかったのに対し、前記播
種シート1によれば、前記各シート2,3間に前記種子
4が所定植付間隔に挟着保持されていることから、これ
ら種子4の圃場への播種密度を均一にできて、該各種子
4の育成を良好にできて所定の収穫率を確実に得ること
ができ、しかも、圃場で育成される苗の植付間隔を均一
にできるために、草取り作業や稲刈り作業などを行うよ
うなとき、機械力を導入して省力的に行うこともできる
のである。
【0010】
【実施例】以下、本発明にかかる播種方法と同方法に用
いる播種シートとを図面の実施例に基づいて説明する。
図1は主として籾などの種子を圃場などの耕地に播種す
るときに用いる播種シートを示しており、この播種シー
ト1は、吸水性をもつ長尺の台シート2と、吸水性をも
つ長尺の覆いシート3とを接合一体化して成り、これら
台シート2と覆いシート3との間には主として籾から成
る種子(以下単に籾という)4を所定植付間隔置きに挟
着状に保持させて形成するのである。
【0011】更に詳記すると、前記台シート2と覆いシ
ート3として、長尺で所定広幅とされた同一大きさのも
のを用い、これら各シート2,3間で幅方向に所定の幅
間隔を置いて例えば2個の袋部5を設け、また、これら
各袋部5の多数組を前記各シート2,3の長さ方向に所
定の長さ間隔を置いて形成し、これら各袋部5の幅及び
長さ間隔を圃場に植付けられる苗の植付間隔と同一間隔
の、例えば20〜30センチ間隔として、前記各袋部5
の長さに前記種子4の複数粒を装填させるのである。前
記各シート2,3を接合一体化させるにあたっては、例
えば水溶性の接着剤を用い、該接着剤を介して前記各シ
ート2,3の前記各袋部5を除く全面を接着するか、又
は、圧着ロールなどを用いて前記各シート2,3の前記
各袋部5を除く全面に皺などを形成して、この皺などで
前記各シート2,3を接合一体化させるのである。
【0012】また、前記台シート2及び覆いシート3
は、主に薄い再生紙を使用するのであり、この再生紙は
安価であるため、前記播種シート1の原料コストを低廉
にでき、しかも、該播種シート1は工場などでの大量生
産が可能であることから、安価な再生紙を使用すること
と相俟って前記播種シート1の製作コストを低廉とする
ことができる。さらに、前記再生紙は吸水性に富みなが
ら一定の強度を保持するように形成するのであって、後
述するように、前記播種シート1をロール状に巻回し
て、このロール状の播種シート1を人力や移動台車など
で引張りながら圃場に敷設するとき、該播種シート1が
途中で破れたりすることなく、この播種シート1の圃場
への敷設作業を確実に行うことができるようにするので
ある。また、以上のように、低廉な播種シート1を用
い、しかも、この播種シート1を用いて前記種子4を圃
場に直接播種して育成させることにより田植コストを低
廉にでき、また、前記再生紙は吸水性に優れていること
から、前記播種シート1を圃場に敷設した後に水を引き
込み、又は、該播種シート1を予め冠水された圃場に敷
設することにより、この圃場内の水を前記各シート2,
3が直ちに吸水して沈下するのであり、また、前記各シ
ート2,3の吸水により、該各シート2,3から前記種
子4に水分を与えて、この種子4の発根,発芽を促進さ
せることができ、しかも、前記再生紙は、沈下すると共
に水分を吸収しても一定期間は所定の強度を保持して、
前記種子4が発根,発芽するまでの所定期間が経過する
までは、前記覆いシート3で前記種子4を覆うことがで
きるから、前記種子4を鳥から保護することができ、従
って、鳥害をなくして収穫率を高めることができ、その
上、前記種子4が発根,発芽するとき、前記種子4から
発根する根部を前記台シート2から圃場の土壌内に突入
させて根付かせ、また、前記種子4から発芽する芽部は
前記覆いシート3から上方に延ばして、前記種子4の成
長を前記各シート2,3で阻害させることなく、前記種
子4の成長を確実かつ良好に行うことができ、さらに、
前記再生紙は最終的には水で分解されて苗の肥料となる
のである。
【0013】また、同図で示すように、前記播種シート
1の各袋部5を除く複数箇所には貫通孔6を形成するよ
うにしてもよく、斯くするときには、前記播種シート1
を予め冠水された圃場に敷設するような場合に、前記各
貫通孔6から排水しながら前記播種シート1を圃場の土
壌面に沈下させて円滑に敷設することができる。
【0014】さらに、前記各袋部5の内部には、前記種
子4と共に肥料や殺虫剤及び除草剤などを装填させるよ
うにしてもよく、斯くする場合には、前記播種シート1
の圃場への敷設作業後に、前記各シート2,3が水で分
解腐敗されることにより、前記肥料や殺虫剤及び除草剤
などが溶出されることから、従来、播種作業後に行う必
要があった肥料や殺虫剤及び除草剤などの散布作業が不
要となり、このため田植作業に必要な一連の各種作業を
前記播種シート1の敷設作業と同時に行うことができ
て、田植コストをさらに低減させることができる。ま
た、従来では、前記肥料や殺虫剤及び除草剤などの散布
作業を行ったとき、これらの各剤が圃場から流出したす
ることがあったのに対し、以上のように、前記各袋部5
内に前記種子4と共に装填させることにより、前記各剤
の圃場からの流出を阻止できて、該各剤の必要量を前記
種子4に確実に施すこともできるのである。
【0015】また、以上の実施例では、前記台シート2
と覆いシート3として、長尺で所定広幅とされた同一大
きさのものを用い、これら各シート2,3を互いに接合
一体化させて、その幅方向に2個の袋部5を設け、該各
袋部5を長さ方向に多数組設けて前記播種シート1を形
成するようにしたが、本発明では、この播種シート1の
幅方向に前記袋部5の2個以上を設けることもでき、さ
らに、前記播種シート1は、例えば図2で示したよう
に、前記台シート2として広幅のものを用い、一方、前
記覆いシート3としては狭幅のものを使用して、該覆い
シート3の2本を前記台シート2上に接合一体化させ
て、これら各覆いシート3と台シート2との間に前記各
袋部5を形成するようにしてもよく、斯くするときに
は、前記覆いシート3の使用面積を少なくできて、前記
播種シート1の原料コストをさらに低減することができ
る。尚、前記覆いシート3として広幅のものを用い、ま
た、前記台シート2として狭幅のものを使用してもよ
く、斯くするときでも前述した場合と同様な作用効果を
得ることができる。
【0016】さらに、各図の実施例では、前記播種シー
ト1を幅方向に2つの袋部5をもつ広幅に形成したが、
前記台シート2と覆いシート3とを狭幅に形成して、こ
れら各シート2,3間で幅方向中間部に前記袋部5の1
個を設け、この袋部5を長さ方向に多数個設けて狭幅の
播種シート1を形成するようにしてもよい。斯くする場
合には、前記播種シート1が狭幅間隔となって1個当り
の重量を少なくできることから、この播種シート1を運
搬したりする場合の取扱性を良好とすることができる。
また、前記播種シート1を形成するにあたっては、前記
各シート2,3として長尺で広幅のものを用い、これら
各シート2,3の幅方向に複数個の袋部5を設けて、そ
の内部に前記種子4を装填さておき、斯かる播種シート
1を所定間隔で裁断することにより、以上のように、狭
幅とされた播種シート1を形成することもできる。
【0017】次に、以上の播種シート1を用いた圃場へ
の播種方法を説明する。先ず、前記播種シート1は、例
えば図3で示したように、該播種シート1が巻回される
筒部の幅方向両側に鍔部71,71をもち、かつ、この
各鍔部71の中心外側に隣接するものとの間に所定の植
付間隔を保持するスペーサ72を設けたロール7を使用
し、このロール7の各鍔部71間で筒部上に前記播種シ
ート1を複数層に巻装して、斯かる播種シート1が巻回
されたロール7の複数個を前記回転軸73上に所定植付
間隔を置いて回転可能に挿通支持させる。
【0018】そして、前記ロール7における回転軸73
の長さ方向両端部を移動台車にセットし、又は、この回
転軸73の長さ方向両端部を人力で把持して、該回転軸
73上に支持された前記ロール7を圃場Aの上方側に保
持した状態で、前記移動台車を走行させ、又は、前記回
転軸73を保持する人間が移動することにより、前記ロ
ール7を回転させながら、このロール7に巻回された前
記播種シート1を圃場Aへと繰出して、該圃場Aに前記
播種シート1を敷設させ、この敷設後に前記圃場Aに水
を引き込むことにより、又は、予め冠水された前記圃場
Aに前記播種シート1を敷設することにより、該播種シ
ート1に保持された種子4の前記圃場Aへの播種作業が
行われるのである。さらに、以上の敷設作業時に、前記
播種シート1が圃場Aの端部にまで敷設されたときに
は、前記播種シート1が再生紙で形成されているため、
該播種シート1を簡単に切断することができ、また、前
記播種シート1の敷設が行い難い箇所においては、この
播種シート1を適当に切断して敷設し難い箇所に簡単に
敷設することもできるのである。
【0019】斯くすることにより、前記播種シート1の
前記圃場Aへの敷設作業を簡単かつ迅速にまた省力的に
行うことができ、しかも、前記播種シート1は、前記各
シート2,3と、該各シート2,3間に挟着される種子
4とから形成されて全体重量が軽量であるため、従来の
ように、育苗箱や苗代に種子を播種して育成し、この育
成苗を圃場にまで運ぶ場合に較べ、前記播種シート1の
圃場までの運搬を簡単かつ省力的に行うことができるば
かりか、前記播種シート1を用いて前記種子4を圃場A
に直接播種して育成させることにより田植コストを低廉
にできるし、また、前記各シート2,3は吸水性を備
え、前記播種シート1の敷設作業後に圃場Aに水を引き
込み、又は、予め冠水された圃場Aに前記播種シート1
を敷設することにより、直ちに前記各シート2,3が水
分を吸収するため、これら各シート2,3により前記種
子4に水分を与えて、該種子4の発芽,発根を良好に行
うことができ、しかも、前記各シート2,3は敷設後に
前記圃場A内の水を吸水して重くなり、この圃場Aの土
壌面に沈下して移動不能に保持されることから、風など
による影響を受けることなく、前記種子4を土壌面に確
実に保持して育成させることができのであり、さらに、
前記種子4が発根,発芽するまでの所定期間が経過する
までは、前記覆いシート3で前記種子4を覆って鳥から
保護することができ、従って、以上のように田植コスト
を低廉としながら、鳥害をなくして収穫率を高めること
ができ、その上、前記種子4が発根,発芽するとき、こ
の種子4から発根する根部を前記台シート2から前記圃
場Aの土壌内に突入させて根付かせ、また、前記種子4
から発芽する芽部は前記覆いシート3から上方に延ばし
て、前記種子4の成長を前記各シート2,3で阻害させ
ることなく、前記種子4の成長を確実かつ良好に行うこ
ともできる。しかも、従来のように、前記種子4を圃場
Aに直接播種したりする場合は、これらの種子4の播種
密度が不均一になり易く、特に、該各種子4が密状に播
種されたりすると、これら各種子4の発芽,発根に悪影
響を与え、ひいては苗の育成に悪影響を与えることにな
り、一方、前記各種子4が粗状に播種されたりすると、
所定の収穫率が得られないのに対し、以上の播種方法に
使用される播種シート1は、前記各シート2,3間に前
記種子4が所定植付間隔に挟着保持されていることか
ら、これら各種子4の圃場Aへの播種密度を均一にでき
て、該各種子4の育成を良好にできて所定の収穫率を確
実に得ることができ、その上、前記圃場Aで育成される
苗の植付間隔を均一にできることから、草取り作業や稲
刈り作業などを行うようなとき、機械力を導入して省力
的に行うこともできるのである。
【0020】また、以上の実施例では、前記播種シート
1を前記ロール7上に巻回させるようにしたが、本発明
では、前記ロール7を必ずしも用いる必要はなく、前記
播種シート1を複数層にロール状に巻回して、この播種
シート1の両側面に紙などを貼着することにより、該播
種シート1をロール状に保持させて、斯かるロール状の
播種シート1を前記回転軸73に所定の植付間隔で回転
可能に挿通支持させて前記圃場Aへの播種作業を行うこ
ともできる。また、種子として籾を用いたが、その他野
菜の種子にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の第
1発明にかかる播種方法によれば、吸水性をもつ長尺な
台シート2と、同じく吸水性をもつ長尺な覆いシート3
とを備え、これら各シート2,3間に種子4を所定植付
間隔置きに挟着状に保持させて構成した播種シート1を
用いて、この播種シート1を圃場などの耕地に敷設する
ようにしたから、前述した従来方法による各種欠点を排
除し、これら各方法の利点を共に具備することができる
のであり、つまり、管理経費や労働経費を少なくして田
植に至る植栽コストを低廉にできながら、虫害や鳥害を
招くことなく収穫率を高めることができ、しかも、植付
間隔を一定として苗の良好な育成を行って所定の収穫率
を確実に得ることができ、また、草取りや収穫作業時な
どに機械力を導入して、これらの作業を省力的に行うこ
とができるのである。さらに詳述すると、前記播種方法
に使用される播種シート1は、前記各シート2,3と、
該各シート2,3間に挟着される種子4とから形成され
て全体重量が軽量であるため、従来のように、育苗箱や
苗代に種子を播種して育成し、この育成苗を圃場にまで
運ぶ場合に較べ、前記播種シート1の圃場までの運搬を
簡単かつ省力的に行うことができるばかりか、前記播種
シート1を用いて前記種子4を圃場等の耕地に直接播種
して育成させることにより植栽コストを低廉にできる
し、また、前記播種シート1を圃場に敷設する場合、圃
場内の水を前記各シート2,3が直ちに吸収するため、
これら各シート2,3により前記種子4に水分を与え
て、該種子4の発芽,発根を良好に行うことができ、し
かも、前記各シート2,3は圃場への敷設後に圃場内の
水を吸収して重くなり、該圃場の土壌面に沈下して移動
不能に保持されることから、風などによる影響を受ける
ことなく、前記種子4を土壌面に確実に保持して育成さ
せることができのであり、さらに、前記種子4が発根,
発芽するまでの所定期間が経過するまでは、前記覆いシ
ート3で前記種子4を覆って鳥から保護することがで
き、従って、以上のように田植コストを低廉としなが
ら、鳥害をなくして収穫率を高めることができ、その
上、前記種子4が発根,発芽するとき、この種子4から
発根する根部を前記台シート2から圃場等の耕地に突入
させて根付かせ、また、前記種子4から発芽する芽部は
前記覆いシート3から上方に延ばして、前記種子4の成
長を前記各シート2,3で阻害させることなく、前記種
子4の成長を確実かつ良好に行うこともできる。しか
も、従来のように、前記種子4を圃場に直接播種する場
合には、これらの種子4の播種密度が不均一になり易
く、特に、該各種子4が密状に播種されたりすると、こ
れら各種子4の発芽,発根に悪影響を与え、ひいては苗
等の植物の育成に悪影響を与えることになり、一方、前
記各種子4が粗状に播種されたりすると、所定の収穫率
が得られないのに対し、以上の播種方法に使用される播
種シート1は、前記各シート2,3間に前記種子4が所
定植付間隔に挟着保持されていることから、播種密度を
均一にできて、該各種子4の育成を良好にできて所定の
収穫率を確実に得ることができるのである。
【0022】また、第2発明にかかる播種シート1によ
れば、吸水性をもつ長尺な台シート2と、同じく吸水性
をもつ長尺な覆いシート3とを備え、これら各シート
2,3間に種子4を所定植付間隔置きに挟着状に保持さ
せて構成しているため、工場などでの大量生産が可能と
なって前記播種シート1を安価に製作でき、また、従来
のように育苗箱や苗代で育成した育成苗は、次年度まで
の保存ができないために、使用しない場合は捨てるしか
方法がなかったのに対し、以上の播種シート1は次年度
まで保存することができ、特に、保存時に前記種子4が
前記各シート2,3間に挟着されて、該各シート2,3
で前記種子4が保護されるため、この種子4の虫害を防
止することもでき、その上、前記各シート2,3により
前記種子4を保温でき、特に寒冷地での種子保存及び播
種に好適なものとなるのである。また、前記播種シート
1は、従来の苗代で育成された苗や育苗箱に較べて軽量
であるため、圃場での播種作業時に、前記播種シート1
の圃場までの運搬を簡単かつ省力的に行うことができる
ばかりか、以上のような安価な播種シート1を用いて前
記種子4を直接圃場等の耕地に播種育成することにより
田植に至る植栽コストを低廉にできるのであり、しか
も、前記種子4が発根,発芽するまでの所定期間が経過
するまでは、前記覆いシート3で前記種子4を覆って鳥
から保護することができ、従って、鳥害をなくして収穫
率を高めることができ、その上、前記種子4が発根,発
芽するときには、この種子4から発根する根部を前記台
シート2から圃場の土壌内に突入させて根付かせ、ま
た、前記種子4から発芽する芽部は前記覆いシート3か
ら上方に延ばして、前記種子4の成長を前記各シート
2,3で阻害させることなく、前記種子4の成長を確実
かつ良好に行うこともできるのである。さらに、従来の
ように、前記種子4を圃場に直接播種する場合は、これ
らの種子4の播種密度が不均一になり易くて、所定の収
穫率が得られなかったのに対し、前記播種シート1によ
れば、前記各シート2,3間に前記種子4が所定植付間
隔に挟着保持されていることから、これら種子4の圃場
への播種密度を均一にできて、該各種子4の育成を良好
にできて所定の収穫率を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2発明にかかる播種シートを示す斜視図であ
る。
【図2】同播種シートの他実施例を示す縦断面図であ
る。
【図3】第1発明にかかる播種方法を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 播種シート 2 台シート 3 覆いシート 4 種子 A 圃場

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性をもった長尺の台シート(2)
    と、吸水性をもった長尺の覆いシート(3)との間に、
    種子(4)を植付間隔を置いて挟着状に保持させた播種
    シート(1)を圃場等の耕地に敷設して、前記種子
    (4)を前記耕地に播種することを特徴とする播種方
    法。
  2. 【請求項2】 種子を圃場等の耕地に播種するときの播
    種シートであって、吸水性をもつ長尺の台シート(2)
    と、吸水性をもつ長尺の覆いシート(3)とから成り、
    これら台シート(2)と覆いシート(3)との間に種子
    (4)を植付間隔を置いて挟着状に保持させていること
    を特徴とする播種シート。
JP6119292A 1994-05-31 1994-05-31 播種方法及び播種シート Pending JPH07327407A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115336452A (zh) * 2021-05-13 2022-11-15 长沙壹点农业科技有限公司 嵌入式播种

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CN115336452A (zh) * 2021-05-13 2022-11-15 长沙壹点农业科技有限公司 嵌入式播种

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